JPH05304985A - ヒト免疫不全ウイルスのインテグラーゼに対するモノクローナル抗体、およびそれを産生する細胞 - Google Patents
ヒト免疫不全ウイルスのインテグラーゼに対するモノクローナル抗体、およびそれを産生する細胞Info
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- JPH05304985A JPH05304985A JP4131777A JP13177792A JPH05304985A JP H05304985 A JPH05304985 A JP H05304985A JP 4131777 A JP4131777 A JP 4131777A JP 13177792 A JP13177792 A JP 13177792A JP H05304985 A JPH05304985 A JP H05304985A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 インテグラーゼに対するモノクローナル抗
体、およびそれを産生するハイブリドーマ株を開発す
る。 【構成】 HIVのインテグラーゼを発現しうる大腸菌
をマウスに免疫し、そのマウスから得られたリンパ球と
ミエローマ細胞とを融合して得られたハイブリドーマ株
を培養することによって、HIVのインテグラーゼと抗
原抗体反応するモノクローナル抗体を得る。
体、およびそれを産生するハイブリドーマ株を開発す
る。 【構成】 HIVのインテグラーゼを発現しうる大腸菌
をマウスに免疫し、そのマウスから得られたリンパ球と
ミエローマ細胞とを融合して得られたハイブリドーマ株
を培養することによって、HIVのインテグラーゼと抗
原抗体反応するモノクローナル抗体を得る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は後天性免疫不全症候群
(以下、AIDSという)の原因と考えられているヒト
免疫不全ウイルス(以下、HIVという)のインテグラ
ーゼに対するモノクローナル抗体、およびインテグラー
ゼに対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マ株に関する。
(以下、AIDSという)の原因と考えられているヒト
免疫不全ウイルス(以下、HIVという)のインテグラ
ーゼに対するモノクローナル抗体、およびインテグラー
ゼに対するモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マ株に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の抗体がAIDSの診断、ま
たはHIVの基礎研究のために利用されてきている。こ
れまでの研究から、HIVがヒトに感染するためには、
HIV遺伝子のpol領域の遺伝子産物(例えば、逆転
写酵素領域、プロテアーゼ領域、インテグラーゼ領域な
ど)が必須であると考えられている。
たはHIVの基礎研究のために利用されてきている。こ
れまでの研究から、HIVがヒトに感染するためには、
HIV遺伝子のpol領域の遺伝子産物(例えば、逆転
写酵素領域、プロテアーゼ領域、インテグラーゼ領域な
ど)が必須であると考えられている。
【0003】このうち、逆転写酵素に対する酵素阻害活
性を有するモノクローナル抗体については、1990年
7月にエイズ研究会で発表されている。また、プロテア
ーゼに対するモノクローナル抗体については既に市販さ
れている。
性を有するモノクローナル抗体については、1990年
7月にエイズ研究会で発表されている。また、プロテア
ーゼに対するモノクローナル抗体については既に市販さ
れている。
【0004】しかし、インテグラーゼに対するモノクロ
ーナル抗体については、インテグラーゼ遺伝子をバキュ
ロウイルスに組み込み製造する方法が試みられているも
のの失敗に終わっており(Science、249、1
555−1558(1990))、インテグラーゼのア
ミノ酸配列を元に作製された20塩基対程度の合成ペプ
チドを抗原とした抗インテグラーゼウサギ血清が報告さ
れているに過ぎない。本発明者らは、インテグラーゼに
対するモノクローナル抗体を得るべく、バキュロウイル
スに代えてワクチニアウイルスを用いることも検討した
が、やはりインテグラーゼに対するモノクローナル抗体
は得ることはできなかった。
ーナル抗体については、インテグラーゼ遺伝子をバキュ
ロウイルスに組み込み製造する方法が試みられているも
のの失敗に終わっており(Science、249、1
555−1558(1990))、インテグラーゼのア
ミノ酸配列を元に作製された20塩基対程度の合成ペプ
チドを抗原とした抗インテグラーゼウサギ血清が報告さ
れているに過ぎない。本発明者らは、インテグラーゼに
対するモノクローナル抗体を得るべく、バキュロウイル
スに代えてワクチニアウイルスを用いることも検討した
が、やはりインテグラーゼに対するモノクローナル抗体
は得ることはできなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、イ
ンテグラーゼに対するモノクローナル抗体を開発すべく
さらに鋭意研究した結果、HIVのインテグラーゼを発
現しうる大腸菌をマウスに免疫し、そのマウスから得ら
れたリンパ球とミエローマ細胞とを融合して得られたハ
イブリドーマ株を培養することによって、HIVのイン
テグラーゼと抗原抗体反応するモノクローナル抗体を得
ることができることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
ンテグラーゼに対するモノクローナル抗体を開発すべく
さらに鋭意研究した結果、HIVのインテグラーゼを発
現しうる大腸菌をマウスに免疫し、そのマウスから得ら
れたリンパ球とミエローマ細胞とを融合して得られたハ
イブリドーマ株を培養することによって、HIVのイン
テグラーゼと抗原抗体反応するモノクローナル抗体を得
ることができることを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0006】かくして、本発明によれば、 (1)ヒト免疫不全ウイルスのインテグラーゼに対して
抗原抗体反応しうるモノクローナル抗体 (2)ヒト免疫不全ウイルスのインテグラーゼを発現し
うる大腸菌を動物に免疫し、その動物から得られたリン
パ球とミエローマ細胞とを融合して得られたHIVのイ
ンテグラーゼに対するモノクローナル抗体産生能を有す
るハイブリドーマ株が提供される。
抗原抗体反応しうるモノクローナル抗体 (2)ヒト免疫不全ウイルスのインテグラーゼを発現し
うる大腸菌を動物に免疫し、その動物から得られたリン
パ球とミエローマ細胞とを融合して得られたHIVのイ
ンテグラーゼに対するモノクローナル抗体産生能を有す
るハイブリドーマ株が提供される。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のモノクローナル抗体は、HIV(例えば、HIV
−I、HIV−IIなどを挙げることができるが、好ま
しくはHIV−I)のインテグラーゼと抗原抗体反応す
るモノクローナル抗体である。
発明のモノクローナル抗体は、HIV(例えば、HIV
−I、HIV−IIなどを挙げることができるが、好ま
しくはHIV−I)のインテグラーゼと抗原抗体反応す
るモノクローナル抗体である。
【0008】HIVのインテグラーゼは分子量約32,
000のタンパク質であり、本発明のモノクローナル抗
体は、このインテグラーゼのどのエピトープと反応する
ものであっても良い。そのようなモノクローナル抗体の
具体例としては、インテグラーゼの遺伝子(DNA)を
EcoRIで開裂したときの5’側部分に対応するポリ
ペプチドと抗原抗体反応しうるモノクローナル抗体6F
4(実施例1(4)参照)が例示される。
000のタンパク質であり、本発明のモノクローナル抗
体は、このインテグラーゼのどのエピトープと反応する
ものであっても良い。そのようなモノクローナル抗体の
具体例としては、インテグラーゼの遺伝子(DNA)を
EcoRIで開裂したときの5’側部分に対応するポリ
ペプチドと抗原抗体反応しうるモノクローナル抗体6F
4(実施例1(4)参照)が例示される。
