JP2002332130A - シート材給送装置、シート材給送方法および記録装置 - Google Patents

シート材給送装置、シート材給送方法および記録装置

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JP2002332130A
JP2002332130A JP2001139973A JP2001139973A JP2002332130A JP 2002332130 A JP2002332130 A JP 2002332130A JP 2001139973 A JP2001139973 A JP 2001139973A JP 2001139973 A JP2001139973 A JP 2001139973A JP 2002332130 A JP2002332130 A JP 2002332130A
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sheet material
feeding
return lever
sheet
roller
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JP2001139973A
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English (en)
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Tetsuhiro Ohashi
哲洋 大橋
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置の大型化や大幅なコストアップを招くこ
とのない、単純な構成の重送防止機構を備えたシート材
給送装置を提供する。 【解決手段】 制御カム14には、凹形状の切り欠き1
4cが円弧状に形成されており、この切り欠き14c
に、戻りレバー13と一体的に形成されている回転軸1
3bの一端面から延びるレバー突起13aが切り欠き1
4c内で半径方向に移動可能なように挿入されている。
このレバー突起13aが、切り欠き14cの第1の当接
面14dおよび第2の当接面14eに当接することで、
回転軸13bと制御カム14との相対的な回転角度が規
制されている。給送動作自体は完全に終了しておらず、
本体側に把持された後のシート材の後端部がシート材給
送装置の内部に残っている状態では、シート材が戻りレ
バー13を押しつけて矢印B方向に回転させ、戻りレバ
ー13をシート材搬送経路から退避させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数枚積載された
シート材から1枚ずつシート材を取り出して搬送するシ
ート材給送装置に関し、更に詳細には、一度の給送動作
時に複数のシート材が送り出される、いわゆる重送を防
止する機構を備えたシート材給送装置、およびシート材
給送方法に関するとともに、シート材給送装置を備えた
プリンタ、複写機、印刷装置、ファクシミリ、スキャナ
等の記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、重送防止機構を備えたシート材給
送装置としては、トルクリミッタを介して分離ローラを
強制的にシート材搬送方向と逆回転させるリタードロー
ラ方式、あるいは戻しレバーを備えて所定枚数のシート
材搬送毎に戻しレバーを動作させてシート材先端を所定
位置まで戻す戻しレバー方式、などが代表的である。
【0003】戻しレバー方式の中には、例えば特開平1
0−181904号公報に開示される発明のように、給
送装置の駆動源を正方向に回転させて給送動作を行い、
駆動源を逆方向に回転させて戻しレバーを動作させシー
ト材を所定位置まで戻す、双方向回転制御型がある。ま
た、例えば特開平4−72242号公報に開示される発
明のように、給送装置の駆動源は片方向回転しか使用し
ないが、駆動伝達機構中にクラッチ機構を併設して、戻
しレバー動作時にはクラッチ機構の動作により戻しレバ
ーを作動させるクラッチ機構併用型がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
技術においては、重送を防止する機構を動作させるため
にいくつかの制約があった。
【0005】リタードローラ方式のシート材給送装置に
おいては、適正解放トルクを維持するトルクリミッタを
使用し、かつ給送動作中は常に逆転させなければならな
いため、機構が複雑になり、装置の大型化、あるいは高
コスト化を招いていた。また、搬送中のシート材に、不
要な抵抗力を与えてしまうこともあった。
【0006】また、双方向回転制御型戻しレバー方式の
場合においては、モータ等の駆動源の回転方向を双方向
共に自動給送動作に使用してしまうため、前記駆動源を
他の機構と共通の駆動源として利用することが難しくな
り、例えばシート材給送装置を含む記録装置全体構成で
見ると駆動源数が増えて、装置の大型化あるいは高コス
ト化を招いていた。また、戻しレバーの動作は、一連の
給送動作が終了した後に行われるため、給送動作とは別
に戻しレバー動作時間を設ける必要があり、装置動作時
間が長くなる傾向にあった。
【0007】また、クラッチ機構併用型のシート材給送
装置においては、駆動伝達を制御するクラッチ機構を設
ける必要があるので、ソレノイド等の別駆動源を必要と
したり、あるいは結局モータ等の回転駆動源を双方向に
回転させることによりクラッチ機構を制御する必要があ
り、機構が複雑になって、装置の大型化、あるいは高コ
スト化を招いていた。また、双方向回転型と同様に、給
送動作とは別に戻しレバー動作時間を設ける必要があ
り、給送動作時間が長くなる傾向にあった。
【0008】また、シート材のセット時には、シート材
が分離機構部に進入するのを防ぐために、リタードロー
ラ方式においてはシャッターを閉じたり、双方向回転型
