JP2004166405A - 発電設備の出力調整装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】需要家負荷変動時、まず発電機出力電流によりフィードバック制御を行い、遅れて現れる周波数変動についても周波数によるフィードバック制御を行うことにより、ダミー負荷消費量の制御応答速度と安定速度を速くすることのできる発電設備の出力調整装置を得る。
【解決手段】需要家負荷の変動分を発電機の出力端に接続したダミー負荷の電力消費で吸収し、発電機出力周波数を一定に保つようにした発電設備の出力調整装置において、発電機の出力電流および周波数をフィードバックし、設定値とこれらフィードバック値との偏差に応じて前記ダミー負荷で消費される電力を制御する調整装置を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】需要家負荷の変動分を発電機の出力端に接続したダミー負荷の電力消費で吸収し、発電機出力周波数を一定に保つようにした発電設備の出力調整装置において、発電機の出力電流および周波数をフィードバックし、設定値とこれらフィードバック値との偏差に応じて前記ダミー負荷で消費される電力を制御する調整装置を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常運転時に電力系統に接続されずに独立分散電源として運用され、電力系統に接続される場合には、安定した周波数調整運転を行えるようにした発電設備の出力調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
調速機を持たない小出力の水力発電設備においては、一般的に需要家負荷変動による周波数変動を検出した場合、負荷変動分をダミー負荷により消費し発電機出力周波数を一定に制御している(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平07−217526号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
需要家負荷変動が発電機周波数の変動として現れるまでには時間的に遅れが生じるが、このように、調速機を省略した従来の技術の場合周波数が変動してから制御を開始するため、発電機出力周波数を安定させるためには時間がかかり、急激な負荷変動に応答できないといった問題があった。
【0005】
また、電流検出による制御を行うという考え方もあるが、この制御方式の場合負荷の不平衡や、落差変動による出力変動を捉えることができないため、実際には適用されていない。
更に、系統連係して運用される発電機においては、系統単独を検出する制御装置を準備する必要があり大掛かりなシステム構成となっていた。
【0006】
また、出力調整装置としての主回路素子にサイリスタ整流素子が適用されており、そのスイッチングノイズの影響が、発電機電圧に悪影響(電圧波形の歪み率を低下させる)をもたらしていた。
【0007】
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑み、需要家負荷変動により発電機出力電流によりフィードバック制御を行うと共に、遅れて現れる周波数変動についても周波数によるフィードバック制御を行うことにより、ダミー負荷消費量の制御応答速度と安定速度を速くすることのできる発電設備の出力調整装置を得ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発電設備の出力調整装置の発明は、需要家負荷の変動分を発電機の出力端に接続したダミー負荷にて消費し、発電機出力周波数を一定に保つようにした発電設備の出力調整装置において、発電機の出力電流および周波数と設定値との偏差に応じて前記ダミー負荷で消費される電力を制御する調整装置を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、電力系統に連係な発電設備であって、系統に連係されるまでは発電機周波数を調整する機能、系統連係後は単独運転への移行を検出する機能を併せて有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各実施の形態を通して共通する部分には共通符号をつけて説明の重複を避ける。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係る第1の実施の形態を示すシステム構成図であり、図2は図1に設けた調整装置の詳細ブロック構成図である。
【0011】
