JPH05306021A - コンテナ用荷卸し作業車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空港用コンテナ内の旅客用荷物や貨物を容易
に荷卸しする。 【構成】 航空機内へ積込まれるコンテナ１を地上へ卸
し、このコンテナ１に荷卸し作業車７を横付けし、コン
テナ１内の旅客用荷物や貨物を荷卸す際、この荷卸し作
業車７にクロスア−ム式リフタ−１０を設け、このリフ
タ−１０の上にコンベアフレ−ム１１を設け、このコン
ベアフレ−ム１１に、コンテナ１の入口に向けた積荷コ
ンベア１２と、この積荷コンベア１２と接続された曲走
コンベア１３と、この曲走コンベア１３と接続されたダ
ウンコンベア１４とを設ける。そして、このダウンコン
ベア１４を上下方向に揺動するようにし、しかも、この
ダウンコンベア１４に対向して挟みコンベア１７を同じ
ように揺動するように設け、これらの揺動角を前記リフ
タ−１０の昇降量に対応させるようにしたので、荷物を
卸すとき円滑にできる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、空港における旅客用荷
物または空港貨物（以下、これらを本明細書では単に貨
物という）を取扱う施設において用いられる荷卸し作業
車に関し、詳しくは、ド−リ上のコンテナ内の貨物を荷
卸しするための作業車に関するものである。

【０００２】

【従来の技術とその課題】周知のごとく空港において、
旅客や貨物を取扱う施設をタ−ミナルビルまたは貨物タ
−ミナルビルと呼んでいるが、そこでは、貨物を解体し
たり、ユニット化したり、仕分や分類したりする作業が
行われている。

【０００３】ところで、貨物のユニット化には例えばパ
レットやコンテナが用いられているが、このコンテナを
航空機へ積込んだり、卸したりするには、例えば、リフ
トロ−ダ等の各種の荷役車両が用いられて、機械化され
ている（例えば、特公昭６４−６９６７号公報、特公昭
６３−１５２１０号公報、特公昭５１−１９６４５号公
報等参照）。

【０００４】しかしながら、このコンテナに貨物へ積付
けたり、荷卸しする作業（以下、これらを荷卸し作業と
いう）は、人手によっており、この作業は、殊にコンテ
ナが大型化されている現在、例えば、高さ２^m にもなれ
ば、きわめて危険な作業となっている。そのため、コン
テナからの荷卸し作業を機械化することが強く望まれて
いる。

【０００５】そこで、本発明者らは、かかる要請に応じ
るべく、鋭意、試行錯誤を行っている。例えば、正逆転
するコンベアをもつクロスア−ム式リフタ−（例えば、
特公昭５０−１３５５０号公報、特開昭５２−３５０７
３号公報等参照）を、コンテナの荷卸し作業に適用する
ことを試みた。

【０００６】一方、航空機に積込まれるコンテナは、航
空機の胴体に合せて形成されており、しかも、その大き
さも大小様々のものがあるが、一般的には図７が示すよ
うな形状になっている。このコンテナ１は前面に扉２が
開閉自在に設けてあり、側壁から底部にかけて、航空機
の胴体形状に合せて切落し部３が設けてある。そして、
このコンテナ１には略定形化された多数の貨物４，４…
…が前列Ａと後列Ｂとに分けて段積みされている。した
がって、これらの貨物４を荷卸しするには、前列Ａの上
段から始め、次いで後列Ｂの上段から下段にかけて行
う。そして、取出された貨物４は地上を走行している地
上コンベアに移されて、所定の位置に運ばれる。

【０００７】したがって、このコンテナ１の荷卸し作業
に、前掲の公報で示されたコンベア付クロスア−ム式リ
フタ−を適用しようとすれば、このリフタ−が倉庫等の
大規模のものであることから、たとえコンテナが大型化
されても、そのまま適用できないのは勿論、このリフタ
−におけるコンベアは、一定の高さになっている階床上
の貨物を取扱うので、コンテナのように段積みされて高
さが段々と変わる貨物を上段から次々に取出せば、リフ
タ−をその都度、昇降させるので能率が悪い、という問
題があった。

【０００８】

【課題を解決するための手段】そこで本発明は、コンテ
ナの貨物を荷卸しする際、可及的に安全な作業のみを人
手により行い、しかも、高価なロボット等を使用するこ
となく安価な荷卸し作業車を提供することを目的とした
もので、その要旨とするところは、１）貨物が段積みさ
れたコンテナに対し横付け可能の荷卸し作業車に、昇降
するリフタ−を介して、コンベアフレ−ムを設け、該コ
ンベアフレ−ムに、前記コンテナ入口に向けた積荷コン
ベアと、積荷コンベアと接続された曲走コンベアと、曲
走コンベアに接続され、かつ、取出す貨物の高さに応じ
て上下方向に揺動可能とするダウンコンベアとを設け、
該ダウンコンベアに挟みコンベアを対向して揺動可能に
設けたことを特徴とする航空機積込みコンテナ用荷卸し
作業車にあり、２）荷卸し作業車を、コンテナと、該コ
ンテナの貨物を搬送する地上コンベアとの間に乗入れた
ことを特徴とする請求項１の航空機積込みコンテナ用荷
卸し作業車にあり、３）積荷コンベアに補助コンベアを
伸縮可能に設け、該補助コンベアをコンテナ内へ突入し
て荷卸しすることを特徴とする請求項１または２の航空
機積込みコンテナ用荷卸し作業車にある。