においては、シート材のセット前に駆動源を逆転して戻
しレバーを所定の位置に停止させることでシート材搬送
路を塞いでいた。このような構成では、制御が複雑にな
ったり、機構が複雑になり、装置の大型化、あるいは高
コスト化を招いていた。また、双方向回転型と同様に、
給送動作とは別に戻しレバー動作時間を設ける必要があ
り、動作時間が長くなる傾向にあった。
【0009】そこで本発明は、複雑な機構や制御を用い
ること無く重送を防止でき、コストアップや動作時間の
延長も避けることが可能で、かつ、シート材のセット時
にシート材先端が分離部に落ち込むことを容易に防止す
ることが可能なシート材給送装置、シート材給送方法お
よび記録装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のシート材給送装置は、シート材を給送する給送
ローラと、シート材を積載し前記給送ローラに付勢する
積載手段とを備え、前記積載手段に積載された複数のシ
ート材から一枚ずつシート材を分離して給送するシート
材給送装置において、シート材を給送する方向に回転駆
動される前記給送ローラと連動することで位置づけされ
る、前記積載手段よりシート材の給送方向の下流側のシ
ート材の給送路を塞ぐ位置である第1のポジションと、
前記給送路を塞がない位置である第2のポジションとを
含む複数のポジションに位置づけされる戻しレバーと、
前記戻しレバーを前記第2のポジションから前記第1の
ポジションに自動復帰させる付勢手段とを有することを
特徴とする。
【0011】上記の通り構成された本発明のシート材給
送装置は、給送ローラがシート材を給送する方向に回転
駆動される際に、戻しレバーが給送ローラの回転に連動
してシート材の給送路を塞ぐことで、積載手段から給送
ローラへのシート材の不用意な侵入を防止する第1のポ
ジションに位置づけされる。このため、例えば、給送ロ
ーラと戻しレバーとを同一の駆動源で駆動させて、重送
を防止することができる。さらに、給送ローラを停止さ
せることなく、積載手段からの重送を防ぐためのポジシ
ョンに戻しレバーを移動させることができる。また、本
発明のシート材給送装置は、複雑な機構、あるいは駆動
源を要することなく、戻しレバーを付勢手段により自動
的にシート材の給送を阻害しない第2のポジションから
第1のポジションへと復帰させることができる。
【0012】また、本発明のシート材給送装置は、戻し
レバーの第2のポジションへの移動は、給送中のシート
材の剛性に依存するものであってもよい。この場合、複
雑な機構を要することなく、戻しレバーをシート材の給
送を阻害しない第2のポジションに保持することができ
る。
【0013】さらに本発明のシート材給送装置は、戻し
レバーと、給送ローラと連動して戻しレバーを駆動する
駆動手段とは、所定範囲で互いの相対移動を許容する機
構を有するものであってもよい。
【0014】また、本発明のシート材給送装置は、戻し
レバーの各ポジションが、シート材を給送する方向に回
転駆動される給送ローラと連動することで位置づけされ
るシート材を積載手段に押し戻して、シート材の先端を
そろえる位置である第3のポジションを含むものであっ
てもよい。
【0015】また、本発明のシート材給送装置は、給送
ローラを一方向に一回転させる間に、積載された複数の
シート材から一枚のシート材を分離して給送し、残りの
シート材を前記積載手段に保持するものであってもよ
い。
【0016】本発明のシート材給送方法は、本発明のシ
ート材給送装置を用いたシート材給送方法であって、給
送動作の待機時に、前記戻しレバーを第1のポジション
に位置づける工程と、給送動作中で給送中のシート材が
装置内に残っている時には、前記戻しレバーが前記第2
のポジションに位置づけられる工程と、シート材の後端
が前記戻しレバーの先端を通過した後に、前記戻しレバ
ーが前記第2のポジションから前記第1のポジションに
自動復帰する工程とを含むことを特徴とする。
【0017】上記の通りの本発明のシート材給送装置を
用いたシート材給送方法は、給送動作中で給送中のシー
ト材が装置から完全に取り出されずに装置内に残ってい
る時には、シート材の剛性により戻しレバーを第2のポ
ジションに位置づけ、戻しレバーがシート材の給送を阻
害しないようにする。さらに、シート材の後端が戻しレ
バーの先端を通過した後の、次のシート材を給送するま
での給送動作の待機状態には、付勢手段による自動復帰
により戻しレバーが第1のポジションに位置すること
で、積載手段から給送ローラへのシート材の不用意な侵
入を防止することができる。
【0018】また、本発明のシート材給送方法は、本発
明のシート材給送装置を用いたシート材給送方法であっ
て、給送動作の最初の工程として、前記戻しレバーを前
記第1のポジションから前記第3のポジションへと移動
させる工程を含むことを特徴とする。
【0019】本発明の記録装置は、本発明のシート材給
送装置を備えて、シート材に記録手段により記録情報を
記録する。
【0020】上記の通り本発明の記録装置は、シート材
の給送と、戻しレバーの動作とが連動する本発明のシー
ト材給送装置を備えているため、給送動作とは別に戻し
レバー動作時間を設定する必要がなく、よって記録時間
を短縮することができる。
【0021】また、本発明の記録装置は、記録手段が、
ノズルによりインクを吐出してシート材に記録を行うイ
ンクジェット方式であってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0023】図1は、本発明の一実施形態に係るシート
材給送装置(ASF:Automatic Sheet Feeder)の全体
の構成を模式的に示す斜視図である。
【0024】図1および図2に示すように本実施形態の
シート材給送装置では、そのフレーム(枠組み)となる
ASFベース15に給送軸10が回動可能に取り付けら
れている。給送軸10の一部には、シート材などのシー