図1はガイドベーン等の流量調整機構を持たない小出力の水力発電設備の出力調整装置を示すもので、調整池1で貯水された水は水圧鉄管2を流下し、全開状態の入口弁3を通って水車4に至り、ランナーを回転させる。水車4のランナーは発電機5の回転子と軸結合されているため、水車ランナーとともに発電機5の回転子が一体的に回転し、発電する。そして発電機5から出力された電力は需要家負荷Cに供給される。なお、前記水車4は前述したように、ガイドベーン等の流量調整機構を持たないため、水車4に流れ込む水量は調整地1の水位に基づいて一義的に決定される。
【0012】
発電機5の出力電流は電流変成器6によって検出され、その出力Iは電流変換器7を介して調整装置9に入力される。一方発電機5の周波数Fは、周波数変換器8を介し前記調整装置9へ入力される。発電機5の出力電流I、周波数Fは調整装置9内でそれぞれの基準値fs、Isと比較され、比較結果電流偏差ΔIまたは周波数偏差Δfが生じた場合、その偏差に応じて半導体スイッチング回路10内のスイッチング素子の通電電流を制御することにより、ダミー負荷11に流れる電流量を調整し、消費電力を調整する。
【0013】
ところで、このダミー負荷11は、入口弁3を一定開度で運転している状態で、水車4に流れ込む水量の変動あるいは需要家の負荷変動等により電力需給のバランスが崩れて、周波数変動が生じた場合にこの周波数変動を抑えるために設けられたものであり、変動分に応じてダミー負荷に電力を消費させることで電力需給をバランスさせ、発電機周波数を一定に保つことができる。
【0014】
次に、図2を参照して調整装置9の詳細構成を説明する。調整装置9は、比較部9−1により発電機周波数Fと基準周波数fsとの偏差Δfを演算して出力し、また比較部9−2により発電機電流Iと基準電流Isとの偏差ΔIを演算して出力し、そしてそれぞれの偏差Δf、ΔIを演算器9−3に入力してスイッチング指令出力を生ずるように構成されている。
【0015】
電力系統が安定している状態では、周波数偏差Δf、電流偏差ΔIは発生しておらず、スイッチング回路10に対するスイッチング指令は一定値を維持している。しかし、需要家負荷Cが変動して発電機出力電流Iに変化が生じた場合、比較部9−2で電流偏差ΔIが発生して演算器9−3に入力される。なお、電流偏差ΔIが発生した時点では、発電機5には回転系による時間的遅れのため、まだ周波数変動は発生せず、周波数偏差Δfは生じない。
【0016】
この結果、調整装置9からは、まず電流偏差ΔIだけによるスイッチング指令出力が生じ、ダミー負荷11に供給する電流量はΔIに対応した分だけ変化し、負荷変動前と同様の発電機電流値に戻る。発電機出力電流が変動前の値に戻ることにより電流偏差ΔIは0となるが、周波数が遅れて変化するため、電流偏差ΔIよりも遅れて周波数偏差Δfが発生し、この周波数偏差Δfの発生分によりスイッチング出力指令が変化する。
【0017】
この時の周波数偏差Δfの量は電流が既に負荷変動前と同様になっているため周波数変動量は抑えられ、電流偏差ΔIに比べ少ない量となる。周波数偏差Δfによるスイッチング出力指令に基づいて、ダミー負荷11に供給される電流量が変化するため、発電機電流は再度変動する。この変動により電流偏差ΔIが発生して前述の制御を繰り返すことにより、周波数偏差Δfの量は徐々に少なくなり安定化する。
以上のように、この第1の実施の形態によれば、電流検出の速応性と周波数検出の安定性の2つを兼ね備え、ダミー負荷の制御を行うことが可能となる。
【0018】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態を示すシステム構成図であり、図4は図3に設けられた調整装置の詳細構成ブロック図である。
【0019】
まず図3において、本実施の形態の場合、発電機の周波数検出部については第1の実施の形態と同じであるが、電流検出部以降の機能が若干異なる。すなわち、図4の調整装置9Aおよびスイッチング回路10Aで示すように、電流変成器6−1〜6−3によりa,b,c各相の出力電流を検出し、電流変換器7を経て調整装置9Aに入力し、電流不平衡相を演算により特定する。
【0020】
そして調整装置9Aは、その演算結果を各相毎に独立して制御可能なスイッチング回路10Aのスイッチング素子10a,10bおよび10cに入力し、各相ダミー負荷11a,11bおよび11cの電力消費量をそれぞれ調整して三相平衡状態にし、発電機5への零相電流を抑制する。
【0021】
このように、本実施の形態によれば、各相毎に電流不平衡相を演算し、その演算結果に基づいてダミー負荷における電力消費量を各相毎に制御して、三相平衡状態を維持することができる。
【0022】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態の1部を示す構成図である。
この実施の形態で採用する調整装置9Bは、図5で示すように発電機の出力端子から入力した交流電圧を直流電圧に変換する整流回路(例えば、ダイオードブリッジ)12、平滑コンデンサ13、出力スイッチング回路(例えば、IGBT)14およびこの出力スイッチング回路14を制御する演算制御部15から構成されている。
