JPH05308051A - 水素化アモルファスシリコン膜の製造方法及び装置 - Google Patents

水素化アモルファスシリコン膜の製造方法及び装置

Info

Publication number
JPH05308051A
JPH05308051A JP13563192A JP13563192A JPH05308051A JP H05308051 A JPH05308051 A JP H05308051A JP 13563192 A JP13563192 A JP 13563192A JP 13563192 A JP13563192 A JP 13563192A JP H05308051 A JPH05308051 A JP H05308051A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetron
amorphous silicon
sputtering
hydrogenated amorphous
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13563192A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Endo
保夫 遠藤
Takashi Shibata
尚 柴田
Hiroyuki Tokushige
裕之 徳重
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Steel Works Ltd filed Critical Japan Steel Works Ltd
Priority to JP13563192A priority Critical patent/JPH05308051A/ja
Publication of JPH05308051A publication Critical patent/JPH05308051A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 反応性スパッタ法により、暗抵抗が高く、光
導電性も高い水素化アモルファスシリコンの薄膜を形成
する。 【構成】 真空チャンバ2内には、直流電源10及び高
周波電源11にそれぞれ接続される一対のマグネトロン
電極7,8が設けられており、その電極7,8上にそれ
ぞれシリコンターゲット9が設置されている。ガス導入
口4から水素を含む不活性ガスを流しながら各電極7,
8により直流マグネトロンスパッタと高周波マグネトロ
ンスパッタとを同時に行うと、基板12上にSi−H結
合形態の異なる水素化アモルファスシリコン膜が堆積す
る。その結合形態は、各電極7,8による直流スパッタ
出力と高周波スパッタ出力との比を変えることによって
制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撮像素子や電子写真用
感光ドラムの感光層などのような受光素子に用いられる
水素化アモルファスシリコンの薄膜を製造する方法及び
装置に関するもので、特に、スパッタ法を利用した水素
化アモルファスシリコン膜の製造方法及び装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】水素化アモルファスシリコン膜の製造に
は、現在、主としてグロー放電法(プラズマCVD法)
が用いられている。そのグロー放電法による水素化アモ
ルファスシリコンの成膜は、シラン(SiH4 )ガスを
高周波グロー放電によって分解させ、200〜300℃
に保った基板上に堆積させるというものである。このグ
ロー放電法は、大面積の成膜が容易であり、しかも光導
電性に優れた水素化アモルファスシリコン膜が得られる
ことから、特に太陽電池や電子写真用感光ドラムの製造
に適したものとされている。しかしながら、グロー放電
法によって得られる水素化アモルファスシリコンは暗抵
抗が小さいので、電子写真の感光層として用いる場合に
は、帯電性を向上させるために、ほう素に加えて窒素や
炭素等を添加したり、あるいはブロッキング層を加えて
積層化するなどの対策を行うことが必要となっている。
【0003】そこで、その欠点を補うために、他の方法
による水素化アモルファスシリコンの成膜も試みられて
いる。例えば反応性スパッタ法を用い、水素を含有する
スパッタガスによりシリコンターゲットをスパッタし
て、スパッタ粒子を基板上に堆積させるようにすれば、
水素化アモルファスシリコン膜を形成することができ
る。そのような反応性スパッタ法によれば、暗抵抗の高
い水素化アモルファスシリコン膜を得ることができる。
また、その方法は、シラン等のガスを用いるグロー放電
法に比べると、はるかに安価で、安全性も高いという利
点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、撮像素子あ