ト材を搬送するための給送ローラ?11が取り付けられ
ており、給送軸10はASFベース15上で給送ローラ
11を回転可能に支持している。また、給送軸10にお
ける給送ローラ11に近接する部分には、給送ローラ1
1の回転角度が所定の範囲内にある時に給送ローラ11
へのシート材の接触を防止する給送コロ18が回転可能
に取り付けられている。シート材給送装置上でシート材
を分離する動作に関わる摩擦分離手段としてのトルクリ
ミッタ12は、図に基づいて後述するようにそれを回動
可能に支持するホルダ27を介してASFベース15に
取り付けられている。そのホルダ27およびASFベー
ス15に取り付けられたばねによって、トルクリミッタ
12は給送ローラ11に向かう方向に押圧されている。
本実施形態では、トルクリミッタ12として、給送ロー
ラ11との間にシート材を挟み込むように給送ローラ1
1側に付勢されてそのシート材と圧接すると共に、給送
ローラ11との間に挟み込まれたシート材の移動に伴っ
て回転するように回動可能に支持されたリタードローラ
が用いられている。
【0025】シート材給送装置から送り出されるシート
材が複数枚重なって供給されることの防止、いわゆる重
送の防止に係わる戻し用部材としての戻しレバー13
も、ASFベース15に揺動可能に複数個取り付けられ
ている。各戻しレバー13も付勢ばね25によって一方
向に付勢されている。ASFベース15の一端部には、
戻しレバー13を駆動するための制御カム14が配置さ
れている。制御カム14は、それぞれの戻しレバー13
を駆動するための部材に取り付けられており、その部材
と共に回動可能に支持されている。
【0026】ASFベース15は、使用状態の姿勢で斜
めに傾斜する傾斜部を有しており、その傾斜部の上面
に、シート材の束を給送ローラ11に向けて押圧するた
めの押圧部材として圧板16が取り付けられている。圧
板16は、ASFベース15との間に取り付けられた不
図示の圧板ばねによって給送ローラ11側へと付勢され
ている。圧板16上に載置されたシート材の束が圧板1
6と圧板ばねによって給送ローラ11側に押圧される。
圧板16には、サイドガイド17が、図1に示されるよ
うに給送ローラ11によるシート材の搬送方向Aと略直
交する矢印C方向にスライド可能に取り付けられてい
る。サイドガイド17は、圧板16上のシート材を矢印
C方向で位置決めするためのものである。
【0027】本実施形態のシート材給送装置は、記録装
置などの他の装置に取り付けられ、その装置と一体化し
て使用することを前提として設計されており、このシー
ト材給送装置自体には駆動源が備えられていない。その
ため、本実施形態のシート材給送装置は、例えば記録装
置の本体側から駆動力が伝達されて駆動される被駆動装
置として構成されている。以下では、シート材給送装置
が記録装置に装着される場合を例にとって説明するが、
シート材給送装置が装着される装置は記録装置に限定さ
れない。
【0028】本実施形態のシート材給送装置は、大きく
分けてシート材積載部、給送・分離部、および重送防止
部から成り立っている。まず、最初にシート材積載部の
構成について説明する。
【0029】シート材給送装置のシート材積載部は、A
SFベース15の一部から突出して設けられたシート材
搬送基準部15aをシート材の側方での基準とし、シー
ト材搬送基準部15aと反対側でシート材の側方を規制
するためのサイドガイド17と、圧板16とから構成さ
れている。シート材給送装置がシート材の搬送を休止し
ているいわゆる待機状態においては、圧板16は、給送
ローラ11から遠ざかる方向において所定の位置に止ま
っており、その際には給送ローラ11と圧板16の間
に、複数枚のシート材を積載するのに充分な間隙が確保
されている。
【0030】本実施形態のシート材給送装置は、所定の
幅の範囲内にある任意のシート材幅に適応するように設
計されているので、複数枚のシート材を給送ローラ11
と圧板16の間隙にシート材搬送基準部15aに沿わせ
て載置した後、サイドガイド17を図1の矢印C方向に
移動させてシート材幅に合わせることにより、載置され
たシート材の束は搬送方向と交差する方向への移動が規
制されて、安定した搬送が可能となる。サイドガイド1
7は圧板16に摺動可能に取り付けられているが、サイ
ドガイド17は、それが不用意に動かないように、圧板
16に刻まれたラッチ溝と係合して固定できるように構
成されている。そのため、サイドガイド17を移動させ
る時には、サイドガイド17に設けられたレバー部を操
作して圧板16とのラッチを解除し、移動させることに
なる。
【0031】積載部にセットされるシート材は、重力に
よって下方に付勢されるが、その下方先端は、ASFベ
ース15に固定して設けられたシート材先端基準部15
bに突き当たることになる。本実施形態においては、給
送時のシート材への負荷を低減するために、シート材先
端基準部15bはリブ形状となっている。
【0032】ここで、シート材給送装置の駆動機構部に
ついて図2を参照して説明する。図2は、図1に示され
る矢印B方向からシート材給送装置を見た模式的側面図
である。
【0033】図2に示すようにASFベース15の側面
には、入力ギア20、ダブルギア21、給送軸ギア2
2、コントロールギア23、および制御カム14が配置
されている。入力ギア20は、シート材給送装置が記録
装置の本体に装着された際にその本体側のギアと係合
し、そのギアからの駆動力を受ける。ダブルギア21
は、径の異なる2つのギア部が同軸の状態で一体となっ
たものであり、ダブルギア21の小さい径のギア部が入
力ギア20と係合している。入力ギア20に伝達された
駆動力が、ダブルギア21を介してその次段のギアに伝
達される。
【0034】給送軸ギア22は、給送軸10の一端部に
固定されると共にダブルギア21の大きい径のギア部と
係合しており、ダブルギア21からの駆動力を給送軸1