【０００９】

【実施例】本発明の構成を作用と共に、添付出面に示す
実施例により詳細に述べる。図１は本発明の実施例の一
部（ダウンコンベア１４等）省略平面図、図２は図１の
Ａ〜矢視断面図、図３は図１のＢ〜矢視断面図、図４は
図１のＣ〜矢視断面図、図５は図１のＤ〜矢視断面図、
図６は図３の要部詳細図である。

【００１０】本実施例の荷卸し作業車は、地上コンベア
５に横付けされた航空機積込み用コンテナ１から貨物４
を荷卸しするものであって、このコンテナ１は、２〜３
台連結したド−リ（台車）６上に各々載置されて地上コ
ンベア５に横付けされている。そして、このコンテナ１
は、高さ約１６０^cm、正面側巾約２００^cm、奥行き約１
５０^cmの大きさになっている。

【００１１】図において、荷卸し作業車７は、４輪８，
８……付自走式車両であって、地上コンベア５と、ド−
リ６上のコンテナ１との間に乗付けて荷卸し作業を行う
ようになっている。この荷卸し作業車７の台車９には、
不図示の油圧装置でもって昇降するクロスア−ム式リフ
タ−１０が設けられている（図２参照）。

【００１２】このリフタ−１０上には、台車９に直交し
たコンベアフレ−ム１１が設けられている。このコンベ
アフレ−ム１１は、リフタ−１０によって、図２におけ
る実線の位置から破線の位置迄を昇降できるようになっ
ている。その昇降量は、例えば、８０^cmとなっている。

【００１３】このコンベアフレ−ム１１には、水平状に
並列したロ−ラ式積荷コンベア１２と、水平面で約９０
°弯曲したロ−ラ式曲走コンベア１３と、上下方向に揺
動可能のベルト式ダウンコンベア１４とが連動・連設さ
れている。この積荷コンベア１２は台車９の走行方向に
直交して配置され、曲走コンベア１３の反積荷コンベア
側は、地上コンベア５上に臨むように、台車９の走行方
向に向いている。したがって、ダウンコンベア１４も台
車９の走行方向に配置されている。

【００１４】積荷コンベア１２の外端には、不図示のヒ
ンジ部を介して、図１に示すような補助コンベア１５が
取付けられていて、この補助コンベア１５はコンテナ１
の後列Ｂの貨物を荷卸しができるように延出される。し
たがって、通常は積荷コンベア１２の下側に折りたたま
れて格納されている（図２の破線参照）。

【００１５】ダウンコンベア１４は、コンベアフレ−ム
１１の突出端で枢支プ−リ１６を介して上下方向に揺動
可能に枢支されている。この揺動角は、不図示の油圧装
置によってリフタ−１０の昇降に対応して行われる。す
なわち、図３の水平状態から図４の最大傾斜状態迄揺動
できるようになっている。

【００１６】このダウンコンベア１４の上側には、対向
して挟みコンベア１７が一体的に設けられている。この
挟みコンベア１７は、図６に示すように、ダウンコンベ
アフレ−ム１８上に、平行リンク１９を介して取付けら
れている。この平行リンク１９によって挟みコンベアフ
レ−ム２０は支持されている。この平行リンク１９の作
動、すなわち、ダウンコンベア１１と挟みコンベア１７
との間隔の調整は、油圧シリンダ２１によって行われ
る。なお、この油圧シリンダ２１に代りコイルスプリン
グを用いてもよい。

【００１７】挟みコンベアフレ−ム２０には、第１、第
２、第３および第４の軸方向の溝付プ−リ２２，２３，
２４，２５が配設され、これらの溝付プ−リ２２〜２５
にタイミングベルト２６が巻回されている。このタイミ
ングベルト２６はフリ−であってもよいが、ダウンコン
ベア１４と連動して駆動されるようになっている。ま
た、このタイミングベルト２６は、ダウンコンベア１４
側にたるみを持たせて貨物４を軽く押圧するようにして
いる。その挟持圧は、前記油圧シリンダ２１によって調
整される。

【００１８】なお、積荷コンベア１２とダウンコンベア
１４との間には、フリ−ロ−ラ２７が設けられている。
また、図中、１３ａは曲走コンベア１３の軸受フレ−ム
を示す。

