JPH0529639U - ねじ締め機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】水平方向の締め付け時において、チャック爪に
挟持されているねじ部品のぐらつきをなくし、締め付け
ミスを極めて少なくしたねじ締め機を提供する。 【構成】ねじ締め機におけるチャックユニットのチャッ
ク本体にはシリンダ取付板が配置されており、このシリ
ンダ取付板にエアシリンダを取り付け、エアシリンダの
ロッド先端にピン押圧板が固定されている。また、ねじ
部品を保持する一対のチャック爪の側部にはピン押圧板
の移動路に位置してそれぞれピンが設けられ、前記チャ
ック爪のねじ部品保持穴の最小間隔はねじ部品のねじ部
の直径よりやや小さく形成されている。 【効果】ねじ部品はチャック爪に挾持されるため傾か
ず、ビットと無理なく嵌り合い締め付けミスを極めて少
なくする効果を有する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ねじあるいはボルトなどのねじ部品を、ビットが挿通する一対のチ ャック爪を有するチャックユニットに１個づつ供給し、これをワークに締め付け るねじ締め機において、チャックユニットに供給されたねじ部品をビットの移動 路上に確実に把持し、ねじ部品の駆動部にビットが正確に嵌合するように構成し たねじ締め機に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ねじ締め機はモータの回転力を受けて回転するビットとこのビットが 挿通自在な一対のチャック爪を持つチャックユニットとを有しており、ねじ部品 供給装置から供給されるねじ部品をチャック爪に保持し、このねじ部品の駆動部 にビットの先端を嵌合させてねじ部品をワークに締め付けるように構成されてい る。このチャック爪により形成されるねじ部品保持穴は、水平断面が円形となる ように構成され、その直径はチャック爪に供給されるねじ部品のねじ部の直径よ りやや大きく形成されている。そのため、チャック爪に供給されたねじ部品のね じ部とねじ部品保持穴内面との間にすき間が生じ、ねじ部品はチャック爪のねじ 部品保持穴で遊嵌状態になっている。この状態で水平方向の締め付けを行う場合 、ねじ部品はそのすき間内で傾いたり、このねじ部品の軸線とビットの軸線とが 一致しないことがある。そのため、ビット先端がねじ部品駆動部と無理に嵌合す るので、締め付けミスが起こり易い。また、ねじ部品が斜め状態あるいは、ねじ 部品の軸線とビットの軸線とが一致しない状態で前記ビットがねじ部品の駆動部 に当接するため、ビットがねじ部品の駆動部を傷つけたり、そのねじ部品がワー クを損傷させる等の欠点が生じている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

解決しようとする問題点は、ねじ締め機のチャックユニットにねじ部品が供給 されたとき、チャック爪のねじ部品保持穴にねじ部品がしっかり保持されずぐら つき、ねじ部品の駆動部にビットが正確に嵌合しない点である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

ねじ締め機のねじ締め作業をする先端部には、ビット案内穴とこれに合流する ねじ部品供給穴とを有するチャック本体が設けられている。このチャック本体に は、常時閉じる方向へ弾力付勢された一対のチャック爪が配置されている。前記 チャック爪の底部にはピンが後記するピン押圧板の移動路上に位置して取り付け られている。前記チャック本体にはエアシリンダが付設され、そのロッドの先端 にはピン押圧板が固定されており、このピン押圧板はエアシリンダの作動により 前記ピンと接触するように構成されている。また、前記チャック爪のねじ部品保 持穴の最小間隔は、ねじ部品のねじ部の直径よりやや小さくなるように形成され ている。

【０００５】

【作用】

上記ねじ締め機では、ねじ部品保持穴へねじ部品が供給されるとエアシリンダ が作動し、そのロッドとともにピン押圧板がチャック爪に沿って移動する。その ため、ピン押圧板とピンとが接触し、ピンがチャック爪とともに閉じる方向に付 勢される。このことにより、ねじ部品のねじ部はチャック爪に確実に挾持される ので、ねじ部品の軸線とビットの軸線とが一致し、ビットがねじ部品の駆動部と 確実に嵌合することができる。

【０００６】

【実施例】

本考案を図面に基づき説明する。図１において、１はねじ締め機の先端部であ るチャックユニットであリ、チャック台２に固定されている。このチャックユニ ット１は、ビット案内穴３とこれに合流するねじ部品供給穴４とを有するチャッ ク本体５と、ビット案内穴３の前方で常時閉じる方向に弾力付勢された一対のチ ャック爪６とを有している。前記チャック本体５のビット案内穴３には、モータ （図示せず）の回転力が伝達されて回転自在でかつ昇降手段（図示せず）により 昇降自在に構成されたビット７が配置されている。前記ビット７には、その中心 に位置してかつ全長にわたって延びる吸引孔１５が設けられており、ビット７の 先端の駆動穴にねじ部品の駆動部を吸引してねじ部品を保持するように構成され ている。また、前記チャック本体５にはねじ部品供給穴４と連通するようにホー ス取付管８が連結されており、ねじ部品供給装置（図示せず）とホース接続され ている。

【０００７】 前記チャック爪６の底部にはピン１４が後記するピン押圧板１３の移動路上に 位置して取り付けられており、ピン押圧板１３の前進にともなってピン１４が内 方へ押されるように構成されている。また、前記チャック爪６は対向するチャッ ク爪６とともにねじ部品保持穴９を形成しており、このねじ部品保持穴９は、対 向する２つの部分円弧面で形成されている。また、前記ねじ部品保持穴９の最小 間隔は、チャック爪６に供給されるねじ部品のねじ部の直径よりやや小さくなる ように構成されている。

