JPH05308780A

JPH05308780A - 分散形電源システム

Info

Publication number: JPH05308780A
Application number: JP4110554A
Authority: JP
Inventors: Hirofumi Shinohara; 裕文篠原; Masateru Kuniyoshi; 真照国吉
Original assignee: Toshiba Engineering Corp; Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Engineering Corp; Toshiba Corp
Priority date: 1992-04-30
Filing date: 1992-04-30
Publication date: 1993-11-19

Abstract

(57)【要約】【目的】３相、又は単相３線式負荷のアンバランスを
経済的に低減できる分散形電源システムを実現する。【構成】直流電源（１）、単相インバータ（３）、変
流器（５），（７）などからなり、商用電力系統（６）
に接続され、住宅のような小需要家内負荷（８），（１
０）に接続される分散形電源システムにおいて、単相イ
ンバータ（３）は商用電力系統（６）が３相のときは３
台、単相３線式のときは２台として負荷に電力を供給
し、負荷の電流値から単相インバータ（３）の出力基準
を調整し各線間のアンバランスを補償する出力調整器
（９）を有せしめる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は商用電力系統から電力の
供給を受ける住宅のような小需要家にて、太陽光、風力
などの自然エネルギを用いた自家発電装置を有する分散
形電源システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】太陽光、風力などの自然エネルギを用い
て発電を行い、個人住宅、商店等の小需要家の負荷に電
力を供給するシステムの開発が進められている。このシ
ステムで発生する電力の大きさは一定ではなく、時間と
共に変化する場合がある。そこで負荷の運転を安定に行
うために商用電力系統と連系して用いることが考えられ
ている。

【０００３】個人住宅、商店その他の小需要家の負荷の
内、３相モータ等の３相負荷に対応して、３相の交流出
力を持つ分散電源を用いることが考えられる。図７は３
相の交流出力を有する従来の太陽光発電システムの例で
ある。図７において太陽光発電システムは、太陽電池
（１）、３相インバータ（３ａ）、変流器（以下ＣＴと
する）（５）などから構成される。

【０００４】太陽電池（１）が太陽光エネルギーを変換
して発生する直流出力電力は直流入力（２）となって３
相インバータ（３ａ）に入る。３相インバータ（３ａ）
は直流電力を交流電力に変換し、３相の交流出力（４）
を出力する。ＣＴ（５）は交流出力（４）の電流値を計
測し、３相インバータ（３ａ）に外部から与えられる出
力電流基準値と、ＣＴ（５）の電流計測値を比較して、
出力電流が出力電流基準値に追従するように３相インバ
ータ（３ａ）の出力を制御する。３相インバータ（３
ａ）の出力は商用電力系統（６）と接続し、３相負荷
（８）での消費電力を交流出力（４）と商用電力系統
（６）からの電力の両方から供給する。

【０００５】ここで、３相負荷（８）での電力の消費の
仕方が３相相互間で等しければ、個人住宅、または商店
内での３相負荷は平衡状態であり、商用電力系統（６）
から消費する電力も平衡となる。

【０００６】従って商用電力系統に不平衡に起因する負
担を掛けることはない。

【０００７】また、３相インバータ（３ａ）側から、商
用電力系統（６）側へ、電力を流出させない、逆潮流無
しのシステムの場合、ある時刻における太陽光発電シス
テムの発生電力が、住宅または商店内の負荷の消費電力
を上回ることを防止する必要がある。

【０００８】このために、３相インバータ（３ａ）が電
力を発生している期間で、かつ受電電力が一定値以下で
ある場合には、不足電力検出機能が働き、インバータ出
力電力をその時の値以上には大きくしないような出力電
力制限運転を行う。住宅または商店内の電力の消費が３
相平衡状態であれば、ここに述べたような不足電力状態
は３相においてほとんど同時に発生するので保護動作に
特に不都合は発生しない。

【０００９】ここで、電力消費が３相間でアンバランス
である場合に、相によって順方向電力の大きさが異な
り、ある相では不足電力検出等の逆潮流防止保護機能が
働き、同時に別の相では出力電流がその時の値よりも多
くても逆潮流防止機能が働かない領域であるのに、既に
逆潮流防止機能が働いた別の相があるためにそれ以上は
出力電流を増やせないという不都合が有り得る。

