JPH05301747A - 合わせガラスの製造装置 - Google Patents

合わせガラスの製造装置

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Publication number
JPH05301747A
JPH05301747A JP13602892A JP13602892A JPH05301747A JP H05301747 A JPH05301747 A JP H05301747A JP 13602892 A JP13602892 A JP 13602892A JP 13602892 A JP13602892 A JP 13602892A JP H05301747 A JPH05301747 A JP H05301747A
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JP
Japan
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heater
heating
box
temperature
glass
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Application number
JP13602892A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Ujita
喜晴 氏田
Yasuyuki Asahi
康行 旭
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National House Industrial Co Ltd
Original Assignee
National House Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】熱融着フィルムにより一体化した2枚のガラス
板からなる合わせガラスの製造に際して熱効率を向上し
うる。 【構成】2枚のガラス板とその間に介在する熱融着フィ
ルムとからなる重ね合わせ体を載置する基台に、前記重
ね合わせ体の周縁からはみ出してこの重ね合わせ体を覆
う減圧用カバーのはみ出し部を基台との間で押圧する押
え枠を設けしかも前記基台に減圧用カバー内を真空引き
する脱気口を設けた減圧台、および下開放の箱体と、こ
の箱体内部に取付けられかつ温度調整可能な多数個の遠
赤外線ヒータが面状に配列されるとともに前記箱体の下
降により前記重ね合わせ体を加熱するヒータ部とからな
る加熱具を設けた加熱機からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱融着フィルムにより
一体化した2枚のガラス板からなる合わせガラスの製造
に際して熱効率を向上しうる合わせガラスの製造装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】図10に示すように、2枚のガラス板
A、Aをその間に介在する熱融着フィルムBによって一
体化した合わせガラスCが、近年、安全性に優れ、かつ
装飾をも必要により施しうるなどの理由によって多用さ
れている。
【0003】このような合わせガラスCを製造するに
は、例えば図11(A)、(B)に示すように上下のガ
ラス板A、Aと、その間に介在する熱融着フィルムBと
からなる重ね合わせ体Dを載置板E上に載置するととも
に、この重ね合わせ体Dの上面を減圧用カバーFにより
覆いかつこの減圧用カバーFの前記重ね合わせ体Dから
のはみ出し部F1を押え枠により、図11(A)に示す
ようにスポンジからなるシール材G、又は図11(B)
に示すようにOリングからなるシール材Gを介して載置
板Eとの間で挟持した上、載置板Eの脱気口から減圧用
カバーF内を真空引きし、脱気した後、加熱具を用いて
加熱し、前記熱融着フィルムBによってガラス板A、A
を一体化している。
【0004】他方、このような合わせガラスCを製造す
