JPH05297237A - 光導波路通路の形成方法 - Google Patents

光導波路通路の形成方法

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JPH05297237A
JPH05297237A JP4352823A JP35282392A JPH05297237A JP H05297237 A JPH05297237 A JP H05297237A JP 4352823 A JP4352823 A JP 4352823A JP 35282392 A JP35282392 A JP 35282392A JP H05297237 A JPH05297237 A JP H05297237A
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temperature
bath
optical waveguide
electric field
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JP4352823A
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Alain Marcel Jean Beguin
マルセル ジャン ベギン アレン
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Corning Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鮮明に画定された境界を有する埋め込み光フ
ァイバ通路を迅速にかつ均一に形成すること。 【構成】 光導波路通路が、(a)イオン交換によって
第1の基体表面上にド−パントイオン通路を形成し、
(b)第2の表面に電極を適用し、(c)第1の表面を
溶融塩浴と接触させ、そして(c)基体に電界を印加し
てド−パントイオンを基体内により深く入り込ませるこ
とによって基体表面下に形成される。強い電界によって
生じた電流が基体を過熱させ、基体の変形と不均一な深
さの通路を生じさせるので、基体の温度を十分に低下さ
せるのに十分な流量で基体の第1の表面に沿って溶融塩
を流しかつ基体の表面上に炉雰囲気を迅速に流すことに
よって基体を冷却させる。また、最初に基体に電圧Vi
印加して電流を予め定められたレベルImまで増加させ、
そしてイオン通路を予め定められた深さに埋め込むのに
十分な時間の間、電流をレベルImに維持するのに必要な
割合で印加電圧を低下させることによって電流を前記予
め定められたレベルImに維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は埋設された導波路を作成
するための電界で助長される方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来はガラス基体の表面にイオン交換法
によって受動光導波路通路が形成されていた。このよう
な導波路通路は光ファイバとの適合性を有することおよ
び製造費が低いことのために集積光学用途にとって有用
である。ガラス基体の第1の表面がその基体の1つの表
面上にマスク材料の層を沈積させてマスクされ、そして
そのマスク材料の層をホトリソグラフ法によりエッチン
グして、導波路通路が形成されるべき開口が形成され
る。マスクされた表面は第1の溶融塩浴によって接触さ
れる。ほとんどの場合、基体ガラス中のナトリウムイオ
ンがCs、Ag、RuまたはTlのようなド−パント陽イオンと
交換される。この第1のイオン交換処理時に電界が印加
される場合がある。導波路通路はマスクを除去し、基体
の第2の表面に電極を適用し、そして活性側を例えばNa
およびKイオンのような基体の屈折率に対する寄与の小
さいイオンを含んだ第2の溶融塩浴に接触させることに
よって基体表面下に導波路通路を埋設することができ
る。第2の塩浴と接触した状態で、その浴と第2の表面
電極との間に電界が印加される。
【0003】この二重イオン交換処理の結果として、第
1の基体表面の下に、周囲の領域より屈折率の高い信号
伝送領域が形成される。屈折率の高い領域とそれに隣接
した領域との間にかなり鮮明な境界を有することが有利
である。さらに、屈折率の高い領域は表面の凹凸や欠陥
による散乱を防止するのに十分なだけ深く基体表面の下
に埋め込まれなければならない。電磁界がガラスの表面
に達するのを防止するために15μmより大きい深さが従
来用いられている。屈折率分布は基体ガラスの組成、入
って来るド−パントイオンの性質、それの供給源におけ
