JPH0530895A - 食鳥の骨付もも肉の骨に沿つてすじ入れする装置 - Google Patents

食鳥の骨付もも肉の骨に沿つてすじ入れする装置

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JPH0530895A
JPH0530895A JP19224991A JP19224991A JPH0530895A JP H0530895 A JPH0530895 A JP H0530895A JP 19224991 A JP19224991 A JP 19224991A JP 19224991 A JP19224991 A JP 19224991A JP H0530895 A JPH0530895 A JP H0530895A
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JP
Japan
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blade
cutter
gripping device
bone
gripping
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JP19224991A
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English (en)
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Kanji Sumida
舘治 済田
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FUTSUDOKURAFUTO EQUIP CO Inc
GORDEX KK
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FOODCRAFT EQUIP CO Inc
FUTSUDOKURAFUTO EQUIP CO Inc
GORDEX KK
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Publication date
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    • AHUMAN NECESSITIES
    • A22BUTCHERING; MEAT TREATMENT; PROCESSING POULTRY OR FISH
    • A22CPROCESSING MEAT, POULTRY, OR FISH
    • A22C21/00Processing poultry
    • A22C21/0069Deboning poultry or parts of poultry
    • A22C21/0076Deboning poultry legs and drumsticks

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Nonmetal Cutting Devices (AREA)
  • Processing Of Meat And Fish (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 食鳥の骨付もも肉の骨に沿ってすじ入れする
装置を提供する。 【構成】 くるぶしを回動自在に把持し、くるぶしを先
頭に水平移動する骨付もも肉の把持装置と、骨付もも肉
を支持する支持部材と、楔形の水平断面を有し、楔の刃
を形成し上下に延びる稜線を把持装置の移動後方に向け
た第1の刃と、第1の刃の第1の刃面に当接し、前記稜
線から把持装置の移動後方に僅かに突出し、第1の刃に
対して上下に往復移動する薄肉の第2の刃とを備えるカ
ッターと、前記第2の刃面に隣接し、該刃面に向けて付
勢された押圧部材と、カッターと押圧部材とを上方から
把持装置に接近、離隔させるカッター駆動装置と、前記
稜線に加わる把持装置の移動方向の力が小の時、前記第
2の刃面が把持装置の移動方向に延在するようにカッタ
ーの上下軸回りの回動位置を規制し、しからざる時、上
下方向軸の回りにカッターを回動させるカッター回動装
置とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食鳥の骨付もも肉を解
体する際の第1工程である、骨に沿ってすじ入れする装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】食鳥の骨付もも肉を解体する際には、第
1の工程として、骨に沿ってすじ入れ、すなわち肉の切
り開き作業が行なわれる。小売規格等により、食鳥のも
も肉の形状が規定されているため、上記すじ入れが行な
われる部位は、図7に示すように、骨付もも肉の内側、
すなわち体の中心線側に限定される。
【0003】従来、上記すじ入れは、図7に示すように
一方の手で骨付もも肉のくるぶし部分を握った作業者
が、他方の手で握ったナイフで、骨付もも肉の内側か
ら、且つくるぶしから股関節に向けて、骨にナイフの刃
先を押し当てるようにして、骨に沿って切り込みを入れ
ることにより行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、人手によるす
じ入れ作業においては、骨にナイフの刃先を押し当てる
力が大き過ぎて刃が骨に食い込み、骨が削られ肉に付着
して商品価値が低下し、あるいは、力が小さすぎてナイ
フが骨から離れ、骨に肉が付着して歩留りが低下する等
の問題があった。
【0005】従って、本発明の目的は、骨を削ることな
く、且つ骨に肉を残すことなく、確実に骨に沿ってすじ
いれを行うことができる、食鳥の骨付もも肉の骨に沿っ
てすじ入れする装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、食鳥の骨付もも肉のくるぶし
を、骨付もも肉のくるぶしを中心とする水平面内での回
動を許容しつつ把持する把持装置と、把持された骨付も
も肉のくるぶしを進行方向先頭に股関節を進行方向後方
にして把持装置を水平移動させる把持装置駆動装置と、
把持装置の下方に配設された、骨付もも肉を支持するた
めの支持部材とを備え、更に、厚肉の楔形の水平断面を
