JPH05294774A - ガス発生剤組成物及びその製造方法 - Google Patents

ガス発生剤組成物及びその製造方法

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JPH05294774A
JPH05294774A JP9124592A JP9124592A JPH05294774A JP H05294774 A JPH05294774 A JP H05294774A JP 9124592 A JP9124592 A JP 9124592A JP 9124592 A JP9124592 A JP 9124592A JP H05294774 A JPH05294774 A JP H05294774A
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gas
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gas generating
silicic acid
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JP9124592A
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Koji Ochi
弘二 越智
Kazuyuki Narita
和之 成田
Kazunori Matsuda
和典 松田
Choichi Asano
暢一 浅野
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い燃焼速度を保持した状態で、残渣の捕集
を効率良く行うことができるとともに、生成ガス量の低
下を抑制することができ、しかもガス発生剤組成物を収
率良く製造することができるガス発生剤組成物及びその
製造方法を提供する。 【構成】 ガス発生器1に装填されるガス発生剤組成物
は、アジ化ナトリウムと二酸化マンガン等の酸化剤を主
成分とし、これにコロイド珪酸を配合した組成物であ
り、前記コロイド珪酸中には無水珪酸がガス発生剤組成
物中5〜10重量%含有されている。従って、高い燃焼
速度を保持した状態で、残渣の捕集が効率良く行われ
る。また、このガス発生剤組成物を、水とともに混合し
てほぼ均一なスラリーとした後、噴霧造粒乾燥すること
により、収率良くペレット状のガス発生剤組成物8が製
造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車に搭載
されるエアバッグを膨張させるためのガス発生装置(以
下、単に「ガス発生器」という)に利用されるガス発生
剤組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、アジ化ナトリウム(Na N3
と各種酸化剤とからなるガス発生剤をペレット状にして
ガス発生器内に装填し、これを燃焼させることにより窒
素ガスを発生させ、エアバッグを膨張させるガス発生器
が知られている。ここで用いられるアジ化ナトリウムを
主成分とするガス発生剤は、燃焼によりガス成分として
清浄な窒素ガスを発生するので、ガス発生剤としては極
めて好ましいものである。
【0003】しかしながら、同時に副生するナトリウム
やナトリウム化合物の残渣(以下、単に「残渣」とい
う)は、有害であるため、ガス発生剤を開発するにあた
っては、副生した残渣を無害化するか、もしくはガス発
生器内に組み込まれた金網やフィルタ類(以下、単に
「濾過機構」という)で簡単に捕集しやすい様に化学的
に変化させ得る組成であることが望ましい。
【0004】このような観点から、ガス発生剤組成物中
に二酸化珪素等を配合し、残渣を無害な珪酸塩に変化さ
せると同時に、濾過機構で簡単に捕集され易い低融点ガ
ラスに変化させる手段が知られている。
【0005】例えば、米国特許第4547235号明細
書には、次のような組成物が示されている。 アジ化ナトリウム 60〜68重量% 二酸化珪素 18〜24重量% 硝酸カリウム 8〜20重量% 二硫化モリブデン 2〜20重量% イオウ 2〜4 重量% この組成物は残渣が捕集され易く、燃焼速度が調整可能
で、ガス発生器用のガス発生剤として好適であることが