る濃度、塩浴の温度、拡散時間、および外部から印加さ
れる電磁界の大きさのようなパラメ−タ−に依存する。
【0004】比較的低い温度で導波路を埋設することに
よって熱拡散の悪影響が軽減され得る。しかし、所定の
深さを実現するために必要とされる処理時間はそれに対
応して増加する。低温におけるイオン移動速度を高める
ために電界が用いられている。米国特許第491371
7号には、低い温度でかつミリメ−トル当り数百ボルト
までの電界の影響の下で第1のイオン交換を行ない、そ
して低い温度で埋設し、再び電圧を印加することによっ
て、鮮明で良く画定された境界を有する導波路を形成す
ることができることが記載されている。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】電界強度がさらに高
くすると処理時間を短縮できるが、(a)ア−ク発生の
原因となり得る、(b)基体のエッジを上昇する方向の
イオン移動によりガラス基体の2つの側面間に短絡が生
ずることによってガラス基体の破断を生ずる原因となり
得る、(c)基体のジュ−ル効果加熱によって処理の不
安定性を生ずる原因となり得ると言うような多くの問題
を生ずることになり得る。
【0006】高い電界を印加することによるジュ−ル効
果加熱はこの処理に対して下記の影響を及ぼすことにな
りうる。高い電圧がウエ−ハに印加されると、ウエ−ハ
のジュ−ル効果加熱がイオンの高い移動度により電流を
増加させる。そのためウエハ中で消失されるパワ−が多
くなり、ウエ−ハの温度が上昇し続ける。このために、
(a)基体の過熱によって処理の制御が失われ、そのよ
うな過熱によって基体が破断されることもある、(b)
温度勾配が生じたことにより導波路特性(屈折率、導波
路寸法、および埋設の深さ)が不均一となる、および
(c)基体にそりが生じて、導波路通路に光ファイバを
付着させるのが困難となる。
【0007】本発明の1つの目的は、鮮明で良く画定さ
れた境界を有する光導波路通路をガラス基体内に埋設す
る方法を提供することである。他の目的は、深く埋設さ
れた導波路通路を比較的短時間で形成する方法を提供す
ることである。他の目的は、光導波路通路を形成するイ
オン交換法の再現可能性を改良することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は第1および第2
の対向した表面を有するガラス基体の表面下に光導波路
通路を形成するために用いられる種類の方法に関する。
ド−パントイオンを含んだ光導波路通路が基体の第1の
表面上におけるイオン交換によって形成された後で、第
2の表面に電極が適用される。第1の表面は溶融塩浴に
接触され、そしてド−パントイオンを基体中にさらに深
く入れ込むためにその基体に電界が印加される。本発明
の方法によれば、電界は500V/mmより強い。
【0009】本発明の1つの実施例では、基体のジュ−
ル効果加熱によって、基体の温度が浴の温度より約25℃
以上だけ高く上昇させる傾向があり、基体は浴の温度よ
り冷却される。基体冷却工程は、基体の温度を浴の温度
より15℃以下だけ高い温度に低下させるのに十分な流速
で基体の第1の表面に沿って溶融塩を流すことよりな
る。基体冷却は浴と反対側の基体表面上に炉雰囲気を急
速に流すことをさらに含んでいてもよい。
【0010】基体に電圧を印加している間に、その基体
を流れる電流が予め定められたレベルImまで増加され、
その後で、電流をレベルImに維持するのに必要な速度で
印加電圧を低下させることによってその予め定められた
レベルImに維持される。予め定められた時間のあいだ電
界を印加することによって通路が予め定められた深さに
埋設される。
【0011】
【実施例】イオン交換によってガラス基体の表面に光導
波路通路を形成し、そしてその後でその通路を埋設する
ための方法と装置の例が米国特許第3836348号、
第4765702号、第4842629号、第4913
717号、および第4933262号に見出され得る。
またR.V. Ramaswamy et al. "Ion-Exchanged GlassWave
guides: A Review", Journal of Lightwave Technolog
y, Vol.6, No.6, June 1988, pp.984-1002; H.J. Lilie
nhof et al. "Index Profiles of MultimodeOptical St
rip Waveguides by Field Enhanced Ion Exchange in G
lasses", Optics Communications, Vol..35, No.1, Oct
