JPH0529399U - 玉ねぎの茎切り機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 玉ねぎの茎切り作業を簡単にしかも能率よく
行えるようにする。 【構成】 本体ケース１に、玉ねぎを本体ケース１の一
方側から他方側に移送せしめる玉ねぎ移送装置５と、該
玉ねぎ移送装置５の出口側近傍に玉ねぎの茎Ｋを切断す
る茎切断装置１０とを備え、さらに前記玉ねぎ移送装置
５は、一対のブラシロール１５，１５を、その両ブラシ
ロール間の上部に玉ねぎの実部Ｔを支持でき且つ該両ブ
ラシロール間に玉ねぎの茎Ｋを挟み込み得る間隔をもっ
て平行に設置し、しかも動力装置３０により該両ブラシ
ロール１５，１５の各上面側が相互に内側に向けて回転
する如くするとともに、各ブラシロール１５，１５の外
周部に、該両ブラシロールの回転時に両ブラシロール上
にある玉ねぎを前記茎切断装置１０側に向けて移送する
ための螺旋状の細凸条２０を設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、玉ねぎの茎を切除するための玉ねぎの茎切り機に関するものである 。

【０００２】

【従来の技術】

収穫した玉ねぎは、所定期間乾燥させた後、出荷時には長尺の茎を適宜長さ( 例えば玉ねぎ本体から約２cm程度だけ残る長さ)だけ切除する必要がある。又、 玉ねぎの出荷時期には、短期間のうちに大量の玉ねぎの茎切り作業を行う必要が あり、その茎切り作業を行う場合には、１日のうちでかなりの時間連続して行わ れる。

【０００３】 従来では、玉ねぎの茎切りに際して、この茎を作業者が１個づつハサミにより 手作業で切り取っていた。

【０００４】 ところで、乾燥させた玉ねぎの茎は、乾燥により硬くなっており、玉ねぎの茎 をハサミで切り取る場合には、ハサミにかなりの力を入れる必要がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来では、玉ねぎの茎切りに際して、この茎をハサミにより手作業 で１個づつ切取っていたため、その作業能率が悪くなり短期間のうちに大量の玉 ねぎを出荷するには１日のうちのかなりの時間を茎取り作業に費やす必要があっ た。さらに、その茎切り作業にはかなりの力が必要となり、その茎切り作業が長 時間連続して行われるために手が疲れ、かなりの重労働であるという問題があっ た。

【０００６】 そこで、本考案は、玉ねぎの茎切り作業を自動的に能率良く行えるようにした 玉ねぎの茎切り機を提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、本体ケースに、玉ねぎを本体ケースの一方側から他方側に移送せし める玉ねぎ移送装置と、該玉ねぎ移送装置の出口側近傍に玉ねぎの茎を切断する 茎切断装置とを備えた玉ねぎの茎切り機において、前記玉ねぎ移送装置は、一対 のブラシロールを、その両ブラシロール間の上部に玉ねぎの実部を支持でき且つ 該両ブラシロール間に玉ねぎの茎を挟み込み得る間隔をもって平行に設置し、し かも動力装置により該両ブラシロールの各上面側が相互に内側に向けて回転する 如くするとともに、各ブラシロールの外周部に、該両ブラシロールの回転時に両 ブラシロール上にある玉ねぎを前記茎切断装置側に向けて移送するための螺旋状 の細凸条を設けて構成したことを特徴としている。

【０００８】

【作用】

本考案の玉ねぎの茎切り機によれば、動力装置を駆動させると、該動力装置に より玉ねぎ移送装置の各ブラシロールがそれぞれ上面側が相互に内側に向けて回 転するように駆動される。次に、その状態で茎つきの玉ねぎを玉ねぎ移送装置の 入口側に供給すると、各ブラシロールが相互に内側に向けて回転していることに より、玉ねぎの茎側が両ブラシロール間において下方向に引き込まれるとともに 、各ブラシロールに設けた螺旋状の細凸条により玉ねぎの実部が押圧されて該玉 ねぎが茎を下向きにした姿勢で順次出口側に移送されるようになる。そして、玉 ねぎ移送装置の出口から送り出された玉ねぎは、茎切断装置により茎部分が自動 的に切断されるようになる。尚、玉ねぎ移送装置によって順次移送されてくる各 玉ねぎは、全て茎を下向きにした同一姿勢で出口から送り出されるようになり、 茎切断装置が同一位置で切断作用を行うので、茎を一定長さ（例えば２cm程度） だけ残した状態で切断し得るようになる。

