JPH0529788U - カートリツジタイプ筆記具の書記部乾燥防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 カートリッジタイプの筆記具において、カー
トリッジ内と、筆記具の外部へ連通する空間とを、オー
リングで遮断してインクの乾燥を防ぐとともに、カート
リッジを取り替える際に、オーリングが脱落しない構造
の書記部乾燥防止装置を提供する。 【構成】 首軸１１の先端寄り内面に形成した輪状の突
起１４の側面と、首軸１１の先端部内面に密接嵌合した
先端金具１２の端縁との間に間隙を設けることにより形
成された溝１６内にオーリング１７を装着し、オーリン
グ１７を、溝１６の両内面壁および底面とカートリッジ
の縮径部２の外周面に密接させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、カートリッジタイプのボールペンやサインペン等筆記具の書記部 のインクの乾燥防止装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、カートリッジタイプの筆記具（以下単に筆記具という）は、カートリッ ジ容器のインク吸蔵体収納部分（容器本体）と先端部の細径部との中間の縮径部 に通孔を設け、カートリッジ容器の内と外部と通気させている。ところが、カー トリッジを挿入させている首軸、胴軸とカートリッジ本体との間隙と上記通孔を 通じてカートリッジ内と外気と空気が連通して、カートリッジ内のインクが蒸発 するおそれがある。 そこで、特公昭５６−４８３２０の発明では、カートリッジ容器の通孔を設け た部分をインク吸蔵体の収納部分（容器本体）に対して縮径にして、その境界部 分に段部を設け、容器本体の先端部分および上記縮径部分を覆う上方の軸筒端部 と上記段部とでパッキングを圧着して、上記の外気との通気を遮断している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記特公昭５６−４８３２０の発明に係るパッキングは、容器の縮径段部と上 記軸筒端部とで圧着されて支持されているので、カートリッジの取替えのために 首軸と胴軸との係合をはずしてカートリッジを軸筒から抜き取った際に、パッキ ングが縮径部から抜け落ちて紛失するおそれがある。

【０００４】 この考案は、オーリングを先端金具の端部と道軸内面の突起との間に嵌合し、 上記外気との連通を遮断するとともに、カートリッジ取替え時にオーリングが脱 落しないようにした筆記具のインク乾燥防止装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 首軸の先端寄り内面に形成した輪状の突起の側面と、首軸の先端部内面に密接 嵌合した先端金具の端縁との間に、間隔を設けることにより形成された溝内にオ ーリングを装着し、 オーリングを、前記突起の側面、先端金具の端縁、前記首軸内面および先端金 具内に挿入したカートリッジの縮径部外周面に密接させて、前記縮径部の通孔付 近の空間と、カートリッジ本体と首軸・胴軸との間の空間を介して外気との連通 の遮断する。 オーリングを装着する溝を、先端金具の基部の端縁の全周にわたって、該基部 の外周面を延長した外周面を形成し、かつ、前記基部の厚みよりも薄い厚みの突 縁を設け、該突縁に首軸内面に設けた輪状の突起を当接させて、前記基部の端面 と前記輪状の突起の側面との間に形成した前記突縁の長さに相当する間隙により 形成することもできる。

【０００６】

【実施例】

以下図面に示す実施例を説明する。 図１および図２に示すものはボールペンについての実施例である。 １はカートリッジ本体、２は本体先端に続く縮径部、３は縮径部２の先端に続 く細径部、４は書記部であり、書記部４の先端にはボール５が取り付けられてい る。６は縮径部２が細径部３に連続する肩部に設けた通孔である。

【０００７】 ７は本体１内に収納されたインク吸蔵体であり、８はスペーサーであって、大 径部と小径部とよりなる筒体であって、大径部は本体１内に、小径部は縮径部２ 内に挿入され、大径部の端面がインク吸蔵体７の端部に当接して、インク吸蔵体 ７の端部が縮径部２内へ移行するのを防止している。 ９はインク誘導体であって、一端はインク吸蔵体７に接し、中間においてスペ ーサー８の孔を貫通し、先端は書記部４で覆われている。

【０００８】 ペン軸は胴軸１０、首軸１１、先端金具１２、キャップ１３よりなり、胴軸１ ０と首軸１１の一端とはそれぞれの端部のネジ部で着脱自在に螺合され、首軸１ １の他端と先端金具１２の端部とは密着固定されている。先端金具１２は貫通孔 を有する筒体であって、その先端よりカートリッジの書記部４の先端が突出する 。キャップ１３内には内キャップ１８を内蔵し、その一端をキャップ１３の先端 （図１において）の内面に固着し、他端は開口し、その開口した端部内面が先端 金具１２の外周に密接して、内キャップ１８内とキャップ１３内の他の部分との 空気の連通を遮断している。