る従来の合わせガラスの製造装置では、前記加熱のため
に、例えば図12に示すような加熱炉Iを用いるととも
に、本出願人の提案に係る特開昭63ー85032号公
報が示すように、加熱のために赤外線ランプを使用し、
重ね合わせ体Dの加熱は、赤外線ランプによる直接的加
熱とともに、加熱炉I全体を昇温することにより、重ね
合わせ体Dの中間部、周辺部など全面に亘る均等な温度
上昇を意図していた。
【0005】なおこの加熱炉Iは、例えば前後に前記重
ね合わせ体Dを載置した減圧台車が出入りする出入口を
開閉する扉Kを具えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のものは、重ね合わせ体Dの均熱のために加熱炉I
全体を昇温させるものであり、さらには扉Kの開閉によ
って、熱ロスが生じ、さらに赤外線ランプを用いている
ため、均熱のために重ね合わせ体Dとの間の距離を小と
なしえないなど、熱利用効率に劣り、昇温時間が長くな
り作業能率に劣るとともに、装置が大型化する他、重ね
合わせ体Dを均一に昇温するのが困難であるという解決
すべき課題がある。
【0007】本発明は、多数個の温度調整しうる遠赤外
線ヒータを用いて面状のヒータ部を形成することにより
各遠赤外線ヒータを最適に昇温可能とし、かつ箱体内の
ヒータ部の下降によって重ね合わせ体を加熱することを
基本として、熱効率を向上しかつ均熱化をも可能とする
合わせガラスの製造装置の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、2枚のガラス
板間に熱融着フィルムを介在させかつ加熱することによ
り前記熱融着フィルムによって2枚のガラス板を一体化
した合わせガラスを製造する合わせガラスの製造装置で
あって、2枚のガラス板とその間に介在する前記熱融着
フィルムとからなる重ね合わせ体を載置する基台に、前
記重ね合わせ体の周縁からはみ出してこの重ね合わせ体
を覆う減圧用カバーのはみ出し部を基台との間で押圧す
る押え枠を設けしかも前記基台に減圧用カバー内を真空
引きする脱気口を設けた減圧台、および下開放の昇降可
能な箱体と、この箱体内部に取付けられかつ温度調整可
能な多数個の遠赤外線ヒータが面状に配列されるととも
に前記箱体の下降により前記重ね合わせ体を加熱するヒ
ータ部とからなる加熱具を設けた加熱機からなることを
特徴とする合わせガラスの製造装置である。
【0009】
【作用】加熱機は、昇降可能な下開放の箱体とこの箱体
内部に取付くヒータ部とからなる加熱具を具え、又ヒー
タ部は温度調整可能な多数個の遠赤外線ヒータを、例え
ば縦横に並べて面状に配列している。
【0010】このように、昇降可能な加熱具を用いるこ
とによって、ヒータ部を重ね合わせ体Dに近づけること
が可能となり、又ヒータ部を箱体内部に配しているため
熱効率を向上するとともに、各遠赤外線ヒータを調整で
き、例えば重ね合わせ体Dの中央部に向く遠赤外線ヒー
タに比して周辺部に向く遠赤外線ヒータの温度を大と
し、かつ重ね合わせ体Dのコーナ部に向くコーナの遠赤
外線ヒータを、その間で例えば縦横に並ぶ遠赤外線ヒー
タよりも高温とするなどによって、重ね合わせ体Dをコ
ーナ部を含む周辺部から中央部に亘って略均一な加熱を
なしうることとなる。
【0011】これにより品質を高めうる他、昇温時間を
短縮することが可能となり、作業能率、熱効率を向上す
るとともに、装置の小型化にも役立つ。
【0012】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。合わせガラスの製造装置1は、図10に示すごと
く、2枚のガラス板A、Aとその間に介在する熱融着フ
ィルムBとを重ねた重ね合わせ体Dを加熱することによ
り、前記熱融着フィルムBによってガラス板A、Aを一
体化した合わせガラスCを製造するのに使用される。
【0013】又前記熱融着フィルムBは、EVA粉末、
PVB粉末を溶融させて形成した樹脂フイルム、EVA
ケン化共重合体フイルム(「デユミランフイルム」商品
