JPH05287793A - 合成樹脂製用水路ユニットおよびそれを用いた用水路 - Google Patents

合成樹脂製用水路ユニットおよびそれを用いた用水路

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JPH05287793A
JPH05287793A JP11311092A JP11311092A JPH05287793A JP H05287793 A JPH05287793 A JP H05287793A JP 11311092 A JP11311092 A JP 11311092A JP 11311092 A JP11311092 A JP 11311092A JP H05287793 A JPH05287793 A JP H05287793A
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JP
Japan
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water channel
waterway
bottom plate
synthetic resin
unit
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JP11311092A
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Takashi Futami
孝 二見
Masayoshi Matsui
政義 松井
Tatsuhiko Iwamoto
達彦 岩本
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 流路抵抗が少なく、組み立てが容易で、しか
も耐久製に優れた用水路ユニットおよびそれを用いた用
水路を提供する。 【構成】 水路面が平滑で水路面の裏側に補強用リブ2
0を設けた一対の側板14,16と、これら側板の底部
に対して両者を連結するように一体的に形成され、ある
いは別部材として接合され、水路面が平滑で水路面の裏
側に補強用リブを設けた底板18とを有し、これら側板
および底板の長手方向端部には、他の側板および底板と
一部重ね合わせて接合するための接合部A,Bが形成し
てある。前記側板および底板は、三環体以上のノルボル
ネン系モノマーを反応射出成形法により開環重合させて
得られるポリノルボルネン系樹脂で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂製用水路ユニ
ットに係り、さらに詳しくは、流路抵抗が少なく、組み
立てが容易で、しかも耐久製に優れた合成樹脂製用水路
ユニットおよびそれを用いて施工される用水路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】たとえば雨水排水、一般生活用排水、農
業用灌漑用水、あるいは一般治排水用小型河川などの用
途に用いられる用水路として、コンクリートなどを用い
て施工された用水路が知られている。また、最近では、
施工の容易性などを考慮して、たとえば図5に示すよう
なコルゲート(波板)状の鋼板で構成された側板2と底
板4とをボルトなどで接合することにより施工される用
水路6が開発されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このように
鋼板などで構成された用水路にあっては、錆等の問題が
あると共に、比較的重いことから取り扱いが煩雑であ
り、依然として施工性が悪いという問題点を有してい
る。そこで、最近では合成樹脂で構成された板材を現場
で組み合わせた用水路が開発されている。しかしなが
ら、一般の合成樹脂で成形された用水路では、使用用途
に耐えられるだけの引張強度および曲げ剛性を有しない
ことから、繊維強化合成樹脂(FRP)で構成された板
材を組み合わせて施工された用水路が開発されている。
【0004】ところが、FRP製部品を、単なる平坦な
板材で構成した場合には、用水路としての強度がでない
ので、図3に示す鋼板製の側板2および底板4と同様
に、板材をコルゲート形状に折曲させて構成している。
そのため、用水路の流路側壁面および底壁面が流路長手
方向に沿って波打つような形状となり、流路抵抗が大き
くなり、用水路における一定断面に対する流水量が小さ
いという問題点を有している。また、用水路を施工する
には、FRP製用水路用板材をボルトなどで接合する必
要があるが、従来の製品では、その接合部が流路内に突
出し、この点でも流路抵抗を増大させていた。
【0005】さらに、従来のFRP製の用水路用板材
は、いわゆるハンドレイアップ法により成形されるが、
次のような問題点も有している。まず第1に、FRP製
の用水路用板材にあっては、曲げ剛性が高い代わりに、
しなやかさが不足し、仕上がり寸法如何によっては、用
水路を形成するための接合部に隙間が生じ、水密性が一
