JPH05294703A - 有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物、その用途、 およびその製造法 - Google Patents

有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物、その用途、 およびその製造法

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JPH05294703A
JPH05294703A JP541992A JP541992A JPH05294703A JP H05294703 A JPH05294703 A JP H05294703A JP 541992 A JP541992 A JP 541992A JP 541992 A JP541992 A JP 541992A JP H05294703 A JPH05294703 A JP H05294703A
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alkali silicate
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liquid
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organosiloxane
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JP541992A
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Hiroyuki Naito
博之 内藤
Tomio Suzuki
富男 鈴木
Kimie Watanabe
貴美江 渡辺
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Suzuki Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sangyo Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/24Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
    • C04B28/26Silicates of the alkali metals

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケイ酸アルカリの水溶液を基本材料にして、
シロキサン結合によるポリマー固化体を生成させる時
に、その固化体に生成する細孔の発生を抑制したケイ酸
アルカリ組成物を提供するとともに、その用途、並びに
製造法を提供する。 【構成】 ケイ酸アルカリ液に対して、特定量の有機ケ
イ素基、アルコキシル基、およびアルコール基を主成分
とするオルガノシロキサン液が特定量均質に複合されて
いる有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物であって、
該オルガノシロキサン液は予め均質液状態に維持して熟
成工程を経たものを使用する。前記オルガノシロキサン
液に、マグネシウム元素を含有する2:1層の3八面体
型フィロケイ酸塩を主成分とする層状粘土鉱物の分散剤
が配合されていることにより撥水性や親油性を優れたも
のにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機ケイ素基複合の液
状ケイ酸アルカリ組成物と、その用途、およびその製造
法に関するもので、より詳しくは、セメンティング材、
成型体、結着剤および塗料状被覆材等に応用される、緻
密で撥水性を有し耐透過性に優れたシロキサン結合のポ
リマー固化体を生成させる液状ケイ酸アルカリ組成物
と、その用途、およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にケイ酸アルカリは、古くより水ガ
ラスの名称で呼ばれ、その研究も古くから多くの人々に
よって行われてきた。今日水ガラスは、固化剤、接着
剤、洗剤、鋳物砂用結着剤、土木等の多方面で広く多量
(約80万t/年)に消費されている。また近年、シリカを
中心とした新しいケイ素化合物や無機のポリマーが注目
されており、その合成原料として水ガラスは盛んに研究
されている。
【0003】水ガラスの名称で呼ばれているケイ酸アル
カリの液状体は、式M2OxSiO2・yH2O(式中 Mは Li,K,N
a,Rb,Cs,NR4) で示される。工業的には安価であること
からナトリウム(Na)塩が主に生産されていあるが、カリ
ウム(K) 塩も生産されている。他のケイ酸アルカリとし
て、これを脱水した粉末水ガラスもある。なた、加熱溶
融されたガラス状のものは無水もしくは固形水ガラスと
いい、カレットとも呼ばれている。また含水率 10 ない
し 30 %で弾性がある和水水ガラスもある。結晶性水ガ
ラスとしてはメタおよびセスキケイ酸アルカリがある。
【0004】液状のケイ酸アルカリの分子構造について
は、古くはシリカのコロイド説もあったが、今では水酸
基(-OH) の付いたケイ酸イオンが水和アルカリイオンに
より縮合が阻害されミセルを形成していると結論されて
おり、これが当業界の技術常識となっている。つまり、
水溶性ケイ酸アルカリの分子構造は、強く水和した線状
シロキサンシラノールオリゴマーの部分アルカリ塩とし
て表現されている。したがって、水ガラスの諸性質や反
応性は、この分子構造によってよく説明することができ
る。
【0005】有機ケイ素化合物で、有機ケイ素基(R・Si
-) とアルコキシル基(-OR) を有するオルガノシロキサ
ン系化合物は、シラン化合物もしくはシランカップリン
グ剤の名称で総称され、数多くの種類が製造・販売され
ている。このシランカップリング剤は、分子中に2個以
上の異なった反応基をもつ単量体を主成分とする有機ケ
イ素化合物で、反応基の一つは有機質材料(各種合成樹
脂等)と容易に化学結合する反応基(アルキル、フェニ
ル、ビニル、エポキシ、メタクリル、アミノ、メルカプ
ト等のケイ素基)であり、もう一つの反応基は無機質材
料(ガラス、金属、硅砂等)と容易に化学結合する反応
基(メトキシ基、エトキシ基、セロソルブ基等)で構成
されている油状物質である。
【0006】このようにオルガノシロキサンの一種であ
るシランカップリング剤は、無機質および有機質化合物
の双方に化学結合可能な反応基を有していることを特徴
としている。そのため、各種無機質材料や有機質材料の
改質処理剤としてまた添加剤として広く使用いられてい
る。また、このシランカップリング剤は、有機質材料と
無機質材料からなる複合材料の機械的強度の向上、電気
特性の安定化、材料ならびにその表面の改質、あるいは
シーリング剤や接着向上用のプライマーとして、また各
種材料に撥水性付与剤等として広く応用されている。
【0007】有機ケイ素化合物であるオルガノシロキサ
ン化合物は、R3SiO(R2SiO)nSiR3 もしくは(R2SiO)nなど
の示性式で示されている。R の種類によりアルキルシロ
キサン、フェニルシロキサンやアリールシロキサン等に
分類されている。オルガノシロキサン化合物は、構造
上、鎖状、環状、網状の三種類に分類されている。その
分子末端形成因子R3SiO1/2をM 単位、直鎖構成因子 R2S
iOをD 単位、網目構成因子 RSiO3/2またはSiO2をそれぞ
れT 単位、Q 単位と称している。
【0008】オルガノシロキサンのオリゴマーは、オル
ガノシロキサンの低縮合重合物として知られており、オ
ルガノシロキサンの中間体や変性応用物として利用され
る。その他にSiO2濃度が40重量%以上であるアルキルシ
リケイトとしてメチルやエチルのシリケイトオリゴマー
が有機ケイ素として利用されている。複数の水酸基を有
した多価のアルコールとしては、エチレングリコール、
ピナコール、ポリメチレングリコール、グリセリン、ペ
ンタエリスリトール、ヘキシトール等が一般に知られて
いる。
【0009】マグネシウム元素を含有する2:1層の3
八面体型フィロケイ酸塩は、2っのSiO4四面体層の間に
マグネシウム元素を主成分とする八面体層が挟まれた三
層構造で形成されており、タルク、スメクタイト(スチ
ブンサイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイ
ト)、バーミキュライト、雲母、緑泥石等で代表される
