JP2004269161A - 移載転回装置及び搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】あらゆる形態の荷物を人手によらず迅速に搬送できる移載転回装置及び搬送方法を、低コストで提供する。
【解決手段】移載転回装置T1は、固定軌条1と、これに軌を合致する姿勢又は固定軌条1に交差する姿勢をとる可動軌条2と、固定軌条1又は可動軌条2を相互に乗移り可能な荷役台車3とを備える。荷役台車3が、固定軌条1に乗移り荷物4を受け止めて、固定軌条1に軌を合致する可動軌条2へ向けて走行し、荷役台車3が可動軌条2に乗移りした状態で、可動軌条2を固定軌条1に対して傾斜させることにより、荷役台車3と共に荷物4を転回させる。
【選択図】 図1
【解決手段】移載転回装置T1は、固定軌条1と、これに軌を合致する姿勢又は固定軌条1に交差する姿勢をとる可動軌条2と、固定軌条1又は可動軌条2を相互に乗移り可能な荷役台車3とを備える。荷役台車3が、固定軌条1に乗移り荷物4を受け止めて、固定軌条1に軌を合致する可動軌条2へ向けて走行し、荷役台車3が可動軌条2に乗移りした状態で、可動軌条2を固定軌条1に対して傾斜させることにより、荷役台車3と共に荷物4を転回させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷物を搬送する過程で、荷物を載せ換える作業(移載)及び荷物の向きを変える作業(転回)を実行する移載転回装置及び搬送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、荷物をフォークに載せて移送させるスタッカークレーン等の搬入手段から、同荷物をベルトコンベヤ等の搬出手段へ移載する場合、スタッカークレーン等から荷物を一旦下ろし、図7に示すように、荷物4をオペレータmが運転する有人フォークリフトvのフォークfで持ち上げつつ、ベルトコンベヤcのベルトb上まで移送する。この後、オペレータmの操作によってフォークfを降下させて、荷物4をベルトbに載せる。
【0003】
更に、ベルトコンベヤcに載せられ搬送される荷物4の前途に、トラックヤードyが控えている場合、トラックヤードyにおいて、図に表れていない運搬車の荷台に複数の荷物4を整然と並べて積み込むには、これら総ての荷物4の向きを一様に揃えなければならない。このため、上記の運搬車の荷台に積み込まれる際の荷物4の向きが、スタッカークレーン等で運ばれる時の向きに異なる場合は、1個の荷物4を有人フォークリフトvにて移送する毎に、有人フォークリフトvを矢印Rで指した方向へ旋回させることにより、総ての荷物4を前者の向きに揃えるようにている。
【0004】
特に、図中に例示した荷物4のように、縦横の寸法が大きく異なるロール製品を取り扱う場合には、総ての荷物4の向きを揃えることが重要である。また、ロール製品である荷物4を床等に直置きすると、荷物4が転がり易いことに加え傷つき易いので、スタッカークレーン等から荷物4を下ろすには、荷物4を床等から浮き上がらせて支持するスタンドsを準備する必要がある。
【0005】
以上のように、荷物4の載せ換え又はその姿勢を変える作業を、人手によらずに行う技術は、下記の特許文献に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−335127号公報
【特許文献2】
特開2002−234643号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に例示したスタッカークレーン等とベルトコンベヤ等とが離れていれ、これらの間で直接に荷物4を移載できない場合には、これらの間を往復運転する有人フォークリフトvが不可欠である。従って、このような場合に、移送に係る作業工程の中から人手を排除するのは困難なので、荷物4の搬送に伴う人件費等のコストを削減するには至らない。
【0008】
また、有人フォークリフトvに代えて、フォークfを備えた無人搬送車両(AGV)を導入することも考えられるが、このような無人搬送車両も有人フォークリフトvと同様に、1個の荷物4を搬送する毎に矢印Rで指した方向に旋回しなければならないので、作業のサイクル時間を積極的に短縮できるものではない。このため、無人搬送車両の導入に係るコストに比較して、その効果はあまり期待できない。
【0009】
本発明の目的は、あらゆる形態の荷物を人手によらず迅速に搬送できる移載転回装置及び搬送方法を、低コストで提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る移載転回装置は、水平方向に延びる固定軌条と、該固定軌条に隣接し前記固定軌条に軌を一致する姿勢又は前記固定軌条に対して傾斜する姿勢をとる可動軌条と、前記固定軌条及び可動軌条に案内され前記固定軌条又は可動軌条を相互に乗移り可能な荷役台車とを備える。前記荷役台車が、前記固定軌条に乗移り荷物を受け止めて、前記固定軌条に軌を一致する前記可動軌条へ向けて走行し、前記荷役台車が前記可動軌条に乗移りした状態で、前記可動軌条を前記固定軌条に対して傾斜させることにより、前記荷役台車と共に前記荷物を転回させる。
【0011】
更に、本発明に係る移載転回装置は、前記荷役台車が、前記荷物を受け止める荷受部に、ロール状の荷物の両端から突出した軸端を受け止める一対のハンガーを設けている。
【0012】
更に、本発明に係る移載転回装置は、前記荷役台車が、前記荷受部又は前記一対のハンガーを昇降させる昇降手段を備えるものである。
【0013】
更に、本発明に係る移載転回装置は、前記一対のハンガーの下方で前記ロール状の荷物を受け止めるロール受部と、前記ロール受部を昇降させることにより、前記ロール状の荷物の軸端を前記一対のハンガーの上方又は下方へ昇降させる昇降手段とを備えるものである。