ober, 1980, pp.49-53; およびA. Miliou et al. "Fibe
r-Compatible K+-Na+ Ion-Exchanged Channel Waveguid
es: Fabrication and Characterization", IEEE Journa
l of Quantum Electronics, Vol.25, No.8, August, 19
89, pp 1889-1897を参照されたい。
【0012】第1のイオン交換は上述のようにしてかつ
下記の実施例で詳述するようにして行うことができる。
Cs、Ag、Ru、あるいはTl等のイオンが第1のイオン交換
で使用できるが、説明を簡単にするためにタリウムイオ
ンについて述べる。第1のイオン交換処理によって1つ
以上の導波路通路が基体表面17に形成された後で、マ
スクが除去され、そして第2の表面に電極が適用され
る。
【0013】図1に示されている第2のイオン交換装置
では、炉12内の一定温度に保持された容器11に溶融
塩浴10が入れられている。浴10は拡散イオンの供給
源としての適当な塩よりなる。拡散速度を制御するため
に拡散温度が調節される。所定のイオンのための塩の選
択に影響する特性は融点と解離温度である。ある場合に
は、2種の塩の混合物を用いることによって溶融温度を
低下することができる。基体13は通常交換処理に適し
たイオンと所望の屈折率を与えるのに適した成分を含ん
だホウケイ酸塩ガラスである。基体13は、第の基体表
面17が浴10と接触するようにして真空ホルダ−16
のような種々のホルダ−によって位置決めすることがで
きる。矢印Vはホルダ−16に対する真空の適用を示し
ている。第2の基体表面18には負の電極が設けられ
る。第2の塩浴が通常用いられているが、金またはアル
ミ等の金属電極19を用いることによってより簡潔な装
置となる。電源23の負端子は直接電極19に接続され
てもよく、あるいは金属真空ホルダ−16に接続されて
もよい。正電源端子は溶融塩に浸漬されたプラチナワイ
ヤ20に接続されている。通常、ガラスチュ−ブ(図示
せず)がワイヤ20を包囲しており、その電極で発生さ
れる泡を捕える。撹拌器26がヒ−タ−25に隣接した
壁から浴の残部までの浴の部分を循環させて、浴全体に
比較的均一な温度を維持する。基体13は炉に入る前に
炉12に隣接したチャンバ(図示せず)内で予備加熱さ
れることが好ましい。
【0014】本発明によれば、Tlイオンを最少の熱拡散
を伴いかつ比較的短時間で表面導波路を埋め込むために
基体に500V/mmより強い電界が印加される。このような
高い電圧に耐えることができるようにするために、イオ
ン交換装置には下記の種々の要素が組込まれている。
【0015】好ましい電極と真空ホルダ−が図2および
図4に示されており、図1のもとと類似した要素は同一
符号にダッシを付けて示されている。基体ホルダ−37
は支持ア−ム38と、底部分39よりなっている。穴4
0および43を有するマニホルド系統は底面42の周辺
のまわりに延長した環状溝41を脱気させる。このよう
にして基体13’が底面42と非常に良好な電気的およ
び熱的接触状態で電極19’と一緒にホルダ−37に固
着される。表面42は基体と同じ全体的形状有してお
り、図面には正方形として示されている。丸い表面はホ
ルダ−の底面で電極19’を実質的に覆うために丸いホ
ルダ−を用いるであろう。基体ホルダ−37は基体1
3’の表面17’を溶融塩10’の表面に維持し、かつ
電極19’に負の電源電圧を印加する。
【0016】電極19’炭素あるいはタングステン、ク
ロム、モリブデン、チタン等のような耐熱性金属で形成
された多孔質の導電性層であることが好ましい。導電性
材料は揮発性の溶剤とポリマ−バインダ−を含んだスプ
レイから粒子形式で沈積され得る。電極19’の沈積を
基体表面の所望の領域に限定するためにマスク29(図
3)を用いることができる。溶剤を蒸発させるために、
沈積された層を加熱して、それ自体で多孔質のあるいは
バインダ−を分解させるのに十分なだけ高い温度に加熱
された場合に多孔質となる層を形成することができる。
多孔質電極は電極を破壊することなしにガラス基体から
ナトリウム、カリウム等のイオンが出ることができるよ
うにする。
【0017】電極19’は容易に沈積されかつNaおよび
Kに対して化学的に耐性を有する非付着性材料である多
孔質炭素で形成されることが好ましい。炭素は高温に耐
えることができできる。
【0018】接着剤の狭いビ−ド34が周辺部分30に
適用される。電気的に絶縁性の材料よりなるリング35