有し、楔の刃を形成する稜線を上下に延在させると共に
該稜線を把持装置の移動方向の後方に向けて配設され、
且つ把持装置の移動方向の所定位置において把持装置の
移動線上に配設された第1の刃と、第1の刃の刃面を形
成する第1の側面に一方の側面を当接させて配設され、
且つ第1の刃の前記稜線から把持装置の移動方向後方に
僅かに突出した薄肉の第2の刃と、第2の刃を第1の刃
に対して、上下に往復移動させる刃駆動装置とを備えた
カッターと、第1の刃の刃面を形成する第2の側面に隣
接して配設され第2の側面に向けて付勢された押圧部材
と、把持装置がカッターに近接した所定の移動区間にあ
る時にカッターと押圧部材とを上方から把持装置に接近
させ、把持装置が前記所定の移動区間にない時にカッタ
ーと押圧部材とを把持装置から上方に遠ざけるカッター
駆動装置と、第1の刃の前記稜線に加わる把持装置の移
動方向の力が所定値以下の場合に、第1の刃の前記第2
の側面が把持装置の移動方向に延在するようにカッター
の上下軸回りの回動位置を規制し、第1の刃の前記稜線
に加わる把持装置の移動方向の力が所定値を越える場合
に、上下方向軸の回りにカッターを回動させるカッター
回動装置とを有するカッター組立体を備えることを特徴
とする、食鳥の骨付もも肉の骨に沿ってすじ入れする装
置を提供する。
【0007】本発明の好ましい態様によれば、前記カッ
ター回動装置は、第1及び第2の刃から把持装置の移動
方向側方にオフセットしてカッターに固定され上下方向
に延在する軸部材と、該軸部材に外嵌すると共に所定の
初期回転モーメントをもってカッターを回転付勢するコ
イルばねと、第1の刃の前記稜線に加わる把持装置の移
動方向の力が零の時に、第1の刃の前記第2の側面が把
持装置の移動方向に延在するように、前記初期回転モー
メントによるカッターの回動位置を規制するストッパー
とを備える。
【0008】本発明の他の好ましい態様によれば、前記
把持装置は、把持装置の移動方向に延在する溝を有する
溝形部材から成る第1把持部材と、と把持装置の移動方
向後方に第1把持部材に隣接して配設され、第1把持部
材の溝に対峙して形成された溝形の切欠を有する板部材
からなる第2把持部材とを備え、第2把持部材の溝の幅
は第1把持部材の溝の幅よりも狭く形成され、更に、第
1把持部材と第2把持部材とを、第1把持部材の溝の開
放端と第2把持部材の溝の開放端とが同一方向に向く第
1位置と、第1把持部材の溝の開放端と第2把持部材の
溝の開放端とが互いに直交する方向に向く第2位置との
間で、第1把持装置の移動方向に延在する軸線回りに相
対回転させる装置とを備える。
【0009】
【作用】本発明の上記構成によれば、把持装置が内側を
上に向けた食鳥の骨付もも肉のくるぶしを把持し、且つ
くるぶしを中心とする骨付もも肉の水平面内での回動を
許容しつつ、くるぶしを進行方向先頭に股関節を進行方
向後方にして、食鳥の骨付もも肉を水平移動させる。水
平移動中、骨付もも肉は支持部材により支持される。
【0010】把持装置がカッターに近接した時にカッタ
ーと押圧部材とが上方から把持装置に接近し、カッター
の第1の刃の第2の側面と押圧部材との間に下腿骨のく
るぶしに隣接した部位の骨付もも肉を挟持し、押圧部材
が下腿骨をカッターの第1の刃の第2の側面に押し付け
る。これにより、骨付もも肉がくるぶしを中心として水
平面内で回動し、下腿骨が把持装置の移動方向に延在す
るようになり、第1の刃の第2の側面が下腿骨の側面に
寄り添う。
【0011】一方の側面を第1の刃の第1の側面に当接
させた第2の刃が、第1の刃の刃を形成する稜線から把
持装置の移動方向後方に僅かに突出した端部をもも肉の
下腿骨に当接させつつ、上下に移動して下腿骨に隣接す
る肉を切り開く。さらに、第2の刃と下腿骨との間にあ
る楔形の第1の刃が、切り開かれた肉を大きく押し拡げ
る。第2の刃の下腿骨に当接する端部は、第1の刃の刃
を形成する稜線から把持装置の移動方向後方に僅かに突
出するにすぎないので、肉を切り開く際に、骨を削り取
るおそれは無い。
【0012】把持装置の移動に伴って、第1の刃と第2
の刃との協働により、骨に沿ってもも肉が切り開かれ
る。把持装置の移動に伴い、把持装置の移動方向に対す
る骨の水平面内での傾斜が変化し、第1の刃の第2の側
面が骨に対して角度を持つと、骨から第1の刃の前記稜
線に把持装置の移動方向の力が加わる。この力により、
カッターが上下方向軸の回りに回動し、再び第1の刃の
第2の側面が骨の側面に寄り添う。従って、骨に沿った
肉の切り開きが支障なく続行される。
【0013】膝関節の部分では、第1の刃の前記稜線が
骨から離れて肉の中に突出し、前記稜線に加わる把持装
置の移動方向の力が減少する。このため、第1の刃の第
2の側面は再び把持装置の移動方向に延在することにな
る。これにより、第1の刃は、その第2の側面を膝関節
の側面に当接させつつ、膝関節の突出部を回り込むこと
ができる。
【0014】把持装置は、くるぶしを中心とする骨付も
も肉の水平面内での回動を許容している。このため、把
持装置の移動に伴い、把持装置の移動方向に対する骨の
水平面内で傾斜が変化すると、骨が第1の刃の第2の側
面から把持装置の移動方向側方の力を受け、骨付もも肉
は、くるぶしを中心として水平面内で回転する。この回
転により、水平面内で“く”の字に折れ曲がった骨付も
も肉の骨は、カッターの第1の刃と押圧部材との間を通
過できる。
【0015】把持装置が更に移動し、骨に沿った肉の切
り開きが完了すると、カッターと押圧部材とが上方へ移
動し、把持装置ひいては骨付もも肉から上方へ遠ざか
る。
【0016】
【実施例】以下添付図に基づいて、本発明の実施例に係
る食鳥の骨付もも肉の骨に沿ってすじ入れする装置を説
明する。なお以下に説明する装置は、右脚の骨付もも肉
のすじ入れ装置として構成されている。図1〜4におい
て、1a、1bは互いに平行に延在する水平軸線x1
2 回りに回動自在に、図示しないすじ入れ装置の枠組
に支持されたスプロケットであり、スプロケット1a、
1bの回りには無端チェーン2が巻き掛けられている。
スプロケット1aは図示しないモータにより回転駆動さ
れ、これにより、無端チェーン2の上側走行部2aは図
1の矢印の方向に、すなわちスプロケット1aからスプ
ロケット1bに向けて駆動される。以降の説明におい
