JPH05287356A - 取鍋精錬方法 - Google Patents

取鍋精錬方法

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JPH05287356A
JPH05287356A JP8405492A JP8405492A JPH05287356A JP H05287356 A JPH05287356 A JP H05287356A JP 8405492 A JP8405492 A JP 8405492A JP 8405492 A JP8405492 A JP 8405492A JP H05287356 A JPH05287356 A JP H05287356A
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JP
Japan
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molten steel
ladle
vacuum
pressure
steel
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JP8405492A
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English (en)
Inventor
Yoshihiko Higuchi
善彦 樋口
Yoshiyasu Shirota
良康 城田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 極低硫化、極清浄化、Ca合金またはCa化合物
添加による介在物の形態制御および極低水素化を、膨大
な設備投資やオペレータの増員やハンドリング時間増加
やメンテナンスの増加を伴うことなく、達成する。 【構成】 真空脱ガス槽と組合せた取鍋内の溶鋼にキャ
リヤガスで処理剤を吹き込み減圧精錬する取鍋精錬に際
し、真空脱ガス槽内を減圧するとともに取鍋内にCa合金
またはCa化合物および脱硫剤を吹き込み、次いで真空脱
ガス槽内を大気圧に復圧した後、Ca合金またはCa化合物
を吹き込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空脱ガス槽と組合わ
せた取鍋で二次精錬を行う取鍋精錬方法に関する。さら
に詳しくは、本発明は、取鍋と、この取鍋に収容された
溶鋼への浸漬管を有する真空脱ガス槽とを用いて、真空
下で溶鋼の脱水素および脱硫を同一工程で行う取鍋精錬
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の気体や液体の配管、導管といった
輸送用に使用される配管用鋼管 (ラインパイプ) は、使
用圧力や使用温度・環境により、JIS では材質毎に以下
のように分類されている。 (i) JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管(SGP):低圧力下で
使用する (ii) JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管(STPG): 使用
圧力10〜100kg/cm2 (iii) JIS G 3455 高圧配管用炭素鋼鋼管(STS):使用圧
力100kg/cm2 以上 (iv) JIS G 3456 高温配管用炭素鋼鋼管(STPT): 使用
温度350 ℃以上 (v) JIS G 3457 配管用アーク溶接炭素鋼鋼管(STPY):
低圧力下で使用する (vi) JIS G 3458 配管用合金鋼鋼管(STPA): 高温用 (vii) JIS G 3459 配管用ステンレス鋼鋼管(SUSTP等):
耐食・耐熱用 (viii)JIS G 3460 低温配管用鋼管(STPL): 氷点下の特
に低温用。
【0003】近年、これらの配管用鋼管には、それらの
使用環境が厳しいことから強度や靱性の向上といった高
級化への要望が特に高まっている。このような要望に応
えるため、配管用鋼管の組成・組織面では、(1) 極低硫
化、(2) 極清浄化、(3) CaSi粉体 (以下、「Ca合金また
はCa化合物」という) 添加による介在物の形態制御およ
