JPH0528919U - 車両のステアリングアングルセンサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ハンドル軸２とともに回転する回転体４に回
転角用被検出孔８が並設され、この回転体４に対応して
位置固定された回転角検出用及び回転方向検出用フォト
インタラプタ１１，１２によりこの回転角用被検出孔８
を検出可能となっている。ハンドル軸２と回転体４との
間の回転比を変える変速機構Ｓとしての各歯車３，７，
５が設けられている。 【効果】 例えば、ハンドル軸２と回転体４との間の回
転比が大きくなるように変速機構Ｓを設定すれば、ハン
ドル軸２の回転数よりも、この回転比だけ回転体４の回
転数が増え、ハンドルが１回転したときに、前記フォト
インタラプタ１１，１２を通る回転体４の回転角用被検
出孔８の数が多くなり、ハンドルの１回転あたりの検出
数が増えて回転角の分解能が高くなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は各種車両のステアリングアングルセンサにおいて、ハンドルの回転 角分解能の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図６に示すように、従来のステアリングアングルセンサ１においては、ハンド ル軸２と一体回転可能な回転体４の外周に多数の回転角用被検出孔８が円形状に 等間隔で並設されているとともに、その少し内側で回転体４に一つのニュートラ ル位置用被検出孔９が形成され、この回転体４に対応して検出器１０が設けられ ている。この検出器１０は回転角検出用及び回転方向検出用フォトインタラプタ １１，１２と、ニュートラル位置検出用フォトインタラプタ１３とを有している 。そして、回転体４が左回転又は右回転すると、回転体４の回転角用被検出孔８ をフォトインタラプタ１１及びフォトインタラプタ１２が検出するため、その検 出数に応じてハンドルの回転方向及び回転角を検出することができる。なお、ニ ュートラル位置検出用フォトインタラプタ１３は回転体４の１回転毎にそのニュ ートラル位置用被検出孔９を検出するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このようなステアリングアングルセンサ１は、通常、ハンドル付近にあるレバ ーコンビネーションスイッチ内に設置されているため、その設置スペースが制限 されて回転体４の最大直径を一定以上確保することが難しい。そこで、限られた 直径の回転体４を利用してより小さな回転角を検出するには、回転体４に対しよ り多くの回転角用被検出孔８を設けなければならないが、回転角用被検出孔８を 多くするほどその大きさを小さくしなければならないため、製造上の限界があっ た。従って、回転体４の直径により、検出可能な回転角の分解能が決まってしま う欠点があった。みなみに、現在の回転角分解能は１〜２度程度である。

【０００４】 本考案はハンドル軸と回転体との間の連動手段を改良して、回転角分解能を変 更可能にすることを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この目的に鑑み、本考案に係る車両のステアリングアングルセンサ１において は、後記する各実施例の図面に示すように、ハンドル軸２とともに回転する回転 体４，１６に回転角用被検出部８が並設され、この回転体４，１６に対応して位 置固定された回転角用検出体１１，１２，１８によりこの回転角用被検出部８を 検出可能になっている。特に、ハンドル軸２と回転体４，１６との間の回転比を 変える変速機構Ｓが設けられている。

【０００６】

【作用】

例えば、ハンドル軸２と回転体４，１６との間の回転比が大きくなるように変 速機構Ｓを設定すれば、ハンドル軸２の回転数よりも、この回転比だけ回転体４ ，１６の回転数が増え、ハンドルが１回転したときに、回転角用検出体１１，１ ２，１８を通る回転体４，１６の回転角用検出部８の数が多くなり、ハンドルの １回転あたりの検出数が増えて回転角の分解能が高くなる。

【０００７】

【第一実施例】

まず、本考案に係るステアリングアングルセンサの第一実施例を図１〜図３を 参照して説明する。

【０００８】 ステアリングアングルセンサ１において、ハンドル軸２上には内歯車３が一体 回転可能に取着され、このハンドル軸２の軸心と同一中心上で回転体４及び外歯 車５がハンドル軸２に対し回転可能に支持され、この回転体４と外歯車５とは一 体回転可能に取着されている。この外歯車５と内歯車３との間にはハンドル軸２ と平行な回転軸６上の外歯車７が噛み合わされている。この回転体４の外周に多 数の回転角被検出孔８がハンドル軸２の軸心を中心とする円形状に等間隔で並設 されているとともに、その少し内側で回転体４に一つのニュートラル位置用被検 出孔９が形成されている。

【０００９】 前記回転体４に対応して検出器１０が設けられている。この検出器１０には回 転角検出用及び回転方向検出用フォトインタラプタ１１，１２と、ニュートラル 位置検出用フォトインタラプタ１３とが取付けられている。それらのフォトイン タラプタ１１，１２，１３はそれぞれ発光素子１１ａ，１２ａ，１３ａと受光素 子１１ｂ，１２ｂ，１３ｂとからなる。

【００１０】 図１及び図３に示すように、ハンドル（図示せず）がニュートラル位置にある 状態では、ニュートラル位置検出用フォトインタラプタ１３において発光素子１ ３ａからの光がニュートラル位置用被検出孔９を通って受光素子１３ｂに至り、 ニュートラル信号を出力するようになっている。