て、図1の矢印の方向、すなわち無端チェーン2の上側
走行部2aの走行方向を前方、反矢印方向を後方と呼
ぶ。また、無端チェーン2の上側走行部2aの走行方向
を前方とした時の右方向を右方、左方向を左方と呼ぶ。
【0017】無端チェーン2には、所定の間隔を隔てて
複数の骨付もも肉把持アタッチメント3が固定されてい
る。図1において、無端チェーン2の上側走行部2aの
始端近傍、すなわちスプロケット1aの近傍に在るアタ
ッチメント3に着目して、図1と図2とを参照しつつ、
アタッチメント3の構成を説明する。アタッチメント3
は、鉤型の水平断面形状と所定の上下方向の厚みとを有
する本体3aを備えている。本体3aの鉤型に折れ曲が
った脚部の一方3a1 は前後方向に延び、他方の脚部3
2 は、脚部の一方3a1 の前端部から、右方に延びて
いる。脚部3a 1 は、脚部3a1 から左方に延びるブラ
ケット3bを介して無端チェーン2に固定されている。
前後方向に延びる軸部材3cが、脚部3a2 を貫通して
延びている。軸部材3cは、その軸線回りに回動自在に
且つ該軸線方向に移動不能に脚部3a2 に支持されてい
る。軸部材3cの後端には、前後に延び前端が閉鎖され
たU型横断面の溝型部材から成る第1把持部材3dの前
端が固定されている。軸部材3cの前端には、軸部材3
cに直交して延びるアーム3eの一端が固定され、アー
ム3eの他端には、アーム3eの軸線に対して回動自在
にガイドロール3fが取付けられている。脚部3a1
前端上面には、ストッパー3gが固定されている。スト
ッパー3gとアーム3eとは、ばね3hで連結されてい
る。アーム3eは、ばね3hにより、軸部材3cの軸線
回りにストッパー3gの方向に、すなわち前方を向いて
反時計方向に付勢されると共に、ストッパー3gに当接
することにより、ガイドロール3fに右方向の力が加わ
らない状態で、鉛直に保持されている。また、アーム3
eが鉛直に保持されている時に、第1把持部材3dのU
型断面は、開放端が鉛直上方を向いている。アーム3e
がストッパー3gに当接して鉛直に保持され、第1把持
部材3dのU型断面の開放端が鉛直上方を向いている状
態を、以後アタッチメント3の初期状態と呼ぶ。脚部3
1 の右側面には、帯板材から成る第2把持部材3jが
固定されている。第2把持部材3jの後方部分3j
1 は、右方に折り曲げられ、また後方部分3j1 と第1
把持部材3dの後端との間には所定の間隔が設けられて
いる。後方部分3j1 には、アタッチメント3が初期状
態にある時の第1把持部材3dのU型断面に正対して、
上端が開放したU型の切欠3j2 が設けられている。第
2把持部材3jの切欠3j2 のU型の幅L′は、第1把
持部材3dのU型断面の幅Lよりも若干狭く形成されて
いる。
【0018】図1に示すごとく、無端チェーン2の上側
走行部2aの右方に、棒状のラインカム4が前後方向に
延在している。ラインカム4は、無端チェーン2の上側
走行部2aの始端近傍、すなわちスプロケット1aの近
傍では、アタッチメント3の左方で且つアタッチメント
3の上方にあり、上側走行部2aの中間位置、すなわち
スプロケット1aとスプロケット1bとの中間位置でア
タッチメント3の右方に変位すると共に、アタッチメン
ト3の軸部材3cの高さ位置よりも若干高い位置まで下
方に変位し、上側走行部2aの終端近傍、すなわちスプ
ロケット1bの近傍では、アタッチメント3の軸部材3
cの高さ位置よりも若干高い位置にあって、且つアタッ
チメント3の右方で前後方向に延在している。ラインカ
ム4は図示しない支持部材を介して図示しないすじ入れ
装置の枠組に固定されている。
【0019】無端チェーン2の右方には、上側走行部2
aに在るもも肉把持アッチメント3の下面から僅かに下
方に間隔を隔てて、前後方向に延びる長方形の板状のベ
ース5が水平に配設されている。ベース5は、図示しな
いすじ入れ装置の枠組に固定されている。図1に示すご
とく、無端チェーン2の上側走行部2aの終端近傍に
は、上側走行部2aの右方に、カッター組立体6が配設
されている。カッター組立体6は、エアシリンダ6aを
備えている。エアシリンダ6aはブラケット6bを介し
て図示しないすじ入れ装置の枠組に固定されている。エ
アシリンダ6aは、本実施例にかかるすじ入れ装置の図
示しないコントールユニットにより制御される。エアシ
リンダ6aの下方に延びるピストン6a1 の下端には、
長方形のカッターベース6cの上端が、取付けられてい
る。カッターベース6cは、図示しないすじ入れ装置の
枠組に固定されたガイド6dにより、上下方向移動のみ
可能に支持されている。カッターベース6cの後方に配
設された上下に延びる回動軸6eが、図示しない軸受に
よりカッターベース6cに、その軸線回りの回動のみ可
能に支持されている。回動軸6eは、カッターベース6
cに固定され後方に延びるアイプレート6c1 の後端に
穿設された孔6c2 に一端が係合し、他端が回動軸6e
の下端に固定された板部材6fに固定されると共に回動
軸6eに外嵌したコイルばね6gにより、初期モーメン
トM0 をもってその軸線回りに二重矢印方向に、すなわ
ち上方から下方を見て反時計方向に回転付勢されてい
る。回動軸6eの上端には、アーム6e1 が固定されて
おり、アーム6e1 がカッターベース6cに固定され後
方に延びるストッパー6c3 に当接することにより、回
動軸6eの二重矢印方向の回動が規制されている。板部
材6fの下面には、回動軸6eから左方にオフセットし
てカッター取付軸6hの上端が固定され、カッター取付
軸6hの下端にはカッター取付ブラケット6jが固定さ
れ、カッター取付ブラケット6jには、カッター取付け
軸6hから前方にオフセットしてカッター本体6kの上
端が固定されている。カッター本体6kは、長方形の板
から成り、下端に固定刃6mが固定されている。図3に
示すごとく、固定刃6mは、長方形の板から成る上方部
分6m1 と、上方部分6m1 の下端から後方に延び、楔
型の水平断面形状と所定の上下方向の厚みを有する下方
部分6m2 とから構成される。上方部分6m 1 の前面
は、カッター本体6kの後面に固定されている。下方部
分6m2 の楔型の水平断面形状は、後方が幅狭となるよ
うに形成されており、且つ前方の広幅部の最大幅が上方
部分6m1 の左右方向の幅の約半幅となるように形成さ
