JPH05287415A - 高強度高導電率銅合金 - Google Patents
高強度高導電率銅合金Info
- Publication number
- JPH05287415A JPH05287415A JP9565392A JP9565392A JPH05287415A JP H05287415 A JPH05287415 A JP H05287415A JP 9565392 A JP9565392 A JP 9565392A JP 9565392 A JP9565392 A JP 9565392A JP H05287415 A JPH05287415 A JP H05287415A
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- Japan
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- electric conductivity
- copper alloy
- conductivity
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 導電率及び強度が高く、加工性が優れている
と共に、高温での強度の低下が少ない銅合金を得る。 【構成】 0.5乃至10重量%のNbを含有すると共に、
In、Sb、Sn、Pb、Te、Bi、Se、Ti及び
Yからなる群から選択された少なくとも1種の元素を総
量で0.0050乃至1.0 重量%含有し、残部がCu及び不可
避的不純物からなる。
と共に、高温での強度の低下が少ない銅合金を得る。 【構成】 0.5乃至10重量%のNbを含有すると共に、
In、Sb、Sn、Pb、Te、Bi、Se、Ti及び
Yからなる群から選択された少なくとも1種の元素を総
量で0.0050乃至1.0 重量%含有し、残部がCu及び不可
避的不純物からなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強度及び導電率が高い
と共に耐熱性が優れていて、電気及び電子機器等に使用
される線材の材料として好適の高強度高導電率銅合金に
関する。
と共に耐熱性が優れていて、電気及び電子機器等に使用
される線材の材料として好適の高強度高導電率銅合金に
関する。
【0002】
【従来の技術】マグネット、産業ロボット及び自動車用
の電線及び電子部品等に使用される高導電率銅合金とし
ては、導電性が良好であることに加えて、加工性、引張
強度及び耐熱性が優れていることが要求される。
の電線及び電子部品等に使用される高導電率銅合金とし
ては、導電性が良好であることに加えて、加工性、引張
強度及び耐熱性が優れていることが要求される。
【0003】従来、上述した用途には、無酸素銅、錫入
り銅及びりん青銅等が使用されている。また、これらに
比して強度が高い材料として、Cu−Nb合金が知られ
ている(松川等、高強度・高伝導率Cu−Nb複合線
材、低温工学、第25巻 No.4 1990年)。
り銅及びりん青銅等が使用されている。また、これらに
比して強度が高い材料として、Cu−Nb合金が知られ
ている(松川等、高強度・高伝導率Cu−Nb複合線
材、低温工学、第25巻 No.4 1990年)。
【0004】このCu−Nb合金は、NbがCu中に殆
ど固溶しない性質を利用して強度の向上を図ったもので
ある。即ち、溶解したCu中に所定量のNbを添加し、
これを鋳造すると、Nbは銅合金中にデンドライト(樹
枝状晶)として存在する。例えば、この鋳塊を伸線加工
すると、前記デンドライトは細い繊維状になる。この繊
維状のNbにより、Cu−Nb合金の強度が向上する。
また、このCu−Nb合金は、Cuマトリックスの物性
が純Cuと殆ど同一であるため、導電性も優れている。
ど固溶しない性質を利用して強度の向上を図ったもので
ある。即ち、溶解したCu中に所定量のNbを添加し、
これを鋳造すると、Nbは銅合金中にデンドライト(樹
枝状晶)として存在する。例えば、この鋳塊を伸線加工
すると、前記デンドライトは細い繊維状になる。この繊
維状のNbにより、Cu−Nb合金の強度が向上する。
また、このCu−Nb合金は、Cuマトリックスの物性
が純Cuと殆ど同一であるため、導電性も優れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Cu−
Nb合金は、上述の如く、Cuマトリックスの物性が純
Cuと殆ど同一であるため、軟化温度が低い。このた
め、Cu−Nb合金は、繊維状Nbによる強度向上効果
にも拘らず、使用温度が上昇すると、Cuマトリックス
が軟化し強度が低下してしまう。
Nb合金は、上述の如く、Cuマトリックスの物性が純
Cuと殆ど同一であるため、軟化温度が低い。このた
め、Cu−Nb合金は、繊維状Nbによる強度向上効果
にも拘らず、使用温度が上昇すると、Cuマトリックス
が軟化し強度が低下してしまう。
【0006】Nb含有量を多くすると、Cu−Nb合金
中におけるCuマトリックスの占める割合が少なくなる
ため、高温での強度の低下を抑制することができる。し
かし、Nb含有量を多くすると、必然的に導電率が低下
してしまうと共に、材料コストが上昇するという新たな
問題点が発生する。
中におけるCuマトリックスの占める割合が少なくなる
ため、高温での強度の低下を抑制することができる。し
かし、Nb含有量を多くすると、必然的に導電率が低下
してしまうと共に、材料コストが上昇するという新たな
問題点が発生する。
【0007】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、加工性が優れており、強度及び導電率が高
く、且つ、高温での強度の低下が少ない高強度高導電率
銅合金を提供することを目的とする。
