JPH0529491Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ 本考案は電子写真複写器やレーザービームプリ
ンタあるいは液晶プリンタ等の電子写真技術を利
用した画像形成装置に用いる定着装置に関するも
のであり、特に圧接されたロール間にトナー像を
担持した用紙を通過させて定着を行う定着装置に
関するものである。

［従来技術及びその問題点］ 従来、複写器やプリンタ等の画像形成装置に用
いる定着装置として、熱ロールと加圧ロールを圧
接して設け、両ロール間にトナー像を担持した用
紙を通過させて定着を行ういわゆる熱ロール定着
装置が知られている。

このような定着装置ではトナー像と接触する熱
ロールの表面を離形性の良い樹脂である弗素樹脂
等でコーテイングし、熱ロールへのトナーの付着
を防止している。

しかし、熱ロールへのトナーの付着を完全に無
くすことは不可能であり、微量のトナーは熱ロー
ルへ付着してしまう。

そこで、この付着したトナーを除去するため
に、耐熱フエルト等の清掃部材を熱ロール表面に
接触して設け、この清掃部材を定期的に交換する
ことが行われている。

清掃部材の交換が必要となつた時、それまで熱
ロールより除去したトナーは全て清掃部材に固着
しているわけでは無く、清掃部材を取り外すと熱
ロールの今まで清掃部材と接触していた箇所には
多量のトナーや紙粉が残存している。

従つて、それまで使用していた清掃部材を取り
外し、新たな清掃部材を取り付けるという作業だ
けでは、新たな清掃部材の寿命が短時間となつて
しまうので、上述の残存したトナーや紙粉を取り
除く作業が必要となる。

しかし、このような作業は熱ロールがかなりの
高温に達していることもあり、一般のユーザーに
は困難な作業であるため、交換の都度専門の技術
者を派遣して作業を行わなければならないという
不具合が有つた。

［考案の目的］ 本考案は上記従来の欠点に鑑み、熱ロール上に
残存したトナーや紙粉を一般のユーザーが容易に
取り除くことが可能に構成した定着装置を提供す
ることを目的とするものである。

［考案の要点］ 本考案は上記目的を達成するために、互いに圧
接すべく設けられ圧接部間にトナー像を担持した
用紙を通過させて該用紙上に前記トナー像を定着
する定着ロール対と、該定着ロール対のうちの前
記トナー像と接触する側のロールの周面に清掃部
を当接させて前記ロールの周面に付着したトナー
を除去する交換可能な清掃部材と、該清掃部材を
着脱自在であり装着時に前記清掃部材を前記ロー
ルの周面に当接状態に支持すべく配設された支持
手段とを有する定着装置において、前記清掃部材
は、前記支持手段への交換の際前記清掃部にて除
去されずに前記ロールの周面に残留するトナーを
吸着可能な粘着面を前記清掃部と独立して備える
ことを特徴とする。

［考案の実施例］ 以下本考案の実施例を図面を参照しながら詳述
する。

第１図は本考案の定着装置の構成図であり、図
外には公知の画像形成部が設けられており、画像
形成部において用紙上に転写されたトナー像はこ
の定着装置により用紙上に定着される。

上述の画像形成部にてトナー部の転写された用
紙はガイド板１に沿つて熱ロール２と加圧ロール
３の間に送り込まれる。熱ロール２は薄肉のアル
ミパイプの周面に弗素樹脂をコーテイングしたロ
ールであり、その内部にハロゲンヒータ４が配設
され、さらに周面に接してサーミスタ５が設けら
れている。このサーミスタ５の出力に応じてハロ
ゲンヒータ４への通電を制御することにより熱ロ
ール２の周面温度を一定に制御している。

また、図示しないバネの付勢力により加圧ロー
ルが熱ロール２に圧接して設けられており、加圧
ロール３は芯金３ａの周囲にシリコンオイルを含
有した室温加硫型ゴムよりなる弾性層３ｂを被覆
して構成されている。

また、熱ロール２の上部には熱ロール２に付着
したトナーを清掃するためのクリーニングフエル
ト６が周面に接触して設けられている。

熱ロール２の加圧ロール３間の圧接部に進入し
た用紙は両ロールによる圧力と熱を受けトナー像
が定着される。さらにトナー像が定着された用紙
は分離爪７により熱ロール２の周面より剥離さ
れ、排紙ガイド板８に沿つて搬送ロール９，１０
間に送り込まれる。

搬送ロール９，１０の下流側には導電性繊維で
構成され、用紙に蓄積された静電気を除去するた
めの除電ブラシ１１が設けられており、搬送ロー
ル９，１０間を通過した用紙は除電ブラシ１１に
より静電気を除去されつつ排紙ガイド板８に沿つ
て進行する。