るいは電子写真の感光層として用いられる水素化アモル
ファスシリコンには、高い暗抵抗のみならず、高い光導
電性も要求される。しかしながら、上述のようなスパッ
タ法によっても、その両方の特性を有する水素化アモル
ファスシリコン膜を得ることは難しい。すなわち、スパ
ッタ法によって形成される水素化アモルファスシリコン
膜の暗抵抗が高いのは、膜中の水素含有量が高いこと、
及びそのSi−H結合形態がSiH2 結合を主体として
いることに起因するものと考えられている。ところが、
SiH2 結合が過剰となると、光導電性の低下を招くこ
とになる。したがって、スパッタ法により光導電性の高
い水素化アモルファスシリコン膜が形成されるようにす
るためには、SiH2 結合の形成が比較的少なく抑えら
れるようにすることが必要となる。従来の反応性スパッ
タ法でも、スパッタガス中の水素ガス混合比を下げる
と、SiH2 結合が減少してSiH結合が増加し、ある
程度は光導電性が改善される。しかしながら、そのよう
にすると、同時に膜中の水素含有量も減少し、暗抵抗が
低下してしまう。
【0005】このように、一般の反応性スパッタ法で
は、形成される膜中の水素含有量を高く維持しながらS
i−H結合形態を制御するということができないので、
スパッタ法によって高い暗抵抗と高い光導電性との両方
の要求を同時に満足する水素化アモルファスシリコンを
得ることは実質的に不可能となっている。そのために、
現在では、受光素子としての水素化アモルファスシリコ
ンの製法は、グロー放電法が主流とならざるを得ない状
況となっている。
【0006】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、高い暗抵抗及び高い光電
特性を同時に有する水素化アモルファスシリコンが、安
価で安全な反応性スパッタ法によって得られるようにす
ることである。換言すれば、その目的は、反応性スパッ
タ法において、形成される膜中の水素含有量とSi−H
結合形態とが独立して制御されるようにすることによ
り、膜中の水素含有量をほとんど減少させることなく、
最適なSi−H結合形態の水素化アモルファスシリコン
を形成することのできる水素化アモルファスシリコン膜
の製造方法及び装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では、スパッタを、直流マグネトロンスパッ
タと高周波マグネトロンスパッタとの二つの方法で同時
に行うようにしている。すなわち、本発明による水素化
アモルファスシリコン膜の製造方法は、同一のチャンバ
内に直流電源型のマグネトロン電極と高周波電源型のマ
グネトロン電極とを設け、それらのマグネトロン電極に
よる直流スパッタ出力及び高周波スパッタ出力をそれぞ
れ制御しながら、直流によるマグネトロンスパッタと高
周波によるマグネトロンスパッタとを同時に行い、各マ
グネトロン電極上に設置されたシリコンターゲットから
飛び出すスパッタ粒子を同一の基板上に堆積させるよう
にしたことを特徴としている。また、本発明による水素
化アモルファスシリコン膜の製造装置は、水素ガスと不
活性ガスとが導入される真空チャンバ内に、シリコンタ
ーゲットがそれぞれ設置される一対のマグネトロン電極
を設け、各マグネトロン電極に、そのスパッタ出力を独
立して制御し得る直流電源及び高周波電源をそれぞれ接
続して、それらのマグネトロン電極によりそれぞれ直流
マグネトロンスパッタと高周波マグネトロンスパッタと
を行わせるようにするとともに、各シリコンターゲット
から飛び出すスパッタ粒子を、真空チャンバ内の基板ホ
ルダに支持されている単一の基板にともに付着堆積させ
るように構成したことを特徴としている。
【0008】
【作用】マグネトロンスパッタ法は、マグネトロン電極
からの放電によりプラズマを発生させ、ターゲットから
飛び出したスパッタ粒子がそのプラズマ中を通過するよ
うにしたもので、従来のイオンビームなどによるスパッ
タ法に比べると、高速粒子による膜へのダメージが少な
いので、光導電性の改善を期待することができる。ま
た、そのマグネトロンスパッタ法は、成膜が速いという
特徴も有している。そのようなマグネトロンスパッタ法
を実施する装置には、放電形態により直流マグネトロン
型と高周波マグネトロン型とがあるが、いずれの放電形
態のマグネトロンスパッタ装置を用いても水素化アモル
ファスシリコンは形成することができる。本発明者ら
は、このマグネトロンスパッタ法について鋭意研究した
結果、直流マグネトロン型と高周波マグネトロン型とで
はSi−H結合形態の大きく異なる水素化アモルファス
シリコンが形成されることを見いだした。その理由につ
いては、現時点ではまだすべてが明らかにはされていな
いが、プラズマ診断などの結果から、次のようなことが
