JPH05297523A

JPH05297523A - 写真フイルムパトローネ及びその製造方法並びに写真フイルムパトローネ用包装体

Info

Publication number: JPH05297523A
Application number: JP4098136A
Authority: JP
Inventors: Kazunori Mizuno; 和則水野; Takuya Arai; 拓哉荒井
Original assignee: Fuji Photo Film Co Ltd
Current assignee: Fujifilm Holdings Corp
Priority date: 1992-04-17
Filing date: 1992-04-17
Publication date: 1993-11-12
Also published as: US5381202A

Abstract

(57)【要約】【目的】パトローネ本体を樹脂成形部品で構成した写
真フイルムパトローネの包装適性を向上させる。【構成】上ケース３ａと下ケース３ｂとからパトロー
ネ本体が構成される。上ケース３ａにはラベル１１の貼
付により写真フイルムの品種が表示され、また下ケース
３ｂには品種とは関係しない表示が印刷される。写真フ
イルムパトローネ２は角形で透明な樹脂性のＰケース２
４に回転しないように収納される。Ｐケース２４をカー
ド２０及びシュリンクフイルム２１によりカーデッド包
装する。写真フイルムパトローネ２のポート口７は、遮
光を確実にするためにカード２０に向けられる。Ｐケー
ス２４及びシュリンクフイルム２１を通してラベル１１
の表示を包装体の外から確認することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、パトローネ本体に各種
の表示を施した写真フイルムパトローネ及びその製造方
法に関し、さらにこの写真フイルムパトローネを包装す
る包装体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】最も普及している１３５写真フイルムパ
トローネは、薄い鉄板を用いて胴部と一対のキャップと
からなるパトローネ本体を作り、その中に樹脂性のスプ
ールに巻きつけた写真フイルムを収納している。そし
て、この写真フイルムパトローネの販売時の包装形態
は、Ｐケースと称される樹脂性の透明容器に写真フイル
ムパトローネを収納し、さらにこのＰケースを紙箱で包
装した状態となっている。Ｐケースは写真フイルムを湿
気から保護するために用いられ、また紙箱はその中に収
納された写真フイルムの品種やメーカー名などの表示体
及び遮光用の外装体として用いられている。

【０００３】一方、上記写真フイルムパトローネに用い
られている鉄板製のパトローネ本体に代えて、例えば特
開平４−１９５４６号公報等に見られるように、樹脂製
のパトローネ本体を用いた写真フイルムパトローネが提
案されている。同公報記載の写真フイルムパトローネ
は、半円筒形状の２個の樹脂成形部品を組み合わせてパ
トローネ本体とし、その中に写真フイルムの先端部まで
も巻き込んで収納している。そしてスプールを写真フイ
ルムの送り出し方向に回転させることによって、写真フ
イルムの先端がポート口から導き出される構造となって
いる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の写真フイルムパトローネの包装形態においては、収納
された写真フイルムの品種表示や遮光のために紙箱が必
須となっているが、写真フイルムの使用時には紙箱は全
くの不要物として廃棄されるだけで、省資源の点から問
題であった。しかし紙箱を省略した包装形態とするため
には、Ｐケースそのものに充分な遮光機能を持たせなく
てはならず、これまでのようにＰケースを通してパトロ
ーネ本体の表面に施した写真フイルムの品種表示等を確
認することができなくなる。したがってこの場合には、
パトローネ本体の他にＰケースにも各種の表示を施して
おく必要があるが、このような形態にすると、写真フイ
ルムパトローネの包装工程ではＰケースについても品種
ごとの管理が要求され、作業が面倒になる。

【０００５】また上述した種々の問題点は、樹脂製のパ
トローネ本体を用いた写真フイルムパトローネの包装形
態に関しても共通している。なかでも、写真フイルムの
先端部までもパトローネ本体に巻き込んだ写真フイルム
パトローネでは、ポート口から強い光が入ることを確実
に防いでおかなくてはならない。そして、写真フイルム
の種別等の表示についても、ことさらにコストをかける
ことなく、包装したままの状態で正しく視認できるよう
な工夫が必要となっている。

