JPH0530027B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は太陽電池とこれの出力で充電される
蓄電池とを一体的に組み合わせた新規な電池に関
する。

〔従来の技術〕 最近、太陽電池を利用した電気かみそり、ポケ
ツトラジオ、常備燈などの各種の小型電気機器が
多く使用されつつあるが、そのほとんどが太陽電
池を電気機器の外表面一部に一体的に組込み、太
陽電池の出力で充電される蓄電池を該電気機器内
の別箇所に設けた電池収納部に納めるようになつ
ている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかるに上記の従来例では、一つの電気機器に
おいて太陽電池を設置する箇所と、蓄電池を収納
する箇所とを個別に設ける必要があり、また太陽
電池と蓄電池収納部とを結線しなければならず、
電気機器の構造の複雑化、組立て工数の増大の原
因となつていた。

また、この種の電気機器に充電を行うには、太
陽電池が一体的に組み込まれている関係上、その
電気機器を直射日光のよく当たる場所に置かなけ
ればならない。このため、受光時における紫外線
照射や雰囲気の高温化によつて電気機器の、とく
にプラスチツク製外装体が劣化しやすくなる点に
も難があつた。

そこで、例えば実開昭50−59528号公報に示さ
れるように、蓄電池を収納するケースの外面に太
陽電池を露出状態に配設することにより、蓄電池
と太陽電池とをセツトにして取り扱うものが提案
されている。

しかし、このものでは、セツトのためのケース
がこれの使用される機器専用に設定されており、
このため他の機器への汎用性に欠ける。また使用
に際しては、その都度機器とセツトケース側のリ
ード線とを結線し直さなければならないという面
倒なものであつた。

本発明の目的は、太陽電池および蓄電池を外装
容器内に収納して既存の定型電池との互換性をも
有し、小型電気機器への太陽電池の使用の便を図
れる筒型電池を得るにある。

本発明の他の目的は、組立ての容易化を図つた
筒型電池を得るにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明の筒型電池は、図示するごとく左右横長
の筒型に形成された外装容器４に、蓄電池５と、
該蓄電池５を充電する太陽電池６とが内蔵されて
いること、蓄電池５の外周壁上の一部に左右の長
手方向に沿つて太陽電池６をこれの陰陽極端子が
蓄電池５の陰陽極端子に対応してそれぞれ左右方
向の向きを同じくするように取りつけてあるこ
と、蓄電池５の左側の陽極端子と太陽電池６の左
側の陽極端子どうしを接続してあるとともに、蓄
電池５の右側の陰極端子と太陽電池６の右側の陰
極端子どうしを接続してあること、外装容器４の
左側の陽極端子板７の陽極端子３に蓄電池５の左
側の陽極端子を接続するとともに、外装容器４の
右側の陰極端子板８の陰極端子２に蓄電池５の右
側の陰極端子を接続してあることを要件とする。

〔作用〕

上記構成によれば、この筒型電池を小型電気機
器の電源として使用する場合、従来のようにその
機器に対し太陽電池と蓄電池とを個別に組み込む
ことを要さず、機器内の唯一つの電池収納部にこ
の筒型電池を納めることのみで足り、しかも太陽
電池と電池収納部間における結線作業をも省略で
きるため、太陽電池を充電源とするこの種蓄電池
内臓式の小型電気機器も、これの組立てや構造を
簡易化することができる。

筒型電池１の組立てに際しては、蓄電池５の外
周壁上の一部に太陽電池６を取りつけたのち、そ
れぞれ左右方向の向きを同じくする蓄電池５と太
陽電池６との陽極端子どうし、および陰極端子ど
うしを電気的に接続する。次に外装容器４内に太
陽電池６を備えた蓄電池５を入れ、蓄電池５の左
右の陰陽極端子を外装容器４の左右の陰陽極端子
板８，７にそれぞれ電気的に接続することにな
る。

〔実施例〕

本発明に係る筒型電池の一実施例を第１図およ
び第２図に基づき説明する。

図において、１は筒型の電池で、これは左右に
陰陽両極端子２，３を有する筒型の外装容器４
と、この外装容器４の中に内蔵される蓄電池５お
よび太陽電池６とからなる。

外装容器４はABS、シリコン、アクリルまた
はアクリルスチロールあるいは耐候性に強いポリ
カーボネート等の透明なプラスチツク材で左右横
長の円筒形に形成されている。

この外装容器４の左側の開口部は中央に陽極端
子３を有する陽極端子板７で封口し、右側の開口
部は中央に陰極端子２を有する陰極端子板８で封
口してある。その陽極端子３および陰極端子２
は、それぞれ端子板７，８の内側に円錐形突起３
ａ，２ａを有する。

蓄電池５としては、外装容器４よりも小さい左
右横長の円柱型で、例えばアルカリ蓄電池が用い
られる。この蓄電池５は、第１図に示すように外
装容器４の左右方向の中心軸線より偏して収納さ
れている。より具体的には、外装容器４の中で蓄
電池５の左右の陽極側端および陰極側端における
中心から外れた各偏心部を外装容器４側の陽極突
起３ａおよび陰極突起２ａでそれぞれ回動自在に
係合支持してあり、外装容器４の内周壁面と太陽
電池６を含む蓄電池５との間に全周にわたつて環
状の空間が形成されている。

太陽電池６は太陽電池素子９を透明樹脂による
受光面１０で覆う断面円弧形に形成してあり、蓄
電池５の外周壁上の一部に左右の長手方向に沿つ
てはりつけてあり、これで蓄電池５に太陽電池６
が一体に取りつけられている。