推察される。すなわち、直流マグネトロン型と高周波マ
グネトロン型とでは、放電状態の違いにより、プラズマ
空間の電位分布が大きく異なる。そのために、基板へ到
達する水素イオンの入射エネルギにも大きな差が生じ
る。その結果、形成される水素化アモルファスシリコン
のSi−H結合形態が異なってくる。
【0009】このように、直流によるマグネトロンスパ
ッタと高周波によるマグネトロンスパッタとでは基板に
到達する水素イオンの入射エネルギに差が生じるので、
それらのスパッタを同時に行うと、入射エネルギの異な
る水素イオンが同一基板上に到達することになる。その
場合、直流スパッタ出力と高周波スパッタ出力との比を
変えると、それぞれのエネルギを有する入射水素イオン
量も変化する。したがって、直流マグネトロンスパッタ
と高周波マグネトロンスパッタとを同時に行いながら、
そのスパッタ出力をそれぞれ制御するようにすれば、形
成される水素化アモルファスシリコンのSi−H結合形
態を一定範囲で制御することが可能となる。一方、スパ
ッタ全出力を一定にしておけば、基板に到達する入射水
素イオンの全体量はほとんど変化しない。
【0010】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたものであり、上述のように直流マグネトロンスパッ
タと高周波マグネトロンスパッタとを複合した複合マグ
ネトロンスパッタ法を用いることを特徴とするものであ
る。そのような複合マグネトロンスパッタ法を用いる
と、形成される水素化アモルファスシリコン膜中の水素
含有量とSi−H結合形態とを独立して制御することが
可能となる。そして、それによって、膜中の水素含有量
をほとんど減少させることなく、Si−H結合形態を最
適なものにすることが可能となるので、高い暗抵抗を有
し、かつ光導電性に優れた良好な光応答性を有する水素
化アモルファスシリコンが得られることになる。
【0011】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。図中、図1は本発明による水素化アモルファスシリ
コン膜製造装置の一実施例を示す概略構成図である。こ
の図から明らかなように、この水素化アモルファスシリ
コン膜製造装置1は真空チャンバ2を備えている。その
チャンバ2の壁面は金属等の導電性材料によって形成さ
れ、アース電位に保持されるようになっている。また、
そのチャンバ2は、図示されていないが適宜の水冷装置
によって冷却されるようになっている。チャンバ2には
排気口3とガス導入口4とが設けられており、その排気
口3に接続される真空ポンプ5によってチャンバ2内が
減圧されるとともに、ガス導入口4からチャンバ2内に
水素ガスとアルゴン等の不活性ガスとの混合ガスが導入
されるようになっている。
【0012】チャンバ2内には、内部に永久磁石6を備
えた一対のマグネトロン電極7,8が配設されている。
そのマグネトロン電極7,8上には、それぞれ多結晶シ
リコン等のシリコンターゲット9,9が設置されるよう
になっている。こうして、各ターゲット9,9の表面側
にそれぞれ磁界が形成されるようにされている。また、
そのターゲット9は、マグネトロン電極7,8内に導入
される冷却水によって水冷されるようになっている。一
方のマグネトロン電極7は、チャンバ2の外部に設けら
れた直流電源10に接続されている。また、他方のマグ
ネトロン電極8は、同じくチャンバ2の外部に設置され
た高周波電源11に接続されている。したがって、一方
のマグネトロン電極7によって直流型のマグネトロンス
パッタが行われ、他方のマグネトロン電極8によって高
周波型のマグネトロンスパッタが行われるようになって
いる。そして、その直流電源10及び高周波電源11は
それぞれ独立して制御可能とされている。すなわち、そ
れらのマグネトロン電極7,8による直流スパッタ出力
及び高周波スパッタ出力は、それぞれ独立して制御可能
となっている。
【0013】チャンバ2内には、更に、単結晶シリコン
あるいはガラス等の基板12を支持する基板ホルダ13
が設けられている。その基板ホルダ13も導電性材料に
よって形成されており、チャンバ2の壁面とともにアー
ス電位に保持されるようになっている。基板12は、基
板ホルダ13に取り付けられたとき、各マグネトロン電
極7,8上のターゲット9,9に対して所定の間隔を置
いて位置するようにされ、各ターゲット9,9からそれ
ぞれ飛び出すスパッタ粒子が同時にその基板12の表面
に付着堆積するようにされている。また、基板ホルダ1
3にはヒータ14が設けられ、その基板ホルダ13に取
り付けられる基板12が加熱されるようになっている。
【0014】次に、このように構成された水素化アモル
ファスシリコン膜製造装置1の作用について説明する。
この製造装置1を用いて水素化アモルファスシリコンの
