JPH05286335A - 車両の振動低減装置 - Google Patents
車両の振動低減装置Info
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- JPH05286335A JPH05286335A JP9567192A JP9567192A JPH05286335A JP H05286335 A JPH05286335 A JP H05286335A JP 9567192 A JP9567192 A JP 9567192A JP 9567192 A JP9567192 A JP 9567192A JP H05286335 A JPH05286335 A JP H05286335A
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- Japan
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- vibration
- vehicle
- reaction force
- auxiliary mass
- mass body
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60G—VEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
- B60G2202/00—Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
- B60G2202/20—Type of damper
- B60G2202/25—Dynamic damper
Landscapes
- Vehicle Body Suspensions (AREA)
- Vibration Prevention Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 車体の振動、特に車輪のばね定数及びばね下
質量により決定される振動周波数のときの路面入力に対
する車体の振動加速度の伝達関数としての,いわゆる不
動点を低減し、車両の乗心地を向上させる。 【構成】 車両の例えば車体1側(ばね上)に補助質量
体7を配置すると共に、該補助質量体7を加振する加振
器を設ける。車両のサスペンション装置5のコイルばね
3の反力をセンサ10にて検出すると共に、ダンパー4
の反力をセンサ11にて検出する。検出したコイルばね
の反力Fs信号及びダンパー反力Fd信号に基いて補助
質量体7を加振器8を用いて加振し、車体1の振動に対
抗させる。従って、補助質量体7に加えるべき加振力を
車体1の振動の変化に対して時間遅れ少なく追随させる
ことができる。
質量により決定される振動周波数のときの路面入力に対
する車体の振動加速度の伝達関数としての,いわゆる不
動点を低減し、車両の乗心地を向上させる。 【構成】 車両の例えば車体1側(ばね上)に補助質量
体7を配置すると共に、該補助質量体7を加振する加振
器を設ける。車両のサスペンション装置5のコイルばね
3の反力をセンサ10にて検出すると共に、ダンパー4
の反力をセンサ11にて検出する。検出したコイルばね
の反力Fs信号及びダンパー反力Fd信号に基いて補助
質量体7を加振器8を用いて加振し、車体1の振動に対
抗させる。従って、補助質量体7に加えるべき加振力を
車体1の振動の変化に対して時間遅れ少なく追随させる
ことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の振動低減装置の改
良に関する。
良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の振動低減装置として、
例えば特開昭63−130418号公報に開示されるよ
うに、いわゆるアクティブサスペンション装置が知られ
ている。このサスペンション装置は、車両のばね上とば
ね下との間に流体シリンダを設けると共に、車両に加わ
る上下方向加速度や車高、上記流体シリンダ内の流体圧
力等を検出し、これ等検出信号に基いて上記流体シリン
ダへの流体の給排流量を制御することにより、車両の運
転状態の如何に拘らず車両のバウンス、ピッチング及び
ロールの各振動を低減している。
例えば特開昭63−130418号公報に開示されるよ
うに、いわゆるアクティブサスペンション装置が知られ
ている。このサスペンション装置は、車両のばね上とば
ね下との間に流体シリンダを設けると共に、車両に加わ
る上下方向加速度や車高、上記流体シリンダ内の流体圧
力等を検出し、これ等検出信号に基いて上記流体シリン
ダへの流体の給排流量を制御することにより、車両の運
転状態の如何に拘らず車両のバウンス、ピッチング及び
ロールの各振動を低減している。
【0003】また、車体の振動、特に車両のばね下共振
に伴う振動は、いわゆるブルブルした不快な振動である
ため、従来、これを低減すべく、ばね下重量を軽減して
ばね下共振周波数を高周波側に移行させたり、サスペン
ション装置のダンパーの減衰特性を調整して最適化する
方法が取られていた。
に伴う振動は、いわゆるブルブルした不快な振動である