部低下する虞がある。また、しなやかさが不足すること
から、製品在庫時や輸送時あるいは作業時などに衝撃を
受けたときに割れやすいという問題もある。
【0006】第2に、このようなFRP製の用水路用板
材にあっては、手作業で行うハンドレイアップ法により
成形されるため、作業者の熟練の度合いによっては不良
品が生じる虞があると共に、大量生産に向かないという
不都合を有している。
【0007】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、流路抵抗が少なく、組み立てが容易で、しかも耐久
製に優れた用水路ユニットおよびそれを用いた用水路を
提供することを第1の目的とする。
【0008】本発明は、さらに、用水路ユニットの接合
部相互を良好な水密状態で接合することが可能であり、
しかも比重が軽く取扱いが楽であると共に、作業の安全
性および耐衝撃性に優れ、在庫時ないし輸送時にも場所
をとらず、さらには、流路抵抗が少なく、組み立てが容
易で、しかも耐久製に優れた用水路ユニットおよびそれ
を用いた用水路を提供することを第2の目的とする。
【0009】
【課題が解説するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の合成樹脂製用水路ユニットは、水路
面が平滑で水路面の裏側に補強用リブを設けた一対の側
板と、これら側板の底部に対して両者を連結するように
一体的に形成され、あるいは別部材として接合され、水
路面が平滑で水路面の裏側に補強用リブを設けた底板と
を有し、これら側板および底板の長手方向端部には、他
の側板および底板と一部重ね合わせて接合するための接
合部が形成してある。上記第2の目的を達成するため
に、前記側板および底板は、三環体以上のノルボルネン
系モノマーを反応射出成形法により開環重合させて得ら
れるポリノルボルネン系樹脂で構成される。本発明の用
水路は、このような合成樹脂製用水路ユニットを、用水
路を形成すべき場所において、長手方向に複数接合する
ことにより施工される。
【作用】本発明の合成樹脂製用水路ユニットでは、水路
面側が平滑であり、この用水路ユニットを組み合わせて
形成される用水路の流路抵抗は、従来に比較して大幅に
低減される。また、用水路ユニットの接合部が水路側に
突出することはないので、この点でも流路抵抗の低減を
図ることができる。しかも、本発明の合成樹脂製用水路
ユニットでは、水路面の反対側面に補強用リブが形成し
てあるので、機械的強度が低下することはなく、これら
を組み合わせた場合には、用水路として要求される十分
な機械的強度を有する。さらに、用水路ユニットは、合
成樹脂で形成されるので、軽量であり施工が容易であ
る。特に、用水路ユニットとしての側板および底板を、
三環体以上のノルボルネン系モノマーを反応射出成形法
により開環重合させて得られるポリノルボルネン系樹脂
で構成した場合には、FRP製板材に比較し、次のよう
な作用を有する。すなわち、使用用途に耐え得る引張強
度、曲げ剛性、および耐性衝撃性を、本発明の用水路ユ
ニットが有することになる。しかも、本発明に係る用水
路ユニットにあっては、しなやかさが従来品に比較して
向上し、用水路の施工に際して、用水路ユニットの接合
部相互が相互に密着してシール性が向上すると共に、在
庫や輸送が容易である。また、用水路ユニットの比重が
軽くなり、取扱いが楽になる。しかも、本発明に係る用
水路ユニットは、反応射出成形法によって成形されるた
め、製造が容易となり、大量生産が可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明を、図面に示す実施例に基づき
詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る合成樹
脂製用水路ユニットを組み立てて用水路を施工した場合
の要部斜視図、図2(A),(B)はそれぞれ図1に示
すA部およびB部の詳細な断面図、図3は本発明の他の
実施例に係るB部詳細断面図、図4は本発明の他の実施
例に係るA部詳細断面図である。
【0011】第1図に示すように、本発明の一実施例に
係る用水路10は、複数の用水路ユニット12が長手方
向に連続するように接合されることにより構成される。
各用水路ユニット12は、それぞれ一対の側板14,1
6と、これら側板14,16の底部を連結するように接
合される底板18とから成る。側板14および底板16
の水路側面には、リブなどが形成されず、平滑な面とな
っている。そして、側板14および底板18における水
路側面と反対側の面(裏面)には、補強用リブ20が一
体に形成してある。補強用リブ20の形状は、特に限定
されないが、図示する例では、水路方向に対して直角方
向に、且つ用水路ユニット12の外周を囲むように形成
してあり、水路方向に所定の間隔で形成してある。ま
た、補強用リブ20の寸法も特に限定されないが、その
肉厚は、側板14,16および底板18と同程度であ