【0023】
前記調整装置9Bは、入力した発電機の出力電流Iおよび周波数F(または発電機の回転数)によって出力スイッチング回路14を制御し、直流出力の大きさを制御することにより、ダミー負荷11での電力消費量を制御し、発電機出力周波数の安定化を図るものである。
【0024】
本実施の形態によれば、調整装置9Bで交流/直流変換しているため、平滑回路にて電流調整をおこなっているスイッチング回路の移行サージが抑制され、結果的に電流調整時に発電機電圧の波形歪みを改善することができる。
【0025】
(第4の実施の形態)
図6は、本発明の第4の実施の形態を示す回路図である。
この実施の形態の目的は、発電機5が系統に連係している場合には、ダミー負荷は必要としないが、一定周期毎にダミー負荷を活かすことによって、ダミー負荷への電流と系統側への電流比を演算し、発電機単独運転の検出を行うようにしたものである。
【0026】
図6において、Z1は系統負荷インピーダンス(変電所インピーダンス)、Z2は発電機インピーダンス、ZLは配電線負荷インピーダンスを表す。また、I1は系統側の電流、I2はダミー負荷電流と配電線負荷間の循環電流そしてI3は発電機電流を表し、発電機の系統連係時と単独運転時のダミー負荷への分担電流比を算出することにより、発電機の単独運転を検出することができるようにしたものである。これは、系統連係時にはダミー負荷への電流分担比が1となること、単独運転時には0になることに着目したものである。
【0027】
図7はダミー負荷の接続状態、非接続状態を説明するための図であり、特に(A)は、ダミー負荷非接続時の等価回路図、(B)は、ダミー負荷接続時の等価回路図である。
【0028】
図7(A)から、
【数1】
図7(B)から
【数2】
【数3】
上記より、
【数4】
【数5】
と置くと、
ダミー負荷に流入するダミー負荷電流Idは、
Id = ΔI1 + ΔI2 となる。
【0029】
ここで系統側への電流(ΔI1)とこのダミー負荷電流(Id)の比を電流分担比とすると、
【数6】
図7(A)において発電機5が系統連係している場合には、系統負荷>Z1および>Z2と考えられることから、式6は式7として近似できる。
【数7】
【0030】
今度は発電機が単独運転に移行(配電線負荷ZLが接続された状態で、系統側の電源が切れた場合)には、変電所インピーダンスZ1が無限大になるため、Z1>ZLおよび>Z2となるので式6は式8に近似できる。
【数8】
【0031】
以上述べたように、本実施の形態によれば、系統連係時、Z2>Z1となるため電流分担比が1に近似され、一方単独運転時には、Z2<ZLとなるため電流分担比が0に近似されることを調整装置9Cで演算し、検出することができる。この結果、系統に連係する場合には、単独運転を検出できるシステムを構築できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、発電機電流による調整を加えることにより、需要家負荷の変動に対し発電機周波数の変化を小さくすることが可能となり、安定した周波数を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシステム構成図。
【図2】出力調整装置の詳細ブロック図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るシステム構成図。
【図4】出力調整装置のスイッチング回路構成図。
【図5】不平衡調整を行うためのスイッチング回路構成図。
【図6】単独運転検出機能の説明図。
【図7】ダミー負荷の接続状態、非接続状態を説明する図で、特に(A)は系統連係時の説明図、(B)は系統連係時でダミー負荷接続時の説明図。
【符号の説明】
1…調整池、2…水圧鉄管、3…入口弁、4…水車、5…発電機、6,6‘…電流変成器、7,7‘…電流変換器、8…周波数変換器、9,9A,9B,9C…調整装置、9−1,9−2…比較部、9−3…演算部、10,10−1…スイッチング回路、11,11a,11b,11c…ダミー負荷、12…3相ダイオード整流器、13…平滑コンデンサ、14…出力スイッチング回路、15…演算制御部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常運転時に電力系統に接続されずに独立分散電源として運用され、電力系統に接続される場合には、安定した周波数調整運転を行えるようにした発電設備の出力調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
調速機を持たない小出力の水力発電設備においては、一般的に需要家負荷変動による周波数変動を検出した場合、負荷変動分をダミー負荷により消費し発電機出力周波数を一定に制御している(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平07−217526号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