れている。下方部分6m2 は上方部分6m1 の右側に片
寄せて形成されている。また下方部分6m2 の下端は前
方から後方に向けて斜め下方に傾斜して形成されてお
り、従って下方部分6m2 の下端の後端は尖端6m2
を形成している。カッター本体6kには、モータ6nが
取付けられている。モータ6nの下方位置で、軸6pが
カッター本体6kを前後に貫通し、且つその軸線回りに
回動自在にカッター本体6kに支持されている。軸6p
は、ベルト6qを介してモータ6nの出力軸に連結され
ている。軸6pの後端には、その軸線から偏心して後方
に延びるピン6rが固定されており、ピン6rの後端
に、ピン6rの軸線回りに回動自在に、下方に延びるロ
ッド6sが支持され、ロッド6sの下端に、前後方向に
延びるピン6tがその軸線回りに回動自在に支持され、
ピン6tに、その軸線回りに回動自在に、下方に延びる
ロッド6uが支持されている。ロッド6uはカッター本
体6kに固定されたガイド6vにより、上下移動と軸線
回りの回動のみ可能に、支持されている。ロッド6uの
下端には、可動刃固定ブロック6wが固定され、ブロッ
ク6wの下端に前後方向に穿設されたスリットに上端を
嵌入させた状態で、狭幅の長方形の薄板から成る可動刃
6xが、長さ方向を上下方向にしてピン6yにより、ブ
ロック6wに固定されている。ブロック6wは、その前
面が固定刃の上方部分6m1 の後面に当接するように位
置決めされている。可動刃6xは、固定刃6mの下方部
分6m2 の刃面を形成する左側面、すなわち下方部分6
2 の楔型の水平断面の左側の辺6m3 により構成され
る鉛直面に当接するように位置決めされ、且つ可動刃6
xの後縁6x1 が固定刃の下方部分6m2 の刃を形成す
る稜線、すなわち下方部分6m2 の後縁6m4 、よりも
若干後方に突出するように位置決めされている。可動刃
6xの下端は、前方から後方に向けて斜め下方に傾斜し
て形成されており、且つ鋭利な刃が形成されている。従
って可動刃6xの下端の後端は尖端6x′を形成してい
る。また、可動刃6xは、可動刃6xの下方への最大ス
トローク時に、可動刃6xの下端が固定刃の下方部分6
2 の下端から下方に若干突出するように、位置決めさ
れている。板部材6fから可動刃6xに至る構造は、回
動軸6eに加わる前記初期モーメントM0 が零の場合
に、可動刃6xが回動軸6eから左方に距離Rだけオフ
セットし、且つ可動刃6xが前後方向を向くように、す
なわち可動刃6xの前縁6x2と後縁6x1 とを含む平
面が前後方向に延在するように、構成されている。した
がって、回動軸6eが初期モーメントM0 をもって二重
矢印方向に回転付勢され、アーム6e1 がストッパー6
3 に当接して回動軸6eの二重矢印方向の回動が規制
された状態では、可動刃6xは回動軸6e回りに半径R
をもって二重矢印方向に若干回転して回動軸6eの左方
で且つ若干後方位置にあると共に、可動刃6xは前縁6
2 から後縁6x1 に向けて右方に若干傾斜している。
またこの時、固定刃の下方部分6m2 の刃面を形成する
右側面は前後方向に延在している。カッター組立体6
は、可動刃6xの左右位置が、第2把持部材3jの切欠
3j2 の左側端部近傍となるように、位置決めされてい
る。以下の説明において、回動軸6eが初期モーメント
0 をもって二重矢印方向に回転付勢され、アーム6e
1 がストッパー6c3 に当接して回動軸6eの二重矢印
方向の回動が規制され、可動刃6xが回動軸6e回りに
半径Rをもって二重矢印方向に若干回転して回動軸6e
の左方で且つ若干後方位置にあると共に、可動刃6xが
前縁6x2 から後縁6x1に向けて右方に若干傾斜し、
固定刃の下方部分6m2 の右側面が前後方向に延在して
いる状態を、可動刃6xの初期回動状態と呼ぶ。
【0020】図1に示すごとく、固定刃6mの右方に押
圧ロール組立体7が配設されている。押圧ロール組立体
7は、図4に示すごとく、左右に延びる軸7aに回動自
在に支持された押圧ロール7bを備えている。押圧ロー
ル7bは、その下端がベース5の上面に接する高さに位
置決めされている。軸7aは上下に延びる帯板7cの下
端に固定されており、帯板7cの上端は左方に折り曲げ
られて、ブラケット7dの後端に固定され、ブラケット
7dの前端は上方に延びて、カッターベース6cに固定
されている。帯板7cの中央部分に穿設された孔7c1
を貫通して、ロッド7eが左右方向に延び、ロッド7e
の左端はブラケット7dに固定されている。ロッド7e
の帯板7cの右方に延びる部分には、コイルばね7fが
外嵌しており、ばね7fはロッド7eの右端に螺合した
ナット7gにより、圧縮付勢されている。
【0021】図1に示すごとく、カッター組立体6の可
動刃6xよりも所定距離後方位置において、無端チェー
ンの上側走行部2aの直上にリミットスイッチ8aが配
設され、また可動刃6xよりも所定距離前方位置におい
て、無端チェーンの上側走行部2aの直上にリミットス
イッチ8bが配設されている。リミットスイッチ8a、
8bは図示しないすじ入れ装置の枠組に固定されてい
る。リミットスイッチ8a、8bはもも肉把持アタッチ
メント3のブラケット3bに取付けられた図示しない突
起に当接することにより、もも肉把持アタッチメント3
の存在を検知する。リミットスイッチ8a、8bの検知
信号は、本実施例にかかるすじ入れ装置の図示しないコ
ントールユニットに入力される。
【0022】以上の構成を有する、本実施例にかかる食
鳥の骨付もも肉の骨に沿ってすじ入れする装置の作動を
以下に説明する。すじ入れ装置の図示しない主電源をO
Nにする。これにより、スプロケット1aを駆動する図
示しないモータと、モータ6nとが始動し、またすじ入
れ装置の図示しないコントロールユニット、リミットス
イッチ8a、8bがそれぞれ作動状態となる。モータ6
nの始動により、ベルト6qを介して軸6pが回転し、
軸6pの回転に伴って偏心軸6rが回転し、ロッド6
s、ピン6tを介してロッド6uが上下に往復移動し、
ひいては可動刃6xが上下に往復移動する。他方、コン
トロールユニットにより、エアシリンダ6aは非作動状
態に保持され、エアシリンダ6aのピストン6a1は上
方に引き上げられ、ひいては、カッター本体6kは上方
に引き上げられている。また、回動軸6eは初期モーメ
ントM0 をもって図1の二重矢印方向に回転付勢され、
