JPH05299710A - 多層断熱材による断熱構造 - Google Patents
多層断熱材による断熱構造Info
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- JPH05299710A JPH05299710A JP4102901A JP10290192A JPH05299710A JP H05299710 A JPH05299710 A JP H05299710A JP 4102901 A JP4102901 A JP 4102901A JP 10290192 A JP10290192 A JP 10290192A JP H05299710 A JPH05299710 A JP H05299710A
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Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Containers, Films, And Cooling For Superconductive Devices (AREA)
- Filling Or Discharging Of Gas Storage Vessels (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 多層断熱材による高断熱化を図り、さらに有
効な積層数の最大値を簡単な計算で決めることができる
多層断熱材による断熱構造を得る。 【構成】 多層断熱材2の最外層又は最内層のポリエス
テル系フィルムは、高電気伝導性金属をフィルム基材の
両面に蒸着したものとし、他の中間層は片面に蒸着した
ものとする。又、多層断熱材2を周方向に不連続とし、
さらに有効な最大積層数NをN=[150/{M(WN
+WF )}]0.5 で与える。ただし、Mはネット4の1
メッシュ当たりの平均長さ(m)、WN およびWF はそ
れぞれネット4及びポリエステル系フィルム3の比重量
(g/m2 )である。
効な積層数の最大値を簡単な計算で決めることができる
多層断熱材による断熱構造を得る。 【構成】 多層断熱材2の最外層又は最内層のポリエス
テル系フィルムは、高電気伝導性金属をフィルム基材の
両面に蒸着したものとし、他の中間層は片面に蒸着した
ものとする。又、多層断熱材2を周方向に不連続とし、
さらに有効な最大積層数NをN=[150/{M(WN
+WF )}]0.5 で与える。ただし、Mはネット4の1
メッシュ当たりの平均長さ(m)、WN およびWF はそ
れぞれネット4及びポリエステル系フィルム3の比重量
(g/m2 )である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、多層断熱材による断
熱構造に関し、例えば超電導コイルなどを納める極低温
断熱容器に用いられるものに関するものである。
熱構造に関し、例えば超電導コイルなどを納める極低温
断熱容器に用いられるものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は、例えば特公平3−68549号
公報に掲載された多層断熱材による断熱構造を用いた極
低温断熱容器を示す断面図である。図において、1は極
低温に冷却する被冷却体を納めた内容器、2は反射膜3
とスペーサ4とを数十枚交互に積層して構成され、内容
器1を覆うように配設された多層断熱材、6は内容器1
と外容器7の間に介在する真空空間、7は内容器1を囲
う外容器、8は冷媒で、例えば液体窒素あるいは液体ヘ
リウム等、9は真空引き用のポート、10は内容器1の
支持および冷媒8の給排気を兼ねたサービスポートを示
している。
公報に掲載された多層断熱材による断熱構造を用いた極
低温断熱容器を示す断面図である。図において、1は極
低温に冷却する被冷却体を納めた内容器、2は反射膜3
とスペーサ4とを数十枚交互に積層して構成され、内容
器1を覆うように配設された多層断熱材、6は内容器1
と外容器7の間に介在する真空空間、7は内容器1を囲
う外容器、8は冷媒で、例えば液体窒素あるいは液体ヘ
リウム等、9は真空引き用のポート、10は内容器1の
支持および冷媒8の給排気を兼ねたサービスポートを示
している。
【0003】図6のように構成された極低温断熱容器に
ついて、主として断熱動作について説明する。図6のよ
うな構成において、内容器1への熱侵入、言い換えると
冷媒8が蒸発する原因となる熱負荷には、熱伝導、熱対
流、熱放射の3つの成分が考えられる。これらの成分の
うち、熱対流は真空空間6の存在によりほとんどなくな
り、また熱伝導についてもサービスポート10からの分
だけであり、あまり大きくはない。
ついて、主として断熱動作について説明する。図6のよ
うな構成において、内容器1への熱侵入、言い換えると
冷媒8が蒸発する原因となる熱負荷には、熱伝導、熱対
流、熱放射の3つの成分が考えられる。これらの成分の
うち、熱対流は真空空間6の存在によりほとんどなくな
り、また熱伝導についてもサービスポート10からの分
だけであり、あまり大きくはない。
【0004】従って、熱負荷の大部分は外容器7からの
熱放射成分となる。この熱放射成分の低減化を図るのが
多層断熱材2である。多層断熱材2における侵入熱は2
つの成分からなり、1つは隣接する反射膜3間の熱放射
であり、もう1つは反射膜3とスペーサ4間の、アルミ
ニウム−ポリエステル系間に生じる熱伝導である。反射
膜3には、熱放射量を小さくするためポリエステル系の
材料から成るフィルムにアルミニウム等の高電気伝導性
金属を両面に蒸着したものを使用する。また、反射膜3
とスペーサ4間の熱伝導量を小さくするため、スペーサ
4としてポリエステル系の材料から成るネットを使用し
て接触面積を小さくしている。このように構成した多層
断熱材2は外容器7から内容器1への熱放射による熱負
荷を著しく低減でき、極低温断熱容器の高断熱化に大き
く寄与している。
熱放射成分となる。この熱放射成分の低減化を図るのが
多層断熱材2である。多層断熱材2における侵入熱は2
つの成分からなり、1つは隣接する反射膜3間の熱放射
であり、もう1つは反射膜3とスペーサ4間の、アルミ
ニウム−ポリエステル系間に生じる熱伝導である。反射
膜3には、熱放射量を小さくするためポリエステル系の
材料から成るフィルムにアルミニウム等の高電気伝導性
金属を両面に蒸着したものを使用する。また、反射膜3
とスペーサ4間の熱伝導量を小さくするため、スペーサ
4としてポリエステル系の材料から成るネットを使用し
て接触面積を小さくしている。このように構成した多層
断熱材2は外容器7から内容器1への熱放射による熱負
荷を著しく低減でき、極低温断熱容器の高断熱化に大き
く寄与している。
【0005】上記多層断熱材2と同様の働きをするもの
として、エンボス加工された多層断熱材があり、それを
拡大して示したのが図7である。図7は図6と同じく特
公平3−68549号公報に掲載されたエンボス加工さ
れた多層断熱材を示す断面図である。図において、2は
多層断熱材、3はアルミニウムを両面に蒸着した反射
