JPH05305624A - ホットプレス装置 - Google Patents

ホットプレス装置

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JPH05305624A
JPH05305624A JP4111464A JP11146492A JPH05305624A JP H05305624 A JPH05305624 A JP H05305624A JP 4111464 A JP4111464 A JP 4111464A JP 11146492 A JP11146492 A JP 11146492A JP H05305624 A JPH05305624 A JP H05305624A
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hot
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containers
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Akihiko Ogawa
昭彦 小川
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Meiki Seisakusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 装置からの放熱を防止可能なホットプレス装
置を提供する。 【構成】 プレス機構を収納する内側容器3と、この内
側容器3を収容する外側容器5とを設ける。シャッタ4
5および真空シャッタ83を閉じれば、両容器は互いに
独立の気密容器となり、シャッタ45を開くと連通され
る。真空シャッタ83を閉、シャッタ45を開として、
排気手段93にて両容器を真空引きする。その後、熱板
27、29、33にて被加工材を加熱、軟化させ、併せ
てシャッタ45を閉じる。こうして内側容器3と外側容
器5との間に真空領域を形成したまま、被加工材をホッ
トプレスする。内側容器3と外側容器5との間に形成さ
れる真空領域が内側容器3から外側容器5への熱伝導を
防止するので、外側容器5は昇温しない。これにより装
置外殻からの放熱を原因とする、熱効率の低下は防止さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層プリント配線板な
どの多層基板のプレス成形に用いられるホットプレス装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、積層プリント配線板などの多
層基板のプレス成形に用いられるホットプレス装置が各
種知られている。これら従来のホットプレス装置にて
は、加熱された熱板からの熱がホットプレス装置外殻を
経て放熱されることを原因とする、熱効率の低下が問題
となっていた。この放熱を防止するために、例えば断熱
材にてホットプレス装置を被覆することが有効である。
しかしながら従来のホットプレス装置は、特にシャッタ
およびその可動域などの断熱材による被覆が困難な部分
があり、断熱材による被覆にてもホットプレス装置から
の放熱を充分には防止できなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、ホ
ットプレス装置外殻からの放熱を防ぎ熱効率の低下を防
止可能なホットプレス装置を提供することを目的とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
解決するための手段として次の構成を採用した。即ち、
本発明のホットプレス装置は、固定盤と、該固定盤に装
着された固定熱板と、前記固定盤に対して圧締または離
間させるために往復動自在に設けられ油圧シリンダで駆
動される可動盤と、該可動盤に装着された可動熱板と、
前記固定および可動熱板の間に配設され前記可動盤の往
復動に応じて往復移動する中間熱板とを密閉並びに減圧
可能な容器に収納し、前記各熱板間に挿入された被加工
材を加熱プレス成形可能なホットプレス装置において、
前記容器を側面に前記被加工材を搬入、搬出可能な開口
を有し、前記可動盤が前記固定盤に対して圧締される際
の型締力に対しての引張強度を保つ円筒状の胴と、該胴
の外周に装着されて上下動に応じて前記開口を閉鎖並び
