JPH05288698A - 光熱変位計測による試料評価方法 - Google Patents

光熱変位計測による試料評価方法

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JPH05288698A
JPH05288698A JP4090816A JP9081692A JPH05288698A JP H05288698 A JPH05288698 A JP H05288698A JP 4090816 A JP4090816 A JP 4090816A JP 9081692 A JP9081692 A JP 9081692A JP H05288698 A JPH05288698 A JP H05288698A
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JP
Japan
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light
sample
specimen
thermal expansion
wave
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Pending
Application number
JP4090816A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Takamatsu
弘行 高松
Hirobumi Imanaka
博文 今中
Shingo Suminoe
伸吾 住江
Yoshiro Nishimoto
善郎 西元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 試料の温度変化,プラズマ密度の変化等によ
る試料の反射率の変化といった外乱の影響を受けず,真
の熱膨張振動を計測できる光熱変位計測による試料評価
装置。 【構成】 半導体レーザ6により試料3に励起光を照射
すると共に,He−Neレーザ1により試料3に照射さ
れる測定用の放射光の試料3での反射光(ビーム1)と
放射光(ビーム2)との干渉光を光検出器4により検出
する。この時,ビーム1とビーム2との間で周期差Fb
を与えることにより検出データを周期差Fbに対応する
ビート波Eとする。発振器10,シフタ9,11により
ビート波Eと同位相の正弦波Rと,正弦波Rに対して9
0°位相の異なる正弦波R0とを発生させ,これらの信
号を乗算器9,11によりそれぞれビート波Eに乗じた
値の比Sを除算器15により求める。この比Sに基づい
て試料の熱膨張振動を計測するように構成されている。
上記構成により外乱の影響を受けず,真の熱膨張振動を
計測できる。その結果,高精度で試料評価を行うことが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は試料に周期的に強度変調
した励起光を照射し,これにより生じる試料表面の熱膨
張振動を測定して試料の欠陥等を評価する試料評価方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】試料に周期的に強度変調した励起光を照
射すると,試料はこの光の吸収により発熱し,これによ
り熱膨張する。照射光は周期的に強度変調しているた
め,発熱による試料の温度変化は周期的となり,試料は
熱膨張をおこす。これらの熱応答を計測することにより
試料を評価する手法は光音響計測技術として知られてい
る。図3はマイケルソン型レーザ光干渉法により試料の
熱膨張振動を計測する手法を示したものである(Mirand
a,APPLID OPTICS Vo122,No18,P2882(1983))。ここに
61は被測定試料,62は試料に熱膨張振動を与えるた
めの励起光源であり,チョッパー63により励起光源6
2からの光を強度変調し,試料61に照射する。この熱
膨張振動をレーザ光干渉法により計測する。そのために
測定用レーザ64からの光を半透鏡65で二分し,一方
を試料の熱膨張測定点に,他方を空間的に固定した鏡6
6に照射させ,これらからの反射光を干渉させ光電変換
器67で受光する。光電変換器67からの電気出力Eは
次式で表される。 E=C1 +C2 ・cos(P(t)+Φ)…(1′) ここで,C1 ,C2 及びΦは試料61や干渉計の構成や
光電変換係数等に依存する定数,P(t)は励起光照射
による熱膨張振動による試料の表面変位による位相変化
であり,この計測により試料の熱膨張振動(位相Φ及び
振幅L)を計測し,試料の熱弾性的性質を評価する。図
4は反射率計測法に基づく手法である(特開昭61−2
046)。励起レーザ30からの光を変調器32に周期
的に強度変調し試料22に照射し,試料に周期的温度変
化を与える。この温度変化が試料に光反射率の変化をも
たらす。この反射率の変化を検出するために測定用レー
ザ50を,試料の温度変化計測点(本図においては励起
レーザ照射点と同位置)にミラー36を通して照射し,
その反射光を光検出器56で検出する。この出力から信
号処理回路58により,反射率の変化を求める。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前者のマイケルソン型
レーザ光干渉により試料の熱膨張を計測する手法では,
前記(1′)式における定数C1 ,C2 及びΦの変化が
外乱として測定精度を低下させる。例えば励起光照射に
よる試料の温度変化およびプラズマ(電子,ホール)密
度の変化(半導体試料の場合)により試料の反射率が変
化する場合がある。この場合,干渉光の信号は反射率変