ため、従来、これを低減すべく、ばね下重量を軽減して
ばね下共振周波数を高周波側に移行させたり、サスペン
ション装置のダンパーの減衰特性を調整して最適化する
方法が取られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の如き
アクティブサスペンション装置や、構成を簡易にしてダ
ンパーの減衰定数のみを可変としたセミアクティブサス
ペンション装置、又はサスペンション特性が変化しない
通常のサスペンション装置を備えた車両は、図8に示す
ように、ばね下質量m1 とばね上質量m2 との2自由度
モデルで表現できる。
アクティブサスペンション装置や、構成を簡易にしてダ
ンパーの減衰定数のみを可変としたセミアクティブサス
ペンション装置、又はサスペンション特性が変化しない
通常のサスペンション装置を備えた車両は、図8に示す
ように、ばね下質量m1 とばね上質量m2 との2自由度
モデルで表現できる。
【0005】今、図8の2自由度モデルにおいて、タイ
ヤばね定数をKT 、路面変位をX0、ばね下変位をX1
、ばね上変位をX2 、サスペンション装置の反力をF
とすれば、運動方程式は次式で示される。
ヤばね定数をKT 、路面変位をX0、ばね下変位をX1
、ばね上変位をX2 、サスペンション装置の反力をF
とすれば、運動方程式は次式で示される。
【0006】
【数1】
【数2】 上記式に基づけば、路面から車体への振動の伝達特性(d
2x2/dt2 ) /X0 は図9に示すグラフとなる。
2x2/dt2 ) /X0 は図9に示すグラフとなる。
【0007】次に、上記式(1),(2)を加え、反力
Fを消去すると、
Fを消去すると、
【数3】 が得られ、この式をラプラス変換し、S=jωを代入す
ると、次式(3)が得られる。
ると、次式(3)が得られる。
【数4】 次に、車体の振動伝達特性をH (S)とし、H (S)=X2
(S)・S2 /X0(S)と置くと、上記(3)式において、
ωa=√(KT /m1 )のときの振動数の伝達関数H
(ωa)は、
(S)・S2 /X0(S)と置くと、上記(3)式において、
ωa=√(KT /m1 )のときの振動数の伝達関数H
(ωa)は、
【数5】 となる。上記式(4)において、KT ,m2 及びωa2
は定数であるので、図10に示すように、ωa=√(K
T /m1 )である10Hz近傍のときの振動数の伝達関
数H(ωa)はサスペンション装置の形式に拘らず一義
的に一定値に決定されてしまい、このため、上記従来の
ようにばね下重量の軽減やダンパー調整、又はアクティ
ブサスペンション装置におけるばね定数等の変更制御を
如何に適切に行っても、ωa=√(KT /m1 )のとき
の振動数の伝達関数H(ωa)を小さく改善し得ず、そ
の結果、車両振動の低減にも限界があった。以上の事情
は、例えば日本機械学会の講習会教材('91-7.18,19 の
体験・振動制御)の第73頁〜第82頁記載の「6.ア
クティブサスペンションの設計法」の第78頁において
も開示されており、上記ωa=√(KT /m1 )のとき
の振動数の伝達関数H(ωa)を不動点と指称してい
る。尚、本説明においても以下、この伝達関数H(ω
a)を不動点と称す。
は定数であるので、図10に示すように、ωa=√(K
T /m1 )である10Hz近傍のときの振動数の伝達関
数H(ωa)はサスペンション装置の形式に拘らず一義
的に一定値に決定されてしまい、このため、上記従来の
ようにばね下重量の軽減やダンパー調整、又はアクティ
ブサスペンション装置におけるばね定数等の変更制御を
如何に適切に行っても、ωa=√(KT /m1 )のとき
の振動数の伝達関数H(ωa)を小さく改善し得ず、そ
の結果、車両振動の低減にも限界があった。以上の事情
は、例えば日本機械学会の講習会教材('91-7.18,19 の
体験・振動制御)の第73頁〜第82頁記載の「6.ア
クティブサスペンションの設計法」の第78頁において
も開示されており、上記ωa=√(KT /m1 )のとき
の振動数の伝達関数H(ωa)を不動点と指称してい
る。尚、本説明においても以下、この伝達関数H(ω
a)を不動点と称す。
【0008】そこで、例えば不動点H(ωa)を小さく
改善すべく、上記(4)式から理論的に、タイヤのばね
定数KT を小さく制限したり、ばね上質量m2 を重くす
ること、又はばね下にダイナミックダンパーを設定する
等の対応策が考えられるが、何れの考えも抜本的な解決
手段でなく、また車両の走行性や耐久性の低下を招く欠
点を有する。
改善すべく、上記(4)式から理論的に、タイヤのばね
定数KT を小さく制限したり、ばね上質量m2 を重くす
ること、又はばね下にダイナミックダンパーを設定する
等の対応策が考えられるが、何れの考えも抜本的な解決
手段でなく、また車両の走行性や耐久性の低下を招く欠
点を有する。
【0009】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、特に高層ビル等で補助質量体を使用して強風によ
る振動を抑制する制振装置の構成に着目した。この制振
装置は、例えば日本機械学会の講習会教材('91-7.18,1
9 の体験・振動制御)の第1頁〜第20頁記載の「1.