【０００６】本発明は以上に述べた背景に鑑みてなされ
たもので、樹脂成形された２部品からパトローネ本体が
構成され、写真フイルムがその先端部までもポート口の
内部に巻き込まれた写真フイルムパトローネの包装適性
を向上させ、さらにこの写真フイルムパトローネに好適
な包装体を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、パトローネ本体を構成する一方の樹脂成形
部品に写真フイルムの種別そのものとは無関係の表示を
印刷により施し、他方の樹脂成形部品には写真フイルム
の品種に係わる表示が施されたラベルを貼付したもので
ある。また、この写真フイルムパトローネの製造にあっ
ては、パトローネ本体を構成する一方の樹脂成形部品に
印刷による表示を施してから他方の成形部品との一体化
及び写真フイルム巻き込みを行い、しかる後に前記他方
の成形部品にラベルの貼付による表示を施す。

【０００８】さらに上記写真フイルムパトローネを包装
するための本発明の包装体は、写真フイルムパトローネ
を回転不能に収納するとともに、少なくともその一部に
透明部を設けたパトローネ容器と、このパトローネ容器
を回転不能に包み込み、前記透明部を覆う個所が透明
で、写真フイルムパトローネのポート口に対面する個所
を不透明にした外装体とから構成され、さらに前記外装
体には展示用のハンガーを挿通する開口が形成される。

【０００９】

【実施例】本発明を用いた写真フイルムパトローネの分
解状態を示す図８において、写真フイルムパトローネ２
は、基本的にパトローネ本体３，スプール４，写真フイ
ルム５とから構成されている。パトローネ本体３は、ポ
リスチレン樹脂の成形品からなる上ケース３ａと下ケー
ス３ｂとから構成され、これらのケースの中に写真フイ
ルム５を巻き付けたスプール４が収納される。上ケース
３ａ及び下ケース３ｂはいずれも灰色の樹脂で成形され
ている。これにより、黒色樹脂を用いたときに比べ、パ
トローネ本体３が太陽光に曝されたときなどに吸熱しに
くくなり、またその表面に印刷を施した際にきれいな仕
上がりにすることができる。上ケース３ａ及び下ケース
３ｂの内壁にはリブ６が一体に形成され、パトローネ本
体３内に写真フイルム５を完全に巻き込んだ状態では、
写真フイルム５の最外周に接するようになっている。下
ケース３ｂに形成された一方のリブの先端はポート口７
の奥で爪形状とされ、写真フイルム５の先端部を掬い上
げる先端分離爪８として作用する。

【００１０】上記写真フイルムパトローネ２では、使用
時にカメラ側の機構によりスプール４を図中時計方向に
回転させると、写真フイルム５はリブ６の作用により巻
き太ることなくスプール４とともに同方向に回転する。
そして、写真フイルム５の先端が先端分離爪８によって
その下層のフイルムロールから分離され、ポート口７か
ら送り出されるようになる。また、撮影後には写真フイ
ルム５の先端までも再びパトローネ本体３に巻き込まれ
る。したがってユーザーは、これまでの写真フイルムパ
トローネとは異なり、写真フイルムの先端部の取り扱い
に顧慮することなく簡単に装填，取り出し操作を行うこ
とができる。なお符号９は、ポート口遮光用のテレンプ
を示す。

【００１１】パトローネ本体３を構成している下ケース
３ｂには、写真フイルム５の品種そのものに関係のない
表示、例えば製造国名，メーカー名，免責事項，現像処
理条件（カラーネガフイルムに限った場合、その品種に
かかわらず共通の処理となる）、さらにはこの写真フイ
ルムパトローネ２が使用済みのものであるか否かを表す
指標などの印刷表示１０が施されている。この印刷の手
法としては、文字やマークをインクや塗料で下ケース３
ｂの表面に転写するタンポ印刷，ホットスタンプなどの
他、下ケース３ｂの成形用金型に文字やマークに対応し
た凹凸を用意しておく熱転写，はく押しなどを利用する
ことができる。