需要家負荷変動が発電機周波数の変動として現れるまでには時間的に遅れが生じるが、このように、調速機を省略した従来の技術の場合周波数が変動してから制御を開始するため、発電機出力周波数を安定させるためには時間がかかり、急激な負荷変動に応答できないといった問題があった。
【0005】
また、電流検出による制御を行うという考え方もあるが、この制御方式の場合負荷の不平衡や、落差変動による出力変動を捉えることができないため、実際には適用されていない。
更に、系統連係して運用される発電機においては、系統単独を検出する制御装置を準備する必要があり大掛かりなシステム構成となっていた。
【0006】
また、出力調整装置としての主回路素子にサイリスタ整流素子が適用されており、そのスイッチングノイズの影響が、発電機電圧に悪影響(電圧波形の歪み率を低下させる)をもたらしていた。
【0007】
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑み、需要家負荷変動により発電機出力電流によりフィードバック制御を行うと共に、遅れて現れる周波数変動についても周波数によるフィードバック制御を行うことにより、ダミー負荷消費量の制御応答速度と安定速度を速くすることのできる発電設備の出力調整装置を得ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1に係る発電設備の出力調整装置の発明は、需要家負荷の変動分を発電機の出力端に接続したダミー負荷にて消費し、発電機出力周波数を一定に保つようにした発電設備の出力調整装置において、発電機の出力電流および周波数と設定値との偏差に応じて前記ダミー負荷で消費される電力を制御する調整装置を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に係る発明は、電力系統に連係な発電設備であって、系統に連係されるまでは発電機周波数を調整する機能、系統連係後は単独運転への移行を検出する機能を併せて有することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各実施の形態を通して共通する部分には共通符号をつけて説明の重複を避ける。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係る第1の実施の形態を示すシステム構成図であり、図2は図1に設けた調整装置の詳細ブロック構成図である。
【0011】
図1はガイドベーン等の流量調整機構を持たない小出力の水力発電設備の出力調整装置を示すもので、調整池1で貯水された水は水圧鉄管2を流下し、全開状態の入口弁3を通って水車4に至り、ランナーを回転させる。水車4のランナーは発電機5の回転子と軸結合されているため、水車ランナーとともに発電機5の回転子が一体的に回転し、発電する。そして発電機5から出力された電力は需要家負荷Cに供給される。なお、前記水車4は前述したように、ガイドベーン等の流量調整機構を持たないため、水車4に流れ込む水量は調整地1の水位に基づいて一義的に決定される。
【0012】
発電機5の出力電流は電流変成器6によって検出され、その出力Iは電流変換器7を介して調整装置9に入力される。一方発電機5の周波数Fは、周波数変換器8を介し前記調整装置9へ入力される。発電機5の出力電流I、周波数Fは調整装置9内でそれぞれの基準値fs、Isと比較され、比較結果電流偏差ΔIまたは周波数偏差Δfが生じた場合、その偏差に応じて半導体スイッチング回路10内のスイッチング素子の通電電流を制御することにより、ダミー負荷11に流れる電流量を調整し、消費電力を調整する。
【0013】
ところで、このダミー負荷11は、入口弁3を一定開度で運転している状態で、水車4に流れ込む水量の変動あるいは需要家の負荷変動等により電力需給のバランスが崩れて、周波数変動が生じた場合にこの周波数変動を抑えるために設けられたものであり、変動分に応じてダミー負荷に電力を消費させることで電力需給をバランスさせ、発電機周波数を一定に保つことができる。
【0014】
次に、図2を参照して調整装置9の詳細構成を説明する。調整装置9は、比較部9−1により発電機周波数Fと基準周波数fsとの偏差Δfを演算して出力し、また比較部9−2により発電機電流Iと基準電流Isとの偏差ΔIを演算して出力し、そしてそれぞれの偏差Δf、ΔIを演算器9−3に入力してスイッチング指令出力を生ずるように構成されている。
【0015】
