JPH05301644A - 記録装置及びそれに用い得るばねクラッチ伝達装置 - Google Patents

記録装置及びそれに用い得るばねクラッチ伝達装置

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JPH05301644A
JPH05301644A JP13188892A JP13188892A JPH05301644A JP H05301644 A JPH05301644 A JP H05301644A JP 13188892 A JP13188892 A JP 13188892A JP 13188892 A JP13188892 A JP 13188892A JP H05301644 A JPH05301644 A JP H05301644A
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side shaft
spring
control ring
driven
clutch
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JP13188892A
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English (en)
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Katsuyuki Yokoi
克幸 横井
Hiroyuki Inoue
博行 井上
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】記録装置における圧板の上昇距離を大きくした
装置にも係らず、圧板と給紙ローラとの衝撃音が発生し
ないようにする。 【構成】被記録材Sを積載していてカム当接面の回動に
より従動上昇して被記録材Sを給紙ローラ23に当接さ
せることにより被記録材Sの給送を行う記録装置におい
て、圧板29の上昇時に、カム43A,55との当接面
に設けた例えば摩擦係数の高い部材4によって、カム4
3A,55は給紙ローラ23の回転方向に働くモーメン
トを小さくする向きに作用する。これにより、給紙ロー
ラ23の所定回転数からの先回りが防止されると共に、
圧板29の上昇速度が制御された状態となって、給紙ロ
ーラ23上昇時に発生していた衝撃音が抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は記録装置に係り、詳しく
はカット紙状の被記録材を用いる記録装置における被記
録材の給紙手段と、上記記録装置に使用し得るばねクラ
ッチ伝達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
〈従来の技術1〉従来、カット紙を用いる記録装置1は
図4のような構成をしている。図4は記録手段、被記録
材をそれぞれ主走査方向、副走査方向に走査し記録を行
う、いわゆるシリアル型記録装置1の一例であり、主走
査軸方向から見た装置横断面図である。
【0003】3は記録を行う記録手段であるインクジェ
ット記録ヘッド、5は前記インクジェット記録ヘッドを
搭載し記録のために主走査方向に走査するキャリッジ、
6はキャリッジ5が走査するキャリッジ軸、7は前記イ
ンクジェット記録ヘッド3が吐出するインクを貯蔵する
インクタンク、9は前記インクタンク7から前記インク
ジェット記録ヘッド3にインクを供給するインクパイ
プ、10は被記録材を保持すると共に副走査方向に搬送
する搬送ローラ、11は搬送ローラ10に被記録材を圧
接して搬送力を発生する従動ローラ、12は被記録材を
記録位置から排出する排紙ローラ、13は排紙ローラ1
2に被記録材を圧接して搬送力を発生する従動ローラ、
15は前記搬送ローラ10と前記排紙ローラ12との間
に設けられた前記インクジェット記録ヘッド3により被
記録材に記録を行う位置を確定するペーパーガイド、1
6は前記搬送ローラ10と前記従動ローラ11の圧接点
から被記録材搬送方向上流に設けられた被記録材の先端
/後端を検知する被記録材センサレバー、17は前記被
記録材センサレバー16の動作を電気信号に変換するフ
ォトセンサ、19は前記従動ローラ11を保持する保持
部材、20は前記保持部材19に付勢し前記従動ローラ
を前記搬送ローラ10に圧接するばね、21は前記従動
ローラ13を保持する保持部材、22は前記保持部材2
1に付勢し前記従動ローラ13を前記搬送ローラ12に
圧接するばね、23は給紙スタッカ上の被記録材を給紙
動作時にピックアップする半月状の給紙ローラ、25は
給紙ローラ23と同軸上に設けられたものであって、給
紙ローラ23の径よりは小さい径を持つアイドルコロ、
26は給紙時に給紙ローラ23に圧接する摩擦片、27
は摩擦片26を圧接するばね、29は印字する被記録材
をスタッカする圧板、Sは被記録材としてのシート材、
31は印字終了後の被記録材をスタックする排紙スタッ
カ、52は給紙時において前記圧板29を前記給紙ロー
ラ23に圧接させる圧板ばねである。
【0004】次に前記搬送ローラ10、前記排紙ローラ
12、及び給紙ローラ23の駆動系の一例を図5に示
す。32はパルスモータであるところの副走査駆動モー
タ、33は前記副走査駆動モータ32の軸上に設けられ
たモータギヤ、35は前記搬送ローラ10の軸上に設け
られた搬送ローラギヤ、36,39,40はアイドルギ
ヤ、37は前記排紙ローラ12の軸上に設けられた排紙
ローラギヤ、41は前記給紙ローラ軸上に設けられた給
紙ローラギヤである。
【0005】給紙ローラ23への駆動力の伝達は、給紙
時に選択的に搬送正方向に回転するよう行われるように
ばねクラッチを用いられることが多い。その構成を図
6、図7に示す。図6はその外観図。図7は図6におけ
るA−A断面図である。42は給紙ローラ軸、43は前
記圧板29の動作を制御するカム(43A)を有し前記
給紙ローラ軸42に駆動を伝達するクラッチドラム、4
5は前記クラッチドラムの空転防止のピン、46はクラ
ッチのON/OFF制御を行うレバー46Aを有するコ