このとき、太陽電池６の左右の陰陽極端子が蓄
電池５の左右の陰陽極端子に対応してそれぞれ左
右方向の向きを同じくするように、蓄電池５と太
陽電池６とを一体化する。

かくして筒型電池１の組立てに際しては、蓄電
池５の外周壁上に太陽電池６を取りつけたのち、
共に左側に位置する太陽電池６と蓄電池５の陽極
端子どうしを逆流防止ダイオード１１を介してリ
ード線１２で電気的に接続し、右側に位置する両
者５，６の陰極端子どうしをリード線１３でつな
ぐ。次に、外装容器４内に太陽電池６付きの蓄電
池５を収納し、外装容器４の左側の陽極端子板７
の陽極端子３と、蓄電池５の左側の陽極端子とを
直接に接触させて電気的に接続するとともに、外
装容器４の右側の陰極端子板８の陰極端子２と、
蓄電池５の右側の陰極端子とを直接に接触させて
電気的に接続する。

太陽電池６と蓄電池５とをこのように一体化し
た場合は、充電に際し図示するように外装容器４
を横倒し状態にしたとき、蓄電池５および太陽電
池６がその受光面１０を常に上向きとするように
起き上がり自在となる。

このように構成された筒型電池１は各種小型電
気機器の電池収納部にそのまま入れることによ
り、該機器の電源に供される。

充電時には電池収納部から筒型電池１これだけ
を取出して日光の当たる机の上などに横倒し状態
に転がしておけば、一体化された太陽電池６と蓄
電池５がこの両端の偏心支持部を支点にして起き
上がつて受光面１０が上向きとなり、該受光面１
０が外装容器４の透光面を介して太陽に直面し、
これで太陽電池６からの出力電流は逆流防止ダイ
オード１１を通つて蓄電池５を充電する。充電後
に筒型電池１を小型電気機器の電池収納部に納め
れば、その機器の電源として再使用することがで
きる。

なお、上記実施例に代えて、一体化した太陽電
池６と蓄電池５を外装容器４に対し固着状態に内
蔵し、この外装容器４の受光面１０と点対称側に
重錘を付けて、充電するときに机上で横倒し状態
に転がしても直ちに外装容器４が受光面１０を上
向き姿勢とするように起き直るものとしてもよ
い。

また、外装容器４はこれの全体を透明にするほ
かに、該容器４の一部のみを透明な透光面に構成
し、この透光面に太陽電池６の受光面１０が対向
するようにしてもよい。

さらに、第３図に示すように外装容器４はこの
外表面を多面体の筒型に形成して転がり防止を講
じることもできる。

〔発明の効果〕

本発明では、筒型の外装容器４の中に太陽電池
６と蓄電池５を組み込んで一つの筒型電池１を構
成した。したがつて、この筒型電池１を各種小型
電気機器の電源として使用する場合は、その機器
に設けた電池収納部に対し出し入れすることで足
りて取り扱いが容易である。しかも従来の太陽電
池と小型電気機器の蓄電池収納部間における結線
作業を一切省略できるため、太陽電池を充電源と
する蓄電池内蔵式の小型電気機器側も、これの組
立てや構造を簡易化することができる。

また、この筒型電池１の外形は、例えば一般の
JIS規格に制定された乾電池の規格形状とほぼ同
一にすることもでき、小型電気機器に対し、乾電
池と取り替えて使用できるようにもなる。

更に充電に再しては筒型電池１のみを直射日光
の当たる場所に置けばよいため、小型電気機器が
紫外線により劣化するのをよく防止でき、その寿
命を長くすることができる。

とくに本発明の筒型電池１は、蓄電池５の外周
壁上の一部に太陽電池６を左右の長手方向に沿つ
て取りつけた状態において、それぞれの陰極端子
と陽極端子とが共に左右方向で同じ向きとなつて
いる。従つて、蓄電池５と太陽電池６とにおける
陰極端子どうし、および陽極端子どうしを電気的
に接続する作業が容易に行える。図示例のように
リード線１２，１３を用いるときも、これらリー
ド線１２，１３が短くて済む。加えて、蓄電池５
の陰陽極端子と外装容器４の陰陽極端子板８，７
も左右方向で同じ向きになつているので、この両
者４，５の陰極端子どうし、および陽極端子どう
しも電気的に接続する作業が容易に行える。従つ
て、組付け作業性に優れ、安価に製作できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る筒型電池の縦断正面図、
第２図は縦断側面図である。第３図は本発明の他
の実施例を示す筒型電池の縦断側面図である。 ２……陰極端子、３……陽極端子、４……外装
容器、５……蓄電池、６……太陽電池、７……陽
極端子板、８……陰極端子板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 左右横長の筒型に形成された外装容器４に、
   蓄電池５と、該蓄電池５を充電する太陽電池６と
   を内蔵しており、 蓄電池５の外周壁上の一部に左右の長手方向に
   沿つて太陽電池６をこれの陰陽極端子が蓄電池５
   の陰陽極端子に対応してそれぞれ左右方向の向き
   を同じくするように取りつけてあり、 蓄電池５の左側の陽極端子と太陽電池６の左側
   の陽極端子どうしを接続してあるとともに、蓄電
   池５の右側の陰極端子と太陽電池６の右側の陰極
   端子どうしを接続してあり、 外装容器４の左側の陽極端子板７の陽極端子３
   に蓄電池５の左側の陽極端子を接続するととも
   に、外装容器４の右側の陰極端子板８の陰極端子
   ２に蓄電池５の右側の陰極端子を接続してある筒
   型電池。