JPH05305206A - 循環風呂装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 水位が低下しても、エアを吸い込むことな
く、表層水を取り込んで浮遊塵埃を回収除去することが
できる循環風呂装置を提供する。 【構成】 浴槽水が浴槽１外部との間で循環濾過される
循環風呂装置において、浴槽１の側壁に開口して表層水
を取り込むスキマー５を備え、このスキマー５には、そ
の吸水側底部へ循環浴槽水を供給する給水手段１２（１
５）が設けられている。第２発明では、スキマー５に、
上位および下位の吸水口２０，２１と、浮力によりこれ
ら吸水口２０，２１の開閉を切り換える吸水切換弁２２
とが設けられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ジェットバスのよう
に、浴槽水が浴槽外部との間で循環するとともに濾過さ
れる循環風呂装置に係り、詳しくは、浴槽水面の浮遊塵
埃を回収除去するために併設されるスキマーに関する。

【０００２】

【従来の技術】ジェットバスでは、浴槽水が浴槽外部と
の間で循環するとともに濾過され、浴槽には気泡混じり
のジェット噴流として還流するようになっている。

【０００３】その従来の構成を示すと、図８の通りであ
る。図中、符号３１は浴槽、３２は吸水管、３３は吐出
管、３４は循環ユニットで、吸水管３２、吐出管３３お
よび循環ユニット３４が外部循環回路を構成している。
吐出管３３の浴槽側出口には、エアを吸引して還流水を
気泡化するジェットノズル３５が設けられている。循環
ユニット３４には、循環ポンプ３６と濾過器３７とが設
けられている。

【０００４】ところで、単に浴槽３１に上記のような外
部循環回路を接続しただけでは、常に浴槽３１の底部か
ら底層水が外部循環経路に取り込まれるので、表層に浮
遊する水垢等の塵埃は、いつまでも浴槽水の表面に残存
することになり、浴槽水の浄化は進まない。

【０００５】そこで、従来の循環風呂装置では、浴槽３
１の側壁に表層水の高さ位置で開口するスキマー３８を
設けて、これを表層吸水管３９により循環ユニット３４
の吸水側に接続し、浴槽３１の表層水をも外部循環回路
に取り込んで濾過するようにしている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような構成では、浴槽水の水位が低下すると、スキマー
３１から外部循環回路にエアが吸い込まれて、循環不良
が生じたり、循環ポンプ３６の故障の原因となったりす
る。

【０００７】また、この種の循環風呂装置では、濾過器
３７に濾過方向とは逆方向に浴槽水を流して逆洗を行う
のであるが、この逆洗時に、浴槽水とともにエアが吸い
込まれると、このエアにより、濾過器３７の濾材が激し
く噴き上げられて外部に流出することがある。

【０００８】これに対しては、スキマー３８に応じた高
さ位置に水位センサを設置して、スキマー３８に対して
水位が下がると、その水位低下を水位センサで検出し
て、運転を停止させるようにすることもできるが、これ
では、比較的高い水位で運転が停止し、浴槽３１への人
の出入りに伴う小幅の水位変化でも、運転が断続される
ことになり、使い勝手が悪くなる。

【０００９】本発明は、上述の問題点に鑑みてなされた
ものであって、水位が低下しても、エアを吸い込むこと
なく、表層水を取り込んで浮遊塵埃を回収除去すること
ができる循環風呂装置を提供することを課題とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の課題を達成するた
めに、本件の第１発明は、浴槽水が浴槽外部との間で循
環するとともに濾過される循環風呂装置において、浴槽
の側壁に開口して表層水を取り込むスキマーを備え、こ
のスキマーには、その吸水側底部へ循環浴槽水を供給す
る給水手段が設けられている構成とした。