【0009】本発明のモノクローナル抗体を産生するハ
イブリドーマ株は、HIVのインテグラーゼと抗原抗体
反応するモノクローナル抗体を産生するものである。そ
の具体例として、ハイブリドーマ株6F4株(実施例1
(4)参照、FERM BP−3811)が例示され
る。
イブリドーマ株は、HIVのインテグラーゼと抗原抗体
反応するモノクローナル抗体を産生するものである。そ
の具体例として、ハイブリドーマ株6F4株(実施例1
(4)参照、FERM BP−3811)が例示され
る。
【0010】本発明のモノクローナル抗体を作製するハ
イブリドーマは、HIVのインテグラーゼ遺伝子を大腸
菌に組み込み、それを動物に免疫すること以外は常法に
従って行われる。以下にその一般的な方法を以下に説明
する。
イブリドーマは、HIVのインテグラーゼ遺伝子を大腸
菌に組み込み、それを動物に免疫すること以外は常法に
従って行われる。以下にその一般的な方法を以下に説明
する。
【0011】(1)免疫源の作製 本発明において用いられる遺伝子は、HIVのインテグ
ラーゼ遺伝子のほか、それと同等の機能を有する程度に
修飾(自然或は人為的に塩基の脱落、挿入されたものを
含む)されたものであっても良く、また融合タンパク質
として発現させるように、インテグラーゼ遺伝子を適当
な遺伝子と連結させてたものであってもよい。インテグ
ラーゼ遺伝子と連結させるその他の遺伝子としては、グ
ルタチオン−S−トランスフェラーゼ遺伝子(分子量約
26,000、以下、GSTという)、β−ガラクトシ
ダーゼ遺伝子などが挙げられるが、GST遺伝子の3’
末端にHIVのインテグラーゼをコードする遺伝子を連
結させた遺伝子を用いることが好ましい。
ラーゼ遺伝子のほか、それと同等の機能を有する程度に
修飾(自然或は人為的に塩基の脱落、挿入されたものを
含む)されたものであっても良く、また融合タンパク質
として発現させるように、インテグラーゼ遺伝子を適当
な遺伝子と連結させてたものであってもよい。インテグ
ラーゼ遺伝子と連結させるその他の遺伝子としては、グ
ルタチオン−S−トランスフェラーゼ遺伝子(分子量約
26,000、以下、GSTという)、β−ガラクトシ
ダーゼ遺伝子などが挙げられるが、GST遺伝子の3’
末端にHIVのインテグラーゼをコードする遺伝子を連
結させた遺伝子を用いることが好ましい。
【0012】この遺伝子を、常法に従って適当なベクタ
ーに組み込み、これを大腸菌に移入して、免疫源とす
る。組み換えベクターとしては、pGEX−3X、pK
K−223−3のようなプラスミドや、λファージ、M
13ファージなどのファージが挙げられる。作製した組
み換えベクターを常法に従って大腸菌に移入し形質転換
体を得、これを免疫源とする。
ーに組み込み、これを大腸菌に移入して、免疫源とす
る。組み換えベクターとしては、pGEX−3X、pK
K−223−3のようなプラスミドや、λファージ、M
13ファージなどのファージが挙げられる。作製した組
み換えベクターを常法に従って大腸菌に移入し形質転換
体を得、これを免疫源とする。
【0013】(2)免疫動物リンパ球の調製 免疫方法は常法に従えば良く、上記(1)で作製した形
質転換体を免疫用の動物に投与することで行うことがで
きる。免疫用の動物は、基本的には如何なる動物を用い
ても良いが、通常、抗体産生量を維持するには、マウ
ス、ラット、ハムスターなどミエローマ細胞が既に得ら
れている動物を使用するのが好ましい。
質転換体を免疫用の動物に投与することで行うことがで
きる。免疫用の動物は、基本的には如何なる動物を用い
ても良いが、通常、抗体産生量を維持するには、マウ
ス、ラット、ハムスターなどミエローマ細胞が既に得ら
れている動物を使用するのが好ましい。
【0014】動物への免疫後のリンパ球の採取は、その
免疫動物の充分な抗体価を確認後、最終免疫から数日後
の血液、リンパ液、脾臓などから得ることができるが、
脾臓から得た方が好ましい。
免疫動物の充分な抗体価を確認後、最終免疫から数日後
の血液、リンパ液、脾臓などから得ることができるが、
脾臓から得た方が好ましい。
【0015】(3)ミエローマ細胞の準備 細胞融合には、常法に従いミエローマ細胞が用いられ
る。ミエローマ細胞の具体例としては、マウス由来のM
PC−11、P3−X63−Ag8/653(以下、6
53という)、P3−X63−Ag8−U1(以下、P
3U1という)、P3−NS1(以下、NS−1とい
う)、SP2/O−Ag14(以下、SP2/Oとい
う)などやラット由来のIR983F、Y3−Ag1.
2.3、YB2/0などのが例示されるが、なかでも6
53、P3U1、NS−1やSP2/Oなどの細胞外に
抗体を産生分泌しないミエローマ細胞を用いた方が好ま
しい。
る。ミエローマ細胞の具体例としては、マウス由来のM
PC−11、P3−X63−Ag8/653(以下、6
53という)、P3−X63−Ag8−U1(以下、P
3U1という)、P3−NS1(以下、NS−1とい
う)、SP2/O−Ag14(以下、SP2/Oとい
う)などやラット由来のIR983F、Y3−Ag1.
2.3、YB2/0などのが例示されるが、なかでも6
53、P3U1、NS−1やSP2/Oなどの細胞外に
抗体を産生分泌しないミエローマ細胞を用いた方が好ま
しい。
【0016】(4)細胞融合 細胞融合は常法に従って行えば良く、例えば、前記のよ
うにして免疫されたマウスのリンパ球とミエローマ細胞
との細胞数を(4〜20):1の割合で、細胞融合に支
障をおこさない細胞懸濁溶液、例えば、一般に用いられ
るリンパ球培養用培地成分(例えば、IMDM、ME
M、DMEM、McCoy、RPMI1640などの培
地成分)溶液、等張緩衝液などを用いてよく混合し、遠
心分離した後のペレット(細胞塊)にセンダイウイルス
(以下、HJVという)またはポリエチレングリコール
(以下、PEGという)溶液を添加することによって行
うことができる。
うにして免疫されたマウスのリンパ球とミエローマ細胞
との細胞数を(4〜20):1の割合で、細胞融合に支
障をおこさない細胞懸濁溶液、例えば、一般に用いられ
るリンパ球培養用培地成分(例えば、IMDM、ME
M、DMEM、McCoy、RPMI1640などの培
地成分)溶液、等張緩衝液などを用いてよく混合し、遠
心分離した後のペレット(細胞塊)にセンダイウイルス
(以下、HJVという)またはポリエチレングリコール
(以下、PEGという)溶液を添加することによって行
うことができる。
【0017】ペレットに添加する溶液は、好ましくはポ
リエチレングリコールであり、更に好ましくは平均分子
量が1000〜8000で30〜60重量%のポリエチ
レングリコールである。細胞融合を促進するために、コ
ルヒチン、ジメチルスルホキシド、ポリ−L−アルギニ
ンなどを添加することもできる。
リエチレングリコールであり、更に好ましくは平均分子
量が1000〜8000で30〜60重量%のポリエチ
レングリコールである。細胞融合を促進するために、コ
ルヒチン、ジメチルスルホキシド、ポリ−L−アルギニ
ンなどを添加することもできる。
【0018】細胞融合に用いるミエローマ細胞として
は、免疫された動物と異種の動物由来のものを使用する
こともできるが、得られるモノクローナル抗体産生ハイ
ブイリドーマ株の抗体産生量および安定性の面を考える
と、免疫された動物とは同種のミエローマ細胞を用いた
方がよく、更に好ましくは同種、同系の動物を用いる。
は、免疫された動物と異種の動物由来のものを使用する
こともできるが、得られるモノクローナル抗体産生ハイ
ブイリドーマ株の抗体産生量および安定性の面を考える
と、免疫された動物とは同種のミエローマ細胞を用いた
方がよく、更に好ましくは同種、同系の動物を用いる。
【0019】(5)ハイブリドーマの選択 ハイブリドーマの選択は、例えば、細胞融合操作後の細
胞をヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン、牛胎
児血清を含むリンパ球培養用培地(HAT培地)で培養
後、例えば、ELISA法(酵素免疫測定法)、ウエス
タンブロッテング法、プラーク形成法、凝集反応法、R
IA(ラジオアイソトープを用いた方法)、間接蛍光抗
体法(IFA)などで目的とするモノクローナル抗体産
生ウェルを検索すればよい。検定数が非常に多い場合の