化に伴う外乱信号を含んでいることになり,干渉光の信
号から真の熱膨張信号を計測できない。また,後者の反
射率計測法に持つ付く手法は,試料の温度変化,プラズ
マ密度変化の計測であるため,試料の熱膨張率等の弾性
的性質を得ることができない。また熱拡散膨張内の情報
しか獲られないため,試料深部を評価できないという欠
点がある。更に基本的に温度変化にたいして,反射率が
変化する試料しか適用できない。従って本発明が目的と
するところは,試料の温度変化,プラズマ密度の変化等
による試料の反射率の変化といった外乱の影響を受け
ず,試料の真の熱膨張振動を計測することのできる熱膨
張振動による試料評価方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は,試料に励起光を照射すると共に,上記試料
に照射される測定用の放射光の該試料での反射光と該放
射光との干渉光を検出し,上記干渉光の検出データに基
づいて上記試料の熱膨張振動を計測する光熱変位計測に
よる試料評価方法において,上記放射光と反射光との間
で所定の周期差を与えて上記検出データを該周期差に対
応するビート波となし,上記ビート波に対して所定の位
相をなす正弦波と該正弦波に対して90°位相の異なる
正弦波とを上記ビート波にそれぞれ乗じた値の比に基づ
いて上記試料の熱膨張振動を計測することを特徴とする
光熱変位計測による試料評価方法として構成されてい
る。上記励起光は所定の周期で強度変調した光とするこ
とができる。更に,上記励起光は,上記試料に照射され
る測定用の放射光を強度変調した光とすることができ
る。更に,上記所定の位相を上記ビート波に対して同位
相とすることもできる。
【0005】
【作用】本発明によれば,試料に励起光を照射すると共
に,上記試料に照射される測定用の放射光の該試料での
反射光と該放射光との干渉光を検出し,上記干渉光の検
出データに基づいて上記試料の熱膨張振動を計測するに
際して,上記放射光と反射光との間で所定の周期差を与
えることにより上記検出データが該周期差に対応するビ
ート波となる。上記ビート波に対して所定の位相をなす
正弦波と該正弦波に対して90°位相の異なる正弦波と
を上記ビート波に乗じた値の比に基づいて上記試料の熱
膨張振動が計測される。上記励起光を所定の周期で強度
変調した光とすることにより,チョッパーなどの強度変
調機構が不要となる。更に,上記励起光を,上記試料に
照射される測定用の放射光を強度変調した光とすること
により,励起光源と放射光源とが一体化される。更に,
上記所定の位相を上記ビート波に対して同位相とするこ
とにより,該ビート波に含まれる熱膨張振動成分が強調
される。その結果,試料の温度変化,プラズマ密度の変
化等による試料の反射率の変化といった外乱の影響を受
けず,試料の真の熱膨張振動を計測することができる。
【0006】
【実施例】以下,添付図面を参照して本発明を具体化し
た実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以
下の実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定する性格のものではない。ここ
に,図1は本発明の一実施例に係る光熱変位計測による
試料評価装置Oの概略構成を示す全体回路図,図2は他
の実施例に係る部分回路図である。本実施例に係る試料
評価方法は,基本的には前記図3の従来例と同様のレー
ザ光干渉法により試料の熱膨張振動を計測するものであ
る。しかし,本実施例では測定用放射光と試料での反射
光との間で所定の周期差を与えて,これらの光の干渉光
を処理することにより外乱要素を除去した点で従来例と
異なる。以下,本実施例においては主として上記従来例
と異なる部分について説明し,従来例と同様の部分につ
いては既述のとうりであるので,その詳細説明は省略す
る。
【0007】図1に示す如く本実施例に係る試料評価装
置Oでは,試料3に励起レーザとして半導体レーザ6を
用い,同レーザへの注入電流の変化により所定の周期で
強度変調した光(例えばパルス光)を発生させる。この
光をレンズL1により集光し,試料3に照射する。試料
3はこの光照射により加熱され,熱膨張をおこす。この
熱膨張をレーザ光干渉法で計測する。次に,この装置O
による計測原理について述べる。測定用レーザとしてH
e−Neレーザ1を用い,この放射光を半透鏡HM1で
ビーム1およびビーム2に二分する。その一方(ビーム
1)を音響光学変調器2で光の振動周波数をFbシフト
する。この光をレンズL2で集光し,試料3に照射す
る。ビーム1の試料3からの反射光を半透鏡HM2で反
射させ,半透鏡HM3でビーム2と干渉させる。この干
渉光を光電変換器4で受光する。光電変換器4からの出
力をフィルタ5に通した後の信号(ビート波信号)Eは
次式で表される。 E=A(t)・cos(2πFbt+P(t)+Φ) …(1) ここで,A(t)はビーム1の強度および試料,干渉光
学系等に依存する関数,P(t)は励起光による試料表
面の熱膨張変位によるビーム1の位相変化,ΦはP
(t)が零(振動が無い)ときのビーム1,ビーム2間
の光路長差による位相差である。P(t)は試料が励起
光によりL(t)なる表面変位が生じたとき次式で表さ
れる。 P(t)=(4π/λ)・L(t) (λは光の波長) …(2)
【0008】次に,信号Eのビート波に対して,位相が
90°異なる信号Rを生成する。即ち,発振器10によ
り発生させた周波数Fbなる正弦波信号に,低域通過フ
ィルタ12による位相検出および位相シフタ11による
位相補正を加えて信号Rを生成する。信号Rは次式で表