名、武田薬品工業株式会社製)、あるいはこれらフイル
ムにエンボスを施したもの、これら2枚のフイルム間に
模様入りフイルム、ポリエステルフイルム、アセテート
フイルムのような不透明、着色フイルムを介装させたも
のなどを利用できる。
【0014】さらに加熱に際しては、ポリエステルフイ
ルムなどからなる減圧用カバーFにより重ね合わせ体D
を覆いかつ減圧用カバーFの重ね合わせ体Dからのはみ
出し部F1を押圧しかつ内部の脱気によって内部を30
torr以下、好ましくは5torr以下に減圧し、ガラス板
A、A間の前記熱融着フィルムBの気泡を除去する。
【0015】なお前記のように、加熱、溶融によりガラ
ス板A、Aを融着、一体化し、しかる後、常圧に戻して
減圧用カバーFを剥がすことによって合わせガラスCを
生産しうる。
【0016】合わせガラスの製造装置1は、図1〜図4
に示すように、減圧台2と、加熱機3とを具え、前記又
減圧台2は、前記重ね合わせ体Dを載置する基台5に、
重ね合わせ体Dを覆う前記減圧用カバーFのはみ出し部
F1を押圧する押え枠6を設けている。
【0017】又前記加熱機3は、前記減圧台車2が下方
に位置する枠体7に下開放の箱体10と該箱体10内部
に設けたヒータ部11とからなる加熱具13を具えてお
り、さらにヒータ部11は温度調整可能な多数個の遠赤
外線ヒータ15…を例えば図7(A)に示すように面状
に配列してなる。
【0018】本例では、前記基台5は走行台車として形
成され、これにより減圧台2は前記加熱機3に向かって
移動しうる走行可能な減圧台車をなす。以下基台5を走
行台車5、減圧台2を減圧台車2として説明する。なお
加熱機を移動自在とすることもできる。
【0019】又前記加熱機3には、その下方を通り前後
に縦方向にのびるレール30、30が設けられ、該レー
ル30、30の延長部に各1台の前記減圧台車2が配さ
れる(なお図1、図2において右方の減圧台車2は一点
鎖線で略示し、又図3において、左方の減圧台車2をレ
ール30とともに省略して示している)。
【0020】なおレール30、30は脚片を有する長尺
の支持枠体31の縦フレーム上に配されかつ前後端には
ストッパ32を設けている。
【0021】前記減圧台、即ち減圧台車2の前記基台、
即ち走行台5は、直方体状の基箱34に前記レール30
を転動する車輪36を設け、この車輪を減速電動機M1
によって制御、回動させることにより、減圧台車2は、
加熱機3下方の位置と加熱機3両側の前記レール30の
各延長部との位置との間を夫々往復動しうる。
【0022】又減圧台車2には、前記走行台5に押え枠
6を設けるとともに、前記走行台5の前記基箱34の上
面には、重ね合わせ体Dを載置する載置板4が設けられ
る。
【0023】載置板4は、図4、図5に示すように、前
記重ね合わせ体Dよりも大寸法の矩形の板体からなり、
かつ中央部を重ね合わせ体Dよりも大きい面積で凹ませ
ることによって前記重ね合わせ体Dを、この重ね合わせ
体Dの周縁との間で間隙gを有して載置しうる載置面2
0と、その周囲の立ち上げ部21とを一体に形成してい
る。さらに立上げ部21の上面21Aには、前記載置面
20を囲んで周回する2条の凹溝23A、23Bが設け
られ、この凹溝23A、23BにはOリングのようなシ
ール材24A、24Bが上部を突出させて嵌着される。
【0024】又載置板4には、前記間隙gで開口する第
1の脱気口7Aと、前記シール材24A、24B間で開
口する第2の脱気口7Bとが開口し、第1、第2の脱気
口7A、7Bは図示しない真空吸引機に導通している。
【0025】さらに載置板4には、図6(A)に示すご
とく、載置面20を前記間隙gで貫通する孔を通るリー
ド線T1の先端に温度センサTを取付けている。なおリ
ード線T1は、載置板4下面でコーキング処理されると
ともに、この温度センサTは、減圧カバーFの下方で、
前記重ね合わせ体Dの中心近傍を測温する。
【0026】又上面21Aには、減圧用カバーFのはみ
出し部F1が載るとともに、このはみ出し部F1を前記
