JPH05287407A - 粉末冶金用金属表面被覆セラミックス粉末の製造法 - Google Patents
粉末冶金用金属表面被覆セラミックス粉末の製造法Info
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- JPH05287407A JPH05287407A JP4115403A JP11540392A JPH05287407A JP H05287407 A JPH05287407 A JP H05287407A JP 4115403 A JP4115403 A JP 4115403A JP 11540392 A JP11540392 A JP 11540392A JP H05287407 A JPH05287407 A JP H05287407A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 粉末冶金法にて各種焼結材料を製造するに際
して、原料粉末として用いた場合に前記焼結材料の強度
向上に寄与する金属表面被覆セラミックス粉末を製造す
る。 【構成】 相対的に粗粒のセラミックス粉末に、前記セ
ラミックス粉末に比して微粒で、かつ2重量%以上の酸
素を含有する金属粉末を所定割合配合して、混合し、つ
いで、上記混合粉末に、これを流動させながら還元処理
を施して、前記酸素含有金属粉末の酸素含有量の低減お
よび還元後の金属粉末の上記セラミックス粉末表面への
強固な密着をはかることからなる。
して、原料粉末として用いた場合に前記焼結材料の強度
向上に寄与する金属表面被覆セラミックス粉末を製造す
る。 【構成】 相対的に粗粒のセラミックス粉末に、前記セ
ラミックス粉末に比して微粒で、かつ2重量%以上の酸
素を含有する金属粉末を所定割合配合して、混合し、つ
いで、上記混合粉末に、これを流動させながら還元処理
を施して、前記酸素含有金属粉末の酸素含有量の低減お
よび還元後の金属粉末の上記セラミックス粉末表面への
強固な密着をはかることからなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、粉末冶金法にて、例
えば炭化タングステン(以下WCで示す)基超硬合金、
炭窒化チタン(以下TiCNで示す)基サーメット、さ
らに炭化チタン(以下TiCで示す)、窒化チタン(以
下TiNで示す)、酸化アルミニウム(以下Al2 O3
で示す)、窒化ほう素(以下BNで示す)、あるいは酸
化ジルコニウム(以下ZrO2 で示す)などを主成分と
する各種焼結材料を製造するに際して、原料粉末として
用いた場合に、これら各種焼結材料の強度向上を可能な
らしめる金属被覆セラミックス粉末の製造法に関するも
のである。
えば炭化タングステン(以下WCで示す)基超硬合金、
炭窒化チタン(以下TiCNで示す)基サーメット、さ
らに炭化チタン(以下TiCで示す)、窒化チタン(以
下TiNで示す)、酸化アルミニウム(以下Al2 O3
で示す)、窒化ほう素(以下BNで示す)、あるいは酸
化ジルコニウム(以下ZrO2 で示す)などを主成分と
する各種焼結材料を製造するに際して、原料粉末として
用いた場合に、これら各種焼結材料の強度向上を可能な
らしめる金属被覆セラミックス粉末の製造法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に上記の各種焼結材料が、原
料粉末として、例えばいずれも主要構成成分となるWC
粉末、TiCN粉末、Al2 O3 粉末、BN粉末、ある
いはZrO2 粉末などのセラミックス粉末を用い、これ
に加えて結合相を形成するCo粉末やNi粉末を用い、
さらに必要に応じて周期律表4a,5a,および6a族
金属の炭化物、窒化物、硼化物、および酸化物、並びに
これらの2種以上の固溶体などのうちの1種以上のセラ
ミックス粉末や、結合相形成成分としてのFe粉末、C
u粉末、Mo粉末、Cr粉末、およびV粉末などのうち
の1種以上からなる金属粉末を用い、これら原料粉末を
所定の配合組成に配合し、例えばボールミル中で所定時
間湿式混合し、乾燥した後、所定形状の圧粉体にプレス
成形し、この圧粉体に普通焼結あるいはホットプレス焼
結を施し、さらに必要に応じてHIP処理を施すことに
より製造され、これが各種の切削工具や耐摩工具、砕石
