JPH05294942A - 3(2h)−ピリダジノン誘導体の製造方法 - Google Patents
3(2h)−ピリダジノン誘導体の製造方法Info
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- JPH05294942A JPH05294942A JP12570792A JP12570792A JPH05294942A JP H05294942 A JPH05294942 A JP H05294942A JP 12570792 A JP12570792 A JP 12570792A JP 12570792 A JP12570792 A JP 12570792A JP H05294942 A JPH05294942 A JP H05294942A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡便な操作により、高純度の2−置換−4,
5−ジハロ−3(2H)−ピリダジノンを高い収率で得
る。 【構成】 一般式RNHNH2 (式中、Rは炭素数1〜
8のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はア
ラルキル基を示す)で表される置換ヒドラジンの塩酸
塩、ムコクロル酸等のジハロホルミルアクリル酸及びト
ルエン等の非水溶性有機溶媒を含む混合液に、水酸化ナ
トリウム水溶液等のアルカリ水溶液を逐次添加して反応
させる。塩の遊離化反応、脱水によるヒドラゾン生成反
応及び脱水閉環反応が、連続的且つ円滑に進行するた
め、これらの反応を一工程で行うことができる。2−t
−ブチル−4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノ
ン等の製造に好適に用いられる。
5−ジハロ−3(2H)−ピリダジノンを高い収率で得
る。 【構成】 一般式RNHNH2 (式中、Rは炭素数1〜
8のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はア
ラルキル基を示す)で表される置換ヒドラジンの塩酸
塩、ムコクロル酸等のジハロホルミルアクリル酸及びト
ルエン等の非水溶性有機溶媒を含む混合液に、水酸化ナ
トリウム水溶液等のアルカリ水溶液を逐次添加して反応
させる。塩の遊離化反応、脱水によるヒドラゾン生成反
応及び脱水閉環反応が、連続的且つ円滑に進行するた
め、これらの反応を一工程で行うことができる。2−t
−ブチル−4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノ
ン等の製造に好適に用いられる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、殺虫剤、殺ダニ剤及び
殺菌剤の合成中間体として有用な2−t−ブチル−4,
5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノン等の2−置換
−4,5−ジハロ−3(2H)−ピリダジノンの製造方
法に関する。
殺菌剤の合成中間体として有用な2−t−ブチル−4,
5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノン等の2−置換
−4,5−ジハロ−3(2H)−ピリダジノンの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】2−
置換−4,5−ジハロ−3(2H)−ピリダジノンは、
置換ヒドラジン又はその塩とジハロホルミルアクリル酸
とを原料として製造することができる。
置換−4,5−ジハロ−3(2H)−ピリダジノンは、
置換ヒドラジン又はその塩とジハロホルミルアクリル酸
とを原料として製造することができる。
【0003】例えば、特開昭57−175173号公報
には、置換ヒドラジンとムコクロル酸とを、エタノール
中で反応させた後、溶媒を留去し、さらに酢酸及び無水
酢酸中で還流下に反応させて、2−置換−4,5−ジク
ロロ−3(2H)−ピリダジノンを製造する方法を開示
している。しかし、この方法は、操作が煩雑であるだけ
でなく、特にアルキルヒドラジンを原料とする場合に
は、目的化合物の純度及び収率が低いため、工業的に満
足し得る方法とはいえない。
には、置換ヒドラジンとムコクロル酸とを、エタノール
中で反応させた後、溶媒を留去し、さらに酢酸及び無水
酢酸中で還流下に反応させて、2−置換−4,5−ジク
ロロ−3(2H)−ピリダジノンを製造する方法を開示
している。しかし、この方法は、操作が煩雑であるだけ
でなく、特にアルキルヒドラジンを原料とする場合に
は、目的化合物の純度及び収率が低いため、工業的に満
足し得る方法とはいえない。
【0004】また、特開昭61−10560号公報に
は、t−ブチルヒドラジンの塩酸塩をアルカリによって