【０００８】 チャック本体５の底面にはシリンダ取付板１１が固定されており、このシリン ダ取付板１１にはエアシリンダ１２が固定されている。このエアシリンダ１２の ロッド先端にはピン押圧板１３が固定されており、前記エアシリンダ１２の作動 により前記ピン押圧板１３がチャック爪６に沿って前進後退するように構成され ている。前記ピン押圧板１３の先端は凹形状をなし、しかもピン１４と当接する 位置に傾斜面を持つ案内部を有し、ピン押圧板１３の前進にともなってこの案内 部が前記ピン１４に当接してこのピン１４を内方へ付勢するように構成されてい る。また、前記エアシリンダ１２のエア制御回路はビット７とねじ部品の駆動部 との嵌合を検出するセンサ（図示せず）の検出信号によりエアの供給方向を切換 えてチャック爪６を開放可能に構成している。

【０００９】 上記ねじ締め機では、チャックユニット１内にねじ部品が供給されるとエアシ リンダ１２が作動し、そのロッドが前進するのにともなってピン押圧板１３も前 進し、ピン１４とピン押圧板１３とが接触する。そのため、ピン１４がチャック 爪６を閉じる方向に押圧され、ねじ部品をチャック爪６で挾持し、ビット７の前 進時には、ビット７の先端がねじ部品の駆動部に確実に嵌合することができる。 前記ビット７がねじ部品の駆動部に嵌り合うと、エアシリンダ１２のエアの供給 方向が切換えられ、エアシリンダ１２のロッドが後退するとともにピン押圧板１ ３はピン１４から離れる。この状態で、前記ビット７がさらに前進すると、ねじ 部品がチャック爪６を押し開くことができるので、所定の締め付け作業を行うこ とができる。

【００１０】 上述したように、ねじ部品がチャック爪６に挾持されるため、ねじ部品の軸線 とビット７の軸線とが一致し、締め付け方向が水平方向であっても、ビット７の 先端がねじ部品の駆動部に無理なく嵌り合う。また、ねじ部品がビット７に吸引 された状態でワークに近接できるので、締め付け箇所が狭い場合であってもねじ 部品をワークに確実に締め付けることができる。

【００１１】 なお、実施例ではねじ部品を六角ボルトとしているが、六角ボルト以外のねじ 部品であってもよく、ビット７先端形状を供給されるねじ部品の駆動部と嵌り合 う形状にすれば、同様の効果が得られる。

【００１２】 また、この実施例ではエアシリンダ１２先端に固定されるピン押圧板１３を図 ５に示すように突起物押圧板１３ａに代えてもよく、突起物押圧板１３ａとした 場合は、突起物押圧板１３ａの移動路上でかつ当接する位置にピン１４を傾斜面 を有する突起物１４ａに代えてチャック爪６に固定すればよい。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案はねじ部品を保持する一対のチャック爪の底部に それぞれピンを設けるとともに、このピンに当接するピン押圧板を固定したロッ ドを有するエアシリンダをチャック本体に配置し、そのエアシリンダの作動にと もなってピン押圧板がピンを内方向に押圧するように構成し、さらにチャック爪 のねじ部品保持穴の最小間隔をねじ部品のねじ部の直径よりやや小さく形成して いる。そのため、ねじ部品のねじ部はチャック爪に挾持され、ねじ部品の軸線と ビットの軸線とが常に一致するので、ねじ部品を水平方向に締め付ける場合であ ってもねじ部品は傾かず、ねじ部品の駆動部にビットが無理なく嵌り合い、締め 付けミスを極めて少なくすることができる。また、前記ビットがねじ部品の駆動 部を傷つけたり、そのねじ部品がワークを損傷させる等の欠点を克服することが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の要部断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿った要部断面図である。

【図３】本考案の動作状態を示す要部断面図である。

【図４】図２のＢ−Ｂ線に沿った要部断面図である。

【図５】本考案の他の実施例を示す要部底面図である。

【符号の説明】

１ チャックユニット ２ チャック台 ３ ビット案内穴 ４ ねじ部品供給穴 ５ チャック本体 ６ チャック爪 ７ ビット ８ ホース取付管 ９ ねじ部品保持穴 １０ ばね １１ シリンダ取付板 １２ エアシリンダ １３ ピン押圧板 １３ａ 突起物押圧板 １４ ピン １４ａ 突起物 １５ 吸引孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ビット案内穴３とこれに合流するねじ部品
   供給穴４とを有するチャック本体５に、先端を常時閉じ
   る方向へ弾力付勢された一対のチャック爪６を配置し、
   このチャック爪６のねじ部品保持穴９に保持されたねじ
   部品をビット７により締結するねじ締め機において、 チャック本体５にエアシリンダ１２を付設し、このエア
   シリンダ１２のロッド先端にピン押圧板１３を固定する
   一方、チャック爪６の底部にピン押圧板１３の移動路上
   に位置してピン１４を取り付け、さらにチャック爪６の
   ねじ部品保持穴９をねじ部品のねじ部の直径よりやや小
   さくしたことを特徴とするねじ締め機。
2. 【請求項２】ビット７にその全長にわたって延びる吸引
   孔１５を貫設したことを特徴とする請求項１に記載のね
   じ締め機。