ントロールリング(制御環ともいう)、47は前記クラ
ッチドラム43のばね巻胴43aと給紙ローラギヤ41
のばね巻胴41aの両者にわたって外嵌させたコイル巻
のクラッチばね、49,51はクラッチユニット50の
軸に対する抜け止め部材である。
【0006】前記給紙ローラギヤ41は、前記給紙ロー
ラ軸42に対しては固定されていない。前記クラッチば
ね47は一端を前記クラッチドラム43に、他端を前記
コントロールリング46に係合されている。給紙時以外
のときは前記コントロールリング46のレバー46Aが
ラッチ部材53により保持され、その結果前記クラッチ
ばね47が緩み、前記給紙ローラギヤ41はフリーで回
転し、その駆動力は給紙ローラ軸42に伝達されない。
【0007】給紙時においては、前記コントロールリン
グ46のレバー46Aの保持がラッチ部材53により解
除され、前記給紙ローラギヤ41が回転すると共に前記
クラッチばね47が給紙ローラギヤに巻き付いて締ま
り、その駆動力が前記クラッチドラム43、そして前記
給紙軸42に伝達され前記給紙ローラ11が回転し給紙
動作が行われる。
【0008】図8は上記装置における、前記圧板29、
前記給紙ローラ23、前記クラッチユニット50を装置
上面から見た構成図である。55は前記給紙ローラ軸4
2のクラッチユニット50とは前記圧板に対して反対側
に取り付けられた前記圧板29の動作を制御する前記ク
ラッチドラム43のカム43Aと同一形状をした給紙カ
ムである。図9は上記装置における、前記圧板29、前
記給紙ローラ23、前記クラッチドラムのカム43A、
及び前記給紙カム55との関係を示す横断面図である。
【0009】次に、図10、図11、図12に、この装
置における給紙時における、前記圧板29、前記給紙ロ
ーラ23、前記クラッチドラム43のカム43A、及び
前記給紙カム55の動作を示す。給紙時においては、前
記コントロールリング46のレバー46Aの保持が解除
され、前記副走査駆動モータ32の駆動を伝達された前
記給紙ローラギヤ41が回転すると共に前記クラッチば
ね47が給紙ローラギヤ441に巻き付いて締まり、そ
の駆動力が前記クラッチドラム43、そして前記給紙軸
42に伝達され前記給紙ローラ23が回転し給紙動作が
開始される(図10)。給紙カム55(43A)が少し
回転するとそのカム形状にならって圧板29が静止位置
から圧板ばね52の働きにより上昇する(図11)。圧
板29はアイドルコロ25に当接するまで上昇し、その
後給紙ローラ23が圧板29に当接し圧板上のシート材
(不図示)をピックアップする(図12)。 〈従来の技術2〉従来より動力の伝達、非伝達を選択的
に行う方法としてクラッチ装置が多く用いられている。
クラッチ装置には多くの種類があるが、中でも特に安価
で使い易いものとしてばねクラッチがある。ばねクラッ
チはコイルばねを有し、一般的な構成では駆動側の軸、
あるいは駆動側、被駆動側両方の軸にまたがって巻装さ
れる。例えば図25に示すような構成をとる。
【0010】図25においてクラッチばね61は駆動側
軸62と被駆動側軸63の駆動回転方向に対して締まり
方向(以後正回転方向)、即ちクラッチばね61の内径
が小さくなって軸を締め付ける方向に設けられる。この
ように構成すると、駆動側軸62の正回転においてはク
ラッチばね61が締まり非常に大きな伝達トルクにより
被駆動側軸63は駆動される。駆動側軸62が逆方向に
回転するとクラッチばね61は緩むので駆動側軸62と
被駆動側軸63との間には正回転における伝達トルクよ
りもはるかに小さな伝達トルク(ゆるみトルク)しか作
用しない。
【0011】被駆動側軸63に負荷が与えられている場
合、被駆動軸63は駆動されない。この場合、クラッチ
ばね61は一方向クラッチとして働く。また図26に示
すような構成をとると駆動側軸62から被駆動側軸63
への動力伝達のON/OFFを行うことができる。図2
7において駆動側軸62にクラッチばね61を巻装さ
れ、クラッチばね61の外側には制御環65と呼ばれる
輪状部材が設けられている。制御環65にはクラッチば
ね61の一端61aが係合しており、制御環65とクラ
ッチばね61とは一体的に回転する。ばねクラッチ61
の他の一端61bは被駆動軸側63と係合しており、ば
ねクラッチ61の回転をこの係合によって被駆動側軸6
3に伝える。
【0012】前記制御環65に対しラッチするラッチ部
材67が設けられ、このラッチ部材67が制御環65の
ラッチ爪65aとラッチしていない場合駆動側軸62の
回転はクラッチばね61の締まりによってばねクラッチ
61を回転させ、その回転はクラッチばね61と被駆動
側との係合によって被駆動側に伝えられ被駆動側軸63
は回転する。前記ラッチ部材67が制御環65のラッチ
爪65aとラッチした場合制御環65の回転が阻止さ
れ、クラッチばね61の一端が制御環65と係合してい
るため、クラッチばね61は駆動側軸62の回転によっ
て緩み駆動側軸62はクラッチばね61の内側で空回り
する。
【0013】このようなばねクラッチ伝達装置は、例え
ばプリンタ、複写機など記録装置の被記録材給送装置な
どに多く用いられている。この場合、前記被駆動側軸6
3に給送ローラと呼ばれるゴムなどの高摩擦材で形成さ
れたローラが設けられ、該給送ローラに被記録材を圧接
しながら給送ローラを回転させることにより被記録材を
給送する構成になっている。この給送ローラの駆動を選
択的に行うために前記ばねクラッチ伝達装置が多く用い
られている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
〈第1の課題〉上記第1の従来例の構成の記録装置にお
いて、図11の圧板上昇時において、圧板ばね52の力
により圧板29が給紙カム55(43A)の当接面を給
紙ローラ軸回転方向に押すため、クラッチユニット50
のクラッチばね47が緩み、その緩んだ分だけ、本来の
給紙ローラ軸42の回転数を決めている給紙ローラギヤ
41より速く給紙ローラ軸42が回転し、それが加速度
的に起こり、圧板上昇速度が大きくなった状態で圧板2
9がアイドルコロ25に当接するため、非常に大きな音