【００１０】以上述べた３相負荷アンバランスに起因す
る、電力系統のアンバランス負荷の負担増大、または分
散形電源内での逆潮流防止機能による発電領域の制限と
いった問題を解決するためには従来、３相インバータ
（３ａ）での各相独立制御方式が使われている。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】図７において、インバ
ータは３相インバータ方式としてあり、６箇所に配置さ
れたスイッチング素子を３相ブリッジ接続している。

【００１２】３相負荷の各相の線電流を負荷用変流器
（以下ＬＣＴとする）（７）で、Ｒ、Ｓ、Ｔ各相の線電
流値Ｉ１＊、Ｉ２＊、Ｉ３＊として計測する。そして、
この各相の負荷電流値に追従するように３相インバータ
（３ａ）の３相ブリッジの各スイッチング素子のＯＮ−
ＯＦＦタイミングを制御する。各スイッチング素子のＯ
Ｎ−ＯＦＦタイミングは、ＯＮ−ＯＦＦタイミングに従
ってゲートパルスを発生するゲートパルス発生回路で行
うが、３相それぞれで異なる電流指令値に従ったゲート
パルスを発生するようにタイミングを調整する手段が必
要となる。

【００１３】このための３相ゲートパルスタイミング調
整手段は、高速の信号処理を必要とするので専用の演算
プロセッサとして構成される。その回路、及び信号処理
ソフトウエアが複雑となり、分散形電源用インバータを
経済的に製作するための障害となる。

【００１４】また、商用電力系統が３相でなく、単相３
線式の回路の場合にも分散形電源用インバータを経済的
に製作したい要望があった。

【００１５】本発明はこのような点を考慮し、商用電力
系統が３相３線式で住宅または商店等の小需要家内の３
相負荷の運転容量に３相相互間のアンバランスが存在し
ても、構成を複雑にすることなく３台の単相インバータ
の出力を調整して、３相負荷の各相運転容量に比例した
出力を出すことができる分散形電源システムを得ること
を第１の目的とする。

【００１６】そして、第２の目的は、商用電力系統が単
相３線式の回路の場合に、各線間のアンバランスが存在
しても、構成を複雑にすることなく、２台の単相インバ
ータの出力を調整して各線間電流のアンバランスを低減
できる分散形電源システムを得ることにある。

【００１７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては、単相インバータを介して負荷
を並列にして商用電力系統に接続された直流電源を備
え、前記単相インバータは商用電力系統が３相のときは
３台、単相３線式のときは２台とし、負荷の電流値から
単相インバータの出力基準を調整し各線間のアンバラン
スを補償する出力調整器を有せしめる。

【００１８】

【作用】上記のようにすると、３相負荷にアンバランス
が存在する場合や、単相３線式負荷にアンバランスが存
在する場合においても、それを補うように出力調整器が
それぞれの単相インバータを調整運転し、不要な不足電
力検出や、系統からのアンバランスな電力の供給を行わ
せないようにすることができる。

【００１９】

【実施例】（実施例１）以下、本発明の第１の実施例に
ついて、図１および図２を参照して説明する。図２は図
１の単相インバータ（３）部を拡大して示したものであ
る。尚図７と同一部分には同一符号を付して説明を省略
する。

【００２０】太陽電池（１）は３台使用し、それぞれか
ら直流入力（２）を受けて交流出力（４）を出す単相イ
ンバータ（３）を設ける。図１において、分散形電源シ
ステムは太陽電池（１）、単相インバータ（３）、ＣＴ
（５）、ＬＣＴ（７）、出力調整器（９）から成る。

【００２１】３台の単相インバータ（３）の交流出力
（４）側はＣＴ（５）を介して、それぞれ電力主回路の
Ｒ−Ｓ、Ｓ−Ｔ、Ｔ−Ｒ間に接続される。

【００２２】次に上記システムの作用を説明する。

【００２３】各相の負荷電流Ｉ１＊、Ｉ２＊、Ｉ３＊を
ＬＣＴ（７）で計測し、出力調整器（９）に入力する。
出力調整器では３台の単相インバータ（３）の定格容量
以下でかつ各単相インバータ（３）の出力電流が各相負
荷電流に比例するように割り振って３台の単相インバー
タに出力電流基準値として出力する。その手段は、Ｉ₁
＝（Ｉ₁＊−Ｉ₂＊）／３、Ｉ₂＝（Ｉ₂＊−Ｉ₃＊）
／３、Ｉ₃＝（Ｉ₃＊−Ｉ₁＊）／３の関係が成り立つ
ので、この演算を行って電流基準値を決定すればよい。