述べられている。
【0006】一方、特公昭53−1076号公報には、
アジ化物、及び硝酸塩及び(又は)過塩素酸塩を含む組
成物の水溶液に微粒状二酸化珪素を少量混合し、かかる
混合物を更に水溶性有機溶剤と混合することによって得
られる微粒子状共析出物からなるガス発生剤が開示され
ている。そして、この組成物は、組成物中の各成分が均
一に混合される結果、燃焼性を損なうことなく残渣を効
率的に低融点ガラスに変換させることが可能であること
が述べられている。
【0007】さらに、特開昭50−40487号公報に
は、金属アジドと酸化剤とからなるガス発生剤に、コロ
イド珪酸、水ガラス、セメント類、ハロゲン化アルカリ
金属及びタルクからなる群から選ばれた1種又は2種の
添加剤を添加するガス発生剤組成物が例示されている。
そして、この組成物は、ペレットの機械的強度の向上、
燃焼温度の低下、燃焼速度等の燃焼特性の調整が可能で
あることが述べられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記米国特
許4547235号明細書記載のガス発生剤組成物は、
残渣を捕集し易くするために二酸化珪素の配合割合を1
8〜24重量%と高くする必要がある。その結果、ガス
発生剤組成物の燃焼時における燃焼速度が低下するとい
う問題がある。また、二酸化珪素の配合割合が大きい
分、アジ化ナトリウムの配合割合が相対的に減少するた
め、ガス発生器1ケあたりに装填されるべきガス発生剤
の量が多くなる結果、重量と形状が大きくなるという問
題が生じる。
【0009】一方、特公昭53−1076号公報に記載
のガス発生剤は、二酸化珪素の添加量が少量であるため
燃焼速度の低下が少なく、なおかつ二酸化珪素の添加量
が少量であっても残渣が有効に捕集できる点で有利であ
るが、水溶性有機溶剤と混合することによって得られる
微粒子状共析出物であるガス発生剤組成物の収率が70
%弱であり、収率が非常に低いという問題がある。
【0010】さらに、特開昭50−40487号公報記
載のガス発生剤組成物は、コロイド珪酸が配合され、そ
の添加量が具体例では2重量%と4.8重量%という少
ない組成物が提示されているが、この組成物についても
上述のガス発生剤組成物のように収率が低いという問題
がある。
【0011】この発明は上記従来技術に存在する問題に
着目してなされたものであって、その目的は高い燃焼速
度を保持した状態で、残渣の捕集を効率良く行うことが
できるとともに、生成ガス量の低下を抑制することがで
き、さらにガス発生剤組成物を収率良く製造することが
できるガス発生剤組成物及びその製造方法を提供するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明のガス発生剤組成物は、アジ化ナトリウ
ムと酸化剤を主成分とし、コロイド珪酸を配合してなる
ガス発生剤組成物であって、前記コロイド珪酸中には無
水珪酸がガス発生剤組成物中5〜10重量%となる量含
有されているものであることを特徴とする。
【0013】また、第2の発明のガス発生剤組成物の製
造方法は、第1の発明のガス発生剤組成物を、水ととも
に混合してほぼ均一なスラリーとした後、噴霧造粒乾燥
することを特徴とする。
【0014】次に、この発明の各構成要件について順次
説明する。アジ化ナトリウムはガス発生器に用いられる
ガス発生剤の主成分として最も一般的な物である。アジ
化ナトリウムの粒度は、高い燃焼速度を得るためには、
平均粒径は20μm以下であることが望ましい。
【0015】アジ化ナトリウムと共に用いられる酸化剤
としては、従来から知られているものが使用され、例え
ば過塩素酸カリウム、過塩素酸アンモニウム等の過塩素
酸塩、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム等の硝酸塩、酸化
銅、酸化鉄、二酸化マンガン等の金属酸化物が好適に用
いられる。中でも、アジ化ナトリウムと、配合した際の
燃焼温度が低いこと、燃焼速度が高いこと、化学的安定
性が良いこと、コストが低いこと等の観点から二酸化マ
ンガンが特に好ましい。また、この二酸化マンガンの粒
度は、高い燃焼速度を得るためには、10μm以下であ
