JPH05306438A - 磁気特性が極めて優れた無方向性電磁鋼板及びその製造方法 - Google Patents

磁気特性が極めて優れた無方向性電磁鋼板及びその製造方法

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JPH05306438A
JPH05306438A JP4274625A JP27462592A JPH05306438A JP H05306438 A JPH05306438 A JP H05306438A JP 4274625 A JP4274625 A JP 4274625A JP 27462592 A JP27462592 A JP 27462592A JP H05306438 A JPH05306438 A JP H05306438A
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Tadashi Nakayama
正 中山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はランダムキューブを有する全周方向
の磁気特性が極めて優れた無方向性電磁鋼板、およびそ
の製造方法を提供する。 【構成】 一次再結晶後の組織が{100}<0vw>
集合組織を有し、かつ圧延面に平行な{100}面強度
が対ランダムで2倍以上であるランダムキューブを有す
る板厚0.20mm〜1.20mmの無方向性電磁鋼板、及
び、主としてSi≦4.0%、Al≦2.0%を含有す
る溶鋼を移動更新する冷却体表面によって凝固せしめ、
酸洗、冷間圧延、仕上げ焼鈍する工程において、冷間圧
延率を5%以上40%未満とする無方向性電磁鋼板の製
造方法。 【効果】 これによって、理想的とも言えるランダムキ
ューブ{100}〈0vw〉を形成し、全周方向に極め
て優れた磁気特性を持つ製品が容易に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、全周方向の磁束密度が
極めて高く、鉄損が低い無方向性電磁鋼板及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、回転機用磁芯材料としての無方向
性電磁鋼板に対する品質向上の要求は、省エネルギーの
観点からますます強くなっている。電磁鋼板製造メーカ
ーの側においても、この要望に応えるべく鋭意無方向性
電磁鋼板の磁気特性の向上のための研究開発が進められ
てきており、工業的には、JISに規定されている数々
の無方向性電磁鋼板が製造されている。
【0003】無方向性電磁鋼板の製造プロセスにおい
て、鉄損値が低い製品を得るためには、従来、鋼をその
溶製段階で高純度化したり、鋼中のSi含有量を多くす
ることや、仕上げ焼鈍において温度・時間を十分にとる
等の手段が採用されてきた。しかしながら、これらの技
術的手段によるときは、製品の鉄損値は低くなるが、磁
束密度が低下すると言う問題があり、これは製品板の集
合組織に起因するといわれている。
【0004】この問題を解決するために、熱延で高温で
巻き取り保温するいわゆる自己焼鈍、又は熱延板を焼鈍
する方法が採られてきた。さらに、最近、移動更新する
冷却体表面によって凝固せしめて鋳造鋼帯とし、次い
で、該鋳造鋼帯を冷間圧延して所定の厚さとした後、仕
上焼鈍して無方向性電磁鋼板を得る方法が開発された。
これらの方法でも、冷延圧下率が40%以上では、仕上
げ最終焼鈍後の集合組織はいわゆるゴス方位{110}
<001>や{111}<112>方位が発達したもの
となるが、{100}<0vw>方位と比較して全周方
向の磁性が劣るので、全周の磁気特性、特に磁束密度の
向上に限界があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術における問題を解決し、全周方位での鉄損が低くか