などとして適用されていることは良く知られるところで
ある。
料粉末として、例えばいずれも主要構成成分となるWC
粉末、TiCN粉末、Al2 O3 粉末、BN粉末、ある
いはZrO2 粉末などのセラミックス粉末を用い、これ
に加えて結合相を形成するCo粉末やNi粉末を用い、
さらに必要に応じて周期律表4a,5a,および6a族
金属の炭化物、窒化物、硼化物、および酸化物、並びに
これらの2種以上の固溶体などのうちの1種以上のセラ
ミックス粉末や、結合相形成成分としてのFe粉末、C
u粉末、Mo粉末、Cr粉末、およびV粉末などのうち
の1種以上からなる金属粉末を用い、これら原料粉末を
所定の配合組成に配合し、例えばボールミル中で所定時
間湿式混合し、乾燥した後、所定形状の圧粉体にプレス
成形し、この圧粉体に普通焼結あるいはホットプレス焼
結を施し、さらに必要に応じてHIP処理を施すことに
より製造され、これが各種の切削工具や耐摩工具、砕石
などとして適用されていることは良く知られるところで
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の各種工具
の小型化および軽量化(薄肉化)に対する要求は厳し
く、これに伴ない各種工具にはより一段の高強度を具備
する必要性がさけばれているが、上記の従来法で製造さ
れた各種焼結材料においては、焼結時における結合相形
成成分である金属粉末のセラミックス粉末に対するぬれ
性が低く、したがって結合相のセラミックス粒に対する
密着性が十分でないために、上記の要求に満足に対応す
ることができる強度を具備させるのが困難であるのが現
状である。
の小型化および軽量化(薄肉化)に対する要求は厳し
く、これに伴ない各種工具にはより一段の高強度を具備
する必要性がさけばれているが、上記の従来法で製造さ
れた各種焼結材料においては、焼結時における結合相形
成成分である金属粉末のセラミックス粉末に対するぬれ
性が低く、したがって結合相のセラミックス粒に対する
密着性が十分でないために、上記の要求に満足に対応す
ることができる強度を具備させるのが困難であるのが現
状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記の従来各種焼結材料の製造
法に着目し、より高強度を具備する各種焼結材料を製造
すべく研究を行なった結果、金属酸化物粉末を還元する
か、あるいは金属粉末を酸化するかして調製することに
より酸素含有量を2重量%以上とした金属粉末を、この
金属粉末に比して相対的に粗粒のセラミックス粉末に所
定割合配合して混合し、ついでこの混合粉末に、これを
流動させながら加熱還元処理を施すと、前記金属粉末中
の酸素含有量が2重量%を境にして、これより低減する
にしたがって金属粉末に著しく強固な密着力が発生する
ようになり、この結果還元後の金属粉末がセラミックス
粉末の表面に強固に密着してなる金属表面被覆セラミッ
クス粉末が形成されることになり、この金属表面被覆セ
ラミックス粉末を原料粉末として用い、通常の粉末冶金
法にて各種焼結材料を製造すると、上記の通り原料粉末
の時点で結合相形成成分である金属粉末がセラミックス
粉末の表面に強固に密着した状態となっているので、製
造された各種焼結材料は、セラミックス粒に対する結合
相の密着性がきわめて高いものとなり、より一段の高強
度を具備するようになるという研究結果を得たのであ
る。
上述のような観点から、上記の従来各種焼結材料の製造
法に着目し、より高強度を具備する各種焼結材料を製造
すべく研究を行なった結果、金属酸化物粉末を還元する
か、あるいは金属粉末を酸化するかして調製することに
より酸素含有量を2重量%以上とした金属粉末を、この
金属粉末に比して相対的に粗粒のセラミックス粉末に所
定割合配合して混合し、ついでこの混合粉末に、これを
流動させながら加熱還元処理を施すと、前記金属粉末中
の酸素含有量が2重量%を境にして、これより低減する
にしたがって金属粉末に著しく強固な密着力が発生する
ようになり、この結果還元後の金属粉末がセラミックス
粉末の表面に強固に密着してなる金属表面被覆セラミッ
クス粉末が形成されることになり、この金属表面被覆セ
ラミックス粉末を原料粉末として用い、通常の粉末冶金
法にて各種焼結材料を製造すると、上記の通り原料粉末