ることが好適である。
【0016】アジ化ナトリウムと酸化剤との配合割合に
ついては、使用する酸化剤の種類によりその最適組成は
異なるが、通常アジ化ナトリウム40〜75重量%に対
して酸化剤25〜60重量%の範囲が適当である。
【0017】次に、この発明におけるコロイド珪酸と
は、粒子の大きさが5〜100mμ程度である無定形珪
酸の安定な水系分散体であり、水ガラスや珪酸エステ
ル、ハロゲン化珪素の加水分解などによって生じる珪酸
を、コロイドの大きさに成長させることによって得られ
るものである。一般にはコロイダルシリカと称されるも
のである。そしてコロイド珪酸中の無水珪酸含有量とし
ては、20〜40重量%のものが適している。
【0018】コロイド珪酸中の無水珪酸がガス発生剤組
成物中に占める配合量としては、5〜10重量%である
ことが必要である。この配合量が5重量%未満の場合、
残渣を十分に捕集することができない。また、配合量が
10重量%を越える場合、燃焼速度が急速に低下し、さ
らにアジ化ナトリウムの配合割合が相対的に減少するた
め、不適当である。
【0019】燃焼速度が低すぎると、ガス発生剤ペレッ
トの表面積の増大を必要とするため、ペレットの厚みを
薄くする必要が生じ、このことはペレット強度の低下を
もたらす。そのため、ガス発生器が何年もの間、自動車
の車室内で激しい振動や高低の大きい過酷な温度条件に
さらされた場合に、ペレットが割れたり粉化したりし
て、ガス発生剤燃焼時の燃焼室内の予期せぬ高圧をもた
らす。
【0020】さらに、アジ化ナトリウム配合比の相対的
な減少は、ガス発生器1ケあたりに必要となるガス発生
剤の量が増えることとなり、その結果、ガス発生器の重
量及び形状の増大をもたらすこととなる。従って、コロ
イド珪酸中の無水珪酸のガス発生剤組成物中に占める配
合量としては、前述のように5〜10重量%であること
が必要である。
【0021】次に、この発明のガス発生剤組成物の製造
方法としては、以下に述べる方法が適している。コロイ
ド珪酸は、ゾルとして安定した状態を保つためには、p
H、濃度、共存電解質等について配慮する必要がある。
例えば、アジ化ナトリウムと酸化剤からなる乾燥したガ
ス発生剤に、20〜40重量%のコロイド珪酸を単純に
加えた場合には、コロイド珪酸は瞬間的凝固(ゲル化)
してしまう。
【0022】しかしながら、ガス発生剤成分を水ととも
に混合して均一なスラリーとすることにより、このよう
なゲル化現象を抑えることができる。そのためには、ガ
ス発生剤固形分10重量部に対して、水は7重量部以上
であることが好ましい。水が7重量部未満の場合には、
スラリーは急激に増粘し、ゲル化の状態に近づくために
好ましくない。
【0023】また、上記スラリー中の固液分離を抑制す
るためには、ガス発生剤固形分10重量部に対して、水
は12重量部以下であることが好適である。水が12重
量部を越える場合には、短時間で固液分離現象を呈する
ために、性能のばらつきを引き起こすために好ましくな
い。以上のことから、ガス発生剤固形分と水との重量比
率は10:7〜10:12の範囲が最適である。
【0024】次にpHであるが、コロイド珪酸を安定し
たゾルの状態に保つためには、スラリーのpHは8〜1
0の範囲が適当である。pHが8未満の場合、ゲル化し
やすくなり、pHが10を越えると、コロイド珪酸は珪
酸アルカリの溶液になるために、やはり好ましくない。
【0025】上記pHの範囲では、コロイド珪酸中の珪
酸粒子の表面は、水酸イオンを吸着して負に帯電してい
る。従って、酸化剤として水中で正に帯電するような物
質、例えば酸化第二鉄のような物質は、コロイド珪酸の
安定性に悪影響を与えるため、基本的に好ましくない。
逆に、二酸化マンガンのように上記pHの範囲で水中で
負に帯電するような物質は好ましいといえる。
【0026】この発明のガス発生剤組成物は、例えばホ
モジナイザーを用いてスラリーの状態で均一に混合され
る。均一混合されたガス発生剤組成物は、後の工程でペ
レットに成型されることになるが、その際の作業性を良
くするためには、造粒乾燥される必要がある。この発明
に示されるようなガス発生剤スラリーを造粒乾燥する手
段としては、噴霧造粒乾燥、即ち熱風が送り込まれてい