の発生源となっていた。これは給紙枚数を増加させると
いう装置としての機能アップを図ろうとして、圧板29
の上昇距離を大きくしようとすればするほど、課題とな
る問題点であった。
【0015】そこで、第1の発明は、圧板の上昇距離を
大きくした装置にも係らず、圧板と給紙ローラとの衝撃
音が発生しない記録装置を提供することを目的とするも
のである。 〈第2の課題〉第2の従来例において、1つの問題とし
て、前記被駆動側軸63の回転方向の位置決めの精度が
ある。例えば前述のように被駆動側軸63が給送ローラ
となっていて、前記位置決めが不安定な場合、次のよう
な不具合を発生する。多くの場合、給送ローラは外周の
一部を切り欠いた半月のような略円形をなしている。
【0016】これは給送ローラが被記録材としてのシー
ト材を給送しないとき、給送ローラとシート材を離隔
し、シート材に不必要な負荷を与えないようにするため
のものであるが、この位置決めが不安定な場合、給送ロ
ーラはシート材と離隔されているはずのときにシート材
と接触し、その結果給送ローラがシート材に引っ張られ
て連れ回りし、紙詰りを起こしたり、あるいは給送ロー
ラの逆転によって給送のタイミングを取っている構成に
おいては逆転の際給送ローラがシート材と接触し逆転が
行われず給送が行われないという問題が発生する。
【0017】また、給送ローラと同期するカム部材で、
例えばシート材を給送ローラに圧接するための圧板と呼
ばれるシート材積載板の上げ下げを制御するような構成
では、カム部材の位置が一定せず給送のタイミングが一
定しないといった問題が発生していた。あるいは略円形
の給送ローラの位置がばらつくと、所定の給送ローラの
回転に対してシート材の給送量が一定しないので、シー
ト材の頭だしがばらつくなどの問題も発生した。
【0018】以下に、なぜ従来のばねクラッチ伝動装置
では、被駆動側軸63の回転方向の位置が不安定になる
か説明する。図26及び図27で説明されているよう
に、クラッチばね61は駆動側軸62と被駆動側軸63
との間にまたがって設けられ、クラッチばね61の一端
は61aにおいて制御環65と係合しており、他の一端
は61bにおいて被駆動側軸63と係合している。駆動
力の伝達はラッチ部材67が制御環65のラッチ爪65
aにラッチしていないときに行われ、ラッチしていると
きは駆動力は伝達されない。即ちラッチ部材67がラッ
チ爪65aにラッチしているときの位置が被駆動側軸6
3の回転方向位置である。即ち、被駆動軸63の回転方
向位置は、ラッチ部材67の位置、制御環65の、クラ
ッチばね61との係合部61aとラッチ爪65aとの相
対位置、そしてクラッチばね61の一端と他端との相対
位置が関係する。ここで前2者の位置関係は部品寸法で
ほぼ問題のない公差で追い込める。
【0019】しかしながら、クラッチばね61の一端と
他端との相対位置関係は非常にばらつく。なぜならば、
クラッチばねは伝達トルクを確保するため多くの巻き数
を必要とすることから展開長が長く、ばね内径のばらつ
きがばね端部の位置関係に大きく影響してしまう。クラ
ッチばね61は加工上、内径のばらつきを押えることが
難しく、これを所定公差内に押えるために大きなコスト
アップが必要となってしまう。しかも、クラッチばね6
1が巻装される巻き胴部の外径公差も前記位置関係に大
きく影響し、巻き胴外径公差も厳しく押えなければなら
ない。そのために巻き胴部を金属製にするなどの方法が
多くとられている。
【0020】このように、クラッチばねの内径及び巻き
胴の外径の公差を厳しく押さえコストアップをしながら
も、なお前記位置関係が所望の範囲に入らず前述のよう
な問題が発生しているのが現状である。
【0021】そこで、第2の発明及び第3の発明は、被
駆動側軸の回転方向の位置決めを、部品点数を増やすこ
となく、安定させることができるばねクラッチ伝達装置
を提供することを目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するめの手段】
〈第1の発明の手段〉第1の発明は、被記録材(S)を
ピックアップして印字位置に給送する給紙ローラ(2
3)と、前記被記録材(S)が積載され給紙動作時に前
記被記録材(S)を前記給紙ローラ(23)に圧接する
圧版(29)と、該圧板(29)の前記給紙ローラ(2
3)に対する圧接動作を規制するカム(43A,55)
と、前記給紙ローラ(23)への駆動の伝達経路に介在
するばねクラッチ(50)と、有する記録装置におい
て、前記カム(43A,55)の前記圧板(29)への
当接面の一部を、摩擦係数又は硬度の異なる部材(4)
で構成したことを特徴する。
【0023】第2の発明は、被駆動側軸(63)に動力
を伝達する駆動側軸(62)と、該駆動側軸(62)と
前記被駆動側軸(63)との間に配設され前記駆動側軸
(62)の動力を前記被駆動側軸(63)に伝達するク
ラッチばね(61)と、該クラッチばね(61)の周囲
に外嵌されていて前記クラッチばね(61)の動力伝達
のオン/オフを制御する制御環(71)と、を有するば
ねクラッチ伝達装置において、前記被駆動側軸(63)
に回動自在に配設されていて前記制御環(71)に任意
の位置で係断して制御環(71)の動作を規制するラッ
チ部材(67)と、該ラッチ部材(67)が前記制御環
(71)にラッチするタイミングをとると共に、前記ラ
ッチ部材(67)を外部から停止させるためのストッパ
部材(70)と、を有することを特徴とする。
【0024】また、前記ストッパ部材(70)は、所定
の支点(70a)を中として回動自在に支持され、該ス
トッパ部材(70)の回動動作によって前記ラッチ部材
(67)の停止、非停止を制御することを特徴とする。
【0025】第3の発明は、被駆動側軸(63)に動力
を伝達する駆動側軸(62)と、該駆動側軸(62)と
前記被駆動側軸(63)との間に配設され前記駆動側軸
(62)の動力を前記被駆動側軸(63)に伝達するク
ラッチばね(61)と、該クラッチばね(61)の周囲
に外嵌されていて前記クラッチばねの動力伝達のオン/
オフを制御する制御環(81)と、を有するばねクラッ