が接着剤34に圧着され、それによってそのリングが基
体に付着される。この接着剤は第2のイオン交換工程の
高温に耐えることができなければならない。リング35
は熱膨張の不整合によって問題が生ずる可能性を除去す
るために基体13’と同じ材料で形成され得る。しか
し、リング35は基体13’のそれとは若干異なる熱膨
張係数を有する他の材料で形成されてもよい。
【0019】上述のようにして基体13’が作成された
後で、溝41が脱気され、そして基体がホルダ−37に
取り付けられる。基体は前述のようにそれの第1の表面
にタリウムをド−プした光導波路通路をイオン交換処理
によって前もって形成されている。基体は予備加熱され
そして炉に挿入され、そこでそれの底面17’を下降さ
れて溶融塩浴10’に接触される。その塩浴は比較的低
い温度、すなわち基体ガラスの遷移温度より大幅に低い
温度に維持されて、Tlイオンが十分に低い熱拡散定数を
有するようになされる。最高塩浴温度は基体ガラスの組
成に依存するが、ガラスの遷移温度より少なくとも30℃
だけ低くなければならない。Tlイオンの熱拡散定数は5
×10-12cm2/sec.より小さくなければならない。この低
い温度において相当に短い時間内に光導波路通路を埋め
込むためには、500V/mmより強い電界を用いる。これに
よってTlイオンが基体中に深く追込まれるが、これらの
イオンの熱拡散は光通路が大きく広がらないように、す
なわち埋め込まれた通路の断面寸法が最初に形成された
通路の断面寸法の約2倍より大きくないようにするのに
十分小さい。
【0020】カリウムイオンおよび/またはナトリウム
イオンは多孔質電極19’に達するので、それらは還元
されてそれらの金属形式となる。それらは炭素粒子間の
格子を占有し、従って炭素電極を破壊しない。環状リン
グ41の境界内における多孔質電極19’の領域が脱気
される。空気はその脱気された領域を占有することがで
きないから、その領域を占有しているNaとKは絶縁層を
形成するために再度酸化されることはできない。と言う
よりむしろ、NaとKは金属形式のままであり、それによ
って導電性でかつ熱伝導性の層が形成される。この結
果、基体に均一な電界が印加され、光導波路通路を埋設
する方法が改良される。
【0021】強い電界でリング35が存在しない場合に
は、塩が毛細管現象で側面14’および15’を上方に
移動する傾向があり、その結果生じた被覆が電極19’
と浴10’との間に短絡を生じさせる。このような強い
電界は電極19’と塩浴10’との間に直接短絡を生じ
されることもありうる。リング35は電極19’と塩浴
10’との間の距離を増大させ、これら2つの導電性要
素間における両形式の放電を防止する。
【0022】上述のように、強い電界による基体のジュ
−ル効果加熱によって処理の不安定性が惹起されうる。
このような不安定性を防止するために、電源によって供
給される電流を調整することによって電界が制御され
る。基体の両側において電極に電圧Viが印加されると、
基体温度が上昇しはじめ、それによって基体中を流れる
電流を増大させる。予め定められた最大電流Imに達した
時間t1で(図5参照)、電源が電極19’および20’
を含む回路に一定の電流を供給しはじめる。時間t0とt1
の間では、電圧はViのままである。t1において、電圧が
時間teまで低下しはじめ、その後では、電圧は平衡した
電圧Veで実質的に一定のままである。時間t0とt1の差は
Viを高くすることによって小さくなされ得る。一定電流
Wお維持することにより、処理の制御が大幅に容易にな
される。交換されたイオンの数は、光通路が埋め込まれ
た深さを表わす。従って電流と時間の両方を制御するこ
とによって交換されるイオンの、従って導波路通路の埋
め込み深さを精密に制御することになる。
【0023】第2のイオン交換処理が終了した後で、基
体は、それの温度が安全に室温になされ得るのに十分な
だけ低くなるまで、制御された速度で冷却される。基体
上には従来のようにサイド・バイ・サイドおよび/また
はエンド・ツ−・エンドの状態で複数の光装置が形成さ
れるので、基体はそれぞれ所望の個数の装置を含んだ複
数のセクションに切断される。米国特許第494313
0号に教示されているような技法によって光ファイバ・
ピグテ−ルが光導波路通路の端部に整列されて固着され
る。
【0024】第2のイオン交換時では、、基体によって
発生される熱の量は印加される電界、基体の固有抵抗
(基体の温度に依存する)、および基体表面の面積に依
存する。例えば、印加電界が約700V/mmでは、60mmの直
径を有する厚さ3mmの円形ガラス基体が塩浴の310℃の温