つ、磁束密度が極めて高い無方向性電磁鋼板、及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、板厚0.20mm〜1.20mmの無方向性電
磁鋼板において、一次再結晶後の組織が{100}<0
vw>集合組織を有し、かつ圧延面に平行な{100}
面強度が対ランダムで2倍以上であるランダムキューブ
集合組織を有することを特徴とし、これによって全周方
向に極めて優れた磁気特性が得られる。上記鋼板には、
重量%で、Si≦4.0%、Al≦2.0%、その他無
方向性電磁鋼板に通常含有する元素を含み、残部Fe及
び不純物から成るものを適用する。また本発明は、全周
方向の磁気特性が極めて優れた無方向性電磁鋼板の製造
するために、重量%で、Si≦4.0%、Al≦2.0
%、その他無方向性電磁鋼板に通常含有する元素を含
み、残部:Fe及び不可避的不純物からなる溶鋼を、移
動更新する冷却体表面によって凝固せしめて鋳造鋼帯と
し、次いで、該鋳造鋼帯を冷間圧延して所定の厚さとし
た後、仕上焼鈍する方法において、冷間圧延に際し圧延
率を5%以上40%未満とすることを特徴とする。な
お、上記SiおよびAlの含有量は、変態を有しない
(Si+2Al)>2.5%、また変態を有する(Si
+2Al)≦2.5%のいずれの場合をも対象にでき
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。発明者等
は、本発明における技術的課題を解決すべく鋭意検討を
重ねた結果、従来から無方向性電磁鋼板の理想集合組織
といわれていたランダムキューブ集合組織の存在を確認
すると共に、現実にこのランダムキューブが無方向性電
磁鋼板の理想集合組織であることを証明でき、本発明を
完成するに至った。
【0008】この理想集合組織であるランダムキューブ
を得るためには、溶鋼から直接的に鋳造薄帯を得、その
後の冷間圧延率を適切にとることによって、仕上げ焼鈍
後の製品における集合組織を制御することができ、これ
によって磁束密度が極めて高く鉄損が良好な(鉄損値が
低い)無方向性電磁鋼板を得るに成功した。
【0009】先ず、本発明が対象とする製品の成分系に
ついて説明する。本発明はSi及びAlを特定量含有さ
せるが、その他に製品の機械特性の向上、磁気特性、耐
錆性等の向上或いは、その他の目的のために、無方向性
電磁鋼板に不可避的に通常含有するC,N,Mn,S,
P,BのほかにNi,Cr,Sb,Sn,Cuを1種ま
たは、2種以上含有させても本発明の効果は損なわれな
い。Cは、0.050%以下であれば、本発明の目的を
達することができる。無方向性電磁鋼板の用途は、主に
回転機であり、磁気特性の安定という観点からは、その
使用中に磁気特性の劣化(磁気時効)を起こさないこと
が要求され、そのためにC含有量は低い方が好ましく、
0.005%以下にするのが望ましい。なお、特願平3
−204419号に記載したγ処理と同等の冷却条件を
適用すれば、Cを無害化できるので許容範囲を0.05
%までとすることができる。
【0010】Nは、0.010%以下であればよい。従
来の無方向性電磁鋼板の製造方法では、NはSと同様に
その含有量が多いと、熱延のスラブ加熱時に一時再固溶
し、熱間圧延中にAlN,MnS等の析出物を形成し、
仕上焼鈍時に再結晶粒の成長を妨げたり、製品が磁化さ
れるときに磁壁の移動を妨げるいわゆるピニング効果を
により製品の低鉄損化を妨げる要因になる。従ってN含
有量は低いほうが好ましく0.005%以下とするのが
好ましい。しかし、特願平3−204419号によるγ
処理と同等の冷却条件を適用すれば、Nは、無害化でき
るので0.050%までは許容できる。Sは、鋼の溶製
段階で不可避的に混入する元素である。その含有量が多