【００１１】また、本件の第２発明は、第１発明と同様
の循環風呂装置において、浴槽の側壁に開口して表層水
を取り込むスキマーを備え、このスキマーには、上位お
よび下位の吸水口と、これらの吸水口の開閉を切り換え
る吸水切換弁とが設けられ、吸水切換弁は、浮力により
浴槽水の水位に伴って上下し、高水位では上位の吸水口
を、低水位では下位の吸水口を開放するものとした。

【００１２】

【作用】第１発明では、給水手段によりスキマーの吸水
側底部に循環浴槽水が供給されるから、浴槽の水位が低
下しても、表層水の吸水管にエアが吸い込まれることが
ない。

【００１３】また、第２発明では、浴槽の水位が低下す
ると、吸水切換弁により、スキマーの上位の吸水口が閉
じられるとともに、下位の吸水口が開放され、この下位
の吸水口から浴槽水が取り込まれるのであって、水位が
下位の吸水口に達するまでの広い範囲にわたって、継続
して表層水の取り込みが支障なく行われる。

【００１４】

【実施例】以下、本件の各発明の詳細を図示の実施例に
基づいて説明する。まず、第１発明については３つの実
施例があり、図１および図２は、その第１実施例に係
り、図１は循環風呂装置の構成図、図２はスキマー部分
の拡大断面図である。

【００１５】この第１実施例に係る循環風呂装置が、図
１に示すように、浴槽１と、浴槽１の底部に開口する吸
水管２と、吐出管３と、循環ユニット４と、浴槽１の側
壁に開口するスキマー５と、スキマー５の底部から循環
ユニット４の吸水側に接続された表層吸水管６とを備え
たものであり、吐出管３の浴槽側出口にジェットノズル
７が設けられ、循環ユニット４に循環ポンプ８と濾過器
９とが設けられている点は、図８に示した従来例と同じ
である。なお、図１中、符号１０は水位センサ、１１
は、濾過器９の逆洗の場合の排水管である。

【００１６】この実施例の循環風呂装置は、スキマー５
の部分に特徴があり、スキマー５には、その内部への循
環浴槽水の給水手段として、ボールタップ１２が設けら
れるとともに、このボールタップ１２は、表層吐出管１
３により循環ユニット４の吐出側に接続されている。ボ
ールタップ１２は、図２に示すように、浴槽水の水位低
下に伴いボール１２ａの位置が下がると、開口するもの
で、スキマー５の吸水側底部に循環ユニット４からの循
環浴槽水を吐出するようになっている。図２中、符号１
４はフロートカバーで、ボールタップ１２の上位に取り
付けられ、浴槽水の水位に応じて俯仰動作する。

【００１７】上記の構成において、循環運転時、浴槽１
の底層水は吸水管２から、また表層水はスキマー５およ
び表層吸水管６を通じて循環ユニット４に取り込まれる
が、水位が高い場合、スキマー５には多量の表層水が流
入し、表層吸水管６にエアが吸い込まれることはない。
このとき、ボールタップ１２は、ボール１２ａが上がっ
ていて口を閉じており、スキマー５には循環浴槽水が流
入しない。

【００１８】次に、浴槽水の水位が下がると、スキマー
５への表層水の流入量が減少し、表層吸水管６にエアが
吸い込まれやすくなるが、このときには、ボールタップ
１２がボール１２ａの下降により口を開くから、表層吐
出管１３を通じて循環浴槽水の一部がスキマー５内部に
流入し、表層水とともに表層吸水管６に吸い込まれる。
このように、スキマー５の底部は多量の浴槽水で満たさ
れるから、エアが吸い込まれることがなく、水位が浴槽
１底部に低下するまで、浴槽水の循環を支障なく行え
る。