押え枠6の押え面6Aが前記シール材24A、24Bを
介して上面21Aに押圧する。
【0027】なお重ね合わせ体Dは、前記載置面20に
ゴム等の断熱材からなる受板40を介して載置され、前
記立上げ部21は重ね合わせ体Dを受板40との合計厚
さ以上、好ましくは10〜20%程度高く形成される。
【0028】減圧用カバーFのはみ出し部F1を押圧す
る前記押え枠6は、図1〜図4に示すように、前記載置
板4の前記立上げ部21の上面21Aの形状に合う例え
ば角鋼管を用いた矩形枠体であり、本例では、この押え
枠6に突設した支持片41を、前記走行台5の基箱34
からのびる軸受片42に支軸43を介して、加熱機3に
向く辺で枢支される。
【0029】又前記支軸43は、例えばアームを介して
エヤシリンダなどの駆動機M2が連係されることによ
り、その作動によって、押え枠6は、図2に一点鎖線で
示すように、載置板4に接する水平状態と、直立状態と
の間ではね上げ回動しうる。
【0030】又本例では、前記支軸43は、その一端の
チエーン伝動機構44を介して、トルクリミツタなどの
制動器45に連係され、例えば駆動機M2としてエヤシ
リンダを用いたときのエヤ抜けによる押え枠6の急落下
を防ぐ。
【0031】なお押え枠6は、減速電動機などの駆動機
を用いて作動させることもできる。さらに前記エアシリ
ンダと、制動器45を介するクラッチ付減速電動機(図
示せず)とを併用し、クラッチ開放時のエヤシリンダに
よりはね上げ駆動させ、減速電動機による押え枠6の傾
動に際して、制動器45によって倒動力を制限すること
もできる。
【0032】さらに押え枠6には、その周囲にクランプ
シリンダ47が配される。クランプシリンダ47は、図
5に詳示するように、ロッドを下に向け、かつ押え枠6
に支持金具を介して取付く比較的小型のエヤシリンダで
あって、その作動によって、ロッド下端に設けた押片4
9を、前記走行台4上方の係止部50下面に当接させる
ことにより、押え枠6を載置板4に押圧しうる。
【0033】なお、前記係止部50は、本例では、載置
板4の基箱34からの張出し部によって形成され、又押
片49は、適宜の図示しない手段によって、係止部50
の下方に向く位置と、外れる位置との間を一斉に回動さ
せうる。
【0034】載置板4は、前記のような構成を具えるた
め、押え枠6により、減圧用カバーFのはみ出し部F1
を押圧したのち、真空吸引機を作動させることにより、
第1、第2の脱気口7A、7Bからの脱気によって減圧
用カバーFは、図5に一点鎖線で示すごとく変形し、第
2の脱気口7Bでの吸引によりシール材24A、24B
間においてはみ出し部F1が前記上面21Aと密着し、
その間をシールできる。
【0035】又押え面6Aのシール材24の押圧による
シール作用と協働してシール効果を高める結果、第1の
脱気口7Aからの吸引によって減圧用カバーF内の真空
度を高め、前記重ね合わせ体Dからの脱気効果を向上
し、最高到達真空圧を高め、気泡の残留のない合わせガ
ラスCを生産しうる。
【0036】なお減圧用カバーF内は、5torr以下とす
るのが好ましいが、真空引きに際して時間を要する最終
的な1〜2torrの低下を迅速化でき、作業能率、品質を
向上できる。
【0037】なおかかる構造のもの(本例品)と、シー
ル材として2列のOリングを用いその間で脱気しない図
11(B)に示す構造のもの(比較例1)と、シール材
としてスポンジを用いた図11(A)に示す構造のもの
(比較例2)とを用いて最高到達真空圧を測定した結果
を表1に示している。
【0038】減圧用カバーFは、使用回数の増加ととも
にしわ等が発生するが、本例品は20回の使用において
も4torr以下であり、さらに多回数の使用をも許容しう
るのがわかる。
【0039】
【表1】
【0040】このように真空引きされた重ね合わせ体D
は、ヒータ部11を具えた加熱具13を有する加熱機3
を用いて加熱され、熱融着フィルムBの融着によってガ
ラス板A、Aを一体化し、合わせガラスCを形成する。
【0041】加熱機3は、本例では前記レール30の長