薄膜を製造するときには、まず、その薄膜を付着させる
基板12を基板ホルダ13に取り付ける。そして、ヒー
タ14によってその基板12を加熱状態に保つ。次い
で、真空ポンプ5によりチャンバ2内を真空吸引しなが
ら、ガス導入口4からそのチャンバ2内に水素とアルゴ
ン等との混合ガスを少しずつ流す。その状態で、各マグ
ネトロン電極7,8上のシリコンターゲット9,9を陰
極とし、そのターゲット9,9とアースされている基板
12との間にそれぞれ直流バイアス電圧及び高周波バイ
アス電圧を印加する。すると、各ターゲット9,9と基
板12との間にそれぞれプラズマが形成される。したが
って、各ターゲット9,9の表面が水素を含むスパッタ
ガスによりスパッタされ、その表面からスパッタ粒子が
飛び出す。そのスパッタ粒子にはシリコン粒子と水素イ
オンとが含まれている。そして、それらが各マグネトロ
ン電極7,8によって形成されているそれぞれのプラズ
マ中を通って基板12に到達し、その基板12上におい
て結合する。その結果、基板12の表面に水素化アモル
ファスシリコンの薄膜が形成される。
【0015】このようにして、同一の基板12上に直流
マグネトロンスパッタによる水素化アモルファスシリコ
ンと高周波マグネトロンスパッタによる水素化アモルフ
ァスシリコンとが同時に形成される。その場合、直流電
源型のマグネトロン電極7によって形成されるプラズマ
と高周波電源型のマグネトロン電極8によって形成され
るプラズマとではプラズマ空間における電位分布が異な
るので、それらのプラズマを通って基板12に到達する
スパッタ粒子中の水素イオンの入射エネルギには差が生
じる。そして、そのようにエネルギの異なる水素イオン
がシリコン粒子と結合して形成される水素化アモルファ
スシリコンは、Si−H結合形態が互いに異なるものと
なる。例えば入射エネルギの小さい水素イオンがシリコ
ン粒子と結合すると、SiHの多い水素化アモルファス
シリコンが形成される。また、入射エネルギの高い水素
イオンがシリコン粒子と結合すると、SiH2 の多い水
素化アモルファスシリコンが形成される。したがって、
このように直流マグネトロンスパッタと高周波マグネト
ロンスパッタとを同時に行うことにより、基板12上に
は、SiHとSiH2 とが混在した水素化アモルファス
シリコン膜が形成されることになる。その結合形態は、
直流スパッタ出力と高周波スパッタ出力との比を変える
ことによって制御することができる。例えば直流スパッ
タ出力の方を高くすると、基板12に到達する水素イオ
ンは入射エネルギの小さいものが多くなるので、SiH
の多い水素化アモルファスシリコンが得られることにな
る。逆に、高周波スパッタ出力の方を高くすると、入射
エネルギの高い水素イオンが多くなるので、形成される
水素化アモルファスシリコンはSiH2 の多いものとな
る。一方、スパッタ全出力を一定としておけば、基板1
2に到達する水素イオンの全体量はほとんど変化しな
い。したがって、そのスパッタ出力を制御することによ
って、水素含有量をほとんど減少させることなくSi−
H結合形態を制御することができ、高い暗抵抗と高い光
導電性とを有する望ましい特性の水素化アモルファスシ
リコンを得ることができる。
【0016】このような水素化アモルファスシリコン製
造装置1を実際に試作し、それを用いて水素化アモルフ
ァスシリコン膜を形成した。マグネトロン電極7,8上
に設置するターゲット9は直径75mm、厚さ5mmの円板
状の多結晶シリコンとし、基板12としては単結晶シリ
コンを用いた。そのターゲット9と基板12との中心間
距離は45mmである。各ターゲット9の背面側に配置さ
れた永久磁石6によるターゲット9表面の最大磁界は3
00ガウスであった。ガス導入口4からチャンバ2内に
導入するガスは水素ガスとアルゴンとの混合ガスとし
た。このような条件の下で、マグネトロン電極7,8に
それぞれ直流電圧及び高周波電圧を印加して、直流マグ
ネトロンスパッタと高周波マグネトロンスパッタとを同
時に行った。スパッタ条件は、基板温度を300℃、水
素ガスとアルゴンとの流量比H2 /Arを0.6とし
た。また、直流スパッタ出力DC(ワット)と高周波ス
パッタ出力RF(ワット)との全出力DC+RFを一定
の600ワットとして、その直流スパッタ出力とスパッ
タ全出力との比DC/(DC+RF)を0〜1の範囲で
変化させた。単結晶シリコン基板12上に堆積した水素
化アモルファスシリコン膜を分析したところ、その膜中
のSi−H結合形態は、図2に示されているようにDC
/(DC+RF)に対応して変化し、SiH2 結合水素
とSiH結合水素との比SiH2 /SiHで約0.5〜
2の範囲に制御可能であることが確認された。その場
合、膜中の水素含有量はほとんど変化しない。また、図
3に示されているように、DC/(DC+RF)が0.