に開放する円筒状のシャッタと、前記胴の上端に連結さ
れた半楕円体状の鏡板とを備えた略円筒形の内側容器と
し、前記固定盤を前記鏡板に固着するとともに、複数の
ガイドレールを前記可動盤の往復動方向に沿って前記可
動盤の周囲に設け、前記可動盤および中間熱板に前記ガ
イドレールと密接摺動する摺動部を設けたことにより、
前記可動盤および中間熱板を前記ガイドレールに沿って
往復動可能とし、更に、前記圧力容器を収納して開放、
密閉および減圧可能な外側容器を設けたことを特徴とす
る。
【0005】
【作用】ホットプレスに先だって、被加工材が各熱板の
間に挿入される。続いて、シャッタを開として内側容器
と外側容器とを連通したまま外側容器が密閉され、内側
および外側容器内部が減圧される。減圧程度は被加工材
の種類にもよるが、約30トール〜0.5トールの範囲
が好ましい。
【0006】内側容器に固着された固定盤と対置する位
置にある可動盤は、油圧シリンダによって駆動され、固
定盤に向かう方向に移動する。可動盤の該移動に応じて
中間熱板も同方向に移動する。各熱板と被加工材との接
触圧が所定値となると可動盤の移動は停止し、被加工材
は所定の接触圧にて加圧される。
【0007】ついで熱板を介して被加工材が加熱され
る。該加熱によって被加工材が軟化した後、シャッタを
閉じて内側容器を密閉する。その後油圧シリンダを操作
して、所定の圧力で所定時間加圧する。加圧時間は、被
加工材の種類にもよるが、30〜90分の範囲が好まし
い。この際の圧力は被加工材の種類にもよるが、10〜
25kg/cm2 の範囲が好ましい。
【0008】内側容器を、可動盤が固定盤に対して圧締
される際の型締力に対しての引張強度を保つ円筒状の胴
と、胴の上端に連結された半楕円体状の鏡板とを備えた
略円筒形とし、さらに固定盤を鏡板に固着した。これに
より、油圧シリンダにより可動盤が固定盤に対して圧締
される際の型締力を内側容器が受け止める構造が実現さ
れ、従来技術のホットプレス装置で設けられていたステ
ーは不要となり、構造が簡単となる。
【0009】所定時間を経過した後、被加工材が固化す
る温度以下に熱板の温度を下げて、硬化を待つ。この硬
化を待つ間も、所定の加圧力は保持される。被加工材が
硬化した後、可動盤を固定盤から離れる方向に移動さ
せ、被加工材を熱板上に載置した状態で製品取り出し温
度まで冷却する。
【0010】冷却後、内側容器の密閉を解除し、あわせ
て外側容器も開放して、製品となった被加工材を取り出
す。内側容器と外側容器との二重構造としたので、両容
器を連通させて共通に減圧した後、該連通を断って内側
容器と外側容器との間に真空領域を形成したままでホッ
トプレスが可能となる。
【0011】ホットプレス時における熱板からの熱は内
側容器には達するが、内側容器と外側容器との間に真空
領域が形成されているので内側容器から外側容器への対
流、伝導による伝熱は防止される。したがって、ホット
プレス装置外殻を経て放熱される熱量は少なくなり、熱
効率の低下は防止される。
【0012】
【実施例】以下に好適な一実施例をあげて本発明を詳細
に説明する。図1、図2に示したように、本実施例のホ
ットプレス装置1は、プレス加工のための内部機構を収
納した内側容器3を外側容器5に内装し、H型鋼製の架
台7に載置した構成になっている。
【0013】まず、内側容器3および内側容器3に収納
されているプレス加工のための内部機構について説明す
る。内側容器3は、ほぼ正方形状の底板9および鏡板1
1とを円筒状の胴13で連結した構造である。鏡板11
は半楕円体で外縁に正方形状のフランジ部11aを備え
ている。
【0014】底板9は架台7にボルトを介して連結され
ている。底板9には熱媒パイプ14a、14bが、シー
ル部材15a、15bを介して気密に取付られている。
熱媒パイプ14a、14bは底板9を貫通していて、熱
媒を内側容器3の内部に供給、取出し可能になってい
る。
【0015】底板9の中心部には油圧シリンダ17が取
り付けられている。油圧シリンダ17にはラム19が挿
通している。油圧シリンダ17には、図示省略した作動
油供給経路を介して作動油を給排可能になっている。こ
れにより油圧シリンダ17内の作動油を給排操作して、
ラム19を上昇、下降させることが可能になっている。
【0016】また、油圧シリンダ17の周囲を取り巻い
て冷却パイプ21aが配されている。冷却パイプ21a