天然もしくは合成の層状粘土鉱物として知られている。
しかもこのマグネシウム元素を含有する2:1層の3八
面体型フィロケイ酸塩を主成分とする層状粘土鉱物(以
下本明細書では「本発明の層状粘土鉱物」と略記するこ
とがある)は一般に撥水性の傾向を示し、親油性的性質
を有する傾向にある。
【0010】近年の生活環境の多様化、高度化と共に、
公共施設、生産現場、工場、生活関連等の分野で使用さ
れる材料にも多様の機能性が求められ、耐熱、耐火、防
火、耐酸、耐塩水等の諸性質が充分付与されていること
が強く求められている。特に、有機物を主体とする材料
では、たとえ難燃性の付与はできても耐熱性、耐火性、
防火性等の耐性付与は不可能である。また、石膏、セメ
ント、コンクリート等の結晶性水を持つ化合物の材料で
は、これらは熱の暴露により容易に分解するため、耐熱
性、耐火性等が求められる材料にはならない。さらにま
た、水ガラス系のセメンティング材料や被覆材料では水
硬性であることから、固化体に細孔が生ずることは避け
られず、鉄やコンクリート等基材の防蝕用保護膜材料と
しての機能を十分に発揮することはできない。
【0011】しかし、耐候性、耐熱性、耐酸性に優れて
いるシロキサン結合[-(Si-O)-]を主鎖とする無機ポリマ
ーの形成が可能な水ガラスは、セメンティング材、成型
体、結着剤および塗料状被覆材等への応用研究が広く行
われている。ケイ酸アルカリを原料にシロキサン結合の
無機ポリマーを形成させる硬化生成機構として、気乾
型、水硬型および反応型の三種が知られている。この中
で一般に応用されているのは反応型である。この反応型
ではケイ酸アルカリ液に硬化剤を添加するか、もしくは
加温することにより、含有するシラノール基が脱水縮合
反応を起こしシロキサン結合の無機ポリマーを形成す
る。
【0012】一般に水ガラス系セメンティング材料で
は、ケイ酸アルカリ液を主成分とするのり剤と固体酸触
媒を主成分とする硬化剤との二者が主要構成材料であ
り、必要に応じて各種の機能性填料(充填剤、補強剤、
顔料、骨材等)が配合された三者により構成されてい
る。したがって、施工に際してはこの二者もしくは三者
を混合して施工しやすい塗料状、ペースト状もしくはモ
ルタル状に調製してから目的場所で常温もしくは加熱下
に施工して、シロキサン結合による無機ポリマー固化体
を生成させて目的商品を完成させている。しかし、これ
らの水ガラス系セメンティング材料の従来技術では、施
工性と固化体の諸物性早期発現のバランスが悪い傾向に
あり、この点の改良研究が盛んに行われてきた。特に配
合される硬化剤ならびに改質剤を中心に多くの研究が行
われており、様々な改良が提案されている。
【0013】これらの研究成果は”無機系接着剤”[ 日
本接着協会誌 12 394 (1976)] に整理されて報告されて
いる。自硬性タイプのケイ酸アルカリ組成物として米国
特許2662022号明細書(1953)があり、水ガラスによる耐
酸モルタルとしてケイフッ化ソーダーを硬化剤とする例
(窯協 69 284(1961) が知られており、変性水ガラスと
無機質リン酸塩の組み合わせから成るセメンティング組
成物としては、特公昭53- 109558号、 特公昭56- 6387
号、 特公昭68-58306号、 特開昭57-32277号の各公報が例
として挙げられる。
【0014】しかし、水溶性ケイ酸アルカリより生成し
たシロキサン結合の無機ポリマー固化体は、時間の経過
と共に担持されていた固化体中水分が揮散し、その水分
の抜けた後が細孔を形成する。この細孔は液体や気体の
通過可能な道筋となるため、固化体中を液体や気体が自
由に透過もしくは通過することになる。その結果、ケイ
酸アルカリ材料を保護膜にした鉄やコンクリート等の各
種基材を厳しい環境条件に暴露する時は、その保護膜と
しての機能を維持することができずにいる。また、この
ような細孔が製品固化体表面に生成すると、製品表面の
地肌はザラザラした状態となって艶がなくなり、商品価
値を低下させてしまう。しかも固化体表面の細孔には埃
やゴミ等が沈着付着しやすく、固化体の表面状態をさら
に悪化させ、商品価値をさらに低下させることになる。
【0015】こうしたことから、ケイ酸アルカリに有機
系化合物を複合化させ、液体や気体の透過性を防止する
試みも種々行われてきた。しかし、一般にケイ酸アルカ
リ溶液と有機系化合物とは水と油の関係にあり、相互の
相溶性や混合性に乏しく、均質な材料となり難い。ま
た、有機系化合物でポリマーを形成する有機樹脂類等で
は、ケイ酸アルカリとの硬化機構が異なることから、ケ
イ酸アルカリと有機系化合物とを一体化した固化体とし
て形成させることが難しい。また、ケイ酸アルカリは強
アルカリ性であるため、ケイ酸アルカリに有機化合物を
複合化させるためには耐アルカリ性に強い有機化合物を
選ばなければならない。
【0016】さらにまた、ケイ酸アルカリのケイ酸は活
性な化合物と接触すると、容易にゲル化を起こす傾向に
ある。したがって、ケイ酸アルカリ液をモルタル等の材
料として施工しようとする時は、作業可能な流動性ある
液状態を一定時間維持できる必要がある。このように作
業性の面からは、ケイ酸アルカリの水硬性セメンティン
グ材料には、容易にゲル化を誘発するような活性物質の
配合には充分注意する必要がある。
【0017】一般にケイ酸アルカリをゲル化させる化合
物は無機化合物に限定されるものでなく、有機化合物も
同じで、例えば本発明で用いるオルガノシロキサンやア
ルコール類も単純にケイ酸アルカリ液に接触させると直
ちにケイ酸アルカリをゲル化させてしまう。この場合、
ケイ酸アルカリだけでなくオルガノシロキサンのケイ酸
も沈殿ゲル化する傾向にある。以上のような現状から、
ケイ酸アルカリ液を原料とするセメンティング材料を実
用現場で使用した今日的実績例は少なく、現実には実用
現場での試験施行を行った程度に留まっている。ケイ酸
アルカリ液をセメンティング材料として汎用実用化して
いく技術の完成は未だ遠い状態にある。
【0018】
【発明が解決しようとする問題点】上述したように、セ
メンティング材、成型体、結着剤および塗料状被覆材等
に応用されるケイ酸アルカリ溶液を従来技術で硬化させ
ると、硬化固化体中に包含されてる水分は時間の経過と
共に揮散し、その水分揮散の後は細孔を形成する。この
細孔は液体や気体の通過道となり、固化体の透過性は避
けられない。したがって、従来技術で硬化させたケイ酸
アルカリの固化体では、その固化体自身は諸耐性を有し
ていても、コーティング材として基材等を環境条件から
保護する目的で使用した場合、細孔を有しているがため
に目的とする保護膜機能を有効に発揮することができな
い状態にある。
【0019】また、上記の問題点を解消するためにケイ
酸アルカリと有機化合物との複合化も種々試みられてい
る。しかし、ケイ酸アルカリと有機化合物とは水と油の
関係にあることから相互の相溶性に乏しく、一体化した
複合体は得られていない。しかも、アルカリ性の強いケ
イ酸アルカリ溶液中に液状の有機化合物等の油状物質を
エマルジョン状態で安定して分散させる方法はない。ま
た、仮にケイ酸アルカリ溶液中に油状物質を均質分散さ
せることができたとしても、これから生成させた固化体
中で油状物質が安定に均質分散している保証はない。事
実、固化体中の油状物質はブリードしたり、分離してく
る傾向にある。したがって、油状物質をケイ酸アルカリ
から生成する固化体中に均質に固定化する手段は見出さ
れていない。
【0020】そこで、本発明の目的は、液体や気体の耐
透過性が改善されたシロキサン結合を主鎖とする固化体
生成を可能にするケイ酸アルカリ組成物を効果的に提供
することにある。本発明の他の目的は、特定されたオル
ガノシロキサン液を有するケイ酸アルカリ組成物を硬化
させることによって、生成するシロキサン結合のポリマ
ー固化体に優れた耐透過性、緻密性、撥水性、密着性、
固化体強度等を付与せしめ、特に各種基材の保護膜材料
として多様で高度な社会ニーズに応える製品を製造可能
にすることにある。
【0021】本発明者等は、従来のケイ酸アルカリ系セ
メンティング材が有する上述した各種問題点を解消し、
目的とするシロキサン結合のポリマー固化体を得るため
に鋭意研究を重ねた。その結果、ケイ酸アルカリ液とオ
ルガノシロキサン液とを複合化させる時に、ゲル化や分
解等のトラブルを起こすことなく均質液状体の有機ケイ
素基複合ケイ酸アルカ組成物が維持できる条件を見出し
た。次いで、この有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリを硬
