JPH05306650A - 内燃機関のアルミ合金製ピストン - Google Patents

内燃機関のアルミ合金製ピストン

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JPH05306650A
JPH05306650A JP11121092A JP11121092A JPH05306650A JP H05306650 A JPH05306650 A JP H05306650A JP 11121092 A JP11121092 A JP 11121092A JP 11121092 A JP11121092 A JP 11121092A JP H05306650 A JPH05306650 A JP H05306650A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
plating layer
aluminum alloy
laser beam
ring groove
Prior art date
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Pending
Application number
JP11121092A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Sasaki
正登 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Publication of JPH05306650A publication Critical patent/JPH05306650A/ja
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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/02Light metals
    • F05C2201/021Aluminium

Landscapes

  • Chemically Coating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アルミ合金製ピストンの高熱による変形,軟
化を防止しつつリング溝表面のメッキ層の十分な硬化を
得ると共に、製造コストの低廉化を図る。 【構成】 アルミ合金製ピストン1の外周面にニッケ
ル,コバルトあるいは鉄の少なくとも1つの成分と燐と
からなるメッキ層4を形成すると共に、前記ピストン1
の外周面に有する2段のリング溝2,3のメッキ層4
を、レーザービーム照射することによって約250℃以
上の温度で集中的に急加熱して硬化層に形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、外周に形成されたリン
グ溝にメッキ層等の表面処理を施した内燃機関のアルミ
合金製ピストンに関する。
【0002】
【従来の技術】近時、自動車用内燃機関にあっては、高
出力化,高回転化の要請に伴って、ピストンを鋼製に代
えてアルミ合金製にして軽量化を図り、往復運動時の慣
性力を低下させるようになっている。ところが、機関の
高出力化等によってピストン冠部に対する熱負荷が大き
くなるとと共に、潤滑油の急激な温度上昇が余儀なくさ
れる。したがって、斯かる苛酷な条件下においてアルミ
合金製ピストンを作動させると、冠部付近の外周面に有
する複数のリング溝の表面と該リング溝内に保持された
ピストンリングとが凝着する惧れがある。この結果、リ
ング溝表面の摩耗やピストンリングの焼き付き及び折損
等を招来する。
【0003】そこで、例えば特開平3−78553号公
報等に記載された技術のように、ピストンのリング溝を
含む外周面に複合分散メッキ層を形成したものも提供さ
れている。即ち、前記複合分散メッキ層は、ニッケル−
燐−酸化クロム粒子からなり、ピストンの母材に電解メ
ッキ法によって形成している。そして、斯かるニッケル
等の複合分散メッキ層によって硬度を高め耐摩耗性や耐
焼付性及び耐食性を向上させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記のよう
なピストン母材に複合分散メッキ層を形成するには、該
メッキ層を硬化させるために、必ず熱処理を行なければ
ならない。したがって、前記従来例においても、メッキ
層を形成後、ピストン全体を150°〜200℃程度の
加熱温度でかつ1〜2時間の加熱時間で熱処理を行って
いる。
【0005】然し乍ら、前記従来例の熱処理条件では、
アルミ合金(例えばAC8A)のピストン母材が熱変形
したり、軟化する惧れはないが、複合分散メッキ層の十