膜、4は反射膜3と同じ材料をエンボス加工して構成し
たスペーサ、4aは接触凸部、11は空隙である。図7
のようにエンボス加工された多層断熱材2とは図6に示
したようなネットを用いず、接触凸部4aを設けたスペ
−サ4と反射膜3を交互に積層したものである。この多
層断熱材2においては、熱放射は反射膜3同士の間にお
いて生じ、熱伝導は反射膜3と接触凸部4aとの間の、
アルミニウム−アルミニウム間で生じている。
として、エンボス加工された多層断熱材があり、それを
拡大して示したのが図7である。図7は図6と同じく特
公平3−68549号公報に掲載されたエンボス加工さ
れた多層断熱材を示す断面図である。図において、2は
多層断熱材、3はアルミニウムを両面に蒸着した反射
膜、4は反射膜3と同じ材料をエンボス加工して構成し
たスペーサ、4aは接触凸部、11は空隙である。図7
のようにエンボス加工された多層断熱材2とは図6に示
したようなネットを用いず、接触凸部4aを設けたスペ
−サ4と反射膜3を交互に積層したものである。この多
層断熱材2においては、熱放射は反射膜3同士の間にお
いて生じ、熱伝導は反射膜3と接触凸部4aとの間の、
アルミニウム−アルミニウム間で生じている。
【0006】従来の極低温断熱容器では上記のような断
熱対策が施されている。しかし、現在では、さらなる断
熱性能の向上が強く要求されている。従って、より一層
の高断熱化を図る必要があり、現状のままでは対処でき
ない。また、多層断熱材2は一般に高価であり、コスト
パフォーマンスの点から有効な積層数を選定する必要が
ある。しかし現状はそれぞれのケースにおいて経験に基
づき積層数を決定している。つまり多種の多層断熱材2
にわたって有効な最大積層数を決める手法はなかった。
熱対策が施されている。しかし、現在では、さらなる断
熱性能の向上が強く要求されている。従って、より一層
の高断熱化を図る必要があり、現状のままでは対処でき
ない。また、多層断熱材2は一般に高価であり、コスト
パフォーマンスの点から有効な積層数を選定する必要が
ある。しかし現状はそれぞれのケースにおいて経験に基
づき積層数を決定している。つまり多種の多層断熱材2
にわたって有効な最大積層数を決める手法はなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の多
層断熱材による断熱構造では、より一層の高断熱化を図
る必要があり、現状のままでは対処できないという問題
点があった。また、多種の多層断熱材2にわたって有効
な最大積層数を決める手法がないという問題点があっ
た。
層断熱材による断熱構造では、より一層の高断熱化を図
る必要があり、現状のままでは対処できないという問題
点があった。また、多種の多層断熱材2にわたって有効
な最大積層数を決める手法がないという問題点があっ
た。
【0008】この発明は、かかる問題点を解決するため
になされたもので、これまで以上の高断熱化を図り、さ
らに有効な積層数の最大値を簡単な計算で決めることが
できる多層断熱材による断熱構造を得ることを目的とし
ている。
になされたもので、これまで以上の高断熱化を図り、さ
らに有効な積層数の最大値を簡単な計算で決めることが
できる多層断熱材による断熱構造を得ることを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る多
層断熱材による断熱構造は、極低温に冷却する被冷却体
を納めた内容器、この内容器を囲う外容器、内容器と外
容器との間に介在する真空空間、及び真空空間に内容器
を覆うように配設される多層断熱材を備えるものにおい
て、多層断熱材は、ポリエステル系の材料から成るフィ
ルム基材に高電気伝導性金属を蒸着したポリエステル系
フィルムとポリエステル系の材料から成るネットとを交
互に積層して構成し、かつ最外層あるいは最内層のポリ
エステル系フィルムは高電気伝導性金属をフィルム基材
の両面に蒸着したもので構成し、その他の中間層のポリ
エステル系フィルムは高電気伝導性金属をフィルム基材
の片面に蒸着したもので構成し、さらに内容器および外
容器と対向する側のポリエステル系フィルムの面は高電
気伝導性金属の蒸着面となるよう構成したものである。
層断熱材による断熱構造は、極低温に冷却する被冷却体
を納めた内容器、この内容器を囲う外容器、内容器と外
容器との間に介在する真空空間、及び真空空間に内容器
を覆うように配設される多層断熱材を備えるものにおい
て、多層断熱材は、ポリエステル系の材料から成るフィ
ルム基材に高電気伝導性金属を蒸着したポリエステル系
フィルムとポリエステル系の材料から成るネットとを交
互に積層して構成し、かつ最外層あるいは最内層のポリ
エステル系フィルムは高電気伝導性金属をフィルム基材
の両面に蒸着したもので構成し、その他の中間層のポリ
エステル系フィルムは高電気伝導性金属をフィルム基材
の片面に蒸着したもので構成し、さらに内容器および外
容器と対向する側のポリエステル系フィルムの面は高電
気伝導性金属の蒸着面となるよう構成したものである。
【0010】また、請求項2の発明に係る多層断熱材に
よる断熱構造は、極低温に冷却する被冷却体を納めた内
容器、この内容器を囲う外容器、内容器と外容器との間
に介在する真空空間、及び真空空間に内容器を覆うよう
に配設される多層断熱材を備えるものにおいて、ポリエ
ステル系樹脂に高電気伝導性金属を蒸着したものをエン
ボス加工して凸部を有するフィルムとし、このフィルム
を積層して多層断熱材を構成し、隣接するフィルムと凸
部の接触面の少なくともどちらか一方のポリエステル系
樹脂を露出するように構成したものである。
よる断熱構造は、極低温に冷却する被冷却体を納めた内
容器、この内容器を囲う外容器、内容器と外容器との間
に介在する真空空間、及び真空空間に内容器を覆うよう
に配設される多層断熱材を備えるものにおいて、ポリエ
ステル系樹脂に高電気伝導性金属を蒸着したものをエン
ボス加工して凸部を有するフィルムとし、このフィルム
を積層して多層断熱材を構成し、隣接するフィルムと凸
部の接触面の少なくともどちらか一方のポリエステル系
樹脂を露出するように構成したものである。
【0011】また、請求項3の発明に係る多層断熱材に
よる断熱構造は、極低温に冷却する被冷却体を納めた内
容器、この内容器を囲う外容器、内容器と外容器との間
に介在する真空空間、及び真空空間に内容器を覆うよう
に配設される多層断熱材を備えるものにおいて、多層断
熱材は、高電気伝導性金属を蒸着したポリエステル系の
材料から成るフィルムとポリエステル系の材料から成る
ネットとを交互に積層し、その周方向に不連続とし、か
つ積層数Nを、ネットの1メッシュあたりの平均長さを
M(m)、ネットの比重量をWN (g/m2 )、フィル
ムの比重量をWF (g/m2 )とした時、N=[150
/{M(WN +WF )}]0.5 以下にしたものである。
よる断熱構造は、極低温に冷却する被冷却体を納めた内
容器、この内容器を囲う外容器、内容器と外容器との間
に介在する真空空間、及び真空空間に内容器を覆うよう
に配設される多層断熱材を備えるものにおいて、多層断