び(4) 極低水素化を全て達成する必要がある。
【0004】従来より、溶鋼の極低硫化、極清浄化およ
びCa合金またはCa化合物添加による介在物の形態制御を
達成するには、大気圧下で溶鋼中へ脱硫剤等の粉体を吹
込むことが有効であることが知られている。しかし、こ
の技術では粉体の吹き込みに際して溶鋼の真空処理を伴
わないため、極低水素化 (脱水素処理) を図ることが困
難であり、最悪の場合には粉体に含有される水分が原因
となって逆に溶鋼の水素濃度が上昇してしまうこともあ
る。
【0005】溶鋼の極低水素化 (脱水素処理) を図るこ
とができる方法として、RH真空脱ガス法が知られてい
る。しかし、この方法で脱水素後に介在物の形態制御の
ためにCa合金またはCa化合物を添加すると、真空下であ
るために添加したCaが簡単に蒸発してしまい、介在物の
形態制御が困難になってしまう。そのため、RH真空脱
ガス法を用いて溶鋼の極低水素化および介在物の形態制
御を行うには、脱ガスを行った後にCaワイヤの添加等の
補助手段を講じる必要があり、工数増となってしまう。
【0006】また、Caワイヤの添加は、添加時に白煙が
発生するため専用の集塵機を設置する必要が生じるこ
と、Caワイヤ添加時に空気中のN2 を吸収するため溶鋼
中の窒素濃度が増加すること、さらにはCa歩留りのバラ
ツキが大きいため添加後Ca分析結果が判るまで後続する
処理を行えないことなどの問題があった。
【0007】極低硫化、極清浄化、Ca合金またはCa化合
物添加による介在物の形態制御および極低水素化をいず
れも達成するため、従来より考えられているのは、RH
真空脱ガス法と溶鋼中への粉体吹込み法とを組合せて用
いることである。この組合わせ処理では、脱ガス処理、
粉体吹込みのいずれを先に行うかにより効果が異なる。
【0008】RH真空脱ガスを行った後に粉体を吹込む
と、脱水素を行った後で脱硫剤やCa合金等を吹込むこと
になるため、粉体やCa合金に含有される水分からの水素
のピックアップが生じ、低水素化を達成することが難し
くなってしまう。一方、粉体吹込みを行った後に真空脱
ガスを行うと、粉体吹込みにより溶鋼に供給されたCaが
真空脱ガス中に蒸発してしまうため介在物の形態制御効
果が低下してしまう。したがって、溶鋼中にCaを残留さ
せるためにはこの後さらにワイヤ添加等を実施する必要
があり、工数増となってしまう。
【0009】このように、RH真空脱ガス法と粉体吹込
み法との組合せでは、プロセスが複数に及ぶために処理
中の溶鋼の温度降下が大きくなり、その温度補償のため
転炉吹止め温度を高くする必要があること、工程が複雑
になるため生産性低下をもたらし大量生産には不適当に
なることといった問題がある。
【0010】以上の問題を解決するため、下記技術が知
られている。 取鍋全体を真空容器内に収容して不活性ガスの吹込み
を行う技術である。すなわち、真空容器内に取鍋を設置
し、取鍋中溶鋼上にスラグを上置きした状態で取鍋底部
に設けた羽口から不活性ガス等を吹込むことにより脱ガ
スを行うとともに、スラグおよびメタル攪拌を行うこと
により脱硫を行う。
【0011】取鍋内溶鋼自体を真空容器内に収容し、
ランスを真空容器外から取鍋内溶鋼に浸漬することによ
る技術である。前記の技術に対してさらに粉体吹込み
が可能であり、脱硫能力がの技術よりも優れる。特公
昭63−32845 号公報には、取鍋とこれに組合せた真空脱
ガス槽とを用い、まず脱ガス槽内を減圧してから取鍋内
溶鋼に脱硫剤を不活性ガスとともに吹込むことにより脱
硫、脱酸および一部脱水素を図るとともに、真空状態を
維持したままで不活性ガスのみ吹込むことによりさらに
脱水素を図り、大気圧に復圧してから、CaまたはCa合金
を吹込むことにより介在物の形態制御を行う技術が提案
されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法では、取
鍋を真空容器内に入れたままでCaを添加できるため、溶
鋼からのCaの蒸発をいずれも解消することができる。し
かし、いずれの技術も、取鍋全体あるいは溶鋼自体を真
空容器に収容する必要があり膨大な設備投資が必要とな
る。また、取鍋あるいは溶鋼を真空容器に収容する操作