【００１２】上ケース３ａには、厚み０．０５ｍｍのポ
リスチレンシート製のラベル１１が貼付される。ラベル
１１の表面には、このパトローネ本体３に収容された写
真フイルム５の品種特有の表示、例えばフイルム感度
（ＩＳＯ），撮影可能枚数，ネガ／ポジやカラー／白黒
の品種，これらをコード化したバーコード等が印刷さ
れ、またラベル１１の裏面には粘着剤が塗布されてい
る。ラベル１１としては、その他に紙，ポリマーフイル
ム，蒸着フイルム，金属箔などを基材としてその表面に
表示用の印刷を行い、裏面に接着剤，粘着剤，ディレー
ドタック剤などを塗布したものを用いることができる。

【００１３】上記写真フイルムパトローネ２の製造工程
は図９に概略的に示したように、上ケース３ａ，下ケー
ス３ｂを各々成形した作った後、下ケース３ｂには印刷
表示１０が施される。印刷表示１０を設ける過程では、
下ケース３ｂに樹脂が変形しない程度の熱が加えられる
が、下ケース３ｂが加熱されるだけであるから写真フイ
ルム５には全く影響がない。また、印刷表示１０は写真
フイルム５の品種に無関係の内容を表すものであるの
で、印刷表示１０を含めた下ケース３ｂの製造に関して
は品種の管理が不要で効率的に生産を行うことができ
る。

【００１４】次にパトローネ本体３の組立が行われる。
この組立時にはスプール４と、写真フイルム５とが供給
される。スプール４には撮影枚数に応じた長さの写真フ
イルム５が予め巻きつけられた状態になっており、これ
らが上ケース３ａと下ケース３ｂの間に回転自在に組み
込まれる。しかる後に上ケース３ａと下ケース３ｂとが
超音波溶着によって固着される。この時点でこの写真フ
イルムパトローネ２の品種が確定するので、ラベル１１
の貼付が行われる。ラベル１１の貼付には加熱を要しな
いので、写真フイルム５に余分な熱を加えずに済む。ま
た、ラベル１１が大きくなるほどそれ自体がコストアッ
プするが、写真フイルム５の品種に係わらない他の表示
は印刷表示１０によってなされるから、ラベル１１を小
さくすることができる。なお、写真フイルム５の後端を
固着したスプール４を上ケース３ａと下ケース３ｂとの
間に組み込んでからスプール４を駆動して写真フイルム
５の巻き込みを行い、しかる後に上下ケース３ａ，３ｂ
を固着してもよく、さらには写真フイルム５を巻き込む
前に上下ケース３ａ，３ｂを固着する手法を採ることも
できる。

【００１５】こうしてできあがった写真フイルムパトロ
ーネ２は次に包装工程に送られ、まずパトローネ容器に
収納される。このパトローネ容器としては、透明ポリス
チレンで成形した樹脂製容器（以下、Ｐケースという）
が用いられる。さらにＰケースには外装体による包装が
行われるが、この包装には、店頭でハンガーに吊り下げ
て展示しやすいようなカーデッド包装（carded packin
g：カードと一体化、あるいはカード状になる包装）が
用いられる。

【００１６】図１及び図２はカーデット包装の一例を示
す。このカーデッド包装には、カード２０とシュリンク
フイルム２１とが利用される。カード２０は秤量１５０
ｇ／ｍ²の紙材で、光学濃度は１．５以上、好ましくは
２．０以上で充分な遮光性を有しており、上端部にはハ
ンガー２２を挿通するための開口２３が形成されてい
る。シュリンクフイルム２１には透明なポリエチレン製
フイルムが用いられ、周知のように熱収縮する性質をも
っている。樹脂製のＰケース２４は角筒形状をしてお
り、キャップ２４ａを備えている。キャップ２４ａを被
せることによってＰケース２４の内部は気密状態にな
り、充分な防湿機能を得ることができる。また、図２に
示したように、Ｐケース２４は写真フイルムパトローネ
２がちょうど収まる形状をしているため、その中で写真
フイルムパトローネ２が回転することはない。