遊離化した後、テトラヒドロフラン中でムコクロル酸と
反応させ、生成したムコクロル酸t−ブチルヒドラゾン
を単離し、さらに、この単離したヒドラゾンを特定の有
機溶媒中で閉環させることにより、2−t−ブチル−
4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノンを製造す
る方法を開示している。しかし、この方法は、操作が煩
雑で工程数が多く、製造コストが高くなる。
は、t−ブチルヒドラジンの塩酸塩をアルカリによって
遊離化した後、テトラヒドロフラン中でムコクロル酸と
反応させ、生成したムコクロル酸t−ブチルヒドラゾン
を単離し、さらに、この単離したヒドラゾンを特定の有
機溶媒中で閉環させることにより、2−t−ブチル−
4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノンを製造す
る方法を開示している。しかし、この方法は、操作が煩
雑で工程数が多く、製造コストが高くなる。
【0005】従って、本発明の目的は、簡便な操作によ
り、高純度の2−置換−4,5−ジハロ−3(2H)−
ピリダジノンを高い収率で得る工業的な方法を提供する
ことにある。
り、高純度の2−置換−4,5−ジハロ−3(2H)−
ピリダジノンを高い収率で得る工業的な方法を提供する
ことにある。
【0006】
【発明の構成】本発明者らは、前記目的を達成するた
め、鋭意検討した結果、置換ヒドラジンとジハロホルミ
ルアクリル酸とを、水及び非水溶性有機溶媒の存在下で
反応させると、水層で対応するヒドラゾンが生成し、生
成した前記ヒドラゾンが有機層に移行して円滑に脱水閉
環反応が進行すること、そのため、簡便な操作により、
高い収率で、対応する3(2H)−ピリダジノン誘導体
が得られることを見出だし、本発明を完成した。
め、鋭意検討した結果、置換ヒドラジンとジハロホルミ
ルアクリル酸とを、水及び非水溶性有機溶媒の存在下で
反応させると、水層で対応するヒドラゾンが生成し、生
成した前記ヒドラゾンが有機層に移行して円滑に脱水閉
環反応が進行すること、そのため、簡便な操作により、
高い収率で、対応する3(2H)−ピリダジノン誘導体
が得られることを見出だし、本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、一般式[I] RNHNH2 [I] (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基又はアラルキル基を示す)で表される
置換ヒドラジンと、一般式[II]
ル基、アリール基又はアラルキル基を示す)で表される
置換ヒドラジンと、一般式[II]
【0008】
【化3】 (式中、X、Yは同一又は異なってもよく、ハロゲン原
子を示す)で表されるジハロホルミルアクリル酸とを、
水及び非水溶性有機溶媒の存在下で反応させることを特
徴とする一般式[III]
子を示す)で表されるジハロホルミルアクリル酸とを、
水及び非水溶性有機溶媒の存在下で反応させることを特
徴とする一般式[III]
【0009】
【化4】 (式中、R、X、Yは前記と同じ)で表される3(2
H)−ピリダジノン誘導体の製造方法を提供する。
H)−ピリダジノン誘導体の製造方法を提供する。
【0010】前記Rにおける炭素数1〜8のアルキル基
として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキ
シル、ヘプチル、ノニル基などの直鎖状又は分枝状のア
ルキル基が挙げられる。また、シクロアルキル基には、
炭素原子3〜7のシクロアルキル基、例えばシクロプロ
ピル、シルロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル基等が含まれる。
として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキ
シル、ヘプチル、ノニル基などの直鎖状又は分枝状のア
ルキル基が挙げられる。また、シクロアルキル基には、
炭素原子3〜7のシクロアルキル基、例えばシクロプロ
ピル、シルロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル基等が含まれる。
【0011】前記Rにおけるアリール基には、フェニル
及びナフチル基が含まれる。前記アリール基は、ハロゲ
ン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキ
シ基等の置換基で置換されていてもよい。置換されたア
リール基として、4−クロロフェニル、3,5−ジクロ
ロフェニル、4−ブロモフェニル、3−トリフルオロメ
チルフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フ
ェニル、4−メトキシフェニル基等が例示される。