熱材は、高電気伝導性金属を蒸着したポリエステル系の
材料から成るフィルムとポリエステル系の材料から成る
ネットとを交互に積層し、その周方向に不連続とし、か
つ積層数Nを、ネットの1メッシュあたりの平均長さを
M(m)、ネットの比重量をWN (g/m2 )、フィル
ムの比重量をWF (g/m2 )とした時、N=[150
/{M(WN +WF )}]0.5 以下にしたものである。
【0012】また、請求項4の発明に係る多層断熱材に
よる断熱構造は、請求項2の発明に加えて、フィルムの
積層数をN、Mを(凸部の占積比)0.5 ×0.0254
(m)、フィルムの比重量をWF (g/m2 )とした
時、N=(150/2MWF )0.5 以下にしたものであ
る。
よる断熱構造は、請求項2の発明に加えて、フィルムの
積層数をN、Mを(凸部の占積比)0.5 ×0.0254
(m)、フィルムの比重量をWF (g/m2 )とした
時、N=(150/2MWF )0.5 以下にしたものであ
る。
【0013】
【作用】上記のように構成された多層断熱材による断熱
構造では、多層断熱材を数十層施工する場合に周方向に
不連続とするので、周方向の熱伝導をなくすることがで
きる。さらに、フィルムとネットとの積層タイプの多層
断熱材の場合には片面蒸着フィルムを用いることで、フ
ィルム間あるいはフィルムとネット間との接触熱抵抗を
大きくできる。このため、侵入熱を小さくできるので、
多層断熱材を通じた侵入熱のうちの熱伝導成分を小さく
でき、これまで以上の高断熱化が可能となる。また、エ
ンボス加工の多層断熱材の場合には、接触凸部の当たり
面を金属蒸着面としないことにより、金属面同士が接触
面となることが極力避けられ、熱伝導成分を小さくする
ことができる。
構造では、多層断熱材を数十層施工する場合に周方向に
不連続とするので、周方向の熱伝導をなくすることがで
きる。さらに、フィルムとネットとの積層タイプの多層
断熱材の場合には片面蒸着フィルムを用いることで、フ
ィルム間あるいはフィルムとネット間との接触熱抵抗を
大きくできる。このため、侵入熱を小さくできるので、
多層断熱材を通じた侵入熱のうちの熱伝導成分を小さく
でき、これまで以上の高断熱化が可能となる。また、エ
ンボス加工の多層断熱材の場合には、接触凸部の当たり
面を金属蒸着面としないことにより、金属面同士が接触
面となることが極力避けられ、熱伝導成分を小さくする
ことができる。
【0014】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例による
多層断熱材による断熱構造を図について説明する。図1
はこの実施例による多層断熱材による断熱構造を用いた
極低温断熱容器の構成を示す断面図である。図におい
て、1は極低温に冷却する被冷却体を納めた、例えば円
筒状の内容器、2は真空空間6に内容器1を覆うように
配設される多層断熱材で、ポリエステル系フィルム3と
ネット4とを交互に積層して構成している。ポリエステ
ル系フィルム3は、例えばポリエステル系樹脂などのポ
リエステル系の材料から成るフィルム基材の片面または
両面に、アルミニウムなどの高電気伝導性金属を蒸着し
たものである。ネット4はポリエステル系の材料から成
り、例えばポリエステル系樹脂を網状に編んで形成され
ている。5は多層断熱材2の継ぎ目、6は内容器1と外
容器7との間に介在する真空空間、7は内容器1を囲う
外容器である。ここで、図1のように多層断熱材2を継
ぎ目5を有するように突き合わせ状に巻き付けることを
ラミネート巻きと呼ぶことにする。
多層断熱材による断熱構造を図について説明する。図1
はこの実施例による多層断熱材による断熱構造を用いた
極低温断熱容器の構成を示す断面図である。図におい
て、1は極低温に冷却する被冷却体を納めた、例えば円
筒状の内容器、2は真空空間6に内容器1を覆うように
配設される多層断熱材で、ポリエステル系フィルム3と
ネット4とを交互に積層して構成している。ポリエステ
ル系フィルム3は、例えばポリエステル系樹脂などのポ
リエステル系の材料から成るフィルム基材の片面または
両面に、アルミニウムなどの高電気伝導性金属を蒸着し
たものである。ネット4はポリエステル系の材料から成
り、例えばポリエステル系樹脂を網状に編んで形成され
ている。5は多層断熱材2の継ぎ目、6は内容器1と外
容器7との間に介在する真空空間、7は内容器1を囲う
外容器である。ここで、図1のように多層断熱材2を継
ぎ目5を有するように突き合わせ状に巻き付けることを
ラミネート巻きと呼ぶことにする。
【0015】このように構成された多層断熱材2におい
て、多層断熱材2から内容器1への侵入熱について説明
する。多層断熱材2における熱侵入の要因は2つあり、
それは熱放射と熱伝導である。熱放射は隣接するポリエ
ステル系フィルム3間で生じる熱流入である。一方、熱
伝導はポリエステル系フィルム3間やポリエステル系フ
ィルム3とネット4間の接触箇所を通じて生じる積層方
向の熱流入であり、これをここでは横断熱伝導と呼ぶこ
とにする。さらに多層断熱材2をラミネート巻きではな
く、連続的に巻き付けた場合にはポリエステル系フィル
ム3に沿った周方向の熱伝導も生じる。ここではこれを
縦断熱伝導と呼び、この巻き方をロール巻きと呼ぶこと
にする。
て、多層断熱材2から内容器1への侵入熱について説明
する。多層断熱材2における熱侵入の要因は2つあり、
それは熱放射と熱伝導である。熱放射は隣接するポリエ
ステル系フィルム3間で生じる熱流入である。一方、熱
伝導はポリエステル系フィルム3間やポリエステル系フ
ィルム3とネット4間の接触箇所を通じて生じる積層方
向の熱流入であり、これをここでは横断熱伝導と呼ぶこ
とにする。さらに多層断熱材2をラミネート巻きではな
く、連続的に巻き付けた場合にはポリエステル系フィル
ム3に沿った周方向の熱伝導も生じる。ここではこれを
縦断熱伝導と呼び、この巻き方をロール巻きと呼ぶこと
にする。
【0016】図2は多層断熱材2における熱流入経路を
示す説明図であり、図2(a)はラミネ−ト巻きの場合
の熱流入経路であり、図2(b)はロ−ル巻きの場合の
熱流入経路である。図において、矢印Aは熱放射の方
向、矢印Bは横断熱伝導の方向、矢印Cは縦断熱伝導の
方向を示している。図から明らかなように、ロール巻き
を回避しラミネート巻きとすれば、縦断熱伝導Cの影響
をなくすることができ、熱伝導成分について低減化を図
ることができる。
示す説明図であり、図2(a)はラミネ−ト巻きの場合
の熱流入経路であり、図2(b)はロ−ル巻きの場合の
熱流入経路である。図において、矢印Aは熱放射の方
向、矢印Bは横断熱伝導の方向、矢印Cは縦断熱伝導の
方向を示している。図から明らかなように、ロール巻き
を回避しラミネート巻きとすれば、縦断熱伝導Cの影響
をなくすることができ、熱伝導成分について低減化を図
ることができる。
【0017】また、縦断熱伝導Cの影響をなくするには
多層断熱材2をラミネート巻きとすることに限らず、初
めロール巻きで施工し、その後に1か所または数カ所に
カッター等で切れ目を入れてラミネート状態としても良
い。もちろん数十層施工した多層断熱材2は概ね突き合