チ伝達装置において、前記制御環(81)に任意の位置
で係断して制御環(81)の制御動作を規制するラッチ
部材(82)と、該ラッチ部材(82)が前記制御環
(81)にラッチするタイミングを、前記被駆動側軸
(63)の回転と同期してとる制御カム部(63a)
と、を有することを特徴とする。
【0026】また、前記被駆動側軸(63)と同期して
動作する前記制御カム部(63a)は、前記被駆動側軸
(63)と一体に構成されていることを特徴とする。
【0027】
【作用】
〈第1の発明の作用〉上記構成によれば、被記録材
(S)を給送すために給紙ローラ(23)を回転させる
と、圧板(29)を押圧しているカム(43A,55)
が上記給紙ローラ(23)と一体回転する。この回転に
従動して圧板(29)が上昇して圧板(29)上の被記
録材(S)を給紙ローラ(23)に圧接させる。
【0028】圧板(29)の上記上昇時に、カム(43
A,55)との当接面に設けた例えば摩擦係数の高い部
材(4)によって、カム(43A,55)は給紙ローラ
(23)の回転方向に働くモーメントを小さくする向き
に作用する。これにより、給紙ローラ(23)の所定回
転数からの先回りが防止されると共に、圧板(29)の
上昇速度が制御された状態で給紙ローラ(23)に当接
し、圧板(29)上昇時に発生していた衝撃音を抑制す
ることができる。 〈第2の発明の作用〉以上構成によれば、ストッパ部材
(70)を制御環(71)に対して回動させると、ラッ
チ部材(67)は所定のタイミングでもって制御環(7
1)から離隔したり任意の位置で制御環(71)に係合
し、制御環(71)は駆動側軸(62)の動力を被駆動
側軸(63)に伝達したり遮断したりする。これによ
り、部品点数の少ない構成にも係らず、被駆動側軸(6
3)の回転方向の位置決めを安定させることができる。 〈第3の発明の作用〉以上構成によれば、被駆動側軸
(63)と同期回転する制御カム部(63a)を回転さ
せると、ラッチ部材(67)は所定のタイミングで制御
環(81)に離脱・係合し、制御環(81)を回転・停
止させる。この制御環(81)の動作によって、駆動側
軸(62)の動力は被駆動側軸(63)へ伝達されたり
遮断される。これにより、部品点数の少ない構成にも係
らず、被駆動側軸(63)の回転方向の位置決めを安定
させることができる。
【0029】なお、カッコ内の符号は図面を参照するた
めのものであって、本発明の構成をなんら限定するもの
ではない。
【0030】
【実施例】
〈第1の発明の実施例〉図1は本発明の構成の装置の一
例を示すものである。なお、本発明が適用される記録装
置の印字部及びばねクラッチ等は、前述した図4ないし
図7と同じであるので、その図示及び説明は、省略す
る。
【0031】図1において、43A,55は圧板29の
動作を制御するクラッチドラム43上のカム、及び給紙
カム、52は給紙時において前記圧板29を前記給紙ロ
ーラ23に圧接させる圧板ばね、53は前記給紙カム5
5(43A)上の圧板29が上昇時に当接する面に設け
られたゴム等の弾性部材である。
【0032】圧板上昇時において、圧板ばね52の力に
より圧板29は給紙カム55(43A)の当接面を力F
1で押す(図2)。この時の給紙ローラ軸回転方向の分
力はF2となり、給紙ローラ軸回転方向のモーメントは
M1=F2×L1となる。
【0033】またF2により発生する、給紙カム55
(43A)に働く、圧板29と給紙カム55(43A)
との摩擦力はF3となり、給紙ローラ軸回転逆方向に働
くモーメントはM2=F3×L2となる(図3)。通
常、カム等の摺動部材は、その摺動性をよくするため摩
擦係数の低い材料で作る。即ち、モーメントM2はほと
んど0であり、モーメントM1がほとんど減ずることな
く給紙ローラ軸回転方向に働き、これが大きな衝撃音の
発生原因となっていた。
【0034】本実施例のように、給紙カム55(43
A)の、圧板上昇時の圧板当接面にゴム等の摩擦係数の
高い弾性部材53を設けることにより、モーメントM2
の値を大きくし給紙ローラ軸42の回転方向に働くモー
メントを小さくすることにより、給紙ローラ軸42の所
定駆動回転数からの先周りを防止し、圧板29の上昇速
1を制御した状態で、圧板29をアイドルコロ25に当
接できるため、圧板上昇時に大きな衝撃音を発生させる
ことなく給紙動作ができる。 〈第2の発明の第1実施例〉図13は本発明を実現する
構成を示している。図13において62は駆動側軸であ
り、61はクラッチばねである。また63は被駆動側軸
であり、本発明ではフランジ部63aを有する。この被
駆動側軸63に、例えば給送装置においては給送ローラ
が設けられるなど、所望の部材が設けられる。駆動側軸
62と被駆動側軸63は、それぞれその周囲にクラッチ
ばね61が締まり代を持って巻装される。クラッチばね
61は、駆動側軸62と被駆動側軸63の両方にまたが
って巻装されている。クラッチばね61の周囲には制御
環71が設けられている。制御環71には切り欠きが設
けられており、その切り欠きにクラッチばね61の一端
が係合している。制御環71の周囲にはラチェットが形
成されており、ラッチ部材67のつめ部67aがラッチ
するように構成されている。
【0035】ラッチ部材67は本実施例では被駆動側軸
63に一体的に設けられており、つめ部67aが制御環
71に対して撓むように形成されている。また、70は
ストッパ部材であり、駆動側軸62、被駆動側軸63が
支持されいるフレーム上に設けられた支軸(図示略)に
回動自在に支持され、図示せぬ付勢手段によってストッ
パ部70cは制御環71に向かって付勢されている。同
時に該付勢手段によってストッパ部材70は、被駆動側
軸63のフランジ方向にも付勢されており、ボス部70
bはフランジの面に当接している。ここで上記の図示せ
ぬ付勢手段は、ねじりコイルばねなどが多く用いられ
る。
【0036】図14は被駆動側軸63に一体に設けられ
たラッチ部材67の撓む様子を示している。ラッチ部材
67は外力がかからない状態においては67Aの位置に
あり、制御環71のラチェットにラッチしない。このラ
ッチが行われていないときはクラッチばね61により駆