さ方向中間位置で該レール30の両側で立設される支柱
を有する門形フレームを用いた枠体9に、前記下開放の
箱体10と、その内部に配されたヒータ部11とからな
る加熱具13を設けており、又本例では、図4に示すご
とく、ヒータ部11は昇降枠52下面に取付けられる。
なお前記枠体9として、天井などからの吊下げ枠体とし
ても形成できる。
【0042】又前記昇降枠52は、前記箱体10を前記
枠体9に対して昇降させる箱体昇降具53による箱体1
0の昇降とともに昇降するとともに、又この昇降枠52
は箱体10に設けた高さ調整具54によって、箱体10
下端との間の高さを調節できる。
【0043】前記箱体昇降具53は、本例では、前記枠
体9の上面に配した減速電動機M3に適宜の直角伝達手
段、回転軸を介して連係され、駆動によって下向きのロ
ッド55を上下動させるジヤッキなどの種々な昇降機5
6…を用いて形成できる。
【0044】又前記ロッド55は、図4に示すように、
前記箱体10の上板59の孔を通りかつロッド55下端
に膨出させたフランジ55Aによって前記箱体10を吊
下げ保持している。
【0045】これにより箱体10は、ロッド55の上下
動により昇降し、かつ箱体10の下端が減圧台車2など
と接触した際には、ロッド55のみが下降することによ
り、箱体10の不用意な破損を防ぎうる。
【0046】さらに前記高さ調整具54は、前記箱体1
0の上板59上面で枢支されたハンドル60と、前記箱
体昇降具53で用いたと同様な昇降機61…とを具え、
ハンドル60の回転により昇降機61…のロッド62下
端に固定した前記昇降枠52の高さを調整しうる。
【0047】さらに箱体10の上板59には、箱体10
内部の空気を排出し内部を風冷するための排風路12が
形成され、又この排風路12は本例では耐熱性の蛇腹状
をなす。
【0048】又前記箱体10の内面には、上面および側
面上方部分に断熱層64を形成し、かつ下端に、ゴム、
布などの熱ロスを防ぐ垂幕体66を配するとともに、箱
体52の下方内面および垂幕体66の内面には反射材6
7が貼設され、これによりヒータ部11からの熱を反射
し、加熱効率を高め均熱化を図る。
【0049】前記昇降枠52の下面には、前記のごとく
温度調整可能な多数個の遠赤外線ヒータ15からなる前
記ヒータ部11が配され、又遠赤外線ヒータ15は面状
の矩形板状をなす。
【0050】前記昇降枠52は、本例では、図6(A)
に略示するごとく、前記重ね合わせ体D以上の寸法を有
する矩形の周囲枠70の間に通風間隙mを隔てて、遠赤
外線ヒータ15と同巾に中材71…を縦方向に平行に架
け渡した板状体をなす。
【0051】又遠赤外線ヒータ15は、横方向にも通風
間隙を隔てて同間隔に配列させることによって、図7
(A)に示すように、縦方向、横方向に遠赤外線ヒータ
15が整列する平面矩形のヒータ部11を構成してい
る。
【0052】前記遠赤外線ヒータ15は、セラミックな
どを加熱することによって遠赤外線を照射するヒータで
あって、本例では、加熱源として、温度調整が容易な電
気式のものを用いている。
【0053】さらに各遠赤外線ヒータ15は、重ね合わ
せ体Dを、コーナ域、周辺域、中央域に亘って可能な限
り均熱するべく、その出力が調整され、図7(A)に示
す場合には、遠赤外線ヒータ15…は、周辺部Z1、中
間部Z2、中央部Z3と3段階の区域に区分して、中央
部Z3に向かって出力が減じるように加熱温度が調整さ
れている。なお減じる率は、周辺部Z1を1とすると、
中間部は0.85〜095、中央部は0.75〜0.9
程度としている。
【0054】さらに中間部Z2に並ぶ、重ね合わせ体D
のコーナ部に向くコーナの遠赤外線ヒータ15A…は、
周辺部Z1に相当する出力に設定することにより、前記
コーナの遠赤外線ヒータ15A間で縦方向、横方向に並
ぶ中間部Z2の各遠赤外線ヒータ15B…に比して高温
に出力が設定されるのが好ましい。
【0055】このように重ね合わせ体Dのコーナ部に向
く遠赤外線ヒータ15Aをその間の遠赤外線ヒータ15