度より約20℃高い差温度を得るであろう。同じ印加電界
および基体厚みの場合には、75mmの基体は塩浴の310℃
の温度より約26℃高い差温度を受けるであろう。処理時
間をさらに短縮するために電界がさらに強くされると、
差温度はそれに対応して上昇するであろう。
【0025】直径60mmの円形基体が700V/mmの電界で加
熱される20℃の差温度は実質的な処理問題を生じさせる
のには不十分である。このような基体上の導波路通路は
高いパ−センテ−ジで許容し得る品質を有するであろ
う。しかし、下記に例で示されるように、基体と浴との
間の過剰な温度差、すなわち少なくとも25℃の温度差は
処理の安定性に、従って製品の均一性に影響を及ぼす。
【0026】75mmの側部を有し厚さ3mmの正方形ガラス
基体の第1の表面に沿ってタリウムをド−プした光導波
路通路を形成するために第1のイオン交換処理が用いら
れた。基体はナトリウムおよびカリウムイオンを含んだ
アルミノ・ホウケイ酸塩ガラスで形成された。それの屈
折率は1.463であった。基体の第1の平面状表面上にシ
リコンマスク50を形成するためにホトリソグラフ技法
が用いられた。マスクされた基体の小さい中心部分が図
6に示されている。マスクは65箇の平衡なY字状の開
通路51を有しており、それらの開通路はそれぞれ幅が
3μmであった。基体は窒化タリウム塩浴を含んだ炉内に
挿入された。炉雰囲気の温度は最初は200℃であった
が、340℃まで上昇された。次に基体のマスクされた
表面が下降されて340℃の窒化タリウム塩浴と1時間接
触された。65箇のY字状のタリウムをド−プした光導
波路通路がマスク開口に隣接した第1の基体表面に熱拡
散によって形成された。基体が浴から炉雰囲気に取り出
され、そこで200℃まで冷却された。次にそれが炉から
取り出されて室温まで冷却された。そしてマスクが除去
された。マスク50を適用しそしてそれを除去する適当
な方法が1991年9月27日に提出されたフランス特許出願
第91 11923号に教示されている。
【0027】マスク29(図3参照)が第2の基体表面
18’の周辺部分30を覆うようにして基体13’上に
配置された。基体の露呈した表面には市販の容器から炭
素粒子被覆がスプレ−された。このスプレ−はポリマ−
・バインダ−および溶剤中にラメラ−グラファイト(lam
ellar graphite)を含んでいた。炭素被覆の厚みは約12
〜25μmの範囲内であった。マスク29が除去され、そ
して基体が炭素被覆から溶剤を蒸発させるために約100
℃まで加熱された。基体が冷却され、そしてゼネラル・
エレクトリック社製RTV106シリコ−ンの細いビ−
ドが側面18’の周辺に適用された。正方形状で高さが
15mmのリング15がシリコ−ン・ビ−ドに圧着され、そ
して接着剤が室温で少なくとも10時間重合させられ
た。リング35の組成は基体13’のそれと同一であっ
た。基体が図2に示されているようにホルダ−37に固
着された。
【0028】最初に形成された光導波路通路が埋め込ま
れる第2のイオン交換処理は、窒化カリウム80%および
窒化ナトリウム20%よりなる溶融塩浴混合物を含んだ第
2のイオン交換炉で行なわれた。炉雰囲気と浴の両方が
310℃に維持された。
【0029】基体が第2のイオン交換炉に隣接した加熱
/冷却チャンバ−に最初に挿入された。基体の温度を31
0℃まで上昇させるために、チャンバ−温度が上昇され
た。基体が第2のイオン交換炉に挿入され、そこで下降
されて310℃の溶融塩浴混合物に接触された。電極1
9’と浴10’との間に3000Vの電位が印加された。2
分(t1)後に、基体を流れる電流が11maの予め定められ
た最大電流Imまで増大され、その後で電圧が電流を11ma
の電流値に維持するために徐々に下降(図5)しはじめ
た。t0から30分後に、電圧は2100Vまで下降し、工程
の終りまで、すなわちt0から9時間のあいだ、その値に
維持された。従って基体内の電界は時間teとtfの間では
700V/mmであった。浴は基体の一側に配置された図1の
攪拌器と同様の攪拌器を有していた。この攪拌器は、浴
を全体にわたって310℃の温度で均質化させるのに十分
な適度の速度で通常作動あれる。しかし、この実施例で
は、攪拌器は高いrpmで回転され、それによって浴が激
しく攪拌された。
【0030】電圧と電流が平衡値に達した後(t0から3
0分)、平均基体温度は336℃であることがわかった。
基体温度は試料をそれの表面を溶融浴に接触させて炉に
挿入することによって推測することができる。試料温度
が浴温度で平衡状態に達した後、電圧が印加され、電流