アーム6e1 はストッパー6c3 に当接し、可動刃6x
は回動軸6e回りに半径Rをもって二重矢印方向に若干
回転して回動軸6eの左方で且つ若干後方位置にあると
共に、可動刃6xは前縁6x2 から後縁6x1 に向けて
右方に若干傾斜し、固定刃の下方部分6m2 の右側面は
前後方向に延在している。すなわち、可動刃6xは初期
回動状態にある。
【0023】次いで、作業者が、図1において、無端チ
ェーン2の上側走行部2aの始端近傍に在るアタッチメ
ント3に、右脚の骨付もも肉Sをセットする。アタッチ
メント3は初期状態にあり、第1把持部材3dのU型断
面の開放端が鉛直上方を向いている。従って、骨付もも
肉Sのセットは、くるぶしの部分を第1把持部材3dの
U型の溝に、またくるぶしに隣接した下腿骨S1の部分
を第2把持部材3jのU型の切欠の内部に、それぞれ上
方から挿入することにより行う。また、この際、もも肉
の側面を左右方向にむけて、すなわち、大腿骨S2、下
腿骨S1が含まれる平面が前後方向に拡がる鉛直面を形
成するように骨付もも肉Sを位置決めし、且つ大腿骨S
2と下腿骨S1との連結部である膝関節が上方に突出す
るように骨付もも肉Sを位置決めする。これにより、骨
付もも肉Sは、くるぶしが第1把持部材3dのU型の溝
の底部に位置し、またくるぶしよりも更に脚の爪に近接
した骨付もも肉の端部が、第1把持部材3dのU型の溝
の上部開放端近傍に位置する状態で第1把持部材3dに
より把持され、またくるぶしに隣接した下腿骨S1の部
分が第2把持部材3jにより把持される。
【0024】上記のようにアタッチメント3にセットさ
れた右脚の骨付もも肉Sは、図1に示すごとく、アタッ
チメント3が無端チェーンの上側走行部2aにより前方
へ駆動されるのに伴って前方へ移動する。アタッチメン
ト3の前方への移動に伴って、ガイドロール3fがライ
ンカム4に係合する。ガイドロール3f、ひいては第1
把持部材3dは、ラインカム4に案内され、ばね3hの
付勢力に逆らって、アタッチメント3の進行方向に向か
って時計回りに略90°回転する。第1把持部材3dの
回転に伴って、第1把持部材3dによって把持された右
脚の骨付もも肉Sも略90°回転し、ももの内側が上を
向き、ももの外側がベース5の上面に当接する。この
時、大腿骨S2、下腿骨S1、及びくるぶしは同一水平
面内にあり、かつ下腿骨S1は前方から後方に向けて若
干右方に傾斜し、大腿骨S2は前方から後方に向けて左
方に若干傾斜している。第1把持部材3dのU型の溝の
開放端は右方を向き、第2把持部材3jのU型の切欠3
2 の開放端は上方を向いているので、骨付もも肉のく
るぶし部は第1把持部材3dと第2把持部材3jとによ
る把持から上下・左右方向に離脱することはできない。
また、第2把持部材3jのU型の切欠3j2 の幅L′は
第1把持部材3dのU型の溝の幅Lよりも狭く形成され
ており、骨付もも肉のくるぶし部は第2把持部材3jの
U型の切欠3j 2 を前後に通り抜けることができないの
で、骨付もも肉のくるぶし部は第1把持部材3dと第2
把持部材3jとによる把持から、前後方向にも離脱する
ことができない。ただし、第1把持部材3dのU型の溝
の幅Lはくるぶしの幅よりも広く、また第2把持部材3
jのU型の切欠3j2 の幅L′は下腿骨S1のくるぶし
に隣接する部位の幅よりも広く設定されているので、骨
付もも肉Sは、くるぶしを回転中心として、左右にある
程度回転することができる。
【0025】前記90°の回転が終了する前後方向位置
にアタッチメント3が到達した時に、リミットスイッチ
8aがアタッチメント3の存在を検知し、検知信号がす
じ入れ装置の図示しないコントロールユニットに送られ
る。コントロールユニットは、リミットスイッチ8aか
らの検知信号を受けると、エアシリンダ6aに制御信号
を送りエアシリンダ6aを作動させる。エアシリンダ6
aの作動により、ピストンロッド6a1 が下方に伸び、
カッターベース6c、ひいてはカッター本体6kが下方
に移動する。カッターベース6cの下方への移動に伴っ
て押圧ロール組立体7、ひいては押圧ロール7bも下方
に移動する。
【0026】アタッチメント3が更に前方に移動する
と、図5(a)に示すように、下方に移動してきた固定
刃6mの尖端6m2 ′が、くるぶしに隣接した下腿骨S
1の近傍で、骨付もも肉Sに突き刺さる。突き刺さる位
置は、前述のごとく、可動刃6x、ひいては固定刃6m
の左右方向位置が第2把持部材3jの切欠3j2 の左側
端部近傍に設定されており、また骨付もも肉Sの下腿骨
S1が前方(くるぶし)から後方(膝関節)に向けて若
干右方に傾斜しているので、下腿骨S1の左側で且つ下
腿骨S1の近傍である。この時、押圧ロール7bが可動
刃6xの右方で且つ下腿骨S1の右側から骨付もも肉S
に当接し、骨付もも肉Sを左方に押圧す。これにより、
骨付もも肉Sはくるぶしを回転中心として、左方に、す
なわち股関節が左に移動する方向に回転する。その結
果、前方から後方に向けて若干右方に傾斜していた下腿
骨S1は、ほぼ前後方向に延在することとなり、固定刃
6mの尖端6m2 ′が下腿骨S1の左側面に当接する。
固定刃の尖端6m2 ′が所定深さもも肉Sに食い込んだ
時点で、すじ入れ装置の図示しないコントロールユニッ
トからの制御信号をうけてエアシリンダ6aの作動が停
止され、固定刃の尖端6m2 ′は前記所定深さの高さ位
置に保持される。可動刃6xは初期回動状態にあり、前
後方向に延在する固定刃の下方部分6m2 の右側面は、
前後方向に延在する下腿骨S1の左側面に寄り添う。一
方、前縁6x2 から後縁6x1 に向けて右方に若干傾斜
した可動刃6xは、後縁6x1 を前後方向に延在する下
腿骨S1の左側面に当接させ、且つ下腿骨S1の左側面
に対して、前縁6x2 が左方に遠ざかる方向に若干傾斜
している。固定刃の下方部分6m2 の左側面に案内され
つつ、可動刃6xが上下に往復動してもも肉Sを切り開
く。可動刃6xは、狭幅に形成され、且つその後縁6x
1 が下腿骨S1の左側面に当接しているので、下腿骨S
1の左側面に隣接する部位でもも肉Sが切り開かれる。
下腿骨S1に当接する可動刃6xの後縁6x1 は固定刃
の下方部分6m2 の後縁6m4 から僅かに後方に突出し
ているだけなので、もも肉Sを切り開く際に、可動刃6
xが下腿骨S1に食い込み、骨を削るおそれはない。把