【００１１】 ハンドル軸２が左回転又は右回転すると、内歯車３と外歯車７と外歯車５とか らなる変速機構Ｓを介して回転体４が左回転又は右回転し、図２に示すように回 転角検出用及び回転方向検出用フォトインタラプタ１１，１２において発光素子 １１ａ，１２ａからの光が回転体４の回転角用被検出孔８を通って受光素子１１ ｂ，１２ｂに至り、その検出数に応じてハンドルの回転方向及び回転角を検出す ることができる。なお、ハンドルの左右回転可能範囲で前記ニュートラル信号は ハンドルの回転数に応じて複数回生ずる。

【００１２】 この第一実施例では、原動側であるハンドル軸２と従動側である回転体４との 間の回転比が大きくなるように内歯車３の歯数と外歯車５の歯数とが設定されて いる。従って、ハンドルが１回転すると、同じく１回転するハンドル軸２の回転 数よりも、この回転比だけ回転体４の回転数が増え、ハンドルが１回転したとき に、前記両フォトインタラプタ１１，１２を通る回転体４の回転角用被検出孔８ の数が多くなる。つまり、ハンドルの１回転あたりの検出数が増えて回転角の分 解能が高くなる。言い換えれば、従来技術で示したステアリングアングルセンサ １とこの第一実施例のステアリングアングルセンサ１とを比較した場合、その回 転体４の回転角用被検出孔８の数が同一であっても、この第一実施例のものが従 来技術のものよりも高い回転角分解能を得る。

【００１３】

【第二実施例】

次に、本考案に係るステアリングアングルセンサの第二実施例を図４及び図５ を参照して説明する。

【００１４】 このステアリングアングルセンサ１においては、ハンドル軸２上に外歯車１４ が一体回転可能に取着されているとともに、このハンドル軸２と平行な回転軸１ ５上に回転体１６及び外歯車１７が一体回転可能に取着され、この外歯車１７が ハンドル軸２上の外歯車１４に噛み合わされている。この回転体１６には前記第 一実施例と同様に回転角用被検出孔８とニュートラル位置用被検出孔９とが形成 されている。

【００１５】 前記回転体１６に対応して検出器１０が設けられている。この検出器１０には 前記第一実施例と同様にニュートラル位置検出用フォトインタラプタ１３が取付 られているが、前記第一実施例における回転角検出用及び回転方向検出用フォト インタラプタ１１，１２に代えて、赤外発光ダイオード１８ａとエンコーダ用フ ォトＩＣ１８ｂとからなる一つの検出体１８が取付けられている。このエンコー ダ用フォトＩＣ１８ｂは一つの素子で９０度位相の異なる２信号を出力して角度 及び方向を検出することができるようになっている。従って、第二実施例の検出 体１８により、前記第一実施例の両フォトインタラプタ１１，１２と同様にして ハンドルの回転方向及び回転角を検出することができる。

【００１６】 この第二実施例においても、前記第一実施例と同様に、原動側であるハンドル 軸２と従動側である回転体１６との間の回転比が大きくなるように、変速機構Ｓ として外歯車１４の歯数と外歯車１７の歯数とが設定されている。従って、この 第二実施例においても前記第一実施例と同様に回転角分解能が高くなる。

【００１７】 なお、この第二実施例の検出器１０のようにエンコーダ用フォトＩＣ１８ｂを 利用した場合には、フォトダイオードの印刷ピッチが決まっているため、回転体 １６の回転角用被検出孔８の大きさやピッチが決まってしまい、レバーコンビネ ーションスイッチ内の制限されたスペースで要求に応じた回転角分解能を得るこ とは困難であったが、この第二実施例に係るステアリングアングルセンサ１によ れば、要求に応じた高い回転角分解能を容易に得ることができる。

【００１８】

【考案の効果】

本考案に係る車両のステアリングアングルセンサ１によれば、ハンドル軸２と 回転体４，１６との間の変速機構Ｓにより、それらの間の回転比を変えて回転角 分解能を変更することができ、要求に応じた回転角分解能が容易に得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は第一実施例に係るセンサにおいてその
検出器を省略した一部切欠概略正面図であり、（ｂ）は
同センサの検出器を示す部分概略正面図である。

【図２】（ａ）及び（ｂ）はそれぞれ同センサにおいて
ハンドルの左右回転角検出状態を示す概略平断面図であ
る。

【図３】同センサにおいてハンドルのニュートラル位置
検出状態を示す概略平断面図である。

【図４】（ａ）は第二実施例に係るセンサにおいてその
検出器を省略した一部切欠概略正面図であり、（ｂ）は
同センサの検出器を示す部分概略正面図である。

【図５】同センサにおいてハンドルの左右回転角検出状
態とハンドルのニュートラル位置検出状態とを示す概略
平断面図である。

【図６】従来のステアリングアングルセンサを示す概略
正面図である。

【符号の説明】

１ ステアリングアングルセンサ、２ ハンドル軸、３
内歯車、４ 回転体、５ 外歯車、７ 外歯車、８
回転角用被検出孔、１１，１２ 回転角検出用及び回転
方向検出用フォトインタラプタ（検出体）、１４ 外歯
車、１６ 回転体、１７ 外歯車、１８ 検出体、１８
ｂ エンコーダ用フォトＩＣ、Ｓ 変速機構。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ハンドル軸（２）とともに回転する回転
   体（４，１６）に回転角用被検出部（８）を並設し、こ
   の回転体（４，１６）に対応して位置固定した回転角用
   検出体（１１，１２，１８）によりこの回転角用被検出
   部（８）を検出可能にした車両のステアリングアングル
   センサにおいて、 ハンドル軸（２）と回転体（４，１６）との間の回転比
   を変える変速機構（Ｓ）を設けたことを特徴とする車両
   のステアリングアングルセンサ。