わせ構造になっていれば良く、厳密に突き合わせ構造で
ある必要はない。即ち、多層断熱材2の周方向に不連続
な構成になっていれば、縦断熱伝導Cを低減することが
できる。
多層断熱材2をラミネート巻きとすることに限らず、初
めロール巻きで施工し、その後に1か所または数カ所に
カッター等で切れ目を入れてラミネート状態としても良
い。もちろん数十層施工した多層断熱材2は概ね突き合
わせ構造になっていれば良く、厳密に突き合わせ構造で
ある必要はない。即ち、多層断熱材2の周方向に不連続
な構成になっていれば、縦断熱伝導Cを低減することが
できる。
【0018】一方、横断熱伝導Bに対してであるが、横
断熱伝導成分を支配しているのはポリエステル系フィル
ム3間の接触熱抵抗あるいはポリエステル系フィルム3
とネット4間の接触熱抵抗である。従って、この横断熱
伝導成分を小さくするには、接触面積を減らすことや、
接触熱抵抗を大きくすることが上げられる。
断熱伝導成分を支配しているのはポリエステル系フィル
ム3間の接触熱抵抗あるいはポリエステル系フィルム3
とネット4間の接触熱抵抗である。従って、この横断熱
伝導成分を小さくするには、接触面積を減らすことや、
接触熱抵抗を大きくすることが上げられる。
【0019】接触面積を減らすためには、ネット4を有
するものではネット4の目を粗くすることが考えられ
る。
するものではネット4の目を粗くすることが考えられ
る。
【0020】また、接触熱抵抗を大きくするためには、
接触熱抵抗に影響を及ぼす因子について知る必要があ
る。一般に接触熱抵抗は接触圧力(押し付け力)、接触
面材の熱伝導率、接触面の粗さに影響される。従って、
接触面の粗さを一定とすれば、接触面にかかる圧縮力を
小さくし、接触面材の熱伝導率を小さくすれば良いこと
になる。そこで、できるだけポリエステル系フィルム3
やネット4を軽くし、またアルミニウムの蒸着面が接触
面となること避ければ良い。
接触熱抵抗に影響を及ぼす因子について知る必要があ
る。一般に接触熱抵抗は接触圧力(押し付け力)、接触
面材の熱伝導率、接触面の粗さに影響される。従って、
接触面の粗さを一定とすれば、接触面にかかる圧縮力を
小さくし、接触面材の熱伝導率を小さくすれば良いこと
になる。そこで、できるだけポリエステル系フィルム3
やネット4を軽くし、またアルミニウムの蒸着面が接触
面となること避ければ良い。
【0021】そのため、この実施例1のようにポリエス
テル系フィルム3とネット4とを交互に積層するタイプ
では、最外層または最内層のポリエステル系フィルム3
はアルミニウムなどの高電気伝導性金属をフィルム基材
の両面に蒸着したもので構成し、その他の中間層のポリ
エステル系フィルム3は高電気伝導性金属をフィルム基
材の片面に蒸着したもので構成する。こうすれば、高電
気伝導性金属をフィルム基材の両面に蒸着したもので構
成した場合と比較して、多層断熱材2全体の金属−ポリ
エステル系樹脂間の接触のうちの半分をポリエステル系
樹脂同士の接触とすることができ、接触熱抵抗を大きく
することができる。ただし、熱放射量を抑えるため、内
容器1及び外容器7と対向する面はアルニミウムを蒸着
面とすることが望ましい。そのため、多層断熱材のうち
最内層または最外層はフィルム基材の両面に高電気伝導
性金属を蒸着したフィルムとする必要がある。
テル系フィルム3とネット4とを交互に積層するタイプ
では、最外層または最内層のポリエステル系フィルム3
はアルミニウムなどの高電気伝導性金属をフィルム基材
の両面に蒸着したもので構成し、その他の中間層のポリ
エステル系フィルム3は高電気伝導性金属をフィルム基
材の片面に蒸着したもので構成する。こうすれば、高電
気伝導性金属をフィルム基材の両面に蒸着したもので構
成した場合と比較して、多層断熱材2全体の金属−ポリ
エステル系樹脂間の接触のうちの半分をポリエステル系
樹脂同士の接触とすることができ、接触熱抵抗を大きく
することができる。ただし、熱放射量を抑えるため、内
容器1及び外容器7と対向する面はアルニミウムを蒸着
面とすることが望ましい。そのため、多層断熱材のうち
最内層または最外層はフィルム基材の両面に高電気伝導
性金属を蒸着したフィルムとする必要がある。
【0022】図3は実施例1における多層断熱材2によ
る断熱構造を拡大して示す断面図である。図において、
1〜6までは図1と同じであり、3aはアルミニウム蒸
着層、3bはポリエステル系樹脂のフィルム基材であ
る。また、31〜35はポリエステル系フィルムであ
り、外容器7と対向するポリエステル系フィルム31は
アルミニウム3aをフィルム基材3bの両面に蒸着して
いる。このように積層すれば、内容器1と対向するポリ
エステル系フィルム35では内容器1側にアルミニウム
蒸着層3aが対向しており、両面に蒸着する必要はな
い。41〜46はネットである。
る断熱構造を拡大して示す断面図である。図において、
1〜6までは図1と同じであり、3aはアルミニウム蒸
着層、3bはポリエステル系樹脂のフィルム基材であ
る。また、31〜35はポリエステル系フィルムであ
り、外容器7と対向するポリエステル系フィルム31は
アルミニウム3aをフィルム基材3bの両面に蒸着して
いる。このように積層すれば、内容器1と対向するポリ
エステル系フィルム35では内容器1側にアルミニウム
蒸着層3aが対向しており、両面に蒸着する必要はな
い。41〜46はネットである。
【0023】この様に構成した時のポリエステル系フィ
ルム3間の熱放射は、アルミニウム蒸着層3a間の熱放
射ではなく、アルミニウム蒸着層3aとネット4のポリ
エステル系樹脂間の熱放射となり、熱放射量は2倍程度
と大きくなる。しかし、多層断熱材2においては層数が
ある程度多ければ熱侵入量の大部分を熱伝導成分が占め
ることから、熱放射量を多少犠牲にしても熱伝導量を小
さくする方が効果は大きくなる。
ルム3間の熱放射は、アルミニウム蒸着層3a間の熱放
射ではなく、アルミニウム蒸着層3aとネット4のポリ
エステル系樹脂間の熱放射となり、熱放射量は2倍程度
と大きくなる。しかし、多層断熱材2においては層数が
ある程度多ければ熱侵入量の大部分を熱伝導成分が占め
ることから、熱放射量を多少犠牲にしても熱伝導量を小
さくする方が効果は大きくなる。
【0024】上記のように考えれば、多層断熱材2は積
層数が多ければ多いほど侵入熱が小さくなると考えられ
る。確かに、例えば垂直円筒面に施工する場合には概ね
そのようになる。しかし例えば水平円筒面に施工した場
合には、多層断熱材2自身の重量が圧縮力として働くた
め、積層数を増やしすぎるとかえって侵入熱が増える結
果になる。即ち最適積層数が存在すると考えられる。こ
れらの状況を示したのが図4である。図において、横軸
は積層数、縦軸は熱侵入量である。積層数が増加するに
つれて熱侵入量は減少するが、積層数を増やしすぎると
かえって侵入熱が増える結果になっている。Nは積層数
の最適値を示している。また垂直円筒面であっても、コ
ストパフォーマンスの点から自ずと積層数には妥当な値
が存在する。そこで有効積層数の最大値を求める式とし
て式1を導入する。なお、式1は3種類の多層断熱材に
