JPH05311853A - 畳の平刺し方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 畳床に固定された畳表の側縁部に縁布および
縁下紙を順に重ねて縫着した後に生じる縁布の収縮を防
止し、もって縁止め作業を容易にし、その機械化を可能
にする。 【構成】 畳表１１が固定された畳床１０を長さ方向に
間欠的に送りながら、上記畳表１１の側縁部に縁布１２
および縁下紙１６を順に重ねて縫着する畳の平刺し方法
において、縁布１２および縁下紙１６を接着剤で接着
し、しかるのち縫着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、畳の平刺し方法に関
し、平刺し機で畳床に固定された縁布の収縮を防止し、
平刺し後に行う隅止め作業が容易になるようにしたもの
である。

【０００２】

【従来の技術】畳の平刺し方法として、畳表が固定され
た畳床を長さ方向に間欠的に前送りしながら、その上前
側に縁布および縁下紙を順に重ねて上前用ミシンで縫着
する一方、反対側の下前用ミシンを幅方向に進退させな
がら付属の畳床カッタで畳床を所望の寸法に切断してく
せ取りを行い、同時に縁布および縁下紙を順に重ねて上
記の下前用ミシンで縫着する方法が知られている。図２
は、このようにして平刺しされた畳床を示し、１０は畳
床、１１は畳表、１２は縁布、１３は縁下紙、１４は平
刺しの縫い目である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
は、縁布１２を緊張しながら、その上に縁下紙１３を単
に重ねて縫着していたので、縫着の終了と共に、縁布１
２が縫い目１４の反対側で収縮し、その端部が鎖線１２
Ｂで示すように湾曲していた。したがって、次の工程で
縁布１２および縁下紙１３を矢印Ｐ方向に１８０度折曲
げ（鎖線１２Ａ参照）、次いで畳床１０の縁からはみ出
る部分を下に折曲げ、更にカマチの手前（図２の右下
方）に突出する部分を下に折曲げてステープル（図示さ
れていない）を打って隅止めする際、上記縁布１２の収
縮側を緊張して伸ばす必要があり、そのため上記隅止め
作業が困難になり、その機械化を不可能にしていた。

【０００４】この発明は、上記の縁布１２に縁下紙１３
を接着剤で接着することにより、縁布の収縮を防止し、
もって縁止め作業を容易にし、その機械化を可能にする
ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
畳表が固定された畳床を長さ方向に間欠的に送りなが
ら、上記畳表の側縁部に縁布および縁下紙を順に重ねて
縫着する畳の平刺し方法において、上記の縁布および縁
下紙を接着剤で接着し、しかるのち縫着することを特徴
とする畳の平刺し方法である。

【０００６】なお、上記の縁布および縁下紙は、あらか
じめ接着しておいてもよく、また縁下紙の片面に接着剤
をあらかじめ塗布しておき、平刺し機上で縁布に重ねて
接着してもよく、また平刺し機上で縁下紙の下面または
縁布の上面に接着剤を塗布し、しかるのち縁布および縁
下紙を重ねて接着するようにしてもよい。

【０００７】

【作用】伸縮性の乏しい縁下紙が縁布に接着されるの
で、縁布の伸縮性が縁下紙で止められ、平刺し機による
縫着が終了した後に縁布が収縮しない。したがって、平
刺し後の隅止めに際して縁布を引張る必要がなく、隅止
め作業が容易になる。

【０００８】

【実施例】図１において、畳床１０は、右向きに一定ピ
ッチずつ間欠的に送られる。この間欠送りに同期して前
方（図１の右方）のミシン針１５が昇降し、前記の縫い
目１４を形成する。ミシン針１５の畳床供給側（図１の
左方）には、縁布１２の巻きロール１２Ｒが回転自在に
支持され、この巻きロール１２Ｒから引出された縁布１
２が畳表１１上に裏表に重ねられる。また、上記縁布１
２の巻きロール１２Ｒとミシン針１５との間に縁下紙１
６の巻きロール１６Ｒが回転自在に支持され、この巻き
ロール１６Ｒから引出された縁下紙１６が縁布１２に圧
接する回転自在のガイドローラ１７の下に導かれて縁布
１２の上に重ねられる。この縁下紙１６は、片面に粘着
性の接着剤を塗布した粘着テープであり、従来と同様に
折り目癖が付けられ、粘着剤の塗布面が内側を向くよう
に巻きロール１６Ｒに巻き取られている。

【０００９】上記の構造において、平刺し機が運転され
ると、畳床１０が間欠的に図１の右方に前送りされ、こ
れに同期してミシン針１５が昇降し、畳表１１上に重ね
られた縁布１２および縁下紙１６がガイドローラ１７で
畳表１１上に押し付けられて互いに接着され、しかるの
ちミシン針１５で畳床１０に縫着される。なお、接着剤
がホットメルト性の場合は、ガイドローラ１７としてヒ
ータを内蔵した加熱ローラが使用される。

【００１０】上記縁下紙１６の接着剤は、平刺し機上で
塗布することができる。この場合は、縁下紙１６の巻き
ロール１６Ｒとガイドローラ１７との間に接着剤吐出用
口金２０を縁下紙１６の下面に近接して設け、外側の接
着剤タンクから圧送される接着剤を上記の口金２０から
吐出させて縁下紙１６の下面に塗布する。また、縁布１
２の上面に上記の口金２０を近接させ、この縁布１２に
接着剤を塗布することができる。なお、接着剤がホット
メルト性の場合は、上記の口金２０にヒータを付設する
ことができる。

【００１１】

【発明の効果】この発明によれば、畳床に固定された畳
表上に縁布および縁下紙が互いに接着された状態で重ね
られ、しかるのち平刺しにより固定されるので、縁布の
収縮が防止される。したがって、従来のように縁布を緊
張して縁布の歪みを修正しながら隅止めを行う必要がな
くなって隅止め作業が容易になり、隅止め作業の自動化
が可能になると共に、縁布を構成する経糸および緯糸の
湾曲が消え、仕上がりが良好になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施態様を示す平刺し機上の畳床の側面図であ
る。

【図２】縁布および縁下紙を取付けた畳床の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１０：畳床 １１：畳表 １２：縁布 １３：縁下紙 １４：縫い目 １５：ミシン針 １６：接着剤が塗布された縁下紙 １７：ガイドローラ ２０：接着剤吐出用口金

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 畳表が固定された畳床を長さ方向に間欠
   的に送りながら、上記畳表の側縁部に縁布および縁下紙
   を順に重ねて縫着する畳の平刺し方法において、上記の
   縁布および縁下紙を接着剤で接着し、しかるのち縫着す
   ることを特徴とする畳の平刺し方法。