動側軸62の回転が被駆動側軸63に伝達され、被駆動
側軸63が回転する。被駆動側軸63が正方向回転し、
前記ストッパ部材70の腕部に前記ラッチ部材67が干
渉してラッチ部材67は撓み、図14の67Bの位置で
制御環71のラチェットにラッチする。
【0037】ここで、前記ストッパ部材70を制御環7
1に向かって付勢する力は、ラッチ部材67を撓ませる
だけの力が必要である。この状態で被駆動側軸63と一
体のラッチ部材67が正方向に回転し、ストッパ部材7
0に当接する。この瞬間にばねクラッチは緩み、ばねク
ラッチによる回転の伝達は行われなくなる。即ちストッ
パ部材70によって被駆動側軸63が停止させられる。
【0038】図15は以上の動きを示す平面図である。
この図を用いて次にばねクラッチ60のON/OFFの
様子を説明する。
【0039】図15(a) はイニシャル状態であり、ラッ
チ部材67のつめ部67aが制御環71の周囲のラチェ
ットにラッチしている。ここでラッチ部材5は前述の通
りストッパ部材の7の腕部によって撓んでいる。ストッ
パ部材70のボス部70bは被駆動側軸63のフランジ
の面73に当接している。ここで駆動側軸62を逆方向
回転させると被駆動側軸63はクラッチばね61の緩み
トルクによって逆方向回転し、ストッパ部材70のボス
部70bは斜面31に沿って動き回動支点70aを中心
に時計方向に回転していく。
【0040】ストッパ部材70は図示せぬ付勢手段によ
り反時計方向、及び紙面に垂直下側方向に付勢されてお
り、ボス部70bが被駆動側軸63のフランジ最外周面
77に沿って動いていく。その状態を示しているのが図
15(b) である。このときラッチ部材67はストッパ部
材70との干渉がなくなり撓みがとれて制御環71との
ラッチが解除される。
【0041】この状態で駆動側軸62を正方向回転させ
るとストッパ部材70はそのボス部70b周面77に沿
ったままで被駆動側軸63と一体のラッチ部材67が正
方向回転し、ストッパ部材70に停止されずに動いてい
く。ストッパ部材70は斜面75によって紙面垂直方向
上方に持ち上げられ、ボス部70bは面76に当接す
る。この状態で被駆動側軸63は1回転し、ストッパ部
材70は面72に沿って制御環71に向かって動き、ラ
ッチ部材67を停止し得る位置にセットされる。
【0042】以上のようにしてばねクラッチによる駆動
のON/OFFが行われるが、ここで重要なことは本発
明の目的である被駆動側軸63の回転方向位置である。
本実施例の方法によれば、ラッチ部材67が被駆動側軸
63と一体に構成されており、このラッチ部材67を外
部のストッパ部材70によって制御環71にラッチさ
せ、ラッチしたラッチ部材67そのものを該ストッパ部
材70で停止させてしまうので、被駆動側軸63に作り
こまれた様々な形状、あるいは被駆動側軸63に取り付
けられた部品等と、ストッパ部材70、ラッチ部材67
との位置関係が精度良く作られていれば被駆動側軸63
の回転位置は非常に精度良く得られる。
【0043】被駆動側軸63に作りこまれた様々な形
状、あるいは被駆動側軸63に取り付けられた部品等
と、ストッパ部材70、ラッチ部材67との位置関係は
部品精度に依存し、この部品精度は難無く得られるもの
であり、当然コストアップもない。従って、従来のばね
クラッチ伝達装置において、クラッチばねの内径及び巻
き胴の外径を精度良く押える必要がなく、大幅なコスト
ダウンを実現できる。しかも従来のものはコストをかな
りかけても所望の位置精度が得られなかったのに対し、
本実施例では所望の位置精度を容易に得ることができ
る。 〈第2の発明の第2実施例〉図16は第2の発明の第2
実施例を示している。本実施例においては、制御環71
の周囲にゴムなどの弾性体を巻装している。このように
構成すると、ラッチ部材67のエッジ部67aは制御環
71の正方向回転に対しゴム部71dに食い込んでいき
制御環71の回転は阻止される。即ち第1実施例でラチ
ェットを用いて行っていたラッチを、ラッチ部材67の
エッジをゴムに食い込ませることにより実現している。
【0044】このように構成すると、ラチェットの構成
で発生する可能性のある音を完全に除去することができ
る。また、ラチェットよりも更に細かい位置でラッチす
ることが可能であり、完全に任意の位置で制御環71の
ラッチを行うことができ、被駆動側軸63の位置を更に
正確に設定することができる。 〈第2の発明の第3実施例〉図17は第2の発明の第3
実施例を示している。本実施例では、ラッチ解除のトリ
ガーを、第1,2実施例とは異なり、プランジャを用い
て行っている。第1,2実施例では逆転によってラッチ
解除のトリガーを行っていたが、この方法によると被駆
動側軸にばねクラッチの緩みトルク以上の負荷がかかっ
た場合トリガーがかからないという不具合があったが、
本構成のように例えばプランジャなど外部からのトリガ
ーによってラッチ解除を行えばこの不具合は解決され
る。
【0045】図17(a) において、ラッチ部材17は制
御環71に対してラッチしている。79はプランジャで
その先端はストッパ部材70に嵌合している。ここでプ
ランジャ79がONしてストッパ部材70が引かれる
と、同時にラッチ部材67の制御環71とのラッチが解
除される。このようにしてラッチが解除され、駆動側軸
62の回転はクラッチばね61によって被駆動側軸63
に伝達される。プランジャ79は、ラッチ部材67の先
端部がストッパ部材70のストッパ部を通過するまでO
Nされる。
【0046】その後プランジャ79はOFFされ、スト
ッパ部材70のストッパ部は再びラッチ部材67を停止
し得る位置にセットされる。そして被駆動側軸63が1
回転すると、ラッチ部材67は再びストッパ部材70と
干渉して、撓みのエッジ部67aが制御環71にラッチ
し、被駆動側軸63は停止する。この例においてもラッ
チ部材67を外部のストッパ部材60によって制御環7
1にラッチさせ、ラッチしたラッチ部材67そのものを
該ストッパ部材70で停止させてしまうので被駆動側6
3の位置を精度良く設定することができる。