【００１７】Ｐケース２４はカード２０の表面にホット
メルト接着剤で軽く接着される。このとき、写真フイル
ムパトローネ２のポート口７をカード２０に向けてお
き、ポート口７の先端をカード２０で覆うようにしてお
く。そして、さらにその上にはシュリンクフイルム２１
が被せられ、写真フイルム５やパトローネ本体３に影響
を与えることのない温度で加熱処理される。これにより
シュリンクフイルム２１が収縮して図１及び図２に示し
たようにＰケース２４とカード２０とが一体化され、カ
ーデッド包装が完了する。

【００１８】上述のように、写真フイルムパトローネ２
はＰケース２４に収納され、さらに上記のようにカーデ
ッド包装した状態で輸送され、その後、店頭に陳列展示
されるが、Ｐケース２４内で写真フイルムパトローネ２
は回転することがなく、またカード２０とＰケース２４
とはシュリンクフイルム２１でしっかりと連設されてい
るため、ポート口７の先端は常にカード２０に向けられ
たままとなっている。したがって、店頭で強い太陽光の
元に長期間曝されたような場合でも、その光が直接ポー
ト口７からパトローネ本体３内に進入することはなく、
写真フイルム５をより安全で確実な遮光状態に保つこと
ができる。

【００１９】さらに店頭での展示状態で、ラベル１１に
印刷されたフイルムの品種を表す表示を透明なＰケース
２４及びシュリンクフイルム２１を通して容易に識別す
ることができるから、カード２０の表面には単に化粧用
の印刷を施すだけでも済ませられるようになる。また従
来の紙箱と異なり、カード２０には一面だけで充分な広
さの表示スペースをとることが可能なだけでなく、その
裏面にも表示スペースができるから、例えばスプールの
回転で写真フイルムの先端が送り出されるタイプの写真
フイルムパトローネであることを分からせる説明文など
を印刷しておくことも可能となる。さらに、シュリンク
フイルム２１及びＰケース２４を透明にしてあるから、
包装体が熱を吸収することがなく、写真フイルムパトロ
ーネ２の温度上昇を防ぐ上で有利である。また、シュリ
ンクフイルムとして熱線吸収フイルムを使用してもよ
い。

【００２０】図３は円筒状のＰケース２５を用いた場合
のカーデッド包装の例を示す。円筒状のＰケース２５を
用いる場合には、ケース内で写真フイルムパトローネ２
が回転しやすくなるから、図示したようにＰケース２５
の中に回転止めになる板２６を入れておくのがよい。こ
の板２６はＰケース２６と一体成形することもできる。
Ｐケース２５は、前記実施例と同様にポート口７をカー
ド２０に向けた状態でホットメルト接着剤によりカード
２０に仮止めされた後、シュリンクフイルム２１でカー
ド２０と一体に連結される。この実施例でもラベル１１
の表示を外観観察でき、包装体に写真フイルム５の品種
を表す表示を施さなくても済む。また、板２６に遮光性
を付与しておくことによって、さらに良好な遮光作用を
得ることができる。なお、円筒状のＰケース２５をカー
ド２０と一体化してあるから、輸送時や店頭での展示の
際に転がらず、取り扱いも容易になる。