抗体産生ウェルの検索では、まずELISA法で検索す
るのが好ましい。更に、この抗体がHIVのインテグラ
ーゼ活性を阻害するか否かは、例えばウエスタンブロッ
ティング法によって確認すればよい。
胞をヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン、牛胎
児血清を含むリンパ球培養用培地(HAT培地)で培養
後、例えば、ELISA法(酵素免疫測定法)、ウエス
タンブロッテング法、プラーク形成法、凝集反応法、R
IA(ラジオアイソトープを用いた方法)、間接蛍光抗
体法(IFA)などで目的とするモノクローナル抗体産
生ウェルを検索すればよい。検定数が非常に多い場合の
抗体産生ウェルの検索では、まずELISA法で検索す
るのが好ましい。更に、この抗体がHIVのインテグラ
ーゼ活性を阻害するか否かは、例えばウエスタンブロッ
ティング法によって確認すればよい。
【0020】ハイブリドーマの培養は、通常、培養プレ
ートの各ウェル(培養ウェル)に抗体産生ウェルの検索
に適した細胞個数を入れて行われる。このとき、必要に
応じてハイブリドーマの増殖促進物質またはそれを産生
する細胞(例えば、胸腺、脾臓、リンパ節由来のリンパ
球など)をフィーダー細胞として使用することができる
し、或はIL−6を含むリンパ球細胞培養用培地を使用
することもできる。
ートの各ウェル(培養ウェル)に抗体産生ウェルの検索
に適した細胞個数を入れて行われる。このとき、必要に
応じてハイブリドーマの増殖促進物質またはそれを産生
する細胞(例えば、胸腺、脾臓、リンパ節由来のリンパ
球など)をフィーダー細胞として使用することができる
し、或はIL−6を含むリンパ球細胞培養用培地を使用
することもできる。
【0021】HAT培地で増殖することによって選択さ
れたハイブリドーマは、抗体産生ウェルの検索に適した
細胞個数に達するまで、HAT培地で数日間培養し、更
に一般的に用いられる牛胎児血清を含有するリンパ球培
養用培地で培養する。
れたハイブリドーマは、抗体産生ウェルの検索に適した
細胞個数に達するまで、HAT培地で数日間培養し、更
に一般的に用いられる牛胎児血清を含有するリンパ球培
養用培地で培養する。
【0022】このようにして得られたハイブリドーマが
目的とする抗体を産生しているか否かをELISA法
(酵素免疫測定法)で検討する場合、以下のようにして
行えば良い。即ち、HIVのインテグラーゼやインテグ
ラーゼ産生形質転換菌などを固定化したELISAプレ
ートの各ウェル(測定ウェル)に、ハイブリドーマ培養
上清を加えて一定時間静置する。インテグラーゼの量
は、本試験で検出可能な程度の量でよい。
目的とする抗体を産生しているか否かをELISA法
(酵素免疫測定法)で検討する場合、以下のようにして
行えば良い。即ち、HIVのインテグラーゼやインテグ
ラーゼ産生形質転換菌などを固定化したELISAプレ
ートの各ウェル(測定ウェル)に、ハイブリドーマ培養
上清を加えて一定時間静置する。インテグラーゼの量
は、本試験で検出可能な程度の量でよい。
【0023】これらの測定ウェルを洗浄した後、各測定
ウェルに結合した動物由来の抗体と反応しうる酵素標識
抗体を、各測定ウェルに加えて一定時間静置する。標識
に用いる酵素は、例えば、ペルオキシターゼ、アルカル
ホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼなどを挙げるこ
とができる。
ウェルに結合した動物由来の抗体と反応しうる酵素標識
抗体を、各測定ウェルに加えて一定時間静置する。標識
に用いる酵素は、例えば、ペルオキシターゼ、アルカル
ホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼなどを挙げるこ
とができる。
【0024】標識される抗体は、測定ウェルに結合した
ハイブリドーマ培養上清由来の抗体だけと反応するもの
であれば特に限定されず、例えばマウス、ラット、ウサ
ギ、ヤギなどから得られた血清、またはマウス細胞など
を用いて作製されたハイブリドーマ株が産生したモノク
ローナル抗体を挙げることができる。
ハイブリドーマ培養上清由来の抗体だけと反応するもの
であれば特に限定されず、例えばマウス、ラット、ウサ
ギ、ヤギなどから得られた血清、またはマウス細胞など
を用いて作製されたハイブリドーマ株が産生したモノク
ローナル抗体を挙げることができる。
【0025】つぎに、これらの測定ウェルを洗浄し、用
いた酵素に対応した基質溶液を加えて酵素活性を測定す
る。そして、酵素活性が認められれば、その培養上清を
とった培養ウェル中にHIVのインテグラーゼと抗原抗
体反応する抗体を産生するハイブリドーマが存在してい
たことがわかる。このようにして、細胞増殖が認めら
れ、HIVのインテグラーゼと抗原抗体反応するモノク
ローナル抗体を産生しているハイブリドーマを得ること
ができる。
いた酵素に対応した基質溶液を加えて酵素活性を測定す
る。そして、酵素活性が認められれば、その培養上清を
とった培養ウェル中にHIVのインテグラーゼと抗原抗
体反応する抗体を産生するハイブリドーマが存在してい
たことがわかる。このようにして、細胞増殖が認めら
れ、HIVのインテグラーゼと抗原抗体反応するモノク
ローナル抗体を産生しているハイブリドーマを得ること
ができる。
【0026】(6)ハイブリドーマの株化(クローニン
グ) 株化は常法によって行えば良く、例えば、抗体産生が認
められた培養ウェル中のハイブリドーマは、限界希釈
法、シングル・セル・マニピュレーション法(倒立顕微
鏡下、1ウェルに1個のハイブリドーマを入れる方
法)、軟寒天を用いてコロニーを拾い上げる方法、FA
CS(Fluorecent Activated C
ell Sorter)を用いた方法などでクローニン
グすることができる。
グ) 株化は常法によって行えば良く、例えば、抗体産生が認
められた培養ウェル中のハイブリドーマは、限界希釈
法、シングル・セル・マニピュレーション法(倒立顕微
鏡下、1ウェルに1個のハイブリドーマを入れる方
法)、軟寒天を用いてコロニーを拾い上げる方法、FA
CS(Fluorecent Activated C
ell Sorter)を用いた方法などでクローニン
グすることができる。
【0027】このとき、前記のハイブリドーマを培養
し、その増殖が認められた培養ウェルの上清を用い、
(5)の抗体産生ハイブリドーマの選択で行ったELI
SA法と同様の方法で、抗体産生ウェルを検索する。こ
のようにして、HIVのインテグラーゼと抗原抗体反応
するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ株を
選択することができる。
し、その増殖が認められた培養ウェルの上清を用い、
(5)の抗体産生ハイブリドーマの選択で行ったELI
SA法と同様の方法で、抗体産生ウェルを検索する。こ
のようにして、HIVのインテグラーゼと抗原抗体反応
するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ株を
選択することができる。
【0028】(7)モノクローナル抗体の製造方法 本発明のモノクローナル抗体の産生方法は、上記のハイ
ブリドーマ株を用いること以外は常法に従えば良く、ハ
イブリドーマ株をフラスコ内で培養したり、または動物
の腹腔内で培養することによって行うことができる。ハ
イブリドーマ株のフラスコ内培養での該モノクローナル
抗体の産生は、例えば0〜20%牛胎児血清を含む一般
的に用いられるリンパ球培養用培地(具体例は前述)で
細胞濃度が上限に達するまで培養することによって行う
ことができる。このとき、該モノクローナル抗体は、遠
心操作で得た培養上清中に含まれている。
ブリドーマ株を用いること以外は常法に従えば良く、ハ
イブリドーマ株をフラスコ内で培養したり、または動物
の腹腔内で培養することによって行うことができる。ハ
イブリドーマ株のフラスコ内培養での該モノクローナル
抗体の産生は、例えば0〜20%牛胎児血清を含む一般
的に用いられるリンパ球培養用培地(具体例は前述)で
細胞濃度が上限に達するまで培養することによって行う
ことができる。このとき、該モノクローナル抗体は、遠
心操作で得た培養上清中に含まれている。
【0029】ハイブリドーマ株の培養で得られた該モノ