化させる時に、施工作業性を損なうことなく、シロキサ
ン結合のポリマー固化体に緻密性と撥水性を付与せし
め、生成固化体中を液体や気体が通過する透過性を極度
に防止し得る条件を見出した。
【0022】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、式 M
2O・xSiO2・yH2O (式中M はアルカリ金属、x は1 ないし
4 のモル数、y は10ないし40のモル数)で表わされるシ
ロキサンシラノールオリゴーマーの部分アルカリ金属塩
溶液であるケイ酸アルカリ液 100重量部に対し、有機ケ
イ素基が0.05ないし50.0重量%とアルコキシル基が0.05
ないし80.0重量%とアルコール基が0.01ないし20.0重量
%の範囲で主成分として、必要により層状粘土鉱物の分
散剤が配合されているオルガノシロキサン液が 0.1ない
し30.0重量部の範囲で複合された有機ケイ素基複合ケイ
酸アルカリ組成物が提供される。
【0023】また本発明によれば、本発明の有機ケイ素
基複合ケイ酸アルカリ組成物に、必要に応じて無機のリ
ン酸塩化合物で代表される無機質硬化剤を0.2 ないし30
重量%の範囲で配合して、常温ないし220 ℃の温度範囲
で脱水縮合させてシロキサン結合を主鎖とする無機質ポ
リマーを生成させることにより、セメンティング材、成
型体、結着剤および塗料状被覆材等の固化体としての用
途に好適な材料を提供される。
【0024】さらにまた本発明によれば、本発明の有機
ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物に、必要に応じて無
機質硬化剤を配合し、さらに必要に応じて充填剤、補強
剤、ケイ酸塩、界面活性剤、顔料、着色剤、骨剤より選
ばれた機能性填料が0.01ないし800 重量%の範囲でそれ
ぞれ配合して、常温ないし220 ℃の温度範囲で脱水縮合
させてシロキサン結合を主鎖とする無機質ポリマーを生
成させることにより、それぞれの機能性を発揮したセメ
ンティング材、成型体、結着剤および塗料状被覆材など
に好適な固化体を提供される。
【0025】さらにまた本発明によれば、本発明の有機
ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物に、必要に応じて無
機質硬化剤を配合し、さらに必要に応じて機能性填料を
配合した組成物に、さらなる充填剤として水ないしアル
カリ性溶液に可溶なケイ酸アルカリ粉末を配合する時
は、ケイ酸濃度が高濃度に調製された組成物が得られ、
高強度の無機質ポリマーの固化体が得られセメンティン
グ材、成型体、結着剤および塗料状被覆材などに好適な
材料を提供される。したがって、本発明における固化体
とは、セメンティング材、成型体、結着剤および塗料状
被覆材など用途材料を意味する。
【0026】さらにまた本発明によれば、必要に応じて
層状粘土鉱物の分散剤が配合されているオルガノシロキ
サン液を予め10ないし80℃で0.5 時間以上の条件下で均
質液状態を維持する熟成工程(A) と、該熟成液をケイ酸
アルカリ液に加えて10ないし95℃で0.5 時間以上条件下
で均質液状態を維持する複合化工程(B) とを順次行うこ
とを特徴とする有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物
の製造法が提供される。
【0027】
【作 用】本発明の重要な技術的特徴は、水系のケイ酸
アルカリ液と油系のオルガノシロキサン液とを予め複合
させてから均質なシロキサン結合のポリマー固化体を生
成させることにより、この時の生成固化体から水分揮散
後に発生する細孔を抑制させ、気体や液体の透過性を減
少せしめた固化体とし、例えば、各種基材に有効な保護
膜形成等が可能な応用材料とすることにある。
【0028】しかるに、一般に水系液体と油系液体とを
接触させると、液の比重や表面張力等の物性差から相溶
性がなく二液分離を起こし、均質な混合液状態を得るこ
とはできない。このような二液分離現象は本発明で用い
るケイ酸アルカリ液とオルガノシロキサン液とを単純に
混合した場合も同じである。また、一般に活性な化合物
がケイ酸アルカリ液やオルガノシロキサン液に接触する
と、その液中で化学反応が起り、ケイ酸もしくはケイ酸
塩の沈殿物やゲル状物が生成してくる。その結果、均質
な液状体を得ることはできない。このような沈殿物やゲ
ル状物の生成現象は、本発明で用いるケイ酸アルカリ液
とオルガノシロキサン液とを単純に混合した場合も同じ
である。
【0029】したがって、一般に二液分離の現象に対し
ては、界面活性剤等の活性剤を添加することによって水
−油の間にミセル化現象を起こさせ、二液の均質液状化
を可能にしている。しかし、本発明で用いる水系液体
は、pHで10以上を示す強アルカリ性で、しかも容易にゲ
ル化を起こすケイ酸アルカリである。したがって、市販
一般の界面活性剤等の活性剤では強アルカリ性のケイ酸
アルカリに接すると直ちに分解したり、あるいは沈殿も
しくはゲル状物質の生成があり、界面活性剤としての役
割を果すことができず、均質な液状体を得ることができ
ない。
【0030】また、本発明で用いる有機系シロキサン化
合物に含有しているアルコキシル基は、一般に水や無機
化合物と接触すると容易に加水分解を起こし、沈殿物や
ゲル状物を生成させる傾向にある。また、本発明で用い
る有機系シロキサン化合物がケイ酸アルカリの水を吸収
脱水させたり、添加される硬化剤をカプセル化等により
不活性化させてしまう傾向にある。このため、必要なシ
ロキサン結合によるポリマー化が阻害されてしまい、本
発明の目的を達成させることができない。また、ケイ酸
アルカリにゲル状もしくは固体状の有機物を単純に混合
したのでは、生成固化体の水分揮散後の細孔を補填埋没
させることができないばかりでなく、一般にケイ酸アル
カリの固化体は有機化合物との密着性に乏しく、高強度
を有するポリマー固化体を得ることはできない。
【0031】本発明においては、有機ケイ素基、アルコ
キシル基、アルコール基を主成分とし、必要に応じて本
発明の層状粘土鉱物の分散剤が配合されたオルガノシロ
キサン液を、10ないし80℃で0.5 時間以上の条件下で均
質液状体を維持する熟成工程(A) に予め付することが技
術的に重要である。
【0032】一般に、オルガノシロキサン液とケイ酸ア
ルカリ液とを混合接触させると、上述したように、この
混合物中に沈殿物やゲル状物の生成が見られ、また二液
分離状態となり、均質な混合状態を得ることはできな
い。本発明においては、有機ケイ素基とアルコキシル基
とアルコール基とを主成分とし、必要に応じて層状粘土
鉱物の分散剤が配合されたオルガノシロキサン液を熟成
工程(A) に付して充分な熟成を行うことによって、ケイ
酸アルカリ液との混合状態において、沈殿物やゲル状物
の生成、さらに二液分離現象等の変化を見ることなく、
均質な混合液状態を調製することが可能であることを見
出した。
【0033】以上のように、オルガノシロキサン液とケ
イ酸アルカリ液との均質液状体生成が可能となる理由に
ついては定かでない。しかしながら、実際、熟成工程
(A) を行うことによって生成混合液に二液分離やゲル状
物生成が起きないことから、熟成工程(A) では次のよう
な変化が起きているものと思われる。即ち、本発明のオ
ルガノシロキサン液を熟成することにより、アルコキシ
ル基が多価になっているアルコール基によりブロックさ
れ、アルコキシル基によるケイ酸アルカリのゲル化を抑
制しているものと思われる。
【0034】しかも、この熟成時にメチルアルコール等
のアルコール発生が確認されていることから、オルガノ
シロキサン液のアルコキシル基の一部が加水分解して脱
アルコール縮合が起り、有機ケイ素基を末端に持つシロ
キサン結合の幾分かの縮合により高分子状を呈してお
り、アルカリによる加水分解を幾分かでも抑制し得る状
態にあるものと思われる。
【0035】さらに本発明において重要なことは、熟成
工程(A) において、マグネシウム元素含有2:1層の3
八面体型フィロケイ酸塩を主成分とする層状粘土鉱物の
分散剤をオルガノシロキサン液組成物に予め配合してお
くことにある。このことによって、本発明の層状粘土鉱
物が有する撥水性と親油性的性質と共にアルカリ金属成
分を含有する水溶液への相溶性二面性が、水系物質と油
系物質の間を取り持つ界面活性剤的役割を果たし、続い
て行うケイ酸アルカリ液とオルガノシロキサン液との複
合化工程をより安定に、より効果的に達成し得ることを