分な硬化が得られない。即ち、アルミ合金(AC8A)
のピストン母材は、図3の実験例からも明らかなように
ピストンを300℃で所定時間加熱すると、スカート部
の上端域Bでは僅かに収縮(−)変形するが、スカート
部の下端域Cや冠部域Aでは、数十時間で20〜30μ
mまで膨張(+)変形してしまう。一方、この複合分散
メッキ層の十分な硬化を得るためには、250℃以上の
加熱温度が必要であることが一般に知られている。
【0006】したがって、前記従来例では、加熱温度が
低い上、加熱時間も短いため、複合分散メッキ層による
特に耐摩耗性が十分に得られず、前述のようなピストン
の苛酷な作動条件下において経時的にリング溝の表面が
摩耗してしまう惧れがある。
【0007】しかも、前記従来例にあっては、複合分散
メッキ層の組成中に高価な酸化クロム粒子を含有させて
いるため、製造コストの高騰が余儀なくされている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記従来の問
題点に鑑みて案出されたもので、アルミ合金製ピストン
の外周面に、ニッケル,コバルトあるいは鉄の少なくと
も1つの成分と燐とからなるメッキ層を形成すると共
に、前記ピストンの外周に形成されたリング溝の前記メ
ッキ層を、エネルギー密度の高い熱源で約250℃以上
に急加熱して硬化層に形成したことを特徴としている。
【0009】
【作用】前記構成の本発明によれば、ピストン全体を加
熱するのではなく、リング溝のメッキ層のみを集中的に
短時間で急加熱するため、ピストン母材全体への高熱伝
達が回避される。したがって、ピストン母材の熱変形や
軟化が防止されつつメッキ層を十分に硬化させることが
可能になり、リング溝表面の耐摩耗性が一段と向上す
る。
【0010】また、メッキ層の組成物中に酸化クロム粒
子を含まないため、製造コストの低廉化が図れる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述
する。
【0012】この実施例では、図1に示すように外周面
に2段のリング溝2,3を有するアルミ合金製(AC8
A材)のピストン1を用い、前処理として通常のジンケ
ート処理を施した。
【0013】メッキ浴として、スルファミン酸ニッケル
250g/l,次亜リン酸ナトリウムg/lのスルファ
ミン酸−次亜リン酸浴を作り、PHを4.5に調整し
た。
【0014】前記メッキ浴の温度を90℃に保ち、その
中に前記ピストン1を浸漬し、無電解法によるメッキ処
理を行った。これによって、形成されたニッケル−燐の
メッキ層4の厚さは均一であり、リング溝2,3の表面
においては20μm、ピストンスカート部5の外周面に
おいても20μmの厚さであった。
【0015】次に、ピストン1の各リング溝2,3の表
面に、図2に示すようなエネルギー密度の高い熱源であ
るレーザービーム発信機6によってレーザービームを照
射する。
【0016】以下、このレーザー照射条件及びその実験
結果を示す。即ち、7はレーザービーム発信機6から照
射されたレーザービーム、8は該レーザービーム7を補
正して正確にトレースするトラッキングミラー、9はレ
ーザービーム7をリング溝2,3に収束させる対物レン
ズである。前記レーザービーム7の焦点距離は191mm
として、焦点の位置をリング溝2,3の被加熱位置17
mm上方に設定して、被加熱位置で2mmのレーザービーム
径とした。加工速度は1000mm/minの短時間に設定
し、加工出力を50,100,150,200,25
0,300wと変化させた。そして、表1に示すよう
に、加工出力が150wまではメッキ層4の硬度が56
0HVできわだった上昇が認められなかったが、加工出力
を200w,250wまで上げると、硬度750,90
0HVまで上昇した。しかし、300wまで上げるとメッ
キ層4自体が溶融してしまった。
【0017】
【表1】
【0018】したがって、この表からも明らかなよう
に、加工出力200w〜250wの条件下で集中的かつ
急速加熱によって250℃以上に昇温させることによ
り、メッキ層4の硬度を十分に上昇できることが明らか
となった。これは、それまでの非晶質であったメッキ層
がニッケル固溶体(Ni3PのNi固溶体)となり、次
に、Ni3PとNiの共晶体が折出して硬化したためで
ある。また、斯かるレーザービーム7をリング溝2,3
のみに照射した場合におけるピストン1母材の硬度は、
表にも示すように50〜300wのいずれの加工出力時
にも130〜149HV程度となり、特に200〜250
wでは140,130HVとなっており、硬度の軟化が発
生しない。これは、加熱がレーザービーム7によって集
中的かつ短時間に急加熱されたため、ピストン1母材へ
の拡散高熱伝達が回避されたものと考えられる。