0や次段のギアに伝達する。コントロールギア23は給
送軸ギア22と係合しており、給送軸ギア22から伝達
された駆動力によって戻しレバー13とトルクリミッタ
12の駆動を制御する。コントロールギア23の片面に
は、制御カム14の駆動動作を制御するために制御カム
14と係合するカム23aが形成されている。付勢ばね
25の一端部は、制御カム14の側面に形成された係止
部に取り付けられ、他端部は、ASFベース15に形成
された係止部に取り付けられている。この付勢ばね25
は、制御カム14をその一方の回転方向に付勢し、それ
によって戻しレバー13に対する制御カム14の相対的
な回転角を、カム23aの回転動作に応じて所定の角度
に規定するためのものである。上述したようにトルクリ
ミッタ12を回動自在に支持するホルダ27とASFベ
ース15のそれぞれには押圧ばね26が取り付けられて
おり、その押圧ばね26によってトルクリミッタ12が
給送ローラ11に向かう方向に押圧されている。
【0035】記録装置の本体に備えられたギアから伝達
される駆動力は入力ギア20を、図2に示される矢印B
方向に回転させる。入力ギア20に伝達された駆動力
は、そのギアよりも回転速度が減速されて回転するダブ
ルギア21を介して給送軸ギア22に伝達され、それに
よって給送軸ギア22を図2の矢印A方向に回転させ
る。給送軸ギア22に伝達された駆動力はさらにコント
ロールギア23に伝達されるが、ここで給送軸ギア22
とコントロールギア23は1:1の減速比で連結されて
いるため、それらのギアは常に同期した角度位相で回転
している。
【0036】制御カム14の側面には、その面から突出
するカムフォロワ(cam follower)部14bが形成され
ており、付勢ばね25により付勢される制御カム14の
カムフォロワ部14bが常にカム23aに倣うことによ
って、制御カム14は給送軸10と同期して駆動制御さ
れる。さらには、コントロールギア23のカム23a側
とは反対面に設けられた不図示のカムにより、図5に基
づいて後述する制御カム28が駆動され、制御カム28
の動作に伴ってトルクリミッタ12の位置が給送軸10
と同期して駆動制御される。よって、コントロールギア
23のカム23a側とは反対面に設けられたそのカムお
よび制御カム28から、トルクリミッタ12を移動させ
る動作を制御する制御手段が構成されている。トルクリ
ミッタ12はホルダ27によって回転可能に保持されて
いるが、ホルダ27自身も回転中心を持って回転可能に
支持されており、上述したように押圧ばね26の作用に
よってトルクリミッタ12は給送ローラ11に向かう方
向に付勢されている。付勢ばね25による制御カム14
の付勢を、後述するような必要なタイミングで解除し、
トルクリミッタ12を給送ローラ11から離間させるた
めに、前述の制御カム28によりトルクリミッタ12の
駆動を制御している。
【0037】圧板16は上端に回転中心を持ち、回転移
動が可能である。その動作は、ばねとカムにより規制さ
れており、給送ローラ11方向への付勢は、図示せざる
圧板ばねにより回転付勢され、前述の給送ローラ11か
ら離間する方向へは、後述する給送軸ギア22に設けら
れたカムが圧板16を押すことにより強制的に回転移動
される。以上の付勢・離間動作が後述する所定タイミン
グにより行われることで給送動作が行われる。
【0038】以上で説明した構成が駆動機構部であり、
次に、シート材給送装置の給送・分離部の構成を説明す
る。
【0039】給送ローラ11に対する圧板16の付勢お
よび離間が上述のように所定のタイミングによって行わ
れる動作により、圧板16上に載置されたシート材の束
は給送ローラ11に押圧される。この押圧と共に、給送
ローラ11は回転駆動されるので、圧板16上に積載さ
れたシート材束のうち最上位にあるシート材が給送ロー
ラ11に接し、その最上位のシート材が給送ローラ11
との摩擦力により搬送される。このように給送ローラ1
1は摩擦力によりシート材を搬送するので、給送ローラ
11の材質としては、EPDM(エチレン・プロピレン
・ジエン共重合体)など高摩擦係数を持ったゴムや、発
泡ウレタンなどを好適に用いることができる。
【0040】次に、給送・分離部の構成について引き続
いてさらに説明する。
【0041】圧板16上に積載されたシート材の束のう
ち最上位のシート材が給送ローラ11により搬送される
が、その際、基本的には給送ローラ11と最上位のシー
ト材との間の摩擦力が、最上位シート材とその直下のシ
ート材との間の摩擦力より大きい場合が多いので、最上
位のシート材のみが搬送されることが多い。しかしなが
ら、例えばシート材の裁断時にシート材の端部にできる
バリの影響がある場合や、静電気によるシート材同士の
貼り付きがある場合や、表面の摩擦係数が非常に大きい
シート材を使用する場合などには、給送ローラ11によ
って圧板16上から複数枚のシート材が一度に引き出さ
れる場合がある。その時には、本実施形態においては以
下の方法によって、圧板16上のシート材の束から最上
位のシート材のみを分離する。
【0042】本実施形態では、給送ローラ11の表面に
おいて、シート材が給送ローラ11に最初に接する点よ
りも搬送方向下流側でトルクリミッタ12が給送ローラ
11に当接するように、トルクリミッタ12が給送ロー
ラ11に押圧されている。トルクリミッタ12自身はホ
ルダ27に回転可能に保持されているだけで、能動的に
回転駆動していない。但し、ここではトルクリミッタ1
2の支軸は固定され、この固定支軸とトルクリミッタ1
2の間に、金属あるいはプラスチックなどで形成された
コイルばねが収納されており、トルクリミッタ12が所
定の角度まで回転し、そのコイルばねが固定支軸に巻き
付いたところでコイルばねと固定支軸が相対的に滑るこ
とによって所定トルクを維持するように構成されてい
る。トルクリミッタ12の表面は、給送ローラ11と同
程度の摩擦係数を持つようにゴムや発泡ウレタンなどで