アクティブ振動制御系設計の指針」に開示されるよう
に、単独に並立して建てられた2つの高層ビルの間を通
路等で繋ぎ、該通路を補助質量体として加振することに
より、2つの高層ビルの振動を抑制するものである。
あり、特に高層ビル等で補助質量体を使用して強風によ
る振動を抑制する制振装置の構成に着目した。この制振
装置は、例えば日本機械学会の講習会教材('91-7.18,1
9 の体験・振動制御)の第1頁〜第20頁記載の「1.
アクティブ振動制御系設計の指針」に開示されるよう
に、単独に並立して建てられた2つの高層ビルの間を通
路等で繋ぎ、該通路を補助質量体として加振することに
より、2つの高層ビルの振動を抑制するものである。
【0010】そこで、本発明者は、車両において補助質
量体を別途設けて車両をばね上、ばね下及び補助質量体
との3自由度モデルで表現した場合を考察した。即ち、
図11に示す車両の3自由度モデルにおいて、m3 を例
えばばね上に配置した補助質量体の質量、Ks をサスペ
ンション装置のばね定数、Cs をサスペンション装置の
減衰係数、Uを補助質量体m3 に加えるべき加振力とす
れば、次の3式が成立する。
量体を別途設けて車両をばね上、ばね下及び補助質量体
との3自由度モデルで表現した場合を考察した。即ち、
図11に示す車両の3自由度モデルにおいて、m3 を例
えばばね上に配置した補助質量体の質量、Ks をサスペ
ンション装置のばね定数、Cs をサスペンション装置の
減衰係数、Uを補助質量体m3 に加えるべき加振力とす
れば、次の3式が成立する。
【数6】
【数7】
【数8】 ここで、上記式(6)において、
【数9】 即ち、
【数10】 となるように補助質量体m3 への加振力Uを制御すれ
ば、計算上は如何なる路面入力に対しても、ばね上加速
度を常に零値に保持でき、不動点H(ωa)を解消でき
ることが判った。
ば、計算上は如何なる路面入力に対しても、ばね上加速
度を常に零値に保持でき、不動点H(ωa)を解消でき
ることが判った。
【0011】従って、一般的にK1 ,K2 を制御ゲイン
と定めて、
と定めて、
【数11】 と置き、制御ゲインK1 ,K2 をサスペンション装置の
ばね定数Ks 及び減衰係数Cs に等しく,又は所定値に
設定すれば、ばね上加速度を低減できて不動点H(ω
a)を小さく改善できることを知悉した。
ばね定数Ks 及び減衰係数Cs に等しく,又は所定値に
設定すれば、ばね上加速度を低減できて不動点H(ω
a)を小さく改善できることを知悉した。
【0012】以上の点から、本発明の目的は、車両に補
助質量体を設け、該補助質量体を上記式(8)に基いて
適宜加振する構成を採用することにより、不動点を改善
し得る車両の振動低減装置を提供することにある。その
場合、用いる制御信号としては、車両の振動の変化に時
間遅れなく素早く且つ精度良く対応し得るように対処す
る観点から、車両のサスペンション装置の反力を検出
し、その検出した反力信号を使用する構成とする。
助質量体を設け、該補助質量体を上記式(8)に基いて
適宜加振する構成を採用することにより、不動点を改善
し得る車両の振動低減装置を提供することにある。その
場合、用いる制御信号としては、車両の振動の変化に時
間遅れなく素早く且つ精度良く対応し得るように対処す
る観点から、車両のサスペンション装置の反力を検出
し、その検出した反力信号を使用する構成とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の具体的な解決手段は、図1に
示すように、車両のばね上部分又はばね下部分に配置さ
れた補助質量体7と、該補助質量体7を加振する加振手
段8とを設けるとともに、車両のサスペンション装置の
反力を検出する反力検出手段10,11と、該反力検出
手段10,11により検出したサスペンション装置の反
力に応じた値で且つ車体振動に対抗する加振力で上記補
助質量体7を加振するよう上記加振手段8を制御する制
御手段51とを設ける構成とする。
め、請求項1記載の発明の具体的な解決手段は、図1に
示すように、車両のばね上部分又はばね下部分に配置さ
れた補助質量体7と、該補助質量体7を加振する加振手