及びナフチル基が含まれる。前記アリール基は、ハロゲ
ン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキ
シ基等の置換基で置換されていてもよい。置換されたア
リール基として、4−クロロフェニル、3,5−ジクロ
ロフェニル、4−ブロモフェニル、3−トリフルオロメ
チルフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フ
ェニル、4−メトキシフェニル基等が例示される。
【0012】前記Rにおけるアラルキル基には、ベンジ
ル基、2−フェニルエチル基等が含まれる。アラルキル
基は、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル
基、アルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。
置換されたアラルキル基として、4−クロロベンジル、
4−ブロモベンジル、4−トリフルオロメチルベンジル
基等が挙げられる。
ル基、2−フェニルエチル基等が含まれる。アラルキル
基は、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル
基、アルコキシ基等の置換基で置換されていてもよい。
置換されたアラルキル基として、4−クロロベンジル、
4−ブロモベンジル、4−トリフルオロメチルベンジル
基等が挙げられる。
【0013】前記置換ヒドラジンは、遊離のものを用い
てもよく、また、その塩として用いてもよい。特に、前
記Rが炭素数1〜8のアルキル、シクロアルキル又はア
ラルキル基である置換ヒドラジンの場合には、塩として
用いるのが好ましい。前記塩として、塩酸塩、硫酸塩、
硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、
p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;酢酸塩、
シュウ酸塩等の有機酸塩等が例示される。これらのう
ち、特に塩酸塩等の無機酸塩が繁用される。
てもよく、また、その塩として用いてもよい。特に、前
記Rが炭素数1〜8のアルキル、シクロアルキル又はア
ラルキル基である置換ヒドラジンの場合には、塩として
用いるのが好ましい。前記塩として、塩酸塩、硫酸塩、
硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩;メタンスルホン酸塩、
p−トルエンスルホン酸塩等のスルホン酸塩;酢酸塩、
シュウ酸塩等の有機酸塩等が例示される。これらのう
ち、特に塩酸塩等の無機酸塩が繁用される。
【0014】置換ヒドラジンの塩として用いる場合に
は、通常、塩の遊離化に必要な量の塩基を反応系に存在
させる。前記塩基として、有機塩基を用いることもでき
るが、好ましくは、無機塩基を用いる。無機塩基とし
て、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム
等のアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸マグネシウ
ム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸
水素ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩等が使用
できる。これらのうち、特にアルカリ金属の水酸化物が
好適に用いられる。
は、通常、塩の遊離化に必要な量の塩基を反応系に存在
させる。前記塩基として、有機塩基を用いることもでき
るが、好ましくは、無機塩基を用いる。無機塩基とし
て、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金
属の水酸化物;水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム
等のアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸マグネシウ
ム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸
水素ナトリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩等が使用
できる。これらのうち、特にアルカリ金属の水酸化物が
好適に用いられる。
【0015】前記X、Yにおけるハロゲン原子には、弗
素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。これらのうち、
特に塩素及び臭素原子が繁用される。
素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。これらのうち、
特に塩素及び臭素原子が繁用される。