構成されている。このような構成により、給送ローラ1
1とトルクリミッタ12の間にシート材が入っていない
時には、トルクリミッタ12は給送ローラ11の回転に
伴ってそれに従動して回転する。
【0043】給送ローラ11とトルクリミッタ12の間
に1枚のシート材が入った場合には、給送ローラ11と
シート材の間の摩擦力の方が、所定のトルクで従動する
トルクリミッタ12とシート材の間の摩擦力よりも大き
いため、そのシート材は、トルクリミッタ12を従動さ
せつつ搬送される。しかし、2枚のシート材が給送ロー
ラ11とトルクリミッタ12の間に入った場合には、給
送ローラ11側にあるシート材と給送ローラ11との間
の摩擦力が2枚のシート材間の摩擦力に比べて大きく、
またトルクリミッタ12側にあるシート材とトルクリミ
ッタ12との間の摩擦力が2枚のシート材間の摩擦力に
比べて大きくなるため、それらのシート材間で滑りが生
じる。その結果、給送ローラ11側にあるシート材のみ
が搬送され、トルクリミッタ12側にあるシート材は、
トルクリミッタ12の回転の停止と共にその場に停止し
て搬送されない。以上で説明した構成が、トルクリミッ
タ12を使用して、重なり合ったシート材を分離する分
離部の概略である。
【0044】次に、重送防止部の構成を説明する。
【0045】上述のように、2枚程度のシート材が給送
ローラ11とトルクリミッタ12のニップ間に入ってき
てもシート材を分離することは可能であるが、それ以上
の枚数が入ってきたり、あるいは2枚のシート材が入っ
て給送ローラ11側のシート材のみが搬送された後にニ
ップ付近にシート材を残したまま次のシート材を連続し
て給送しようとした場合には、複数枚のシート材が同時
に搬送される現象いわゆる重送が発生する場合がある。
この現象を防止するために本実施形態のシート材給送装
置に重送防止部を設けている。重送防止部は、上述した
駆動機構部における制御カム14および戻しレバー13
などから構成されている。
【0046】図3は、戻しレバー13と制御カム14の
関連を示す模式的斜視図を示す斜視図である。
【0047】本実施形態のシート材給送装置には戻しレ
バー13が4本備えられており、それらの戻しレバー1
3が、図3に示すように互いに間隔をおいて円筒状の回
転軸13bに設けられてそれらが一体となっている。回
転軸13bの一端部が回動自在に嵌合する穴が制御カム
14に形成されており、その穴に回転軸13bの一端部
が挿入されることで、制御カム14は、回転軸13bと
同軸の状態で回転軸13bの一端部に取り付けられてい
る。
【0048】制御カム14には、凹形状の切り欠き14
cが円弧状に形成されており、この切り欠き14cに、
回転軸13bの一端面から延びるレバー突起13aが切
り欠き14c内で半径方向に移動可能なように挿入され
ている。このレバー突起13aが、切り欠き14cの第
1の当接面14dおよび第2の当接面14eに当接する
ことで、回転軸13bと制御カム14との相対的な回転
角度が規制されている。このように回転軸13bと制御
カム14の相対的な回転が可能な範囲において、それら
の相対的な回転を一方向に片寄せしておくために、回転
軸13bと制御カム14のそれぞれにばね24が取り付
けられている。このような構成により、制御カム14を
図2の矢印C’方向に回転させた時には戻しレバー13
は制御カム14と同期して回転するが、制御カム14を
固定して戻しレバー13を図2の矢印C’とは反対方向
に回転させた時には、戻しレバー13が制御カム14と
は独立して所定の角度範囲だけ回転移動することができ
る。
【0049】上述した駆動機構部の説明のようにコント
ロールギア23の回転に同期して戻しレバー13が動作
するが、以下ではそれらの基本的な動作について説明す
る。
【0050】図4は、戻しレバー13の動作を説明する
ためにシート材給送装置においてコントロールギア23
や制御カム14などを含む部分を示した側面図であっ
て、図4(a)から図4(d)の各図では、その説明に
必要な構成要素のみを図2から抽出している。
【0051】戻しレバー13は基本的に3種類のポジシ
ョンを取り得る。
【0052】図4(a)は、給送動作が開始した直後の
状態を示している。給送動作の開始直後では、給送待機
中に新たにシート材を積載される場合があるため、その
シート材先端を所定のシート材先端部基準15bまで戻
す動作を行う。この戻しレバー13位置が図4矢印B方
向に最も移動した位置である。戻しレバー13がこの位
置にくると、先行していたシート材の先端は完全にシー
ト材先端部基準15bまで押し戻される。戻しレバー1
3のこの位置が、後述する第1のポジションおよび第2
のポジションに対する第3のポジションである。
【0053】次に、コントロールギア23が図4(a)
の矢印D方向に回転し、制御カム14のカムフォロワ部
14bがコントロールギア23のカム23aから外れる
と、戻しレバー13は付勢ばね25の付勢力によって図
4(a)の矢印E方向に回転する。
【0054】図4(b)は、戻しレバー13が矢印E方
向に最も回転移動した状態を示している。この時、制御
カム14の側面から突出した突起14aが、コントロー
ルギア23のカム23a側と反対側の面に設けられたフ
ランジ部に当接することで停止し、戻しレバー13が所
定の位置に位置決めされている。
【0055】図4(c)は、図5(b)の状態からコン
トロールギア23が矢印D方向にさらに回転し、給送動
作の途中で戻しレバー13を図4(a)の位置まで戻し
た状態を示している。この状態では戻しレバー13の位
置自体は、図4(a)に示した位置とほぼ同じである。
【0056】図4(d)は、シート材給送装置における
給送動作の待機時での戻しレバー13の位置を示してい
る。この状態の戻しレバー13の位置が第1のポジショ
ンである。給送動作の待機時は、前述のようにシート材
の通過経路中に戻しレバー13の先端部を侵入させるこ
とにより、シート材給送装置へのシート材のセット時に