ついて実測により得た最適層数Nの簡易算出式である。
層数が多ければ多いほど侵入熱が小さくなると考えられ
る。確かに、例えば垂直円筒面に施工する場合には概ね
そのようになる。しかし例えば水平円筒面に施工した場
合には、多層断熱材2自身の重量が圧縮力として働くた
め、積層数を増やしすぎるとかえって侵入熱が増える結
果になる。即ち最適積層数が存在すると考えられる。こ
れらの状況を示したのが図4である。図において、横軸
は積層数、縦軸は熱侵入量である。積層数が増加するに
つれて熱侵入量は減少するが、積層数を増やしすぎると
かえって侵入熱が増える結果になっている。Nは積層数
の最適値を示している。また垂直円筒面であっても、コ
ストパフォーマンスの点から自ずと積層数には妥当な値
が存在する。そこで有効積層数の最大値を求める式とし
て式1を導入する。なお、式1は3種類の多層断熱材に
ついて実測により得た最適層数Nの簡易算出式である。
【0025】 N=[150/{M(WN +WF )}]0.5 ・・・(1)
【0026】式1において、Nは有効積層数の最大値、
Mはネット4の1メッシュあたりの平均長さ(m)、W
N はネット4の比重量(g/m2 )、WF はポリエステ
ル系フィルム3の比重量(g/m2 )である。
Mはネット4の1メッシュあたりの平均長さ(m)、W
N はネット4の比重量(g/m2 )、WF はポリエステ
ル系フィルム3の比重量(g/m2 )である。
【0027】実装にあたっては、式1で求めた値を最大
値とし、コストあるいは工作性などを考慮してこれ以下
の積層数とすれば良い。つまり、この層数Nまでは、層
数を増やせばそれだけ断熱性能が上がることを保証して
いる。例えば、フィルムKF−6B(応研機材社製の商
品名)とネットKN−20(応研機材社製の商品名)と
の組み合わせでは、M=1.9x10-3(m)、WN=
8.2(g/m2 )、WF =16.8(g/m2 )であ
り、有効積層数の最大値Nを計算すると、 N=[150/{1.9x10-3(8.2+16.8)}]0.5 =56 となり、56層以下の積層数で多層断熱材2を構成すれ
ば良い。このようにこの実施例によれば、侵入熱を小さ
くできると共に、コストパフォ−マンスの点で無駄をな
くし、適切な積層数の設定が可能となる多層断熱材によ
る断熱構造が得られる。
値とし、コストあるいは工作性などを考慮してこれ以下
の積層数とすれば良い。つまり、この層数Nまでは、層
数を増やせばそれだけ断熱性能が上がることを保証して
いる。例えば、フィルムKF−6B(応研機材社製の商
品名)とネットKN−20(応研機材社製の商品名)と
の組み合わせでは、M=1.9x10-3(m)、WN=
8.2(g/m2 )、WF =16.8(g/m2 )であ
り、有効積層数の最大値Nを計算すると、 N=[150/{1.9x10-3(8.2+16.8)}]0.5 =56 となり、56層以下の積層数で多層断熱材2を構成すれ
ば良い。このようにこの実施例によれば、侵入熱を小さ
くできると共に、コストパフォ−マンスの点で無駄をな
くし、適切な積層数の設定が可能となる多層断熱材によ
る断熱構造が得られる。
【0028】なお、多層断熱材2の実装に際しては、例
えば5層、10層あるいは全層を1束として準備し、そ
れを実機に装着すると作業性が良く、しかもラミネート
巻きし易いという利点がある。
えば5層、10層あるいは全層を1束として準備し、そ
れを実機に装着すると作業性が良く、しかもラミネート
巻きし易いという利点がある。
【0029】また、上記実施例では両面にアルミニウム
を蒸着したポリエステル系フィルム3を最外層に配置
し、その他の中間層は片面に蒸着したものとし、蒸着し
た面を最内層側に向けて配置しているが、蒸着した面は
内容器1側にあっても外容器7側にあってもどちらでも
良い。内容器1及び外容器7と対向する面が蒸着面であ
れば良い。
を蒸着したポリエステル系フィルム3を最外層に配置
し、その他の中間層は片面に蒸着したものとし、蒸着し
た面を最内層側に向けて配置しているが、蒸着した面は
内容器1側にあっても外容器7側にあってもどちらでも
良い。内容器1及び外容器7と対向する面が蒸着面であ
れば良い。
【0030】実施例2.この発明の他の実施例として、
エンボス加工された多層断熱材を用いたものについて説
明する。実施例1と同様、積層方法はロール巻きを回避
しラミネート巻きとすれば、縦断熱伝導の影響をなくす
ることができ、熱伝導成分について低減化を図ることが
できる。
エンボス加工された多層断熱材を用いたものについて説
明する。実施例1と同様、積層方法はロール巻きを回避
しラミネート巻きとすれば、縦断熱伝導の影響をなくす
ることができ、熱伝導成分について低減化を図ることが
できる。
【0031】また、横断熱伝導成分を小さくする対策と
して考えられるもののうち、接触面積を減らすために
は、エンボス加工の接触凸部の大きさを小さくしたり接
触点数を少なくすることが考えられる。さらに、接触熱
抵抗を大きくするには、実施例1と同様、接触面の粗さ
を一定とすれば、接触面にかかる圧縮力を小さくし、接
触面材の熱伝導率を小さくすれば良いことになる。そこ
で、できるだけ反射膜3を軽くし、またアルミニウムの
蒸着面が接触面となること避ければ良い。
して考えられるもののうち、接触面積を減らすために
は、エンボス加工の接触凸部の大きさを小さくしたり接
触点数を少なくすることが考えられる。さらに、接触熱
抵抗を大きくするには、実施例1と同様、接触面の粗さ
を一定とすれば、接触面にかかる圧縮力を小さくし、接
触面材の熱伝導率を小さくすれば良いことになる。そこ
で、できるだけ反射膜3を軽くし、またアルミニウムの
蒸着面が接触面となること避ければ良い。
【0032】そのため、エンボス加工した多層断熱材2
においては、隣接する反射膜3と接触凸部4a間の接触
面の少なくともどちらか一方のポリエステル系樹脂を露
出するように構成すればよい。即ち、接触凸部4aの当
たり面を蒸着面としなければ、アルミニウム同士の接触
を避けることができ、アルミニウムとポリエステル系樹
脂、またはポリエステル系樹脂同士の接触となり、接触
熱抵抗を大きくできることになる。
においては、隣接する反射膜3と接触凸部4a間の接触
面の少なくともどちらか一方のポリエステル系樹脂を露
出するように構成すればよい。即ち、接触凸部4aの当
たり面を蒸着面としなければ、アルミニウム同士の接触
を避けることができ、アルミニウムとポリエステル系樹
脂、またはポリエステル系樹脂同士の接触となり、接触
熱抵抗を大きくできることになる。
【0033】図5は実施例2に係る多層断熱材2の一部
を拡大して示す断面図である。図において、反射膜3は
アルミニウムの蒸着層3aとポリエステル系樹脂からな
るフィルム基材3bで構成されている。また、スペ−サ
4は反射膜3と同じ材料によって構成されており、この
実施例では例えば、接触凸部4aはアルミニウムが蒸着
されていず、ポリエステル系樹脂を露出している。さら
に、中間層の反射膜3は片面のみにアルミニウムを蒸着
したもので構成している。このように構成すれば、接触