る乾燥塔内にガス発生剤スラリーを液滴状で粉霧し、短
時間内に造粒及び乾燥を同時に実施するような手段が得
策である。この造粒乾燥工程は、一般にスプレードライ
ヤーとよばれる装置を用いることにより、容易に実施す
ることができる。
【0027】この発明の製造方法を実施するに際して
は、まず、ガス発生剤スラリー調整用タンク内に定めら
れた量の水が準備されなくてはならない。その時の水の
量は、後から加えられるコロイド珪酸中の水の量と合算
した量で、あらかじめ設計されたガス発生剤固形分に対
する水の量になるように調整される。
【0028】次に、コロイド珪酸を水に加え、さらに粉
末原料であるアジ化ナトリウム及び酸化剤を加える。さ
らにはホモジナイザー等の混合器により均一なスラリー
を調整する。その際、アジ化ナトリウム、酸化剤、コロ
イド珪酸の添加順序は特に制限されるものではない。
【0029】均一に調整されたガス発生剤スラリーは送
液ポンプ等でスプレードライヤー乾燥塔内に導入され、
そこでノズルもしくは回転アトマイザーによって液滴状
に粉霧される。この液滴は、乾燥塔内を滞留する間に造
粒乾燥され、ガス発生剤組成物の造粒薬が製造される。
【0030】このようにして製造される造粒薬の一般的
な性能としては、粒径は50〜300μm、残存水分量
は1%以下である。また収率としては95%以上であ
る。なお、この発明のガス発生剤組成物が装填されたガ
ス発生器について説明すると、図1に示すように、ガス
発生器1内の中心位置には点火室2が設けられ、その外
周には燃焼室3が区画形成され、さらにその外周には冷
却捕集室4が同心円状に区画形成されている。上記点火
室2内にはリード線5が接続されたスクイブ6が立設固
定され、その上部には点火剤7が充填されている。ま
た、燃焼室3内にはペレット状のガス発生剤組成物8が
装填されるとともに、冷却捕集室4には金属と無機繊維
とからなる環状の冷却用フィルタ9が配置されている。
【0031】前記点火室2と燃焼室3との間及び燃焼室
3と冷却捕集室4との間にはそれぞれ連通孔10,11
が開口されるとともに、冷却捕集室4の上部外周にはガ
ス排出口12が開口されている。燃焼室3内の下部外周
には環状の燃焼室フィルタ13が連通孔11に対向して
配置されている。
【0032】そして、リード線5を介してスクイブ6に
通電されてスクイブ6が発熱し、点火剤7が着火する。
その火炎が連通孔10を通って燃焼室3内へ伝播され、
ガス発生剤組成物8が燃焼し、窒素ガスを発生する。こ
の窒素ガスは燃焼室フィルタ13、連通孔11を通って
冷却捕集室4に入り、冷却用フィルタ9で冷却されなが
らガス排出口12から排出される。そして、図示しない
エアバッグを展開させる。
【0033】
【作用】第1の発明におけるガス発生剤組成物中には、
残渣を無害化し、なおかつ残渣を濾過機構で捕集し易い
ように化学的に変化させる手段として、二酸化珪素の中
でも特にコロイド珪酸が配合されている。その添加量
は、コロイド珪酸中の無水珪酸がガス発生剤中5〜10
重量%となる量である。
【0034】このコロイド珪酸は、活性な微粒子状の二
酸化珪素であるため、5〜10重量%の添加量で十分に
その目的を達成することが可能である。そして、濾過機
構で捕集される残渣は、全て無害化されていないもの
の、一定量以上の低融点ガラスの生成は、その表面に残
りの残渣を物理的に十分に付着させる。
【0035】さらに、この発明のガス発生剤組成物は、
コロイド珪酸の如く活性な二酸化珪素を使用し、なおか
つ、その添加量は少ないことから、燃焼速度はほとんど
低下せず、アジ化ナトリウムの配合割合もそれほど低下
しない。従って、生成するガス量も多い。
【0036】第2の発明におけるガス発生剤組成物の製
造方法においては、コロイド珪酸をゲル化させることな
く、他の成分と均一に混合させることができるととも
に、乾燥塔内で噴霧造粒乾燥することから、一度に大量
のガス発生剤組成物を効率よく製造することができる。
【0037】
【実施例】以下にこの発明を具体化した実施例を比較例
と対比して説明する。なお、各例において重量%を%と
略記する。 (実施例1)所定量のイオン交換水が計り込まれた容器
内に、30%コロイド珪酸を投入し攪拌した後、アジ化
ナトリウムと二酸化マンガンとを投入する。この時、ア