り、その高さhは、たとえば10〜150mm程度であ
る。
【0012】後述するように、側板14,16および底
板18を、補強用リブ20と共に、三環体以上のノルボ
ルネン系モノマーを反応射出成形することにより得られ
るポリノルボルネン系樹脂で構成する場合には、十分な
引張強度ないし曲げ強度等を有する用水路ユニット12
が得られるので、前記補強用リブ20は必要最小限の大
きさにすることができる。
【0013】側板14,16および底板18自体の肉厚
は、特に限定されないが、たとえば2〜10mm程度であ
る。一対の側板14,16の距離(すなわち、水路幅
W)および水路高さHは、得ようとする水路幅および水
路高さに応じて決定されるが、たとえば水路高さHは、
500〜2000mmであり、水路幅Hは、500〜50
00mmである。
【0014】図示する例では、側板14,16と底板1
8とは、接合部Bにおいて接合されるが、側板14,1
6と底板18とを、後述するような合成樹脂で一体に形
成することもできる。
【0015】各用水路ユニット12を長手方向に接合す
るための接合部Aと、用水路ユニット12を構成する側
板14,16と底板18との接合部Bとの断面詳細の一
例をそれぞれ図2(A),(B)に示す。図2(A),
(B)に示す例では、一方の側板14,16もしくは底
板18の接合端部22を比較的厚肉に形成し、その先端
に接合用凹部24を形成してある。そして、他方の側板
14,16もしくは底板18の接合端部25の先端が一
部重なるように構成する。各接合端部22,25には、
ボルト孔26が形成してあり、このボルト孔26内にボ
ルト28が挿通するようになっている。ボルト28は、
水路の裏側(補強用リブ側)に取り付けられる場合に
は、用水路の組立前に、一方の接合端部22のボルト孔
26内に予め挿通してあり、接合端部22に対して固定
してあることが好ましい。そうすれば、用水路の施工に
際しては、水路の内側から、ナット30をボルト28に
対して取り付けることで、接合作業が水路側から容易に
行うことができ、施工性が向上する。なお、ボルト28
でなく、ナット30を接合端部22の裏側(反水路側)
にインサート成形等で一体に取り付けるようにしても良
い。さらに、図3に示すように、接合部B(接合部Aも
同様)において、ブラインドリベット29を用いて用水
路の組み立てを行うように構成しても良い。ブラインド
リベット29を用いれば、水路の内側から容易に作業で
きると共に、水路側流路抵抗が減少することから、特に
好ましい。
【0016】また、本発明において、後述するように、
側板14,16および18を、補強用リブ20と共に、
三環体以上のノルボルネン系モノマーを反応射出成形す
ることにより得られるポリノルボルネン系樹脂で構成す
る場合には、側板14,16および底板18のしなやか
さが向上し、接合部A,Bにおいて、各接合端部22,
25が密着し易くなり、締め付け時の作業性が向上す
る。なお、接合部A,Bの具体的構造は、図2に示す実
施例に限定されず、種々に改変することができる。たと
えば図4に示すように、接合部A(接合部Bも同様)に
おいて、接合すべき側板14,16もしくは底板18の
接合端部22a,25aを同一形状とし、両接合端部2
2a,25aが重なり合い、これらをボルト28および
30で接合するように構成することもできる。この場合
には、製造が著しく容易となり、側板14,16および
底板18を連続成形することができるので、好ましい。
【0017】上述したような用水路ユニット12を構成
する側板14,16および底板18は、射出成形や反応
射出成形が可能な合成樹脂、たとえばポリエチレン、ポ
リプロピレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエ
ステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリノルボルネン
系樹脂などで構成されるが、好ましくは、ポリノルボル
ネン系樹脂で構成される。これら合成樹脂には、必要に
応じてガラス繊維などの補強材を混入させることもでき
る。ただし、ポリノルボルネン系樹脂の場合には、ガラ
ス繊維を混入することなく、用水路として要求される必
要十分な強度を得ることができる。
【0018】ジシクロペンタジエンに代表される三環体
以上のノルボルネン系モノマーを金型内でメタセシス触
媒系の存在下に塊状開環重合させて得られるポリノルボ
ルネン系樹脂は、耐熱変形性、機械的強度に優れ、しか
も常温での耐衝撃性が高いのみならず、低温においても
耐衝撃性や弾性率、可撓性等の変化が少なく、かつ、反
応射出成形(RIM)法により大型の成形品を容易に成
形でき、安価でもあるため、本発明の目的を達成する上
で特に好ましい。
【0019】ポリノルボルネン系樹脂 ノルボルネン系モノマーは、三環体以上であることによ
って、熱変形温度の高い重合体が得られる。三環体以上
のノルボルネン系モノマーを塊状開環重合すると溶剤不