見出した。
【0036】本発明でさらに重要なことは、予め熟成調
製されたオルガノシロキサン液とケイ酸アルカリ液との
混合均質液状体を、10ないし95℃で0.5 時間以上の条件
下で均質液状体を維持する複合化工程(B) に付すること
にある。この複合化工程(B)よって、両者が均質液状体
に複合化された本発明のケイ酸アルカリ液組成物の調製
を可能にする。したがって、次いで行うケイ酸アルカリ
液組成物を硬化反応に付した時もオルガノシロキサンが
均質に複合固定化された固化体の生成が可能であり、耐
透過性の改善され本発明が目的とする諸物性の付与され
たケイ酸アルカリ組成物の固化体を得ることができる。
【0037】もし、オルガノシロキサン液とケイ酸アル
カリ液との均質液状体の複合化工程(B) を行うことな
く、単なるオルガノシロキサン液とケイ酸アルカリ液と
の混合物を固化体生成条件に付しても、均質な一体化し
た固化体の生成は望めず、本発明が求めているような目
的の固化体の生成を完成することはできない。
【0038】本発明によれば、熟成工程(A) で調製され
たオルガノシロキサン液とケイ酸アルカリ液との均質な
混合液状体を、10ないし95℃で0.5 時間以上の条件下に
維持する複合化工程(B) では、この混合液状体に二液分
離やゲル状物生成が起きないことから、予め熟成された
オルガノシロキサン液とケイ酸アルカリ液の間で次のよ
うな反応による変化が起きているものと思われる。
【0039】即ち、本発明のオルガノシロキサン液の熟
成により生成した有機ケイ素基を末端に持つシロキサン
結合の高分子状縮合物は、分子内における極性が強く、
ケイ酸アルカリのシラノールシロキサンとの間で脱水縮
合が起ると、同じシロキサン結合形態であることから、
結果的にオルガノシロキサンの有機ケイ素基がケイ酸ア
ルカリのシロキサン結合内に組み入れられた形態を作り
やすく、液全体のミセル化的分散を可能にし、液状の有
機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物を有効に生成させ
ることが可能になるものと思われる。
【0040】しかも、オルガノシロキサン液に予め本発
明の層状粘土鉱物が配合されている時は、その層状粘土
鉱物の界面活性剤的性質が有効に作用して、オルガノシ
ロキサン液とケイ酸アルカリ液との複合化反応をゲル化
や加水分解、さらに二液分離等のトラブルなく安定して
進行させることができる。したがって、このケイ酸アル
カリ組成物が硬化反応に付されて生成する固化体では、
複合化されているオルガノシロキサン液が固化体からブ
リードしたり、分離したりする現象を示さず、固化体中
に安定して結合担持されており、本発明の目的を容易に
達成する。
【0041】さらにまた、本発明において重要なこと
は、本発明による液状有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ
組成物が、硬化剤を添加することなく80ないしは220 ℃
の加熱条件下で脱水縮合させるか、硬化剤の添加により
常法で硬化させことにより、シロキサン結合を主鎖とす
るポリマー固化体を良好に生成させることができること
にある。しかも、有機ケイ素基が複合されていることか
ら、固化体中の液体や気体の耐透過性が改善され、緻密
性ならびに撥水性が付与され、社会ニーズに応える材料
の製造が可能となるところにある。
【0042】実際、後述する実施例および比較例に示さ
れるように、本発明の液状有機ケイ素基複合ケイ酸アル
カリ組成物をリン酸ホウ素等の硬化剤を用いて塗料状被
覆材として鉄板等に塗布し、その塗膜の外観ならびに水
浸透性等の試験結果を比較検討すると、比較例に比べ
て、本発明の実施例結果に明らかな優位性があることが
容易に認められる。
【0043】本発明の有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ
組成物を常温ないし220 ℃の温度範囲で脱水縮合させて
シロキサン結合を主体とするポリマーの生成は、常法と
同様に無機のリン酸塩化合物で代表される無機質硬化剤
を0.2 ないし30重量%の範囲で均質配合することによっ
て容易に達成される。しかしこの時重要なことは、オル
ガノシロキサン液がケイ酸アルカリ液との充分な複合化
が達成されていないと、無機質硬化剤をオルガノシロキ
サンが表面コーティングした状態を形成して硬化活性を
損ない、本発明の目的を達成することができない。
【0044】本発明の有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ
組成物と無機質硬化剤とでシロキサン結合を主鎖とする
無機質ポリマー固化体を生成させる時に、生成する無機
質ポリマー固化体の諸耐性、諸物性、機能性、作業性等
を改善・向上させるために、必要に応じて、各種の充填
剤、補強剤、ケイ酸塩、界面活性剤、顔料、着色剤、骨
剤等の機能性填料を0.01ないし800 重量%の範囲でそれ
ぞれ選んで配合することが好適である。この場合の機能
性填料の適応性は、簡単な予備実験を試みることによっ
て容易に判断することができる。
【0045】特に、本発明の組成物からシロキサン結合
を主鎖とする固化体を生成せしめる時に、充填剤とし
て、水ないしアルカリ性溶液に可溶なケイ酸アルカリの
粉末を選び配合しておくことは、本発明組成物の作業性
を損なうことなく、組成物中のケイ酸濃度を高濃度に維
持することが可能となり、生成した固化体の緻密度をさ
らに向上させ、強度等の物性に改善される上で好適であ
る。
【0046】
【発明の具体的説明】本発明のケイ酸アルカリは、式M2
OxSiO2・yH2O(式中M はアルカリ金属、x は1 ないし4
のモル数、y は10ないし40のモル数)で表わされるシロ
キサンシラノールオリゴマーの部分的アルカリ金属塩溶
液であることが好ましい。このうちでも、アルカリ金属
がナトリウムもしくはカリウムであるケイ酸アルカリが
工業的に安価であり、入手容易であることから好まし
い。また、固化体に求められる諸物性で、早期耐水性発
現ならびに白化(固化体が白くボケてくる現象)防止を
期待するときはカリウム系が良好であり、一方、固化体
強度を期待するときはナトリウム系が良好である。
【0047】以上の点から、選ばれるアルカリ金属種
は、目的とする固化体に求められる物性に応じて、一種
または二種以上の組み合わせで用いることが好ましい。
上記式のモル数x が1 より小さい時はアルカリ濃度が高
すぎて、シロキサン結合による固化体生成がうまく進ま
ない。また、モル数x が4 より大きい時はシリカ濃度が
高すぎて、ケイ酸アルカリの液状態を安定に維持するこ
とが難かしい。上記式のモル数y が10より小さい時は、
ケイ酸アルカリは結晶化する傾向にあり安定な液状態を
望めない。また、モル数y が40より大きい時は、ケイ酸
アルカリのシリカ濃度が低下し、生成固化体強度等の諸
物性に希望する値が望めない。
【0048】さらに本発明においては、ケイ酸アルカリ
ののり剤としての物性、例えば消泡性、流動性、可使時
間などの改善のため、また作業性向上のために、アルコ
ールル類、グリセリン、界面活性剤等や、またホウ酸塩
のナトリウム、カリウム、亜鉛等、さらにケイフッ化物
のアルカリ金属塩等の化合物が配合された変性ケイ酸ア
ルカリ溶液組成物を使用することも可能である。また、
本発明の目的を損なわない範囲で、作業性ならびに固化
体の諸物性を改善するために、その他の無機化合物や有
機化合物が添加、配合されることは任意に可能である。
【0049】本発明で用いるオルガノシロキサン液は、
R・Si-(R は一価炭化水素基)で示される有機ケイ素基を
0.05ないし50.0重量%とアルコキシル基を0.05ないし8
0.0重量%とアルコール基を0.01ないし20.0重量%の範
囲で主成分とする三成分から構成されている均質液状体
にあらかじめ調製されていることが重要である。該オル
ガノシロキサン液の調整に際しては、それぞれの基を有
する各有機化合物を原料に選ぶことによって可能であ
る。
【0050】本発明のオルガノシロキサン液の有機ケイ
素基(R・Si-)は、R が一価炭化水素基であることが好ま
しい。一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、等のアルキル基:ビニル基、アリル基、ブ
タジエニル基等のアルケニル基:フェニル基、キセニル
基、ナフチル基等のアリール基:シクロヘキシル基等の
シクロアルケニル基:ベンジル基等のアルアルキル基:
トリル基、キシリル基等のアラルアリール基などおよび