ジ化ナトリウム、二酸化マンガン、珪酸の各比率は表1
に示す比率になるようにあらかじめ計算しておく。この
混合物をホモジナイザーで攪拌混合し、均一なスラリー
状にした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤーを
使用して噴霧造粒乾燥することにより、平均粒径約10
0μmの造粒薬としてガス発生剤組成物を得た。このと
きの収率はほぼ100%であった。
【0038】この造粒薬をロータリー式打錠機を用い
て、直径7mm、厚さ4.5 mmのペレットを製造した。この
ペレットを図1に示されるガス発生器内に102.5g装填し
た後、60リットルのタンク試験機に取り付け、作動さ
せた際のタンク内に排出されたナトリウム量を測定し
た。
【0039】またこれとは別に、専用の金型と手動式油
圧プレス機を使用し、前記造粒薬を用いて5mm×8mm×
50mmの棒状成形品(以下、「ストランド」という)を作
成した。
【0040】燃焼速度は、ストランドの側面をエポキシ
樹脂でコーティングすることにより全面燃焼を防止する
対策を施した後、直径0.5 mmのドリルを用いて、長手方
向に適当な間隔で2ケの小穴をあけ、ここに燃焼時間測
定用の溶断ヒューズを各穴1本ずつ貫通させた。このス
トランド試料を所定の固定台に設置し、30気圧の加圧
下で、ストランドの一端からニクロム線で点火し、燃焼
面が通過する際にヒューズが溶断する瞬間を電気的に測
定し、2点間の距離をその時間差で割ることにより燃焼
速度として求めた。その結果を表1に示す。 (実施例2〜4)表1に示す組成で、実施例1と同様な
方法によりガス発生剤組成物を各々製造し、同じ方法で
それぞれの特性を評価した。ただし、ガス発生器内に組
み込まれるペレットの量は、ガス発生器1ケ当たりのア
ジ化ナトリウムの量が一定になるように調整した。その
結果を表1に示す。 (比較例1及び2)表1に示す組成で、実施例1と同様
な方法によりガス発生剤組成物を各々製造し、同じ方法
でそれぞれの特性を評価した。ただし、ガス発生器内に
組み込まれるペレットの量は、ガス発生器1ケ当たりの
アジ化ナトリウムの量が一定になるように調整した。そ
の結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1中、アジ化ナトリウムは東洋化成工業
(株)のものを使用した。このアジ化ナトリウムの粒度
は平均9.6μmであった。また、二酸化マンガンは東
ソー(株)製の商品名電解二酸化マンガン「FMH」を
使用した。さらに、コロイド珪酸は日産化学工業(株)
の商品名「スノーテックスS(30%液)」を使用し、
表中の珪酸の割合は、無水珪酸に基づいて算出した値で
ある。
【0043】表1に示す結果からわかるように、ガス発
生剤組成物中の無水珪酸の比率が5〜10%の場合(実
施例1〜4)、高い燃焼速度を維持しつつ、残渣を効率
的に捕集することができる。しかし、5%未満の場合
(比較例1)、残渣を十分捕集することができず、10
%を越える場合(比較例2)、燃焼速度が急激に低下す
る。
【0044】また、各実施例1〜4においては、コロイ
ド珪酸の配合量が5〜10%と少量であるため、相対的
にアジ化ナトリウムの量が確保され、その結果生成ガス
量の低下を抑制することができる。しかも、実施例1に
示したように、ガス発生剤組成物の収率はほぼ100%
と極めて高い。 (実施例5)所定量のイオン交換水が計り込まれた容器
内に、40%コロイド珪酸を投入して攪拌した後、アジ
化ナトリウムと過塩素酸カリウムとを投入する。この
時、アジ化ナトリウム、過塩素酸カリウム、珪酸の各比
率は表2に示す比率になるように予め計算しておく。こ
の混合物をホモジナイザーで攪拌混合し、均一なスラリ
ー状にした後、2流体ノズル方式のスプレードライヤー
を使用して噴霧造粒乾燥することにより、平均粒径 80
μmの造粒薬を得た。
【0045】このときの収率はほぼ100%であった。
この造粒薬をロータリー式打錠機を用いて、直径7mm、
厚さ5.0 mmのペレットを製造した。これについて実施例
1と同様の方法で特性を評価した。ただし、ガス発生器
に組み込んだガス発生剤の薬量は79.8gであった。