【0014】
本発明に係る搬送方法は、水平方向に延びる固定軌条と、該固定軌条に隣接し前記固定軌条に軌を一致する姿勢又は前記固定軌条に対して傾斜する姿勢をとる可動軌条とに案内される荷役台車が、前記固定軌条に乗移りするステップと、前記荷役台車が荷物を受け止めるステップと、前記荷役台車が、前記固定軌条に軌を一致する前記可動軌条へ向けて走行し、該可動軌条に乗移りするステップと、前記可動軌条を前記固定軌条に対して傾斜させることにより、前記荷役台車と共に前記荷物を転回させるステップとを含むものである。
【0015】
更に、本発明に係る搬送方法は、前記荷役台車と共に転回した前記荷物を、該荷物の下方に位置するコンベヤまで下降させるステップを含むものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態に係る移載転回装置を図面に基づき説明する。以下で、従来の技術として述べた事項には同符号を付し、その詳細な説明又は図示を省略する。
【0017】
図1に示すように、移載転回装置T1は、水平方向に延びる固定軌条1と、固定軌条1に隣接し矢印Rで指した水平方向へ90°以下の範囲、又はそれ以上の範囲で旋回可能な可動軌条2と、固定軌条1及び可動軌条2に案内されて走行し固定軌条1又は可動軌条2を相互に乗移り可能な荷役台車3とを備えるものである。
【0018】
図1に、複数の荷役台車3及びロール状の荷物4を表しているが、これらは、1台の荷役台車3と1個の荷物4とがそれぞれ後述する搬送ステップ毎に移動する位置を、同図に重ねて表したもである。
【0019】
固定軌条1は、2本のガイドレールを上下に平行に配置したものである。固定軌条1の本数は、荷役台車3及び荷物4の総重量を勘案して1本又は3本以上に適宜増減しても良い。可動軌条2には、実質的に固定軌条1と同一のレールを適用できる。固定軌条1を設置する箇所として、倉庫等の壁面を選択しても良いが、倉庫等の床面から腰壁状のパネル等から成る固定支持体5を立ち上げ、この固定支持体5の一面に固定軌条1を支持させても良い。
【0020】
可動軌条2は、固定支持体5に一端を隣接するパネル等から成る可動支持体7の一面に支持されている。可動支持体7は、その他端に形成した支点6の周りに旋回可能なスイングアーム70に固定されている。つまり、可動軌条2は、可動支持体7に伴って旋回し、その一端を固定軌条1に突き合わせた状態で、図示の通り固定軌条1に対して軌を一致する姿勢となる。この状態から、図2に示すように可動支持体7を矢印R方向へ旋回すると、可動軌条2が固定軌条1に対して傾斜する姿勢となる。この傾斜する角度は任意に90°以下の範囲又は90°を超える範囲で設定できる。
【0021】
支点6は、スイングアーム70の他端に、倉庫等の床面から立ち上げたピン60を貫通させて成るヒンジ部である。支点6の近傍には、図に表れていない減速機付き電動機等が設けられ、この電動機等を起動又は停止することにより、スイングアーム70を旋回又は所望の位置に停止させる。好ましくは、ピン60とスイングアーム70との間にベアリング等を介在し、スイングアーム70が円滑に旋回できるようにする。
【0022】
更に、スイングアーム70の一端の下部に、可動支持体7の一面側へ延出するホイールリテーナ71を設け、ホイールリテーナ71に1輪又は2輪以上のキャスター72を取付けても良い。キャスター72は、スイングアーム70の旋回に倣って倉庫等の床面上を転がり、スイングアーム70の一端に加わる荷重の分力を受け止める。
【0023】
荷役台車3は、固定軌条1及び可動軌条2に沿って往復動できるように、図に表れていない駆動手段を備えている。この駆動手段は、周知の技術であるため詳細な説明及び図示を省略するが、例えば、固定軌条1及び可動軌条2と平行に延びるチェーン等の牽体の長手方向の途中を荷役台車3に固定する。可動支持体7の他端付近に減速機付き電動機を設け、同電動機の出力軸に接続したスプロケット等の回転輪に、上記の牽体を巻掛けする。上記の電動機により牽体を走行又は停止させ、これに従わせて、荷役台車3を走行又は所望の位置に停止できる。
【0024】
或いは、固定軌条1及び可動軌条2と平行に延びるラックを、それぞれ固定支持体5及び可動支持体7に固定する。これらのラックに噛み合うピニオンを出力軸に接続した減速機付き電動機を、荷役台車3に固定する。この電動機を起動又は停止することにより、荷役台車3を走行又は所望の位置に停止できる。
【0025】
荷役台車3は、固定支持体5の一面側に荷受部8を設けている。荷物4がフック等で直接に荷役台車3に引っ掛けられるならば、荷受部8として、荷役台車3の一面側に空間、言い換えれば、荷物4の大きさに相当する余地を確保すれば良い。また、スタッカークレーン、フォークリフト、チェーンコンベヤ、又はリフター等の搬入手段によって、矢印Dで指した方向から搬入される荷物4が、箱型又はパレットに積まれた荷姿であれば、これを載置できる荷台(図示省略)を、荷受部8として荷役台車3に取付ける。
【0026】
殊に、図1に例示したロール状の荷物4を荷役台車3に受け止めさせる場合には、ロール状の荷物4の両端から突出した軸端40を受け止める一対のハンガー9を、荷受部8として荷役台車3に取付ける。
【0027】
上記の荷台又は一対のハンガー9を昇降させる昇降手段(リフター)10を、荷役台車3に設けても良い。昇降手段10は、荷役台車3の両端に内装されている。この内部の構成は、周知の技術であるため図示を省略するが、例えば、荷役台車3の両端に沿って鉛直方向に延びるチェーン等の牽体の長手方向の途中を一対のハンガー9に各々固定する。荷役台車3の両端の下部付近に減速機付き電動機を設け、同電動機の出力軸に接続したスプロケット等の回転輪に、上記の牽体を巻掛けする。上記の電動機により牽体を走行又は停止させ、これに従わせて、一対のハンガー9を昇降又は所望の位置に停止できる。