溶性の架橋ポリマーが生成されるが、ポリマーの架橋度
を高めるためには全モノマー中の少なくとも10重量
%、好ましくは30重量%以上の架橋性モノマーを使用
することが好ましい。
【0020】三環体以上のノルボルネン系モノマーとし
ては、ジシクロペンタジエンやジヒドロジシクロペンタ
ジエンなどごとき三環体、テトラシクロドデセンなどの
ごとき四環体、トリシクロペンタジエンなどのごとき五
環体、テトラシクロペンタジエンなどのごとき七環体、
これらのアルキル置換体(例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、ブチル置換体など)、アルキリデン置換体(例
えば、エチリデン置換体など)、アリール置換体(例え
ばフェニル、トリル置換体など)などが挙げられる。
【0021】一方、架橋性モノマーは、反応性の二重結
合を2個以上有する多環ノルボルネン系モノマーであ
り、その具体例としてジシクロペンタジエン、トリシク
ロペンタジエン、テトラシクロペンタジエンなどが例示
される。したがって、ノルボルネン系モノマーと架橋性
モノマーが同一物である場合には格別他の架橋性モノマ
ーを用いる必要はない。これらのノルボルネン系モノマ
ーは、単独で使用してもよいし、また、2種以上を混合
して用いることもできる。
【0022】なお、上記三環体以上のノルボルネン系モ
ノマーの1種以上と共に開環重合し得る2−ノルボルネ
ン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−
2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネンな
どの二環体のノルボルネン系モノマー、あるいはシクロ
ブテン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロ
オクテン、シクロドデセンなどの単環シクロオレフィン
などを、本発明の目的を損なわない範囲で併用すること
ができる。
【0023】メタセシス触媒系は、ノルボルネン系モノ
マーの塊状重合用触媒として公知のメタセシス触媒系で
あればいずれでもよく(例えば、特開昭58−1277
28号、同58−129013号、同59−51911
号、同60−79035号、同60−186511号、
同61−126115号など)、特に制限はない。メタ
セシス触媒としては、タングステン、モリプデン、タン
タルなどのハロゲン化物、オキシハロゲン化物、酸化
物、有機アンモニウム塩などが挙げられる。活性剤(共
触媒)としては、アルキルアルミニウムハライド、アル
コキシアルキルアルミニウムハライド、アリールオキシ
アルキルアルミニウムハライド、有機スズ化合物などが
挙げられる。
【0024】メタセシス触媒は、ノルボルネン系モノマ
ー1モルに対し、通常、約0.01〜50ミリモル、好
ましくは0.1〜10ミリモルの範囲で用いられる。活
性剤(共触媒)は、触媒成分に対して、通常、0.1〜
200(モル比)、好ましくは2〜10(モル比)の範
囲で用いられる。メタセシス触媒および活性剤は、いず
れもモノマーに溶解して用いる方が好ましいが、生成物
の性質を本質的に損なわない範囲であれば少量の溶剤に
懸濁また溶解させて用いてもよい。
【0025】本発明で用いるポリノルボルネン系樹脂
は、ノルボルネン系モノマーをメタセシス触媒系および
エラストマーの存在下に、金型(型枠)内で、塊状開環
重合することにより得ることができる。実質的に塊状重
合であればよいが、成形体の物性上からは触媒の調製に
おいてまも不活性溶剤を用いないことが望ましい。
【0026】好ましい成形体の製造法では、ノルボルネ
ン系モノマーを二液に分けて別の容器に入れ、一方には
メタセシス触媒を、他方には活性剤を添加し、二種類の
安定な反応溶液を調製する。この二種類の反応溶液を混
合し、次いで金型内に注入し、そこで塊状による開環重
合を行う。注入圧力は格別制限はないが通常10kg/
cm2 以下で充分であり、好ましくは常圧下で実施され
る。金型温度は、通常、30°C以上、好ましくは40
〜200°C、特に好ましくは50〜130°Cであ
る。金型圧力は、通常、0.1〜100kg/cm2
範囲である。また、重合時間は適宜選択すればよいが、
通常は2分から1時間程度である。
【0027】重合反応に用いる成分類は窒素ガスなどの
不活性ガス雰囲気下で貯蔵し、かつ操作することが好ま
しい。成形金型は不活性ガスでシールしてもよいが、し
なくてもかまわない。エラストマー、酸化防止剤、充填
剤、着色剤、高分子改質剤、難燃剤、摺動化剤など種々
の添加剤を配合することにより、成形体の特性を改質す
ることができる。
【0028】実施例(EXAMPLE) 以下に、本発明のさらに具体的な実施例を挙げて、本発
明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例にのみ限定されるものではない。なお、部や%など
は、断わりのない限り重量基準である。