4〜0.7の範囲では、暗導電率σd が10-12S・c
m-1、光導電率σp が10-7 S・cm-1 となった。このよ
うにして、この製造装置1により、暗抵抗が高く、しか
も光導電性の良好な水素化アモルファスシリコン膜が得
られることが確認された。
【0017】なお、上記実施例においては、直流スパッ
タ出力と高周波スパッタ出力との和を一定として、その
比のみを変化させるようにしているが、その比とともに
全スパッタ出力を変化させるようにすることもできる。
そのようにすれば、形成される水素化アモルファスシリ
コン膜中のSi−H結合形態のみでなく、水素含有量を
も制御することができる。したがって、水素化アモルフ
ァスシリコン膜の特性をより広く制御することが可能と
なる。直流電源10と高周波電源11とをそれぞれ用い
ることにより、そのように直流スパッタ出力と高周波ス
パッタ出力とをそれぞれ独立して制御することができ
る。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、各スパッタ出力をそれぞれ制御しながら、直
流によるマグネトロンスパッタと高周波によるマグネト
ロンスパッタとを同時に行い、シリコンターゲットから
飛び出すスパッタ粒子を同一の基板上に堆積させるよう
にしているので、形成される水素化アモルファスシリコ
ン膜中の水素含有量とSi−Hの結合形態とを独立して
制御することが可能となる。したがって、反応性スパッ
タ法によって形成される水素化アモルファスシリコン膜
中の高い水素含有量を維持しながら、SiH2 結合の生
成を抑制することができ、高い暗抵抗と高い光導電性と
を有する光応答性に優れた水素化アモルファスシリコン
を得ることができる。しかも、反応性スパッタ法を利用
するので、安全性が高く、安価に実施することができ、
成膜速度が速いというマグネトロンスパッタ法の特徴も
活かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水素化アモルファスシリコン膜の
製造装置の一実施例を示す概略構成図である。
【図2】その製造装置による実験結果を示すもので、ス
パッタ出力比と得られた水素化アモルファスシリコン膜
のSi−H結合形態及び水素含有量との関係を示すグラ
フである。
【図3】その製造装置におけるスパッタ出力比と得られ
た水素化アモルファスシリコン膜の暗導電率及び光導電
率との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 水素化アモルファスシリコン膜製造装置 2 真空チャンバ 7 直流マグネトロン電極 8 高周波マグネトロン電極 9 シリコンターゲット 10 直流電源 11 高周波電源 12 基板 13 基板ホルダ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素を含有するスパッタガスによりシリ
    コンターゲットをスパッタし、そのターゲットから飛び
    出すスパッタ粒子を基板上に堆積させて薄膜を形成す
    る、反応性スパッタ法による水素化アモルファスシリコ
    ン膜の製造方法において;同一のチャンバ内に直流電源
    型のマグネトロン電極と高周波電源型のマグネトロン電
    極とを設け、 それらのマグネトロン電極による直流スパッタ出力及び
    高周波スパッタ出力をそれぞれ制御しながら、直流によ
    るマグネトロンスパッタと高周波によるマグネトロンス
    パッタとを同時に行い、 前記各マグネトロン電極上に設置されたシリコンターゲ
    ットからそれぞれ飛び出すスパッタ粒子を同一の基板上
    に堆積させることを特徴とする、 水素化アモルファスシリコン膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 水素ガスと不活性ガスとが導入される真
    空チャンバと、 その真空チャンバ内に設けられ、シリコンターゲットが
    それぞれ設置される一対のマグネトロン電極と、 それらのマグネトロン電極にそれぞれ接続され、そのス
    パッタ出力を独立して制御する直流電源及び高周波電源
    と、 前記真空チャンバ内に設けられ、前記各シリコンターゲ
    ットからそれぞれ飛び出すスパッタ粒子がともに付着堆
    積する位置で基板を支持する基板ホルダと、 を備えてなる、水素化アモルファスシリコン膜の製造装
    置。
JP13563192A 1992-04-30 1992-04-30 水素化アモルファスシリコン膜の製造方法及び装置 Pending JPH05308051A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13563192A JPH05308051A (ja) 1992-04-30 1992-04-30 水素化アモルファスシリコン膜の製造方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13563192A JPH05308051A (ja) 1992-04-30 1992-04-30 水素化アモルファスシリコン膜の製造方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05308051A true JPH05308051A (ja) 1993-11-19