が測定され、そして固有抵抗Rが計算された。電圧が遮
断され、浴温度が変化され、再度電圧が印加され、そし
て再度電流が測定された。この手法がlog10R v・1/Tの
グラフをプロットするのに十分な回数だけ関心のある温
度領域内で繰返された。第2のイオン交換処理時には、
電圧と電流から固有抵抗を得てそして先に得られたlog
10R v・1/Tのグラフから温度を得ることによって基体温
度を推測することができる。
【0031】導波路通路埋め込み処理の終了後、基体が
第2のイオン交換用炉から、温度が130℃の加熱/冷却チ
ャンバ−に移された。基体の温度が200℃まで低下され
た後で、基体がそのチャンバ−から取り出された。
【0032】第2のイオン交換処理によってTlイオンが
基体内に深く入れ込まれる。しかし、基体と浴との間の
平均26℃の温度差のために、基体13’内に温度勾配が
存在した。端部14’は撹拌器に近いので、その端部を
通って迅速に流れる浴によって冷却された。端部15’
は、撹拌器からそれより離れており、そこを通る浴の流
れはそれほど速くないから、その流れでは端部14’が
冷却された程度に端部15’を冷却することはできなか
った。従って、端部14’の温度は端部15’より浴の
温度に近かった。光導波路通路は基体に沿って端部1
4’から端部15’まで延長した。5μmの長さの部分が
導波路通路を現すために端部14’および15’から切
断された。各導波路通路の深さは一端部に光を入射させ
そして導波路の出力部に顕微鏡対物レンズの焦点を合せ
ることによって測定された。基体表面と導波路の映像が
ビデオカメラで撮られ、そしてその導波路の深さが較正
された後で陰極線管上で測定された。図7は各端部にお
ける導波路通路の深さを示している。白丸は端部14’
における選択された通路の深さを表わしており、黒丸は
端部15’における選択された通路の深さを表わしてい
る。基体の温度の低い方の端部に配置された通路は11μ
mと12μmの間の深さに埋め込まれた。基体の温度の高い
方の端部における通路は約26μm〜37μmの深さに埋め込
まれた。端部’における埋め込み深さが均一であること
は、浴と基体との間の温度差が約15℃より大きくないよ
うに基体を冷却するのに十分なだけ大きい流量で溶融浴
を基体表面に沿って流すことによって、通路に沿った方
向と通路間との両方において埋め込み深さの実質的な均
一性が得られることを示唆している。
【0033】溶融浴を迅速に循環させる技法が図8〜1
1に示されている。図8のポンプPは基体13’の一側
において溶融浴材料を放出し、そして基体の反対側から
溶融浴材料を回収する。矢印56は基体の下面に沿った
溶融塩の流れを示している。ファンブレ−ド57のよう
な手段が炉雰囲気(矢印58)を基体13’の上面に循
環させ、基体の冷却を助長することができる。
【0034】基体の下方に配置された図9の撹拌ブレ−
ド60は矢印61で示されているように溶融浴を基体に
送りあるいは基体から溶融浴を回収する。図10は複数
の撹拌ブレ−ド64および65が基体へのまたは基体か
らの浴材料の流れを生じさせることができる。複数のブ
レ−ドが用いられる場合には、そのうちの1つまたはそ
れ以上のものが基体の一部分に向けて溶融浴材料を送る
ことができ、また1つまたはそれ以上のものが基体の他
の部分から離れる方向に溶融浴材料を送ることができ
る。図11は図10に類似しているが、撹拌ブレ−ドの
軸が炉の頂部から浴10’内に延長し得ることを示して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】基体内に光導波路通路を埋設するための従来の
塩浴装置を示す概略図である。
【図2】基体に対する真空ホルダ−の断面図である。
【図3】基体に炭素粒子の被覆を添着させた状態を示す
断面図である。
【図4】図2の真空ホルダ−の下面図である。
【図5】第2のイオン交換処理時に基体に印加される電
圧とその結果基体に流れる電流を示すグラフである。
【図6】第1のイオン交換処理のためにマスクされた基
体の表面の平面図である。
【図7】基体の不均一な加熱の結果として導波路通路が
埋設され得る異なる深さを示すグラフである。
【図8】第2のイオン交換工程時に基体を冷却するため
の技術を概略的に示している。
【図9】第2のイオン交換工程時に基体を冷却するため
の他の技術を概略的に示している。
【図10】第2のイオン交換工程時に基体を冷却するた
めの他の技術を概略的に示している。
【図11】第2のイオン交換工程時に基体を冷却するた
めの他の技術を概略的に示している。
【符号の説明】
10’ 溶融塩浴 13’ 基体 14’ 端部 15’ 端部 19’ 電極 35 リング 37 ホルダ−

