JPH0528994B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はワイヤドツトプリンタに用いて好適な
印字ヘツドに関し、特にアーマチユアを揺動可能
に支持する板ばねの保持構造の改良に関する。

〔従来の技術〕

従来この種の印字ヘツドは、一般に、コア、ヨ
ークおよび永久磁石等によつて磁束回路を構成
し、かつこの磁束回路内にアーマチユアを板ばね
等で揺動可能に支持するとともに、このアーマチ
ユアに対する磁束を電気信号により打消す励磁コ
イルを所望の位置に配設してなる構成とされてい
る。そして、アーマチユアを、常時は永久磁石か
らの磁束で板ばね等の付勢力に抗して磁気吸着す
るとともに、必要時に励磁コイルに電流を流して
上述した磁気吸着力を打消すことで、板ばね等の
付勢力で揺動移動するアーマチユアの先端に設け
た印字ワイヤによつて印字を行なうような構成と
されていた。

ところで、上述した構成による従来の印字ヘツ
ドにおいて、アーマチユアを揺動可能に支持する
板ばねは、その外周縁側の環状基部を、アーマチ
ユアを内周縁側で可動可能に保持するアーマチユ
アホルダと、アーマチユア先端側に設けられたニ
ードル等を可動可能に保持するヘツドカバーとで
挟持することにより固定されているが、この場合
この板ばねのホルダ、カバー側のそれぞれに、ば
ね押えとしてのスペーサを介在させることで、板
ばねを押え込むような構成が一般に採用されてい
た。これは、上述した板ばねの環状基部内周縁か
ら求心方向に延設されている各ばね片の基端側
を、適切かつ確実な支点位置に位置決めされたス
ペーサ間で挟持し、それぞれを安定して支持する
ためである。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、上述したような従来構造では、
ばね片を有する板ばねを挟持して固定するための
部品点数が多く、それぞれの成形加工等も面倒
で、コスト高を招くばかりでなく、組立性等の面
からも問題であつた。特に、上述した板ばねの各
ばね片において必要とされることは、その撓み特
性を適切に確保するために、各ばね片と直交する
線分をばね片の支点とすることで、このような点
を考慮し、上述した問題点を解決し得るような何
らかの対策を講じることが望まれている。

〔課題を解決するための手段〕

このような要請に応えるために、本発明に係る
印字ヘツドは、アーマチユアを支持する複数のば
ね片を環状基部内周縁から求心方向に延設してな
る板ばねと、その環状基部の一側にばね押えを介
して積層されるヘツドカバーと、このカバー側の
ばね押えに対向し前記環状基部の他側に直接積層
されてこの部分を挟持する支持部を外周縁側に形
成してなるアーマチユアホルダを備え、前記各ば
ね片と直交することでばね片の支点となる線分か
らなる多角形段部を、ホルダの支持部内周縁にプ
レス成形により形成したものである。

〔作用〕

本発明によれば、板ばねの環状基部を、アーマ
チユアホルダに形成した支持部により、ヘツドカ
バー側のばね押えとの間で直接挟持して固定する
ことによつて、各部の成形加工性や組立性等を向
上させ得るとともに、この支持部内周縁に形成し
た多角形段部の各辺によつて、板ばねの各ばね片
における支点を、各ばね片と直交する線分として
適切かつ確実に得ることが可能で、これにより各
ばね片の撓み特性等を適正化し得るものである。

〔実施例〕

以下、本発明を図面に示した実施例を用いて詳
細に説明する。

第１図は本発明に係る印字ヘツドの一実施例を
示すものであり、同図において全体を符号１で示
す印字ヘツドは、略々円筒状を呈する基部２ａ、
基部２ａ前端部に周方向に所定間隔おいて突設さ
れその端面が磁極面２ｂとなる複数の励磁コイル
巻回用の鉄芯部２ｃ、その後端部外周に延在する
環状のフランジ２ｄからなる円筒状コア２と、こ
のコア２のフランジ２ｄ前面側に固着して設けら
れる環状の永久磁石３と、この永久磁石３を介し
てコア２に同心的に嵌着される円筒状ヨーク４
と、前記コア２の鉄芯部２ｃに巻回された励磁コ
イル５とからなる励磁機構６を備えている。そし
て、この励磁機構６を構成するヨーク４の永久磁
石３側の端部内周部には、励磁コイル５の側磁路
を構成するリーク部４ａが突設され、前記コア２
の基部２ａ外周面と所定間隙をおいて対向するよ
うに構成されている。