クローナル抗体は、例えばタンパク質の一般的な精製法
に適用されている塩析、透析、イオン交換クロマトグラ
フィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを行う
ことによって精製され、高純度のモノクローナル抗体と
なる。
クローナル抗体は、例えばタンパク質の一般的な精製法
に適用されている塩析、透析、イオン交換クロマトグラ
フィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを行う
ことによって精製され、高純度のモノクローナル抗体と
なる。
【0030】ハイブリドーマ株を動物腹腔内で培養する
場合、動物としてはマウス、ラット、ハムスターなどを
用いることができるが、細胞融合に用いた細胞が由来す
る動物と同種の動物を用ることが好ましく、特に同種・
同系の動物を用ることが好ましい。
場合、動物としてはマウス、ラット、ハムスターなどを
用いることができるが、細胞融合に用いた細胞が由来す
る動物と同種の動物を用ることが好ましく、特に同種・
同系の動物を用ることが好ましい。
【0031】培養に当たっては動物の腹腔内にこの動物
の免疫能を低下させる物質、例えばプリスタンなどの鉱
物油あるいはメチルテトラペンタデカンを投与してもよ
く、マウスを使用した場合、数週間後に5×105 〜1
07 個の株細胞に増殖させることができる。
の免疫能を低下させる物質、例えばプリスタンなどの鉱
物油あるいはメチルテトラペンタデカンを投与してもよ
く、マウスを使用した場合、数週間後に5×105 〜1
07 個の株細胞に増殖させることができる。
【0032】この方法の場合には生成する該モノクロー
ナル抗体は、遠心操作で得た腹水上清中に含まれてお
り、そして、その抗体濃度は、フラスコ内培養で得たと
きの培養上清の抗体濃度に比較してきわめて高く、例え
ば10〜1,000倍とすることも可能である。前記の
ようにして得た該モノクローナル抗体は、HIVのイン
テグラーゼとは抗原抗体反応する。
ナル抗体は、遠心操作で得た腹水上清中に含まれてお
り、そして、その抗体濃度は、フラスコ内培養で得たと
きの培養上清の抗体濃度に比較してきわめて高く、例え
ば10〜1,000倍とすることも可能である。前記の
ようにして得た該モノクローナル抗体は、HIVのイン
テグラーゼとは抗原抗体反応する。
【0033】
【発明の効果】本発明のモノクローナル抗体は、本発明
によって初めて入手可能となったものであり、HIVに
関する基礎研究のための試薬、及びAIDSを簡単、迅
速、且つ正確に診断するための臨床検査測定試薬などと
して有用である。
によって初めて入手可能となったものであり、HIVに
関する基礎研究のための試薬、及びAIDSを簡単、迅
速、且つ正確に診断するための臨床検査測定試薬などと
して有用である。
【0034】
【実施例】以下、本発明を参考例及び実施例によって具
体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範
囲を限定するものではない。
体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明の範
囲を限定するものではない。
【0035】(実施例1) 形質転換大腸菌GEX−I
Nの調製(免疫源の調製) (1)グルタチオン−S−トランスフェラーゼをコード
する遺伝子とインテグラーゼをコードする遺伝子を有す
る組み換えプラスミドpGEX−INの作製 HIV由来インテグラーゼタンパク質をコードするプラ
スミドpBH10(米国National Insti
tuted of HealthのDr.Gallo研
究室より入手)をサイト−ディレクテッド・ミュータジ
ェネシスキット(Bio−Rad社製)を用いて、Hi
ndIIIとNdeIサイトを挿入し、これをHind
IIIとNdeIで消化後、低融点アガロース電気泳動
で、約800bpの断片を分離し、フェノール抽出によ
りその断片を回収した。回収したDNA断片の両端はS
1ヌクレアーゼにて平滑末端とし、インテグラーゼのみ
をコードするcDNAを得た。
Nの調製(免疫源の調製) (1)グルタチオン−S−トランスフェラーゼをコード
する遺伝子とインテグラーゼをコードする遺伝子を有す
る組み換えプラスミドpGEX−INの作製 HIV由来インテグラーゼタンパク質をコードするプラ
スミドpBH10(米国National Insti
tuted of HealthのDr.Gallo研
究室より入手)をサイト−ディレクテッド・ミュータジ
ェネシスキット(Bio−Rad社製)を用いて、Hi
ndIIIとNdeIサイトを挿入し、これをHind
IIIとNdeIで消化後、低融点アガロース電気泳動
で、約800bpの断片を分離し、フェノール抽出によ
りその断片を回収した。回収したDNA断片の両端はS
1ヌクレアーゼにて平滑末端とし、インテグラーゼのみ
をコードするcDNAを得た。
【0036】ついで、プラスミドpGEX−3X(ファ
ルマシア社製)を制限酵素SmaIで処理し、先に得た
インテグラーゼ遺伝子を挿入、連結し、組み換えプラス
ミドを得た。遺伝子が組み込まれたことの確認は、イン
テグラーゼ遺伝子をプローブとしたコロニーハイブリダ
イゼーション法により選択し、さらに制限酵素EcoR
Iで先に得た組み換えプラスミドを処理すると、正方向
にインテグラーゼ断片が挿入されている場合は約480
bpの断片、逆方向の場合は約420bpの断片が得ら
れるため、断片の長さの判定から、正方向にインテグラ
ーゼ断片が挿入されている組み換えプラスミドを選択
し、得られた組み換えプラスミドをpGEX−INと命
名した。
ルマシア社製)を制限酵素SmaIで処理し、先に得た
インテグラーゼ遺伝子を挿入、連結し、組み換えプラス
ミドを得た。遺伝子が組み込まれたことの確認は、イン
テグラーゼ遺伝子をプローブとしたコロニーハイブリダ
イゼーション法により選択し、さらに制限酵素EcoR
Iで先に得た組み換えプラスミドを処理すると、正方向
にインテグラーゼ断片が挿入されている場合は約480
bpの断片、逆方向の場合は約420bpの断片が得ら
れるため、断片の長さの判定から、正方向にインテグラ
ーゼ断片が挿入されている組み換えプラスミドを選択
し、得られた組み換えプラスミドをpGEX−INと命
名した。
【0037】(2)形質転換大腸菌の作製と精製 大腸菌MV1190株のコンピテント細胞に上記(1)
で得た組み換えプラスミドpGEX−INを導入し、イ
ンテグラーゼ遺伝子が導入された大腸菌をインテグラー
ゼDNAをプローブとしたコロニーハイブリダイゼーシ
ョンにより選択し、得られた形質転換大腸菌をGEX−
INと命名した。
で得た組み換えプラスミドpGEX−INを導入し、イ
ンテグラーゼ遺伝子が導入された大腸菌をインテグラー
ゼDNAをプローブとしたコロニーハイブリダイゼーシ
ョンにより選択し、得られた形質転換大腸菌をGEX−
INと命名した。
【0038】続いて、このGEX−INの1コロニーを
25mlのLB培地で一晩培養後、さらに1lのLB培
地で3時間振盪培養(37℃)した後、イソプロピル−
β−D−チオガラクトピラノシド(以下、IPTGとい
う)濃度が1mMになるように加え、更に6時間培養し
続けた。この培養液を7,000×gで10分間遠心分
離し、大腸菌を回収し、リン酸緩衝整理食塩水溶液(以
下、PBSという)で3回洗浄した。
25mlのLB培地で一晩培養後、さらに1lのLB培
地で3時間振盪培養(37℃)した後、イソプロピル−
β−D−チオガラクトピラノシド(以下、IPTGとい
う)濃度が1mMになるように加え、更に6時間培養し
続けた。この培養液を7,000×gで10分間遠心分
離し、大腸菌を回収し、リン酸緩衝整理食塩水溶液(以
下、PBSという)で3回洗浄した。
【0039】これを最終濃度0.1%TritonX
(ナカライ・テスク社製)を加えた4mlのPBSに懸
濁し、30秒間3回超音波破砕した。さらに、10,0
00×g、10分間遠心分離し、その上清をグルタチオ
ンセファロースアフィニティークロマトグラフィー(G
lutathione Sepharose 4B使
用:ファルマシア社製)により融合タンパク質を粗精製
し、続いてカットオフ分子量10Kdで限外濾過し0.