【０００９】

【考案の効果】

従って、本考案の玉ねぎの茎切り機によれば、茎つきの玉ねぎを玉ねぎ移送装 置の入口側に供給するだけで、その玉ねぎを両ブラシロール間において茎を下向 きにした状態で茎切断装置側に自動的に移送させることができ、続いてその玉ね ぎの茎を茎切断装置で切断することができるようになっているので、玉ねぎの茎 切除作業が簡単（軽作業で且つ自動的）に行えしかも作業能率を大幅に向上させ ることができるという効果がある。

【００１０】

【実施例】

以下、図１ないし図５を参照して本考案の実施例を説明すると、この実施例の 玉ねぎの茎切り機は、一側に入口ホッパー１４を設けその対向側に出口ホッパー ２４を設けた本体ケース１に、入口ホッパー１４からの玉ねぎを出口ホッパー２ ４側へ移送するための合計３組の玉ねぎ移送装置５，５，５と、該各玉ねぎ移送 装置５，５，５の出口から送り出された玉ねぎの茎Ｋを適宜長さだけ切断するた めの合計３組の茎切断装置１０，１０，１０と、各玉ねぎ移送装置５と各茎切断 装置１０とをそれぞれ回転駆動せしめるための動力装置３０と、玉ねぎ移送装置 ５上において茎つきの玉ねぎを横向きに倒すための補助ブラシロール４１と、該 補助ブラシロール４１を駆動する動力装置５５、を備えて構成されている。尚、 この実施例では、玉ねぎ移送装置５及び茎切断装置１０はそれぞれ３組づつ使用 されているが、基本構成としては該玉ねぎ移送装置５及び茎切断装置１０は１組 づつあればよい。

【００１１】 本体ケース１は、図１及び図２に示す如く、形鋼製フレームや鉄板製外板等を 組立てて略横長箱状に形成されていて、その前後方向(矢印Ａ−Ｂ方向)の各端部 にそれぞれ入口側側板１２と出口側側板１３が設けられる一方、その左右方向（ 矢印ＣーＤ方向）の各端部にそれぞれ左側側板２２と右側側板２３が設けられて いる。又、該本体ケース１には、その出口側側板１３側に各茎切断装置１０を支 持するための支持板１６と軸受部材４６，４６・・が設けられ、又本体ケース内 の前後各端部寄り位置に各玉ねぎ移送装置５を支持するための前側支持板１７と 後側支持板１８，１８・・が設けられている。

【００１２】 玉ねぎ移送装置５及び茎切断装置１０用の動力装置３０は、単一のモータ４０ と、玉ねぎ移送装置５用の動力伝達部材（プーリやベルト等）３４と、茎切断装 置１０用の動力伝達部材（プーリやベルト等）３５とを有している。

【００１３】 そして、本体ケース１における、入口側側板１２と入口側支持板１７間のスペ ース２内に玉ねぎ移送装置５用の動力伝達部材３４が設置され、入口側支持板１ ７と出口側支持板１８,１８・・間のスペース３内に各玉ねぎ移送装置５，５， ５が前後方向に向けた状態で設置され、出口側側板１３と出口側支持板１８,１ ８・・間のスペース４内に茎切断装置１０とその動力伝達部材３５が設置されて いる。尚、茎切断装置１０側の動力伝達部材３５は、図３及び図４に示すように 本体ケース１の右側側板２３の外部において、玉ねぎ移送装置５側の動力伝達部 材３４からの動力を受けて同期駆動せしめられるようになっている。