【0016】前記ジハロホルミルアクリル酸の具体例と
して、ムコクロル酸、ムコブロム酸等が挙げられる。
して、ムコクロル酸、ムコブロム酸等が挙げられる。
【0017】ジハロホルミルアクリル酸の使用量は、前
記置換ヒドラジン1モルに対して、通常0.8〜1.2
モル、好ましくは0.9〜1.1モル、さらに好ましく
は0.95〜1.05モルである。
記置換ヒドラジン1モルに対して、通常0.8〜1.2
モル、好ましくは0.9〜1.1モル、さらに好ましく
は0.95〜1.05モルである。
【0018】本発明では、置換ヒドラジンとジハロホル
ミルアクリル酸との反応を、水及び非水溶性有機溶媒の
存在下で行うことを特徴とする。
ミルアクリル酸との反応を、水及び非水溶性有機溶媒の
存在下で行うことを特徴とする。
【0019】一般に、置換ヒドラジンとジハロホルミル
アクリル酸から2−置換−4,5−ジハロ−3(2H)
−ピリダジノンが生成する反応は、(1) 置換ヒドラジン
とジハロホルミルアクリル酸から脱水反応により対応す
るヒドラゾンが生成するステップと、(2) 前記ヒドラゾ
ンが脱水閉環して2−置換−4,5−ジハロ−3(2
H)−ピリダジノンが生成するステップの二段階からな
るものと考えられる。そして、前記の先行文献に記載の
発明では、(1) のステップをエタノールやテトラヒドロ
フラン等の極性有機溶媒中で行い、(2) のステップを無
水酢酸やベンゼン等の比較的極性の低い溶媒中で行って
いる。そのため、従来法によれば、(1) のステップ終了
後、溶媒の留去や晶析による中間体の単離操作等が必要
不可欠となる。
アクリル酸から2−置換−4,5−ジハロ−3(2H)
−ピリダジノンが生成する反応は、(1) 置換ヒドラジン
とジハロホルミルアクリル酸から脱水反応により対応す
るヒドラゾンが生成するステップと、(2) 前記ヒドラゾ
ンが脱水閉環して2−置換−4,5−ジハロ−3(2
H)−ピリダジノンが生成するステップの二段階からな
るものと考えられる。そして、前記の先行文献に記載の
発明では、(1) のステップをエタノールやテトラヒドロ
フラン等の極性有機溶媒中で行い、(2) のステップを無
水酢酸やベンゼン等の比較的極性の低い溶媒中で行って
いる。そのため、従来法によれば、(1) のステップ終了
後、溶媒の留去や晶析による中間体の単離操作等が必要
不可欠となる。
【0020】これに対し、本発明のように、水と非水溶
性有機溶媒の双方が存在する系においては、前記(1) 及
び(2) のステップが、いずれも円滑に進行し、目的化合
物である2−置換−4,5−ジハロ−3(2H)−ピリ
ダジノンが高収率で生成する。これは、(1) のステップ
が主として水層で進行し、生成した前記ヒドラゾンが速
やかに有機層に移行し、そこで有利に閉環脱水反応が起
こるためであると考えられる。従って、中間段階におい
て、溶媒の留去や晶析操作等を必要とせず、反応操作が
簡略化でき、工業的に極めて有利である。しかも、本発
明の方法によれば、無機塩や他の不純物が水層に移行す
るため、反応終了後、反応混合液を分液させ、有機層を
濃縮乾固するだけでも、純度の高い目的化合物が収率よ
く得られる。
性有機溶媒の双方が存在する系においては、前記(1) 及
び(2) のステップが、いずれも円滑に進行し、目的化合
物である2−置換−4,5−ジハロ−3(2H)−ピリ
ダジノンが高収率で生成する。これは、(1) のステップ
が主として水層で進行し、生成した前記ヒドラゾンが速
やかに有機層に移行し、そこで有利に閉環脱水反応が起
こるためであると考えられる。従って、中間段階におい
て、溶媒の留去や晶析操作等を必要とせず、反応操作が
簡略化でき、工業的に極めて有利である。しかも、本発
明の方法によれば、無機塩や他の不純物が水層に移行す
るため、反応終了後、反応混合液を分液させ、有機層を
濃縮乾固するだけでも、純度の高い目的化合物が収率よ
く得られる。
【0021】さらに、原料として、特に置換ヒドラジン
の塩を使用する場合には、前記した塩基による塩の遊離
化反応が水層で進行することから、塩の遊離化反応、ヒ
ドラゾンの生成反応及び脱水閉環反応の三つの反応が、
前記溶媒系において連続的且つ円滑に進行するため、こ
れらの反応を一工程で行うことができる。
の塩を使用する場合には、前記した塩基による塩の遊離
化反応が水層で進行することから、塩の遊離化反応、ヒ
ドラゾンの生成反応及び脱水閉環反応の三つの反応が、
前記溶媒系において連続的且つ円滑に進行するため、こ
れらの反応を一工程で行うことができる。
【0022】前記非水溶性有機溶媒としては、水と相溶
性のない溶媒であれば特に制限されず、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタ
ン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環族炭化