5mlになるまで濃縮した。この濃縮サンプルを免疫原
とした。
(ナカライ・テスク社製)を加えた4mlのPBSに懸
濁し、30秒間3回超音波破砕した。さらに、10,0
00×g、10分間遠心分離し、その上清をグルタチオ
ンセファロースアフィニティークロマトグラフィー(G
lutathione Sepharose 4B使
用:ファルマシア社製)により融合タンパク質を粗精製
し、続いてカットオフ分子量10Kdで限外濾過し0.
5mlになるまで濃縮した。この濃縮サンプルを免疫原
とした。
【0040】また、得られた濃縮サンプル中のタンパク
質は、HIV感染者血清を100倍希釈したものを用い
たウエスタンブロットにより、58Kdのバンドとして
確認された。
質は、HIV感染者血清を100倍希釈したものを用い
たウエスタンブロットにより、58Kdのバンドとして
確認された。
【0041】(参考例2) ELISA用抗原の調製 実施例1で得た形質転換大腸菌(GEX−IN)を炭酸
緩衝液(水1l中に1.6g Na2CO3、2.9g
NaHCO3、0.16g NaN3を含む)で10μg
/mlの最終濃度に希釈してELISA用抗原とした。
緩衝液(水1l中に1.6g Na2CO3、2.9g
NaHCO3、0.16g NaN3を含む)で10μg
/mlの最終濃度に希釈してELISA用抗原とした。
【0042】(実施例2) (1)マウスの免疫及び脾臓リンパ球の調製 参考例1で得た大腸菌GEX−INを1.5×108/
mlを含むMEM溶液(2%牛胎児血清含有)を50μ
lずつBALB/cマウス(メス、7週齢)の両後肢足
蹠皮下に投与した。初回免疫から4週間後に前記と同様
に調製した大腸菌GEX−INの溶液を同マウスの尾静
脈に100μl投与した。
mlを含むMEM溶液(2%牛胎児血清含有)を50μ
lずつBALB/cマウス(メス、7週齢)の両後肢足
蹠皮下に投与した。初回免疫から4週間後に前記と同様
に調製した大腸菌GEX−INの溶液を同マウスの尾静
脈に100μl投与した。
【0043】更に、初回免疫から6週間後に前記と同様
に調製したワクチニアウイルスmOINの溶液を同マウ
スの尾静脈に100μl投与した。このようにして最終
免疫から3日後のマウスより摘出された脾臓を、10m
MHEPESを含むMEM溶液(細胞培養用培地粉末を
蒸留水に溶解したもの)を入れたシャーレ中で洗い、新
たに用意したMEM溶液の中に移して、注射筒と注射針
とを用いてMEMで還流した。このようにして得た浮遊
リンパ球を、MEM溶液に懸濁して、1200×g、5
分間遠心分離し、MEM溶液に再懸濁し、細胞融合に使
用するマウス脾臓リンパ球とした。
に調製したワクチニアウイルスmOINの溶液を同マウ
スの尾静脈に100μl投与した。このようにして最終
免疫から3日後のマウスより摘出された脾臓を、10m
MHEPESを含むMEM溶液(細胞培養用培地粉末を
蒸留水に溶解したもの)を入れたシャーレ中で洗い、新
たに用意したMEM溶液の中に移して、注射筒と注射針
とを用いてMEMで還流した。このようにして得た浮遊
リンパ球を、MEM溶液に懸濁して、1200×g、5
分間遠心分離し、MEM溶液に再懸濁し、細胞融合に使
用するマウス脾臓リンパ球とした。
【0044】(2)細胞融合 3.75×107個の対数増殖期にある8−アザグアニ
ン耐性のマウスミエローマ細胞(SP2/O)と上記
(1)のマウスの脾臓リンパ球1.5×108個とを5
0ml容プラスチック製コニカル遠心管にいれ、混合
し、ついで、上清を1200×g,5分間遠心分離した
後に、同遠心管を軽く叩いてペレットをほぐした。この
ペレットを激しく振盪しながら、この中に、50%PE
G4000容液1mlを37℃下、1分間かけて加え、
更に1分間激しく振盪した。
ン耐性のマウスミエローマ細胞(SP2/O)と上記
(1)のマウスの脾臓リンパ球1.5×108個とを5
0ml容プラスチック製コニカル遠心管にいれ、混合
し、ついで、上清を1200×g,5分間遠心分離した
後に、同遠心管を軽く叩いてペレットをほぐした。この
ペレットを激しく振盪しながら、この中に、50%PE
G4000容液1mlを37℃下、1分間かけて加え、
更に1分間激しく振盪した。
【0045】同遠心管を穏やかに振盪しながらMEM溶
液を、最終的に10mlになるように、37℃下、数分
間かけて加えた。その後、室温で350×g、6分間遠
心分離し、上清を吸引除去した。同遠心管を軽く叩いて
ペレットをほぐし、70mlのHAT培地(1×10- 4
Mヒポキサンチン、4×10-7Mアミノプテリン、1.
6×10-5Mチミジン、牛胎児血清を含有するIMDM
培地、37℃に保温)に懸濁して、96ウェルの培養プ
レート7枚の各培養ウェルに100μl分注して、5%
CO2、37℃、湿度100%でインキュベーターを用
いて培養した。
液を、最終的に10mlになるように、37℃下、数分
間かけて加えた。その後、室温で350×g、6分間遠
心分離し、上清を吸引除去した。同遠心管を軽く叩いて
ペレットをほぐし、70mlのHAT培地(1×10- 4
Mヒポキサンチン、4×10-7Mアミノプテリン、1.