凸部4aの接触面においてポリエステル系樹脂とポリエ
ステル系樹脂との接触となり、接触熱抵抗を大きくでき
ることになる。
を拡大して示す断面図である。図において、反射膜3は
アルミニウムの蒸着層3aとポリエステル系樹脂からな
るフィルム基材3bで構成されている。また、スペ−サ
4は反射膜3と同じ材料によって構成されており、この
実施例では例えば、接触凸部4aはアルミニウムが蒸着
されていず、ポリエステル系樹脂を露出している。さら
に、中間層の反射膜3は片面のみにアルミニウムを蒸着
したもので構成している。このように構成すれば、接触
凸部4aの接触面においてポリエステル系樹脂とポリエ
ステル系樹脂との接触となり、接触熱抵抗を大きくでき
ることになる。
【0034】上記実施例では、エンボス加工した接触凸
部4aと接触する反射膜3の当たり部の両方をポリエス
テル系樹脂を露出するように構成しているが、これに限
るものではなく、どちらか一方の部分をポリエステル系
樹脂を露出するように構成しすれば、アルミニウムとポ
リエステル系樹脂との接触となり、接触熱抵抗を大きく
できることになる。
部4aと接触する反射膜3の当たり部の両方をポリエス
テル系樹脂を露出するように構成しているが、これに限
るものではなく、どちらか一方の部分をポリエステル系
樹脂を露出するように構成しすれば、アルミニウムとポ
リエステル系樹脂との接触となり、接触熱抵抗を大きく
できることになる。
【0035】また、エンボス加工した多層断熱材2にお
いて、有効積層数の最大値を求める式として式2を導入
する。なお、式2も式1と同様、最適層数Nの簡易算出
式である。
いて、有効積層数の最大値を求める式として式2を導入
する。なお、式2も式1と同様、最適層数Nの簡易算出
式である。
【0036】 N=(150/2MWF )0.5 ・・・(2)
【0037】ここで、Mは(凸部の占積比)0.5 ×0.
0254(m)、WF は反射膜3またはスペ−サ4の比
重量(g/m2 )である。実装にあたっては、式2で求
めた値を最大値とし、コストあるいは工作性などを考慮
してこれ以下の積層数とすれば良い。つまり、この層数
Nまでは、層数を増やせばそれだけ断熱性能が上がるこ
とを保証している。
0254(m)、WF は反射膜3またはスペ−サ4の比
重量(g/m2 )である。実装にあたっては、式2で求
めた値を最大値とし、コストあるいは工作性などを考慮
してこれ以下の積層数とすれば良い。つまり、この層数
Nまでは、層数を増やせばそれだけ断熱性能が上がるこ
とを保証している。
【0038】例えば、フィルムKF−6B(応研機材社
製の商品名)を反射膜3とスペ−サ4に用いた場合、占
積率を0.01とすれば、M=2.54x10
-3(m)、WF =16.8(g/m2 )であり、有効積
層数の最大値Nを計算すると、 N=[(150/(2.54x10-3x2x16.8)]0.5 =42 となり、42層以下の積層数で多層断熱材2を構成すれ
ば良い。このようにこの実施例によれば、侵入熱を小さ
くできると共に、コストパフォ−マンスの点で無駄をな
くし、適切な積層数の設定が可能となる多層断熱材によ
る断熱構造が得られる。
製の商品名)を反射膜3とスペ−サ4に用いた場合、占
積率を0.01とすれば、M=2.54x10
-3(m)、WF =16.8(g/m2 )であり、有効積
層数の最大値Nを計算すると、 N=[(150/(2.54x10-3x2x16.8)]0.5 =42 となり、42層以下の積層数で多層断熱材2を構成すれ
ば良い。このようにこの実施例によれば、侵入熱を小さ
くできると共に、コストパフォ−マンスの点で無駄をな
くし、適切な積層数の設定が可能となる多層断熱材によ
る断熱構造が得られる。
【0039】なお、ポリエステル系フィルム3における
高電気伝導性金属は、上記実施例ではアルミニウムとし
たが、これに限るものではなく、金、白金、銀などを用
いても良い。
高電気伝導性金属は、上記実施例ではアルミニウムとし
たが、これに限るものではなく、金、白金、銀などを用
いても良い。
【0040】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、極低温に冷却する被冷却体を納めた内容器、この内
容器を囲う外容器、内容器と外容器との間に介在する真
空空間、及び真空空間に内容器を覆うように配設される
多層断熱材を備えるものにおいて、多層断熱材は、ポリ
エステル系の材料から成るフィルム基材に高電気伝導性
金属を蒸着したポリエステル系フィルムとポリエステル
系の材料から成るネットとを交互に積層して構成し、か
つ最外層あるいは最内層のポリエステル系フィルムは高
電気伝導性金属をフィルム基材の両面に蒸着したもので
構成し、その他の中間層のポリエステル系フィルムは高
電気伝導性金属をフィルム基材の片面に蒸着したもので
構成し、さらに内容器および外容器と対向する側のポリ
エステル系フィルムの面は高電気伝導性金属の蒸着面と
なるよう構成したことにより、フィルム間あるいはフィ
ルムとネット間の接触熱抵抗を大きくでき、侵入熱を小
さくできる多層断熱材による断熱構造が得られる効果が
ある。
ば、極低温に冷却する被冷却体を納めた内容器、この内
容器を囲う外容器、内容器と外容器との間に介在する真
空空間、及び真空空間に内容器を覆うように配設される
多層断熱材を備えるものにおいて、多層断熱材は、ポリ
エステル系の材料から成るフィルム基材に高電気伝導性
金属を蒸着したポリエステル系フィルムとポリエステル
系の材料から成るネットとを交互に積層して構成し、か
つ最外層あるいは最内層のポリエステル系フィルムは高
電気伝導性金属をフィルム基材の両面に蒸着したもので
構成し、その他の中間層のポリエステル系フィルムは高
電気伝導性金属をフィルム基材の片面に蒸着したもので
構成し、さらに内容器および外容器と対向する側のポリ
エステル系フィルムの面は高電気伝導性金属の蒸着面と
なるよう構成したことにより、フィルム間あるいはフィ
ルムとネット間の接触熱抵抗を大きくでき、侵入熱を小
さくできる多層断熱材による断熱構造が得られる効果が
ある。
【0041】また、請求項2の発明によれば、極低温に
冷却する被冷却体を納めた内容器、この内容器を囲う外
容器、内容器と外容器との間に介在する真空空間、及び
真空空間に内容器を覆うように配設される多層断熱材を
備えるものにおいて、ポリエステル系樹脂に高電気伝導
性金属を蒸着したものをエンボス加工して凸部を有する
フィルムとし、このフィルムを積層して多層断熱材を構
成し、隣接するフィルムと凸部の接触面の少なくともど
ちらか一方のポリエステル系樹脂を露出するように構成
したことにより、フィルム間の接触熱抵抗を大きくで
き、侵入熱を小さくできる多層断熱材による断熱構造が
得られる効果がある。
冷却する被冷却体を納めた内容器、この内容器を囲う外
容器、内容器と外容器との間に介在する真空空間、及び
真空空間に内容器を覆うように配設される多層断熱材を
備えるものにおいて、ポリエステル系樹脂に高電気伝導
性金属を蒸着したものをエンボス加工して凸部を有する
フィルムとし、このフィルムを積層して多層断熱材を構