くなると加工性を劣化するため0.010%以下、好ま
しくは0.005%以下とすべきであるが、特願平3−
204419号によるγ処理と同等の冷却条件を適用す
れば、Sを無害化できるので0.020%まで許容でき
る。
【0011】Siは、従来から良く知られているように
鋼板の固有抵抗を増加させ渦流損を低減するため添加さ
れる。4.0%を超えてSiを添加すると、加工性が極
端に劣化し冷間圧延を困難にし、本発明の用は大量生産
に適しなくなる。AlもSi同様に、鋼板の固有抵抗を
増加させ渦流損を低減するため添加される。この目的の
ため従来から無方向性電磁鋼板には、最大2.0%のA
lが添加されている。更に添加量を増加することは、原
理的には可能であるが、Si同様冷間圧延性を考慮して
最大2.0%とする。上記Si,Alは、(Si+2A
l)を2.5%超とした変態を有しない範囲、及び(S
i+2Al)が2.5%以下である変態を有する範囲の
両方を含んでいる。
【0012】Mnは、その含有量が、0.1%より少な
いと製品の加工性が劣化するからまた、Sを無害化させ
るために添加される。しかしながら、Mnの添加量が、
2.0%を超えると製品の磁束密度が著しく劣化するか
らMn≦2.0%とすることが好ましい。Pは、製品の
打ち抜き性を良好ならしめるために、0.1%までの範
囲内で添加される。P≦0.2%であれば、製品の磁気
特性の観点からは問題がない。Bは、Nの無害化のため
に必要に応じて添加される。添加する場合にはNの量と
のバランスが必要であり、その最大含有量を0.005
%とする。特開平3−204419号に記載したγ処理
と同等の冷却条件を適用したり、極低窒素鋼を溶製及び
適量のAlの添加により、Nは無害化できるので、この
場合には添加しなくてもよい。その他Ni,Cr,S
b,Sn及びCuについては、その1種または2種以上
を必要に応じて含有させればよく、それらの含有量は目
的により適宜選択すればよい。
【0013】次に本発明製品について説明する。本発明
は製品板厚を0.20〜1.20mmとする。従来から大
量に生産される無方向性電磁鋼板の製品厚は0.20〜
1.00mmである。0.20mm未満の場合も例外的に
中、高周波領域用として使用されているが、本発明では
大量生産可能な0.20mm板厚の下限とする。すなわち
0.20mm未満での製品用途は、400Hz以上での領
域であり、この領域における鉄損は渦流損の影響が大き
く、集合組織が寄与する履歴損については影響が小さい
ことも板厚限定の理由に関係がある。また、上限を1.
20mmにしたのは、これ以上厚くしても、ランダムキュ
ーブ集合組織の有用性は変わらないが、現状の実際加工
範囲を超えており、一方鉄損が増大するので現在の高効
率、省エネルギーの傾向に反することになるためこの範
囲とした。製品厚みの好ましい範囲は実用的にも多く使
用されている0.35〜0.80mmである。
【0014】本発明は製品の{100}面強度を特定し
ている。完全なランダム方位の集合組織の場合は、B50
は飽和磁束密度の約83%となるが、本発明ではそれ以
上のB50を得ようとするものである。すなわち、{10
0}の対ランダム強度を完全なランダム方位(=1)の
場合よりも高めて行くと、B50にとって不利な方位も同
時に出現するが、これらを含めて上記飽和密度の83%
以上となるB50を得るためには圧延面に平行な{10
0}面強度を対ランダムで2倍以上にすればよいが判明
した。
【0015】ランダムキューブを二次或いは三次再結晶
で得る方法や、溶鋼を直接急速に凝固させ柱状晶を形成
してランダムキューブを直接得る方法自体は既に知られ
ている。前者の場合には、広義のエネルギー(減圧中の
長時間高温の焼鈍等が必要)を莫大に消費し現実的でな
く、後者の場合にはそれなりに省エネルギーとしての意
義はあるが、製品の形状が安定していないし、また0.