の時点で結合相形成成分である金属粉末がセラミックス
粉末の表面に強固に密着した状態となっているので、製
造された各種焼結材料は、セラミックス粒に対する結合
相の密着性がきわめて高いものとなり、より一段の高強
度を具備するようになるという研究結果を得たのであ
る。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、相対的に粗粒、望ましくは5〜
50μmの範囲内の所定の平均粒径を有するセラミック
ス粉末、例えばWC粉末、TiCN粉末、TiC粉末、
TiN粉末、Al2 O3 粉末、BN粉末、Si3 N4 粉
末、およびZrO2 粉末のうちのいずれか、あるいはこ
れのうちのいずれか1種を主体とし、これにさらに周期
律表の4a,5a,および6a族金属の炭化物、窒化
物、硼化物、および酸化物、並びにこれらの2種以上の
固溶体のうちの1種以上を加えたセラミックス粉末に、
上記セラミックス粉末に比して微粒、望ましくは0.1
〜5μm範囲内の所定の平均粒径を有し、かつ2重量%
以上の酸素を含有する金属粉末、例えばCo粉末、Ni
粉末、Co合金粉末、およびNi合金粉末のうちのいず
れか、あるいはこれのうちのいずれか1種を主体とし、
これにさらにFe粉末、Cu粉末、Mo粉末、Cr粉
末、およびV粉末のうちの1種以上を加えた金属粉末を
所定割合配合して、混合し、ついで、上記混合粉末に、
例えば水素含有ガスなどの還元性ガスを吹き込んでこれ
の流動層を形成し、この流動層を、望ましくは300〜
350℃の範囲内の所定温度に加熱し、この状態を所定
時間保持することからなる流動還元処理を施して、前記
酸素含有金属粉末の酸素含有量の低減および還元後の金
属粉末の上記セラミックス粉末表面への強固な密着をは
かることによって粉末冶金用金属表面被覆セラミックス
粉末を製造する方法に特徴を有するものである。
なされたものであって、相対的に粗粒、望ましくは5〜
50μmの範囲内の所定の平均粒径を有するセラミック
ス粉末、例えばWC粉末、TiCN粉末、TiC粉末、
TiN粉末、Al2 O3 粉末、BN粉末、Si3 N4 粉
末、およびZrO2 粉末のうちのいずれか、あるいはこ
れのうちのいずれか1種を主体とし、これにさらに周期
律表の4a,5a,および6a族金属の炭化物、窒化
物、硼化物、および酸化物、並びにこれらの2種以上の
固溶体のうちの1種以上を加えたセラミックス粉末に、
上記セラミックス粉末に比して微粒、望ましくは0.1
〜5μm範囲内の所定の平均粒径を有し、かつ2重量%
以上の酸素を含有する金属粉末、例えばCo粉末、Ni
粉末、Co合金粉末、およびNi合金粉末のうちのいず
れか、あるいはこれのうちのいずれか1種を主体とし、
これにさらにFe粉末、Cu粉末、Mo粉末、Cr粉
末、およびV粉末のうちの1種以上を加えた金属粉末を
所定割合配合して、混合し、ついで、上記混合粉末に、
例えば水素含有ガスなどの還元性ガスを吹き込んでこれ
の流動層を形成し、この流動層を、望ましくは300〜
350℃の範囲内の所定温度に加熱し、この状態を所定
時間保持することからなる流動還元処理を施して、前記
酸素含有金属粉末の酸素含有量の低減および還元後の金
属粉末の上記セラミックス粉末表面への強固な密着をは
かることによって粉末冶金用金属表面被覆セラミックス
粉末を製造する方法に特徴を有するものである。
【0006】なお、この発明の方法において、酸素含有
金属粉末の酸素含有量を2重量%以上と定めたのは、酸
素含有量が2重量%未満になると、例えば平均粒径が
0.1〜5μmの微粒では、粉末間に凝集が起り、団塊
化するようになるという理由によるものである。
金属粉末の酸素含有量を2重量%以上と定めたのは、酸
素含有量が2重量%未満になると、例えば平均粒径が
0.1〜5μmの微粒では、粉末間に凝集が起り、団塊
化するようになるという理由によるものである。
【0007】
【実施例】つぎに、この発明の方法を実施例により具体
的に説明する。 実施例1 0.6μmの平均粒径を有する酸化コバルト粉末に
H2 :40容量%を含有するArガスを吹込んで流動層
を形成し、これを310℃に加熱し、60〜120分間
の範囲内の所定時間保持することによりそれぞれ表1に
示される酸素含有量のCo粉末を調製し、これらのCo