成し、隣接するフィルムと凸部の接触面の少なくともど
ちらか一方のポリエステル系樹脂を露出するように構成
したことにより、フィルム間の接触熱抵抗を大きくで
き、侵入熱を小さくできる多層断熱材による断熱構造が
得られる効果がある。
【0042】また、請求項3の発明によれば、極低温に
冷却する被冷却体を納めた内容器、この内容器を囲う外
容器、内容器と外容器との間に介在する真空空間、及び
真空空間に内容器を覆うように配設される多層断熱材を
備えるものにおいて、多層断熱材は、高電気伝導性金属
を蒸着したポリエステル系の材料から成るフィルムとポ
リエステル系の材料から成るネットとを交互に積層し、
その周方向に不連続とし、かつ積層数Nを、ネットの1
メッシュあたりの平均長さをM(m)、ネットの比重量
をWN (g/m2 )、フィルムの比重量をWF (g/m
2 )とした時、N=[150/{M(WN +WF )}]
0.5 以下にしたことにより、侵入熱を小さくできると共
に適切な積層数の設定が可能となる多層断熱材による断
熱構造が得られる効果がある。
冷却する被冷却体を納めた内容器、この内容器を囲う外
容器、内容器と外容器との間に介在する真空空間、及び
真空空間に内容器を覆うように配設される多層断熱材を
備えるものにおいて、多層断熱材は、高電気伝導性金属
を蒸着したポリエステル系の材料から成るフィルムとポ
リエステル系の材料から成るネットとを交互に積層し、
その周方向に不連続とし、かつ積層数Nを、ネットの1
メッシュあたりの平均長さをM(m)、ネットの比重量
をWN (g/m2 )、フィルムの比重量をWF (g/m
2 )とした時、N=[150/{M(WN +WF )}]
0.5 以下にしたことにより、侵入熱を小さくできると共
に適切な積層数の設定が可能となる多層断熱材による断
熱構造が得られる効果がある。
【0043】また、請求項4の発明によれば、フィルム
の積層数をN、Mを(凸部の占積比)0.5 ×0.025
4(m)、フィルムの比重量をWF (g/m2 )とした
時、N=(150/2MWF )0.5 以下にしたことによ
り、フィルム間の接触熱抵抗を大きくでき、侵入熱を小
さくできると共に適切な積層数の設定が可能となる多層
断熱材による断熱構造が得られる効果がある。
の積層数をN、Mを(凸部の占積比)0.5 ×0.025
4(m)、フィルムの比重量をWF (g/m2 )とした
時、N=(150/2MWF )0.5 以下にしたことによ
り、フィルム間の接触熱抵抗を大きくでき、侵入熱を小
さくできると共に適切な積層数の設定が可能となる多層
断熱材による断熱構造が得られる効果がある。
【図1】この発明の実施例1に係る多層断熱材による断
熱構造を用いた極低温断熱容器の構成を示す断面図であ
る。
熱構造を用いた極低温断熱容器の構成を示す断面図であ
る。
【図2】多層断熱材における侵入熱の経路を示す説明図
である。
である。
【図3】実施例1に係る多層断熱材を示す断面図であ
る。
る。
【図4】多層断熱材の熱侵入特性を示すグラフである。
【図5】この発明の実施例2に係る多層断熱材による断
熱構造を用いた極低温断熱容器の構成を示す断面図であ
る。
熱構造を用いた極低温断熱容器の構成を示す断面図であ
る。
【図6】従来の極低温断熱容器の構成を示す断面図であ
る。
る。
【図7】従来のエンボス加工した多層断熱材を示す断面
図である。
図である。
1 内容器 2 多層断熱材 3 ポリエステル系フィルム 3a アルミニウム蒸着層 3b フィルム基材 4 ネット 4a 接触凸部 5 多層断熱材の継ぎ目 6 真空空間 7 外容器
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年6月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】この様に構成した時のポリエステル系フィ
ルム3間の熱放射は、アルミニウム蒸着層3a間の熱放
射ではなく、アルミニウム蒸着層3aとポリエステル系
樹脂面間の熱放射となり、熱放射量は2倍程度と大きく
なる。しかし、多層断熱材2においては層数がある程度
多ければ熱侵入量の大部分を熱伝導成分が占めることか
ら、熱放射量を多少犠牲にしても熱伝導量を小さくする
方が効果は大きくなる。
ルム3間の熱放射は、アルミニウム蒸着層3a間の熱放
射ではなく、アルミニウム蒸着層3aとポリエステル系
樹脂面間の熱放射となり、熱放射量は2倍程度と大きく
なる。しかし、多層断熱材2においては層数がある程度
多ければ熱侵入量の大部分を熱伝導成分が占めることか
ら、熱放射量を多少犠牲にしても熱伝導量を小さくする
方が効果は大きくなる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】上記のように考えれば、多層断熱材2は積
層数が多ければ多いほど侵入熱が小さくなると考えられ
る。確かに、例えば垂直円筒面に施工する場合には概ね
そのようになる。しかし例えば水平円筒面に施工した場
合には、多層断熱材2自身の重量が圧縮力として働くた
め、積層数を増やしすぎるとかえって侵入熱が増える結
果になる。即ち最適積層数が存在する。これらの状況を
示したのが図4である。図において、横軸は積層数、縦
軸は熱侵入量である。積層数が増加するにつれて熱侵入
量は減少するが、積層数を増やしすぎるとかえって侵入
熱が増える結果になっている。Nは積層数の最適値を示
している。また垂直円筒面であっても、コストパフォー
マンスの点から自ずと積層数には妥当な値が存在する。
そこで有効積層数の最大値を求める式として式1を導入
する。なお、式1は3種類の多層断熱材について実測に
より得た最適層数Nの簡易算出式である。
層数が多ければ多いほど侵入熱が小さくなると考えられ
る。確かに、例えば垂直円筒面に施工する場合には概ね
そのようになる。しかし例えば水平円筒面に施工した場
合には、多層断熱材2自身の重量が圧縮力として働くた
め、積層数を増やしすぎるとかえって侵入熱が増える結
果になる。即ち最適積層数が存在する。これらの状況を
示したのが図4である。図において、横軸は積層数、縦
軸は熱侵入量である。積層数が増加するにつれて熱侵入
量は減少するが、積層数を増やしすぎるとかえって侵入
熱が増える結果になっている。Nは積層数の最適値を示
している。また垂直円筒面であっても、コストパフォー
マンスの点から自ずと積層数には妥当な値が存在する。
そこで有効積層数の最大値を求める式として式1を導入
する。なお、式1は3種類の多層断熱材について実測に
より得た最適層数Nの簡易算出式である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】実装にあたっては、式1で求めた値を最大
値とし、コストあるいは工作性などを考慮してこれ以下
の積層数とすれば良い。つまり、この層数Nまでは、層
数を増やせばそれだけ断熱性能が上がることを保証して
いる。例えば、フィルムKF−6B(応研機材社製の型
名)とネットKN−20(応研機材社製の型名)との組
み合わせでは、M=1.9x10-3(m)、WN =8.