20mmを超える製品厚みを得るには非常に難しい。本発
明はこの様な方法によらず、一次再結晶によりランダム
キューブを形成する。このための具体的な製造方法を以
下に説明する。
【0016】本発明は、移動更新する冷却体表面によっ
て凝固せしめて得られる鋳造鋼帯を適正な圧下率の下で
冷間圧延する。この鋼帯を比較的高い冷間圧延率で圧延
する場合は、磁束密度は、高くなるが、凝固過程で形成
された柱状晶は、この高い圧延率でかなり破壊され、製
品板の再結晶集合組織は、鋼板法線に平行な〈111〉
軸密度と鋼板法線に平行な〈100〉軸密度が同程度と
なり、無方向性電磁鋼板にとって理想的な集合組織とは
ならない。本発明者らは、鋭意研究を続けたところ、冷
延圧下率を40%未満(好ましくは30%未満)にした
場合には、鋳造時に形成された柱状晶を核として、仕上
げ焼鈍後の再結晶集合組織が、ほぼ完全な{100}
〈0vw〉(ランダムキューブ)となることを見い出し
た。この理由は、未だ明確ではないが、柱状晶の集合組
織である{100}〈0vw〉は相対的に加工歪が蓄積
し難いため軽度の冷延圧下率では、圧延集合組織も、ラ
ンダムキューブのまま温存され、仕上焼鈍時の再結晶段
階で、それが再結晶及び粒成長し、ランダムキューブが
先鋭化するためと考えられる。また、冷延圧下率が5%
未満であると、鋳造時の表面性状がそのまま残存し製品
に適さないことがわかり、従って5%以上とする。しか
し、変態鋼と非変態鋼の場合では、移動更新する冷却体
表面で凝固して得られた鋳造鋼帯は、鋼帯表面位置と中
心位置では異なる集合組織を有しているので、以上の解
釈が必ずしも確定的とはいえない面も有り得る。
【0017】さらに、製品厚みで鋳造することが考えら
れるが、この場合は、5%未満の冷延圧下率の場合と同
様に表面性状が製品に適さないばかりでなく図1に示す
ように、磁気特性自体もあまり良好でない。
【0018】図1に、移動行進する冷却体表面によって
凝固せしめて鋳造鋼帯とし、次いで、該当鋳造鋼帯を冷
間圧延して所定の厚さとした後、仕上げ焼鈍する無方向
性電磁鋼板の製造方法において、冷間圧延率と磁束密度
〔B50(T)〕の関係を示した。製品厚みは必ずしも
0.50mmとは限らないが、冷却圧下率を5〜40%に
することにより、極めて優れた磁束密度を示している。
以下に本発明の実施例を説明する。
【0019】
【実施例1】表1の成分の溶鋼(残部Fe及び不可避的
不純物からなる)を、移動更新する冷却体表面にて凝固
せしめて直接0.56mm及び0.62mmの鋼帯を得た。
その後、酸洗を施し、0.50mmの厚みに冷間圧延をし
た。冷間圧延した鋼板を脱脂し、連続焼鈍炉にて、10
50℃で30秒N2 :70%,H2 :30%,ドライ雰
囲気で焼鈍した。その後、磁気特性22.5度毎の平
均)をエプシュタイン法にて測定した。これらの値を、
比較法である冷間圧延率40%以上の場合(鋼の厚さを
2.0mm、及び1.5mm)と比較した。
【0020】
【表1】
【0021】このように移動更新する冷却体表面によっ
て凝固せしめて鋳造鋼帯とし、次いで、該鋳造鋼帯を冷
間圧延し所定の厚さとした後、仕上焼鈍する無方向性電
磁鋼板の製造方法において、冷間圧延に際し圧延率を5
%以上40%未満とすると冷延圧延率が高い場合と比べ
て全周方向で磁気特性が極めて優れた無方向性珪素鋼板
が得られる。図2に本発明実施例で得られた仕上げ焼鈍
後製品板の集合組織を示す。このように非常に素晴らし
い、いわゆるランダムキューブが得られている。これ
は、無方向性電磁鋼板にとって理想的ともいえる。
【0022】
【実施例2】表2の成分の溶鋼(残部Feおよび不可避
的不純物からなる)を移動更新する冷却体表面にて凝固
せしめて直接0.56mm、0.62mmおよび0.70mm
の鋼帯を得た。その後、酸洗を施し、0.50mmの厚み
に冷間圧延をした。冷間圧延された鋼板を脱脂し、連続
焼鈍炉にて、850℃で30秒H2 :5%,N2 :95
%,ドライ雰囲気で焼鈍した。その後、磁気特性(2
2.5度毎の平均)をエプシュタイン法にて測定した。
これらの値を比較法である冷間圧延率40%以上の場合
(鋳造鋼の厚さを2.0mmおよび1.5mm)と比較し
た。
【0023】
【表2】
【0024】このように実施例1と同様に、移動更新す
る冷却体表面によって凝固せしめて鋳造鋼帯を、圧延率
5%以上40%未満で冷間圧延することにより、冷延圧
延率が高い場合と比べて全周方向で磁気特性が極めて優
れた無方向性電磁鋼板が得られる。図3に本発明実施例
で得られた仕上げ焼鈍後製品板の集合組織を示す。この
ように理想的とも言えるランダムキューブが得られてい
る。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明によって得られた鋼