その結果を表2に示す。 (実施例6〜8)表2に示す組成で、実施例5と同様な
方法によりガス発生剤組成物を各々製造し、同じ方法で
それぞれの特性を評価した。ただし、ガス発生器内に組
み込まれるペレットの量は、ガス発生器1ケ当たりのア
ジ化ナトリウムの量が一定になるように調整した。その
結果を表2に示す。 (比較例3及び4)表2に示す組成で、実施例5と同様
な方法によりガス発生剤組成物を各々製造し、同じ方法
でそれぞれの特性を評価した。ただし、ガス発生器内に
組み込まれるペレットの量は、ガス発生器1ケ当たりの
アジ化ナトリウムの量が一定になるように調整した。そ
の結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】表2中、アジ化ナトリウムは東洋化成工業
(株)のものを使用した。このアジ化ナトリウムの粒度
は平均70μmであった。また、過塩素酸カリウムは日
本カーリット(株)のものを250メッシュの篩に通し
て使用した。さらに、コロイド珪酸は日産化学工業
(株)の商品名「スノーテックスー40(40%液)」
を使用し、表中の珪酸の割合は、無水珪酸に基づいて算
出した値である。
【0048】表2に示す結果からわかるように、ガス発
生剤組成物中の無水珪酸の比率が5〜10%の場合(実
施例5〜8)、高い燃焼速度を維持しつつ残渣を効率的
に捕集することができる。しかし、5%未満の場合(比
較例3)、残渣は十分捕集することができず、10%を
越える場合(比較例4)、急激に燃焼速度が低下する。
この結果は表1の結果と傾向が良く一致している。
【0049】また、各実施例5〜8においては、コロイ
ド珪酸の配合量が5〜10%と少量であるため、アジ化
ナトリウムの量が確保され、従って生成ガス量の低下を
抑制することができる。しかも、実施例5に示したよう
に、ガス発生剤組成物の収率はほぼ100%と極めて高
い。
【0050】
【発明の効果】第1の発明のガス発生剤組成物は、コロ
イド珪酸を所定範囲の少量含有しているため、高い燃焼
速度を保持した状態で、残渣の捕集を効率良く行うこと
ができるとともに、生成ガス量の低下を抑制することが
できるという優れた効果を奏する。
【0051】また、第2の発明のガス発生剤組成物の製
造方法によれば、水を用いてスラリー化した後、噴霧造
粒乾燥することにより、ガス発生剤組成物を収率良く製
造することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のガス発生剤組成物が装填されたガス
発生器を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ガス発生器、8…ペレット状のガス発生剤組成物。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アジ化ナトリウムと酸化剤を主成分と
    し、コロイド珪酸を配合してなるガス発生剤組成物であ
    って、前記コロイド珪酸中には無水珪酸がガス発生剤組
    成物中5〜10重量%となる量含有されているものであ
    ることを特徴とするガス発生剤組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1のガス発生剤組成物を、水とと
    もに混合してほぼ均一なスラリーとした後、噴霧造粒乾
    燥することを特徴とするガス発生剤組成物の製造方法。
JP9124592A 1992-04-10 1992-04-10 ガス発生剤組成物及びその製造方法 Pending JPH05294774A (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9124592A JPH05294774A (ja) 1992-04-10 1992-04-10 ガス発生剤組成物及びその製造方法
US08/044,281 US5470406A (en) 1992-04-10 1993-04-07 Gas generator composition and process for manufacturing the same
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