段8とを設けるとともに、車両のサスペンション装置の
反力を検出する反力検出手段10,11と、該反力検出
手段10,11により検出したサスペンション装置の反
力に応じた値で且つ車体振動に対抗する加振力で上記補
助質量体7を加振するよう上記加振手段8を制御する制
御手段51とを設ける構成とする。
【0014】
【作用】以上の構成により、請求項1記載の発明では、
車輪からサスペンション装置を介して車体が振動する
と、補助質量体7は、そのサスペンション装置の反力に
応じた値の加振力で加振されるので、上記式(8)で決
定される理想の加振力に近い加振力が車体の振動動作に
素早く対応して得られ、その結果、車両のばね上加速度
が低減されるので、不動点H(ωa)の10Hz近傍の
周波数を含む広い周波数領域に亘って車両の振動が有効
に低減されることになる。
車輪からサスペンション装置を介して車体が振動する
と、補助質量体7は、そのサスペンション装置の反力に
応じた値の加振力で加振されるので、上記式(8)で決
定される理想の加振力に近い加振力が車体の振動動作に
素早く対応して得られ、その結果、車両のばね上加速度
が低減されるので、不動点H(ωa)の10Hz近傍の
周波数を含む広い周波数領域に亘って車両の振動が有効
に低減されることになる。
【0015】しかも、サスペンション装置の反力を検出
し、その反力信号に基いて補助質量体7を加振している
ので、補助質量体7に加える加振力の変化は、車体の振
動の変化に時間遅れ少なく精度良く対応して、車体の振
動は効果的に低減されることになる。
し、その反力信号に基いて補助質量体7を加振している
ので、補助質量体7に加える加振力の変化は、車体の振
動の変化に時間遅れ少なく精度良く対応して、車体の振
動は効果的に低減されることになる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明の車両の振動低減装置によれば、サスペンション装置
の反力を検出し、その反力信号に応じた加振力により車
両の補助質量体を加振したので、補助質量体を車体振動
の変化に対して時間遅れなく良好に追随させた加振力で
加振して、不動点の10Hz近傍の周波数を含む広い周
波数領域に亘って車両の振動を効果的に低減でき、車両
の乗心地の向上を図ることができる効果を奏する。
明の車両の振動低減装置によれば、サスペンション装置
の反力を検出し、その反力信号に応じた加振力により車
両の補助質量体を加振したので、補助質量体を車体振動
の変化に対して時間遅れなく良好に追随させた加振力で
加振して、不動点の10Hz近傍の周波数を含む広い周
波数領域に亘って車両の振動を効果的に低減でき、車両
の乗心地の向上を図ることができる効果を奏する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2以下の図面に基
いて説明する。
いて説明する。
【0018】図2は本発明に係る車両の振動低減装置の
概略構成を示す。同図においては車体の左側のみを図示
するが、車体の右側も同様に構成されている。同図にお
いて、1は車体、2FLは左前輪、2FRは左後輪であ
って、車体1と左前輪2FLとの間、及び車体1と左後
輪2FRとの間には、各々コイルばね3及びダンパー4
より成る通常のサスペンション装置5が介設されてい
る。
概略構成を示す。同図においては車体の左側のみを図示
するが、車体の右側も同様に構成されている。同図にお
いて、1は車体、2FLは左前輪、2FRは左後輪であ
って、車体1と左前輪2FLとの間、及び車体1と左後
輪2FRとの間には、各々コイルばね3及びダンパー4
より成る通常のサスペンション装置5が介設されてい
る。
【0019】更に、車体1,つまり車両のばね上部分の
前後方向中央部には補助質量体7が配置されると共に、
該補助質量体7の近傍には、該補助質量体7を加振する
加振手段としての加振器8が配置される。該加振器8の
構成は、図3に示すように、車体1にボルト9,9によ
り取付固定されるカバー8a内に、中空の補助質量体7
が支持軸8bに遊嵌されていると共に、該補助質量体7
の上下をカバー8aに弾性支持する2個のサポートスプ
リング8d,8dと、該補助質量体7の中空部内周に配