【0029】〔実施例1〕フェノール系酸化防止材(商
品名イルガノックス1010、チバガイギー社製)を2
%含有させたモノマー混合物(すなわち、ジシクロペン
タジエン(DCP)90%とメチルテトラシクロドデセ
ン10%の混合物)を2つの容器に入れ、一方には、モ
ノマー混合物100部に対してジエチルアルミニウムク
ロイド(DEAC)を0.4部、n−プロパノールを
0.15部、四塩化ケイ素を0.36部、スチレン−イ
ソプレン−スチレンブロック共重合体(クレイトン11
70、シェル社製)を6部添加した(A液)。他方に
は、モノマー混合物100部に対して、トリ(トリデシ
ル)アンモニウムモリブデートを0.3部添加した(B
液)。
【0030】A液およびB液をそれぞれギヤーポンプに
て1対1の容積比となるようにパワーミキサーに送液
し、次いで、凸状金型と凹状金型により形成した金型の
キャビティ内に、金型温度70°Cで、注入した。金型
内で3分間反応を行った。これらの一連の操作は窒素雰
囲気下で行った。そして、図1に示した水路幅W200
0mm、水路高さH1320mm、厚さ5mm、補強用
リブの高さh40mmの側板14および底板16をそれ
ぞれ構成する成形体を得た。得られた成形体の熱変形温
度は140°C(JIS K−6911、荷重8.5k
g)で、比重は1.04g/cm3 であり、適度な剛性
と可撓性を備え、しかも軽量で耐熱性、耐衝撃性に優れ
ている。
【0031】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、水路面側が平滑であり、この用水路ユニットを組み
合わせて形成される用水路の流路抵抗は、従来に比較し
て大幅に低減される。また、用水路ユニットの接合部が
水路側に突出することはないので、この点でも流路抵抗
の低減を図ることができる。その結果、用水路における
一定断面に対する流水量が増大し、用水路としての機能
が向上する。
【0032】しかも、本発明の合成樹脂製用水路ユニッ
トでは、水路面の反対側面に補強用リブが形成してある
ので、機械的強度が低下することはなく、これらを組み
合わせた場合には、用水路として要求される十分な機械
的強度を有する。さらに、用水路ユニットは、合成樹脂
で形成されるので、軽量であり施工が容易である。
【0033】特に、用水路ユニットとしての側板および
底板を、三環体以上のノルボルネン系モノマーを反応射
出成形法により開環重合させて得られるポリノルボルネ
ン系樹脂で構成した場合には、FRP製板材に比較し、
次のような効果を有する。すなわち、使用用途に耐え得
る引張強度、曲げ剛性、および耐性衝撃性を、本発明の
用水路ユニットが有することになる。しかも、本発明に
係る用水路ユニットでは、しなやかさが従来品に比較し
て向上し、用水路の施工に際して、用水路ユニットの接
合部相互が相互に密着してシール性が向上すると共に、
在庫や輸送が容易である。また、用水路ユニットの比重
が軽くなり、取扱いが楽になる。しかも、本発明に係る
用水路ユニットは、反応射出成形法によって成形される
ため、製造が容易となり、大量生産が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る合成樹脂製用水路ユニ
ットを組み立てて用水路を施工した場合の要部斜視図で
ある。
【図2】図1に示すA部およびB部の詳細な断面図であ
る。
【図3】本発明の他の実施例に係るB部詳細断面図であ
る。
【図4】本発明の他の実施例に係るA部詳細断面図であ
る。
【図5】従来の用水路の要部斜視図である。
【符号の説明】
10… 用水路 12… 用水路ユニット 14,16… 側板 18… 底板 20… 補強用リブ A,B… 接合部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水路面が平滑で水路面の裏側に補強用リ
    ブを設けた一対の側板と、 これら側板の底部に対して両者を連結するように一体的
    に形成され、あるいは別部材として接合され、水路面が
    平滑で水路面の裏側に補強用リブを設けた底板とを有
    し、 これら側板および底板の長手方向端部には、他の側板お
    よび底板と一部重ね合わせて接合するための接合部が形
    成してある合成樹脂製用水路ユニット。
  2. 【請求項2】 前記側板および底板は、三環体以上のノ
    ルボルネン系モノマーを反応射出成形法により開環重合
    させて得られるポリノルボルネン系樹脂で構成される請
    求項1に記載の合成樹脂製用水路ユニット。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の合成樹脂製用水路ユニ
    ットを、用水路を形成すべき場所において、長手方向に
    複数接合することにより形成される用水路。
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