JPH0528637U - インクジエツトヘツドの駆動電極引き出し構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】多層に積層密着した板状圧電体の駆動電極を確
実に外部に電極引き出すマルチノズルヘッドを提供する
こと。 【構成】厚み方向に電極間隔を狭めた板状圧電体を複数
個積層し、その板状圧電体の周辺に穿設したスル−ホ−
ル電極を介して下層基板に電極移しして外部に電極引き
出しをする。 【効果】多層に積層密着した板状圧電体の中間層の電極
を容易にかつ電気的接続を確実に外部に電極引き出しを
可能にできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はプリンタ特にインクジェットプリンタのヘッドの駆動電極引き出し構 造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のオンデマンド型インクジェト駆動電極引き出し装置として例えば、偶数 または奇数番目に設けたスル−ホ−ル同志に導電ペ−ストを充填して電極同志を 積層方向に電気的に接続する方法が特開昭６３−４９５６号公報に記載されてい る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の電気的接続法はスル−ホ−ル内の電極露出部が電極の厚 み分だけなので電気的接続が不完全である。本考案の目的は多層に積層密着した 板状圧電体の駆動電極を確実に外部に電極引き出すことができるマルチノズルヘ ッドを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため本考案のインクジェットヘッドの駆動電極引き出し構 造は、少なくとも圧力室を有しその周辺に駆動電極を配した板状圧電体を複数個 積層し、少なくとも一方の基板にインク供給孔を有する上基板と下基板とで挟着 してなるドロップオンデマンド型マルチノズルインクジェットヘッドに於いて、 前記一方の基板に電極引き出し用端子を有するフレキシブル配線板を配設し、前 記板状圧電体及び基板のそれぞれの周辺に複数個のスル−ホ−ル電極を穿設し、 該スル−ホ−ル電極同志を対応する位置に積層配設し、前記駆動電極は前記スル −ホ−ル電極のいずれか１つに接続するパタ−ンで形成し、該駆動電極を該スル −ホ−ル電極を介して前記フレキシブル配線板の電極引き出し用端子に貫通して 電気的接続を行うことを特徴とする。

【０００５】

【作用】

本構成によれば、板状圧電体の周辺に穿設したスル−ホ−ル電極を介して下層 基板に電極移しすることにより薄い板状圧電体を多層に密着した中間層の電極を 容易にかつ電気的接続を確実にして外部に引き出すことを可能にしている。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案による一実施例を図面に基づいて説明する。図１は本考案による インクジェットヘッドの分解斜視図である。図１において電気機械変換特性を有 する板状圧電体２０は厚み方向に分極してあり、その両面には駆動電極２０ａ、 ２０ｂ（２０ｂは図２参照）がある。また該板状圧電体２０はインク溜め２０ｃ 、インク供給路２０ｄ、圧力室２０ｅ、ノズル孔２０ｆをそれぞれ直結して厚み 方向に開放するようにくり抜かれている。また隔壁板３０はインク溜め３０ｃが 厚み方向に開放するようにくり抜かれている。板状圧電体４０は前記板状圧電体 ２０と構成は同じであるが圧力室４０ｅの位置のみ異なる。即ち板状圧電体４０ は板状圧電体２０と上下の隣接位置関係にあるため板状圧電体４０の圧力室４０ ｅは水平面内で圧力室２０ｅとは異なる位置にある。

【０００７】 以下同様に板状圧電体６０の圧力室６０ｅの位置も圧力室４０ｅの位置とは異 なる。そして板状圧電体２０、４０、６０…と隔壁板３０、５０…は交互に複数 個順次積み重ねられ、インク溜め２０ｃ、３０ｃ…同志がそれぞれ対応するよう に積層配置して共通インク溜めを形成し、上基板８０と下基板７０に挟まれてい る。上基板８０にはインク供給孔８１が設けられている。今インクがインク供給 孔８１より供給されるとインクはインク溜め２０ｃよりインク供給路２０ｄを通 って板状圧電体２０の圧力室２０ｅに供給される。圧力室２０ｅの一端はノズル 孔２０ｆに接続しているのでノズル孔２０ｆにもインクは充満する。

【０００８】 板状圧電体２０の周辺２０ｈにスルーホール２０１、２０２…が設けて有り、 そのスルーホールの上面縁部と下面縁部に通じる周囲をメッキしてスルーホール 電極（以下スルーホール電極と呼ぶ）を形成し、また隔壁板３０の周辺３０ｈに もスルーホール電極３０１、３０２、３０３…を形成しておく。 同様に下基板７０の周辺７０ｈにもスルーホール電極７０１、７０２、７０３… を設け、該下基板７０の外側には電極引き出し用フレキシブル配線板９０を設け それぞれの電極をスルーホール電極を通して外部に引出している。