持アタッチメント3が前方に移動し、これに伴ってもも
肉Sが前方に移動すると、前後方向に延在する下腿骨S
1の左側面に沿って、可動刃6xによりもも肉Sが切り
開かれ、更に楔型の固定刃の下方部分6m2 により、切
り口が大きく押し拡げられる。上記のすじ入れの際に、
固定刃の下方部分6m2 の後縁6m4は肉から前向きの
抵抗力を受ける。可動刃6x、ひいては固定刃6mは回
動軸6eに対して左方にオフセットしているので、この
抵抗力により、回動軸6eには、図1の二重矢印方向と
反対方向の抵抗モーメントが印加される。しかし肉から
の抵抗力は僅かなので、回動軸6eに印加される抵抗モ
ーメントは、初期モーメントM0 を超えない。従って可
動刃6xは初期回動状態に保持される。
【0027】図5(b)に示すように、アタッチメント
3が更に前方に移動すると、下腿骨S1の膝関節に隣接
した部分が固定刃の下方部分6m2 の右側面に接するよ
うになる。膝関節に隣接した部位では、下腿骨S1の左
側面は前方から後方に向けて左方に湾曲しているので、
可動刃6xが初期回動状態に保持されていると、固定刃
の下方部分6m2 の右側面が下腿骨S1の左側面に対し
て角度を持つ。このため、固定刃の下方部分6m2 の後
縁6m4 に下腿骨S1から前向きの抵抗力が加わる。こ
の抵抗力は肉からの抵抗力よりも大きい。かくして、下
腿骨S1からの前向きの抵抗力により初期モーメントM
0 を超える抵抗モーメントが惹起され、回動軸6eは、
ばね6gの付勢力に抗して、図1の二重矢印方向と反対
方向に回動する。これに伴って、可動刃6x、ひいては
固定刃6mも、回動軸6e回りに回動し、回動軸6eの
左方前方位置に移動する。また、可動刃6xは前縁6x
2 から後縁6x1 に向けて左方に傾斜するようになり、
固定刃の下方部分6m2 の右側面も前縁から後縁に向け
て左方に傾斜するようになる。この結果、固定刃の下方
部分6m2 の右側面は、左方に湾曲する下腿骨S1の左
側面に再び寄り添う。これにより、下腿骨S1の左側面
に沿ったもも肉Sの切り開き、押し拡げ作業が支障なく
続行される。なお、下腿骨S1が左方に傾斜した左側面
を固定刃の下方部分6m2 の右側面に当接させつつ、前
方に移動する際に、下腿骨S1は固定刃の下方部分6m
2 から右向きの力を受ける。この力により、骨付もも肉
Sは、くるぶしを中心にして図5(b)で反時計方向に
回転し、下腿骨S1の膝関節に隣接した部位は右方に移
動する。この右方への移動により、前方から後方に向け
て左方に傾斜した下腿骨S1の膝関節に隣接した部位
は、支障なく固定刃の下方部分6m2 と押圧ロール7b
の間を通過できる。
【0028】図5(c)に示すように、アタッチメント
3が更に前方に移動すると、下腿骨S1の膝関節に隣接
した部分は固定刃6mを通過する。固定刃の下方部分6
2 の後縁6m4 が下腿骨S1の膝関節に隣接した湾曲
部分を通過し、膝関節近傍のもも肉の中に突出すると、
前記後縁6m4に加わる前向きの力が減少する。このた
め、抵抗モーメントが減少し、回動軸6eは、ばね6g
の付勢力により、図1の二重矢印方向に回動する。これ
に伴って、可動刃6x、ひいては固定刃6mも、回動軸
6e回りに回動し、初期回動位置に復帰する。この結
果、固定刃の下方部分6m2 の右側面は、左方に突出し
た膝関節の左側面に再び寄り添う。これにより、膝関節
の左側面に沿ったもも肉Sの切り開き、押し拡げ作業が
支障なく続行される。この際、前述と同様に、膝関節が
固定刃の下方部分6m2 から右向きの力を受け、骨付も
も肉Sは、くるぶしを中心にして図5(c)で反時計方
向に回転し、膝関節は右方に移動する。また、押圧ロー
ル7bは、膝関節から右向きの力を受け、ばね7fの付
勢力に抗して右方に移動する。これにより、固定刃の下
方部分6m2 と押圧ロール7bとの間隔が広くなる。上
記の、膝関節の右方への移動と、固定刃の下方部分6m
2 と押圧ロール7bとの間隔の拡大とにより、膝関節
は、支障なく固定刃の下方部分6m2 と押圧ロール7b
の間を通過できる。
【0029】図5(d)に示すように、アタッチメント
3が更に前方に移動すると、大腿骨S2が固定刃の下方
部分6m2 の右側面に接するようになる。大腿骨S2の
左側面は前方から後方に向けて左方に傾斜しているの
で、可動刃6xが初期回動状態に保持されていると、固
定刃の下方部分6m2 の右側面が大腿骨S2の左側面に
対して角度を持つ。このため、固定刃の下方部分6m2
の後縁6m4 に大腿骨S2から前向きの抵抗力が加わ
る。かくして、大腿骨S2からの前向きの抵抗力により
初期モーメントM0 を超える抵抗モーメントが惹起さ
れ、回動軸6eは、ばね6gの付勢力に抗して、図1の
二重矢印方向と反対方向に回動する。これに伴って、可
動刃6x、ひいては固定刃6mも、回動軸6e回りに回
動し、回動軸6eの左方前方位置に移動する。また、可
動刃6xは前縁6x2 から後縁6x1に向けて左方に傾
斜するようになり、固定刃の下方部分6m2 の右側面も
前縁から後縁に向けて左方に傾斜するようになる。この
結果、固定刃の下方部分6m2 の右側面は、前方から後
方に向けて左方に傾斜する大腿骨S2の左側面に再び寄
り添う。これにより、大腿骨S2の左側面に沿ったもも
肉Sの切り開き、押し拡げ作業が支障なく続行される。
この際、前述と同様に、大腿骨S2が固定刃の下方部分
6m2 から右向きの力を受け、骨付もも肉Sは、くるぶ
しを中心にして図5(d)で反時計方向に回転し、大腿
骨S2は右方に移動する。右方への移動により、大腿骨
S2は支障なく固定刃の下方部分6m2 と押圧ロール7
bの間を通過できる。
【0030】股関節の部分も膝関節の部分と同様にし
て、もも肉Sの切り開き、押し拡げ作業が支障なく続行
され、骨付もも肉Sのすじ入れ作業が完了する。骨付も
も肉Sのすじ入れ作業が完了した時点で、リミットスイ
ッチ8bがアタッチメント3の存在を検知し、検知信号
がすじ入れ装置の図示しないコントロールユニットに送
られる。コントロールユニットは、リミットスイッチ8
bからの検知信号を受けると、エアシリンダ6aに制御
信号を送り、エアシリンダ6aの作動を停止する。これ
により、ピストンロッド6a1 が上方に移動し、カッタ
ーベース6c、ひいてはカッター本体が上方に移動し、
固定刃6m及び可動刃6xも上方に移動して骨付もも肉
Sから離脱する。
