JPH0528817Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、テレビ信号等の信号電流を分岐する
分岐器に関し、特に、分岐器のハウジングに関す
るものである。

〔従来技術〕

１つのアンテナから入つてきたテレビ信号を多
くの受像器に分配または分岐する場合、アンテナ
から送られてきた信号電流をまずアンプによつて
増幅する。ここで増幅された信号電流は、分配器
に送られて分配され、さらに分岐器で複数に分岐
された後、それぞれの受像器に送られる。

前記分岐器は方向性を有し、ハウジングの入力
信号ケーブルが接続される接続口と、出力信号ケ
ーブルが接続される接続口とはそれぞれ定められ
ている。換言すれば、ハウジング内の電気回路の
入力端子及び出力端子の位置が定められている。
そして、ハウジングは、入力信号接続口、出力信
号接続口の他に分岐端子を幾つか有している。し
たがつて、例えばハウジングの左側面に入力信号
ケーブル接続口を有し、右側面に出力信号ケーブ
ル接続口を有している共聴機器では、当然のこと
ながら、入力信号ケーブルはハウジングの左側か
ら接続し、出力信号ケーブルは右側から接続する
ことになる。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、分岐器の分岐箱内における配置
位置やビルの壁面に取り付けるときの取り付け箇
所によつてはハウジングの右側に入力信号ケーブ
ルを配設し、左側に出力信号ケーブルを配設しな
ければならないことがある。ところが、前記のよ
うに、ハウジングの入力信号ケーブル接続口（入
力端子）と、出力信号ケーブル接続口（出力端
子）が定められているので、出力端子と入力端子
を入れ換えるためには、ハウジング内の電気回路
を組み変えたものを別に用意しなければならなか
つた。

本考案は、前記問題点を解決するためになされ
たものであり、 本考案の目的は、入力信号ケーブルあるいは出
力信号ケーブルをハウジングの右側及び左側のい
ずれからでも接続することができる技術を提供す
ることにある。

本考案の前記ならびにその他の目的と新規な特
徴は、本明細書の記述及び添付図面によつて明ら
かになるであろう。

〔問題点を解決するための手段〕

本願において開示される考案のうち、代表的な
ものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりで
ある。

すなわち、共聴機器を壁面へ取り付ける時に、
取り付けボルトあるいは取り付けネジが通される
取り付け具をハウジングの上面部と底面部のそれ
ぞれに設けるものである。

〔作用〕

前記した手段により、ハウジングを裏返しにす
るだけで、ハウジングの右側面又は左側面に設け
られていた入力信号ケーブル接続口（入力端子）
又は出力信号ケーブル接続口（出力端子）が、ハ
ウジングの左側面又は右側面に移るので、内部の
電気回路を組み変えることなく、入力信号ケーブ
ルあるいは出力信号ケーブルをハウジングの右側
及び左側のいずれからでも接続することができ
る。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面を用いて具体的
に説明する。

第１図は、本実施例の分岐器の斜視図であり、 第２図は、前記分岐器を裏返しにしてボトムハ
ウジングの底から見たときの平面図である。

第１図及び第２図において、１は分岐器のハウ
ジングであり、ボトムハウジング１Ａと蓋１Ｂか
らなつている。これらボトムハウジング１Ａ及び
蓋１Ｂのそれぞれは、アルミダイキヤスト、亜鉛
ダイキヤスト、銅あるいはステンレス鋼等ででき
ている。蓋１Ｂは取り付けボルト７によつてボト
ムハウジング１Ａに取り付けられる。ボトムハウ
ジング１Ａの１つの側面には出力信号ケーブル接
続口２Ａが設けられており、これに出力信号ケー
ブル３Ａを接続している。ハウジング１内に収納
されている分岐回路の出力端子は、出力信号ケー
ブル接続口２Ａに接続された出力信号ケーブル３
Ａの心線を接続できるように、ボトムハウジング
１Ａ内の出力信号ケーブル接続口２Ａに対応した
位置に設けられている。出力信号ケーブル接続口
２Ａと対向している側面には入力信号ケーブル接
続口２Ｂが設けられており、これに入力信号ケー
ブル３Ｂを接続している。分岐回路の入力端子
は、入力信号ケーブル接続口２Ｂに接続された入
力信号ケーブル３Ｂの心線を接続できるように、
ボトムハウジング１Ａ内の入力信号ケーブル接続
口２Ｂに対応した位置に設けられている。また、
出力信号ケーブル接続口２Ａが設けられている側
面および出力信号ケーブル接続口２Ｂが設けられ
ている側面とほぼ直角に交る側面に複数の分岐端
子４を設けている。分岐端子４には分岐ケーブル
が接続されるが、図示していない。