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の対向した表面を有する
    ガラス基体の表面下に光導波路通路を形成する方法にお
    いて、 前記基体の前記第1の表面上にイオン交換によって光導
    波路通路を形成し、 前記第2の表面に電極を適用し、 前記第1の表面を溶融塩浴に接触させ、 前記基体に500V/mmより強い電界を印加して前記基体内
    に第1のイオンをより深く入れ込むことよりなる光導波
    路通路の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記電界が少なくとも700V/mmであり、
    前記基体のジュ−ル効果加熱が基体温度を前記浴の温度
    より約25℃以上だけ高い温度まで上昇させる傾向を有す
    るようにし、前記方法が前記基体を前記浴の温度より15
    ℃以下だけ高い温度まで冷却させる工程を含んでいる請
    求項1の光導波路通路の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記基体を冷却させる工程は、前記基体
    の温度を前記浴の温度より15℃以下だけ高い温度まで低
    下させるのに十分な流量で前記溶融塩を前記基体の前記
    第1の表面に沿って流すことよりなる請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 前記流す工程が前記基体の第1の端部か
    ら溶融塩をポンプで送りかつ前記基体の前記第1の端部
    と対向した端部に溶融塩を送ることよりなる請求項3の
    方法。
  5. 【請求項5】 前記流す工程は前記基体に隣接した前記
    浴内の流れ誘起手段を作動させて前記基体の表面上に溶
    融塩の迅速な流れ生じさせることよりなる請求項3の方
    法。
  6. 【請求項6】 前記塩浴が炉内に配置され、それの炉雰
    囲気が前記浴の上方に配置されており、前記基体を冷却
    させる工程が前記基体の表面上に前記炉雰囲気を迅速に
    流すことをさらに含んでいる請求項3の方法。
  7. 【請求項7】 前記基体に電圧を印加する工程が前記基
    体のジュ−ル効果加熱を生じさせ、それによって前記基
    体を流れる電流が増大し、前記方法は前記電流を予め定
    められたレベルImまで増大させ、そして前記電流をれべ
    るImに維持するのに必要な割合で前記印加電圧を低下さ
    せることによって電流の流れを前記予め定められたレベ
    ルImに維持することをさらに含む請求項1〜6のうちの
    1つにようる方法。
  8. 【請求項8】 前記電界を印加する工程が予め定められ
    た時間のあいだ継続される請求項7の方法。
  9. 【請求項9】 前記電界は、前記基体のジュ−ル効果加
    熱が前記浴の温度のり25℃以上だけ高い温度まで基体温
    度を上昇させるようにするのに十分なだけ強く、前記方
    法は前記基体を前記浴の温度より15℃以下だけ高い温度
    まで冷却させる工程を含む請求項1の方法。
  10. 【請求項10】 前記基体を冷却する工程は前記基体の
    温度を前記浴の温度より15℃以下だけ高い温度に低下さ
    せるのに十分な流量で前記基体の前記第1の表面に沿っ
    て前記溶融塩を流すことよりなる請求項9の方法。
  11. 【請求項11】 第1および第2の対向した表面を有す
    るガラス基体の表面下に光導波路通路を形成する方法に
    おいて、 前記基体の前記第1の表面上にイオン交換によって光導
    波路通路を形成し、 前記第2の表面に電極を適用し、 前記第1の表面を溶融塩浴に接触させ、 前記基体のジュ−ル効果加熱が前記基体の温度を前記浴
    の温度より25℃以上だけ高い温度に上昇させるようにす
    るのに十分なだけ強い電界を前記基体に印加して前記基
    体内に第1のイオンをより深く入り込ませるようにし、 前記基体を前記浴の温度より15℃以下だけ高い温度まで
    冷却させることよりなる光導波路通路の形成方法。
  12. 【請求項12】 前記基体を冷却させる工程は前記基体
    の温度を前記浴の温度より15℃以下だけ高い温度に低下
    させるのに十分な流量で前記基体の第1の表面に沿って
    前記溶融塩を流すことよりなる請求項11の方法。
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