シート材の先端部がシート材給送装置の奥まで不用意に
入り込んでしまうことを防止している。
【0057】図5は、図4(d)に示される待機状態を
シート材の通過経路と関連させて示したシート材給送装
置の模式的側断面図である。この図5には、図1に示さ
れる一点鎖線Dに沿った断面を矢印B方向から見た図が
示されている。
【0058】図5に示すように給送ローラ11の周面に
は、給送ローラ11の断面形状がD字形となるように、
給送ローラ11の回転軸と平行な方向に延びるDカット
面11dが平面部として形成されている。よって、給送
ローラ11が一回転することによって給送されたシート
材の先端部が記録装置の本体側で把持された後は、Dカ
ット面11dがトルクリミッタ12側に向かってそれと
対向することで給送ローラ11とトルクリミッタ12の
間に隙間が形成され、その隙間をシート材の後半の部分
が通過していく構成となっている。このような構成で
は、シート材の通過経路全体がくの字型に曲がっている
ため、シート材の剛性によってシート材が給送ローラ1
1に巻き付こうとするので、シート材に対して何もしな
いと、表面の摩擦係数が大きい給送ローラ11にシート
材が接触してシート材に大きな摩擦負荷を与えることに
なる。これを防止するために、給送軸10における給送
ローラ11の近傍には、シート材との摩擦係数が低く、
かつシート材と共に容易に従動する給送コロ18が設け
られている。
【0059】次に、本実施形態のシート材給送装置の機
構における各構成部品の互いの関連動作についてタイミ
ングチャートを用いて説明する。
【0060】図6は、本実施形態のシート材給送装置の
動作を示すタイミングチャートである。図6には、圧板
16の位置、戻しレバー13の位置、トルクリミッタ1
2の位置、および給送ローラ11aの回転角度を示して
いる。
【0061】図6において、給送ローラ11の回転角度
0°は、図5に示した待機状態を示している。図5の待
機状態から一連の動作がスタートする。この時には、圧
板16は給送ローラ11から離間した位置すなわち離間
位置に保持され、戻しレバー13は図4(d)の位置に
ある。また、トルクリミッタ12は給送ローラ11から
退避した位置すなわち退避位置にあり、給送ローラ11
のDカット面11dはトルクリミッタ12に対向してい
る。
【0062】次に、給送ローラ11が角度Aまで回転す
ると、まず、制御カム28が動作して、トルクリミッタ
12が退避位置から圧接位置へと移動を開始する。
【0063】次に、給送ローラ11が角度Bまで回転す
ると、戻しレバー13が制御カム14によって図4
(a)の位置に移動して、待機時にシート材給送装置上
で不揃いになったおそれのあるシート材の先端をシート
材先端基準部15bまで戻し始める。
【0064】次に、給送ローラ11の回転角が角度C近
傍で、給送ローラ11の曲面部がトルクリミッタ12に
対向する位置に回転すると同時に、給送ローラ11側へ
の圧接方向に移動してきたトルクリミッタ12が移動完
了し、給送ローラ11の曲面部とトルクリミッタ12が
圧接される。この時、トルクリミッタ12は給送ローラ
11に従動するので、トルクリミッタ12中のコイルば
ねが所定のトルクまでチャージされる。
【0065】次に、給送ローラ11の回転角が角度D
で、戻しレバー13が図4(b)の位置まで一気に移行
して、シート材の通過経路から完全に退避する。戻しレ
バー13が退避したところで、図5に示されるように圧
板16上に積載されたシート材19の束のうち最上位に
あるシート材19が給送ローラ11に圧接される。圧接
されると、前述のようにシート材の搬送が開始される。
【0066】ここからしばらくは1枚のシート材が連続
して搬送され、前述のようにシート材が複数枚重なった
状態で搬送されてしまった場合には、重なったシート材
が分離部で分離されるなどして、記録装置の本体に向け
てシート材が搬送される(図1に示した矢印A方向)。
搬送されたシート材の先端部は記録装置本体側で把持さ
れ、そのシート材が記録装置本体と給送ローラ11の共
動によって搬送されだすと、給送動作は上述の重送防止
動作に入る。
【0067】次に、給送ローラ11の回転角が角度E近
傍で、戻しレバー13が、図4(c)の矢印F方向へ回
転し始める。
【0068】次に、給送ローラ11の回転角が角度F近
傍で、圧板16の離間動作が開始される。圧板16が給
送ローラ11から離れる方向に移動されると、圧板16
上の主たるシート材の給送ローラ11への圧接が解除さ
れるため、シート材の搬送力は減少する。また、この直
後に給送ローラ11のDカット面11dが、圧板16が
取り付けられた圧板部に対向してくる。しかし、トルク
リミッタ12と給送ローラ11は依然圧接しているの
で、シート材の搬送は引き続き行われている。
【0069】次に、給送ローラ11の回転角が角度G近
傍で、制御カム28の動作によって、給送ローラ11へ
のトルクリミッタ12の圧接が解除され始める。この圧
接が解除されると、給送ローラ11へのシート材の圧接
力はなくなるので、シート材給送装置側ではシート材の
保持力はなくなる(本体側では保持している)。ちょう
ど、このシート材保持力が無くなったタイミングで、戻
しレバー13がシート材の通過経路に侵入しだし、給送
ローラ11とトルクリミッタ12のニップ部付近に次の
シート材の先端が残っていた場合には、戻しレバー13
の先端部によってシート材の先端が掻き戻されて行く。
【0070】次に、給送ローラ11の回転角が角度H付
近で、戻しレバー13が図4(c)の位置まで完全に戻
され、給送されている最中のシート材を除く他の全ての
シート材の先端がシート材先端基準部15bまで逆方向
に搬送される。
【0071】次に、給送ローラ11の回転角が角度J付
近で、制御カム14の回転角度が図4(d)に示した角
度に戻り、戻しレバー13が図4(d)の待機状態の位
置に戻される。
【0072】以上で、給送ローラ11の1回転に同期し