には、冷媒孔22を経て給排される冷媒が、図示省略し
た冷媒供給経路を介して流れるようになっていて、油圧
シリンダ17を冷却可能になっている。なお、冷媒孔2
2と冷媒供給経路とは気密、液密に連結されていている
ので、内側容器3の密閉には障害とならない。
【0017】ラム19の先端には、横断面がほぼ正方形
の可動盤23が取り付けられている。可動盤23とラム
19とは同芯で、油圧シリンダ17によるラム19の上
昇、下降に応じて可動盤23が上昇、下降するようにな
っている。図3に一部横断面図を示したが、可動盤23
には、横断面がL字状の摺動部材25が、可動盤23の
互いに対面する2側面にそれぞれ2ヶ所、計4ヶ所に、
側面からL字の一端を突出するようにして設けられてい
る。この突出した端部にはテーパを有する摺動面25a
が形成されている。
【0018】可動盤23の上面には横断面がほぼ正方形
の可動熱板27が取り付けられている。可動熱板27
は、可動盤23とともに上昇、下降可能になっている。
可動熱板27の上方に、間隔を保って、中間熱板29が
設けられている。図4に一部横断面図を示したが、中間
熱板29の形状は、ほぼ可動熱板27と同様である。た
だし、中間熱板29には、可動盤23に設けられた摺動
部材25と対応する位置に、摺動部材25と同様の4個
の摺動部材31が設けられている。その突出した端部に
はテーパを有する摺動面31aが形成されている。この
摺動部材31付近の説明図を図5に示した。
【0019】また、中間熱板29には、中間熱板29の
下降限度を規制するために、4個の段板32が摺動部材
31からわずかに離れて設けられている。ただし段板3
2は中間熱板29の上昇は規制しない。中間熱板29
は、可動熱板27が可動盤23とともに上昇して中間熱
板29を押し上げると、可動熱板27とともに上昇可能
になっている。
【0020】中間熱板29の上方に、固定熱板33が配
されている。固定熱板33の形状は中間熱板29と同様
である。固定熱板33には、可動盤23に設けられた摺
動部材25、中間熱板29に設けられた摺動部材31と
対応する位置に、摺動部材25および摺動部材31と同
様の4個の摺動部材35が設けられている。その突出し
た端部にはテーパを有する摺動面35aが形成されてい
る。
【0021】固定熱板33は固定盤37に取り付けられ
ている。固定盤37は鏡板11の内部に設けられた固定
部材39に固定されている。これにより、固定盤37お
よび固定熱板33と内側容器3との相対位置は固定され
る。なお、図示省略したが、可動熱板27、中間熱板2
9および固定熱板33の内部には熱媒流路が設けられて
いて、熱媒パイプ14aを経て供給される熱媒が該流路
を経て、熱媒パイプ14bへと流れるようになってい
る。これにより、熱媒を介して可動熱板27、中間熱板
29および固定熱板33を、所定温度に加熱可能になっ
ている。
【0022】可動熱板27、中間熱板29および固定熱
板33の相対位置は、ラム19および可動盤23を介し
ての油圧シリンダ17の作用により、所定の間隔を保持
する状態から各熱板27、29、33が接する位置にま
で変化可能である。したがって、これら各熱板27、2
9、33の間に被加工材を挟持して押圧するとともに、
上記熱媒による加熱にて被加工材を加熱して軟化させる
ことが可能である。
【0023】上記の油圧シリンダ17〜固定盤37でプ
レス加工のための内部機構が構成されている。底板9に
ボルトを介して連結されている胴13には、上記のプレ
ス加工のための内部機構が内容されている。また、胴1
3には被加工材の挿入および製品の取り出しのための小
開口41a、41bおよび大開口43a、43bの4ヶ
所の開口が設けられている。
【0024】胴13の内壁には、これらの小開口41
a、41bおよび大開口43a、43bの下方に、冷却
パイプ21bが配設されている。冷却パイプ21bに
は、冷媒孔22を経て給排される冷媒が、図示省略した
冷媒供給経路を介して流れるようになっていて、胴13
を冷却可能になっている。
【0025】また、胴13の外周には、胴13を帯状に
取り巻くシャッタ45が設けられている。シャッタ45
にはシャッタ開閉機構47が取付られていて、ロッド4
7aが上方向に移動するとシャッタ45は閉、下方向に
移動するとシャッタ45は開となる。このシャッタ45