も必要になるため、オペレータ数とハンドリング時間と
がそれぞれ増加してしまう。
【0013】特に、ランスを使用せずに溶鋼の攪拌を行
う技術では、取鍋底部にポーラスレンガを取り付ける必
要があるため取鍋のメンテナンスが問題となり、一方ラ
ンスを使用する技術では真空容器とランスとの間のシー
ル性が問題となるとともにランス処理中にランスにスラ
グまたはメタルが付着し易く、処理後にランスが上昇で
きないという事態に至るおそれがある。
【0014】本発明の目的は、極低硫化、極清浄化、Ca
合金またはCa化合物添加による介在物の形態制御および
極低水素化を、膨大な設備投資やオペレータの増員やハ
ンドリング時間増加やメンテナンスの増加を伴うことな
く、達成できる、真空脱ガス槽と組合わせた取鍋で二次
精錬を行う取鍋精錬方法を提供することにある。さらに
特定的には前述の配管用鋼管用鋼の取鍋精錬方法を提供
することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】溶鋼の脱水素速度を高め
るためには、吹込みガスの流量増加または真空度の増加
が有効であることが広く知られている。しかし、前者の
手段はガス元圧力による制限を受けるために現状以上に
増加させることは難しい。また、後者の手段は真空ポン
プの能力制限を受けるためにやはり現状以上に真空度を
増加させることは難しい。いずれも多大な設備改造を要
することになるからである。
【0016】本発明者らは、吹込みガスの流量を増加す
ることなく脱水素に寄与するガス流量を増加させること
ができれば上記課題を解決できるとの認識に立って、種
々検討を重ねた結果、前処理段階 (脱硫剤吹込み前また
は同時) で、真空下で脱硫剤とともにCa合金またはCa化
合物を吹き込むことまたは真空下でCa合金またはCa化合
物を吹込むことにより、脱硫処理時においても水素濃度
を低下させ得ることを見い出し、前述の特公昭63−3284
5 号公報により提案された技術で行うような不活性ガス
等のみの真空下吹込み工程 (脱水素処理工程) の省略が
可能となることを知見して、本発明を完成した。
【0017】ここに、本発明の要旨とするところは、真
空脱ガス槽と組合せた取鍋内の溶鋼にキャリヤガスで処
理剤を吹き込み減圧精錬する取鍋精錬方法において、真
空脱ガス槽内を減圧するとともに取鍋内にCa合金または
Ca化合物の単体またはこれらと脱硫剤との混合物を吹き
込み、次いで真空脱ガス槽内を大気圧に復圧した後、Ca
合金またはCa化合物を吹き込むことを特徴とする取鍋精
錬方法である。
【0018】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。本
発明は、取鍋と、この取鍋に収容された溶鋼への浸漬管
を有する真空脱ガス槽とを用い、取鍋内の溶鋼にキャリ
ヤガスで処理剤を吹き込み減圧精錬する取鍋精錬方法に
関する。本発明では、取鍋、真空脱ガス槽、脱硫剤さら
にはキャリアガス等については公知のものであってよ
く、特定のものに限定する必要はない。
【0019】この装置において、まず、真空脱ガス槽内
を減圧するとともに取鍋内にCa合金またはCa化合物を吹
き込む。吹き込まれたCa合金またはCa化合物は、吹き込
まれた溶鋼が大気圧+溶鋼静圧を受けており約3気圧程
度となっているためにCa分は溶鋼中に一旦は溶解するも
のの、Ca合金またはCa化合物を搬送してきたキャリアガ
スにより形成される溶鋼の上昇流により溶鋼が浸漬管内
の湯面下に到達すると、ガス化してCaガスとなる。した
がって、溶鋼中のCa分がCaガス気泡を生成し、そのCa気
泡への水素の拡散およびCa気泡による溶鋼攪拌の強化に
より、溶鋼の脱水素が促進される。したがって、本発明
によれば、脱水素処理の時間を短縮できる。
【0020】また、真空下でのCa合金またはCa化合物の
添加とともに脱硫剤も添加しておくことにより脱水素と
脱硫および脱酸とを同一工程で行うことも可能となる。
なお、脱硫剤を添加するタイミングは、特に限定する必
要はなく、Ca合金またはCa化合物の添加タイミングとほ
ぼ同等とすればよい。また、脱硫剤もキャリアガス吹き
込みと全く同じタイミングで吹き込む必要はなく、例え