【0028】
或いは、一対のハンガー9の根元にそれぞれ作動ロッドの先端を接合する2本のエアシリンダを、荷役台車3の両端に沿って直立に各々配置する。これらのエアシリンダに、圧縮空気を供給又は同エアシリンダから圧縮空気を排出させて、それぞれの作動ロッドを上下方向に進退させる。この動作に従わせて、一対のハンガー9を昇降又は所望の高さに保持できる。
【0029】
次に、移載転回装置T1による荷物4の搬送方法を説明する。以下で、荷役台車3、可動支持体7、ハンガー9、及び後述するコンベヤ用の昇降手段13に係る動作/停止の制御は、移載転回装置T1の適所に内装、又は移載転回装置T1から離れて設置されたマイクロプロセッサ等が、適時に読込み可能なプログラムに基づき実行する。
【0030】
先ず、第1に、荷役台車3を固定軌条1の一端(図中の左端)に寄せる。この時点で、可動軌条2が図示の通り固定軌条1に対して予め軌を一致させる。
【0031】
第2に、上記例示の搬入手段によって矢印Dで指した方向から搬入される荷物4を荷役台車3に受け止めさせる。
【0032】
荷物4がロール状の製品である場合、このウェブ41を、搬入手段の一例として挙げられるスタッカークレーンのフォークで支持しつつ、同フォークを荷役台車3の荷受部8の真上から下降させ、一対のハンガー9の間を下方へ通過させる。そして、両端の軸端40が一対のハンガー9に受け止められたところで、上記の搬入手段から荷役台車3への荷物4の移載が完了するので、スタッカークレーンを荷役台車3の周囲から退避させる。
【0033】
第3に、荷役台車3が、固定軌条1に軌を一致する可動軌条2へ向けて往動して可動軌条2に乗移りする。そして、荷役台車3が、可動軌条2の他端(図中の左端)に達したところで停止する。この時点で、ホイールリテーナ71に出没自在に設けたロックピン73を、荷役台車3の下部から延出したアーム74のピン挿通孔75に嵌入させても良い。これにより、荷役台車3をスイングアーム70に対して正確に位置決めできる。しかも、荷役台車3が可動軌条2の一端へ戻ることを規制できる。
【0034】
第4に、可動支持体7を矢印Rで指した水平方向へ90°旋回させることにより、可動軌条2を固定軌条1に対して傾斜する姿勢にする。これにより、可動支持体7に伴って荷役台車3が旋回するので、荷役台車3と共に荷物4も90°転回することになる。一方、一対のハンガー9同士の間隔は、搬送手段の一例として図示したチェーンコンベヤ12の幅寸法よりも広く設定されている。従って、荷役台車3が90°旋回した状態で、図3に示すように、一対のハンガー9はチェーンコンベヤ11の両側の外方に各々位置することになる。
【0035】
チェーンコンベヤ11は、水平方向に延びる主フレーム110の適所に複数のスプロケット111を回転自在に設け、複数のスプロケット111に互いに平行な複数の無端状チェーン112を巻掛けしたものである。複数のスプロケット111は、図に表れていない減速機付き電動機に接続され、この電動機を起動又は停止することにより、走行又は所望の位置で停止できる。上記の搬出手段として、スタッカークレーン、フォークリフト、ローラコンベヤ、又はリフター等を適用しても良い。
【0036】
第5に、荷役台車3と共に転回した荷物4をチェーンコンベヤ11の無端状チェーン112上へ移載する。これは、昇降手段10を起動して一対のハンガー9を下降させて、荷物4の胴部41を無端状チェーン112上に載置することにより行える。
【0037】
最後に、スイングアーム70を上記の第4ステップと反対方向に90°旋回することにより、図1に表した通り固定軌条1に対して可動軌条2の軌を再び一致させる。そして、荷役台車3を可動軌条2から固定軌条1へ向けて復動させることにより、固定軌条1の一端(図中の左端)に寄せる。
【0038】
この過程で、上記のように荷物4の移載に際して一旦下降した一対のハンガー9を元の位置まで上昇する。この元の位置とは、ホイールリテーナ71又は倉庫の床面等から一対のハンガー9までの高さによって決まる。例えば、軸端40を一対のハンガー9にて受け止められた荷物4のウェブ41が、ホイールリテーナ71又は倉庫の床面等に接触しないように、一対のハンガー9までの高さを荷物4のウェブ41の半径よりも大きく設定する。この高さは荷物4の形態に応じて初期設定され、上記の第1ステップを実行する毎に、一対のハンガー9は元の位置に復帰する。
【0039】
以上のステップを繰り返すことにより、荷物4を1個ずつ、上記に例示した搬入手段から搬出手段まで順次搬送できる。
【0040】
尚、以上の説明では、一対のハンガー9を昇降するようにしたが、一対のハンガー9を荷役台車3に固定しておいても良い。この場合、図3及び図4に示すように、荷物4のウェブ41を受け止める略V又は略Y字形の一対のロール受部12と、一対のロール受部12を昇降させることにより荷物4の軸端40を一対のハンガー9の上方又は下方へ昇降させる昇降手段13とを備える昇降装置(リフター)14をチェーンコンベヤ11の下部に配置する。
【0041】
昇降手段13は、周知の技術であるため図示を省略するが、例えば、一対のロール受部12にそれぞれ作動ロッドの先端を接合する2本のエアシリンダを、チェーンコンベヤ11の下面の両側付近に直立に各々配置する。これらのエアシリンダに、圧縮空気を供給又は同エアシリンダから圧縮空気を排出させて、それぞれの作動ロッドを上下方向に進退させる。この動作に従わせて、一対のロール受部12を昇降又は所望の高さに保持できる。
【0042】