【００１４】 玉ねぎ移送装置５は、左右一対のブラシロール１５，１５を有している。この 各ブラシロール１５,１５は、芯材２６の周りに適宜長さ(例えば約２〜３cm程度 の長さ)の多数本のブラシを放射状に植設して形成されている。そして、この一 対のブラシロール１５,１５は、両ブラシロール間の上部に玉ねぎの実部Ｔを支 持でき且つ該両ブラシロール間に玉ねぎの茎Ｋを挟み込み得る間隔をもって平行 に設置している。又、この両ブラシロール１５，１５は、動力装置３０によって 各上面側が相互に内側に向けて回転する如くしている。

【００１５】 各ブラシロール１５,１５の外周部には、該各ブラシロール１５,１５間に載せ た玉ねぎを茎切断装置１０側に向けて移送するための螺旋状の細凸条２０,２０ が設けられている。この細凸条２０は、ゴム又は合成樹脂製で断面円形状あるい は断面台形状の細紐で形成されている。そして、この各細凸条２０，２０は、一 対のブラシロール１５,１５が回転したときに、該各ブラシロール１５,１５間に 載せた玉ねぎを茎切断装置１０側に向けて押圧・移送する如く巻付けられている 。尚、合計３組の各玉ねぎ移送装置５，５，５はそれぞれ同様に構成されいおり 、又各玉ねぎ移送装置５，５，５間には玉ねぎが隣に乗り越えるのを防止するた めの仕切り部材３８，３８が設けられている。

【００１６】 各ブラシロール１５,１５・・の上方部には、一対のブラシロール１５,１５間 に載せられた玉ねぎを横倒しにするための補助ブラシロール４１が取付けられて いる。この補助ブラシロール４１は、入口ホッパー１４側に寄った位置において 各ブラシロール１５,１５・・に対して直交する如く左右方向(矢印Ｃ−Ｄ方向) に向け且つその下面が各ブラシロール１５,１５の上面に近接するようにして設 置されている。この補助ブラシロール４１は、モータ６０及び動力伝達部材（ベ ルト及びプーリ等）５６からなる動力装置５５によって該補助ブラシロール４１ の下面側が入口ホッパー側に向けて回転する如く駆動される。

【００１７】 各茎切断装置１０，１０，１０は、図４に示す如く、それぞれ左右一対の円盤 刃物１１Ａ，１１Ｂを有している。各円盤刃物１１Ａ,１１Ｂは、ハイスピード 鋼等の鋼製で円盤状に形成されており、相互に凹凸係合する如くどちらか一方の 円盤刃物の外周面に環状の凹溝３２が形成されている。又、各円盤刃物１１Ａ, １１Ｂの上面には、玉ねぎの茎Ｋを切断する時に玉ねぎを支持するための支持台 ３６,３６が設けられている。支持台３６,３６は、合成樹脂製でその上面が凸面 状に形成されている。

【００１８】 この各円盤刃物１１Ａ,１１Ｂは、前記玉ねぎ移送装置５の出口に近接した位 置でしかも該玉ねぎ移送装置の出口から放出されてくる玉ねぎの茎Ｋを適宜小長 さ(例えば約２cm程度)を残して切断し得る高さ位置に設置されている。即ち、該 各円盤刃物１１Ａ,１１Ｂは、前記各ブラシロール１５,１５の出口側端部の近傍 位置において支持板１６と軸受部材４６によって支持された軸４５Ａ,４５Ｂに 高さ調節自在に取付けられており、該各円盤刃物１１Ａ,１１Ｂの高さを調節す ることにより、玉ねぎの茎Ｋを所望の長さだけ切断し得るようにしている。

【００１９】 各ブラシロール１５，１５の出口側端部と各円盤刃物１１Ａ，１１Ｂとの間に は、該両者間の隙間を埋めるための左右一対の受継ぎ材２５，２５が設けられて いる。この各受継ぎ材２５,２５は、図２及び図５に示す如く、薄板状の金属板 で形成されている。この受継ぎ材２５，２５は、玉ねぎ移送装置５の出口から放 出される玉ねぎを移乗させて各円盤刃物１１Ａ，１１Ｂ間にスムーズに受け渡し するとともに玉ねぎ移送装置の出口と円盤刃物との間の隙間から玉ねぎが落下す るのを防止するものである。