【0047】また、本実施例におけるラッチ解除のトリ
ガーはもちろんプランジャ79に限られるものではな
い。例えば、本発明がシリアルプリンタに適用された場
合、記録ヘッドが搭載されるキャリッジの走査によって
トリガーをかけることができる。この場合、比較的高価
なプランジャを用いる必要がなく、非常に安価な構成で
本発明を実施することができる。 〈その他の実施例〉以上の構成において、ラッチ部材6
7は被駆動軸63と一体に設けられ、その撓みを利用し
てラッチを行っていたが、ラッチ部材67は被駆動側軸
63とは別部品として被駆動側軸63に設け、ねじりコ
イルばねなどで制御環71に付勢する構成をとっても同
様の効果が得られることはいうまでもない。
【0048】また、以上の構成ではストッパ部材70を
ある支点を中心に回動自在としたが、これをフレームに
固定して、ラッチ部材67が所定の手段(逆転トリガー
やプランジャ、キャリッジの動きなど外部トリガーな
ど)によって固定されたストッパ部材への当接、非当接
を制御してもよい。 〈第3の発明の第1実施例〉図18は本発明を実現する
構成の各部品を分割して表したものである。図18にお
いて、61はクラッチばねであり、駆動側軸62の周囲
にある所定の締まり代を持って巻装されている。即ち駆
動側軸62はクラッチばね61の巻き胴になっており、
更に図示せぬギヤ等が設けられていく動力伝達を行って
いる。クラッチばね61の周囲には制御環81が設けら
れており、クラッチばねの一端61aは制御環81の切
り欠き部81cと係合する。制御環81のハッチングで
示した部分81bはここではラチェットの歯が形成され
ている。
【0049】63は被駆動側軸であり、制御カム部63
aとボス部63bとを持っている。ボス部63bは駆動
側軸62の中心の穴に嵌合し、被駆動側軸63の同軸上
に駆動側軸62、クラッチばね61、制御環81が位置
する。本実施例においてクラッチばね61は前述のよう
な駆動側軸62と被駆動側軸63との間にまたがって設
けられるタイプのものではなく、駆動側軸62の巻き胴
部に、ばねクラッチのすべてが巻き付き、クラッチばね
61の他端61cが被駆動側軸63の制御カム部63a
に設けられたばね引っ掛け部85に引っ掛けられるタイ
プになっている。この構成では、クラッチばね61の間
に駆動側軸62と被駆動側軸63の合わせがないため、
その間にガタがあった場合のばねの落ち込みという問題
がない。
【0050】ただし、駆動トルクの伝達はばね端部61
cの被駆動側軸63への引っ掛けだけで伝達されるの
で、ばね端部61cの強度が伝達トルクに対して十分余
裕のあるものでなければならない。従って本実施例にお
いては、ばね端部61cはU字形をなしたフック形状に
なっている。
【0051】一方、ラッチ部材82は例えば前記駆動側
軸62や被駆動側軸63が支持されているフレームに設
けられたボスに、穴部82cが嵌合している。そして該
穴を中心に回転可能で、エッジ部82aが制御環81の
ラチェット部81cにラッチするように図示せぬ付勢手
段、例えばねじりコイルばねなどで付勢されている。ま
た、ラッチ部材82の先端にボス82bが設けられてお
り、前記付勢手段はこのボスを被駆動側軸63のカム部
63aに対しても付勢するようになっており、該カム部
63aの上を該ボス82bが動くことによってラッチ部
材82が制御環81のラチェット部81bにラッチする
タイミングをとる。
【0052】図19に被駆動側軸63のカム面の詳細を
示す。これを参照しながら図20〜図22で本構成の動
きを説明する。
【0053】図20(a) は被駆動側軸63のイニシャル
位置を示している。ここで前述の通り、ラッチ部材82
は穴82cを中心に回動自在で、図示せぬ付勢手段によ
って時計方向に付勢されている。図20(a) はラッチ部
材82のエッジ部分82aが制御環81のラチェット部
81bに当接し、ラッチ状態にある。このとき駆動側軸
62は矢印69aで示す反時計方向(以後正転方向)に
回転しているか、あるいは停止しているが、いずれの場
合でもラッチ部材82と制御環81がラッチしているの
でクラッチばね61は緩み状態であり、被駆動側軸63
に駆動力は伝達されない。
【0054】さてこの状態から図20(b) に示すよう
に、駆動側軸62を矢印69aで示す時計方向(以後逆
転方向)に回転させると、クラッチばね61は緩み方向
に回転し、その緩みトルクによってカム部63aが逆転
方向に回転する。そうすると面95に図示せぬ付勢手段
で付勢され当接しているボス部82bは三角凸部86の
斜面86aと、斜面96に沿って動き、更に三角凸部8
6の壁面86bに沿って落ちて再び95の面に当接す
る。更にカム部63aが逆回転すると図20(c) に示す
ようにボス部82bは面97に沿って動き、次に図21
(d) に示すようにボス部82bはカム部の最外周の面8
9に沿う。このときラッチ部材82の紙面方向裏面が面
99に当接している。
【0055】次に図21(e) に示すように駆動側軸62
(図18)を正方向に回転させると、既にラッチ部材8
2と制御環81とのラッチは解除されているから、クラ
ッチばね61によって駆動側軸62の回転は被駆動側軸
63に伝達されて被駆動側軸63(カム部)が正方向回
転する。更に正回転すると、ラッチ部材82の紙面方向
裏面のエッジ部82a近傍が斜面92及び93を登って
いく。これら斜面92,93によるリフト量は、ボス部
82bの長さより大きく設定してあるので、図21(f)
に示すようにボス部82bは再び面95に当接する。
【0056】更に、図22(g) に示すようにカム部63
が正回転すると、ボス部82bは斜面91に沿って動き
面97によって面95に当接する。次にボス部82bは
三角凸部の面86bに沿って動き、86bの面が終った
瞬間にボス部82bは三角凸部86から外れラッチ部材
82は制御部材81に当接し、両者はラッチ状態とな
る。このときクラッチばね61は緩み状態となり、駆動
側軸62の回転の被駆動側軸63への伝達が解除され、
被駆動側軸63の回転は停止する。
【0057】以上のようにしてクラッチばね60による
駆動のON/OFFが行われるが、個々で重要なことは