【0031】上記説明から判るごとく、固定刃の下方部
分6m2 の右側面が常時下腿骨S1、大腿骨S2の左側
面に寄り添い、固定刃の下方部分6m2 の左側面に案内
された可動刃6xの後縁6x1 が下腿骨S1、大腿骨S
2の左側面に常時当接しつつ肉を切り開くので、骨に肉
を残すことなく確実に骨に沿ってすじ入れできる。ま
た、可動刃の後縁6x1 は、固定刃の下方部分6m2
後縁6m4 から僅かに後方に突出するのみなので、可動
刃6xが骨に食い込んで骨を削り取るおそれは無い。
【0032】図6に、もも肉把持アタッチメントの変形
例を示す。図6のもも肉把持アタッチメント30は、第
1把持部材30dを軸部材30cの回りに回動させるた
めの機構が図1のもも肉把持アタッチメント3と異な
る。すなわち、もも肉把持アタッチメント30において
は、軸部材30cの前端にベベルギヤ30kが固定され
ている。ベベルギヤ30kは、前後方向に伸びる脚部3
0a1 に穿設された孔を回動可能に貫通して左右方向に
伸びる軸部材30mの右端に固定されたベベルギヤ30
nに噛合している。軸部材30mは、脚部30a1 に穿
設された孔に、回動可能ではあるが、緊密に嵌合してい
る。したがって、軸部材30mは、大きな回転トルクを
うけた場合のみ、回動する。軸部材30mの左端には三
角形のカムプレート30pが固定されている。無端チェ
ーンの上側走行部2aの中間位置の上方に、じゃま板3
1が、上側走行部2aの終端位置の上方にじゃま板32
が配設されている。じゃま板32は、じゃま板31より
も更に上方に配設されている。じゃま板31、32はす
じ入れ装置の図示しない枠組に固定されている。本アタ
ッチメント30においては、無端チェーンの上側走行部
2aの始端近傍位置においては、カムプレート30p
は、図6に実線で示すごとく、三角形の頂点の一つ30
1 が軸部材30mの下方に位置する状態にある。この
時、第1把持部材30dのU型断面の開放端は上を向い
ている。アタッチメント30が前進して、無端チェーン
の上側走行部2aの中間位置に達すると、頂点30p1
から上方に延びる辺がじゃま板31に当接し、カムプレ
ート30pは、図6に一点鎖線で示すごとく、矢印方向
に90°回転する。該回転にともない、軸部材30m、
ベベルギヤ30n、30k、軸部材30cを介して第1
把持部材30dが矢印方向に90°回転する。前述のご
とく、軸部材30mは脚部30a1 に穿設された孔に緊
密に嵌合しているので、カムプレート30pは、じゃま
板31を通過した後も、図6の一線鎖線の状態に保持さ
れる。これに伴い、第1把持部材30dが矢印方向に9
0°回転した状態も維持される。アタッチメント30が
更に前進して、無端チェーンの上側走行部2aの終端位
置に達すると、軸部材30mから上方に延びる辺がじゃ
ま板31に当接し、カムプレート30pは、図6に実線
で示す位置に復帰する。これに伴い、第1把持部材30
dも、図6の位置に復帰する。
【0033】尚、可動刃6xの上下駆動は、モータ6n
によるものに限定されない。例えば、エアシリンダ6a
と同様のエアシリンダにより上下駆動しても良い。ま
た、適当なモータにより回転駆動されるフレキシブルシ
ャフトにより、カムを回転駆動し、該カムに係合するシ
ャフトを介して可動刃6xを上下駆動しても良い。カッ
ターベース6cの上下駆動もエアシリンダ6aによるも
のに限定されない。例えば、スプロケット1aを回転駆
動する図示しないモータにより、ベルトを介して駆動さ
れるカムとカムに係合するリンク機構とを介して上下駆
動しても良い。この場合は、カムの形状寸法を適宜決定
することにより、もも肉把持アタッチメントの前方への
移動と、カッターの上下移動とを同期させる。
【0034】以上右脚用のもも肉のすじ入れ装置を説明
したが、左脚用の装置では、無端チェーン2を含む鉛直
面に関して、図1と鏡像の関係に、もも肉把持アタッチ
メント3、ラインカム4、ベース5、カッター組立体
6、押圧ローラ組立体7が配設される。
【0035】
【効果】上述のごとく、本発明によるすじ入れ装置にお
いては、把持装置が内側を上に向けた食鳥の骨付もも肉
のくるぶしを把持し、且つくるぶしを中心とする骨付も
も肉の水平面内での回動を許容しつつ、くるぶしを進行
方向先頭に股関節を進行方向後方にして、食鳥の骨付も
も肉を水平移動させる。
【0036】把持装置がカッターに近接した時にカッタ
ーと押圧部材とが上方から把持装置に接近し、カッター
の第1の刃の第2の側面と押圧部材との間に下腿骨のく
るぶしに隣接した部位の骨付もも肉を挟持し、押圧部材
が下腿骨をカッターの第1の刃の第2の側面に押し付
け、もも肉をくるぶしを中心として回動させて下腿骨の
側面をカッターの第1の刃の第2の側面に寄り添わせ
る。
【0037】一方の側面を第1の刃の第1の側面に当接
させた第2の刃が、第1の刃の刃を形成する稜線から把
持装置の移動方向後方に僅かに突出した端部をもも肉の
下腿骨に当接させつつ、上下に移動して下腿骨に隣接す
る肉を切り開き、さらに、第2の刃と下腿骨との間にあ
る楔形の第1の刃が、切り開かれた肉を大きく押し拡げ
る。第2の刃の下腿骨に当接する端部は、第1の刃の刃
を形成する稜線から把持装置の移動方向後方に僅かに突
出するにすぎないので、肉を切り開く際に、骨を削り取
るおそれは無い。
【0038】把持装置の移動に伴い、把持装置の移動方
向に対する骨の水平面内での傾斜が変化し、第1の刃の
第2の側面が骨に対して角度を持つと、骨から第1の刃
の前記稜線に把持装置の移動方向の力が加わり、カッタ
ーが上下方向軸の回りに回動し、再び第1の刃の第2の
側面が骨の側面に寄り添う。また、膝関節の部分では、
第1の刃の前記稜線が骨から離れて肉の中に突出し、前
記稜線に加わる把持装置の移動方向の力が減少し、第1
の刃の第2の側面が再び把持装置の移動方向に延在する
ようになり、第1の刃は、その第2の側面を膝関節の側
面に当接させつつ、膝関節の突出部を回り込む。従っ
て、把持装置の移動に伴い、もも肉の骨に沿って肉が切
り開かれる。
【0039】把持装置は、くるぶしを中心とする骨付も
も肉の水平面内での回動を許容しているので、把持装置
の移動に伴い、把持装置の移動方向に対する骨の水平面
内で傾斜が変化すると、骨が第1の刃の第2の側面から
把持装置の移動方向側方の力を受け、骨付もも肉は、く
