JPH0531429B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、火災発生源の位置（領域を含む）を
判定する火源位置判定装置に関する。

［従来の技術］ 従来では、室に火災センサを設けてどの室から
火災が発生したかを判定するようになつていた。

しかしながら、室のどの位置に火災が発生した
かを判定することはできなかつた。このため、火
災が発生しても適切な消火措置をとることができ
ない場合があつた。

［発明が解決しようとする問題点］ 本発明は、火災の発生を判別することができる
と共に火源位置（火災発生源の位置）をも判定す
ることができる火源位置判定装置を得ることを目
的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本発明に係る火源位置判定装置では、交差する
入射領域がマトリツクス状となるよう配設され入
射された赤外線量に応じたレベルの信号を出力す
る複数の火災センサと、火災センサからの信号レ
ベル及び信号レベルの変化により火災を判別する
火災判別手段と、各火災センサからの信号レベル
と配設位置とに基づいて赤外線量の分布を補間に
よつて求め前記分布のピーク位置から火源位置を
判定する火源位置判定手段と、を有することを特
徴としている。

［作用］ 本発明では、入射された赤外線量に応じたレベ
ルの信号を出力する複数の火災センサを、入射領
域がマトリツクス状に交差するように配設し、火
災センサからの信号レベル及び信号レベルの変化
により火災を判別する。炎にはちらつきがあるの
で、火災が発生すると、火災の発生位置の近傍に
配設された火災センサからの信号レベルが一定値
以上となり、かつ信号レベルにちらつき等の変化
が生じる。火災判別手段は火災センサからの信号
レベル及び信号レベルの変化により火災の発生を
判別できる。

また、火災が発生すると、火災センサからの信
号レベルは入射された赤外線量、すなわち火災セ
ンサ配設位置から火源位置までの距離が短くなる
に従つて大きくなる。本発明では前述のように火
災センサを入射領域がマトリツクス状に交差する
ように配設しているので、火災が発生すると複数
の火災センサからの信号レベルが大きくなり、火
源位置判定手段が各火災センサからの信号レベル
と配設位置とに基づいて、赤外線の分布を補間に
よつて求めることができる。そして前記赤外線の
分布のピーク位置から火源位置を判定することが
できる。

このように、補間によつて赤外線の分布を求め
火源位置を判定するので、火災を検出した火災セ
ンサの入射領域内に火源が位置していると判定す
る場合と比較して、より正確に火源位置を判定で
きる。また、本発明は火源位置を正確に判定する
ために火災センサを移動させて火災センサの検出
領域を走査させる必要もなく、構成を簡単にする
ことができる。

［実施例］ 図面に従つて本発明に係る火源位置判定装置の
実施例を説明する。

第１図に示す如く、直方体状の室１０の一つの
壁面１２には火災センサＦ１，Ｆ２，Ｆ３，Ｆ４
が一定間隔を為して配設されている。これらの火
災センサの入射軸方向は壁面１２の面と直交して
いる。また、壁面１２と直交する壁面１４にも火
災センサＦ５，Ｆ６，Ｆ７が一定間隔を為して配
設されている。これらの火災センサの入射軸も壁
面１４と直交している。火災センサＦは、第２図
に示す如く、感知素子１６の前方へフイルタ１８
を介して筒２０が配設されている。この感知素子
１６は、波長が4.3μ付近の赤外線の検出効率の高
いものであり、たとえばセレン火鉛（PbSe）光
導伝素子である。また、フイルタ１８は波長が
4.3μ付近の赤外線のみを通過させる狭帯域透過フ
イルタである。筒２０は感知素子１６に入射され
る赤外線の入射範囲を制限するためのものであ
る。感知素子１６からの赤外線検出信号はアンプ
２２を介して出力される。

第３図には種々の光の分光相対強度が示されて
おり、イはガソリンの炎、ロは都市ガスの炎、ハ
は白熱電球、ニは太陽光の場合である。イとロで
は高温の炭酸ガスによる強い共鳴放射線帯ホが
4.3μ付近の波長に存在する。本実施例に係る火災
センサＦではこの4.3μ付近の波長の赤外線を検出
するようになつているので、火災発生の誤検出を
防止することが可能となつている。

第１図に示す如く、火災センサＦに入射される
赤外線の入射領域は互いに交差しており、交差す
る入射領域はマトリツクス状となつている。従つ
て、各火災センサからの信号レベルから火源位置
を判定可能となつている。火災センサＦ１〜Ｆ７
からの信号はマルチプレクサ５０に入力され、
Ａ／Ｄ変換器５２、入力インターフエイス５４を
介してマイクロコンピユータ５６に入力されるよ
うになつている。マイクロコンピユータ５６は出
力インターフエイス５８を介してマルチプレクサ
５０、Ａ／Ｄ変換機５２に制御信号を出力してお
り、火災センサＦ１〜Ｆ７からの信号をマルチプ
レクサ５０で走査しながら切換え入力し、Ａ／Ｄ
変換器５２により各アナログ信号をデジタル信号
に変換してマイクロコンピユータ５６へ出力する
ようになつている。出力インターフエイス５８に
は火災警報を発生するスピーカ６０、火源位置等
を表示するCRT６２、火災情報を紙にプリント
するプリンタ６４が接続されている。また、マイ
クロコンピユータ５６は出力インターフエイス５
８を介して室１０の壁面に設けられた消火装置２
４を制御するようになつている。即ち、消火装置
２４により消火を開始させると共に、図示しない
消火液噴出ノズルを火源方向へ駆動するようにな
つている。なお、入力インターフエイス５４には
キーボード６６からの信号が入力されるようにな
つており、スピーカ６０からの警報をリセツトす
ると共にCRT６２及びプリンタ６４からの火災
情報の出力を制御可能となつている。