【０００９】 即ち第１番目の上側駆動電極２０ａはスルーホール電極２０１を介して下側に 電極移しされ、隔壁板３０に設けたスルーホール電極３０１に接続し、順次下層 の対応するスルーホール電極４０１、５０１、６０１…に接続し、最終的に最下 面のフレキシブル配線板９０の外部リード電極端子９０１に接続される。

【００１０】 ここで第１番目の駆動電極２０ａはスルーホール電極２０１に接触しており、 他のスルーホール電極２０２…にはさけるように駆動電極パターンを形成してお く。同様にして第２番目の上側駆動電極４０ａはスル−ホ−ル電極４０３を介し てフレキシブル配線板９０の外部リード電極端子９０３に接続される。

【００１１】 また第１番目の下側駆動電極２０ｂはスルーホール電極２０２を介して次の隔 壁板３０のスルーホール電極３０２に接続し、順次下層のスルーホール電極４０ ２、５０２、６０２…を経て下基板７０のスルーホール電極７０２を介してフレ キシブル配線板９０の外部リード電極端子９０２に接続される。

【００１２】 本実施例では板状圧電体間に隔壁板を介在した例につき説明したが、板状圧電 体の上下駆動電極の表面に薄い膜からなる絶縁膜を施し、隣接するノズル孔を水 平面内で互いに相異なる位置に千鳥状に積層し隔壁板を除いた構成にした場合で も上記と同様な手法で、板状圧電体の周辺に穿設したスル−ホ−ル電極を介して 下側に電極移しすることにより薄い板状圧電体を多層に密着した中間層の電極も 容易にかつ確実に外部に引き出すことが出来る。

【００１３】 図２は本考案の動作を説明するための断面図であり、板状圧電体２０、４０… の駆動電極２０ａ、２０ｂ、４０ａ、４０ｂ…に高い電圧をフレキシブル配線板 ９０の外部リード電極端子９０２を介して加えると矢印２５、４５…の方向に分 極する。分極が反転する抗電界以下の逆方向の電圧を印加すると厚みは減少する 。従って板状圧電体２０、４０…は点線２６、４６…の如く変形し圧力室２０ｅ 、４０ｅ…の容積は減少する。

【００１４】 従って、板状圧電体の両面のそれぞれの電極に極性を選んでパルス電圧を加え ると、瞬間的に板状圧電体の厚みが減少し圧力室の圧力が上がり、圧力室内のイ ンクはノズル孔を通ってインク液滴となって外部に吐出する。

【００１５】

【考案の効果】

本考案によれば、板状圧電体の駆動電極をスルーホール電極のいずれか１つに 接続するパタ−ンで形成し、このスルーホール電極を介して下側に電極移しする ことにより薄い板状圧電体を多層に密着した中間層の電極を容易にかつ電気的接 続を確実にして外部に引き出すことが可能になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すインクジェットヘッド
の分解斜視図である。

【図２】本考案の動作を説明するための断面図である。

【符号の説明】

２０ 板状圧電体 ２０ａ 駆動電極 ２０ｂ 駆動電極 ２０ｅ 圧力室 ２０ｆ ノズル孔 ２０１ スルーホール電極 ２０２ スルーホール電極 ３０ 隔壁板 ３０１ スルーホール電極 ３０２ スルーホール電極 ３０３ スルーホール電極 ７０ 下基板 ７０１ スルーホール電極 ７０２ スルーホール電極 ７０３ スルーホール電極 ８０ 上基板 ８１ インク供給孔 ９０ フレキシブル配線板 ９０１ 外部リード電極端子 ９０２ 外部リード電極端子 ９０３ 外部リード電極端子

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 山口 静男 埼玉県所沢市大字下富字武野840番地 シ チズン時計株式会社技術研究所内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも圧力室を有しその周辺に駆動
   電極を配した板状圧電体を複数個積層し、少なくとも一
   方の基板にインク供給孔を有する上基板と下基板とで挟
   着してなるドロップオンデマンド型マルチノズルインク
   ジェットヘッドに於いて、前記一方の基板に電極引き出
   し用端子を有するフレキシブル配線板を配設し、前記板
   状圧電体及び基板のそれぞれの周辺に複数個のスルーホ
   ール電極を穿設し、該スルーホール電極同志を対応する
   位置に積層配設し、前記駆動電極は前記スルーホール電
   極のいずれか１つに接続するパターンで形成し、該駆動
   電極を該スルーホール電極を介して前記フレキシブル配
   線板の電極引き出し用端子に貫通して電気的接続を行う
   ことを特徴とするインクジェットヘッドの駆動電極引き
   出し構造。