【０００９】 首軸１１と先端金具１２との密着固定は次のとおりの構成で行う。 すなわち、首軸１１の先端部の内面に輪状の突起１４を設け、先端金具１２の 中間外周にフランジ１５を設け、フランジ１５を境として書記部４の先端が突出 する部分の反対側の筒部の外周面と首軸１１の先端部の内周面とを密着固定させ る。この際突起１４の側面と先端金具１２の端面との間に間隔を置くことによっ てその間隔でペン軸内面にリング状の溝１６を形成する。

【００１０】 １７は金属、合成樹脂、ゴム等よりなるオーリングであって、溝１６に嵌合さ れ、溝１６の底と溝１６の両内壁および縮径部２の外周面に密接している。

【００１１】 図３に示す実施例は、上記実施例における溝１６に代わる溝１６ａを形成す るものである。 この実施例においては、先端金具１２において、基部、すなわち、縮径部２の 外周面に密接する側の端縁の全周にわたって、先端金具１２の基部の外周面を延 長した外周面を形成し、かつ、基部の厚みよりも薄い厚みの突縁２１を設けて、 前記基部の内周面と突縁２１の内周面に段差を形成し、首軸１１の内面に設けた 輪状の突起１４を先端金具１２の突縁２１に当接させ、突起１４の当接面と同一 の面で当接していない部分と前記基部の端面２０との間に突起２１の長さに相当 する間隙を設けて、この間隙を溝１６ａとし、この溝１６ａ内にオーリング１７ を嵌合させ、オーリング１７を溝１６ａの両内壁と底と縮径部２の外周面に密接 させる。

【００１２】 上記はボールペンの実施例について説明したものであるが、この考案はフェル トペンやサインペンにも実施できる。この場合には、ボール５を用いないで、筆 記に適した繊維、プラスチック等よりなる芯を用いるものである。

【００１３】

【作用および効果】

先端金具１２の端部と首軸１１の内面の突起１４とは、溝１６、１６ａを形成 し、これら溝内にオーリング１７を嵌合可能とし、オーリング１７を支持する。 オーリング１７は、内キャップ１８内、先端金具１２内および通孔６を通じて 連通するカートリッジ内の空間と、首軸１１と胴部１０との螺合部を通じて外気 と連通するカートリッジ本体１外周と首軸１１内面、胴軸１０の内面との間の空 間との連通を遮断し、カートリッジ内のインクの乾燥を防ぐ。

【００１４】 この考案に係る書記部乾燥防止装置によれば、オーリングでカートリッジ通孔 付近と外気との連通を確実に遮断してインクの乾燥を防止する。 また、オーリングの装着のための構成が簡単で製造組立が容易であり、オーリ ングの装着も容易確実である。オーリングが首軸内面の突起の側面と先端金具の 端縁で形成された溝に嵌合されて確実に支持されているので、カートリッジを取 り替えるためにカートリッジを首軸および胴軸から引き抜いても、オーリングが 脱落するおそれはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 筆記具の要部の断面図である。

【図２】 筆記具の要部断面図である。

【図３】 筆記具の要部の断面図である。

【符号の説明】

１ カートリッジ本体 ２ 縮径部 ３ 細径部 ４ 書記部 ５ ボール ６ 通孔 ７ インク吸蔵体 ８ スペーサー ９ インク誘導体 １０ 胴軸 １１ 首軸 １２ 先端金具 １３ キャップ １４ 突起 １５ フランジ １６ 溝 １７ オーリング １８ 内キャップ １９ カートリッジ尾栓 ２０ 端面 ２１ 突縁

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 首軸の先端寄り内面に形成した輪状の突
   起の側面と、首軸の 先端部内面に密接嵌合した先端金具の端縁との間に、間
   隔を設けることにより形 成された溝内にオーリングを装着し、 オーリングを、前記突起の側面、先端金具の端縁、前記
   首軸内面および先端金 具内に挿入したカートリッジの縮径部外周面に密接させ
   てなり、 前記縮径部の通孔付近の空間と、カートリッジ本体と首
   軸・胴軸との間の空間 を介して外気との連通の遮断を可能としたことを特徴と
   するカートリッジタイプ 筆記具の書記部乾燥防止装置。
2. 【請求項２】 オーリングを装着する溝が、先端金具の
   基部の端縁の全周に わたって、該基部の外周面を延長した外周面を形成し、
   かつ、前記基部の厚みよ りも薄い厚みの突縁を設け、該突縁に首軸内面に設けた
   輪状の突起を当接させて 、前記基部の端面と前記輪状の突起の側面との間に形成
   した前記突縁の長さに相 当する間隙よりなることを特徴とする請求項１に記載の
   カートリッジタイプ筆記 具の書記部乾燥防止装置。