B…よりも高温とすることによって、前記周辺部Z1、
中間部Z2、中央部Z3と遠赤外線ヒータ15の出力を
区域分けして順次調整することとあいまって、重ね合わ
せ体Dを、熱が逃げやすく昇温が困難な重ね合わせ体D
のコーナ部を含めて均熱化でき、ヒータ部11の全面積
を利用した重ね合わせ体Dの加熱が可能となる。
【0056】なお遠赤外線ヒータを全て同出力とすると
きには図8(A)に示すように、重ね合わせ体Dは中央
部分Y1が高温域となり、中央部分でしか熱融着フィル
ムBを融着しえず、又周辺部まで融着するときには中央
部分の熱融着フィルムBが過度に流動化し製品を損な
う。さらに図8(B)に示すように、遠赤外線ヒータを
単に周辺部Z1、中間部Z2、中央部Z3に区分したと
きには、重ね合わせ体Dの周辺部の中心部分Y2…が高
温となり、均熱効果に劣る。
【0057】なおヒータ部11は、図7(B)に示すよ
うに、最外周かつ4隅の遠赤外線ヒータ15C…のみを
さらに高温度とするコーナ部Z5を設けることもでき、
さらに周辺部Z1、中間部Z2、中央部Z3を4つの部
分Z1〜Z4に区分し又2種のコーナの遠赤外線ヒータ
15A1、15A2を設定するなど変形しうる。
【0058】又図7(C)に示すごとく、ヒータ部11
が長方形であるときなど、コーナの遠赤外線ヒータ15
Aとして、長手方向に並ぶ2つの遠赤外線ヒータ15A
3、15A4を選定することもできる。
【0059】このような構成のヒータ部11は、均熱が
可能であるため、ヒータ部11を重ね合わせ体に、例え
ば10〜25cmの近距離まで近づけることができ、熱効
率の向上とともに融着時間を減じて作業能率を向上しか
つ合わせガラスCの品質向上にも役立つとともに、ヒー
タ部11の全面を利用した加熱が可能となることによっ
て、装置の小型化、コストダウンを図りうる。
【0060】又箱体10の内面には反射材67を配して
いるため、ヒータ部11からの輻射熱を分散して反射す
ることができ、均熱化を図る。又箱体10内面の断熱層
64は熱ロスを防ぎ、効率のよい昇温を可能とする。
【0061】なお図7(A)のヒータ部11を用いて1
20cm角の重ね合わせ体を加熱したとき、コーナ、周辺
部Z1の中央、中間部Z2、中央部Z3の10分後の温
度差は、約100℃を中心として6℃以内であり充分に
使用しうる範囲であった。
【0062】前記排風路12は、予め加熱機3を通風し
残熱を除去することによって、重ね合わせ体Dの表面温
度を検知する図6(A)に示す前記温度センサTが、加
熱機3内の残熱温度を検出することを防ぎ表面温度の測
定精度を高めることによって、ヒータ部11の加熱制御
遅れを防ぎ、融着のための加熱時間を減じるとともに、
熱風の作業場への排出を防いで作業環境を改善する。
【0063】前記温度センサTは、室温150℃迄程度
を測定しえる例えば熱電対を用いている。
【0064】なお温度センサTは、図6(B)に示すよ
うに、例えば前記昇降枠52の前記通風間隙mに設けた
ガイド筒73で昇降自在に保持された保持器75下端に
取付けられてもよい。このときリード線T1は保持器7
5外部に導出され、かつ温度センサTは、加熱具13の
下降とともに減圧用カバーFを介して重ね合わせ体Dの
表面温度を検知する。
【0065】他方、前記排風路12は図示しないブロア
に連通し、その作動によって前記加熱機3の前記箱体1
0内を掃気する。
【0066】なお箱体10内には前記ヒータ部11の上
方に、パンチングメタル、スリット板などの整風器76
(図4に示す)が設けられ、排風は、整風器76によっ
て、箱体10内を均質に流過する。
【0067】又加熱機3は、前記昇降枠52、ヒータ部
11に形成した通風間隙mを通風されることにより効果
的に風冷される。
【0068】さらに前記排風路12は、前記ブロアによ
って、重ね合わせ体Dの融着完了と同時に排風し、前記
加熱機3の箱体10の上昇に伴う減圧台車2の取出し、
新たな減圧台車2の送り込みの完了とともに、前記排風
は中止される。
【0069】なお排風量は箱体10内部を、1分当たり