上記の第5ステップにおいて、一対のハンガー9の下方に位置する複数の無端状チェーン112の間から、一対のロール受部12を昇降させ、同ロール受部12により荷物4の胴部41を持ち上げる。これにより、荷物4の軸端40が一対のハンガー9から浮き上がったところで、スイングアーム70を上記の第4ステップと反対方向に90°旋回する。この後、一対のロール受部12を無端状チェーン112よりも下方へ降下させると、荷物4の胴部41が無端状チェーン112上に載置されることになる。
【0043】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る移載転回装置について説明する。以下で、既に第1の実施形態に係る技術として述べた事項には同符号を付し、その詳細な説明又は図示を省略する。
【0044】
図5及び図6に示すように、本実施の第2の形態に係る移載転回装置T2は、固定軌条1が倉庫の床面等を盛り上げて形成した道床30に設置され、可動軌条2が可動床材20の上面に固定されている。可動床材20は、その上面が道床30と面一になる高さに設定されている。荷役台車の下面には、固定軌条1又は可動軌条2に滑動自在に係合する滑子31を固定している。滑子31としてリニア軸受を適用しても良い。
【0045】
可動床材20は、既述のスイングアーム70に接合している。スイングアーム70を既述のように90°旋回させることで、可動床材20が90°旋回させられる。この可動床材20の旋回する軌跡を図6に仮想線で表している。続いて、搬出手段の他の例である一対のベルトコンベヤ15のそれぞれのベルト150に荷物4を移載する点は既述の通りである。
【0046】
尚、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良,修正,変形を加えた態様で実施できるものである。例えば、スイングアーム70が旋回する支点6の位置を、スイングアーム70の一端寄り、又はスイングアーム70の長手方向の中央に定めても良い。つまり、支点6の位置に係わり無く、スイングアーム70を旋回できれば、これに伴って荷物4が転回する。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る移載転回装置及び搬送方法によれば、荷役台車が固定軌条に乗移り、例えば、スタッカークレーン、フォークリフト、コンベヤ、又はリフター等である搬入手段から搬入される荷物を受け止めて、固定軌条に軌を一致する可動軌条へ向けて走行するので、荷役台車の走行に伴わせて、倉庫の構内等において直線的に荷物を搬送することができる。この過程で、従来例のようなスタッカークレーンとフォークリフトとの間での荷物の受け渡しが不要なので、荷物の搬送を一層迅速に行うことができる。
【0048】
更に、荷役台車が可動軌条に乗移りした状態で、可動軌条を固定軌条に対して傾斜させることにより、荷役台車と共に荷物を転回させられる。このため、搬入手段から搬入される荷物をフォークリフト等を用いて中継する場合に比較して、荷物を搬送する毎にフォークリフト等を旋回する動作を省略できるので、搬送作業に係るサイクル時間を大幅に短縮することができる。
【0049】
従って、荷物を人手によらず迅速に搬送し、しかも人手を省くことにより、荷物の搬送に要するコストを大幅に低減することができる。
【0050】
更に、本発明に係る移載転回装置及び搬送方法によれば、荷役台車の荷受部に、ロール状の荷物の両端から突出した軸端を受け止める一対のハンガーを設けている。このため、ロール状の荷物を移載する過程で、同荷物を床等に直置きするのを避けるために従来不可欠であったスタンド等を準備しなくて済むという利点が得られる。
【0051】
更に、ロール状の荷物を受け止めるロール受部を昇降させることにより、ロール状の荷物の軸端が一対のハンガーの上方又は下方へ昇降させられるので、荷役台車が昇降手段を備えなくても、荷役台車から、例えばベルトコンベヤ等の搬出手段へ荷物を移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る移載転回装置の斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る移載転回装置の荷役台車の斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る移載転回装置に適用した搬出手段の一例を示す平面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る移載転回装置に適用した昇降手段の一例を示す斜視図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る移載転回装置の平面図。
【図6】図5のA−A断面図、及びB−B断面図。
【図7】従来の荷物の搬送例を示す概略図。
【符号の説明】
T1,T2:移載転回装置
1:固定軌条
2:可動軌条
3:荷役台車
4:荷物
8:荷受部
9:ハンガー
10:昇降手段
12:ロール受部
13:昇降手段
40:軸端
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷物を搬送する過程で、荷物を載せ換える作業(移載)及び荷物の向きを変える作業(転回)を実行する移載転回装置及び搬送方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、荷物をフォークに載せて移送させるスタッカークレーン等の搬入手段から、同荷物をベルトコンベヤ等の搬出手段へ移載する場合、スタッカークレーン等から荷物を一旦下ろし、図7に示すように、荷物4をオペレータmが運転する有人フォークリフトvのフォークfで持ち上げつつ、ベルトコンベヤcのベルトb上まで移送する。この後、オペレータmの操作によってフォークfを降下させて、荷物4をベルトbに載せる。