その置換体が例示される。各R 基は1種または2種以上
の組み合わせでも良い。特にアルキル基、アルケニル基
もしくはアリール基の場合が好適である。
【0051】本発明のオルガノシロキサン液のアルコキ
シル基は、-O・CnH2n+1の示性式(式中n は1ないし6の
数)で表わすことができ、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロキシ基等を例示することができる。
【0052】本発明のオルガノシロキサン液の原料とし
ては、有機ケイ素基にアルコキシル基が結合した一般的
オルガノシロキサン化合物から上記の条件を満足する化
合物を選ぶことができる。このような化合物として、メ
チルトリメトキシシランやメチルトリエトキシシラン、
さらにフェニルトリメトキシシラン等が一般に製造、販
売されている。しかし、これらオルガノシロキサンを単
品でケイ酸アルカリ液に混合等の方法で接触させたので
は、その混合物は容易にゲル化を起こし、本発明の特徴
である均質液状体を得ることが出来ず、本発明の目的に
は適さない。
【0053】また、本発明で有効なオルガノシロキサン
として、下記一般式(1) (式中 R1 は水素原子もしくはC1からC5のアルキル基あ
るいはアシル基、R2ないしR6はそれぞれが水素原子、 O
R1基、一価炭化水素基より選ばれた同一もしくは異なる
基、n は15より小さい数)で表わされる低分子量のポリ
オルガノシロキサンがケイ酸アルカリ液と接触した時に
ゲル化や沈殿物を生成することなく、有効にしかも好適
に使用することができる。
【0054】また、本発明においては、SiO2濃度が40重
量%以上であるアルキルシリケイトとしてメチルやエチ
ルのシリケイトのオリゴマーをアルコキシル基の調整
剤、希釈剤もしくはブロッキング剤として使用すること
が好ましい。特に上記のポリオルガノシロキサンを用い
る時は、有機基やアルコキシル基に対してSiO-成分を高
濃度で得られることから、本発明のオルガノシロキサン
液として好適である。
【0055】本発明のアルコール基は、複数の-OH 基を
有しる多価のアルコールであることが、ケイ酸アルカリ
をゲル化させないために有効で、その例としてエチレン
グリコール、ピナコール、ポリメチレングリコール、グ
リセリン、ペンタエリスリトール、ヘキシトール等を挙
げることができ、特にグリセリンは安価であり、オルガ
ノシロキサンに分散容易であることから好適に使用され
る。これに対して、メチルアルコールやエチルアルコー
ルなどの一価のアルコールは、ケイ酸アルカリをゲル化
させてしまうことから好ましくない。
【0056】本発明のオルガノシロキサン液において、
主成分の有機ケイ素基、アルコキシル基、アルコール基
の量割合は、目的とするケイ酸アルカリ組成物に求めら
れる物性に応ずるが、必要であれば簡単な予備実験を行
うことによって決定することができる。基本的には低分
子量のポリオルガノシロキサンをベースとして、メチル
トリメトキシシランやフェニルトリメトキシシラン、ア
ルキルシリケイト等を原料として、その組成の量的割合
を調整することができる。
【0057】本発明で用いるオルガノシロキサン液中の
有機ケイ素基の含有量が0.05重量%より少ない時は、目
的とする組成物中での有機ケイ素基の撥水性等の効果が
減少し、撥水性等の特性が発揮されない。一方その含有
量が50.0重量%より多くなると有機ケイ素基の油性とし
ての性質が強くなり、ケイ酸アルカリとの相溶性が損な
われ、均質な液状態の生成が達成されない傾向にある。
【0058】本発明のオルガノシロキサン液の一成分と
して、上述して条件を満足する範囲で、所謂シラン化合
物を各種選択することは可能である。この場合、上述し
たオルガノシロキサン液中に、本発明の三成分以外の有
機ケイ素基含有化合物や一般有機化合物が50重量%以下
の量で含有されても、本発明組成物の特徴を失なわない
限り有効である。
【0059】本発明のオルガノシロキサン液中のアルコ
キシル基の含有量が0.05重量%より少ない時は、アルコ
キシル基の加水分解による縮合が少なくなり、ケイ酸ア
ルカリ液とオルガノシロキサンとの均質混合が達成され
ない。しかも、オルガノシロキサン液中で占める有機ケ
イ素基が多くなり、撥水効果等が強すぎて、塗布等の施
行作業性が損なわれる傾向が生じる。一方、その含有量
が80.0重量%より多くなると、アルコキシル基の濃度が
向上することから加水分解を起こしやすく、またケイ酸
アルカリとの混合時にケイ酸分がゲル化し、本発明が目
的とする組成物を得ることができない。
【0060】本発明で用いるオルガノシロキサン液中の
アルコ−ル基の含有量が0.01重量%より少ない時は、ア
ルコキシル基をブロックする効果に乏しく、ケイ酸アル
カリ液をゲル化させてしまう傾向にあり有効でない。一
方含有量が20.0重量%より多くなるとアルコール自身が
ケイ酸アルカリ液をゲル化させてしまう傾向にあり、本
発明の目的を達成することができない。
【0061】本発明で用いる分散剤としての層状粘土鉱
物は、金属成分が実質上マグネシウム、ナトリウムおよ
びケイ素を必須成分とし、必要によりアルミニウム、フ
ッ素およびリチウムを配して構成され、2つのSiO4四面
体層の間にマグネシウム元素を主成分とする八面体層が
挟まれた三層構造で形成されている2:1層の3八面体
型フィロケイ酸塩を選ぶことが好適である。2:1層の
3八面体型フィロケイ酸塩の代表例としては、天然もし
くは合成のタルク、スメクタイト(スチブンサイト、サ
ポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト)、バーミキュ
ライト、雲母、緑泥石等の精製粉末を挙げることができ
る。
【0062】本発明では、以上の代表例として挙げた
2:1層の3八面体型フィロケイ酸塩を主成分とする精
製粉末はいずれもオルガノシロキサン液とケイ酸アルカ
リ液との混合分散剤として好適に使用することができ
る。特にタルクの精製粉末は撥水性で親油性的性質を示
し、安価であり、入手容易であることから本発明の分散
剤として好適である。
【0063】本発明の層状粘土鉱物分散剤は、予めオル
ガノシロキサン液中に配合され、層状粘土鉱物が非水系
のオルガノシロキサンとまず充分馴染んでいることが重
要である。層状粘土鉱物分散剤を水系のケイ酸アルカリ
溶液と接触させてから非水系のオルガノシロキサンと混
合しても、配合した層状粘土鉱物に有効な分散剤効果を
期待することはできない。
【0064】以上の組成条件を満たし、必要に応じて本
発明の層状粘土鉱物分散剤が配合されて熟成されたオル
ガノシロキサン液は、ケイ酸アルカリ液100 重量部に対
して0.1ないし30.0重量部、好ましくは0.2 ないし20.0
重量部の範囲で配合されることが好適である。その配合
量が0.1 重量部より少ない時は、目的組成物において有
機ケイ素基複合の効果、つまり、耐透過性の改善効果が
有効に発揮されない。一方その配合量が30.0重量部より
多い時は、均質なケイ酸アルカリ組成物が得られず、二
液分離が発生したり、ケイ酸がゲル化したりし、またそ
の固化体が油っぽくなり商品価値を低下させる傾向にあ
り、好ましくない。
【0065】本発明のオルガノシロキサン液は、上述し
た3成分の基が所定割合になるように配合され、必要に
応じて本発明の層状粘土鉱物分散剤が配合されてた後
に、10ないし80℃の範囲で、0.5 時間以上の条件下で均
質液状体を維持する熟成工程(A) に付されることによ
り、該オルガノシロキサン液はケイ酸アルカリ液と混合
された時にも二液分離やケイ酸のゲル化等のトラブルを
起こさず、目的とする液状均質組成物を調製することが
可能となる。この熟成を10℃未満で行うと、ブロッキン
グ作用が充分に達成されず、ケイ酸アルカリ液との混合
時にゲル化等のトラブル発生を免れない。
【0066】また、熟成を80℃を超える温度で行うと、
オルガノシロキサンの蒸気圧が高くなると共に、一部オ
ルガノシロキサンが変質してくる傾向があり好ましくな
い。オルガノシロキサン液のブロッキング作用は温度に
よる律速は小さく、時間に律速される傾向にあり、常温
で行うことが好ましい。この時の熟成時間は、予めの予
備実験により0.5 時間以上の適切な時間を決めることが
できるが、一般に常温で24時間放置することによって十
分な熟成が達成される。
【0067】予め調製されたオルガノシロキサン液とケ
イ酸アルカリ液とを複合化する時、その混合物が均質液
状体で得られるためには、10ないし95℃の範囲の中で0.