のであって、加工性が優れており、強度及び導電率が高
く、且つ、高温での強度の低下が少ない高強度高導電率
銅合金を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高強度高導
電率銅合金は、 0.5乃至10重量%のNbを含有すると共
に、In、Sb、Sn、Pb、Te、Bi、Se、Ti
及びYからなる群から選択された少なくとも1種の元素
を総量で0.0050乃至1.0 重量%含有し、残部がCu及び
不可避的不純物からなることを特徴とする。
電率銅合金は、 0.5乃至10重量%のNbを含有すると共
に、In、Sb、Sn、Pb、Te、Bi、Se、Ti
及びYからなる群から選択された少なくとも1種の元素
を総量で0.0050乃至1.0 重量%含有し、残部がCu及び
不可避的不純物からなることを特徴とする。
【0009】
【作用】次に、本発明に係る銅合金の各成分の添加理由
及びその組成限定理由について説明する。
及びその組成限定理由について説明する。
【0010】Nb(ニオブ) Nbは、銅合金中にデンドライトとして存在し、例えば
伸線加工を施すことにより、繊維状になって銅合金の強
度を向上させる作用がある。しかし、Nb含有量が 0.5
重量%未満の場合は、所望の強度を得ることができな
い。また、Nb含有量が10重量%を超えると、導電率が
低下すると共に、材料コストが上昇する。このため、N
b含有量は 0.5乃至10重量%とする。
伸線加工を施すことにより、繊維状になって銅合金の強
度を向上させる作用がある。しかし、Nb含有量が 0.5
重量%未満の場合は、所望の強度を得ることができな
い。また、Nb含有量が10重量%を超えると、導電率が
低下すると共に、材料コストが上昇する。このため、N
b含有量は 0.5乃至10重量%とする。
【0011】In、Sb、Sn、Pb、Te、Bi、S
e、Ti及びY In(インジウム)、Sb(アンチモン)、Sn
(錫)、Pb(鉛)、Te(テルル)、Bi(ビスマ
ス)、Se(セレン)、Ti(チタン)及びY(イット
リウム)は、いずれもCuマトリックスに固溶して軟化
温度を上昇させ、耐熱性を向上させる作用がある。この
場合に、In、Sb、Sn、Pb、Te、Bi、Se、
Ti及びYのうちのいずれか1種の元素のみを添加して
もよいし、複数の元素を添加してもよい。しかし、これ
らの元素の総含有量が0.0050重量%未満の場合は、その
効果を十分に得ることができない。また、これらの元素
の総含有量が 1.0重量%を超えると、その効果が飽和し
て無駄であると共に、導電率及び加工性が著しく低下す
る。このため、In、Sb、Sn、Pb、Te、Bi、
Se、Ti及びYからなる群から選択された元素の総含
有量は、0.0050乃至1.0 重量%とする。
e、Ti及びY In(インジウム)、Sb(アンチモン)、Sn
(錫)、Pb(鉛)、Te(テルル)、Bi(ビスマ
ス)、Se(セレン)、Ti(チタン)及びY(イット
リウム)は、いずれもCuマトリックスに固溶して軟化
温度を上昇させ、耐熱性を向上させる作用がある。この
場合に、In、Sb、Sn、Pb、Te、Bi、Se、
Ti及びYのうちのいずれか1種の元素のみを添加して
もよいし、複数の元素を添加してもよい。しかし、これ
らの元素の総含有量が0.0050重量%未満の場合は、その
効果を十分に得ることができない。また、これらの元素
の総含有量が 1.0重量%を超えると、その効果が飽和し
て無駄であると共に、導電率及び加工性が著しく低下す
る。このため、In、Sb、Sn、Pb、Te、Bi、
Se、Ti及びYからなる群から選択された元素の総含
有量は、0.0050乃至1.0 重量%とする。
【0012】
【実施例】次に、本発明の実施例について、その特許請
求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
求の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
【0013】先ず、無酸素銅、Nb、In、Sb、S
n、Pb、Te、Bi、Se、Ti及びYを原料とし、
これらの原料を適宜組み合わせて10-3torrの減圧下で
高周波真空溶解炉より溶解し、これを鋳造して、直径が
30mm、長さが 300mmの丸棒状のインゴットを得た。この
インゴットの組成を下記表1に示す。
n、Pb、Te、Bi、Se、Ti及びYを原料とし、
これらの原料を適宜組み合わせて10-3torrの減圧下で
高周波真空溶解炉より溶解し、これを鋳造して、直径が
30mm、長さが 300mmの丸棒状のインゴットを得た。この
インゴットの組成を下記表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】次に、直径が27mmになるまで前記インゴッ
トの表面を切削した後、スウェージング及びダイス引き
による冷間伸線加工を施し、直径が 8mmの線材を得た。
トの表面を切削した後、スウェージング及びダイス引き
による冷間伸線加工を施し、直径が 8mmの線材を得た。
【0016】次に、この線材をN2 雰囲気中で 900℃に
加熱し、1時間保持した後、水冷した。
加熱し、1時間保持した後、水冷した。
【0017】次いで、前記線材に冷間伸線加工を施して
直径が 2mmの線材を得た。この線材を 600℃の温度で焼
鈍した後、再び冷間伸線加工を施して、直径が 0.6mmの
線材を得た。
直径が 2mmの線材を得た。この線材を 600℃の温度で焼
鈍した後、再び冷間伸線加工を施して、直径が 0.6mmの
線材を得た。
【0018】このようにして得た線材について、引張試
験により、その引張強さ及び伸びを調べた。また、これ
らの線材の導電率及び耐熱性についても調べた。その結