を閉じた際には、シャッタ45と胴13との接触部は気
密に接合されるようになっている。
【0026】胴13の上端にボルトを介して連結されて
いる鏡板11の上部には、ノズル51が内側容器3内に
連通して設けられている。ノズル51には、バルブ(図
示省略)が取り付けられていて、開閉可能になってい
る。底板9、胴13および鏡板11は気密に連結されて
いるので、シャッタ45およびノズル51を閉じると、
内側容器3は気密容器となる。
【0027】さらに、胴13の内壁には、軸方向に沿っ
て4本のレールサポート57が設けられている。各レー
ルサポート57には、横断面が略台形で縦断面が長方形
のガイドレール59が、それぞれ1本取り付けられてい
る。ガイドレール59の、前記台形状の横断面の斜辺に
相当する側面はテーパを有する摺動面61になってい
る。
【0028】図5にガイドレール59と中間熱板29の
摺動部材31の接触部分の一部拡大図を示した。(ロ)
は(イ)のA−A断面図である。ガイドレール59の摺
動面61は、可動盤23、中間熱板29および固定熱板
33の摺動面25a、31a、35aと密に接してい
る。同時にガイドレール59の摺動面61を可動盤23
および中間熱板29の摺動部材25、31が摺動可能に
なっている。
【0029】これにより、可動盤23および中間熱板2
9はガイドレール59に沿って正確に上下移動可能にな
っている。固定熱板33は上下移動はしないが、ガイド
レール59に摺動部材35を密に接していることによ
り、固定熱板33の水平方向のずれが防止される。
【0030】続いて、外側容器5について説明する。図
6は内側容器3の内部機構を省略した横断面図であり、
内側容器3と外側容器5との相対的な位置関係の説明図
である。底板9、鏡板11のフランジ部11aおよび真
空壁71、72a、72b、73a、73bとで外側容
器5を形成している。真空壁71、72a、72b、7
3a、73bの下端は底板9に取り付けられ、上端はフ
ランジ部11aに取り付けられている。
【0031】したがって、正確には外側容器5と内側容
器3とは、底板9および鏡板11を共用することにな
る。各真空壁71〜73bが互いに接続するコーナーに
は、各真空壁71〜73bを接続するとともに補強する
コーナー部材75a、75b、75c、75dが設けら
れている。各真空壁71〜72bとコーナー部材75
a、75dとは気密に接続されている。
【0032】また、真空壁73aおよび真空壁73b
は、それぞれコーナー部材75b、75cとの接続部分
を回転軸として観音開き可能に、柱77を介して接続さ
れている。真空壁73aおよび真空壁73bを閉じたと
きには、両真空壁73a、73bと柱77とは気密に接
続するようになっている。同様にコーナー部材75b、
75cとも気密に接続するようになっている。
【0033】真空壁71には被加工材および製品の入出
のための搬入孔79が設けられている。また、搬入孔7
9の前面には、シャッタ開閉機構81a、81bにて開
閉駆動される真空シャッタ83が備えられている。真空
シャッタ83は上昇して閉となった際には、真空壁71
と気密に接触して搬入孔79を完全に覆うようになって
いる。なお、真空シャッタ83には耐圧ガラス製の窓8
5a、85bが設けられていて、真空シャッタ83を閉
じた際には、該窓85a、85bを介して外側容器5内
を観察可能になっている。
【0034】真空壁72a、72bには、カバー87
a、87bにて覆われたハンドホール89a、89bが
設けられている。カバー87a、87bは真空壁72
a、72bにボルトを介して気密に取り付けられてい
る。ハンドホール89a、89bはメンテナンス用で、
通常運転時は閉じられている。
【0035】外側容器5の真空壁73a、73b、真空
シャッタ83およびハンドホール89a、89bを閉じ
ると、外側容器5は密閉され気密容器となる。さらに、
内側容器3のシャッタ45を閉じれば、内側容器3も密
閉され気密容器となる。これにより内側容器3と外側容
器5とは、互いに独立の気密容器となることが可能であ
る。
【0036】フランジ部11aには外側容器5内に連通
する排気ノズル91が設けられている。排気ノズル91
には、図7に示した排気手段93が接続されていて、外
側容器5から気体を排出可能になっている。またシャッ
タ45を開として、外側容器5とともに内側容器3から
も気体を排出可能である。