【００１９】図３および図４は、第１発明についての第
２実施例に係り、図３は循環風呂装置の構成図、図４は
スキマー部分の拡大断面図である。

【００２０】この実施例の循環風呂装置では、スキマー
５に、その内部への循環浴槽水の給水手段として、常開
の給水口１５が設けられ、この給水口１５には、浴槽１
底部からの循環水路１６が接続され、循環水路１６には
専用の循環ポンプ１７が設けられている。また、循環ユ
ニット４の吸水側には、スキマー５の底部から導出され
た表層吸水管６のみが接続され、循環ユニット４が浴槽
水をすべてスキマー５を通じて取り込むようになってい
る。図中、符号１８は防塵ネットである。このほか、前
記した第１実施例の各部と共通する部分には同一の符号
を付して、詳細な説明は省略する。

【００２１】この第２実施例では、循環運転時には循環
水路１６の循環ポンプ１７も同時に駆動される。そのた
め、スキマー５には、浴槽水の水位の上下にかかわら
ず、給水口１５を通じて常に多量の浴槽水が流入し、吸
水側の底部が浴槽水で満たされるから、水位が低下して
も、エアが吸い込まれることがない。

【００２２】図５は、第１発明の第３実施例に係る循環
風呂装置の構成図である。この実施例のように、上記し
たスキマー５の給水口１５に、循環ユニット４による循
環浴槽水の一部を供給するようにしてもよい。

【００２３】すなわち、第３実施例では、スキマー５
に、前記した第２実施例と同様に、常開の給水口１５が
設けられている。この給水口１５には表層吐出管１３が
接続され、表層吐出管１３は、浴槽１の側壁に開口する
吐出管３とともに、循環ユニット４の吐出側に接続され
ている。また、スキマー５の吸水側底部には、表層吸水
管６が接続され、この表層吸水管６は、浴槽１の底部に
開口する吸水管２とともに循環ユニット４の吸水側に接
続されている。

【００２４】この第３実施例では、スキマー５内部には
常に循環浴槽水の一部が流入するので、浴槽の水位が低
下しても、スキマー５を通じてエアが循環ユニット４側
に吸い込まれることがない。

【００２５】次に、図６および図７に示す実施例に基づ
いて第２発明の詳細を説明する。図６および図７は、第
２発明の一実施例に係り、図６は循環風呂装置の構成
図、図７はスキマー部分の拡大断面図で、図７の（Ａ）
は高水位の場合を、（Ｂ）は低水位の場合をそれぞれ示
している。

【００２６】この実施例に係る循環風呂装置が、浴槽１
と、浴槽１の底部に開口する吸水管２と、吐出管３と、
循環ユニット４と、浴槽１の側壁に開口するスキマー５
と、スキマー５の底部から循環ユニット４の吸水側に接
続された表層吸水管６とを備えたものであり、吐出管３
の浴槽側出口にジェットノズル７が設けられ、循環ユニ
ット４に循環ポンプ８と濾過器９とが設けられている点
は、図１に示したものと同じで、図１のものと共通する
部分には同一の符号を付して、詳細な説明は省略する。

【００２７】この実施例の循環風呂装置の特徴は、スキ
マー５内に上位および下位の吸水口２０，２１が形成さ
れるとともに、浮力によりこれらの吸水口２０，２１の
開閉を切り換える吸水切換弁２２が設けられていること
である。上位の吸水口２０は、スキマー５の上部で上向
きに開口し、下位の吸水口２１は浴槽１の側面で横向き
に開口しており、両吸水口２０，２１はスキマー５の内
部で互いに連通して表層吸水管６に通じている。吸水切
換弁２２は、ウレタン樹脂のような軽量材により逆Ｌ字
形の側面形状に成形したもので、上部の横辺部で上位の
吸水口２０を開閉し、透孔２２ａのある縦辺部で、下位
の吸水口２１を開閉するようになっている。

【００２８】上記の構成において、浴槽水の水位が高い
場合は、図７の（Ａ）に示すように、吸水切換弁２２は
浮上しており、その横辺部が上位の吸水口２０から離間
して該吸水口２０を開放する一方、縦辺部の透孔２２ａ
が下位の吸水口２１からずれた上下位置にあって、該吸
水口２１を閉じている。したがって、この場合は、上位
の吸水口２０から表層水がスキマー５内部に流入し、循
環ユニット４側に取り込まれる。