水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエ
ーテル等のエーテル;酢酸エチル等のエステル;メチル
エチルケトン等のケトン等が例示される。好ましい溶媒
には、炭化水素、特にトルエン等の芳香族炭化水素が含
まれる。
性のない溶媒であれば特に制限されず、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタ
ン等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環族炭化
水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素等
のハロゲン化炭化水素;ジエチルエーテル、ジブチルエ
ーテル等のエーテル;酢酸エチル等のエステル;メチル
エチルケトン等のケトン等が例示される。好ましい溶媒
には、炭化水素、特にトルエン等の芳香族炭化水素が含
まれる。
【0023】水と非水溶性有機溶媒の混合割合は、特に
限定されず、例えば、水/非水溶性有機溶媒(重量比)
=0.01〜99.99/99.99〜0.01の範囲
で適宜選択できる。好ましい混合割合は、二層を形成す
る割合であって、前記有機溶媒の種類によっても異なる
が、水/非水溶性有機溶媒(重量比)=5〜80/95
〜20、より好ましくは10〜65/90〜35、さら
に好ましくは20〜55/80〜45程度の範囲であ
る。
限定されず、例えば、水/非水溶性有機溶媒(重量比)
=0.01〜99.99/99.99〜0.01の範囲
で適宜選択できる。好ましい混合割合は、二層を形成す
る割合であって、前記有機溶媒の種類によっても異なる
が、水/非水溶性有機溶媒(重量比)=5〜80/95
〜20、より好ましくは10〜65/90〜35、さら
に好ましくは20〜55/80〜45程度の範囲であ
る。
【0024】水及び非水溶性有機溶媒の合計使用量は、
攪拌操作が円滑に行われる範囲で適宜選択できるが、置
換ヒドラジン100重量部に対して、通常50〜300
0重量部、好ましくは300〜2000重量部である。
攪拌操作が円滑に行われる範囲で適宜選択できるが、置
換ヒドラジン100重量部に対して、通常50〜300
0重量部、好ましくは300〜2000重量部である。
【0025】また、反応速度をより速くするため、反応
系に有機酸を添加してもよい。有機酸としては、例え
ば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、p−トルエ
ンスルホン酸等が挙げられる。これらの中でも、特に酢
酸等が好ましい。有機酸の添加量は、置換ヒドラジン1
00重量部に対して、0〜300重量部、好ましくは5
0〜200重量部程度である。
系に有機酸を添加してもよい。有機酸としては、例え
ば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、p−トルエ
ンスルホン酸等が挙げられる。これらの中でも、特に酢
酸等が好ましい。有機酸の添加量は、置換ヒドラジン1
00重量部に対して、0〜300重量部、好ましくは5
0〜200重量部程度である。
【0026】置換ヒドラジンとジハロホルミルアクリル
酸との反応は、バッチ式、セミバッチ式、連続式のいず
れの方式で行うこともでき、また、原料成分の添加順序
についても特に制限されない。
酸との反応は、バッチ式、セミバッチ式、連続式のいず
れの方式で行うこともでき、また、原料成分の添加順序
についても特に制限されない。
【0027】原料として、特に置換ヒドラジンの塩を用
いる場合には、置換ヒドラジンの塩、ジハロホルミルア
クリル酸及び非水溶性有機溶媒を含む混合液に、アルカ
リ水溶液を逐次添加して反応させる方式が好ましい。ア
ルカリ水溶液を逐次添加する方式では、アルカリ水溶液
の添加速度や水層のpHを制御することによって、反応
温度や反応速度を容易に制御することができ、また、副
反応も抑制できることから、簡易な製造設備で、収率よ
く目的化合物を製造することができる。アルカリ水溶液
の逐次添加は、連続的であってもよく、また間欠的であ
ってもよい。
いる場合には、置換ヒドラジンの塩、ジハロホルミルア
クリル酸及び非水溶性有機溶媒を含む混合液に、アルカ
リ水溶液を逐次添加して反応させる方式が好ましい。ア
ルカリ水溶液を逐次添加する方式では、アルカリ水溶液
の添加速度や水層のpHを制御することによって、反応
温度や反応速度を容易に制御することができ、また、副
反応も抑制できることから、簡易な製造設備で、収率よ
く目的化合物を製造することができる。アルカリ水溶液
の逐次添加は、連続的であってもよく、また間欠的であ
ってもよい。
【0028】アルカリ水溶液を用いる場合、反応系の水
の全量は、アルカリ水溶液として逐次添加することによ
り調整してもよく、また、その一部を予め前記置換ヒド