4〜8回、好ましくは6回程度換気しうる風量であっ
て、これにより、例えば箱体10内を、通常、例えば4
0℃以下程度に低下しうる。
【0070】その結果、温度センサTは、加熱具13内
の温度を検知することなく、重ね合わせ体Cの表面温度
を検出しうる。
【0071】このように加熱機3内を予め風冷すること
によって、温度センサTは、図9(A)の白丸曲線のよ
うに、接触する重ね合わせ体Dへの表面温度を、比較的
正しく検知しうる。
【0072】その結果、温度センサTの検知出力によ
り、制御装置を介して、図9(A)の三角曲線で示すよ
うに、前記ヒータ部11に当初から大出力を通電し、重
ね合わせ体Dを効率よく加熱しうることとなる。
【0073】このように温度センサTが順次重ね合わせ
体Dの表面温度を正しく検知することによって、前記ヒ
ータ部11を最適に制御し、重ね合わせ体Dの温度上昇
を温度目標値に正しく導き、品質の向上と加熱時間の短
縮とに役立つ。
【0074】なお、排風路12による空冷がないときに
は、加熱機3内は例えば70〜80℃に保たれる結果、
温度センサTは、図9(B)の白丸曲線で示すように、
重ね合わせ体Dの表面温度ではなくて、加熱機3内の残
熱温度を検知し、表面温度が高温であるとする出力を生
じる結果、その情報が制御装置を介してヒータ部11
に、図9(B)の三角曲線で示すように、当初は低出力
を与えることになる。それ故、加熱時間にロスを生じる
他、高精度な制御が困難となり易い。
【0075】然して、本発明の合わせガラスの製造装置
1において、加熱機3外方に位置する一方の減圧台車2
の載置板4に重ね合わせ体5を載置しかつ減圧用カバー
Fにより覆った上、押え枠6によりそのはみ出し部F1
を押圧する。
【0076】又第1、第2の脱気口7A、7Bから真空
引きし、減圧用カバーF内部を真空とする。
【0077】しかる後、減圧台車2を加熱機3下方に移
動するとともに、排風路12からの排気により予め風冷
された加熱具13を下降させヒータ部11を重ね合わせ
体Dに近づける。
【0078】又温度センサTは重ね合わせ体Dに接触
し、その実際の表面温度を比較的精度よく検出し、その
信号によって、ヒータ部11に適切な出力を通電する。
これにより重ね合わせ体Dは均一に加熱される。
【0079】なおヒータ部11は、下開放の箱体10内
にありかつ重ね合わせ体Dに近づくため、炉全体を昇温
する場合に比して加熱効率が高まり、昇温時間を低減す
る。
【0080】なお熱融着フィルムBとして前記デュミラ
ンフィルムを用いるときには、80〜95℃までを5℃
/3〜5分間で昇温し、95℃で5分間保持するのがよ
い。ただし、デュミランフィルムでPETフィルムをサ
ンドイッチ状に挟む場合には、80℃まで昇温したの
ち、80〜100℃まで5℃/3〜5分間で昇温し、か
つ100℃で5分間保持する。
【0081】加熱終了とともにヒータ部11への通電を
オフし、加熱具13を上昇させる。上昇とともに排風路
から排風し、内部温度を低下する。
【0082】このような状態で、表面温度が85℃まで
下がれば圧力を除々に戻し、さらに表面温度が60℃以
下になると減圧台車2を加熱機3から元の位置に移動さ
せ、減圧カバーFを取り外した後、合わせガラスCを取
り出し、かつ次の重ね合わせ体Dをセットする。なお他
方の減圧台車2が加熱機3が入ることにより排風路12
が閉じ、作業がくり返される。
【0083】
【発明の効果】このように本発明の装置は、加熱機が、
昇降可能な下開放の箱体と、この箱体内部に取付くヒー
タ部とからなる加熱具を具え、又ヒータ部は温度調整可
能な多数個の遠赤外線ヒータからなるため、ヒータ部を
重ね合わせ体Dに近づけることが可能となり、炉全体を
昇温する場合に比して熱効率を向上する。又遠赤外線ヒ
ータを調整することにより重ね合わせ体Dをコーナ部を
含む周辺部から中央部に亘って略均一な加熱が可能とな
る。
【0084】これにより品質を高めうる他、昇温時間が
短縮でき、作業能率、熱効率を向上するとともに装置の