帯を冷間圧延することにより磁気特性が極めて優れた製
品となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷間圧延率と全周方向のB50(T)との関係を
示す図。
【図2】本発明製品の{100}正極点図。
【図3】本発明の他の製品の{100}正極点図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】先ず、本発明が対象とする製品の成分系に
ついて説明する。本発明はSi及びAlを特定量含有さ
せるが、その他に製品の機械特性の向上、磁気特性、耐
錆性等の向上或いは、その他の目的のために、無方向性
電磁鋼板に不可避的に通常含有するC,N,Sのほかに
Mn,P,B,Ni,Cr,Sb,Sn,Cuを1種ま
たは、2種以上含有させても本発明の効果は損なわれな
い。Cは、0.050%以下であれば、本発明の目的を
達することができる。無方向性電磁鋼板の用途は、主に
回転機であり、磁気特性の安定という観点からは、その
使用中に磁気特性の劣化(磁気時効)を起こさないこと
が要求され、そのためにC含有量は低い方が好ましく、
0.005%以下にするのが望ましい。なお、特願平3
−204419号に記載したγ処理と同等の冷却条件を
適用すれば、Cを無害化できるので許容範囲を0.05
%までとすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増井 浩昭 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 中山 正 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 竹下 武章 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次再結晶後の組織が{100}<0v
    w>集合組織を有し、かつ圧延面に平行な{100}面
    強度が対ランダムで2倍以上である、板厚0.20mm〜
    1.20mmのランダムキューブ集合組織を有することを
    特徴とする全周方向の磁気特性が極めて優れた無方向性
    電磁鋼板。
  2. 【請求項2】 重量%で、Si≦4.0%、Al≦2.
    0%、その他無方向性電磁鋼板に通常含有する元素を含
    み、残部Fe及び不純物から成ることを特徴とする請求
    項1記載の全周方向の磁気特性が極めて優れた無方向性
    電磁鋼板。
  3. 【請求項3】 重量%で、Si≦4.0%、Al≦2.
    0%、その他無方向性電磁鋼板に通常含有する元素を含
    み、残部:Fe及び不可避的不純物からなる溶鋼を、移
    動更新する冷却体表面によって凝固せしめて鋳造鋼帯と
    し、次いで、該鋳造鋼帯を冷間圧延して所定の厚さとし
    た後、仕上焼鈍する無方向性電磁鋼板の製造方法におい
    て、冷間圧延に際し圧延率を5%以上40%未満とする
    ことを特徴とする全周方向の磁気特性が極めて優れた無
    方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 (Si+2Al)>2.5%であること
    を特徴とする請求項3記載の全周方向の磁気特性が極め
    て優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】 (Si+2Al)≦2.5%であること
    を特徴とする請求項3記載の全周方向の磁気特性が極め
    て優れた無方向性電磁鋼板の製造方法。
JP4274625A 1991-12-27 1992-10-13 磁気特性が極めて優れた無方向性電磁鋼板及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2708682B2 (ja)

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JP34716291 1991-12-27
JP1345592 1992-01-28
JP3-347162 1992-01-28
JP4-13455 1992-01-28

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JPH05306438A true JPH05306438A (ja) 1993-11-19
JP2708682B2 JP2708682B2 (ja) 1998-02-04

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