5 時間以上の条件下で均質液状体を維持する複合化工程
(B) に付されることが重要である。複合化工程(B) を10
℃より低温で行うと複合化の進捗が遅く、また95℃を超
える温度ではケイ酸アルカリの脱水によりゲル化する傾
向にある。以上の観点から、この場合も常温で24時間を
要して複合化工程を進めることが安全であり、好まし
い。
【0068】以上の熟成工程ならびに複合化工程におい
て、均質液状体を維持する方法としては、原料液の接触
面積を可能な限り拡大するために、常法の撹拌機による
かきまぜ、シェーキングによる振盪、高速循環による混
合、細かい気泡押し込みによるかき混ぜ等、当業界で通
常用いられる混合かき混ぜ方法を適宜選択して用いるこ
とが好適である。また、熟成工程ならびに複合化工程
は、減圧もしくは加圧等の条件下で行うことも可能であ
る。
【0069】本発明の有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ
組成物は、常温もしくは加熱下に硬化させることによっ
て、透過性の改善されたシロキサン結合を主体とするポ
リマー固化体を生成させることできる。その結果、本発
明の有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物は、各種の
成型体、結着剤、バインダー、造膜形成剤等の分野でニ
ーズの高い有用な用途に応用することが可能となる。特
に、有機質材料や含水結晶化合物をマトリックスとす
る、石膏、セメント等の材料では得られなかった耐熱、
耐火、防火、耐酸、耐塩水等の高度な諸耐性が求められ
るセメンティング材、結着剤および塗料状被覆材等の分
野でその特徴を存分に発揮することができる。
【0070】本発明の有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ
組成物を硬化させる方法として、硬化剤を添加すること
なく、80ないし220 ℃の加熱によりシロキサン結合の脱
水縮合を促進させることにより固化体を形成させる方法
も可能であるが、無機質硬化剤を0.2 ないし30重量%の
範囲で適量添加することにより、常温でシロキサン結合
をポリマー化させて固化体を形成させる方法が応用範囲
も広く、しかも常温での硬化が可能であることから、よ
り有効である。
【0071】用いる硬化剤として好適な例を挙げれば、
酸化物(ZnO、MgO、 CaO、Al2O3 等)、水酸化物(Mg(OH)2、 Al
(OH)3 等)、フロロケイ酸塩 (Na2SiF6、 K2SiF6、BaSiF
6等)、リン酸塩(Ca3(PO4)2、Mg2P2O7・8H2OAlPO4、Al(H2
PO4)3、 Zn3(PO4)3、SiP2O7、 BPO4等)ケイ酸塩( Al2O3・n
SiO2、MgO・nSiO2 等)等の微粉末の天然品、合成品、精
製品、焼成品の単独もしくは2 種以上の組み合わせがあ
る。以上の硬化剤の中でも、無機のリン酸塩化合物であ
るリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、リン酸ホウ素、リ
ン酸ケイ素等の微粉末が施行時の作業性や生成した固化
体の物性発現上好適である。
【0072】また、本発明においては、生成固化体に求
められる機能性、施工性、用途目的等に応じて充填剤、
補強剤、ケイ酸塩、界面活性剤、顔料、着色剤、骨材等
の機能性填料を適宜配合使用することができる。これら
の填料は、作業性や諸物性を損なわない範囲、例えば、
0.01ないし 800重量%の量割合で、単独もしくは2 種以
上の組み合わせで適宜添加使用することができる。
【0073】特に、本発明の有機ケイ素基複合のケイ酸
アルカリ組成物に配合される充填剤として、水ないしア
ルカリ性溶液に可溶なケイ酸アルカリ粉末を選ぶ時は、
ケイ酸分濃度が高濃度に調製された組成物が得られ、高
強度で緻密な無機質ポリマーの固化体が得られるので好
適である。
【0074】この時選べる水ないしアルカリ性溶液に可
溶なケイ酸アルカリ粉末としては、式M2OxSiO2・yH2O
(式中M はアルカリ金属、x は1 ないし10のモル数、y
は24以下のモル数)で表わされる固体のシロキサンシラ
ノールオリゴマーの部分的アルカリ金属塩で、水ないし
アルカリ性溶液に可溶な塩類であればいずれも使用する
ことができる。このうちでも、アルカリ金属がナトリウ
ムもしくはカリウムであるケイ酸アルカリの粉末が工業
的に安価であり、入手容易であることから好ましい。し
かし、選ばれるアルカリ金属種は、目的とする固化体に
求められる物性に応じて、一種または二種以上の組み合
わせで用いることも可能である。
【0075】以下に、本発明で用いられる機能性填料の
一例を示す。充填剤およびケイ酸塩としては、ステンレ
ス、シリコンや鉄等金属および合金の粉末、炭化ケイ素
粉末、窒化ケイ素粉末、ガラス粉末、陶磁器粉末、ダイ
ヤモンド粉末、酸化ケイ素(硅砂粉、硅石粉末、シリカ
粉末、シリカヒューム等)、溶融アルミナ粉末、マグネ
シヤ粉、炭酸カルシウム、ジルコンサンド、各種粘土
(ベントナイト、スメクタイト、ガイロメ、木節粘土等
の精製品)、焼成クレー(ボーキサイト、モンモリロナ
イト、カオリン等の焼成粉末)、石膏、リン酸カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、硫酸バリウム、フッ化アルミ
ニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ
酸バリウム、炭酸バリウム、水酸化バリウム、ケイ酸ア
ルミニウム、タルク、フライアッシュ等の粒度に配慮さ
れた粉末品もしくは使用目的に合わせてその粉末表面が
活性剤等で処理された充填剤やケイ酸塩を使用すること
ができる。
【0076】補強剤としては、雲母、アスベスト、フレ
ーク状金属粉や、ガラス繊維、ロックウール、天然鉱物
繊維、カーボン繊維等の無機質繊維や、金属繊維および
有機系繊維等のステーブル、織物、スライバー、網、ネ
ット、マット、織布、不織布等の繊維質補強材が使用で
きる。
【0077】界面活性剤としては、施工時組成物の分散
性、含浸性、消泡性、流動性、塗布性等の諸性能を改善
するために、作業性を損なわない範囲内で、各種シリコ
ン系もしくはチタン系カップリング材、各種界面活性
剤、石鹸類等を適宜添加配合することができる。
【0078】顔料および着色剤としては、二酸化チタ
ン、弁柄、酸化クロム、黄鉛、カーボンブラック、群青
等の無機質有色顔料、さらにシリカ系ホワイトカーボ
ン、アルミナ、酸化亜鉛、磁性酸化鉄、窒化ホウ素、各
種の粘土粉末等の無機質機能性顔料およびその表面処理
済顔料、耐アルカリ性処理のされた各種着色剤を使用す
ることができる。
【0079】骨材としては、各種の粒度分布ならびに形
状を有する硅石、硅砂、ロウ石、長石、シャモット、ム
ライト、アルミナ、ドロマイト、マグネシヤ、ジルコニ
ヤ、カルシヤ、ジルコン、炭素、黒鉛、炭化物、窒化物
等の耐熱耐火物の材料がボリウム材的骨材として使用す
ることができる。さらに、人工的に製造されたガラスビ
ーズ、ガラスフレーク、金属フレーク、パーライト、合
成軽量骨材、スラッグやフライアッシュ等の産業廃棄物
より粉末状もしくは顆粒状に成型された人工骨材等も使
用することができる。
【0080】以上の各種填料は、固化体の使用目的等に
合わせて、粒度構成、細孔容積、比表面積、吸水性等の
性状に充分配慮して粉砕、分級、混合、燒結、精製等の
施された材料を単独もしくは2 種以上の混合で使用する
ことが大切である。また、これらの填料の使用に際して
は、含有する水分に充分注意して取り扱う必要がある。
水を含んだ填料については、予め除去するか、コーティ
ングやシンタリング処理により吸水性を防止しておく必
要がある。
【0081】本発明の有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ
組成物のシロキサン結合を縮合ポリマー化することによ
って、セメンティング材、成型体、結着剤および塗料状
被覆材等にそれぞれ応用することができる。具体的に応
用し得る施工対象は、特に限定されるものではないが、
その一例を下記に示す。
【0082】セメンティング材や成型体としては、本発
明の組成物がポルトランドセメント等のモルタルに比べ
て流動性がよいことから、土木業界等で採用される軟弱
地盤への注入固化材として、また、鋳物用型の砂の固め
剤として、各種成型用型材の流し込み成型材料として、
また、床、炉、煙突、ボイラー、構造物等の新設材料と
して、また損傷箇所の補修材料として、さらにまた不定
形状もしくは特定な形状に成型された産業廃棄物、例え
ば、原子力発電所等から廃棄される放射性廃棄物等を処