た、シート材給送装置の制御は終了する。
【0073】しかしながら、実際はこの状態では給送動
作自体は完全に終了しておらず、本体側に把持された後
のシート材後端部がシート材給送装置の内部に残ってい
る。以下にシート材が自動給送部から完全に取り出され
るまでの戻しレバーの挙動に関して説明する。
【0074】図7は、給送動作中の駆動シーケンス終了
後状態を示す、模式的側断面図である(図5と同一断面
である)。この状態の戻しレバー13の位置が第2のポ
ジションである。
【0075】搬送中のシート材19の先端側は図7の矢
印A’方向にある本体側に把持されているが、同図に示
すように、シート材19の後端側はシート材搬送経路に
沿ってシート材給送装置内に残っている。すなわち、シ
ート材19の一部が給送コロ18と当接しつつ引き出さ
れている状態にある。
【0076】この状態では、駆動機構部の駆動シーケン
スは終了しているので、制御カム14の位置は図4
(d)の位置まで戻っているため、本来、戻しレバー1
3は図5と同じ位置、すなわち、シート材搬送経路に侵
入した位置まで戻っているはずである。しかし、図3を
用いて説明したように、制御カム14と戻しレバー13
は所定角度範囲で相対的に移動可能であるため、給送中
のシート材19に先端13bを押さえられて戻しレバー
13は、図5の位置から矢印B方向に回転した図7の位
置に留まっている。
【0077】図8は、図7の状態での戻しレバー13と
制御カム14の相対関係を示す、模式的側面図である。
【0078】図8と図4(d)を対比すると明らかなよ
うに、図4(d)の状態では、レバー突起13aが制御
カム14の凹型切り欠き14cの第1の当接面14dに
当接した位置にあるが、図8の状態では、レバー突起1
3aが凹型切り欠き14cの第2の当接面14eに当接
した位置にある。すなわち、戻しレバー13は、レバー
突起13aが凹型切り欠き14cの第1の当接面14d
に当接した位置から第2の当接面14eに当接した位置
まで矢印B方向に回転している。これにより、本体側で
の給送動作が完了するまで戻しレバー13は給送動作を
妨げることなく、シート材搬送経路から退避している、
すなわち、第1のポジションから第2のポジションに移
動していることとなる。
【0079】本体側の給送動作が完全に終了し、戻しレ
バー13をB方向に回転させて図8の状態になるように
押し下げていたシート材19の後端が戻しレバー13の
先端13bを通過しきってしまうと、ばね24の作用に
より戻しレバー13は付勢されて、図7ないし図8の第
2のポジションから図4(d)ないし図5の第1のポジ
ションの状態に自動復帰する。よって、待機状態では戻
しレバー13がシート材搬送経路に侵入していることに
なり、シート材19の先端が不用意に分離部に落ち込む
ことがなくシート材のセット性が良好になる。
【0080】なお、前述したように、戻しレバー13が
図7ないし図8の位置に留まるか、あるいは図4(d)
ないし図5の位置に戻ってしまうかは、シート材19が
戻しレバー13を押し下げる力に依存する、すなわち、
給送中のシート材19の剛性に依存するので、給送中の
シート材種によって状態は若干変わる。シート材が、剛
性の低い薄紙の場合、あるいは、剛性の高い厚紙の場合
における、各用紙の給送中の状態および戻しレバー13
の状態を以下に説明する。
【0081】図9は剛性の低い薄紙を給送中の状態を示
す、模式的正面図である。同図は図1矢印Aと反対方向
からシート材給送装置を眺めた図である。
【0082】給送中の剛性の低い薄紙は破線で示してい
る。戻しレバー13はシート材19の幅方向に複数(本
実施形態では4カ所)に設けられており、特に、給送ロ
ーラ11の両側にも設けられており、所定の間隙を持っ
て取り付けられている。図9に示すように、剛性の低い
薄紙の場合、戻しレバー13を押しつける力が弱いた
め、戻しレバー13の配列ピッチでシート材19が撓ん
でしまい、戻しレバー13は図4(d)ないし図5の位
置まで戻ってしまう。しかしながら、戻しレバー13が
図4(d)ないし図5の位置に戻ってしまっても、この
ようにシート材19の変形によりシート材搬送経路は確
保されるので、シート材給送装置からシート材を引き出
せなくなったり、搬送負荷が大きくなってしまったりす
ることはないので問題ない。
【0083】図10は剛性の高い厚紙を給送中の状態を
示す、模式的正面図である。
【0084】図中に破線で示す剛性の高い厚紙は、図よ
り明らかなように、戻しレバー13と給送ローラ11の
間隙でもシート材19がほとんど撓まないので、その
分、戻しレバー13が押しつけられて図7ないし図8の
位置に留まっていることでシート材搬送経路が確保され
る。
【0085】以上より、本実施形態で説明した戻しレバ
ー13を有するシート材給送装置は、どのような剛性の
シート材を使用しても給送動作が妨げられることなく、
円滑に動作を完了することが可能である。
【0086】なお、本実施形態の分離部にはトルクリミ
ッタを使用した摩擦分離方式を使用したが、本発明の趣
旨はこれには拘束されず、摩擦パッドを用いた摩擦分離
方式、あるいは斜面分離方式など、あらゆる種類の分離
方式に適応可能であることは言うまでもない。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
戻しレバーが、シート材の給送路を塞ぐ第1のポジショ
ンに、給送ローラがシート材を給送する方向に回転駆動
される際に給送ローラの回転に連動して位置づけされ、
シート材が給送されている際には、シート材の剛性によ
りシート材の給送路を塞がない第2のポジションに移動
させられる。さらに、戻しレバーの、第2のポジション
から第1のポジションへの復帰は、シート材の後端が戻
しレバーの先端を通過した後に、付勢手段により自動的
になされる。よって、本発明は、複雑な機構や制御を用
いることなく重送を防止でき、分離手段による分離性能