そして用紙は排紙ロール１２排紙コロ１３間に
到達し、排紙ロール１２と排紙コロ１３により挟
持配送されて機外に排出される。

排出された用紙は積載部１４にトナー像の定着
された面を下にして積載される。

以上の構成の定着器におけるクリーニングフエ
ルト６の構成を第２図に従つてさらに詳しく説明
する。

クリーニングフエルト６はガラス繊維を混入し
たポリエチレンテレフタレート等の耐熱性樹脂で
形成されたホルダー１５に固着されており、ホル
ダー１５のクリーニングフエルト固着面とは反対
側の面に柔軟な連泡スポンジよりなるスポンジ部
材１６が固着され、スポンジ部材１６には粘着性
の両面テープ１７が貼付され、粘着性の両面テー
プ１７の表面は保護シート１８で被覆されてい
る。

またクリーニングフエルト６には粘度10000CS
のシリコンオイルが約２ｇ含浸されており、クリ
ーニングフエルト６が自重（ただし上述のホルダ
ー１５、スポンジ部材１６等を含む重量）で熱ロ
ール２の周面に当接することにより、この周面に
微量のシリコオイルを供給して周面の離形成をよ
り高めるとともに、熱ロール２の周面に付着した
トナーや紙粉の通過を阻止してオフセツトを防止
している。

所定枚数の用紙の定着を行うと、上述のクリー
ニングフエルト６に含浸させたシリコンオイルが
無くなつたり、あるいは熱ロール２とクリーニン
グフエルト６との間に多量のトナーや紙粉が滞留
するため、上述のオフセツト防止機能が失なわれ
クリーニングフエルト６の交換の必要性が生じ
る。クリーニングフエルトの交換は上述のホルダ
ー１５、スポンジ部材１６、両面テープ１７等の
部材を一体として（以下これをクリーニングユニ
ツト１９と称する）交換する。

交換の際には、先ずこれまで使用しいていたク
リーニングユニツト１９を取り外す。この際、従
来例でも述べたように熱ロール２の今までクリー
ニングフエルト６と当接していた箇所にはトナー
や紙粉が残存している。

そこで取り外したクリーニングユニツト１９よ
り保護シート１８を剥離し、これまでと逆向きに
（両面テープ１７を下に向けて）セツトし、一旦
クリーニングユニツト１９を熱ロール２に押圧し
た後、再度取り外す。両面テープ１７は柔軟なス
ポンジ部材に支持されているので上述の押圧によ
り熱ロール２の周面の曲率に沿つて変形して密着
し、上述のトナーや紙粉は両面テープ１７の粘着
力により全て両面テープ１７に貼着する。

この後新たなクリーニングユニツト１９をクリ
ーニングフエルト６を下に向けてセツトすること
により交換作業は終了する。

以上詳述したように、クリーニングユニツト１
９の交換の際に一旦クリーニングユニツトを逆に
セツトするという簡単な作業を行うだけで残存す
るトナーや紙粉を除去できる。この作業は一般ユ
ーザーにも容易に行うことができるので、交換の
都度技術者がユーザーまで出向くといつた効率の
悪いことを行う必要が無い。

［考案の効果］ 本考案の定着装置によれば清掃部材と一体的に
交換可能な支持部材に粘着面を設けているので、
清掃部材の交換時に定着装置のロールに残存した
トナーや紙粉を粘着面に貼着させて容易に除去す
ることができる。

従つて清掃部材の耐用期間が長期化するととも
に、専門の技術者を派遣することなく一般のユー
ザーが上述の除去作業を実施することが可能とな
つた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の定着装置の構成図、第２図は
本考案の定着装置に用いたクリーニングユニツト
の構成図である。 ２……熱ロール、３……加圧ロール、４……ハ
ロゲンヒータ、６……クリーニングフエルト、１
５……ホルダー、１６……スポンジ部材、１７…
…両面テープ、１８……保護シート、１９……ク
リーニングユニツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 互いに圧接すべく設けられ圧接部間にトナー像
   を担持した用紙を通過させて該用紙上に前記トナ
   ー像を定着する定着ロール対と、 該定着ロール対のうちの前記トナー像と接触す
   る側のロールの周面に清掃部を当接させて前記ロ
   ールの周面に付着したトナーを除去する交換可能
   な清掃部材と、 該清掃部材を着脱自在であり装着時に前記清掃
   部を前記ロールの周面に当接状態に支持すべく配
   設された支持手段とを有する定着装置において、 前記清掃部材は、前記支持手段への交換の際前
   記清掃部にて除去されずに前記ロールの周面に残
   留するトナーを吸着可能な粘着面を前記清掃部と
   独立して備えることを特徴とする定着装置。