粉末を、いずれも1.8μmの平均粒径に整粒した状態
で、11μmの平均粒径を有するWC粉末に6重量%の
割合で配合し、ボールミルにて30分間混合し、ついで
この混合粉末のそれぞれにアンモニア分解ガスを吹込ん
で流動層を形成し、330℃の温度に加熱し、この状態
を60〜90分の範囲内の所定時間保持(酸素含有量の
高いものほど長時間保持となる)することにより本発明
法1〜4および比較法1,2を実施し、酸素含有量がい
ずれも0.8重量%以下のCoでWC粉末の表面を被覆
してなるCo表面被覆WC粉末をそれぞれ製造した。
的に説明する。 実施例1 0.6μmの平均粒径を有する酸化コバルト粉末に
H2 :40容量%を含有するArガスを吹込んで流動層
を形成し、これを310℃に加熱し、60〜120分間
の範囲内の所定時間保持することによりそれぞれ表1に
示される酸素含有量のCo粉末を調製し、これらのCo
粉末を、いずれも1.8μmの平均粒径に整粒した状態
で、11μmの平均粒径を有するWC粉末に6重量%の
割合で配合し、ボールミルにて30分間混合し、ついで
この混合粉末のそれぞれにアンモニア分解ガスを吹込ん
で流動層を形成し、330℃の温度に加熱し、この状態
を60〜90分の範囲内の所定時間保持(酸素含有量の
高いものほど長時間保持となる)することにより本発明
法1〜4および比較法1,2を実施し、酸素含有量がい
ずれも0.8重量%以下のCoでWC粉末の表面を被覆
してなるCo表面被覆WC粉末をそれぞれ製造した。
【0008】
【表1】
【0009】つぎに、この結果得られた各種のCo表面
被覆WC粉末を原料粉末として用い、通常の条件、すな
わち1ton /cm2 の圧力で圧粉体にプレス成形し、N2
雰囲気中、温度:1250℃に1時間保持の条件で前記
圧粉体を焼結することによりWC基超硬合金を製造し
た。これらのWC基超硬合金の強度を評価する目的で抗
折力を測定し、この測定結果を表1に示した。また、比
較の目的で、原料粉末として、それぞれ11μmの平均
粒径を有するWC粉末、同2.5μmのCo粉末を用
い、前記WC粉末に前記Co粉末を6重量%の割合で配
合し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥して混合
粉末とし、この混合粉末を用いる以外は同一の条件で従
来法を行ない、WC基超硬合金を製造した。このWC基
超硬合金の抗折力を測定し、同じく表1に示した。
被覆WC粉末を原料粉末として用い、通常の条件、すな
わち1ton /cm2 の圧力で圧粉体にプレス成形し、N2
雰囲気中、温度:1250℃に1時間保持の条件で前記
圧粉体を焼結することによりWC基超硬合金を製造し
た。これらのWC基超硬合金の強度を評価する目的で抗
折力を測定し、この測定結果を表1に示した。また、比
較の目的で、原料粉末として、それぞれ11μmの平均
粒径を有するWC粉末、同2.5μmのCo粉末を用
い、前記WC粉末に前記Co粉末を6重量%の割合で配
合し、ボールミルで72時間湿式混合し、乾燥して混合
粉末とし、この混合粉末を用いる以外は同一の条件で従
来法を行ない、WC基超硬合金を製造した。このWC基
超硬合金の抗折力を測定し、同じく表1に示した。
【0010】実施例2 いずれも2.7μmの平均粒径を有するCo粉末および
Ni粉末を、空気中、温度:350℃に40分間保持の
条件で酸化して、酸素:3.5重量%含有のCo粉末と
同2.8重量%含有のNi粉末を調製し、これを、平均
粒径:15μmを有するTiCN粉末、同9μmのMo
2 C粉末、および同13μmのVC粉末に、TiCN:
40重量%、Mo2 C:20重量%、VC:10重量
%、Co20重量%、Ni:10重量%の配合組成に配
合し、ボールミルにて45分間混合し、ついでこの混合
粉末にH2 :40容量%含有のArガスを吹込んで流動
層を形成し、330℃の温度に加熱し、90分間保持す
るこにより本発明法5を実施し、CoおよびNi中の酸
素含有量が0.7重量%の金属表面被覆セラミックス粉
末を製造した。
Ni粉末を、空気中、温度:350℃に40分間保持の
条件で酸化して、酸素:3.5重量%含有のCo粉末と
同2.8重量%含有のNi粉末を調製し、これを、平均
粒径:15μmを有するTiCN粉末、同9μmのMo
2 C粉末、および同13μmのVC粉末に、TiCN:
40重量%、Mo2 C:20重量%、VC:10重量
%、Co20重量%、Ni:10重量%の配合組成に配
合し、ボールミルにて45分間混合し、ついでこの混合
粉末にH2 :40容量%含有のArガスを吹込んで流動
層を形成し、330℃の温度に加熱し、90分間保持す
るこにより本発明法5を実施し、CoおよびNi中の酸
素含有量が0.7重量%の金属表面被覆セラミックス粉
末を製造した。
【0011】つぎに、上記本発明法5による金属表面被
覆セラミックス粉末を原料粉末として用い、1ton /cm
2 の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を窒素雰
囲気中、温度:1500℃に1時間保持の条件で普通焼
結し、さらに引続いて圧力:1500気圧、温度:14
00℃の条件でHIP処理することによりTiCN基サ
ーメット(以下本発明TiCN基サーメットという)を
製造した。
覆セラミックス粉末を原料粉末として用い、1ton /cm
2 の圧力で圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を窒素雰
囲気中、温度:1500℃に1時間保持の条件で普通焼
結し、さらに引続いて圧力:1500気圧、温度:14
00℃の条件でHIP処理することによりTiCN基サ
ーメット(以下本発明TiCN基サーメットという)を
製造した。
【0012】また、比較の目的で、原料粉末として、上
記のTiCN粉末、Mo2 C粉末、およびVC粉末のほ
かに、平均粒径:2.5μmのCo粉末および3.2μ
mのNi粉末を用い、上記本発明法5におけると同じ配
合組成に配合し、ボールミルにて72時間湿式混合し、
乾燥して混合粉末とし、以下上記本発明法5と同じ条件
でTiCN基サーメット(以下従来TiCN基サーメッ
トという)を製造した。この結果得られた本発明TiC
N基サーメットと従来TiCN基サーメットについて、
抗折力を測定したところ、前者は197kg/mm2 を示
し、後者は147kg/mm2 を示すにすぎなかった。
記のTiCN粉末、Mo2 C粉末、およびVC粉末のほ
かに、平均粒径:2.5μmのCo粉末および3.2μ
mのNi粉末を用い、上記本発明法5におけると同じ配
合組成に配合し、ボールミルにて72時間湿式混合し、
乾燥して混合粉末とし、以下上記本発明法5と同じ条件
でTiCN基サーメット(以下従来TiCN基サーメッ
トという)を製造した。この結果得られた本発明TiC
N基サーメットと従来TiCN基サーメットについて、
抗折力を測定したところ、前者は197kg/mm2 を示
し、後者は147kg/mm2 を示すにすぎなかった。
【0013】
【発明の効果】上記の結果から、本発明法1〜5によっ
て製造された金属表面被覆セラミックス粉末は、いずれ
も金属粉末がセラミックス粉末の表面に強固に密着して
いるので、これを原料粉末として用いて製造された焼結
材料は、前記金属粉末による結合相の均一な分散性と相
まって、従来法により製造された焼結材料に比して一段
と高強度を具備するようになることが明らかである。上
述のように、この発明の方法により製造された金属表面
被覆セラミックス粉末を粉末冶金用原料粉末として用い
れば、各種工具の小型化および軽量化を可能にする高強
度を有する焼結材料を製造することができるのである。
て製造された金属表面被覆セラミックス粉末は、いずれ
も金属粉末がセラミックス粉末の表面に強固に密着して
いるので、これを原料粉末として用いて製造された焼結
材料は、前記金属粉末による結合相の均一な分散性と相
まって、従来法により製造された焼結材料に比して一段
と高強度を具備するようになることが明らかである。上
述のように、この発明の方法により製造された金属表面
被覆セラミックス粉末を粉末冶金用原料粉末として用い
れば、各種工具の小型化および軽量化を可能にする高強
度を有する焼結材料を製造することができるのである。
Claims (5)
- 【請求項1】 相対的に粗粒のセラミックス粉末に、前
記セラミックス粉末に比して微粒で、かつ2重量%以上
の酸素を含有する金属粉末を所定割合配合して、混合
し、 ついで、上記混合粉末に、これを流動させながら還元処
理を施して、前記酸素含有金属粉末の酸素含有量の低減