本考案では、ボトムハウジング１Ａの底面部の
対向した縁部に取り付具５Ａと５Ｂを設けてい
る。この取り付け具５Ａ，５Ｂのそれぞれはボト
ムハウジング１Ａと一体に形成したものである。
一方、蓋１Ｂの対向する２つの縁部に取り付け具
６Ａと６Ｂを設けている。これら取り付け具６Ａ
と６Ｂは蓋１Ｂと一体に形成したものである。ま
た、第２図に示しているように、取り付け具５Ａ
と６Ａ、取り付け具５Ｂと６Ｂのそれぞれは上か
ら見たとき重さならないように、ずらして配置し
てある。また、第１図及び第２図に示した共聴機
器では、取り付け具６Ａ，６Ｂが、蓋１Ｂの縁部
の中央部に位置している。そこで、共聴機器を裏
返しにして、すなわち蓋１Ｂを分岐箱（図示して
いない）等の壁面に向けて取り付けるときに、取
り付けボルトあるいは取り付けネジ（図示してい
ない）が信号ケーブル接続口２Ａ，２Ｂあるいは
信号ケーブル３Ａ，３Ｂで邪魔されないように、
信号ケーブル接続口２Ａ，２Ｂを取り付け具６
Ａ，６Ｂからずらして、ボトムハウジング１Ａの
側面の端の方に設けている。

ボトムハウジング１Ａ及び蓋１Ｂの表面には、
出力信号ケーブル接続口２Ａを示すためのOUT、
入力信号ケーブル接続口２Ｂを示すためのINを
記している。また、それぞれの表面にはブランド
名（例えばACE）がネーミングされる。取り付
けボルト７は、その頭頂部が蓋１Ｂより高くなら
ないようにして、蓋１Ｂを壁面に向けて取り付け
るときに、取り付け具６Ａ，６Ｂが浮かないよう
にしている。

第１図と第２図を比較すると、蓋１Ｂが上にな
つている状態では、出力信号ケーブル接続口２Ａ
が右側、入力信号ケーブル接続口２Ｂが左側にあ
り、分岐端子４は下方にある。一方、ボトムハウ
ジング１Ａの底面を上にした状態、すなわちハウ
ジング１を裏返しにした状態では、入力信号ケー
ブル接続口２Ｂが右側、出力信号ケーブル接続口
２Ａが左側にあり、分岐端子４は前記と同様に下
方にある。

以上のように、ボトムハウジング１Ａの底面部
に取り付け具５Ａ，５Ｂを設け、蓋１Ｂに取り付
け具６Ａ，６Ｂを設けていることにより、ハウジ
ング１を裏返しにするだけで、入力信号ケーブル
２Ｂあるいは出力信号ケーブル２Ａをハウジング
１の右側及び左側のいずれからでも接続すること
ができる。分岐端子４の方向は下方と変らなくて
すむ。

なお、出力信号ケーブル接続口２Ａと入力信号
ケーブル接続口２Ｂの配置位置は、ボトムハウジ
ング１Ａの対向した２つの側面に限定されるもの
ではない。出力信号ケーブル接続口２Ａあるいは
入力信号ケーブル接続口２Ｂのいずれか一方は、
分岐端子４が設けられている側面あるいはその側
面と対向している反対側の側面に設けてあつても
よい。出力信号ケーブル接続口２Ａ又は入力信号
ケーブル接続口２Ｂのいずれか一方が、第１図又
は第２図に示したように、分岐端子４が設けられ
ている側面にほぼ直角に交る側面に設けてあれ
ば、出力信号ケーブル３Ａ又は入力信号ケーブル
３Ｂがハウジング１の右側及び左側のいずれから
でも接続できるようになるので、本考案は有効で
ある。