置固定された中空円筒状の磁石8eと、カバー8aの底
部から延びて上記磁石8eの中空部に配置され、磁石8
eを電磁力で移動させるコイル8fと、カバー8aの上
面部及び底面部に各々配置されて上記補助質量体7の最
大移動量を設定値に規制する弾性ストッパー8gとを備
えて成り、コイル8fに通電する交流電流の振幅及び位
相に応じて磁石8e及び補助質量体7を上下に振動させ
るよう加振する構成としている。尚、上記サポートスプ
リング8d,8dの支持ばね特性は、そのばね定数をK
dとし、補助質量体7の質量をmdとすると、車体振動
の例えば2Hz以上の高周波成分を低減し得るように、
2>1/2π√(Kd/md)に設定されている。
前後方向中央部には補助質量体7が配置されると共に、
該補助質量体7の近傍には、該補助質量体7を加振する
加振手段としての加振器8が配置される。該加振器8の
構成は、図3に示すように、車体1にボルト9,9によ
り取付固定されるカバー8a内に、中空の補助質量体7
が支持軸8bに遊嵌されていると共に、該補助質量体7
の上下をカバー8aに弾性支持する2個のサポートスプ
リング8d,8dと、該補助質量体7の中空部内周に配
置固定された中空円筒状の磁石8eと、カバー8aの底
部から延びて上記磁石8eの中空部に配置され、磁石8
eを電磁力で移動させるコイル8fと、カバー8aの上
面部及び底面部に各々配置されて上記補助質量体7の最
大移動量を設定値に規制する弾性ストッパー8gとを備
えて成り、コイル8fに通電する交流電流の振幅及び位
相に応じて磁石8e及び補助質量体7を上下に振動させ
るよう加振する構成としている。尚、上記サポートスプ
リング8d,8dの支持ばね特性は、そのばね定数をK
dとし、補助質量体7の質量をmdとすると、車体振動
の例えば2Hz以上の高周波成分を低減し得るように、
2>1/2π√(Kd/md)に設定されている。
【0020】加えて、図2において、上記補助質量体7
を加振制御する基礎となる信号として、各サスペンショ
ン装置5のコイルばね3には、該コイルばね3の反力を
検出する反力検出手段としてのばね反力センサ10が配
置されていると共に、ダンパー4の反力として該ダンパ
ー4内の油圧を検出する他の反力検出手段としての油圧
センサ11が配置されている。
を加振制御する基礎となる信号として、各サスペンショ
ン装置5のコイルばね3には、該コイルばね3の反力を
検出する反力検出手段としてのばね反力センサ10が配
置されていると共に、ダンパー4の反力として該ダンパ
ー4内の油圧を検出する他の反力検出手段としての油圧
センサ11が配置されている。
【0021】更に、上記補助質量体7の近傍には、振動
する補助質量体7と車体1との間のストローク量を検出
するストロークセンサ13が配置されている。
する補助質量体7と車体1との間のストローク量を検出
するストロークセンサ13が配置されている。
【0022】そして、上記各センサ10、11,13の
検出信号は、内部にCPU等を有するコントローラ15
に入力されていて、該コントローラ15により補助質量
体7を加振制御する構成である。
検出信号は、内部にCPU等を有するコントローラ15
に入力されていて、該コントローラ15により補助質量
体7を加振制御する構成である。
【0023】次に、上記コントローラ15の内部構成を
図4のブロック図に基いて説明する。尚,各車輪に対す
る構成は同一であるので、同図は1車輪に対してのみ図
示している。同図において、17は駆動回路であって、
該駆動回路17へのばね反力センサ10の検出信号の入
力系には、ばね反力Fs信号に含まれるノイズを除去す
るローパスフィルタ20と、該ローパスフィルタ20か
らの信号の例えば1Hz以上の高周波数帯のみを濾波す
るハイパスフィルタ21と、該ハイパスフィルタ21か
らの信号の振幅B1 を調整する振幅調整回路23とを備
える。また、駆動回路17への油圧センサ11のダンパ
ー反力Fd信号の入力系にも、上記と同様に、順次、ロ
ーパスフィルタ24、ハイパスフィルタ25、及び振幅
B2 調整用の振幅調整回路26を備える。
図4のブロック図に基いて説明する。尚,各車輪に対す
る構成は同一であるので、同図は1車輪に対してのみ図