【0037】排気手段93は、真空ポンプ93a、電磁
弁93b、圧力センサ93cおよび管路93d、93e
から構成されている。管路93dの一端は排気ノズル9
1に接続されていて、他端は電磁弁93bに接続されて
いる。また、管路93dには圧力センサ93cが接続さ
れていて、管路93d内の圧力を検出可能になってい
る。圧力センサ93cの出力は図示しない制御回路を介
して電磁弁93bに伝達され、電磁弁93cを開閉作動
させるようになっている。電磁弁93bと真空ポンプ9
3aは、管路93eを介して接続している。
【0038】このため、電磁弁93bが開となっている
場合は、排気ノズル91(外側容器5)〜真空ポンプ9
3aが連通する。この連通状態で真空ポンプ93aを稼
働させると、外側容器5から気体を排出できる。この際
内側容器3のシャッタ45が開であると、内側容器3と
外側容器5とは連通状態となるので、排気手段93にて
外側容器5から気体を排出するとともに内側容器3から
気体を排出することができる。
【0039】気体を排出して、管路93dの圧力(=外
側容器5の圧力)が設定値になると、電磁弁93bを閉
として外側容器5および内側容器3を所定の減圧状態に
保持できる。上述したように、外側容器5の真空壁73
a、73b、真空シャッタ83およびハンドホール89
a、89bを閉じて、さらに内側容器3のシャッタ45
を閉じれば、内側容器3と外側容器5とは互いに独立の
気密容器となる。すなわちシャッタ45は、内側容器3
の開閉機構であるとともに、開閉に応じて内側容器3と
外側容器5との連通を通断制御する連通制御手段として
も機能している。
【0040】したがって、ノズル51および排気ノズル
91を使用して、内側容器3と外側容器5とを異なった
圧力状態とすることが可能である。次に、上述のホット
プレス装置1を使用して、多層基板をプレス成形する場
合について説明する。
【0041】被加工材は、接着用プリプレグとしてメラ
ミン樹脂を含浸させた基材を複数枚重ねた多層基板材料
である。まず、真空シャッタ83およびシャッタ45を
開として、搬入孔79および大開口43aを経て被加工
材を挿入し、可動熱板27および中間熱板29上に載置
する。その後、真空シャッタ83を閉じて外側容器5を
密閉する。なお、外側容器5の真空壁73a、73bお
よびハンドホール89a、89bは予め閉じられてい
る。また、ノズル51も閉じられている。
【0042】続いて排気手段93の電磁弁93bを開と
して、真空ポンプ93aを稼働させる。シャッタ45が
開であるので、内側容器3と外側容器5とは連通状態と
なっている。したがって、排気手段93にて外側容器5
から気体を排出するとともに内側容器3からも気体を排
出することになる。
【0043】外側容器5の真空度が約25トールとなっ
たところで電磁弁93bを閉じる。電磁弁93bの閉弁
と併せて、真空ポンプ93aの可動も停止される。本実
施例では、この電磁弁93bの操作は、圧力センサ93
cの出力により自動的になされるが、圧力計を視認して
手動で閉弁する構成としてもよい。
【0044】その後、油圧シリンダ17へ作動油を給排
することにより、ラム19を上昇させる。ラム19の上
昇に伴って、可動盤23、可動熱板27および中間熱板
29が上昇する。可動盤23および中間熱板29は、摺
動部材25、31をガイドレール59の摺動面61に摺
動させて上昇するので、該上昇はガイドレール59に沿
って正確になされる。
【0045】可動盤23、可動熱板27および中間熱板
29が上昇してゆくと、中間熱板29上に載置された被
加工材が固定熱板33に接触する。さらにラム19をわ
ずかに上昇させ、各熱板27、29、33とそれらに挟
持された被加工材との接触圧が約1kg/cm2 となっ
た際に、ラム19を停止する。油圧シリンダ17は、上
記接触圧を保持するように調整される。
【0046】ラム19を停止させた後、熱媒パイプ14
aを介して、熱媒を可動熱板27、中間熱板29および
固定熱板33に供給して各熱板27、29、33を加熱
する。加熱された各熱板27、29、33に挟持されて
いる被加工材は、各熱板27、29、33からの伝熱に
より加熱され、軟化する。
【0047】この際周囲が減圧されているので、被加工
材に含まれている揮発性成分は、該加熱・軟化に応じ
て、被加工材外へ蒸散する。これにより、ホットプレス