される。 R=K・sin(2πFbt+Φ) (Kは定数) …(3) この信号Rを乗算器7により信号Eに乗算して信号V1
とする。信号V1はL(t)がλに比べて十分小さいと
き,次式で表される。 V1=K1 ・A(t)・L(t) (K1 は定数) …(4) ただし,高周波帯である周波数2Fb帯の信号成分はフ
ィルタ13でとりのぞいている。
【0009】次に,信号Eのビート波に対して同位相の
信号R0を生成する。即ち,信号Rを位相シフタ9によ
り位相シフトすることにより信号R0を生成する。信号
R0は次式で表される。 R0=K・cos(2πFbt+Φ) …(5) この信号ROを乗算器8により信号Eに乗算して信号V
2とする。信号V2は次式で表される。 V2=K2 ・A(t) (K2 は定数) …(6) ただし,上記(4)式と同様に周波数2Fb帯の信号成
分はフィルタ14でとりのぞいている。そして,除算器
15により信号V1と信号V2との比Sを算出する。比
Sは次式で表される。 S=K0 ・L(t) (K0 は定数) …(7) 比Sには,上記(1)式における係数A(t)を含んで
いない。以上のようにして求めらた比Sから前述の問題
点で示した試料の温度変化,プラズマ密度の変化等によ
る試料の反射率の変化といった外乱の影響を受けず,試
料3の真の熱膨張振動を計測することができる。その結
果,高精度で試料の評価を行うことができる。
【0010】又,上記実施例では,信号Rを信号Eと同
位相としている。このため,両信号R,E間で位相を変
えた場合に比べて信号Eに含まれる熱膨張振動成分であ
るL(t)が強調され,上記外乱の影響を受けなくな
る。従って,熱膨張振動の計測精度を一層向上させるこ
とができる。又,上記実施例では励起光源として半導体
レーザ6を用い,同レーザへの注入電流の変化により所
定の周期で強度変調した光(例えばパルス光)を発生さ
せている。このため,チョッパーなどによる励起光強度
変調機構を必要とせず,装置を従来例にくらべて簡素化
することができる。更に,上記実施例では励起レーザと
しての半導体レーザ6と,測定用レーザとしてのHe−
Neレーザ1とを別々に設けているが,He−Neレー
ザ1による放射光を強度変調した光とすることにより,
両レーザ6,1を一体化できる。更に,上記実施例に加
えて,図2に示す如く励起光を繰り返し照射するための
繰り返しパルス発生器16と,同パルス発生器16によ
り発生させた各々のパルスに対する出力である比Sを同
期加算する同期加算回路17とを設け,これらを作動さ
せることにより熱膨張振動成分のみを比S1として確実
に取り出すことができる。こにようにして,S/Nを高
めることもできる。尚,上記実施例では,測定用レーザ
としてHe−Neレーザ1を用いたが,色素レーザ等波
長可変光源を用いれば,試料3の分光的評価が可能とな
る。尚,上記実施例ではビーム1,2を空間に放射して
いるが,実使用に際してはこれらのビーム1,2を光フ
ァイバで導光し干渉させる光学系としても何ら支障はな
い。
【0011】
【発明の効果】本発明に係る光熱変位計測による試料評
価方法は,上記したように構成されているため,試料の
温度変化,プラズマ密度の変化等による試料の反射率の
変化といった外乱の影響を受けず,真の熱膨張振動を計
測することができる。その結果,高精度で試料の評価を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る光熱変位計測による
試料評価装置Oの概略構成を示す全体回路図。
【図2】 他の実施例に係る部分回路図。
【図3】 従来のマイケルソン型レーザ干渉法により試
料の熱膨張振動を計測する手法を示す説明図。
【図4】 従来の反射率計測法に基づく手法を示す説明
図。
【符号の説明】
1…He−Neレーザ(測定用レーザ) 2…音響光学変調器 3…試料 4…光電変換器 6…半導体レーザ(励起レーザ) 7,8…乗算器 9,11…位相シフタ 10…発振器 15…除算器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料に励起光を照射すると共に,上記試
    料に照射される測定用の放射光の該試料での反射光と該
    放射光との干渉光を検出し,上記干渉光の検出データに
    基づいて上記試料の熱膨張振動を計測する光熱変位計測
    による試料評価方法において,上記放射光と反射光との
    間で所定の周期差を与えて上記検出データを該周期差に
    対応するビート波となし,上記ビート波に対して所定の
    位相をなす正弦波と該正弦波に対して90°位相の異な
    る正弦波とを上記ビート波にそれぞれ乗じた値の比に基
    づいて上記試料の熱膨張振動を計測することを特徴とす
    る光熱変位計測による試料評価方法。
  2. 【請求項2】 上記励起光が所定の周期で強度変調した
    光である請求項1記載の光熱変位計測による試料評価方
    法。
  3. 【請求項3】 上記励起光が,上記試料に照射される測
    定用の放射光を強度変調した光である請求項1記載の光
    熱変位計測による試料評価方法。
  4. 【請求項4】 上記所定の位相が上記ビート波に対して
    同位相である請求項1記載の光熱変位計測による試料評
    価方法。
JP4090816A 1992-04-10 1992-04-10 光熱変位計測による試料評価方法 Pending JPH05288698A (ja)

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