の安定性を向上させ、給送動作時間の延長も避けること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るシート材給送装置の
全体の構成を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1に示される矢印B方向からシート材給送装
置を見た模式的側面図である。
【図3】戻しレバーと制御カムの関連を示す模式的斜視
図である。
【図4】戻しレバーの動作を説明するためにシート材給
送装置においてコントロールギアや制御カムなどを含む
部分を示した側面図である。
【図5】図4に示される待機状態をシート材の通過経路
と関連させて示したシート材給送装置の模式的側断面図
である。
【図6】本発明の一実施形態に係るシート材給送装置の
動作を示す、タイミングチャートである。
【図7】戻しレバーがシート材に押しつけられている状
態を示すシート材給送装置の模式的側断面図である。
【図8】図7の状態における戻しレバーと制御カムとの
関係を示す模式的側断面図である。
【図9】剛性の低いシート材を給送した際の、シート材
および戻しレバーの状態を示すシート材給送装置の模式
的正面図である。
【図10】剛性の高いシート材を給送した際の、シート
材および戻しレバーの状態を示すシート材給送装置の模
式的正面図である。
【符号の説明】
10 給送軸 11 給送ローラ 11d Dカット面 12 トルクリミッタ 13 戻しレバー 13a 突起 13b 回転軸 13c 先端 14 制御カム 14a 突起 14b カムフォロワ部 14c 凹部切り欠き 14d 第1の当接面 14e 第2の当接面 15 ASFベース 15a シート材搬送基準部 15b シート材先端基準部 16 圧板 17 サイドガイド 18 給送コロ 19 シート材 20 入力ギア 21 ダブルギア 22 給送軸ギア 23 コントロールギア 23a カム 24 ばね 25 付勢ばね 26 押圧ばね 27 ホルダ 28 制御カム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H072 BA03 BA08 BA17 BA20 3F343 FA02 FB02 FB03 FB04 FC01 GA02 GB01 GC01 GD01 HA34 JD04 JD23 JD35 KB05 KB19 LA03 LC20 LD26 MB03 MB14 MC27

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート材を給送する給送ローラと、シー
    ト材を積載し前記給送ローラに付勢する積載手段とを備
    え、前記積載手段に積載された複数のシート材から一枚
    ずつシート材を分離して給送するシート材給送装置にお
    いて、 シート材を給送する方向に回転駆動される前記給送ロー
    ラと連動することで位置づけされる、前記積載手段より
    シート材の給送方向の下流側のシート材の給送路を塞ぐ
    位置である第1のポジションと、前記給送路を塞がない
    位置である第2のポジションとを含む複数のポジション
    に位置づけされる戻しレバーと、 前記戻しレバーを前記第2のポジションから前記第1の
    ポジションに自動復帰させる付勢手段とを有することを
    特徴とするシート材給送装置。
  2. 【請求項2】 前記戻しレバーの前記第2のポジション
    への移動は、給送中のシート材の剛性に依存する請求項
    1に記載のシート材給送装置。
  3. 【請求項3】 前記戻しレバーと、前記給送ローラと連
    動して前記戻しレバーを駆動する駆動手段とは、所定範
    囲で互いの相対移動を許容する機構を有する請求項1ま
    たは2に記載のシート材給送装置。
  4. 【請求項4】 前記戻しレバーの各ポジションが、シー
    ト材を給送する方向に回転駆動される前記給送ローラと
    連動することで位置づけされる、シート材を前記積載手
    段に押し戻してシート材の先端をそろえる位置である第
    3のポジションを含む請求項1ないし3のいずれか1項
    に記載のシート材給送装置。
  5. 【請求項5】 前記給送ローラを一方向に一回転させる
    間に、積載された複数のシート材から一枚のシート材を
    給送し、残りのシート材を前記積載手段に保持する請求
    項1ないし4のいずれか1項に記載のシート材給送装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    のシート材給送装置を用いたシート材給送方法であっ
    て、 給送動作中で給送中のシート材が装置内に残っている時
    には、前記戻しレバーが前記第2のポジションに位置づ
    けられる工程と、 シート材の後端が前記戻しレバーの先端を通過した後
    に、前記戻しレバーが前記第2のポジションから前記第
    1のポジションに自動復帰する工程とを含むことを特徴
    とするシート材給送方法。
  7. 【請求項7】 請求項4または5に記載のシート材給送
    装置を用いたシート材給送方法であって、 給送動作の最初の工程として、前記戻しレバーを前記第
    1のポジションから前記第3のポジションへと移動させ
    る工程を含むことを特徴とするシート材給送方法。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    のシート材給送装置を備えて、シート材に記録手段によ
    り記録情報を記録する記録装置。
  9. 【請求項9】 前記記録手段が、ノズルによりインク
    を吐出してシート材に記録を行うインクジェット方式で
    ある請求項8に記載の記録装置。
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