【００２１】図４は、カード２０を長めにして先端側を
折り曲げ、この折り曲げ部分で前述した角形のＰケース
２４の一部をカバーした例を示す。同図（Ａ）の例で
は、カード２０の先端部分を「Ｌ」形状に曲げ、Ｐケー
ス２４の背面と底面とをオレフィンイ系ホットメルト接
着剤を用いてカード２０に接着してある。また、同図
（Ｂ）の例はカード２０を「コ」形状に折り曲げ、ポー
ト口７を底面に向けた状態でＰケース２４の３面をオレ
フィン系ホットメルト接着剤でカード２０に接着した。
これらの例では、Ｐケース２４とカード２０との接着だ
けで両者の一体化ができるので、必ずしもシュリンクフ
イルム２１を用いなくてもよい。また、カードの折り曲
げにより、写真フイルムパトローネ２のポート口７には
さらに外光が入りにくくなるという利点がある。

【００２２】さらに、図示した実施例のように、ラベル
１１の表示確認のためにＰケース２４の一面を開放して
おくのが好ましいが、カード２０をさらに長くしてＰケ
ース２４の上面をカバーしてもよく、この場合には写真
フイルムパトローネ２の端面に写真フイルム５の品種表
示用のラベルを貼付しておくのがよい。また図５に示し
たように、カード２０とシュリンクフイルム２１とを用
い、１枚のカード２０に２個のＰケース２４を保持させ
ることもできる。もちろん、２個のＰケース２４を１枚
のカード２０に保持させる場合にも、図４に示したよう
にカード２０の一部を折り曲げた包装形態にしてもよ
い。

【００２３】図６（Ａ），（Ｂ）に示したそれぞれの実
施例では、カード３０，３１に坪量１８０ｇ／ｍ²の紙
が用いられ、それぞれ１個あるいは２個のＰケース２４
を上述した実施例で用いたシュリンクフイルム２１でカ
ードと一体化してある。同図（Ａ）の例ではカード３０
に開口３０ａが形成され、この開口３０ａにＰケース２
４を横向きに入れてからシュリンクフイルム２１で固定
してある。写真フイルムパトローネ２のポート口はカー
ド３０の背面側に突出しているが、カード３０の裏面側
に回っている部分でシュリンクフイルム２１には黒色に
した印刷部２１ａが設けられている。この印刷部２１ａ
の光学透過濃度は１．５以上、好ましくは２．０以上に
なっており、写真フイルムパトローネ２のポート口を遮
光するのには充分である。なお同図（Ｂ）の例も、カー
ド３１の開口３１ａにＰケース２４を２個縦配列した以
外は、（Ａ）の例と同様である。

【００２４】これらの例においても、その前面側からラ
ベル１１の表示が確認でき、またポート口７については
印刷部２１ａで遮光されており、これまでの実施例と同
様の効果が得られる。なお、印刷部２１ａの代わりに遮
光紙をシュリンクフイルム２１に貼付してもよい。ま
た、Ｐケース２４の仮止めのために、開口３０ａ，３１
ａの縁に舌片状の折り曲げ部を設けておき、この折り曲
げ部にホットメルト接着剤でＰケース２４を軽く接着し
ておくようにしてもよい。

【００２５】図７は、ガゼット袋方式の包装形態を示す
ものである。このガゼット袋３５はポリエチレン製のフ
イルムを素材とし、その表面には防湿性を向上させるた
めに二酸化珪素を蒸着したシートで作られたもので、内
部に２個のＰケース２４をピロー包装している。ガゼッ
ト袋３５には印刷が施され、その前面側に透明部３５ａ
が設けられ、側面から背面にかけては光学透過濃度が
１．５以上（好ましくは２．０以上）の不透明部３５ｂ
になっている。Ｐケース２４内の写真フイルムパトロー
ネ２は、そのポート口７を背面側に向けた姿勢で包装さ
れているため、透明部３５ａを通してラベル１１の表示
を確認することができる。また、ポート口７は不透明部
３５ｂで覆われているため、ポート口７の遮光にも問題
はない。なお、不透明部３５ｂを印刷により形成する代
わりに、別の遮光シートを貼付してもよい。もちろん、
Ｐケース２４を一個だけ包装したり、角形のＰケース２
４の代わりに円筒型のＰケース２５を封入させてもよ
い。