製品中のボイドの発生は防止される。なお、本実施例に
ては、熱媒としてスチームを用いたが熱油等を使用して
もよい。また熱媒流体を使用せずにシーズヒータ等にて
加熱する構成としてもよい。
【0048】被加工材の加熱開始に併せて、シャッタ開
閉機構47を操作してシャッタ45を上昇させ、内側容
器3を密閉する。これにより内側容器3と外側容器5と
は真空に保持された状態で、互いに独立した密閉容器と
なる。続いて、油圧シリンダ17への作動油給排を操作
して、各熱板27、29、33と被加工材との接触圧を
約25kg/cm2 に保持する。
【0049】軟化した被加工材を加圧している状態を、
約60分間保持する。この保持時間は多層基板のプレス
成形に先だって、予め実験により求められている。内側
容器3と外側容器5とが二重構造になっているので、両
容器を連通させて共通に減圧した後、シャッタ45を閉
じて該連通を断って、内側容器3と外側容器5との間に
真空領域を形成したままでホットプレスが可能となる。
【0050】ホットプレス時における各熱板27、2
9、33からの熱は輻射、対流、伝導によって内側容器
3には達するが、内側容器3と外側容器5との間に真空
領域が形成されているので内側容器3から外側容器5へ
の対流、伝導による伝熱は防止される。この結果、外側
容器5の温度上昇は、内側容器3と比較してきわめて小
さくなる。
【0051】したがって、熱板27、29、33からの
放熱は内側容器3までで遮られ、ホットプレス装置1の
外殻を経て放熱される熱量は少なくなるので、ホットプ
レス装置1の熱効率の低下は防止される。上記約60分
間の保持時間が経過した後、被加工材が固化する温度以
下に熱板の温度を下げて、硬化を待つ。この温度は、被
加工材のプレプリグの組成等によって異なるので、予め
実験等により求められている。この硬化時間を通じて、
上記被加工材と各熱板27、29、33との接触圧は約
25kg/cm2 に保持される。
【0052】被加工材が硬化した後、油圧シリンダ17
を操作してラム19を下降させる。ラム19の下降に応
じて、可動盤23、可動熱板27および中間熱板29が
下降する。ただし、中間熱板29は段板32によって下
降限度が規制されるので、所定の位置で停止し、それよ
り下へは下降しない。
【0053】可動盤23が所定の最下点に達すると、油
圧シリンダ17を操作してラム19を停止する。可動熱
板27、中間熱板29、固定熱板33の各間隔は当初の
距離となり、可動熱板27および中間熱板29上には硬
化した被加工材が載置されている。
【0054】被加工材を両熱板27、29上に載置した
状態で製品取り出し温度までホットプレス装置1を冷却
する。その後、シャッタ45および真空シャッタ83を
開いて、内側容器3および外側容器5の密閉を解除して
製品となった被加工材を取り出す。
【0055】なお、油圧シリンダ17の周囲および胴1
3の内壁に配設されている冷却パイプ21a、21bに
は、冷媒孔22および図示省略した冷媒供給経路を介し
て冷媒が供給されている。これにより上記プレス作業中
を通して、油圧シリンダ17および胴13のシャッタ4
5との接触部付近を冷却して加熱から防止している。
【0056】本実施例にては簡便のために中間熱板は1
枚として説明したが、通常は複数枚の中間熱板が設けら
れている。中間熱板の枚数を増加すると、一回のプレス
作業で加工される被加工材の数量を増加することができ
る。また、外側容器外壁、鏡板などのホットプレス装置
外殻部に断熱材の被覆を施せばさらに放熱防止効果が向
上し、一層、熱効率の低下が防止される。
【0057】以上実施例に従って、本発明につき説明し
たが、本発明は、上述した実施例に限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる
改良は自由である。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したごとく、本発明のホットプ
レス装置によれば、内側容器と外側容器とが二重構造に
なっているので、両容器を連通させて共通に減圧した
後、該連通を断って、内側容器と外側容器との間に真空
領域を形成したままでホットプレスが可能となる。
【0059】ホットプレス時における各熱板からの熱は
輻射、対流、伝導によって内側容器には達するが、内側