【0003】
更に、ベルトコンベヤcに載せられ搬送される荷物4の前途に、トラックヤードyが控えている場合、トラックヤードyにおいて、図に表れていない運搬車の荷台に複数の荷物4を整然と並べて積み込むには、これら総ての荷物4の向きを一様に揃えなければならない。このため、上記の運搬車の荷台に積み込まれる際の荷物4の向きが、スタッカークレーン等で運ばれる時の向きに異なる場合は、1個の荷物4を有人フォークリフトvにて移送する毎に、有人フォークリフトvを矢印Rで指した方向へ旋回させることにより、総ての荷物4を前者の向きに揃えるようにている。
【0004】
特に、図中に例示した荷物4のように、縦横の寸法が大きく異なるロール製品を取り扱う場合には、総ての荷物4の向きを揃えることが重要である。また、ロール製品である荷物4を床等に直置きすると、荷物4が転がり易いことに加え傷つき易いので、スタッカークレーン等から荷物4を下ろすには、荷物4を床等から浮き上がらせて支持するスタンドsを準備する必要がある。
【0005】
以上のように、荷物4の載せ換え又はその姿勢を変える作業を、人手によらずに行う技術は、下記の特許文献に開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−335127号公報
【特許文献2】
特開2002−234643号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記に例示したスタッカークレーン等とベルトコンベヤ等とが離れていれ、これらの間で直接に荷物4を移載できない場合には、これらの間を往復運転する有人フォークリフトvが不可欠である。従って、このような場合に、移送に係る作業工程の中から人手を排除するのは困難なので、荷物4の搬送に伴う人件費等のコストを削減するには至らない。
【0008】
また、有人フォークリフトvに代えて、フォークfを備えた無人搬送車両(AGV)を導入することも考えられるが、このような無人搬送車両も有人フォークリフトvと同様に、1個の荷物4を搬送する毎に矢印Rで指した方向に旋回しなければならないので、作業のサイクル時間を積極的に短縮できるものではない。このため、無人搬送車両の導入に係るコストに比較して、その効果はあまり期待できない。
【0009】
本発明の目的は、あらゆる形態の荷物を人手によらず迅速に搬送できる移載転回装置及び搬送方法を、低コストで提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る移載転回装置は、水平方向に延びる固定軌条と、該固定軌条に隣接し前記固定軌条に軌を一致する姿勢又は前記固定軌条に対して傾斜する姿勢をとる可動軌条と、前記固定軌条及び可動軌条に案内され前記固定軌条又は可動軌条を相互に乗移り可能な荷役台車とを備える。前記荷役台車が、前記固定軌条に乗移り荷物を受け止めて、前記固定軌条に軌を一致する前記可動軌条へ向けて走行し、前記荷役台車が前記可動軌条に乗移りした状態で、前記可動軌条を前記固定軌条に対して傾斜させることにより、前記荷役台車と共に前記荷物を転回させる。
【0011】
更に、本発明に係る移載転回装置は、前記荷役台車が、前記荷物を受け止める荷受部に、ロール状の荷物の両端から突出した軸端を受け止める一対のハンガーを設けている。
【0012】
更に、本発明に係る移載転回装置は、前記荷役台車が、前記荷受部又は前記一対のハンガーを昇降させる昇降手段を備えるものである。
【0013】
更に、本発明に係る移載転回装置は、前記一対のハンガーの下方で前記ロール状の荷物を受け止めるロール受部と、前記ロール受部を昇降させることにより、前記ロール状の荷物の軸端を前記一対のハンガーの上方又は下方へ昇降させる昇降手段とを備えるものである。
【0014】
本発明に係る搬送方法は、水平方向に延びる固定軌条と、該固定軌条に隣接し前記固定軌条に軌を一致する姿勢又は前記固定軌条に対して傾斜する姿勢をとる可動軌条とに案内される荷役台車が、前記固定軌条に乗移りするステップと、前記荷役台車が荷物を受け止めるステップと、前記荷役台車が、前記固定軌条に軌を一致する前記可動軌条へ向けて走行し、該可動軌条に乗移りするステップと、前記可動軌条を前記固定軌条に対して傾斜させることにより、前記荷役台車と共に前記荷物を転回させるステップとを含むものである。
【0015】
更に、本発明に係る搬送方法は、前記荷役台車と共に転回した前記荷物を、該荷物の下方に位置するコンベヤまで下降させるステップを含むものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態に係る移載転回装置を図面に基づき説明する。以下で、従来の技術として述べた事項には同符号を付し、その詳細な説明又は図示を省略する。
【0017】
図1に示すように、移載転回装置T1は、水平方向に延びる固定軌条1と、固定軌条1に隣接し矢印Rで指した水平方向へ90°以下の範囲、又はそれ以上の範囲で旋回可能な可動軌条2と、固定軌条1及び可動軌条2に案内されて走行し固定軌条1又は可動軌条2を相互に乗移り可能な荷役台車3とを備えるものである。
【0018】
図1に、複数の荷役台車3及びロール状の荷物4を表しているが、これらは、1台の荷役台車3と1個の荷物4とがそれぞれ後述する搬送ステップ毎に移動する位置を、同図に重ねて表したもである。
【0019】
固定軌条1は、2本のガイドレールを上下に平行に配置したものである。固定軌条1の本数は、荷役台車3及び荷物4の総重量を勘案して1本又は3本以上に適宜増減しても良い。可動軌条2には、実質的に固定軌条1と同一のレールを適用できる。固定軌条1を設置する箇所として、倉庫等の壁面を選択しても良いが、倉庫等の床面から腰壁状のパネル等から成る固定支持体5を立ち上げ、この固定支持体5の一面に固定軌条1を支持させても良い。