ここで、本実施例では、上述した励磁機構６を
構成するコア２とヨーク４とを、第２図中実線で
示した形状を有する磁性材料製の鋳造品として精
密鋳造法であるロストワツクス法で形成し、次で
その部材を図中一点鎖線で示した面Ａ（軸線方向
に直交する面）で切断分割することで形成するよ
うにし、またこの成形されたコア２とヨーク４と
を、図中右側の部材、つまりヨーク４を図中二点
鎖線で示したように逆向きに反転し、さらに永久
磁石３を介して図中左側の部材であるコア２に対
し同心的に嵌合させて固着することで組合わせる
ようにした場合を示している。そして、このよう
にすれば、上述したコア２とヨーク４との成形加
工をきわめて簡単かつ適切に行なえるばかりでな
く、その各部を所要の形状と寸法精度をもつて適
切にしかも精度よく成形し得るもので、その実用
上での利点は大きい。さらに、これらコア２とヨ
ーク４とを形成する磁性材料からなる鋳造品を、
半製品としてロストワツクス法で成形する際に、
磁性材料をヨーク４部分となる円筒状部分の外側
から鋳込むようにすると、コア２前端側に後述す
るニードルの本数に相当して周方向に所定間隔お
いて突設される鉄芯部２ｃ形成部分に対する磁性
材料の鋳込みを適切かつ確実に行なえ、良好な成
形状態を得ることが可能である等の利点がある。

一方、上述した構成において、前記ヨーク４の
前端部側には、アーマチユアホルダ７外周縁側の
環状支持部７ｂ、板ばね８の環状基部８ａ、ばね
押えとしてのスペーサ９、ヘツドカバー１０が順
次積層されて、それぞれ接着またはねじ止めによ
つて固定されている。そして、前記板ばね８にお
いて、環状基部８ａから求心方向に延設された複
数のばね片８ｂの先端側には、可動部材としての
アーマチユア１１が前記コア２の各磁極面２ｂに
対向して支持されており、これらのアーマチユア
１１は、前記アーマチユアホルダ７の内周縁側に
おいて求心方向に形成された放射状溝７ａ内でわ
ずかな間隙をおいて可動可能に保持されている。
なお、図中１２はアーマチユア１１の先端側にろ
う付け等で固着された印字用のニードル、１３は
これら複数のニードル１２を所要の組合わせ状態
で可動可能に保持するニードルガイド、１４は前
記励磁コイル５に対する配線用プリント基板であ
る。

さて、本発明によれば、上述したような印字ヘ
ツド１において、アーマチユア１１を支持するば
ね片８ｂを有する板ばね８における環状基部８ａ
を、前記アーマチユアホルダ７の外周縁前端側に
形成した環状の支持部７ｂにより、前記ヘツドカ
バー１０側のばね押えとしてのスペーサ９に対向
して直接積層することで挟持するとともに、これ
ら各ばね片８ｂと直交することでばね片８ｂの支
点となる線分からなる多角形段部７ｃを、前記ホ
ルダ７の支持部７ｂ内周縁側にプレス角打ち成形
により形成するようにしたところに特徴を有して
いる。

すなわち、前記アーマチユアホルダ７は、第３
図ａ，ｂに示されるように、求心方向に向かい内
方端側が開口されている放射状溝７ａと、板ばね
８の環状基部８ａを挟持する面を有する支持部７
ｂと、板ばね８の支点となる線分からなるプレス
角打ちされた多角形段部７ｃとを有する形状で形
成されている。なお、本実施例では、24本のニー
ドル１２に対応するアーマチユア１１を支持する
ばね片８ｂに対応して24角形状を呈する段部７ｃ
を形成した場合を示している。

そして、このようなアーマチユアホルダ７によ
れば、その外周縁前端側に形成した支持部７ｂで
前記板ばね８の環状基部８ａに直接挟持して固定
するような構成とされているため、従来のような
ばね押えとしてのスペーサを省略し、部品点数を
削減し、成形加工性や組立性を向上させ得るとと
もに、各ばね片８ｂに対する支点を、この支持部
７ｂの内周縁に形成したプレス角打ちによる多角
形段部７ｃの各辺で構成しているため、生産性の
面で優れており、しかもこの支点となる多角形段
部７ｃによる各辺は曲線ではなく、ばね片８ｂと
直交する直線で形成されるため、これに支持され
る板ばね８の適切な支持位置と確実な支持状態と
を簡単かつ適切に確保し得るとともに、その撓み
特性等を適正化し得るもので、その結果ニードル
１２による印字応力のばらつきを小さくすること
が可能となる。

なお、本実施例では、上述したアーマチユア１
１は、第４図ａ，ｂに示すように、円板状の磁性
材製のブランクを、完成品（アーマチユア１１）
の正面形状を有する断面の半完成品に切削加工
し、次にこの半完成品から完成品（アーマチユア
１１）の側面形状にプレス打抜き加工して形成す
るようにし、これにより生産性等を向上させ得る
ような構成とした場合を示している。