理処分する注入固化材として有用に使用することができ
る。また、タンク、タワー、建造物等の構造物や装置類
のアンカー固定材として、建材その他の分野で求められ
ている発泡成形材として、また、上記した各分野での埋
め込みや可塑性パッチング材が求められる箇所での固定
セメント材としても有用に使用することができる。
【0083】結着剤としては、骨材、充填剤、窯業材
料、繊維質材料、研磨材、耐摩耗材、各種の無機化合物
等が配合されて、耐水、耐熱、耐火、防火、耐酸等の各
種ニーズに応える材料として、上記と同様の各種の材料
の固化材、加工材、接着剤、目地材、アンカー材等とし
て、化学工場、食品工場、メッキ工場、温泉場、食堂や
ホテル等の厨房、煙道、排水溝、建材、石材等に有用に
使用することができる。
【0084】塗料状被覆材としては、紙パルプ、鉄等金
属類、ステンレス等合金、コンクリート、セメント、岩
石、ガラス、大理石等の石材、石膏、陶器・磁器、セラ
ミックス、タイル、スラッグ、アスファルト、木材、繊
維等で構成されている部品、各種材料、構造物(例え
ば、床、壁、ブロック、煙道、煙突、炉および炉回り、
道路、トンネル、橋、建材、建造物等)、装置等の表面
に被覆や塗布の材料として、また、インゴット等のロッ
トマーキング材として、また織り物、成型体、構造物、
ハニカム体等への含浸材料として有用に使用することが
できる。さらにまた、上記の各箇所における補修、下地
処理、前処理、穴埋め材、仕上げ材、盛り付け材、耐ス
ベリ材等の材料として有用に使用することができる。
【0085】本発明の有機ケイ素基複合のケイ酸アルカ
リ組成物をセメンティング材、成型体、結着剤、塗料状
被覆材等に応用するため、液状、塗料状、ペースト状も
しくはモルタル状に混合調整する方法は、施工場所、目
的、条件等により自ずと異なるが、土木業界、建設業
界、セメント業界、コンクリート業界、塗料業界等の各
施工業界で一般に採用されている混合機、例えばモルタ
ルミキサー、撹拌機、混合機、ホモジナイザー等の中か
ら適宜選んで使用できる。
【0086】混合された塗料状、モルタル状、ペースト
状もしくは液状の施工材料は、それ自体公知の方法、例
えば、吹き付け法、スプレー法、ハケ塗り、ローラー
塗、コテ塗り、流し込み、盛り付け法、パッチング法等
の種々の施工法で目的と条件に合わせて施工することが
できる。本発明の組成物材料は、基本的に常温で施工し
て固化体を得ることが可能であるが、応用目的や施工条
件によっては、加温下、加熱下、加圧下、脱気下および
脱水下等何れの条件下でも施工が可能である。また、所
望により、減圧下、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気中で
施工することも可能である。また、ケイ酸アルカリに活
性である炭酸ガス雰囲気中での施工処理も可能である。
【0087】以上の可能性から、本発明の組成物を工場
のライン等で固化製品に仕上げる時には、固化製品を効
率よく短時間に仕上げるためにも、上記に示されている
条件の中から適宜目的にあった条件を選び、組み合わせ
て採用することができる。
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、熟成されたオルガノシ
ロキサン液を用いて均質で液状の有機ケイ素基複合ケイ
酸アルカリ組成物を予め調製しておくことによって、該
組成物を原料として耐透過性、緻密性、撥水性、密着
性、圧縮強度向上等の諸物性が付与されたシロキサン結
合を主体とするポリマー固化体の生成が可能となり、こ
の固化体生成機構をセメンティング材、成型体、結着
剤、造膜形成材等に応用することによって、耐熱、耐
火、防火、耐酸、耐塩水、耐透水性等の諸耐性を有する
多様で高度の社会ニーズに応える材料の製造が可能にな
った。
【0089】
【実施例】以下本発明を具体的実施例を以って、本発明
の製造(調製)法、組成物およびその応用について説明
する。 1. 「オルガノシロキサン液」の調整 オルガノシロキサン液の調合使用原料を表1に示す。
【0090】オルガノシロキサン液の配合内容を表2に
示す。
【0091】オルガノシロキサン液熟成工程の条件を表
3に示す。
【0092】2. ケイ酸アルカリ液 ケイ酸アルカリ液としての使用原料を表4に示す。
【0093】3.有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成
本実施例の配合組成及び複合化工程条件を表5に示す。
【0094】比較例の配合組成及び複合化工程条件を表
6に示す。
【0095】以上の本実施例(表5)ならびに比較例
(表6)の各試料調製において、本実施例の10種類は全
て均質で透明な液状態組成物で得られたが、比較例の4
種類の内H-2 は二液分離状態となり均質な液状態組成物
は得られず、またH-3 およびH-4 は混合液中にゲル状物
が生成し均質な液状態組成物は得られなかった。
【0096】4. 本発明液状組成物の物性試験 本発明の液状組成物により塗膜状固化体(塗膜)の緻密
・撥水性評価を、下記方法で試験板を作成して水不浸透
試験法に付して行った。
【0097】塗膜状固化体の標準調製方法:塗膜生成の
ために用いた硬化剤には、市販の工業用リン酸ホウ素
(米山化学社製)を原料とし、このリン酸ホウ素に対し
試薬の炭酸バリウム(BaCO3) 3 重量%を加え均質に乾式
分散せしめた後、600 ℃で60分間加熱処理し、325 メッ
シュ篩いを通過せしめてバリウムのドープされた無水リ
ン酸ホウ素粉末を選んだ。試験用塗料は、表5で調製し
た液状の有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物60重量
%に対し、硬化剤リン酸ホウ素粉末15重量%、充填剤と
して325 メッシュ通過で比表面積80m2/g以下のアルミ
ナ、シリカの粉末21重量%、着色顔料 4重量%の4者を
均質に混合することにより調製した。試験塗板は、ここ
に調製した試験用塗料を約0.4g/m2 に相当する量でJIS
G 3141に規定されている鋼板基材に、JIS K 5400記載の
塗料一般試験方法に準拠してハケを用いて塗布し、25な
いし30℃で7 日間養生することによって調製した。
【0098】水不浸透試験法:試験塗板を室温25±3 ℃
で湿度60±5 %の無風状態下に水平にセットし、その水
平な塗膜面上に1 g の水を静かに滴下し、60分間静置す
る。静置後分析用濾紙を用いて塗膜上の水を吸収させ、
濾紙に吸収された水量を計量し、60分静置後の塗膜面に
残っている水の量を%で求め、塗膜面に吸収された水分
量(M) を%で求めた。この水不透過試験により塗膜面上
に残留した水分量が多く、吸収された水分量(M%) が少
ない程、その塗膜が緻密で撥水性に優れていると評価し
た。
【0099】水不浸透試験の結果を表7に比較例(H- 1)
と併せ表示する。
【0100】以上の結果、本発明の組成物による塗膜は
水分浸透量がほとんどゼロに等しく、緻密・撥水性に優
れ、基材に対する保護機能(防蝕性)を有した塗膜が形
成されることが容易に理解される。これに反し、オルガ
ノシロキサン液の複合化が施されていない組成物による
塗膜(比較例)はほとんどの水分が塗膜に浸透してしま
い、緻密・撥水性を有しない塗膜であることが容易に理
解される。
【0101】5.本発明液状組成物の応用例 本発明の組成物の応用例を試験施行例を以ってそれぞれ
示す。なお本実施例は本発明の応用例のほんの一端を示
したに過ぎない。
【0102】5-1. セメンティング材・結着剤への応用
セメンティング材・結着剤としての評価を、表5に示し
た本発明の液状組成物を用いて、前記方法(4項)で調
製した無水リン酸ホウ素粉末の硬化剤と表8に示した充
填剤とを表9に示す配合で混合調製し、ペースト化させ
た後、下記に示すセメンティング材・結着剤の各試験項
目に付して行った。
【0103】セメンティング材の試験項目セメンティング材・結着剤の可使時間 調製ペースト50mlを 180mlの紙製容器に採って20±3 ℃
に放置して、該ペーストの流動性が無くなるまでの時間
を可使時間とした。
【0104】耐水性発現までの時間 前記(4項)記載の塗膜標準調製方法で、鋼板を基材に
調合ペーストを1.0 g/m2に相当する量で盛り付け塗布し
て試験塗板を調製、塗布終了直後を開始時間に一定時間
毎に20℃の水道水に30分浸漬し、該試験板表面を指で擦
り、剥れや塗布物の脱離がなくなるまでに要した時間を
耐水性発現の時間(h) とした。
【0105】固化体外観 試験塗板の外観を肉眼観察し、あわ、膨れ、割れ、剥
れ、むらが認められない試験板を良好とした。
【0106】耐酸性 板ガラスを基材に調製した試験塗板を、JIS K 5400の7.