【0020】
可動軌条2は、固定支持体5に一端を隣接するパネル等から成る可動支持体7の一面に支持されている。可動支持体7は、その他端に形成した支点6の周りに旋回可能なスイングアーム70に固定されている。つまり、可動軌条2は、可動支持体7に伴って旋回し、その一端を固定軌条1に突き合わせた状態で、図示の通り固定軌条1に対して軌を一致する姿勢となる。この状態から、図2に示すように可動支持体7を矢印R方向へ旋回すると、可動軌条2が固定軌条1に対して傾斜する姿勢となる。この傾斜する角度は任意に90°以下の範囲又は90°を超える範囲で設定できる。
【0021】
支点6は、スイングアーム70の他端に、倉庫等の床面から立ち上げたピン60を貫通させて成るヒンジ部である。支点6の近傍には、図に表れていない減速機付き電動機等が設けられ、この電動機等を起動又は停止することにより、スイングアーム70を旋回又は所望の位置に停止させる。好ましくは、ピン60とスイングアーム70との間にベアリング等を介在し、スイングアーム70が円滑に旋回できるようにする。
【0022】
更に、スイングアーム70の一端の下部に、可動支持体7の一面側へ延出するホイールリテーナ71を設け、ホイールリテーナ71に1輪又は2輪以上のキャスター72を取付けても良い。キャスター72は、スイングアーム70の旋回に倣って倉庫等の床面上を転がり、スイングアーム70の一端に加わる荷重の分力を受け止める。
【0023】
荷役台車3は、固定軌条1及び可動軌条2に沿って往復動できるように、図に表れていない駆動手段を備えている。この駆動手段は、周知の技術であるため詳細な説明及び図示を省略するが、例えば、固定軌条1及び可動軌条2と平行に延びるチェーン等の牽体の長手方向の途中を荷役台車3に固定する。可動支持体7の他端付近に減速機付き電動機を設け、同電動機の出力軸に接続したスプロケット等の回転輪に、上記の牽体を巻掛けする。上記の電動機により牽体を走行又は停止させ、これに従わせて、荷役台車3を走行又は所望の位置に停止できる。
【0024】
或いは、固定軌条1及び可動軌条2と平行に延びるラックを、それぞれ固定支持体5及び可動支持体7に固定する。これらのラックに噛み合うピニオンを出力軸に接続した減速機付き電動機を、荷役台車3に固定する。この電動機を起動又は停止することにより、荷役台車3を走行又は所望の位置に停止できる。
【0025】
荷役台車3は、固定支持体5の一面側に荷受部8を設けている。荷物4がフック等で直接に荷役台車3に引っ掛けられるならば、荷受部8として、荷役台車3の一面側に空間、言い換えれば、荷物4の大きさに相当する余地を確保すれば良い。また、スタッカークレーン、フォークリフト、チェーンコンベヤ、又はリフター等の搬入手段によって、矢印Dで指した方向から搬入される荷物4が、箱型又はパレットに積まれた荷姿であれば、これを載置できる荷台(図示省略)を、荷受部8として荷役台車3に取付ける。
【0026】
殊に、図1に例示したロール状の荷物4を荷役台車3に受け止めさせる場合には、ロール状の荷物4の両端から突出した軸端40を受け止める一対のハンガー9を、荷受部8として荷役台車3に取付ける。
【0027】
上記の荷台又は一対のハンガー9を昇降させる昇降手段(リフター)10を、荷役台車3に設けても良い。昇降手段10は、荷役台車3の両端に内装されている。この内部の構成は、周知の技術であるため図示を省略するが、例えば、荷役台車3の両端に沿って鉛直方向に延びるチェーン等の牽体の長手方向の途中を一対のハンガー9に各々固定する。荷役台車3の両端の下部付近に減速機付き電動機を設け、同電動機の出力軸に接続したスプロケット等の回転輪に、上記の牽体を巻掛けする。上記の電動機により牽体を走行又は停止させ、これに従わせて、一対のハンガー9を昇降又は所望の位置に停止できる。
【0028】
或いは、一対のハンガー9の根元にそれぞれ作動ロッドの先端を接合する2本のエアシリンダを、荷役台車3の両端に沿って直立に各々配置する。これらのエアシリンダに、圧縮空気を供給又は同エアシリンダから圧縮空気を排出させて、それぞれの作動ロッドを上下方向に進退させる。この動作に従わせて、一対のハンガー9を昇降又は所望の高さに保持できる。
【0029】
次に、移載転回装置T1による荷物4の搬送方法を説明する。以下で、荷役台車3、可動支持体7、ハンガー9、及び後述するコンベヤ用の昇降手段13に係る動作/停止の制御は、移載転回装置T1の適所に内装、又は移載転回装置T1から離れて設置されたマイクロプロセッサ等が、適時に読込み可能なプログラムに基づき実行する。
【0030】
先ず、第1に、荷役台車3を固定軌条1の一端(図中の左端)に寄せる。この時点で、可動軌条2が図示の通り固定軌条1に対して予め軌を一致させる。
【0031】
第2に、上記例示の搬入手段によって矢印Dで指した方向から搬入される荷物4を荷役台車3に受け止めさせる。
【0032】
荷物4がロール状の製品である場合、このウェブ41を、搬入手段の一例として挙げられるスタッカークレーンのフォークで支持しつつ、同フォークを荷役台車3の荷受部8の真上から下降させ、一対のハンガー9の間を下方へ通過させる。そして、両端の軸端40が一対のハンガー9に受け止められたところで、上記の搬入手段から荷役台車3への荷物4の移載が完了するので、スタッカークレーンを荷役台車3の周囲から退避させる。
【0033】