小型化に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合わせガラスの製造装置の一実施例を
示す平面図である。
【図2】その正面図である。
【図3】一方の減圧台車を略して示すその斜視図であ
る。
【図4】加熱具と減圧台車とを例示する一部を破断した
側面図である。
【図5】走行する載置板を拡大して示す断面図である。
【図6】(A)は加熱具を例示する断面図、(B)は加
熱具とともに温度センサの他の例を示す断面図である。
【図7】(A)はヒータ部を例示する正面図、(B)、
(C)はヒータ部の他の例を示す正面図である。
【図8】(A)、(B)は従来のヒータ部を例示する正
面図である。
【図9】(A)は温度センサと温度とヒータ部の出力と
の関係を例示する線図、(B)は排風路を具えない装置
の温度センサと温度とヒータ部の出力との関係を例示す
る線図である。
【図10】合わせガラスを例示する断面図である。
【図11】(A)、(B)は載置板と押え枠を例示する
断面図である。
【図12】従来の装置を例示する正面図である
【符号の説明】
1 合わせガラスの製造装置 2 減圧台車 3 加熱機 4 載置板 5 走行台 6 押え枠 7A、7B 脱気口 9 枠体 10 箱体 11 ヒータ部 12 排風路 13 加熱具 15 遠赤外線ヒータ 20 載置面 21 立上げ部 23A、23B 凹溝 24A、24B シール材 A ガラス板 B 熱融着フィルム C 合わせガラス D 重ね合わせ体

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚のガラス板間に熱融着フィルムを介在
    させかつ加熱することにより前記熱融着フィルムによっ
    て2枚のガラス板を一体化した合わせガラスを製造する
    合わせガラスの製造装置であって、2枚のガラス板とそ
    の間に介在する前記熱融着フィルムとからなる重ね合わ
    せ体を載置する基台に、前記重ね合わせ体の周縁からは
    み出してこの重ね合わせ体を覆う減圧用カバーのはみ出
    し部を基台との間で押圧する押え枠を設けしかも前記基
    台に減圧用カバー内を真空引きする脱気口を設けた減圧
    台、および下開放の箱体と、この箱体内部に取付けられ
    かつ温度調整可能な多数個の遠赤外線ヒータが面状に配
    列されるとともに前記箱体の下降により前記重ね合わせ
    体を加熱するヒータ部とからなる加熱具を設けた加熱機
    からなることを特徴とする合わせガラスの製造装置。
JP13602892A 1992-04-27 1992-04-27 合わせガラスの製造装置 Pending JPH05301747A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106587663A (zh) * 2016-12-13 2017-04-26 贵州杰傲建材有限责任公司 夹胶玻璃隔离加热装置
CN114345638A (zh) * 2022-02-08 2022-04-15 滁州市伊斯特装备制造有限公司 一种玻璃门生产用自动打胶压合设备
CN114801408A (zh) * 2022-03-11 2022-07-29 湖北宝源家居有限公司 一种夹胶玻璃合片预热一体机

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CN114345638B (zh) * 2022-02-08 2023-08-15 滁州市伊斯特装备制造有限公司 一种玻璃门生产用自动打胶压合设备
CN114801408A (zh) * 2022-03-11 2022-07-29 湖北宝源家居有限公司 一种夹胶玻璃合片预热一体机
CN114801408B (zh) * 2022-03-11 2023-04-18 湖北宝源家居有限公司 一种夹胶玻璃合片预热一体机

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