JPH05290364A - 電気伝導性を付与した磁気記録用粉末及び磁気記録媒体 - Google Patents

電気伝導性を付与した磁気記録用粉末及び磁気記録媒体

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JPH05290364A
JPH05290364A JP4118479A JP11847992A JPH05290364A JP H05290364 A JPH05290364 A JP H05290364A JP 4118479 A JP4118479 A JP 4118479A JP 11847992 A JP11847992 A JP 11847992A JP H05290364 A JPH05290364 A JP H05290364A
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JP
Japan
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magnetic recording
magnetic
powder
particles
conductive polymer
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JP4118479A
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Yasushi Matsui
靖 松井
Koji Shibuya
浩司 渋谷
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 転写特性の低下を招くことなく磁気記録用粉
末に電気伝導性を付与する。 【構成】 導電性高分子をγ−Fe23 粒子又はCo
被着γ−Fe23 粒子の表面に被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録用粉末に係
り、さらに詳しく述べるならば、表面に導電性高分子を
被着させ電気伝導性を改善した磁気記録用粉末、ならび
にこれを使用した磁気記録媒体に関わる。
【0002】
【従来の技術】磁気テープや磁気シートなどの磁気記録
媒体はオーディオ、ビデオなどの分野で広く使用されて
いるが、近年音楽、映像等のソフトテープを製造する場
合高速ダビングが広く行われるようになった。高速ダビ
ング時には磁気テープ表面に発生する静電気により磁気
記録にノイズが発生し、また磁気テープにホコリが付着
するなどのトラブルなどが起こった。したがって、静電
気の発生を少なくするために、磁気テープ等の表面電気
抵抗を極力下げることにより、表面で起こる静電気発生
を防止することが必要となってきた。また民生用ビデオ
テープにおいても表面電気抵抗を下げなければノイズ、
ドロップアウトなどに悪影響がでることが指摘されてい
る。
【0003】磁気記録用粉末として使用されるγ−Fe
23 粒子は電気伝導性に乏しいので、それを用いた磁
気テープの表面電気抵抗を下げるためにテープ製造時に
γ−Fe23 粉にFe34 粉を混合したり、あるい
はカーボンブラックを添加することが知られている。ま
たコバルト被着したCo−γ−Fe23 粉末の場合は
磁性粉粒子に電気伝導性を与えるために、コバルト被着
反応時にCo++と共にFe++を反応液に添加することが
知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらγ−Fe
23 粉にFe34 粉を混合する方法、あるいはCo
−γ−Fe23 にFe++被着を行う方法により得られ
た磁気記録用粉末は比抵抗が低くなり、またこれらを用
いた磁気記録媒体は表面電気抵抗は低くなるが、転写特
性が悪いという欠点がある。また、カーボンブラックな
どの導電性物質は非磁性であるので、これを添加した磁
気記録用粉末を使用した磁気テープ等の出力低下を招く
という欠点がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる磁気記録
用粉末は、導電性高分子をγ−Fe23 粒子又はCo
被着γ−Fe23 粒子の表面に被覆し、電気伝導性を
付与したことを特徴とする。
【0006】本発明は、最近ポリアセチレンをはじめと
して数多く見出されてきた導電性高分子により表面を被
覆処理をした磁性粉を用いた磁気テープの表面電気抵抗
は大幅に減少し、かつ保磁力、飽和磁化、転写特性など
の磁気記録特性がほとんど劣化しないことを見出して完
成したものである。
【0007】導電性高分子は 1)“Conducting Polymer”p105〜120 Ed. L. Alcacer, 1987, D. Reidel Publishing Co. 2) J. Colloid Interface Sci., 144, 27 (1991) 3) Mol. Cryst. Liq. Cryst., 189, 255 (1990) 4) Chem. Lett., l067 (1989) 5) J. Chem. Soc., Chem. Commun., 181 (1990) などの文献に記載されている。導電性高分子の導電度は
一般に102 ジーメンス/cm以上であり、10万ジー
メンス/cmとほとんど金属に近いものも見出されてい
る。
【0008】導電性高分子としてはポリアセチレン、ポ
リピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェ
ニレンスルフィドなどを本発明においては好ましく使用
することができる。
【0009】これら導電性高分子により磁性粒子表面が
覆れるようにすることにより磁性粒子の電気伝導性が大
幅に向上する。被覆方法は特に限定されないが、導電性
高分子を溶剤に溶解しγ−Fe23 などを分散し、付
着、濾過、乾燥する方法が最も一般的である。また導電
性高分子のモノマーと溶剤中にγ−Fe23 分散さ
せ、モノマーを合成すると同時にγ−Fe2 O粒子の表
面に付着させてもよい。
【0010】導電性高分子の被覆量は磁性酸化物と導電
性高分子の合計を100として0.1〜5wt%の範囲
であることが好ましい。その被覆量が0.1wt%未満
であると、導電性効果不充分であり、5wt%を越える
と磁気特性、特に飽和磁化(σs )が低下し、いずれも
好ましくないので上記の範囲内の被覆量が好ましい。
【0011】本発明にかかる磁気記録媒体は、磁性粉末
と、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線
硬化樹脂などのバインダーからなる磁気塗料をフィル
ム、シート、カードなどの基材に塗布した磁気記録媒体
において、前記磁性粉末は少なくとも磁気記録媒体の表
面において導電性高分子をγ−Fe23 粒子又はCo
被着γ−Fe23 粒子の表面に被覆した磁気記録用粉
末であることを特徴とし、静電気の発生が起こり易い媒
体の表面部には少なくとも本発明の磁気記録粉末を使用
して帯電を防止するものである。また、本発明の磁気記
録媒体には必要に応じ、研磨剤、帯電防止剤、分散剤、
滑剤などを添加することができる。
【0012】
【作用】これら導電性高分子で磁性粉を被覆すると導電
性高分子の働きにより磁性粒子の導電性が大幅に改善さ
れる。この結果、これら磁性粉を用いた磁気テープの表
面電気抵抗を低減させ、高速ダビング時の静電気による
トラブル、テープへのホコリの付着、ノズル発生、ドロ
ップアウト等の問題を解決できる。
【0013】ポリアセチレンはI2 やAsF5 をドープ
することにより導電性が発現する。ポリアニリンはHC
lやH2 SO4 をドープするか、直接ベンセン環にSO
3 --基を導入することにより導電性が発現する。ポリチ
オフェンやポリピロールはパークロレートイオンをドー
プすると導電度が大幅に向上する。
【0014】これら導電性高分子は二重結合が連なった
構造をしており、価電子帯と伝導帯の間のギャップ(禁
止帯)が大きい場合にはドナーをドープし伝導帯に電子
を入れるか、アクセプターをドープし価電子帯の電子を
捕捉すると導電性が発現する。
【0015】これらの導電性高分子の導電度はFe3
4 よりはるかに高い。導電性高分子が磁性粉の表面に被
覆できるのでカーボンブラックの添加よりも磁気記録媒
体の導電性向上に有効である。以下、実施例により本発
明をさらに説明する。
【0016】実施例1 1リットルのチタン製オートクレーブにγ−Fe23
100g、イオン交換水700mlを入れスラリーのp
HをHClを加え、4.3に調整した。ピロール5gを
50mlのエタノールに溶かし上記スラリー中に加え、
充分オートクレーブを窒素置換した後、100℃で5時
間反応した。反応後冷却し、濾過し、60℃で乾燥し
た。このようにしてポリピロール(4.1重量%)で被
覆したγ−Fe23 を得た。
【0017】実施例2 アニリン20mlを1N塩酸300mlに溶解し、5℃
に冷却する。過硫酸アンモニウム11.5gを1N塩酸
200mlに溶解し5℃に冷却した。アニリン溶液に過
硫酸アンモニウム溶液を加え5℃以下で攪拌しながら
1.5時間反応させた。反応後濾過し、得られたケーキ
を1N−NH4 OH500mlに加え30分間攪拌し、
濾過洗浄した。ケーキは真空乾燥した。
【0018】上記のように合成したポリアニリン0.3
gをテトラヒドロフラン500mlに溶解した。その溶
液にγ−Fe23 100gを加えた。このスラリーを
攪拌しながら水2500mlを30分かけて加えた。さ
らに1N塩酸200mlを加え30分間攪拌した。スラ
リーを静置後デカンテーションし濾過洗浄し60℃で乾
燥した。この結果ポリアニリンの付着量は0.28wt
%となった。
【0019】実施例3 実施例2で合成したポリアニリン1gを30%発煙硫酸
100mlに溶解し、室温で2時間スルホン化反応を行
なった。反応後、500mlのメタノールを氷浴で冷や
しながら攪拌し、上記硫酸溶液を30分かけてゆっくり
添加した。得られた沈殿を濾過し、メタノール、アセト
ンで洗浄後真空乾燥した。
【0020】得られたスルホン化ポリアニリン0.3g
を2リットルノ換水に溶解した。その溶液にγ−Fe2
3 50gを加え1時間攪拌した。静置すると上澄液は
無色透明になりスルホン化ポリアニリンがγ−Fe2
3 に吸着したことが判った。その後γ−Fe23 を濾
過洗浄後60℃で乾燥したところ、スルホン化ポリアニ
リンが0.56wt%付着したγ−Fe23 粉末が得
られた。
【0021】実施例4 実施例3と同様にスルホン化ポリアニリン0.3gを2
リットルのイオン交換水に溶解した。その溶液にCo−
γ−Fe23 (Hc:642Oe;σs :76.5e
mu/g;Co:2.1wt%,Fe++3.0wt%)
50gを加え1時間攪拌後、デカンテーションし濾過洗
浄し60℃で乾燥した。スルホン化ポリアニリンが0.