第3に、荷役台車3が、固定軌条1に軌を一致する可動軌条2へ向けて往動して可動軌条2に乗移りする。そして、荷役台車3が、可動軌条2の他端(図中の左端)に達したところで停止する。この時点で、ホイールリテーナ71に出没自在に設けたロックピン73を、荷役台車3の下部から延出したアーム74のピン挿通孔75に嵌入させても良い。これにより、荷役台車3をスイングアーム70に対して正確に位置決めできる。しかも、荷役台車3が可動軌条2の一端へ戻ることを規制できる。
【0034】
第4に、可動支持体7を矢印Rで指した水平方向へ90°旋回させることにより、可動軌条2を固定軌条1に対して傾斜する姿勢にする。これにより、可動支持体7に伴って荷役台車3が旋回するので、荷役台車3と共に荷物4も90°転回することになる。一方、一対のハンガー9同士の間隔は、搬送手段の一例として図示したチェーンコンベヤ12の幅寸法よりも広く設定されている。従って、荷役台車3が90°旋回した状態で、図3に示すように、一対のハンガー9はチェーンコンベヤ11の両側の外方に各々位置することになる。
【0035】
チェーンコンベヤ11は、水平方向に延びる主フレーム110の適所に複数のスプロケット111を回転自在に設け、複数のスプロケット111に互いに平行な複数の無端状チェーン112を巻掛けしたものである。複数のスプロケット111は、図に表れていない減速機付き電動機に接続され、この電動機を起動又は停止することにより、走行又は所望の位置で停止できる。上記の搬出手段として、スタッカークレーン、フォークリフト、ローラコンベヤ、又はリフター等を適用しても良い。
【0036】
第5に、荷役台車3と共に転回した荷物4をチェーンコンベヤ11の無端状チェーン112上へ移載する。これは、昇降手段10を起動して一対のハンガー9を下降させて、荷物4の胴部41を無端状チェーン112上に載置することにより行える。
【0037】
最後に、スイングアーム70を上記の第4ステップと反対方向に90°旋回することにより、図1に表した通り固定軌条1に対して可動軌条2の軌を再び一致させる。そして、荷役台車3を可動軌条2から固定軌条1へ向けて復動させることにより、固定軌条1の一端(図中の左端)に寄せる。
【0038】
この過程で、上記のように荷物4の移載に際して一旦下降した一対のハンガー9を元の位置まで上昇する。この元の位置とは、ホイールリテーナ71又は倉庫の床面等から一対のハンガー9までの高さによって決まる。例えば、軸端40を一対のハンガー9にて受け止められた荷物4のウェブ41が、ホイールリテーナ71又は倉庫の床面等に接触しないように、一対のハンガー9までの高さを荷物4のウェブ41の半径よりも大きく設定する。この高さは荷物4の形態に応じて初期設定され、上記の第1ステップを実行する毎に、一対のハンガー9は元の位置に復帰する。
【0039】
以上のステップを繰り返すことにより、荷物4を1個ずつ、上記に例示した搬入手段から搬出手段まで順次搬送できる。
【0040】
尚、以上の説明では、一対のハンガー9を昇降するようにしたが、一対のハンガー9を荷役台車3に固定しておいても良い。この場合、図3及び図4に示すように、荷物4のウェブ41を受け止める略V又は略Y字形の一対のロール受部12と、一対のロール受部12を昇降させることにより荷物4の軸端40を一対のハンガー9の上方又は下方へ昇降させる昇降手段13とを備える昇降装置(リフター)14をチェーンコンベヤ11の下部に配置する。
【0041】
昇降手段13は、周知の技術であるため図示を省略するが、例えば、一対のロール受部12にそれぞれ作動ロッドの先端を接合する2本のエアシリンダを、チェーンコンベヤ11の下面の両側付近に直立に各々配置する。これらのエアシリンダに、圧縮空気を供給又は同エアシリンダから圧縮空気を排出させて、それぞれの作動ロッドを上下方向に進退させる。この動作に従わせて、一対のロール受部12を昇降又は所望の高さに保持できる。
【0042】
上記の第5ステップにおいて、一対のハンガー9の下方に位置する複数の無端状チェーン112の間から、一対のロール受部12を昇降させ、同ロール受部12により荷物4の胴部41を持ち上げる。これにより、荷物4の軸端40が一対のハンガー9から浮き上がったところで、スイングアーム70を上記の第4ステップと反対方向に90°旋回する。この後、一対のロール受部12を無端状チェーン112よりも下方へ降下させると、荷物4の胴部41が無端状チェーン112上に載置されることになる。
【0043】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る移載転回装置について説明する。以下で、既に第1の実施形態に係る技術として述べた事項には同符号を付し、その詳細な説明又は図示を省略する。
【0044】
図5及び図6に示すように、本実施の第2の形態に係る移載転回装置T2は、固定軌条1が倉庫の床面等を盛り上げて形成した道床30に設置され、可動軌条2が可動床材20の上面に固定されている。可動床材20は、その上面が道床30と面一になる高さに設定されている。荷役台車の下面には、固定軌条1又は可動軌条2に滑動自在に係合する滑子31を固定している。滑子31としてリニア軸受を適用しても良い。
【0045】
可動床材20は、既述のスイングアーム70に接合している。スイングアーム70を既述のように90°旋回させることで、可動床材20が90°旋回させられる。この可動床材20の旋回する軌跡を図6に仮想線で表している。続いて、搬出手段の他の例である一対のベルトコンベヤ15のそれぞれのベルト150に荷物4を移載する点は既述の通りである。
【0046】
尚、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良,修正,変形を加えた態様で実施できるものである。例えば、スイングアーム70が旋回する支点6の位置を、スイングアーム70の一端寄り、又はスイングアーム70の長手方向の中央に定めても良い。つまり、支点6の位置に係わり無く、スイングアーム70を旋回できれば、これに伴って荷物4が転回する。