電力系統が安定している状態では、周波数偏差Δf、電流偏差ΔIは発生しておらず、スイッチング回路10に対するスイッチング指令は一定値を維持している。しかし、需要家負荷Cが変動して発電機出力電流Iに変化が生じた場合、比較部9−2で電流偏差ΔIが発生して演算器9−3に入力される。なお、電流偏差ΔIが発生した時点では、発電機5には回転系による時間的遅れのため、まだ周波数変動は発生せず、周波数偏差Δfは生じない。
【0016】
この結果、調整装置9からは、まず電流偏差ΔIだけによるスイッチング指令出力が生じ、ダミー負荷11に供給する電流量はΔIに対応した分だけ変化し、負荷変動前と同様の発電機電流値に戻る。発電機出力電流が変動前の値に戻ることにより電流偏差ΔIは0となるが、周波数が遅れて変化するため、電流偏差ΔIよりも遅れて周波数偏差Δfが発生し、この周波数偏差Δfの発生分によりスイッチング出力指令が変化する。
【0017】
この時の周波数偏差Δfの量は電流が既に負荷変動前と同様になっているため周波数変動量は抑えられ、電流偏差ΔIに比べ少ない量となる。周波数偏差Δfによるスイッチング出力指令に基づいて、ダミー負荷11に供給される電流量が変化するため、発電機電流は再度変動する。この変動により電流偏差ΔIが発生して前述の制御を繰り返すことにより、周波数偏差Δfの量は徐々に少なくなり安定化する。
以上のように、この第1の実施の形態によれば、電流検出の速応性と周波数検出の安定性の2つを兼ね備え、ダミー負荷の制御を行うことが可能となる。
【0018】
(第2の実施の形態)
図3は本発明の第2の実施の形態を示すシステム構成図であり、図4は図3に設けられた調整装置の詳細構成ブロック図である。
【0019】
まず図3において、本実施の形態の場合、発電機の周波数検出部については第1の実施の形態と同じであるが、電流検出部以降の機能が若干異なる。すなわち、図4の調整装置9Aおよびスイッチング回路10Aで示すように、電流変成器6−1〜6−3によりa,b,c各相の出力電流を検出し、電流変換器7を経て調整装置9Aに入力し、電流不平衡相を演算により特定する。
【0020】
そして調整装置9Aは、その演算結果を各相毎に独立して制御可能なスイッチング回路10Aのスイッチング素子10a,10bおよび10cに入力し、各相ダミー負荷11a,11bおよび11cの電力消費量をそれぞれ調整して三相平衡状態にし、発電機5への零相電流を抑制する。
【0021】
このように、本実施の形態によれば、各相毎に電流不平衡相を演算し、その演算結果に基づいてダミー負荷における電力消費量を各相毎に制御して、三相平衡状態を維持することができる。
【0022】
(第3の実施の形態)
図5は、本発明の第3の実施の形態の1部を示す構成図である。
この実施の形態で採用する調整装置9Bは、図5で示すように発電機の出力端子から入力した交流電圧を直流電圧に変換する整流回路(例えば、ダイオードブリッジ)12、平滑コンデンサ13、出力スイッチング回路(例えば、IGBT)14およびこの出力スイッチング回路14を制御する演算制御部15から構成されている。
【0023】
前記調整装置9Bは、入力した発電機の出力電流Iおよび周波数F(または発電機の回転数)によって出力スイッチング回路14を制御し、直流出力の大きさを制御することにより、ダミー負荷11での電力消費量を制御し、発電機出力周波数の安定化を図るものである。
【0024】
本実施の形態によれば、調整装置9Bで交流/直流変換しているため、平滑回路にて電流調整をおこなっているスイッチング回路の移行サージが抑制され、結果的に電流調整時に発電機電圧の波形歪みを改善することができる。
【0025】
(第4の実施の形態)
図6は、本発明の第4の実施の形態を示す回路図である。
この実施の形態の目的は、発電機5が系統に連係している場合には、ダミー負荷は必要としないが、一定周期毎にダミー負荷を活かすことによって、ダミー負荷への電流と系統側への電流比を演算し、発電機単独運転の検出を行うようにしたものである。
【0026】
図6において、Z1は系統負荷インピーダンス(変電所インピーダンス)、Z2は発電機インピーダンス、ZLは配電線負荷インピーダンスを表す。また、I1は系統側の電流、I2はダミー負荷電流と配電線負荷間の循環電流そしてI3は発電機電流を表し、発電機の系統連係時と単独運転時のダミー負荷への分担電流比を算出することにより、発電機の単独運転を検出することができるようにしたものである。これは、系統連係時にはダミー負荷への電流分担比が1となること、単独運転時には0になることに着目したものである。
【0027】
図7はダミー負荷の接続状態、非接続状態を説明するための図であり、特に(A)は、ダミー負荷非接続時の等価回路図、(B)は、ダミー負荷接続時の等価回路図である。
【0028】
図7(A)から、
【数1】
図7(B)から
【数2】
【数3】
上記より、
【数4】
【数5】
と置くと、
ダミー負荷に流入するダミー負荷電流Idは、
Id = ΔI1 + ΔI2 となる。
【0029】