53wt%付着したCo−γ−Fe23 粉末が得られ
た。
【0022】実施例5 下記の比較例磁性粉並びに実施例1〜4で処理した磁性
粉を以下の配合でサンドミルを使用し磁性塗料に調製し
た。
【0023】比較例1:実施例1〜3で使用したγ−F
23 比較例2:実施例4で使用したCo−γ−Fe23 比較例3:少量のCoとFe++で変成したCo−γ−F
23 (Hc:385Oe;σs :77.0emu/
g;Co:0.4wt%;Fe++;3.0wt%) 比較例4:Coのみで変成したCo−γ−Fe23
(Hc:640Oe,σs :73.5emu/g;C
o:2.3wt%;Fe++0wt%)
【0024】 磁性粉 100 重量部 塩ビ酢ビ共重合樹脂 12.5重量部 ウレタン樹脂 12.5重量部 滑剤 2.0重量部 MEK 92 重量部 トルエン 92 重量部 シクロヘキサン 45 重量部
【0025】磁性塗料をポリエステルフィルムに塗布
し、磁場配向しそして乾燥した。塗膜の厚さは約10μ
mであった。カレンダー処理を行い塗膜を鏡面仕上げし
た後1/4インチ幅にスリットし、塗膜の表面電気抵抗
を測定した。
【0026】(表面電気抵抗測定法)表面電気抵抗の測
定は磁気テープ工業会(現、磁気メディア工業会)制定
の「音楽用カセットテープ機械的特性の試験方法」MT
S−106に準拠した条件で行なったが、テープ幅が1
/4インチであったので電極間隙も1/4インチとし
た。
【0027】(転写測定法)転写の測定は磁気テープ工
業会(現、磁気メディア工業会)制定の「音声用カセッ
トテープ電磁変換特性の試験方法」MTS−107に準
拠して行なった。
【0028】試験結果を表1に示す。 (表1) 粉体磁気特性、表面電気抵抗、転写特性 磁性粉の種類 保磁力 飽和磁化 Fe++ 表面電気抵抗 転写特性 (Oe) (emu/g ) (wt%)Ω/square(dB) 実施例1 γ−Fe2O3 365 72.1 − 2.7 ×106 50 実施例2 γ−Fe2O3 362 73.3 − 3.5 ×108 50 実施例3 γ−Fe2O3 348 73.9 − 3.1 ×107 50 比較例1 γ−Fe2O3 366 74.2 − 4.3 ×1010 50 比較例3 Co−γ−Fe2O3 385 76.5 3.0 3.9 ×109 47 実施例4 Co−γ−Fe2O3 648 75.5 3.0 8.7 ×106 51 比較例2 Co−γ−Fe2O3 642 76.5 3.0 6.7 ×109 51 比較例4 Co−γ−Fe2O3 640 73.5 − 7.2 ×1010 53
【0029】比較例1は導電化処理をしないγ−Fe2
3 であるために、表面電気抵抗が低い。比較例3はC
oとFe++で変成したCo−γ−Fe23 であるの
で、表面電気抵抗はγ−Fe23 より低くなっている
が、転写特性は悪化している。比較例2は導電化処理し
ないCo−γ−Fe23 であるので表面抵抗が高い。
比較例4はCoのみで変成したCo−γ−Fe23
あり表面電気抵抗が低くなっているが、まだ十分なレベ
ルではない。これに対して本発明の実施例はすぐれた表
面電気抵抗と転写特性を示している。
【0030】
【発明の効果】本発明は以上のように、磁気記録媒体の
出力低下を招くことなく、表面の帯電に起因する問題を
解消することができるので、高性能磁気記録媒体用粉末
ならびに高性能磁気記録媒体を提供する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性高分子をγ−Fe23 粒子又は
    Co被着γ−Fe23 粒子の表面に被覆したことを特
    徴とする電気伝導性を付与した磁気記録用粉末。
  2. 【請求項2】 前記導電性高分子はポリアセチレン、ポ
    リピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェ
    ニレンスルフィドから選ばれる1種または2種以上の混
    合物である請求項1記載の電気伝導性を付与した磁気記
    録用粉末。
  3. 【請求項3】 磁性粉末とバインダーからなる磁気塗料
    を基材に塗布した磁気記録媒体において、前記磁性粉末
    は少なくとも磁気記録媒体の表面において導電性高分子
    をγ−Fe23 粒子又はCo被着γ−Fe23 粒子
    の表面に被覆した粉末であることを特徴とする磁気記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 前記導電性高分子はポリアセチレン、ポ
    リピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェ
    ニレンスルフィドから選ばれる1種または2種以上の混
    合物である請求項3記載の磁気記録媒体。
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