ラジンの塩、ジハロホルミルアクリル酸及び非水溶性有
機溶媒を含む混合液に添加しておき、残りをアルカリ水
溶液として逐次添加することにより調整してもよい。
の全量は、アルカリ水溶液として逐次添加することによ
り調整してもよく、また、その一部を予め前記置換ヒド
ラジンの塩、ジハロホルミルアクリル酸及び非水溶性有
機溶媒を含む混合液に添加しておき、残りをアルカリ水
溶液として逐次添加することにより調整してもよい。
【0029】前記アルカリ水溶液として、前記した無機
塩基の水溶液が好適に用いられる。好ましいアルカリ水
溶液には、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属の水酸化物などの水溶液が含まれる。
塩基の水溶液が好適に用いられる。好ましいアルカリ水
溶液には、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
のアルカリ金属の水酸化物などの水溶液が含まれる。
【0030】前記アルカリ水溶液中のアルカリの濃度
は、用いるアルカリの水に対する溶解度や操作性などを
考慮して適宜選択できるが、通常1〜50重量%、好ま
しくは10〜40重量%程度である。また、添加するア
ルカリの量は、置換ヒドラジンの塩1モルに対して、通
常0.9〜1.3モル、好ましくは0.95〜1.1モ
ル程度である。
は、用いるアルカリの水に対する溶解度や操作性などを
考慮して適宜選択できるが、通常1〜50重量%、好ま
しくは10〜40重量%程度である。また、添加するア
ルカリの量は、置換ヒドラジンの塩1モルに対して、通
常0.9〜1.3モル、好ましくは0.95〜1.1モ
ル程度である。
【0031】前記アルカリ水溶液の添加速度は、反応速
度や除熱能力等を考慮して適宜選択できるが、アルカリ
換算で、通常0.02〜2.0グラム当量/時間、好ま
しくは0.05〜1.0グラム当量/時間程度である。
なお、反応を完結させるため、アルカリ水溶液の添加終
了後、さらに熟成してもよい。
度や除熱能力等を考慮して適宜選択できるが、アルカリ
換算で、通常0.02〜2.0グラム当量/時間、好ま
しくは0.05〜1.0グラム当量/時間程度である。
なお、反応を完結させるため、アルカリ水溶液の添加終
了後、さらに熟成してもよい。
【0032】本発明の方法において、反応温度は、通常
0〜110℃、好ましくは20〜60℃程度である。反
応温度が110℃を越える場合は、目的化合物の純度及
び収率が低下し易く、また0℃未満の場合は反応速度が
遅くなり易い。
0〜110℃、好ましくは20〜60℃程度である。反
応温度が110℃を越える場合は、目的化合物の純度及
び収率が低下し易く、また0℃未満の場合は反応速度が
遅くなり易い。
【0033】反応終了後、慣用の分離手段、例えば分
液、洗浄、濃縮、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフ
ィー等、又はこれらを組合せることにより、容易に目的
化合物である2−置換−4,5−ジハロ−3(2H)−
ピリダジノンを取得することができる。
液、洗浄、濃縮、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフ
ィー等、又はこれらを組合せることにより、容易に目的
化合物である2−置換−4,5−ジハロ−3(2H)−
ピリダジノンを取得することができる。
【0034】本発明の方法によれば、副反応が抑制され
るため、反応混合液から有機層を分離し、濃縮乾固する
だけでも、高純度の2−置換−4,5−ジハロ−3(2
H)−ピリダジノンが高収率で得られる。このようにし
て得られる2−置換−4,5−ジハロ−3(2H)−ピ
リダジノンは、殺虫剤、殺ダニ剤及び殺菌剤の合成中間
体として好適に用いることができる。
るため、反応混合液から有機層を分離し、濃縮乾固する
だけでも、高純度の2−置換−4,5−ジハロ−3(2
H)−ピリダジノンが高収率で得られる。このようにし
て得られる2−置換−4,5−ジハロ−3(2H)−ピ
リダジノンは、殺虫剤、殺ダニ剤及び殺菌剤の合成中間
体として好適に用いることができる。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、置換ヒドラジン
とジハロホルミルアクリル酸から、簡便な操作により、
高純度の2−置換−4,5−ジハロ−3(2H)−ピリ
ダジノンを高い収率で製造することができる。
とジハロホルミルアクリル酸から、簡便な操作により、
高純度の2−置換−4,5−ジハロ−3(2H)−ピリ
ダジノンを高い収率で製造することができる。
【0036】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定され
るものではない。
【0037】実施例1 水100g、酢酸71g、ムコクロル酸100g(0.