示している。同図において、17は駆動回路であって、
該駆動回路17へのばね反力センサ10の検出信号の入
力系には、ばね反力Fs信号に含まれるノイズを除去す
るローパスフィルタ20と、該ローパスフィルタ20か
らの信号の例えば1Hz以上の高周波数帯のみを濾波す
るハイパスフィルタ21と、該ハイパスフィルタ21か
らの信号の振幅B1 を調整する振幅調整回路23とを備
える。また、駆動回路17への油圧センサ11のダンパ
ー反力Fd信号の入力系にも、上記と同様に、順次、ロ
ーパスフィルタ24、ハイパスフィルタ25、及び振幅
B2 調整用の振幅調整回路26を備える。
【0024】続いて、上記コントローラ15による補助
質量体7の加振制御を図5に示す制御フローに基いて説
明する。
質量体7の加振制御を図5に示す制御フローに基いて説
明する。
【0025】同図において、スタートして、ステップS
1でばね反力センサ10のばね反力Fs信号、及び油圧
センサ11のダンパ反力Fd信号をモニターした後、ス
テップS2で該両信号の振幅(制御ゲイン)B1 ,B2
を演算決定する。
1でばね反力センサ10のばね反力Fs信号、及び油圧
センサ11のダンパ反力Fd信号をモニターした後、ス
テップS2で該両信号の振幅(制御ゲイン)B1 ,B2
を演算決定する。
【0026】続いて、ステップS3で上記ばね反力Fs
信号に制御ゲインB1 を乗算して、加振器8のコイル8
fに対する制御信号値I1 を演算すると共に、ステップ
S4でダンパ反力Fd信号に制御ゲインB2 を乗算し
て、加振器8のコイル8fに対する制御信号値I2 を演
算する。
信号に制御ゲインB1 を乗算して、加振器8のコイル8
fに対する制御信号値I1 を演算すると共に、ステップ
S4でダンパ反力Fd信号に制御ゲインB2 を乗算し
て、加振器8のコイル8fに対する制御信号値I2 を演
算する。
【0027】その後は、ステップS5で上記両制御信号
値I1 及びI2 を加算して合計制御信号値Iを算出し、
該信号値Iを加振器8のコイル8fに出力して、リター
ンする。
値I1 及びI2 を加算して合計制御信号値Iを算出し、
該信号値Iを加振器8のコイル8fに出力して、リター
ンする。
【0028】よって、上記図5の制御フローにおいて、
ステップS3及びS4により、ばね反力センサ10のば
ね反力Fs信号、及び油圧センサ11のダンパ反力Fd
信号に応じた制御電流値I1 及びI2 を演算し、該電流
値I1 及びI2 に対応する加振力で車体1の振動に対抗
するように補助質量体7を加振するよう加振器8を制御
するようにした制御手段51を構成している。
ステップS3及びS4により、ばね反力センサ10のば
ね反力Fs信号、及び油圧センサ11のダンパ反力Fd
信号に応じた制御電流値I1 及びI2 を演算し、該電流
値I1 及びI2 に対応する加振力で車体1の振動に対抗
するように補助質量体7を加振するよう加振器8を制御
するようにした制御手段51を構成している。
【0029】したがって、上記実施例においては、サス
ペンション装置5のコイルばね3のばね反力Fs信号に
基づく制御信号I1 、及び同ダンパー4の反力Fd信号
に基づく制御信号I2 が演算されて、これ等を合計した
制御信号値Iでもって加振器8のコイル8fが励磁され
る。このため、補助質量体7には、次式で示す加振力U
が車体1の振動と対抗する方向に作用して、
ペンション装置5のコイルばね3のばね反力Fs信号に
基づく制御信号I1 、及び同ダンパー4の反力Fd信号
に基づく制御信号I2 が演算されて、これ等を合計した
制御信号値Iでもって加振器8のコイル8fが励磁され
る。このため、補助質量体7には、次式で示す加振力U
が車体1の振動と対抗する方向に作用して、
【数12】 車体1に作用する力と相殺するので、車体1の振動が効
果的に低減されることになる。
果的に低減されることになる。
【0030】今、本発明による車体振動の低減の程度を
シミュレーションした結果を図6に示す。同図によれ
ば、車体振動の1Hz以上の周波数領域で車体振動を効
果的に低減し得ることが判る。従って、本願発明では、
図から判るように、従来では低減不可能であった10H