5 記載の試験方法に準拠し、20℃に保たれた5 重量%濃
度の硫酸溶液に30日間浸漬し、該試験板の表面に膨れ、
あわ、剥れ、穴、軟化、溶出の発生がない時を耐酸性あ
りとした。
【0107】圧縮強度 JIS A 1108記載の方法に準拠し、調合ペーストを長方形
の型(2×2 ×8 cm) に流し込み、24時間室温に放置して
硬化させた後脱型して、JIS A 1132記載の方法に準拠し
て圧縮試験機を用いて圧縮強度 (kg/cm2)を測定した。
【0108】結着性 鋼板を基材にし、この上に40×40×15 cm になるように
作成した型の中に調製したペースト状セメンティング材
を流し込み、25℃で7 日間養生し、鋼板に結着した試験
片を調製する。次いで、建設省建築研究所式の接着試験
法に準拠して、試験機アタッチメントをエポキシ樹脂系
接着剤で接着させ、試験機の油圧で上部の方向に引っ張
り、被接着体と試験固化体との接着面が剥離させた時の
荷重(P)から、接着力(kg/cm2)を測定し結着性とした。
【0109】機能性填料として使用した充填剤を表8に
示す。
【0110】機能性填料として使用した充填剤で、水な
いしアルカリ性溶液に可溶な粉末上ケイ酸アルカリを表
9に示す。
【0111】本実施例の配合組成を表10−1に示す。
【0112】以上の試験結果を表10−2に表示する。
【0113】以上の結果から、本発明の有機ケイ素基複
合ケイ酸アルカリ組成物をセメンティング材および結着
剤に応用する時、その調合ペーストが施工作業に充分な
可使時間を有すると共に、常温ないし加熱下で諸耐性を
発現し、しかも各諸耐性、特に耐酸性、圧縮強度、結着
性に優れていることがよく理解される。
【0114】5-2. 塗料状被覆材への応用例 塗料状被覆材としての評価を、表5に示した本発明の液
状組成物を用いて、前記方法(4項)で調製した無水リ
ン酸ホウ素粉末の硬化剤と表8に示した充填剤と表9に
示した粉末ケイ酸アルカリを表11−1に示す配合で混
合調製し、塗料状とした後、下記に示す塗料状被覆材の
各試験項目に付して行った。
【0115】塗料状被覆材の試験項目塗料の可使時間 5-1の場合と同様にして、調製塗料50mlを 180mlの紙製
容器に採って20±3 ℃に放置して、該塗料の流動性が無
くなるまでの時間を可使時間とした。
【0116】耐水性発現までの時間 鋼板を基材に調合塗料0.4 g/m2に相当する量で塗布して
試験塗板を調製、5-1の場合と同様にして、耐水性発現
の時間(h) を求めた。
【0117】塗膜外観 試験塗板の外観を肉眼観察し、あわ、膨れ、割れ、剥
れ、むらが認められない塗板を良好とした。
【0118】耐酸性 板ガラスを基材に調製した試験塗板を、5-1の場合と同
様にして、5 重量%濃度の硫酸溶液に30日間浸漬し、該
塗板の塗布面に膨れ、あわ、剥れ、穴、軟化、溶出が発
生してない時を耐酸性ありとした。
【0119】耐熱性 鋼板を基材に調製した試験塗板を、JIS K 5400記載の試
験方法に準拠し、600℃に保持された電気炉内に20分間
暴露し、電気炉より取り出して室温にて放冷し、その時
の塗膜面の膨れ、クラック、剥れ等がなく、塗膜が堅牢
な状態にある時を耐熱性ありとした。
【0120】密着性 鋼板を基材に調製した試験塗板を、JIS K 5400の6.15記
載の碁盤目試験法に準拠して、試験塗板の塗布面にカッ
ターナイフで1.0 mm感覚の碁盤目状の切込を入れ、切込
んだ碁盤目状傷の状態を観察して、JIS K 5400の6.15に
記載の評価点数(0ないし10)により点数評価して表示し
た。
【0121】
【0122】以上の試験結果を表11−2に表示する。
【0123】以上の結果から、本発明の有機ケイ素基複
合ケイ酸アルカリ組成物を塗料状被覆材に応用する時、
その調合塗料が施工作業に充分な可使時間を有すると共
に、常温ないし加熱下で諸耐性を発現し、しかも各諸耐
性、特に耐酸性、耐熱性、密着性に優れていることがよ
く理解される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 14:10) Z 2102−4G

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ酸アルカリ液 100重量部に対し、R・
    Si-(R は一価炭化水素基)で示される有機ケイ素基を0.
    05ないし50.0重量%、アルコキシル基を0.05ないし80.0
    重量%、およびアルコール基を0.01ないし20.0重量%の
    範囲で主成分とするオルガノシロキサン液が 0.1ないし
    30.0重量部の範囲で均質に複合されていることを特徴と
    する有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物。
  2. 【請求項2】 前記オルガノシロキサン液に、マグネシ
    ウム元素を含有する2:1層の3八面体型フィロケイ酸
    塩を主成分とする層状粘土鉱物の分散剤が配合されてい
    る請求項1記載の有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成
    物。
  3. 【請求項3】 前記層状粘土鉱物分散剤が、オルガノシ
    ロキサン液中に0.1ないし50重量%の量割合で添加され
    ている請求項1または2記載の有機ケイ素基複合ケイ酸
    アルカリ組成物。
  4. 【請求項4】 前記ケイ酸アルカリ液が、式 M2O・xSiO2
    ・yH2O (式中M はアルカリ金属、x は1 ないし4 のモル
    数、y は10ないし40のモル数)で表わされるシロキサン
    シラノールオリゴーマーの部分アルカリ金属塩溶液であ
    る請求項1ないし3のいずれか1項記載の有機ケイ素基
    複合ケイ酸アルカリ組成物。
  5. 【請求項5】前記R・Si- で示される有機ケイ素基のR 基
    がアルキル基、アルケニル基もしくはアリール基の1種
    または2種以上の組み合わせから成る請求項1ないし4
    のいずれか1項記載の有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ
    組成物。
  6. 【請求項6】 前記オルガノシロキサン液が、下記一般
    式(1) (式中 R1 は水素原子もしくはC1からC5のアルキル基あ
    るいはアシル基、R2ないしR6はそれぞれが水素原子、 O
    R1基、一価炭化水素基より選ばれた同一もしくは異なる
    基、n は15より小さい数)で表わされる低分子量のポリ
    オルガノシロキサン、40重量%以上のSiO2濃度を有する
    アルコキシルシリケイトおよび多価アルコールの群より
    選ばれた組み合わせから成る請求項1ないし5のいずれ
    か1項記載の有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物。
  7. 【請求項7】 前記請求項1ないし6のいずれか1項記
    載の有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物を、220 ℃
    以下の加熱で脱水縮合させてシロキサン結合を主体とす
    るポリマーを生成させることを特徴とする固化体。
  8. 【請求項8】 無機質硬化剤が0.2 ないし30重量%の範
    囲で配合されている前記請求項1ないし6のいずれか1
    項記載の有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物を、常
    温ないし220 ℃の温度範囲で脱水縮合させてシロキサン
    結合を主体とするポリマーを生成させることを特徴とす
    る固化体。
  9. 【請求項9】 充填剤、補強剤、ケイ酸塩、界面活性
    剤、顔料、着色剤、骨材よりなる群から選ばれた機能性
    填料が0.01ないし800 重量%の範囲で配合されている請
    求項7または8記載の固化体。
  10. 【請求項10】 前記機能性填料が、水ないしアルカリ
    性溶液に可溶な粉末状ケイ酸アルカリである請求項7ま
    たは8記載の固化体。
  11. 【請求項11】 前記無機質硬化剤が無機のリン酸塩化
    合物である請求項7または8記載の固化体。
  12. 【請求項12】 前記有機ケイ素基を0.05ないし50.0重
    量%、アルコキシル基を0.05ないし80.0重量%、および
    アルコール基を0.01ないし20.0重量%の範囲で主成分と
    し、必要に応じて前記層状粘土鉱物の分散剤が配合され
    たオルガノシロキサン液を、予め10ないし80℃で0.5 時
    間以上の条件下で均質液状態を維持する熟成工程(A)
    と、該熟成液をケイ酸アルカリ液に加えて10ないし95℃
    で0.5 時間以上の条件下で均質液状態を維持する複合化
    工程(B) とを順次行うことを特徴とする有機ケイ素基複
    合ケイ酸アルカリ組成物の製造法。
JP541992A 1991-01-19 1992-01-16 有機ケイ素基複合ケイ酸アルカリ組成物、その用途、 およびその製造法 Withdrawn JPH05294703A (ja)

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