2(g/m2 )、WF =16.8(g/m2 )であり、
有効積層数の最大値Nを計算すると、 N=[150/{1.9x10-3(8.2+16.8)}]0.5 =56 となり、56層以下の積層数で多層断熱材2を構成すれ
ば良い。このようにこの実施例によれば、侵入熱を小さ
くできると共に、コストパフォ−マンスの点で無駄をな
くし、適切な積層数の設定が可能となる多層断熱材によ
る断熱構造が得られる。
値とし、コストあるいは工作性などを考慮してこれ以下
の積層数とすれば良い。つまり、この層数Nまでは、層
数を増やせばそれだけ断熱性能が上がることを保証して
いる。例えば、フィルムKF−6B(応研機材社製の型
名)とネットKN−20(応研機材社製の型名)との組
み合わせでは、M=1.9x10-3(m)、WN =8.
2(g/m2 )、WF =16.8(g/m2 )であり、
有効積層数の最大値Nを計算すると、 N=[150/{1.9x10-3(8.2+16.8)}]0.5 =56 となり、56層以下の積層数で多層断熱材2を構成すれ
ば良い。このようにこの実施例によれば、侵入熱を小さ
くできると共に、コストパフォ−マンスの点で無駄をな
くし、適切な積層数の設定が可能となる多層断熱材によ
る断熱構造が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 極低温に冷却する被冷却体を納めた内容
器、この内容器を囲う外容器、上記内容器と上記外容器
との間に介在する真空空間、及び上記真空空間に上記内
容器を覆うように配設される多層断熱材を備えるものに
おいて、上記多層断熱材は、ポリエステル系の材料から
成るフィルム基材に高電気伝導性金属を蒸着したポリエ
ステル系フィルムとポリエステル系の材料から成るネッ
トとを交互に積層して構成し、かつ最外層または最内層
のポリエステル系フィルムは上記高電気伝導性金属を上
記フィルム基材の両面に蒸着したもので構成し、その他
の中間層のポリエステル系フィルムは上記高電気伝導性
金属を上記フィルム基材の片面に蒸着したもので構成
し、さらに上記内容器および外容器と対向する側のポリ
エステル系フィルムの面は上記高電気伝導性金属の蒸着
面となるよう構成したことを特徴とする多層断熱材によ
る断熱構造。 - 【請求項2】 極低温に冷却する被冷却体を納めた内容
器、この内容器を囲う外容器、上記内容器と上記外容器
との間に介在する真空空間、及び上記真空空間に上記内
容器を覆うように配設される多層断熱材を備えるものに
おいて、ポリエステル系樹脂に高電気伝導性金属を蒸着
したものをエンボス加工して凸部を有するフィルムと
し、このフィルムを積層して上記多層断熱材を構成し、
隣接する上記フィルムと上記凸部の接触面の少なくとも
どちらか一方のポリエステル系樹脂を露出するように構
成したことを特徴とする多層断熱材による断熱構造。 - 【請求項3】 極低温に冷却する被冷却体を納めた内容
器、この内容器を囲う外容器、上記内容器と上記外容器
との間に介在する真空空間、及び上記真空空間に上記内
容器を覆うように配設される多層断熱材を備えるものに
おいて、上記多層断熱材は、高電気伝導性金属を蒸着し
たポリエステル系の材料から成るフィルムとポリエステ
ル系の材料から成るネットとを交互に積層し、その周方
向に不連続とし、かつ積層数Nを、上記ネットの1メッ
シュあたりの平均長さをM(m)、上記ネットの比重量
をWN (g/m2 )、上記フィルムの比重量をWF (g
/m2 )とした時、N=[150/{M(WN +WF
)}]0.5 以下にしたことを特徴とする多層断熱材に
よる断熱構造。 - 【請求項4】 フィルムの積層数をN、Mを(凸部の占
積比)0.5 ×0.0254(m)、上記フィルムの比重
量をWF (g/m2 )とした時、N=(150/2MW
F )0.5 以下にしたことを特徴とする請求項第2項記載
の多層断熱材による断熱構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4102901A JPH05299710A (ja) | 1992-04-22 | 1992-04-22 | 多層断熱材による断熱構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4102901A JPH05299710A (ja) | 1992-04-22 | 1992-04-22 | 多層断熱材による断熱構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05299710A true JPH05299710A (ja) | 1993-11-12 |
Family
ID=14339769
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4102901A Pending JPH05299710A (ja) | 1992-04-22 | 1992-04-22 | 多層断熱材による断熱構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05299710A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006009949A (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-12 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 低温液化ガス貯蔵タンク |
JP2009250317A (ja) * | 2008-04-03 | 2009-10-29 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 低温流体の貯蔵タンク |
CN102705699A (zh) * | 2012-06-11 | 2012-10-03 | 杭州富士达特种材料有限公司 | 用于电力超导低温环境支持系统中的镀铝薄膜及低温绝热体 |
JP2014504349A (ja) * | 2010-11-30 | 2014-02-20 | ジーイー エナジー パワー コンバージョン テクノロジー リミテッド | 極低温素子絶縁体 |
JP2021137746A (ja) * | 2020-03-06 | 2021-09-16 | 株式会社栗本鐵工所 | 撹拌軸及びそれを備えた熱交換装置 |
CN116202015A (zh) * | 2022-12-20 | 2023-06-02 | 江苏深绿新能源科技有限公司 | 用于双层壁低温容器的多层绝热复合结构及其包覆工艺 |
-
1992
- 1992-04-22 JP JP4102901A patent/JPH05299710A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006009949A (ja) * | 2004-06-25 | 2006-01-12 | Kawasaki Heavy Ind Ltd | 低温液化ガス貯蔵タンク |
JP2009250317A (ja) * | 2008-04-03 | 2009-10-29 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 低温流体の貯蔵タンク |
JP2014504349A (ja) * | 2010-11-30 | 2014-02-20 | ジーイー エナジー パワー コンバージョン テクノロジー リミテッド | 極低温素子絶縁体 |
CN102705699A (zh) * | 2012-06-11 | 2012-10-03 | 杭州富士达特种材料有限公司 | 用于电力超导低温环境支持系统中的镀铝薄膜及低温绝热体 |
JP2021137746A (ja) * | 2020-03-06 | 2021-09-16 | 株式会社栗本鐵工所 | 撹拌軸及びそれを備えた熱交換装置 |
CN116202015A (zh) * | 2022-12-20 | 2023-06-02 | 江苏深绿新能源科技有限公司 | 用于双层壁低温容器的多层绝热复合结构及其包覆工艺 |
CN116202015B (zh) * | 2022-12-20 | 2024-05-31 | 江苏深绿新能源科技有限公司 | 用于双层壁低温容器的多层绝热复合结构及其包覆工艺 |
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