z近傍の不動点の周波数における車体の振動をも有効に
低減し得る効果を奏する。
シミュレーションした結果を図6に示す。同図によれ
ば、車体振動の1Hz以上の周波数領域で車体振動を効
果的に低減し得ることが判る。従って、本願発明では、
図から判るように、従来では低減不可能であった10H
z近傍の不動点の周波数における車体の振動をも有効に
低減し得る効果を奏する。
【0031】しかも、サスペンション装置5のコイルば
ねの反力Fs及びダンパー4の反力Fdを検出し、これ
等信号に基いて補助質量体7を加振制御しているので、
車体1が車輪2FS等からサスペンション装置5を経て
力を受けて振動しても、その車体1の振動の変化に対し
て補助質量体7に加えるべき加振力を時間遅れ少なく良
好に変化させて、車体1の振動と補助質量体7の加振力
とを精度良く対応させることができ、車体1の振動を効
果的に低減できる。
ねの反力Fs及びダンパー4の反力Fdを検出し、これ
等信号に基いて補助質量体7を加振制御しているので、
車体1が車輪2FS等からサスペンション装置5を経て
力を受けて振動しても、その車体1の振動の変化に対し
て補助質量体7に加えるべき加振力を時間遅れ少なく良
好に変化させて、車体1の振動と補助質量体7の加振力
とを精度良く対応させることができ、車体1の振動を効
果的に低減できる。
【0032】尚、上記実施例では、補助質量体7を車体
1に配置したが、ばね下に配置してもよい。この場合に
は、図7に示すようにサスペンション装置5のダンパ4
下部に補助質量体7及び加振器8を内蔵する形式にする
ことができる。この場合の加振器8の構成は図3と同一
であるので、その説明を省略する。
1に配置したが、ばね下に配置してもよい。この場合に
は、図7に示すようにサスペンション装置5のダンパ4
下部に補助質量体7及び加振器8を内蔵する形式にする
ことができる。この場合の加振器8の構成は図3と同一
であるので、その説明を省略する。
【0033】また、上記実施例では、加振器8を電気式
としたが、油圧式で構成してもよいのは勿論である。
としたが、油圧式で構成してもよいのは勿論である。
【0034】更に、反力検出手段としてばね反力センサ
10及び油圧センサ11を設けたが、これ等を総合した
センサとして、図4に破線で示すように、サスペンショ
ン装置5のダンパー4のロッド4aの車体側取付位置に
該ロッド4aの歪を検出するセンサ55を設けてもよい
のは勿論である。
10及び油圧センサ11を設けたが、これ等を総合した
センサとして、図4に破線で示すように、サスペンショ
ン装置5のダンパー4のロッド4aの車体側取付位置に
該ロッド4aの歪を検出するセンサ55を設けてもよい
のは勿論である。
【図1】請求項1記載の発明の構成を示すブロック図で
ある。
ある。
【図2】全体概略構成を示す図である。
【図3】加振器の具体的構成を示す図である。
【図4】コントローラ内部のブロック構成図である。
【図5】補助質量体の加振制御を示すフローチャート図
である。
である。
【図6】請求項1記載の発明の効果の程度を示す図であ
る。
る。
【図7】加振器をばね下に配置する場合の具体的構成図
である。
である。
【図8】車両の2自由度モデルを示す図である。
【図9】従来のサスペンション装置の乗心地特性を示す
図である。
図である。
【図10】不動点の説明図である。
【図11】車両の3自由度モデルを示す図である。
1 車体 2FL,2FR 車輪 3 コイルばね 4 ダンパー 5 サスペンション装置 7 補助質量体 8 加振器(加振手段) 8e 磁石 8f コイル 10 ばね反力センサ(反力検出手段) 11 油圧センサ(反力検出手段) 51 制御手段
Claims (1)
- 【請求項1】 車両のばね上部分又はばね下部分に配置
された補助質量体と、該補助質量体を加振する加振手段
とを備えるとともに、車両のサスペンション装置の反力
を検出する反力検出手段と、該反力検出手段により検出
したサスペンション装置の反力に応じた値で且つ車体振
動に対抗する加振力で上記補助質量体を加振するよう上
記加振手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴と