果を下記表2にまとめて示す。但し、表2において、耐
熱性は、30分間加熱した後の硬度が初期硬度の80%とな
る温度を軟化温度として示した。また、加工性は、直径
が 2mmの線材から直径が 0.6mmの線材を得る冷間伸線加
工工程において断線が発生した場合を×、断線が発生し
なかった場合を○で示した。
験により、その引張強さ及び伸びを調べた。また、これ
らの線材の導電率及び耐熱性についても調べた。その結
果を下記表2にまとめて示す。但し、表2において、耐
熱性は、30分間加熱した後の硬度が初期硬度の80%とな
る温度を軟化温度として示した。また、加工性は、直径
が 2mmの線材から直径が 0.6mmの線材を得る冷間伸線加
工工程において断線が発生した場合を×、断線が発生し
なかった場合を○で示した。
【0019】この表2から明らかなように、実施例1乃
至10はいずれも引張強さ及び伸びが夫々51.3kgf/mm2
以上及び 1.5%以上と優れていると共に、導電率が70.1
%IACS以上であり、軟化温度も 503℃以上と高い。ま
た、これらの実施例1乃至10はいずれも加工性が優れ
ていた。一方、Nb含有量が少ない比較例1は引張強さ
が十分でなく、その他の添加元素(即ち、In、Sb、
Sn、Pb、Te、Bi、Se、Ti及びYからなる群
から選択された元素)の総含有量が少ない比較例2並び
にその他の添加元素を含有しない比較例4は、いずれも
軟化温度が低いものであった。更に、その他の添加元素
の総含有量が多い比較例3は、導電率が低いと共に、加
工性が悪いものであった。更にまた、その他の添加元素
を含有せず、且つNbを過剰に含有する比較例5は、導
電率が極めて低いものであった。
至10はいずれも引張強さ及び伸びが夫々51.3kgf/mm2
以上及び 1.5%以上と優れていると共に、導電率が70.1
%IACS以上であり、軟化温度も 503℃以上と高い。ま
た、これらの実施例1乃至10はいずれも加工性が優れ
ていた。一方、Nb含有量が少ない比較例1は引張強さ
が十分でなく、その他の添加元素(即ち、In、Sb、
Sn、Pb、Te、Bi、Se、Ti及びYからなる群
から選択された元素)の総含有量が少ない比較例2並び
にその他の添加元素を含有しない比較例4は、いずれも
軟化温度が低いものであった。更に、その他の添加元素
の総含有量が多い比較例3は、導電率が低いと共に、加
工性が悪いものであった。更にまた、その他の添加元素
を含有せず、且つNbを過剰に含有する比較例5は、導
電率が極めて低いものであった。
【0020】
【表2】
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る銅合金
は、所定量のNb、In、Sb、Sn、Pb、Te、B
i、Se、Ti及びYを含有するから、導電率及び強度
が高く、加工性が優れていると共に、耐熱性が優れてい
て高温での強度の低下が少ない。
は、所定量のNb、In、Sb、Sn、Pb、Te、B
i、Se、Ti及びYを含有するから、導電率及び強度
が高く、加工性が優れていると共に、耐熱性が優れてい
て高温での強度の低下が少ない。
Claims (1)
- 【請求項1】 0.5乃至10重量%のNbを含有すると共
に、In、Sb、Sn、Pb、Te、Bi、Se、Ti
及びYからなる群から選択された少なくとも1種の元素
を総量で0.0050乃至1.0 重量%含有し、残部がCu及び
不可避的不純物からなることを特徴とする高強度高導電
率銅合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9565392A JPH05287415A (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | 高強度高導電率銅合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9565392A JPH05287415A (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | 高強度高導電率銅合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287415A true JPH05287415A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14143465
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9565392A Pending JPH05287415A (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | 高強度高導電率銅合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05287415A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007528931A (ja) * | 2003-07-02 | 2007-10-18 | エイティーアイ・プロパティーズ・インコーポレーテッド | 金属繊維の製造方法 |
-
1992
- 1992-04-15 JP JP9565392A patent/JPH05287415A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007528931A (ja) * | 2003-07-02 | 2007-10-18 | エイティーアイ・プロパティーズ・インコーポレーテッド | 金属繊維の製造方法 |
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