および還元後の金属粉末の上記セラミックス粉末表面へ
の強固な密着をはかることを特徴とする粉末冶金用金属
表面被覆セラミックス粉末の製造法。 - 【請求項2】 上記セラミックス粉末が、炭化タングス
テン粉末、炭化チタン粉末、窒化チタン粉末、炭窒化チ
タン粉末、酸化アルミニウム粉末、窒化けい素粉末、窒
化ほう素粉末、および酸化ジルコニウム粉末のうちのい
ずれか、あるいはこれのうちのいずれか1種を主体とす
る2種以上からなることを特徴とする上記請求項1記載
の粉末冶金用金属表面被覆セラミックス粉末の製造法。 - 【請求項3】 上記金属粉末が、Co粉末、Ni粉末、
Co合金粉末、およびNi合金粉末のうちのいずれか、
あるいはこれのうちのいずれか1種を主体とする2種以
上からなることを特徴とする上記請求項1,2記載の粉
末冶金用金属表面被覆セラミックス粉末の製造法。 - 【請求項4】 上記セラミックス粉末が、5〜50μm
の範囲内の所定の平均粒径を有することを特徴とする上
記請求項1,2記載の粉末冶金用金属表面被覆セラミッ
クス粉末の製造法。 - 【請求項5】 上記金属粉末が、0.1〜5μmの範囲
内の所定の平均粒径を有することを特徴とする上記請求
項1,3記載の粉末冶金用金属表面被覆セラミックス粉
末の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4115403A JPH05287407A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 粉末冶金用金属表面被覆セラミックス粉末の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4115403A JPH05287407A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 粉末冶金用金属表面被覆セラミックス粉末の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05287407A true JPH05287407A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14661710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4115403A Pending JPH05287407A (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 粉末冶金用金属表面被覆セラミックス粉末の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05287407A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5976708A (en) * | 1995-11-06 | 1999-11-02 | Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. | Heat resistant stainless steel wire |
JP2010121192A (ja) * | 2008-11-21 | 2010-06-03 | Japan New Metals Co Ltd | 複合粉末及びその製造方法 |
-
1992
- 1992-04-08 JP JP4115403A patent/JPH05287407A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5976708A (en) * | 1995-11-06 | 1999-11-02 | Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. | Heat resistant stainless steel wire |
JP2010121192A (ja) * | 2008-11-21 | 2010-06-03 | Japan New Metals Co Ltd | 複合粉末及びその製造方法 |
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