また、以上の構成を有する印字ヘツド１によれ
ば、永久磁石３の磁束がヨーク４→アーマチユア
ホルダ７→アーマチユア１１→コア２を磁束回路
として流れるため、アーマチユア１１は常時は板
ばね８のばね力に抗してコア２の磁極面２ｂに磁
気吸着される。そして、ニードル１２の本数分だ
け設けた励磁機構６のいずれかに、対応する永久
磁石３の磁束を相殺する磁束を生じるように、励
磁コイル５をオン・オフ制御することで、前記ア
ーマチユア１１を板ばね８のばね力でコア２の磁
極面２ｂから離間させ、任意のドツトからなる印
字を行なえるものである。そして、このときにお
いて、励磁コイル５の磁束は、ヨーク４のリーク
部４ａから永久磁石３を通らずに、所定のギヤツ
プを介してコア基部２ａを迂回するため、隣接す
る他のニードル１２に対応する励磁機構６への漏
洩が少なくなり、磁気的干渉を適切に防止でき、
その結果印字品質を従来に比べ向上させ得るもの
である。

なお、本発明は上述した実施例構造に限定され
ず、各部の形状、構造等を、適宜変形、変更する
ことは自由で、たとえばアーマチユアホルダ７に
対するアーマチユア１１の保持状態等については
種々の変形例が考えられよう。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明に係る印字ヘツド
によれば、複数のアーマチユア支持用のばね片を
内周縁側に有する板ばねの環状基部を、ヘツドカ
バー側のばね押えと対向して直接挟持する支持部
を、アーマチユアホルダの外周縁側に形成すると
ともに、このアーマチユアホルダの支持部内周縁
に、各ばね片と直交することでばね片の支点とな
る線分からなる多角形段部を、プレス成形により
形成したので、簡単かつ安価な構成にもかかわら
ず、板ばねの環状基部を支持するための従来のよ
うなばね押えとしてのスペーサを省略し、部品点
数を削減し、成形加工性や組立性を向上させ得る
とともに、各ばね片に対する支点を、前記プレス
角打ちによる多角形段部の各辺で精度よく構成し
得るため、成形加工性等の面で優れており、しか
もこの支点となる多角形段部による各辺は曲線で
はなくばね片と直交する直線で形成し得るため、
これに支持されるばね片の適切な支持位置と確実
な支持状態とを簡単かつ適切に確保し得るととも
に、その撓み特性等を適正化し得る等といつた
種々優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る印字ヘツドの一実施例を
示す縦断面図、第２図は励磁機構を構成するコア
とヨークとを形成する磁性材料製の鋳造品を説明
するための概略説明図、第３図ａ，ｂは本発明を
特徴づけるアーマチユアホルダの正面図および断
面図、第４図ａ，ｂはアーマチユアを形成するた
めの磁性円板を示す一部省略正面図および断面図
である。 １……印字ヘツド、２……コア、２ａ……円筒
状基部、２ｂ……磁性面、２ｃ……励磁コイル巻
回用鉄芯部、２ｄ……フランジ、３……永久磁
石、４……ヨーク、４ａ……リーク部、５……励
磁コイル、６……励磁機構、７……アーマチユア
ホルダ、７ａ……放射状溝、７ｂ……支持部、７
ｃ……多角形段部、８……板ばね、８ａ……環状
基部、８ｂ……ばね片、９……スペーサ（ばね押
え）、１０……ヘツドカバー、１１……アーマチ
ユア、１１ａ……先端部、１２……ニードル。

【特許請求の範囲】

１ 感熱転写方式により基本シート上に熱転写さ
れたインク像を、その基本シート上のインク像が
熱転写された面とは反対側の面から加圧すること
により、任意の受容体に再転写するための乾式転
写材を製造する際に用いられる乾式転写材製造用
感熱転写インクリボンであつて、 所定のフイルム状リボン基材の表面に形成さ
れ、着色剤、ワツクスを主成分とするバインダ剤
及び感圧接着剤を含んで構成され、且つ前記バイ
ンダ剤中のワツクスの80重量％以上が55℃での針
入度50以下であるインク層と、 そのインク層上に形成され、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、アイオノマー、
アクリル系重合体、エチレン−エチルアクリレー
ト共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール、ポリアミド、及びエチルセルロースから
なる群より選ばれた１種または２種以上の感熱接
着性の樹脂と、石油樹脂、ロジン、水添ロジン、
ロジンエステル、ケトン樹脂、及びフエノール樹
脂からなる群より選ばれた１種または２種以上の