ば、まずキャリアガスのみを空吹きしてから脱硫剤を徐
々に吹き込むようにしてもよい。
【0021】なお、化学量論的には、吹込みガス流量2
〜3Nm3/min 並みの脱水素効果をCa合金またはCa化合物
の添加により確保するには、Ca金属換算で 3.6〜5.4 kg
/minを添加すればよい。このようにして、脱水素、脱硫
および脱酸を完了してから、真空脱ガス槽内を大気圧に
復圧した後、Ca合金またはCa化合物を吹き込む。最後
に、Ca合金またはCa化合物を吹き込む目的が硫化物系介
在物の形態制御にあることはいうまでもない。
【0022】なお、ここに本発明に云う「Ca合金または
Ca化合物」には、いわゆる脱硫剤として用いられるフラ
ックスは包含されない。さらに、本発明を実施例を参照
しながら詳述するが、これは本発明の例示であり、これ
により本発明が限定されるものではない。
【0023】
【実施例】取鍋に収容された溶鋼 250トンに、真空脱ガ
ス槽下部の大型浸漬管 (内径1.5m) を浸漬し、浸漬管の
上部槽から排気することにより浸漬管を真空減圧下とし
た状態で、取鍋底部に配置したランスから溶鋼中に粉体
を吹込むことにより、脱水素および脱硫の同時処理を行
った。粉体は、脱硫剤としてのCaO-15重量%CaF2の脱硫
フラックスとCa合金としてのCa−Siとの事前混合品 (フ
ラックスとCaSiとの混合重量比率は1:1) を用いた。
粉体の吹込み速度は100 kg/minとした。結果を表1に示
す。
【0024】表1から明らかなように、減圧下でのガス
吹込み、減圧下での脱硫フラックス吹込みの場合 (従来
法) に比較して、本発明法における脱水素速度は大幅に
増大していることがわかる。この際の溶鋼成分は、C:
0.3 〜0.12重量%、Si: 0.12〜0.28重量%、Mn: 0.8 〜
2.2 重量%、P:0.003〜0.005 重量%、S: 0.0003〜0.
0038重量%、sol.Al: 0.008 〜0.062 重量%、N: 20〜
46 ppmであった。したがって、ラインパイプ用鋼として
好適であることがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明により、極
低硫化、極清浄化、Ca合金またはCa化合物添加による介
在物の形態制御および極低水素化を、膨大な設備投資や
オペレータの増員やハンドリング時間増加やメンテナン
スの増加を伴うことなく、達成できた。
【0027】また、JIS G 3452〜JIS G 3460に規定され
る配管用鋼管用鋼の取鍋精錬方法を提供できた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空脱ガス槽と組合せた取鍋内の溶鋼に
    キャリヤガスで処理剤を吹き込み減圧精錬する取鍋精錬
    方法において、 真空脱ガス槽内を減圧するとともに取鍋内にCa合金また
    はCa化合物を吹き込み、次いで真空脱ガス槽内を大気圧
    に復圧した後、Ca合金またはCa化合物を吹き込むことを
    特徴とする取鍋精錬方法。
  2. 【請求項2】 1回目の前記Ca合金またはCa化合物の吹
    き込みの際に脱硫剤を吹き込むことを特徴とする請求項
    1記載の取鍋精錬方法。
JP8405492A 1992-04-06 1992-04-06 取鍋精錬方法 Pending JPH05287356A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000297317A (ja) * 1999-04-09 2000-10-24 Sumitomo Metal Ind Ltd 低Al極低硫鋼の製造方法
JP2000297318A (ja) * 1999-04-09 2000-10-24 Sumitomo Metal Ind Ltd 溶鋼の高速脱硫方法
CN115505684A (zh) * 2022-08-30 2022-12-23 马鞍山钢铁股份有限公司 一种溶钙析钙气浴法的夹杂物变性去除工艺

Cited By (4)

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Effective date: 20010116