59モル)、t−ブチルヒドラジン塩酸塩73.8g
(0.59モル)及びトルエン540gの混合液に、攪
拌下、温度を40℃に保ちながら、25%NaOH水溶
液94.7g(0.59モル)を4時間かけて滴下し
た。さらにこの温度で8時間攪拌した後、有機層を採
り、水洗、脱溶媒し、純度99%の2−t−ブチル−
4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノン110g
を得た。収率は83.5%であった。
59モル)、t−ブチルヒドラジン塩酸塩73.8g
(0.59モル)及びトルエン540gの混合液に、攪
拌下、温度を40℃に保ちながら、25%NaOH水溶
液94.7g(0.59モル)を4時間かけて滴下し
た。さらにこの温度で8時間攪拌した後、有機層を採
り、水洗、脱溶媒し、純度99%の2−t−ブチル−
4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノン110g
を得た。収率は83.5%であった。
【0038】実施例2 25%NaOH水溶液の滴下時間を2時間とする以外
は、実施例1と同様な操作を行い、純度98.1%の2
−t−ブチル−4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダ
ジノン104gを得た。収率は78%であった。
は、実施例1と同様な操作を行い、純度98.1%の2
−t−ブチル−4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダ
ジノン104gを得た。収率は78%であった。
【0039】実施例3 酢酸の使用量を53gとする以外は、実施例1と同様な
操作を行い、純度98.5%の2−t−ブチル−4,5
−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノン100gを得
た。収率は75%であった。
操作を行い、純度98.5%の2−t−ブチル−4,5
−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノン100gを得
た。収率は75%であった。
【0040】実施例4 t−ブチルヒドラジン塩酸塩の使用量を75.0g
(0.60モル)とする以外は、実施例1と同様な操作
を行い、純度99.0%の2−t−ブチル−4,5−ジ
クロロ−3(2H)−ピリダジノン112gを得た。収
率は85%であった。
(0.60モル)とする以外は、実施例1と同様な操作
を行い、純度99.0%の2−t−ブチル−4,5−ジ
クロロ−3(2H)−ピリダジノン112gを得た。収
率は85%であった。
【0041】実施例5 トルエンの使用量を350gとする以外は、実施例1と
同様な操作を行い、純度98.8%の2−t−ブチル−
4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノン103g
を得た。収率は77.6%であった。
同様な操作を行い、純度98.8%の2−t−ブチル−
4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノン103g
を得た。収率は77.6%であった。
【0042】実施例6 トルエンの使用量を270gとする以外は、実施例1と
同様な操作を行い、純度98.0%の2−t−ブチル−
4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノン86.7
gを得た。収率は65.0%であった。
同様な操作を行い、純度98.0%の2−t−ブチル−
4,5−ジクロロ−3(2H)−ピリダジノン86.7
gを得た。収率は65.0%であった。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式[I] RNHNH2 [I] (式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基又はアラルキル基を示す)で表される
置換ヒドラジンと、一般式[II] 【化1】 (式中、X、Yは同一又は異なってもよく、ハロゲン原
子を示す)で表されるジハロホルミルアクリル酸とを、
水及び非水溶性有機溶媒の存在下で反応させることを特
徴とする一般式[III] 【化2】 (式中、R、X、Yは前記と同じ)で表される3(2
H)−ピリダジノン誘導体の製造方法。 - 【請求項2】 置換ヒドラジンの塩、ジハロホルミルア
クリル酸及び非水溶性有機溶媒を含む混合液に、アルカ
リ水溶液を逐次添加して反応させる請求項1記載の3
(2H)−ピリダジノン誘導体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04125707A JP3110154B2 (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | 3(2h)−ピリダジノン誘導体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04125707A JP3110154B2 (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | 3(2h)−ピリダジノン誘導体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05294942A true JPH05294942A (ja) | 1993-11-09 |
JP3110154B2 JP3110154B2 (ja) | 2000-11-20 |
Family
ID=14916744
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04125707A Expired - Fee Related JP3110154B2 (ja) | 1992-04-17 | 1992-04-17 | 3(2h)−ピリダジノン誘導体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3110154B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-17 JP JP04125707A patent/JP3110154B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3110154B2 (ja) | 2000-11-20 |
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