また、出力信号ケーブル接続口２Ａ、入力信号
ケーブル接続口２Ｂ、取り付け具５Ａ，５Ｂ，６
Ａ，６Ｂのそれぞれは、第１図又は第２図に示し
た位置に限定されるものではない。

以下、本考案の変形例を説明する。

第３図に示したハウジング１では、ハウジング
を底面から見たとき、出力ケーブル接続口２Ａ側
における取り付け具５Ａと６Ａの配置位置と、入
力ケーブル接続口２Ｂ側における取り付け具５Ｂ
と６Ｂの配置位置を入換えている。すなわち、ハ
ウジング１の一方の側面側における蓋１Ｂ（上面）
の縁の取り付け具６Ａと底面の縁の取り付け具５
Ａの配置位置を、他方の側面側における蓋１Ｂの
縁の取り付け具６Ｂと底面の縁の取り付け具５Ｂ
の配置位置と入換えることにより、ハウジング１
の底面を壁面に向けて取り付けたときの取り付け
穴と、ハウジング１の蓋１Ｂを壁面に向けて取り
付けたときの取り付け穴が同じになるようにして
いる。

また、本考案のハウジング１は、第４図に示し
たようなものであつてもよい。取り付け具５Ａ，
５Ｂはボトムハウジング１Ａの底部のほぼ対角線
上の角部に設けてあり、また取り付け具６Ａ，６
Ｂは蓋１Ｂのほぼ対角線上の角度に設けている。
出力信号ケーブル接続口２Ａ及び入力信号ケーブ
ル接続口２Ｂのそれぞれは、ボトムハウジング１
Ａの側面のほぼ中央部に設けている。蓋１Ｂは、
頭頂部の平な皿ネジ８でボトムハウジング１Ａに
取り付けている。

さらに、ハウジング１の構造は第５図に示した
ようなものであつてもよい。

第５図に示したハウジング１では、蓋１Ｂの対
角線上の角部に貫通孔９Ａを形成し、ボトムハウ
ジング１Ａの前記貫通孔９Ａの下の部分に取り付
けネジ挿入孔９B₁を形成している。取り付けネ
ジ挿入孔９B₁は側壁を有し、またボトムハウジ
ング１Ａの底に達したところで、取り付け穴１０
を形成している。取り付けネジ挿入孔９B₁は、
取り付けネジの頭頂部より大きな径を有してお
り、取り付けネジを支障なく挿入できるようにな
つている。取り付け穴１０の径は、取り付けネジ
のネジ部をネジ込むことができる程度の太さであ
る。ボトムハウジング１Ａの底を壁面に向けて取
り付けるときには、取り付けネジ挿入孔９B₁よ
り取り付けネジを挿入し、この取り付けネジを取
り付け穴１０にネジ込みさらに分岐箱等の壁面に
ネジ込むようにする。一方、蓋１Ｂを分岐箱等の
壁面に向けて取り付けるために、前記貫通孔９Ａ
が設けてある蓋１Ｂ上の対角線と異るもう一方の
対角線上に２つの取り付け穴１０を形成してい
る。この取り付け穴１０は蓋１Ｂを貫通してお
り、取り付けネジのネジ部をネジ込むことができ
る程度の径になつている。ボトムハウジング１Ａ
には、前記蓋１Ｂに設けられた取り付け穴１０の
下の部分に取り付けネジ挿入孔９B₂を形成して
いる。この取り付けネジ挿入孔９B₂は、ボトム
ハウジング１Ｂの上から底まで貫通した構造とな
つている。すなわち、蓋１Ｂを分岐箱の壁面に向
けて取り付けるときには、取り付けネジはボトム
ハウジング１Ａの底の方から取り付けネジ挿入孔
９B₂の中に挿入される。

また、ハウジング１は第６図に示したような構
造のものであつてもよい。第６図のａが蓋１Ｂを
上に向けたときの図、第６図のｂがハウジング１
を裏返しにして、蓋１Ｂを下に向けたときの図で
ある。