6×10-5Mチミジン、牛胎児血清を含有するIMDM
培地、37℃に保温)に懸濁して、96ウェルの培養プ
レート7枚の各培養ウェルに100μl分注して、5%
CO2、37℃、湿度100%でインキュベーターを用
いて培養した。
【0046】(3)ハイブリドーマの選択 上記(2)の培養開始から2週間後、細胞増殖が認めら
れた培養プレートの各ウェルの培養上清中に、HIVの
インテグラーゼ対する抗体が含まれているか否かを以下
のELISA法により検討した。まず、96ウェルEL
ISAプレートの各分析ウェルに、参考例2で調製した
ELISA用溶液を50μlずつ分注し、4℃で一晩静
置した後、2%スキムミルクを含むPBS緩衝液で、室
温下、2時間ブロッキングした。
れた培養プレートの各ウェルの培養上清中に、HIVの
インテグラーゼ対する抗体が含まれているか否かを以下
のELISA法により検討した。まず、96ウェルEL
ISAプレートの各分析ウェルに、参考例2で調製した
ELISA用溶液を50μlずつ分注し、4℃で一晩静
置した後、2%スキムミルクを含むPBS緩衝液で、室
温下、2時間ブロッキングした。
【0047】ついで、ELISAプレートに0.05%
のTween20を含むPBSで2回洗浄した後、上記
(2)で得たハイブリドーマ細胞の培養上清を各分析ウ
ェルに50μlずつ入れて室温で1時間静置した。な
お、陰性対照にはHAT培地を用い、陽性対照には本発
明での細胞融合に用いたマウスの血清を1000倍に希
釈したものを用いた。
のTween20を含むPBSで2回洗浄した後、上記
(2)で得たハイブリドーマ細胞の培養上清を各分析ウ
ェルに50μlずつ入れて室温で1時間静置した。な
お、陰性対照にはHAT培地を用い、陽性対照には本発
明での細胞融合に用いたマウスの血清を1000倍に希
釈したものを用いた。
【0048】つぎに、ELISAプレートの各分析ウェ
ルを前記PBS洗浄液で4回洗浄し、マウス免疫グロブ
リンに対するペルオキシダーゼ標記した抗体溶液IgG
+IgM(TAGO社製)を、50μlずつ、各分析ウ
ェルに分注し、室温で1時間静置した。そして、ELI
SAプレートの各分析ウェルを前記PBS洗浄液で4回
洗浄後、1ml中に1mgのABTS反応液(1mg/
ml 2,2’−Azino−bis(3−ethlb
enzothiazoline−6−sulfinic
acid)、28mMクエン酸、44mMリン酸水素
二ナトリウム、0.003%過酸化水素)を50μlず
つ各分析ウェルに分注し、室温で、30分間反応後、マ
イクロプレート用の吸光度測定装置を用いて、各ウェル
の405nm(対照490nm)における吸光度を測定
し、抗原抗体反応の有無を調べた。
ルを前記PBS洗浄液で4回洗浄し、マウス免疫グロブ
リンに対するペルオキシダーゼ標記した抗体溶液IgG
+IgM(TAGO社製)を、50μlずつ、各分析ウ
ェルに分注し、室温で1時間静置した。そして、ELI
SAプレートの各分析ウェルを前記PBS洗浄液で4回
洗浄後、1ml中に1mgのABTS反応液(1mg/
ml 2,2’−Azino−bis(3−ethlb
enzothiazoline−6−sulfinic
acid)、28mMクエン酸、44mMリン酸水素
二ナトリウム、0.003%過酸化水素)を50μlず
つ各分析ウェルに分注し、室温で、30分間反応後、マ
イクロプレート用の吸光度測定装置を用いて、各ウェル
の405nm(対照490nm)における吸光度を測定
し、抗原抗体反応の有無を調べた。
【0049】この結果、培養プレート中の686個の培
養ウェルのうち、4個のウェルにHIVのインテグラー
ゼに対する抗体の産生が認められた。これらの抗体を産
生した4個の培養ウェルについて、ウエスタンブロッテ
ィング法を行ったところ、この培養ウェル4個の中の2
個でHIVのインテグラーゼに反応した抗体が認められ
た。即ち、この2個の培養ウェルには、HIVの逆転写
酵素と反応する抗体を産生するハイブリドーマが存在す
ることが確認された。
養ウェルのうち、4個のウェルにHIVのインテグラー
ゼに対する抗体の産生が認められた。これらの抗体を産
生した4個の培養ウェルについて、ウエスタンブロッテ
ィング法を行ったところ、この培養ウェル4個の中の2
個でHIVのインテグラーゼに反応した抗体が認められ
た。即ち、この2個の培養ウェルには、HIVの逆転写
酵素と反応する抗体を産生するハイブリドーマが存在す
ることが確認された。
【0050】(4)ハイブリドーマの株化(クローニン
グ) 20%牛胎児血清を含むIMDM培地を用いて、上記
(3)で得られたインテグラーゼに反応した抗体を含有
した2個の培養ウェルについて限界希釈法でハイブリド
ーマをクローニングした。ハイブリドーマ培養には、9
6ウェル培養プレートを用い、各ウェルにハイブリドー
マ1個/フィーダー細胞を含むリンパ球培養用培地10
0μlとし、室温で培養した。
グ) 20%牛胎児血清を含むIMDM培地を用いて、上記
(3)で得られたインテグラーゼに反応した抗体を含有
した2個の培養ウェルについて限界希釈法でハイブリド
ーマをクローニングした。ハイブリドーマ培養には、9
6ウェル培養プレートを用い、各ウェルにハイブリドー
マ1個/フィーダー細胞を含むリンパ球培養用培地10
0μlとし、室温で培養した。
【0051】培養開始後、10日目から単一コロニーと
して観察される培養ウェルの上清を採取して、参考例2
で調製した溶液を用いて、上記(3)と同様の方法でE
LISA法により抗体産生ウェルのスクリーニングを行
い、ハイブリドーマ株を少なくとも2株ずづ得、これら
を再クローニングした。得られたハイブリドーマ株を6
F4株と命名し、この6F4株が産生したモノクローナ
ル抗体を6F4と称する。
して観察される培養ウェルの上清を採取して、参考例2
で調製した溶液を用いて、上記(3)と同様の方法でE
LISA法により抗体産生ウェルのスクリーニングを行
い、ハイブリドーマ株を少なくとも2株ずづ得、これら
を再クローニングした。得られたハイブリドーマ株を6
F4株と命名し、この6F4株が産生したモノクローナ
ル抗体を6F4と称する。
【0052】(実施例2) フラスコ培養でのHIVの
インテグラーゼに対するモノクローナル抗体の産生 15%牛胎児血清を含むIMDM培地で、実施例1で得
た6F4株の培養細胞を死滅直前(細胞数はどれくらい
になるまでか)まで培養し、その培養液を1500×
g、5分間遠心分離して得られた上清中に、HIVのイ
ンテグラーゼに対するモノクローナル抗体(6F4)が
98μg/ml(ELISA法により測定)含有されて
いた。
インテグラーゼに対するモノクローナル抗体の産生 15%牛胎児血清を含むIMDM培地で、実施例1で得
た6F4株の培養細胞を死滅直前(細胞数はどれくらい
になるまでか)まで培養し、その培養液を1500×
g、5分間遠心分離して得られた上清中に、HIVのイ
ンテグラーゼに対するモノクローナル抗体(6F4)が
98μg/ml(ELISA法により測定)含有されて
いた。
【0053】(実施例3) マウス腹腔内でのHIVに
インテグラーゼに対するモノクローナル抗体の生産 HIVのインテグラーゼに対する大量のモノクローナル
抗体を得るために、マウスの腹腔内で6F4株の細胞を
培養した。このマウスの体重は、1週間目頃から顕著な
増加を示し、2週間目に腹水を1匹当り5mlずつ採取
した。この腹水を1500×g、5分間遠心分離して、
腹水上清を得た。HIVのインテグラーゼに対するモノ