【0019】このようにして得られたピストン1を水冷
4サイクル,4気筒(2000cc)のエンジンつまりシ
リンダブロック9のシリンダ内に組み込み、回転数64
00rpm、負荷4/4の運転条件で、100時間の耐久
テストを行った。テスト後、ピストン1のリング溝2,
3の表面からピストンリング10,11表面へのアルミ
ニウム合金の凝着の有無を調べたところ、アルミニウム
合金の凝着は全く認められなくなった。また、リング溝
2,3表面及びピストンリング10,11表面の摩耗も
ほとんど認められなかった。
【0020】このように、本実施例では、メッキ処理後
のリング溝2,3の表面に対するレーザービーム7の集
中的な照射によって急速に加熱するため、ピストン1全
体の変形や軟化等が抑制されつつリング溝2,3表面を
十分に硬化させることができる。
【0021】しかも、メッキ処理を電解メッキ法ではな
く無電解メッキ法を用いたため、粒子分散が良好とな
り、メッキ皮膜層の厚さが電解メッキ法に比して全体に
均一化され、低コストで高い寸法精度が得られる。この
結果、生産効率の向上と大量生産が可能になる。
【0022】また、本実施例では、高価な酸化クロム粒
子を含めなくとも前述の表面処理によって耐摩耗性や耐
焼付性が得られるため、この点でもコストの大巾な低廉
化が図れる。
【0023】尚、本発明は、前記実施例に限定されるも
のではなく、例えばエネルギー密度の高い熱源として電
子ビーム高周波誘導加熱装置や、電流による抵抗加熱装
置、その他赤外線照射加熱装置等を用いることも可能で
ある。
【0024】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る内燃機関のアルミ合金製ピストンによれば、とりわ
けリング溝表面に形成されたニッケル,コバルトあるい
は鉄の少なくとも1つの成分と燐とからなるメッキ層
を、エネルギー密度の高い熱源で約250℃以上に急加
熱して硬化層にしたため、リング溝の表面からピストン
リング表面へのアルミニウム合金の凝着が防止されるこ
とは勿論のこと、リング溝表面に対する集中的かつ短時
間の急速加熱によってピストンの変形や軟化による強度
の低下が防止されつつ、メッキ層を十分に硬化させるこ
とができる。
【0025】また、メッキ層の組成中に従来のような高
価な酸化クロム粒子を含めずとも、十分な耐摩耗性及び
耐焼付性が得られるため、製造コストの大巾な低廉化が
図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアルミ合金製ピストンの一実施例を示
す要部断面図。
【図2】本実施例に供されるレーザービーム装置の概略
図。
【図3】従来のアルミ合金製ピストンの加熱時間と各部
の変形量を示すグラフ。
【符号の説明】
1…アルミ合金製ピストン、2,3…リング溝、4…メ
ッキ層、6…レーザービーム発信機、7…レーザービー
ム。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミ合金製ピストンの外周面に、ニッ
    ケル,コバルトあるいは鉄の少なくとも1つの成分と燐
    とからなるメッキ層を形成すると共に、前記ピストンの
    外周に形成されたリング溝の前記メッキ層を、エネルギ
    ー密度の高い熱源で約250℃以上に急加熱して硬化層
    に形成したことを特徴とする内燃機関のアルミ合金製ピ
    ストン。
JP11121092A 1992-04-30 1992-04-30 内燃機関のアルミ合金製ピストン Pending JPH05306650A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009533589A (ja) * 2006-04-08 2009-09-17 カーエス コルベンシュミット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 2つのピストンリング溝を有し、1つのピストンリング溝にピストンリング支持体が設けられている、内燃機関のためのピストン

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009533589A (ja) * 2006-04-08 2009-09-17 カーエス コルベンシュミット ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 2つのピストンリング溝を有し、1つのピストンリング溝にピストンリング支持体が設けられている、内燃機関のためのピストン

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