Family

ID=15156327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13563192A Pending JPH05308051A (ja) 1992-04-30 1992-04-30 水素化アモルファスシリコン膜の製造方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05308051A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100244385B1 (ko) * 1995-06-29 2000-02-01 모리시타 요이찌 스퍼터링장치 및 방법
WO2001029912A1 (fr) * 1999-10-22 2001-04-26 Sanyo Electric Co., Ltd. Electrode de pile au lithium et d'accumulateur au lithium
WO2001029913A1 (en) * 1999-10-22 2001-04-26 Sanyo Electric Co., Ltd. Method for producing material for electrode for lithium cell

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100244385B1 (ko) * 1995-06-29 2000-02-01 모리시타 요이찌 스퍼터링장치 및 방법
WO2001029912A1 (fr) * 1999-10-22 2001-04-26 Sanyo Electric Co., Ltd. Electrode de pile au lithium et d'accumulateur au lithium
WO2001029913A1 (en) * 1999-10-22 2001-04-26 Sanyo Electric Co., Ltd. Method for producing material for electrode for lithium cell
US6887511B1 (en) 1999-10-22 2005-05-03 Sanyo Electric Co., Ltd. Method for preparing electrode material for lithium battery
JP3702223B2 (ja) * 1999-10-22 2005-10-05 三洋電機株式会社 リチウム電池用電極材料の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2936276B2 (ja) 透明導電膜の製造方法およびその製造装置
US5500102A (en) Method of forming deposited semiconductor film
US5487786A (en) Plasma chemical vapor deposition device capable of suppressing generation of polysilane powder
JPH0459390B2 (ja)
JPH02232358A (ja) 低抵抗透明導電膜の製造方法
US5723034A (en) Process for forming hydrogenated amorphous silicon film
JPH05308051A (ja) 水素化アモルファスシリコン膜の製造方法及び装置
JPH0737818A (ja) プラズマcvd成膜方法と装置
JP3615647B2 (ja) 透明導電膜の製造方法およびその透明導電膜
JP3513206B2 (ja) 堆積膜形成方法及び堆積膜形成装置
EP0210724A1 (en) Methods of depositing germanium carbide
JPH09316632A (ja) 透明材料からなる支持体の上に光学的に透明でかつ導電性の層を付着させるための方法
JP2005126758A (ja) 透明導電膜の製造方法
JPS62232116A (ja) 水素化アモルフアスシリコン及びその製造方法
JP2001237446A (ja) 薄膜多結晶シリコン、シリコン系光電変換素子、及びその製造方法
JPH11150283A (ja) 多結晶シリコン薄膜の製造方法
JP2890032B2 (ja) シリコン薄膜の成膜方法
JPH0273963A (ja) 低温基体への薄膜形成方法
JPH11150284A (ja) 多結晶シリコン薄膜の製造方法
JP3162511B2 (ja) 非晶質シリコン膜の作製方法
JPH04287314A (ja) 水素化アモルファスシリコン積層体とその製法
JP4100920B2 (ja) プラズマ処理方法およびプラズマ処理装置
JPH0273979A (ja) 薄膜形成法
Uchida dc Glow Discharge
JPH1095693A (ja) 結晶性薄膜形成方法