クローナル抗体(6F4)は、この腹水上清中に1mg
/ml(ELISAにより測定)含有されていた。
インテグラーゼに対するモノクローナル抗体の生産 HIVのインテグラーゼに対する大量のモノクローナル
抗体を得るために、マウスの腹腔内で6F4株の細胞を
培養した。このマウスの体重は、1週間目頃から顕著な
増加を示し、2週間目に腹水を1匹当り5mlずつ採取
した。この腹水を1500×g、5分間遠心分離して、
腹水上清を得た。HIVのインテグラーゼに対するモノ
クローナル抗体(6F4)は、この腹水上清中に1mg
/ml(ELISAにより測定)含有されていた。
【0054】(実施例4) モノクローナル抗体6F4
の性質 (測定試験1) モノクローナル抗体6F4のクラス・
サブクラスの決定 モノクローナル抗体6F4のクラス・サブクラスの決定
は、マウス抗体の各クラスに特異的なペルオキシダーゼ
標識抗体溶液(IgG1、IgG2a、IgG2b、I
gG3、IgM、IgA、κ型L鎖およびλ型L鎖に対
する西洋ワサビペルオキシダーゼで標識された抗体)を
用いた実施例1(3)と同様の方法でELISA法、及
びマウス抗体の各クラス・サブクラスに特異的な抗体溶
液(IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、I
gM、IgA、κ型L鎖およびλ型L鎖に対する西洋ワ
サビペルオキシダーゼで標識された抗体)を用いたオク
タロニー法で行った。その結果、実施例1で得たモノク
ローナル抗体6F4は、IgMに属する抗体であり、L
鎖はκであることがわかった。
の性質 (測定試験1) モノクローナル抗体6F4のクラス・
サブクラスの決定 モノクローナル抗体6F4のクラス・サブクラスの決定
は、マウス抗体の各クラスに特異的なペルオキシダーゼ
標識抗体溶液(IgG1、IgG2a、IgG2b、I
gG3、IgM、IgA、κ型L鎖およびλ型L鎖に対
する西洋ワサビペルオキシダーゼで標識された抗体)を
用いた実施例1(3)と同様の方法でELISA法、及
びマウス抗体の各クラス・サブクラスに特異的な抗体溶
液(IgG1、IgG2a、IgG2b、IgG3、I
gM、IgA、κ型L鎖およびλ型L鎖に対する西洋ワ
サビペルオキシダーゼで標識された抗体)を用いたオク
タロニー法で行った。その結果、実施例1で得たモノク
ローナル抗体6F4は、IgMに属する抗体であり、L
鎖はκであることがわかった。
【0055】(測定試験2) モノクローナル抗体6F
4の反応性の検討 モノクローナル抗体(6F4)は、HIVウエスタンブ
ロットキット(オーソ・ダイアグノスティック・システ
ム社製)を使用したウエスタンブロットで32Kdの単
一バンドとして確認され、この結果から、本発明のモノ
クローナル抗体は、HIVのインテグラーゼと抗原抗体
反応することがわかった。
4の反応性の検討 モノクローナル抗体(6F4)は、HIVウエスタンブ
ロットキット(オーソ・ダイアグノスティック・システ
ム社製)を使用したウエスタンブロットで32Kdの単
一バンドとして確認され、この結果から、本発明のモノ
クローナル抗体は、HIVのインテグラーゼと抗原抗体
反応することがわかった。
【0056】(測定試験3) モノクローナル抗体6F
4の反応部位の検討 (1)タンパク質の調製 実施例1(1)で作製したGST遺伝子とインテグラー
ゼ遺伝子とを有するプラスミドpGEX−INを制限酵
素EcoRIで処理し、インテグラーゼ遺伝子の前半部
分(5’側)を含む約5400bpの断片とインテグラ
ーゼ遺伝子の後半部分(3’側)である約400bpの
断片を得た。約5400bpの断片をライゲーション
し、得られたプラスミドをpGEX−INHと命名し
た。一方、約400bpの断片は、EcoRIで切断し
たpGEX−2T(ファルマシア社製)に挿入、連結
し、得られたプラスミドをpGEX−INEと命名し
た。
4の反応部位の検討 (1)タンパク質の調製 実施例1(1)で作製したGST遺伝子とインテグラー
ゼ遺伝子とを有するプラスミドpGEX−INを制限酵
素EcoRIで処理し、インテグラーゼ遺伝子の前半部
分(5’側)を含む約5400bpの断片とインテグラ
ーゼ遺伝子の後半部分(3’側)である約400bpの
断片を得た。約5400bpの断片をライゲーション
し、得られたプラスミドをpGEX−INHと命名し
た。一方、約400bpの断片は、EcoRIで切断し
たpGEX−2T(ファルマシア社製)に挿入、連結
し、得られたプラスミドをpGEX−INEと命名し
た。
【0057】このようにして得られたプラスミドをそれ
ぞれ、常法にしたがって大腸菌MU1190株(バイオ
ラッド社製)に形質転換させ、プラークハイブリダイゼ
ーション法により形質転換大腸菌を得、それぞれをGE
X−INH、GEX−INEと命名した。これらの形質
転換大腸菌が発現したHIV由来の2種類のタンパク質
をアフィニティークロマトグラフィーによって精製し
た。
ぞれ、常法にしたがって大腸菌MU1190株(バイオ
ラッド社製)に形質転換させ、プラークハイブリダイゼ
ーション法により形質転換大腸菌を得、それぞれをGE
X−INH、GEX−INEと命名した。これらの形質
転換大腸菌が発現したHIV由来の2種類のタンパク質
をアフィニティークロマトグラフィーによって精製し
た。
【0058】(2)反応部位の検討 上記(1)で得られた2種類のタンパク質とモノクロー
ナル抗体6F4との反応性をウエスタンブロッティング
により検討したところ、インテグラーゼ遺伝子の前半部
分(5’側)を有する形質転換大腸菌GEX−INHが
発現したタンパク質とは反応したが、インテグラーゼ遺
伝子の後半部分(3’側)を有する形質転換大腸菌GE
X−INEが発現したタンパク質とは反応しなかった。
このことから、モノクローナル抗体6F4は、インテグ
ラーゼの前半部分のエピトープと反応していることがわ
かった。一方、HIV感染患者血清についても同様の検
討を行ったところ、インテグラーゼの後半部分のエピト
ープと反応していた。
ナル抗体6F4との反応性をウエスタンブロッティング
により検討したところ、インテグラーゼ遺伝子の前半部
分(5’側)を有する形質転換大腸菌GEX−INHが
発現したタンパク質とは反応したが、インテグラーゼ遺
伝子の後半部分(3’側)を有する形質転換大腸菌GE
X−INEが発現したタンパク質とは反応しなかった。
このことから、モノクローナル抗体6F4は、インテグ
ラーゼの前半部分のエピトープと反応していることがわ
かった。一方、HIV感染患者血清についても同様の検
討を行ったところ、インテグラーゼの後半部分のエピト
ープと反応していた。
【0059】(測定試験4) 哺乳動物細胞中で発現し
たインテグラーゼとの反応性の検討 (1)組み換えプラスミドの作製 pAK8(特開平2−303482号公報記載)を制限
酵素HinfIで消化後、S1ヌクレアーゼ処理した
後、SalIで消化し、ライゲーションしてプラスミド
pAK9を作製し、これを制限酵素SacIと制限酵素
EcoRIで消化し、制限酵素NcoIで切断される部
位を有する合成DNAクローニングサイトを挿入した
後、PvuIIでTK遺伝子を切断し、プラスミドpA
K10を作製した。
たインテグラーゼとの反応性の検討 (1)組み換えプラスミドの作製 pAK8(特開平2−303482号公報記載)を制限
酵素HinfIで消化後、S1ヌクレアーゼ処理した
後、SalIで消化し、ライゲーションしてプラスミド