【００２４】それぞれの単相インバータ（３）は出力電
流基準値と実際に計測されている出力電流値Ｉ１、Ｉ
２、Ｉ３を比較し、両者の差が、より小さくなるように
出力電流を調整する。

【００２５】このようにすれば経済的な分散形電源シス
テムが得られる。

【００２６】（実施例２）図３は第２の実施例で、３台
の単相インバータ（３）を星形接続した例を示す。他は
実施例１の通りである。このようにしても実施例１と同
様な作用効果が得られる。

【００２７】以上の実施例１、実施例２では、３台の単
相インバータ（３）の直流入力（２）側を３台別々に取
り込む例を示したが、３台分を共通にして、１回路のみ
で接続し、各単相インパータ（３）に分配することも可
能である。これを実施例３および実施例４として説明す
る。

【００２８】（実施例３）図４にこのことを考慮した分
散形電源システムの要部回路図を示す。３台の単相イン
バータ（３）に共通の直流入力（２）を設け、３台の単
相インバータ（３）の出力は三角結線としている。他は
実施例１の通りである。

【００２９】３台の単相インバータ（３）に対して、共
通の直流入力（２）を設ける場合、例えば直流入力
（２）側が太陽電池（１）である場合には、３台の単相
インバータ（３）がそれぞれ別個に太陽電池出力の最大
電力追従運転を行い、かつ３相負荷にアンバランスがあ
る場合には先に実施例１で説明した出力調整器（９）に
追従した運転を行う。

【００３０】上記のようにすれば出力調整器（９）の制
御により、各インバータで３相負荷のアンバランスを補
いながら、かつ３台の単相インバータ（３）全体として
は太陽電池の最大出力点に、可能な範囲で近づけて運転
することができる。

【００３１】（実施例４）図５において、直流入力
（２）側は図４と同様とし、３台の単相インバータ
（３）の出力は星形結線としている。他は実施例１の通
りである。

【００３２】この実施例４の作用効果は実施例３と同様
である。

【００３３】（実施例５）次に図６を参照して第５の実
施例を説明する。これは３相でなく、単相３線式の回路
の場合にも、２台の単相インバータを接続して構成し、
各線間のアンバランスを低減するように、出力調整器
（９）からの基準値を演算して出力する方式とすること
が可能である。図６は、このことを考慮した分散形電源
システムの回路図である。各構成要素の機能、動作は、
実施例１のものと同様である。但しこの場合は、単相３
線負荷（１０）のＩ₁＊とＩ₂＊をＣＴ（７）で計測
し、出力調整器（９）でＩ₁＊とＩ₂＊の比を計算し
て、２つの単相インバータ（３）の出力電流Ｉ₁とＩ₂
の比が、これに等しくなるように制御する。このように
しても実施例１に準じた作用効果が得られる。

【００３４】上記では分散形電源として太陽光発電シス
テムを例にして説明したが、風力発電その他の自然エネ
ルギーを用いた場合でも同様の考え方を使い、同様の効
果を得ることが可能である。

【００３５】

【発明の効果】以上述べたように本発明の構成とするこ
とにより、住宅または商店等の小需要家の３相又は単相
３線負荷の運転容量に３相又は線間相互のアンバランス
が存在しても、構成を複雑にすることなく３台又は２台
の単相インバータの出力を調整して、負荷の各相又は各
線間の運転容量に比例した出力を出すことによって、相
間又は線間のアンバランスを低減する分散形電源システ
ムを得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の分散形電源システムの第１の実施例を
示す回路図。

【図２】図１の要部拡大図。

【図３】第２の実施例の要部回路図。

【図４】第３の実施例の要部回路図。

【図５】第４の実施例の要部回路図。

【図６】第５の実施例を示す回路図。

【図７】従来例を示す回路図。

【符号の説明】

１…直流電源である太陽電池２…直流入力３…単相インバータ３ａ…３相インバータ４…交流出力５…変流器（ＣＴ）６…商用電力系統７…負荷用変流器（ＬＣＴ）８…３相負荷９…出力調整器１０…単相３線負荷

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】単相インバータを介して負荷を並列にし
て商用電力系統に接続された直流電源を備え、前記単相
インバータは商用電力系統が３相のときは３台、単相３
線式のときは２台とし、負荷の電流値から単相インバー
タの出力基準を調整し各線間のアンバランスを補償する
出力調整器を有することを特徴とする分散形電源システ
ム。