なお、筒２０は設けなくてもよい。

次に上記の如く構成された本実施例の作用を第
４図及び第５図に従つて説明する。第４図にはマ
イクロコンピユータ５６による制御フローチヤー
トが示されており、ステツプ100において火災セ
ンサＦ１〜Ｆ７からの赤外線入射量Si（ｉ＝１〜
７）を入力する。全ての赤外線入射量Siの値が火
災判別定数値S₀未満の時はステツプ100へ戻る。
火災判別定数値S₀以上となる赤外線入射量Siの値
が存在すれば、次いで赤外線入射量Siの値が時間
と共に変動しているかどうかを判別する（ステツ
プ104）。即ち、炎に火災固有のちらつきがあるか
どうかを判別する。赤外線入射量Siの値に変動が
あれば火災と判別し、次いで火源位置を判定する
（ステツプ106）。火源位置の判定方法は種々のも
のが考えられるが第５図にその一例を示す。横軸
Ｘは第１図の壁面１２に沿つた位置を示してお
り、XiはFiの配設位置である。縦軸は赤外線入
射量Ｓを示している。本実施例では火災センサＦ
の配設個数を少なくし、演算により数多くの火災
センサＦを配設した場合と同様の情報を得ようと
するものである。すなわちＳ１〜Ｓ４を通る３次
曲線を求めＳ１〜Ｓ４の間を補間する。この３次
曲線は赤外線の分布を表しており、この３次曲線
のピーク点の位置、即ち火源の中心位置PX及び
火源の領域LXを求める。Ｘ方向と直交するＹ方
向についても同様である。このLXを定めるため
のＳの基準値SLはＹ方向の火源中心位置PYをも
考慮して定められる。次いでこの火源位置（火源
領域を含む）に応じて消火装置２４を制御し（ス
テツプ108）、７０を消火する。この消火装置２４
を制御すると共に、スピーカ６０から警報を出力
する（ステツプ110）。また、オフしていたCRT
６２をオンしCRT６２に火源位置を表示する
（ステツプ112）。次いで消火が完了していなけれ
ばステツプ106に戻る。このステツプ114ではステ
ツプ100〜104と同様の処理により消火完了を判別
するようになつている。なお、ステツプ110にお
いてスピーカ６０からの警報出力はキーボード６
６からリセツト信号が入力されることによりリセ
ツトされる。また、ステツプ112におけるCRT６
２による火源位置の表示はキーボード６６の操作
によつて変更される。

次に、第６図には本発明の第２実施例が示され
てれており、この第２実施例では壁面１２，１４
に対向する面へも火災センサＦ８〜Ｆ１１が配設
されており、火源位置の判定を容易にしている。

火災センサを配設する数が多く、これらを集中
的に中央で管理する場合には、各室毎又はいくつ
かの室毎に中継器を設け、中継器で火源位置を判
別し中央のコンピユータへ火源情報を伝送するよ
うにしてもよい。

［発明の効果］ 入射された赤外線量に応じたレベルの信号を出
力する複数の火災センサを、交差する入射領域が
マトリツクス状となるよう配設し、各火災センサ
からの信号レベルと配設位置とに基づいて赤外線
の分布を補間によつて求めこの分布のピーク位置
から火源位置を判定するようにしたので、火災の
発生に対し適切な措置をとることが可能となると
いう優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る火源位置判定装置の第１
実施例を示す略構成図、第２図は火災センサの略
構成図、第３図は種々の光の分光相対強度を示す
線図、第４図は制御フローチヤート、第５図は火
源位置決定方法を示す線図、第６図は本発明の第
２実施例を示す略構成図である。 Ｆ，Ｆ１〜Ｆ１０……火災センサ、５６……マ
イクロコンピユータ、１６……感知素子、１８…
…フイルタ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 交差する入射領域がマトリツクス状となるよ
   う配設され入射された赤外線量に応じたレベルの
   信号を出力する複数の火災センサと、火災センサ
   からの信号レベル及び信号レベルの変化により火
   災を判別する火災判別手段と、各火災センサから
   の信号レベルと配設位置とに基づいて赤外線量の
   分布を補間によつて求め前記分布のピーク位置か
   ら火源位置を判定する火源位置判定手段と、を有
   することを特徴とする火源位置判定装置。