pAK9を作製し、これを制限酵素SacIと制限酵素
EcoRIで消化し、制限酵素NcoIで切断される部
位を有する合成DNAクローニングサイトを挿入した
後、PvuIIでTK遺伝子を切断し、プラスミドpA
K10を作製した。
【0060】このpAK10を制限酵素NcoIで消化
後、ポリメラーゼにより平滑末端とし、さらにアルカリ
フォスフォフェラーゼ処理し、セルフライゲーションを
阻害したDNA断片とした。このDNA断片に、実施例
1(1)で用いたHIVのインテグラーゼをコードする
cDNAをライゲーションして得られた組み換えプラス
ミドをpAK−INと命名した。
後、ポリメラーゼにより平滑末端とし、さらにアルカリ
フォスフォフェラーゼ処理し、セルフライゲーションを
阻害したDNA断片とした。このDNA断片に、実施例
1(1)で用いたHIVのインテグラーゼをコードする
cDNAをライゲーションして得られた組み換えプラス
ミドをpAK−INと命名した。
【0061】(2)組み換えワクチニアウイルスの作製 即ち、10cmの培養ディッシュに培養されたRK−1
3(大日本製薬より購入)細胞に弱毒痘そうウィルス株
(特開昭62−44178号記載の弱毒痘そう株mO
株、財団法人千葉血清から分与)を0.1pfu/細胞
の割合で接種し、60分後、ウィルス液を捨てた。
3(大日本製薬より購入)細胞に弱毒痘そうウィルス株
(特開昭62−44178号記載の弱毒痘そう株mO
株、財団法人千葉血清から分与)を0.1pfu/細胞
の割合で接種し、60分後、ウィルス液を捨てた。
【0062】ついで、5μgの組み換えプラスミドpA
K−INを鮭精子DNA 25μgと共に、水で溶か
し、450μlにした後、樋高ら(蛋白質・核酸・酵
素、27、340、1985)の方法によってDNA−
リン酸カルシウム共沈物をつくり、その0.5mlをワ
クチニアウイルスmO株感染RK−13細胞上に滴下し
た。
K−INを鮭精子DNA 25μgと共に、水で溶か
し、450μlにした後、樋高ら(蛋白質・核酸・酵
素、27、340、1985)の方法によってDNA−
リン酸カルシウム共沈物をつくり、その0.5mlをワ
クチニアウイルスmO株感染RK−13細胞上に滴下し
た。
【0063】30分間37℃、5% CO2インキュベ
ーターに静置し、5%牛胎児血清を含むEagle M
EM 4.5mlを加えた。その3時間後培養液を交換
し、48時間後、プラークが形成された培養細胞ごと3
度凍結融解し、30秒間、氷冷下で超音波処理した。そ
の処理物を1000×gで30分間遠心分離し、その上
清を回収し、組み換えワクチニアウイルスを含むウィル
ス液とした。
ーターに静置し、5%牛胎児血清を含むEagle M
EM 4.5mlを加えた。その3時間後培養液を交換
し、48時間後、プラークが形成された培養細胞ごと3
度凍結融解し、30秒間、氷冷下で超音波処理した。そ
の処理物を1000×gで30分間遠心分離し、その上
清を回収し、組み換えワクチニアウイルスを含むウィル
ス液とした。
【0064】組み換えワクチニアウイルスのインテグラ
ーゼ遺伝子挿入を確認するため、6cmのペトリ皿にコ
ンフレントに培養されたTK陰性143細胞(大日本製
薬より購入)に上記ウィルス液(5×108p.f.
u./ml)を1000μl接種し、45分後、1%寒
天、12%牛胎児血清、25μg/ml BUdR を
加えたEagle MEMを積層し、3日間培養後感染
細胞を0.01%中性紅で染色した。形成されたそれぞ
れのプラークをパスツールピペットで単離し、Eagl
e MEM培地中に希釈した。単離したそれぞれのプラ
ークにつき、再度同様の操作を繰り返し、プラークを純
化した。
ーゼ遺伝子挿入を確認するため、6cmのペトリ皿にコ
ンフレントに培養されたTK陰性143細胞(大日本製
薬より購入)に上記ウィルス液(5×108p.f.
u./ml)を1000μl接種し、45分後、1%寒
天、12%牛胎児血清、25μg/ml BUdR を
加えたEagle MEMを積層し、3日間培養後感染
細胞を0.01%中性紅で染色した。形成されたそれぞ
れのプラークをパスツールピペットで単離し、Eagl
e MEM培地中に希釈した。単離したそれぞれのプラ
ークにつき、再度同様の操作を繰り返し、プラークを純
化した。
【0065】(3)哺乳動物細胞中で発現したインテグ
ラーゼとの反応性の検討 この組み換えワクチニアウイルスが発現しているタンパ
ク質と、実施例1で得たモノクローナル抗体6F4とが
抗原抗体反応することをウエスタンブロッティングによ
り確認した。このことから、モノクローナル抗体6F4
は、哺乳動物細胞中で発現したインテグラーゼとも反応
することがわかった。
ラーゼとの反応性の検討 この組み換えワクチニアウイルスが発現しているタンパ
ク質と、実施例1で得たモノクローナル抗体6F4とが
抗原抗体反応することをウエスタンブロッティングによ
り確認した。このことから、モノクローナル抗体6F4
は、哺乳動物細胞中で発現したインテグラーゼとも反応
することがわかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/569 H 9015−2J 33/577 B 9015−2J (C12P 21/08 C12R 1:91)
Claims (2)
- 【請求項1】 ヒト免疫不全ウイルスのインテグラーゼ
に対して抗原抗体反応しうるモノクローナル抗体。 - 【請求項2】 ヒト免疫不全ウイルスのインテグラーゼ
を発現しうる大腸菌を動物に免疫し、その動物から得ら
れたリンパ球とミエローマ細胞とを融合して得られた請
求項1記載のモノクローナル抗体産生能を有するハイブ
リドーマ株。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4131777A JPH05304985A (ja) | 1992-04-24 | 1992-04-24 | ヒト免疫不全ウイルスのインテグラーゼに対するモノクローナル抗体、およびそれを産生する細胞 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4131777A JPH05304985A (ja) | 1992-04-24 | 1992-04-24 | ヒト免疫不全ウイルスのインテグラーゼに対するモノクローナル抗体、およびそれを産生する細胞 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05304985A true JPH05304985A (ja) | 1993-11-19 |
Family
ID=15065911
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4131777A Pending JPH05304985A (ja) | 1992-04-24 | 1992-04-24 | ヒト免疫不全ウイルスのインテグラーゼに対するモノクローナル抗体、およびそれを産生する細胞 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05304985A (ja) |
-
1992
- 1992-04-24 JP JP4131777A patent/JPH05304985A/ja active Pending
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