【００１９】次に、本実施例の作用を述べる。不図示の
航空機から卸されたコンベア１は、連走する２〜３台の
ド−リ６上にそれぞれ載せられて，地上コンベア５に横
付けする。この地上コンベア５とコンテナ１との間に、
荷卸し作業車７を乗り付ける。そのとき、積荷コンベア
１２をコンテナ１の入口に向ける共に、ダウンコンベア
１４を地上コンベア５の走行方向に向けて停止させる。
そこで、リフタ−１０によってコンベアフレ−ム１１を
Ａ列の最上段Ａ，の貨物４（図７参照）の位置にア
ップすると、それに対応して、ダウンコンベア１４が、
図４に示すように、最大傾斜の状態をとる。次いで、積
荷コンベア１２、曲走コンベア１３およびダウンコンベ
ア１４を連動して駆動すると共に、挟みコンベア１７を
駆動する。そのとき、台車９は走行不能にインタ−ロッ
クされている。次いで、コンテナ１の入口側にいる作業
者により、前列Ａの最上段Ａ，の貨物４を積荷コン
ベア１２に載せると、曲走コンベア１３、ダウンコンベ
ア１４を介して、地上コンベア５に搬出できる。そのと
き、ダウンコンベア１４が急傾斜であっても、貨物４は
挟みコンベア１７によって押さえられ、しかも、挟みコ
ンベア１７の搬送速度を遅くしているので、貨物４は地
上コンベア５へ円滑に移され、みだりに落下しない。

【００２０】次に、リフタ−１０を１段下げて、次の段
の貨物４を搬出する。そして、前列Ａの貨物４の搬出が
終れば、各コンベア１２，１３，１４，１７を停止し
て、補助コンベア１３を延長する。次いで、作業者はコ
ンテナ１の中に入り、後列Ｂの貨物４を上段から順に搬
出する。コンテナ１の貨物４の搬出が終了すれば、補助
コンベア１３を折りたたんで、荷卸し作業車７を次のコ
ンテナ１へ走行移動させる。

【００２１】なお、地上コンベア５には、他のコンテナ
から荷卸しされた貨物や、地上コンベア５がエンドレス
状に走行しているときには、荷卸し作業中にその貨物が
ダウンコンベア１４の下を通過する。この通過貨物が大
型であればダウンコンベア１４に衝突するので、不図示
のセンサ−によって、通過貨物を検知して、ダウンコン
ベア１４を上向きに逃がす。このとき、各コンベア１
２，１３，１４，１７も作動を停止する。そして、再起
動は、タイマ−や前記センサ−によって行われる。

【００２２】

【発明の効果】本発明によれば、積荷コンベアと曲走コ
ンベアとダウンコンベアを接続して設けたので、コンテ
ナからの貨物が自動的に搬出できるばかりでなく、コン
テナに段積みされた貨物のうち、上段の貨物を取出す
際、リフタ−を降下させることなく、ダウンコンベアと
挟みコンベアを急傾斜させることにより取出しができる
ので、貨物に損傷を与えることなく、能率よく作業がで
きる。

【００２３】しかも、ダウンコンベアを地上コンベア上
に臨ませているので、作業車を移動させることなく、取
出された貨物は逐次搬出できる。また、積荷コンベアに
補助コンベアを延出させたので、コンテナの奥の方の貨
物を容易に搬出できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の一部省略平面図である。

【図２】図１のＡ〜矢視断面図である。

【図３】図１のＢ〜矢視断面図である。

【図４】図１のＣ〜矢視断面図である。

【図５】図１のＤ〜矢視断面図である。

【図６】図３の要部詳細図である。

【図７】一般のコンテナの斜視図である。

【符号の説明】

１…コンテナ、４…貨物、５…地上コンベア、７…荷卸
し作業車、１０…クロスア−ム式リフタ−、１１…コン
ベアフレ−ム、１２…積荷コンベア、１３…曲走コンベ
ア、１４…ダウンコンベア、１５…補助コンベア、１７
…挟みコンベア

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 貨物が段積みされたコンテナに対し横付
   け可能の荷卸し作業車に、昇降するリフタ−を介して、
   コンベアフレ−ムを設け、該コンベアフレ−ムに、前記
   コンテナ入口に向けた積荷コンベアと、積荷コンベアと
   接続された曲走コンベアと、曲走コンベアに接続され、
   かつ、取出す貨物の高さに応じて上下方向に揺動可能と
   するダウンコンベアとを設け、該ダウンコンベアに挟み
   コンベアを対向して揺動可能に設けたことを特徴とする
   航空機積込みコンテナ用荷卸し作業車。
2. 【請求項２】 荷卸し作業車を、コンテナと、該コンテ
   ナの貨物を搬送する地上コンベアとの間に乗入れたこと
   を特徴とする請求項１の航空機積込みコンテナ用荷卸し
   作業車。
3. 【請求項３】 積荷コンベアに補助コンベアを伸縮可能
   に設け、該補助コンベアをコンテナ内へ突入して荷卸し
   することを特徴とする請求項１または２の航空機積込み
   コンテナ用荷卸し作業車。