容器と外側容器との間に真空領域が形成されているので
内側容器から外側容器への対流、伝導による伝熱は防止
される。この結果、外側容器の温度上昇は、内側容器と
比較してきわめて小さくなる。
【0060】したがって、熱板からの放熱は内側容器ま
でで遮られ、ホットプレス装置外殻を経て放熱される熱
量は少なくなるので、ホットプレス装置の熱効率の低下
は防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のホットプレス装置の正面一部断面図
である。
【図2】 実施例のホットプレス装置の側面断面図であ
る。
【図3】 実施例のホットプレス装置のガイドレールと
可動盤の摺動部材の相対位置の説明図である。
【図4】 実施例のホットプレス装置のガイドレールと
中間熱板の摺動部材の相対位置の説明図である。
【図5】 実施例のホットプレス装置のガイドレールと
中間熱板の摺動部材の接触部分の説明図である。
【図6】 実施例のホットプレス装置の、内側容器の内
部機構を省略した横断面図であり、内側容器と外側容器
との相対的な位置関係の説明図である。
【図7】 実施例のホットプレス装置の排気手段のブロ
ック図である。
【符号の説明】
1・・・ホットプレス装置、3・・・内側容器、5・・
・外側容器、7・・・架台、9・・・底板、11・・・
鏡板、11a・・・フランジ部、13・・・胴、17・
・・油圧シリンダ、19・・・ラム、23・・・可動
盤、27・・・可動熱板、29・・・中間熱板、33・
・・固定熱板、37・・・固定盤、39・・・固定部
材、45・・・シャッタ、57・・・レールサポート、
59・・・ガイドレール、71、72a、72b、73
b・・・真空壁、83・・・真空シャッタ、91・・・
排気ノズル、93・・・排気手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05K 3/46 Y 6921−4E // B29K 105:06

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定盤と、該固定盤に装着された固定熱
    板と、前記固定盤に対して圧締または離間させるために
    往復動自在に設けられ油圧シリンダで駆動される可動盤
    と、該可動盤に装着された可動熱板と、前記固定および
    可動熱板の間に配設され前記可動盤の往復動に応じて往
    復移動する中間熱板とを密閉並びに減圧可能な容器に収
    納し、前記各熱板間に挿入された被加工材を加熱プレス
    成形可能なホットプレス装置において、 前記容器を側面に前記被加工材を搬入、搬出可能な開口
    を有し、前記可動盤が前記固定盤に対して圧締される際
    の型締力に対しての引張強度を保つ円筒状の胴と、 該胴の外周に装着されて上下動に応じて前記開口を閉鎖
    並びに開放する円筒状のシャッタと、 前記胴の上端に連結された半楕円体状の鏡板とを備えた
    略円筒形の内側容器とし、 前記固定盤を前記鏡板に固着するとともに、 複数のガイドレールを前記可動盤の往復動方向に沿って
    前記可動盤の周囲に設け、 前記可動盤および中間熱板に前記ガイドレールと密接摺
    動する摺動部を設けたことにより、 前記可動盤および中間熱板を前記ガイドレールに沿って
    往復動可能とし、 更に、前記圧力容器を収納して開放、密閉および減圧可
    能な外側容器を設けたことを特徴とするホットプレス装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009298007A (ja) * 2008-06-13 2009-12-24 Meiki Co Ltd 真空チャンバの真空度制御機構及び真空度制御方法
CN106985226A (zh) * 2017-06-01 2017-07-28 南京沪友冶金机械制造有限公司 软质木材高温密实压缩用热压机
CN107310190A (zh) * 2017-07-19 2017-11-03 宜兴市宜轻机械有限公司 一种新型高温整体抽真空机构
CN114870745A (zh) * 2022-05-23 2022-08-09 赣州中科拓又达智能装备科技有限公司 一种伺服电机生产线的智能装置

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