【0047】
【発明の効果】
本発明に係る移載転回装置及び搬送方法によれば、荷役台車が固定軌条に乗移り、例えば、スタッカークレーン、フォークリフト、コンベヤ、又はリフター等である搬入手段から搬入される荷物を受け止めて、固定軌条に軌を一致する可動軌条へ向けて走行するので、荷役台車の走行に伴わせて、倉庫の構内等において直線的に荷物を搬送することができる。この過程で、従来例のようなスタッカークレーンとフォークリフトとの間での荷物の受け渡しが不要なので、荷物の搬送を一層迅速に行うことができる。
【0048】
更に、荷役台車が可動軌条に乗移りした状態で、可動軌条を固定軌条に対して傾斜させることにより、荷役台車と共に荷物を転回させられる。このため、搬入手段から搬入される荷物をフォークリフト等を用いて中継する場合に比較して、荷物を搬送する毎にフォークリフト等を旋回する動作を省略できるので、搬送作業に係るサイクル時間を大幅に短縮することができる。
【0049】
従って、荷物を人手によらず迅速に搬送し、しかも人手を省くことにより、荷物の搬送に要するコストを大幅に低減することができる。
【0050】
更に、本発明に係る移載転回装置及び搬送方法によれば、荷役台車の荷受部に、ロール状の荷物の両端から突出した軸端を受け止める一対のハンガーを設けている。このため、ロール状の荷物を移載する過程で、同荷物を床等に直置きするのを避けるために従来不可欠であったスタンド等を準備しなくて済むという利点が得られる。
【0051】
更に、ロール状の荷物を受け止めるロール受部を昇降させることにより、ロール状の荷物の軸端が一対のハンガーの上方又は下方へ昇降させられるので、荷役台車が昇降手段を備えなくても、荷役台車から、例えばベルトコンベヤ等の搬出手段へ荷物を移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る移載転回装置の斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る移載転回装置の荷役台車の斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る移載転回装置に適用した搬出手段の一例を示す平面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係る移載転回装置に適用した昇降手段の一例を示す斜視図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る移載転回装置の平面図。
【図6】図5のA−A断面図、及びB−B断面図。
【図7】従来の荷物の搬送例を示す概略図。
【符号の説明】
T1,T2:移載転回装置
1:固定軌条
2:可動軌条
3:荷役台車
4:荷物
8:荷受部
9:ハンガー
10:昇降手段
12:ロール受部
13:昇降手段
40:軸端
Claims (6)
- 水平方向に延びる固定軌条と、該固定軌条に隣接し前記固定軌条に軌を一致する姿勢又は前記固定軌条に対して傾斜する姿勢をとる可動軌条と、前記固定軌条及び可動軌条に案内され前記固定軌条又は可動軌条を相互に乗移り可能な荷役台車とを備え、
前記荷役台車が、前記固定軌条に乗移り荷物を受け止めて、前記固定軌条に軌を一致する前記可動軌条へ向けて走行し、前記荷役台車が前記可動軌条に乗移りした状態で、前記可動軌条を前記可動軌条に対して傾斜させることにより、前記荷役台車と共に前記荷物を転回させることを特徴とする移載転回装置。 - 前記荷役台車が、前記荷物を受け止める荷受部に、ロール状の荷物の両端から突出した軸端を受け止める、一対のハンガーを設けていることを特徴とする請求項1に記載の移載転回装置。
- 前記荷役台車が、前記荷受部又は前記一対のハンガーを昇降させる昇降手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の移載転回装置。
- 前記一対のハンガーの下方で前記ロール状の荷物を受け止めるロール受部と、
前記ロール受部を昇降させることにより、前記ロール状の荷物の軸端を前記一対のハンガーの上方又は下方へ昇降させる昇降手段と、
を備えることを特徴とする請求項2に記載の移載転回装置。 - 水平方向に延びる固定軌条と、該固定軌条に隣接し前記固定軌条に軌を一致する姿勢又は前記固定軌条に対して傾斜する姿勢をとる可動軌条とに案内される荷役台車が、前記固定軌条に乗移りするステップと、
前記荷役台車が荷物を受け止めるステップと、
前記荷役台車が、前記固定軌条に軌を一致する前記可動軌条へ向けて走行し、該可動軌条に乗移りするステップと、
前記可動軌条を前記固定軌条に対して傾斜させることにより、前記荷役台車と共に前記荷物を転回させるステップと
を含むことを特徴とする搬送方法。 - 前記荷役台車と共に転回した前記荷物を、該荷物の下方に位置するコンベヤまで下降させるステップを含むことを特徴とする請求項5に記載の搬送方法。
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Cited By (2)
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2003
- 2003-03-07 JP JP2003062281A patent/JP2004269161A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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