るぶしを中心として水平面内で回転する。この回転によ
り、水平面内で“く”の字に折れ曲がった骨付もも肉の
骨は、カッターの第1の刃と押圧部材との間を通過でき
る。
【0040】把持装置が更に移動し、骨に沿った肉の切
り開きが完了すると、カッターと押圧部材とが上方へ移
動し、把持装置ひいては骨付もも肉から遠ざかる。従っ
て本発明により、骨を削ることなく、且つ骨に肉を残す
ことなく、確実に骨に沿ってすじいれを行うことができ
る、食鳥の骨付もも肉の骨に沿ってすじ入れする装置が
提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る食鳥の骨付もも肉のすじ
入れ装置の斜視図である。
【図2】図1に示す骨付もも肉把持アタッチメントの拡
大図である。
【図3】図1のすじ入れ装置のカッターの拡大図であ
る。
【図4】図1のすじ入れ装置の押圧ロール組立体の構造
を示す斜視図である。
【図5】図1のすじ入れ装置による、食鳥の骨付もも肉
のすじ入れ作業の進行状況を示す平面図である。
【図6】すじ入れ装置を構成する骨付もも肉把持アタッ
チメントの変形例を示す斜視図である。
【図7】従来の人手による食鳥の骨付もも肉のすじ入れ
作業を示す図である。
【符号の説明】
1a、1b スプロケット 2 無端チェーン 2a 無端チェーンの上側走行部 3 骨付もも肉把持アタッチメント 4 ラインカム 5 ベース 6 カッター組立体 7 押圧ロール組立体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 済田 舘治 神奈川県伊勢原市鈴川13番地

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食鳥の骨付もも肉のくるぶしを、骨付も
    も肉のくるぶしを中心とする水平面内での回動を許容し
    つつ把持する把持装置と、把持された骨付もも肉のくる
    ぶしを進行方向先頭に股関節を進行方向後方にして把持
    装置を水平移動させる把持装置駆動装置と、把持装置の
    下方に配設された、骨付もも肉を支持するための支持部
    材とを備え、更に、厚肉の楔形の水平断面を有し、楔の
    刃を形成する稜線を上下に延在させると共に該稜線を把
    持装置の移動方向の後方に向けて配設され、且つ把持装
    置の移動方向の所定位置において把持装置の移動線上に
    配設された第1の刃と、第1の刃の刃面を形成する第1
    の側面に一方の側面を当接させて配設され、且つ第1の
    刃の前記稜線から把持装置の移動方向後方に僅かに突出
    した薄肉の第2の刃と、第2の刃を第1の刃に対して、
    上下に往復移動させる刃駆動装置とを備えたカッター
    と、第1の刃の刃面を形成する第2の側面に隣接して配
    設され第2の側面に向けて付勢された押圧部材と、把持
    装置がカッターに近接した所定の移動区間にある時にカ
    ッターと押圧部材とを上方から把持装置に接近させ、把
    持装置が前記所定の移動区間にない時にカッターと押圧
    部材とを把持装置から上方に遠ざけるカッター駆動装置
    と、第1の刃の前記稜線に加わる把持装置の移動方向の
    力が所定値以下の場合に、第1の刃の前記第2の側面が
    把持装置の移動方向に延在するようにカッターの上下軸
    回りの回動位置を規制し、第1の刃の前記稜線に加わる
    把持装置の移動方向の力が所定値を越える場合に、上下
    方向軸の回りにカッターを回動させるカッター回動装置
    とを有するカッター組立体を備えることを特徴とする、
    食鳥の骨付もも肉の骨に沿ってすじ入れする装置。
  2. 【請求項2】 前記カッター回動装置は、第1及び第2
    の刃から把持装置の移動方向側方にオフセットしてカッ
    ターに固定され上下方向に延在する軸部材と、該軸部材
    に外嵌すると共に所定の初期回転モーメントをもってカ
    ッターを回転付勢するコイルばねと、第1の刃の前記稜
    線に加わる把持装置の移動方向の力が零の時に、第1の
    刃の前記第2の側面が把持装置の移動方向に延在するよ
    うに、前記初期回転モーメントによるカッターの回動位
    置を規制するストッパーとを備えていることを特徴とす
    る請求項1に記載の食鳥の骨付もも肉の骨に沿ってすじ
    入れする装置。
  3. 【請求項3】 前記把持装置は、把持装置の移動方向に
    延在する溝を有する溝形部材から成る第1把持部材と、
    と把持装置の移動方向後方に第1把持部材に隣接して配
    設され、第1把持部材の溝に対峙して形成された溝形の
    切欠を有する板部材からなる第2把持部材とを備え、第
    2把持部材の溝の幅は第1把持部材の溝の幅よりも狭く
    形成され、更に、第1把持部材と第2把持部材とを、第
    1把持部材の溝の開放端と第2把持部材の溝の開放端と
    が同一方向に向く第1位置と、第1把持部材の溝の開放
    端と第2把持部材の溝の開放端とが互いに直交する方向
    に向く第2位置との間で、第1把持装置の移動方向に延
    在する軸線回りに相対回転させる装置とを備えることを
    特徴とする請求項1に記載の食鳥の骨付もも肉の骨に沿
    ってすじ入れ装置。
JP19224991A 1991-04-03 1991-07-31 食鳥の骨付もも肉の骨に沿つてすじ入れする装置 Pending JPH0530895A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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MD4473C1 (ro) * 2016-07-15 2017-10-31 Институт Микробиологии И Биотехнологии Академии Наук Молдовы Mediu de protecţie pentru liofilizarea şi păstrarea îndelungată a tulpinii Streptomyces canosus CNMN-Ac-02

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