【００２６】

【発明の効果】上述のように本発明によれば、パトロー
ネ本体の一方を構成する成形部品には写真フイルムの品
種に関係しない表示を印刷し、他方の成形部品に写真フ
イルムの品種に係わる表示を施すにあたりラベルを貼付
するようにしてあるから、各々の成形部品を写真フイル
ムの品種に係わらず量産することができる。しかも、写
真フイルムをパトローネ本体内に巻き込むまでの工程で
は、写真フイルムの品種とは無関係に作業を進めること
ができるので、作業を効率化することができる。そし
て、写真フイルムをパトローネ本体に巻き込んだ後にパ
トローネ本体に施す品種表示はラベルを貼付することに
よって行われるから、収納された写真フイルムの写真性
能に何らの影響も及ぼすことがない。

【００２７】さらに本発明の包装体は、透明なパトロー
ネ容器とこれを包み込む外装体とから構成され、外装体
に設けた透明部を通してパトローネ本体に施された品種
表示を外部から識別できるようになっているから、包装
体そのものには必ずしも品種表示を施す必要がなく、ま
た外装体の不透明部でパトローネ本体のポート口を覆う
ので、より確実に写真フイルムの外光カブリを防ぐこと
ができる。さらに、従来用いられていた紙箱に比べて紙
材を節約することができるだけでなく、包装廃棄物の減
量という効果もあり、さらに包装体そのものに設けた開
口を利用してハンガーに吊り下げて展示，陳列すること
ができるので、従来の包装形態にはないディスプレイ効
果を上げることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の包装体の一例を示す外観図である。

【図２】図１に示した外装体の要部断面図である。

【図３】本発明の包装体の他の例を示す要部断面図であ
る。

【図４】本発明の包装体のさらに別の例を示す外観図で
ある。

【図５】２個のＰケースを包装する時の例を示す外観図
である。

【図６】本発明の包装体のさらに別の例を示す外観図で
ある。

【図７】ガゼット袋方式の包装形態の一例を示す外観図
である。

【図８】本発明の写真フイルムパトローネの分解斜視図
である。

【図９】本発明の写真フイルムパトローネの製造工程を
概略的に示す説明図である。

【符号の説明】

３パトローネ本体３ａ上ケース３ｂ下ケース５写真フイルム１０印刷表示１１ラベル２０，３０，３１カード２１シュリンクフイルム２３開口２４，２５Ｐケース３５ガゼット袋３５ａ透明部３５ｂ不透明部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】樹脂成形された２部品でパトローネ本体
が構成され、このパトローネ本体内に写真フイルムをロ
ール状に収納した写真フイルムパトローネにおいて、前
記２部品の一方に前記写真フイルムの品種とは無関係の
表示を印刷し、他方の部品に写真フイルムの品種を表す
表示が施されたラベルを貼付したことを特徴とする写真
フイルムパトローネ。
【請求項２】樹脂成形された２部品でパトローネ本体
が構成され、このパトローネ本体内に写真フイルムをロ
ール状に収納した写真フイルムパトローネの製造方法に
おいて、前記２部品の一方に印刷表示を施す第１工程
と、この第１工程で得られた一方の部品と他方の部品と
の間にスプール及びこれに巻きつけた写真フイルムを回
転自在に組み込んでから前記２部品を一体に固着する第
２工程と、この第２工程の後に前記２部品の少なくとも
一方にラベル貼付による表示を施す第３工程とからなる
ことを特徴とする写真フイルムパトローネの製造方法。
【請求項３】写真フイルムの先端部までポート口の内
部に巻き込んだ写真フイルムパトローネを回転不能に収
納するとともに、その一部または全部が透明であるパト
ローネ容器と、このパトローネ容器を回転不能に包み込
み、前記透明部を覆う個所が透明で、写真フイルムパト
ローネのポート口に対面する個所を不透明にした外装体
とからなり、この外装体には展示用のハンガーを挿通す
る開口を形成したことを特徴とする写真フイルムパトロ
ーネ用包装体。