本発明の目的である被駆動側軸63の回転方向位置であ
る。本実施例の方法によれば、ラッチ部材82が制御環
81にラッチするタイミングを、被駆動側軸63と一体
に設けられたカム部63aによってとっているので、被
駆動側軸63に作りこまれた様々な形状、あるいは被駆
動側軸に取り付けられた部品等と、カム部の形状との位
置関係が精度良く作られていれば被駆動側軸63の回転
位置は非常に精度良く得られる。
【0058】被駆動側軸63に作りこまれた様々な形
状、あるいは被駆動側軸63に取り付けられた部品等
と、カム部の形状との位置関係は部品精度に依存し、こ
の部品精度は難無く得られるものであり、当然コストア
ップもない。従って、従来のばねクラッチ伝達装置にお
いて、ばねクラッチの内径及び巻き胴の外径を精度良く
押える必要がなく、大幅なコストダウンが実現できる。
【0059】しかも従来のものはコストをかなりかけて
も所望の位置精度が得られなかったのに対し、本実施例
では所望の位置精度を容易に得ることができる。
【0060】なお、本実施例におけるカム部63a三角
凸部は、ラッチ部材82をできるだけ一瞬のうちに制御
環81にラッチさせるために設けられている。即ち斜面
などによってラッチ部材82が徐々に制御環81に近付
く方法によるラッチのタイミングのばらつきを防止する
構成になっている。 〈第3の発明の第2実施例〉図23は第3の発明の第2
実施例を示している。本実施例においては、制御環81
の周囲のゴムなどの弾性体を巻装している。このように
構成すると、ラッチ部材82のエッジ部82aは制御環
81の正方向回転に対しゴム部81dに食い込んでいき
制御環81の回転は阻止される。即ち第1実施例でラチ
ェットを用いて行っていたラッチを、ラッチ部材82の
エッジ82aをゴムに食い込ませることにより実現して
いる。
【0061】このように構成するとラチェットの構成で
発生する可能性のある音を完全に除去することができ
る。また、ラチェットよりも更に細かい位置でラッチす
ることが可能であり、完全に任意の位置でラッチを行う
ことができ、被駆動側軸63の位置は更に正確に設定す
ることができる。 〈第3の発明の第3実施例〉図24は第3の発明の第3
実施例を示している。本実施例では、ラッチ解除のトリ
ガーを、第1,2実施例とは異なり、プランジャを用い
て行っている。第1,2実施例では逆転によってラッチ
解除のトリガーを行っていたが、この方法によると被駆
動側軸63にクラッチばね61の緩みトルク以上の負荷
がかかった場合トリガーがかからないという不具合があ
ったが、本構成のように例えばプランジャなど外部から
のトリガーによってラッチ解除を行えば不具合は解決さ
れる。
【0062】図24(a) において、ラッチ部材82は制
御環81に対してラッチしている。100はプランジャ
でその先端にボス100aが設けられている。ボス10
0aはラッチ部材82に設けられたスリット82dに嵌
合している。ここでプランジャ100がONしてラッチ
部材82が引かれると、ラッチ部材82のボス部92b
がカム部63の面101から外れ、面102に移る。こ
のようにしてラッチが解除され、駆動側軸の回転はクラ
ッチばね61によって被駆動側軸63に伝達される。
【0063】プランジャ100は、カム部63aが回転
し、面102がボス部82bを通過するまでONされ
る。面102をボス部82bが通過した後プランジャは
OFFされボス部92bは面89に当接される。そして
カム部63aが1回転するとボス部82bは面101に
沿って移動し、ラッチ部材82のエッジ部83aが制御
環81にラッチし、被駆動側軸は停止する。この例にお
いてもラッチ部材82が制御環81にラッチするタイミ
ングは被駆動側軸63に形成されたカムによって行われ
るので被駆動側軸63の位置は精度良く設定することが
できる。
【0064】また、本実施例におけるラッチ解除のトリ
ガーはもちろんプランジャに限られるものではない。例
えば、本発明がシリアルプリンタに適用された場合、記
録ヘッドが搭載されるキャリッジの走査によってトリガ
ーをかけることができる。この場合、比較的高価なプラ
ンジャを用いる必要がなく、非常に安価な構成で本発明
を実施することができる。
【0065】
【発明の効果】
〈第1の発明の効果〉第1の発明の記録装置によれば、
被記録材を積載していてカム当接面の回動により従動上
昇して被記録材を給紙ローラに当接させることにより被
記録材の給送を行う記録装置において、圧板の上記上昇
時に、カムとの当接面に設けた例えば摩擦係数の高い部
材によって、カムは給紙ローラの回転方向に働くモーメ
ントを小さくする向きに作用する。これにより、給紙ロ
ーラの所定回転数からの先回りが防止されると共に、圧
板の上昇速度が制御された状態となって、給紙ローラ上
昇時に発生していた衝撃音を抑制することができる。 〈第2の発明の効果〉第2の発明のばねクラッチ伝達装
置によれば、駆動側軸の動力を被駆動側軸に伝達する動
作のオン/オフを行う制御環に対し、その任意の位置で
ラッチ可能のラッチ部材を被駆動側軸に設け、且つ制御
環に対するラッチ部材の係断を所定のタイミングで行わ
せるストッパ部材を設けたので、部品点数の少ない構成
にも係らず、被駆動側軸(63)の回転方向の位置決め
を安定させることができる。
【0066】これにより、従来発生していた問題点、例
えば、被駆動側軸に給紙ローラが設けてある場合の、給
紙ローラの連れ回りやミスフィード等が防止できる。ま
た、従来装置のように、クラッチばねとそれの巻き胴の
内外径を厳しく管理する必要がなくなるので、大幅なコ
ストダウンを実現することができる。 〈第3の発明の効果〉第3のばねクラッチ伝達装置によ
れば、動力伝達のオン/オフの制御を行う制御環に対
し、任意の位置で係断可能のラッチ部材を設け、このラ
ッチ部材のラッチのタイミングを、被駆動側軸と同期回
転する制御カム部により行わせるようにしたので、部品
点数の少ない構成にも係らず、被駆動側軸(63)の回
転方向の位置決めを安定させることができる。
【0067】そのため、従来発生していた問題点、例え