第６図において、ボトムハウジング１Ａの四つ
の角部に窪み１１_A，１１_Bを形成している。窪み
１１_Aでは底の部分を窪ませないで、張り出し部
１２としている。この張り出し部１２が、ボトム
ハウジング１Ａの底面を分岐箱の壁面に向けて取
り付けるときの取り付け具となる。１４がハウジ
ング１を壁面に取り付けるときのネジ穴である。
蓋１Ｂの前記窪み１１_Aに対応した角部１３を欠
いた構造としている。一方、窪み１１_Bでは、窪
み１１_Aのような張り出し部１２が設けられてお
らず、上端から底面まで一様に窪み１１_Bとなつ
ている。蓋１Ｂの前記窪み１１_Bに対応した角部
１３Ａが、窪み１１_Bの上に張り出している。こ
の角部１３Ａが、蓋１Ｂを壁面に向けて取り付け
るときの取り付け具となる。角部１３Ａには取り
付けネジがネジ込まれるネジ穴１４が形成してあ
る。

なお、第４図から第６図までに示したハウジン
グ１では、ブランドのネーミングを示していない
が、第１図乃至第３図と同様に、ネーミングが施
される。

以上、本考案を実施例にもとずき具体的に説明
したが、本考案は、前記実施例に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲において
種々変更可能であることは言うまでもない。

〔考案の効果〕

以上、説明したように、本考案によれば、以下
に述べるような効果を得ることできる。

共聴機器の壁面への取り付け時に、取り付けボ
ルトあるいは取り付けネジが通される取り付け具
をハウジングの上面部と底面部のそれぞれに設け
たことにより、ハウジングを裏返しにするだけ
で、ハウジングの右側面又は左側面に設けられて
いた入力信号ケーブル接続口（入力端子）又は出
力信号ケーブル接続口（出力端子）が、ハウジン
グの左側面又は右側面に移るので、内部の電気回
路を組み変えることなく、入力信号ケーブルある
いは出力信号ケーブルをハウジングの右側及び左
側のいずれからでも接続することができる。すな
わち、２種類の製品を作り、在庫して置かなくて
よい。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例のハウジングの斜
視図、第２図は、前記ハウジングを裏返しにして
ボトムハウジングの底面から見たときの平面図、
第３図は、第１図及び第２図におけるハウジング
１の取り付け具５Ａ，６Ａの配置位を、取り付け
具５Ｂ，６Ｂと反対にしたハウジング１の底面か
ら見たときの平面図、第４図乃至第６図は、本考
案の前記ハウジングと異る構造のハウジングの平
面図又は斜視図である。 図中、１……ハウジング、１Ａ……ボトムハウ
ジング、１Ｂ……蓋、２Ａ……出力信号ケーブル
接続口、２Ｂ……入力信号ケーブル接続口、３Ａ
……出力信号ケーブル、３Ｂ……入力信号ケーブ
ル、４……分岐端子、５Ａ，５Ｂ……取り付け
具、７……取り付けボルト、８……皿ネジ、９Ａ
……貫通孔、９Ｂ……取り付けネジ挿入孔、１０
……取り付け穴、１１……窪み、１２……張り出
し部、１３，１３Ａ……角部、１４……ネジ穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ハウジングの第１の側面に入力端子を有し、
   該第１の側面と対向した第２の側面あるいは第
   １の側面及び第２の側面と直交する第３の側面
   に出力端子を有し、テレビ信号等の信号電流を
   分岐する共聴機器において、前記ハウジングを
   壁面へ取り付ける時に取り付けネジ又は取り付
   けボルトが通される取り付け具を前記ハウジン
   グの上面の周縁及び底面の周縁にそれぞれ一対
   づつ設け、前記ハウジングの上面に設けた一対
   の取り付け具と、前記ハウジングの底面に設け
   た一対の取り付け具が、ハウジングを上から見
   たとき重ならない位置に設けたことを特徴とす
   る共聴機器。 (2) 前記それぞれの一対の取り付具は、前記ハウ
   ジングの上面及び底面の互に対向した周縁に設
   けたことを特徴とする実用新案登録請求の範囲
   第１項記載の共聴機器。 (3) 前記ハウジングの一方の側面側における上面
   の縁の取り付け具と底面の縁の取り付け具の配
   置位置を、他方の側面側における上面の縁の取
   り付け具と底面の縁の取り付け具の配置位置と
   入換えることにより、ハウジングの底面を壁面
   に向けて取り付けたときの取り付け穴と、ハウ
   ジングの上面を壁面に向けて取り付けたときの
   取り付け穴が同じになるようにしたことを特徴
   とする実用新案登録請求の範囲第１項記載の共
   聴機器。