【００２０】 この実施例の玉ねぎの茎切り機の使用方法並びに作用を説明すると、この玉ね ぎの茎切り機を使用して玉ねぎの茎Ｋの切除するには、先ず、各動力装置３０， ５５を作動させて、玉ねぎ移送装置５の各ブラシロール１５,１５と茎切り装置 １５の各円盤刃物１１Ａ,１１Ｂ、及び補助ブラシロール４１をそれぞれ回転さ せた状態で、多数個の茎つき玉ねぎを入口ホッパー１４に供給する。するとこの 各玉ねぎは、順次玉ねぎ移送装置５の入口側上部に落ち、さらに各ブラシロール １５,１５の細凸条２０，２０によって各ブラシロール１５,１５間の上面側を一 列状態で茎切断装置１０側に向けて移送せしめられる。このとき、両ブラシロー ル１５，１５の回転によって玉ねぎが移送方向と平行な横向き状態となり、しか も各ブラシロール１５,１５の上面側が相互に内側に向けて回転しているので、 玉ねぎの茎Ｋ部分が両ロール間に挟まれて下方向に巻込まれるようになる。又、 玉ねぎが玉ねぎ移送装置５上において、うまく横向きに倒れない場合には、補助 ブラシロール４１部分を通過するときに強制的に倒されて、茎Ｋ部分が両ロール 間に挟み込まれるようになる。このように、茎Ｋを下向きにした玉ねぎは、その 実部Ｔが両ロール間に支持された状態で各細凸条２０,２０により順次後送され 、玉ねぎ移送装置５の出口から受継ぎ材２５,２５を介して茎切断装置１０側に 自動的に受け渡される。続いて、この玉ねぎは、茎切断装置１０の各円盤刃物１ １Ａ,１１Ｂによってその茎Ｋを約２cm程度残して切除した後、出口ホッパー２ ４に排出する。

【００２１】 このように、この玉ねぎの茎切り機では、各ブラシロール１５,１５によって 玉ねぎの茎を下向きにし、細凸条２０,２０によって玉ねぎを茎が下向きのまま 茎切断装置１０側に向けて自動的に移送せしめるとともに各円盤刃物１１Ａ,１ １Ｂにより玉ねぎの茎Ｋを自動的に切除できるので、その茎切り作業が極めて簡 単になり、しかもその作業能率を大幅に向上せしめ得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例に係る玉ねぎの茎切り機の全体
斜視図である。

【図２】図１のII−II断面図である。

【図３】図１のIII−III断面図である。

【図４】図１のIV−IV要部縦断面図である。

【図５】図１の玉ねぎの茎切り機の玉ねぎ移送装置と茎
切断装置の平面図である。

【符号の説明】

１は本体ケース、５は玉ねぎ移送装置、１０は茎切り装
置、１１Ａ,１１Ｂは円盤刃物、１５はブラシロール、
２０は細凸条、２５,２５は受継ぎ材、３０は動力装
置、Ｋは玉ねぎの茎、Ｔは玉ねぎの実部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体ケース(１)に、玉ねぎを本体ケース
   （１)の一方側から他方側に移送せしめる玉ねぎ移送装
   置（５）と、該玉ねぎ移送装置（５）の出口側近傍に玉
   ねぎの茎（Ｋ）を切断する茎切断装置（１０）とを備え
   た玉ねぎの茎切り機であって、前記玉ねぎ移送装置
   （５）は、一対のブラシロール(１５，１５)を、その両
   ブラシロール間の上部に玉ねぎの実部（Ｔ）を支持でき
   且つ該両ブラシロール間に玉ねぎの茎（Ｋ）を挟み込み
   得る間隔をもって平行に設置し、しかも動力装置（３
   ０）により該両ブラシロール（１５，１５）の各上面側
   が相互に内側に向けて回転する如くするとともに、各ブ
   ラシロール（１５，１５）の外周部に、該両ブラシロー
   ルの回転時に両ブラシロール上にある玉ねぎを前記茎切
   断装置（１０）側に向けて移送するための螺旋状の細凸
   条（２０）を設けて構成したことを特徴とする玉ねぎの
   茎切り機。