【００２９】次に、浴槽水の水位が低下すると、スキマ
ー５の上位の吸水口２０からエアが吸い込まれやすくな
るが、このときには、図７（Ｂ）に示すように、吸水切
換弁２２の位置が下がり、その横辺部で上位の吸水口２
０が閉じられるから、エアは吸い込まれない。これとと
もに、吸水切換弁２２の縦辺部の透孔２２ａが下位の吸
水口２１に重なるから、下位の吸水口２１が開放され、
この吸水口２１を通じて、低水位となった浴槽水の表層
水が取り込まれることになる。このように、水位が下が
ると、表層水の吸水口が下位のもの２１に切り換わるか
ら、水位が下位の吸水口２１に達するまでの広い範囲に
わたって、エアを吸い込むことなく、表層水の取り込み
を行える。なお、水位が下位の吸水口２１に達すると、
その水位低下が水位センサにより検出され、循環運転が
停止される。

【００３０】

【発明の効果】以上述べたように、第１発明によれば、
スキマーを通じて浮遊塵埃を回収して除去しうるばかり
でなく、給水手段により循環浴槽水がスキマー内に供給
されてその吸水側底部が浴槽水で満たされるから、浴槽
の水位が低下しても、エアが取り込まれることがなく、
水位が浴槽底部に低下するまで、支障なく浴槽水の循環
と濾過とを行うことができる。

【００３１】また、第２発明によれば、浴槽水の水位が
低下した場合には、吸水切換弁により、表層水の吸水口
が上位のものから下位のものに切り換えられるから、水
位が下位の吸水口に達するまでの広い範囲にわたって、
エアの吸い込みを生ずることなく表層水の取り込みを行
うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１発明の第１実施例に係る循環風呂装置の構
成図。

【図２】上記第１実施例のスキマー部分の拡大断面図。

【図３】第１発明の第２実施例に係る循環風呂装置の構
成図。

【図４】上記第２実施例のスキマー部分の拡大断面図。

【図５】第１発明の第３実施例に係る循環風呂装置の構
成図。

【図６】第２発明の一実施例に係る循環風呂装置の構成
図。

【図７】上記実施例のスキマー部分の拡大断面図で、
（Ａ）は高水位の場合を、また（Ｂ）は低水位の場合を
それぞれ示す。

【図８】従来例に係る循環風呂装置の構成図。

【符号の説明】

１ 浴槽 ２ 吸水管 ３ 吐出管 ４ 循環ユニット ５ スキマー ６ 表層吸水管 １２ ボールタップ（給水手段） １３ 表層吐出管 １５ 給水口（給水手段） ２０ 上位の吸水口 ２１ 下位の吸水口 ２２ 吸水切換弁

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽水が浴槽（１）外部との間で循環す
   るとともに濾過される循環風呂装置において、 浴槽（１）の側壁に開口して表層水を取り込むスキマー
   （５）を備え、 このスキマー（５）には、その吸水側底部へ循環浴槽水
   を供給する給水手段（１２，１５）が設けられている、 ことを特徴とする循環風呂装置。
2. 【請求項２】 浴槽水が浴槽（１）外部との間で循環す
   るとともに濾過される循環風呂装置において、 浴槽（１）の側壁に開口して表層水を取り込むスキマー
   （５）を備え、 このスキマー（５）には、上位および下位の吸水口（２
   ０，２１）と、これら吸水口（２０，２１）の開閉を切
   り換える吸水切換弁（２２）とが設けられ、 吸水切換弁（２２）は、浮力により浴槽水の水位に伴っ
   て上下し、高水位では上位の吸水口（２０）を、低水位
   では下位の吸水口（２１）を開放するものである、 ことを特徴とする循環風呂装置。