ば被駆動軸に給送ローラが設けてある場合に給送ローラ
の連れ回り、あるいはミスフィードなどが防止できる。
しかも従来のようにばねクラッチを巻き胴の内外径を厳
しく管理する必要がなくなるので大幅なコストダウンを
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施例示す記録装置の被記録材
搬送部の縦断側面図。
【図2】同じく給紙動作時に発生するモーメントを示す
被記録材搬送部の縦断側面図。
【図3】同じく給紙動作時に発生するモーメントを示す
被記録材搬送部の縦断側面図。
【図4】従来例1に係る記録装置の給送部及び印字部を
示す縦断側面図。
【図5】同じく副走査部の駆動系を示す正面図。
【図6】同じく給紙部に適用されているばねクラッチの
側面図。
【図7】同じくばねクラッチの縦断側面図。
【図8】同じく給紙ローラ及び圧板部の平面図。
【図9】同じく給紙ローラ及び圧板部の縦断側面図。
【図10】同じく給紙動作を示す給紙ローラ及び圧板部
の縦断側面図。
【図11】同じく給紙動作を示す給紙ローラ及び圧板部
の縦断側面図。
【図12】同じく給紙動作を示す給紙ローラ及び圧板部
の縦断側面図。
【図13】第2の発明のばねクラッチ伝達装置の第1の
実施例を示す斜視図。
【図14】同じくばねクラッチ伝達装置の斜視図。
【図15】同じくばねクラッチ伝達装置の動作図。
【図16】第2の発明の第2の実施例を示すばねクラッ
チ伝達装置の正面図。
【図17】第2の発明の第3の実施例を示すばねクラッ
チ伝達装置の正面図。
【図18】第3の発明の第1の実施例を示す斜視図。
【図19】同じく(a) は被駆動側軸を示す斜視図、(b)
は被駆動側軸を示す正面図。
【図20】同じくばねクラッチ伝達装置の動作図。
【図21】同じくばねクラッチ伝達装置の動作図。
【図22】同じくばねクラッチ伝達装置の動作図。
【図23】第2の発明の第2の実施例に係るばねクラッ
チ伝達装置の正面図。
【図24】第2の発明の第3の実施例に係るばねクラッ
チ伝達装置の正面図。
【図25】従来例2に係るばねクラッチ伝達装置の要部
を示す斜視図。
【図26】同じくばねクラッチ伝達装置の要部の縦断正
面図。
【図27】同じくばねクラッチ伝達装置の斜視図。
【符号の説明】 S シート材(被記録材) 1 記録装置 2 装置本体 3 インクジェット記録ヘッド(印字部) 4 カム当接面に設けた摩擦係数又は硬度
の異なる部材 23 給紙ローラ 25 ガイドコロ 29 圧板 43A,55 カム 60 ばねクラッチ伝達装置 61 クラッチばね 62 駆動側軸 63 被駆動側軸 63a 制御カム部 67 ラッチ部材 70 ストッパ部材 70b ボス部 71 制御環 71a ゴム部材 79 ソレノイド 81 制御環 81d ゴム部材 82 ラッチ部材 100 ソレノイド

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録材をピックアップして印字位置に
    給送する給紙ローラと、前記被記録材が積載され給紙動
    作時に前記被記録材を前記給紙ローラに圧接する圧版
    と、該圧板の前記給紙ローラに対する圧接動作を規制す
    るカムと、前記給紙ローラへの駆動の伝達経路に介在す
    るばねクラッチと、有する記録装置において、 前記カムの前記圧板への当接面の一部を、摩擦係数又は
    硬度の異なる部材で構成したことを特徴する記録装置。
  2. 【請求項2】 被駆動側軸に動力を伝達する駆動側軸
    と、該駆動側軸と前記駆動側軸との間に配設され前記駆
    動側軸の動力を前記被駆動側軸に伝達するクラッチばね
    と、該クラッチばねの周囲に外嵌されていて前記クラッ
    チばねの動力伝達のオン/オフを制御する制御環と、を
    有するばねクラッチ伝達装置において、 前記被駆動側軸に回動自在に配設されていて前記制御環
    に任意の位置で係断して制御環の動作を規制するラッチ
    部材と、 該ラッチ部材が前記制御環にラッチするタイミングをと
    ると共に、前記ラッチ部材を外部から停止させるための
    ストッパ部材と、 を有することを特徴とするばねクラッチ伝達装置。
  3. 【請求項3】 前記制御環は、その周囲にラチェットを
    設けたことを特徴とする請求項2記載のばねクラッチ伝
    達装置。
  4. 【請求項4】 前記制御環は、その周囲にゴム部材を設
    けたことを特徴とする請求項2記載のばねクラッチ伝達
    装置。
  5. 【請求項5】 前記ストッパ部材は、所定の支点を中と
    して回動自在に支持され、該ストッパ部材の回動動作に
    よって前記ラッチ部材の停止、非停止を制御することを
    特徴とする請求項2記載のばねクラッチ伝達装置。
  6. 【請求項6】 被駆動側軸に動力を伝達する駆動側軸
    と、該駆動側軸と前記被駆動側軸との間に配設され前記
    駆動側軸の動力を前記被駆動側軸に伝達するクラッチば
    ねと、該クラッチばねの周囲に外嵌されていて前記クラ
    ッチばねの動力伝達のオン/オフを制御する制御環と、
    を有するばねクラッチ伝達装置において、前記制御環に
    任意の位置で係断して制御環の制御動作を規制するラッ
    チ部材と、 該ラッチ部材が前記制御環にラッチするタイミングを、
    前記被駆動側軸の回転と同期してとる制御カム部と、 を有することを特徴とするばねクラッチ伝達装置。
  7. 【請求項7】 前記制御環は、その周囲にラチェットを
    設けたことを特徴とする請求項6記載のばねクラッチ伝
    達装置。
  8. 【請求項8】 前記制御環は、その周囲にゴム部材を設
    けたことを特徴とする請求項6記載のばねクラッチ伝達
    装置。
  9. 【請求項9】 前記被駆動側軸と同期して動作する前記
    制御カム部は、前記被駆動側軸と一体に構成されている
    ことを特徴とする請求項6記載のばねクラッチ伝達装
    置。
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