ここで系統側への電流(ΔI1)とこのダミー負荷電流(Id)の比を電流分担比とすると、
【数6】
図7(A)において発電機5が系統連係している場合には、系統負荷>Z1および>Z2と考えられることから、式6は式7として近似できる。
【数7】
【0030】
今度は発電機が単独運転に移行(配電線負荷ZLが接続された状態で、系統側の電源が切れた場合)には、変電所インピーダンスZ1が無限大になるため、Z1>ZLおよび>Z2となるので式6は式8に近似できる。
【数8】
【0031】
以上述べたように、本実施の形態によれば、系統連係時、Z2>Z1となるため電流分担比が1に近似され、一方単独運転時には、Z2<ZLとなるため電流分担比が0に近似されることを調整装置9Cで演算し、検出することができる。この結果、系統に連係する場合には、単独運転を検出できるシステムを構築できる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、発電機電流による調整を加えることにより、需要家負荷の変動に対し発電機周波数の変化を小さくすることが可能となり、安定した周波数を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るシステム構成図。
【図2】出力調整装置の詳細ブロック図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係るシステム構成図。
【図4】出力調整装置のスイッチング回路構成図。
【図5】不平衡調整を行うためのスイッチング回路構成図。
【図6】単独運転検出機能の説明図。
【図7】ダミー負荷の接続状態、非接続状態を説明する図で、特に(A)は系統連係時の説明図、(B)は系統連係時でダミー負荷接続時の説明図。
【符号の説明】
1…調整池、2…水圧鉄管、3…入口弁、4…水車、5…発電機、6,6‘…電流変成器、7,7‘…電流変換器、8…周波数変換器、9,9A,9B,9C…調整装置、9−1,9−2…比較部、9−3…演算部、10,10−1…スイッチング回路、11,11a,11b,11c…ダミー負荷、12…3相ダイオード整流器、13…平滑コンデンサ、14…出力スイッチング回路、15…演算制御部。
Claims (4)
- 需要家負荷の変動分を発電機の出力端に接続したダミー負荷にて消費し、発電機出力周波数を一定に保つようにした発電設備の出力調整装置において、
発電機の出力電流および周波数と設定値との偏差に応じて前記ダミー負荷で消費される電力を制御する調整装置を設けたことを特徴とする発電設備の出力調整装置。 - 前記調整装置は、発電機の出力電流を各相分入力して不平衡相を演算により特定し、この特定された相のダミー負荷に対して消費電力を制御するための指令を出力することを特徴とする請求項1記載の発電設備の出力調整装置。
- 発電機交流入力を直流に変換して出力する交直変換器と、この交直変換器の直流出力を入力し、通電時間により直流出力の大きさを変換するスイッチング素子と、発電機の出力電流および周波数と設定値との偏差に応じてこのスイッチング素子通電時間を制御する演算制御部とからなる請求項1記載の発電設備の出力調整装置。
- 電力系統に連係な発電設備であって、系統に連係されるまでは発電機周波数を調整する機能、系統連係後は単独運転への移行を検出する機能を併せて有することを特徴とする発電設備の調整装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002329746A JP2004166405A (ja) | 2002-11-13 | 2002-11-13 | 発電設備の出力調整装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009296845A (ja) * | 2008-06-09 | 2009-12-17 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | マイクログリッド電力系統における不平衡電流の補償方法、及びこの方法に用いる制御装置 |
CN105634009A (zh) * | 2016-01-22 | 2016-06-01 | 重庆大唐国际武隆水电开发有限公司 | 一种水电厂调频调节方法 |
-
2002
- 2002-11-13 JP JP2002329746A patent/JP2004166405A/ja not_active Withdrawn
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CN105634009A (zh) * | 2016-01-22 | 2016-06-01 | 重庆大唐国际武隆水电开发有限公司 | 一种水电厂调频调节方法 |
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