する車両の振動低減装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9567192A JPH05286335A (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | 車両の振動低減装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9567192A JPH05286335A (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | 車両の振動低減装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05286335A true JPH05286335A (ja) | 1993-11-02 |
Family
ID=14143970
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9567192A Withdrawn JPH05286335A (ja) | 1992-04-15 | 1992-04-15 | 車両の振動低減装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05286335A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1932693A1 (en) * | 2005-10-07 | 2008-06-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Electromagnetic shock absorber for vehicle |
JP2011047452A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Nec Computertechno Ltd | アクティブ制振装置及び方法 |
CZ304768B6 (cs) * | 2010-04-20 | 2014-10-08 | Vysoké Učení Technické V Brně | Způsob zjišťování útlumových vlastností náprav jednostopých vozidel |
-
1992
- 1992-04-15 JP JP9567192A patent/JPH05286335A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1932693A1 (en) * | 2005-10-07 | 2008-06-18 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Electromagnetic shock absorber for vehicle |
EP1932693A4 (en) * | 2005-10-07 | 2009-09-16 | Toyota Motor Co Ltd | ELECTROMAGNETIC SHOCK ABSORBER FOR VEHICLE |
US8127900B2 (en) | 2005-10-07 | 2012-03-06 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Electromagnetic shock absorber for vehicle |
JP2011047452A (ja) * | 2009-08-26 | 2011-03-10 | Nec Computertechno Ltd | アクティブ制振装置及び方法 |
CZ304768B6 (cs) * | 2010-04-20 | 2014-10-08 | Vysoké Učení Technické V Brně | Způsob zjišťování útlumových vlastností náprav jednostopých vozidel |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990706 |