JPH05286332A - 車両の振動低減装置 - Google Patents

車両の振動低減装置

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JPH05286332A
JPH05286332A JP9565292A JP9565292A JPH05286332A JP H05286332 A JPH05286332 A JP H05286332A JP 9565292 A JP9565292 A JP 9565292A JP 9565292 A JP9565292 A JP 9565292A JP H05286332 A JPH05286332 A JP H05286332A
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vehicle
unsprung
vibration
acceleration
mass body
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JP9565292A
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Shin Takehara
伸 竹原
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Mazda Motor Corp
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2202/00Indexing codes relating to the type of spring, damper or actuator
    • B60G2202/20Type of damper
    • B60G2202/25Dynamic damper

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Vibration Prevention Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車体の振動、特に車輪のばね定数及びばね下
質量により決定される振動周波数のときの路面入力に対
する車体の振動加速度の伝達関数としての,いわゆる不
動点を低減して、車両の乗心地を向上させると共に、車
輪の接地性を高める。 【構成】 車両の例えば車体1側(ばね上)に補助質量
体7を配置すると共に、該補助質量体7を加振する加振
器を設ける。車輪2FLの上下加速度をばね下加速度セ
ンサ10にて検出し、その検出信号から車輪2FLの上
下速度信号を算出する。上記車輪2FLの上下加速度及
び上下速度信号に基いて補助質量体7を加振器8を用い
て加振し、車体1の振動に対抗させる。その結果、車輪
2FLの変位量が低減して、車輪2FLの接地性の向上
を図りつつ、車体1の振動が低減されて、車両の乗心地
が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両の振動低減装置の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の振動低減装置として、
例えば特開昭63−130418号公報に開示されるよ
うに、いわゆるアクティブサスペンション装置が知られ
ている。このサスペンション装置は、車両のばね上とば
ね下との間に流体シリンダを設けると共に、車両に加わ
る上下方向加速度や車高、上記流体シリンダ内の流体圧
力等を検出し、これ等検出信号に基いて上記流体シリン
ダへの流体の給排流量を制御することにより、車両の運
転状態の如何に拘らず車両のバウンス、ピッチング及び
ロールの各振動を低減している。
【0003】また、車体の振動、特に車両のばね下共振
に伴う振動は、いわゆるブルブルした不快な振動である
ため、従来、これを低減すべく、ばね下重量を軽減して
ばね下共振周波数を高周波側に移行させたり、サスペン
ション装置のダンパーの減衰特性を調整して最適化する
方法が取られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の如き
アクティブサスペンション装置や、構成を簡易にしてダ
ンパーの減衰定数のみを可変としたセミアクティブサス
ペンション装置、又はサスペンション特性が変化しない
通常のサスペンション装置を備えた車両は、図8に示す
ように、ばね下質量m1 とばね上質量m2 との2自由度
モデルで表現できる。
【0005】今、図8の2自由度モデルにおいて、タイ
ヤばね定数をKT 、路面変位をX0、ばね下変位をX1
、ばね上変位をX2 、サスペンション装置の反力をF
とすれば、運動方程式は次式で示される。
【0006】
【数1】
【数2】 上記式に基づけば、路面から車体への振動の伝達特性(d
2x2/dt2 ) /X0 は図9に示すグラフとなる。
【0007】次に、上記式(1),(2)を加え、反力
Fを消去すると、
【数3】 が得られ、この式をラプラス変換し、S=jωを代入す
ると、次式(3)が得られる。
【数4】 次に、車体の振動伝達特性をH (S)とし、H (S)=X2
(S)・S2 /X0(S)と置くと、上記(3)式において、
ωa=√(KT /m1 )のときの振動数の伝達関数H
(ωa)は、
【数5】 となる。上記式(4)において、KT ,m2 及びωa2
は定数であるので、図10に示すように、ωa=√(K
T /m1 )である10Hz近傍のときの振動数の伝達関
数H(ωa)はサスペンション装置の形式に拘らず一義
的に一定値に決定されてしまい、このため、上記従来の
ようにばね下重量の軽減やダンパー調整、又はアクティ
ブサスペンション装置におけるばね定数等の変更制御を
如何に適切に行っても、ωa=√(KT /m1 )のとき
の振動数の伝達関数H(ωa)を小さく改善し得ず、そ
の結果、車両振動の低減にも限界があった。以上の事情
は、例えば日本機械学会の講習会教材('91-7.18,19 の
体験・振動制御)の第73頁〜第82頁記載の「6.ア
クティブサスペンションの設計法」の第78頁において
も開示されており、上記ωa=√(KT /m1 )のとき
の振動数の伝達関数H(ωa)を不動点と指称してい
る。尚、本説明においても以下、この伝達関数H(ω
a)を不動点と称す。
【0008】そこで、例えば不動点H(ωa)を小さく
改善すべく、上記(4)式から理論的に、タイヤのばね
定数KT を小さく制限したり、ばね上質量m2 を重くす
ること、又はばね下にダイナミックダンパーを設定する
等の対応策が考えられるが、何れの考えも抜本的な解決
手段でなく、また車両の走行性や耐久性の低下を招く欠
点を有する。
【0009】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、特に高層ビル等で補助質量体を使用して強風によ
る振動を抑制する制振装置の構成に着目した。この制振
装置は、例えば日本機械学会の講習会教材('91-7.18,1
9 の体験・振動制御)の第1頁〜第20頁記載の「1.
アクティブ振動制御系設計の指針」に開示されるよう
に、単独に並立して建てられた2つの高層ビルの間を通
路等で繋ぎ、該通路を補助質量体として加振することに
より、2つの高層ビルの振動を抑制するものである。
【0010】そこで、本発明者は、車両において補助質
量体を別途設けて車両をばね上、ばね下及び補助質量体
との3自由度モデルで表現した場合を考察した。即ち、
図11に示す車両の3自由度モデルにおいて、m3 を例
えばばね上に配置した補助質量体の質量、Ks をサスペ
ンション装置のばね定数、Cs をサスペンション装置の
減衰係数、Uを補助質量体m3 に加えるべき加振力とす
れば、次の3式が成立する。
【数6】
【数7】
【数8】 ここで、上記式(6)において、
【数9】 即ち、
【数10】 となるように補助質量体m3 への加振力Uを制御すれ
ば、計算上は如何なる路面入力に対しても、ばね上加速
度を常に零値に保持でき、不動点H(ωa)を解消でき
ることが判った。
【0011】従って、一般的にK1 ,K2 を制御ゲイン
と定めて、
【数11】 と置き、ゲインK1 ,K2 をサスペンション装置のばね
定数Ks 及び減衰係数Cs に等しく,又は所定値に設定
すれば、ばね上加速度を低減できて不動点H(ωa)を
小さく改善できることを知悉した。
【0012】以上の点から、本発明の目的は、車両に補
助質量体を設け、該補助質量体を上記式(8)に基いて
適宜加振する構成を採用することにより、不動点を改善
し得る車両の振動低減装置を提供することにある。その
場合、用いる制御信号としては、車両の乗心地改善と共
に車両の接地性を高める観点から、ばね下速度信号又は
ばね下加速度信号を使用する構成とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の具体的な解決手段は、図1に
示すように、車両のばね上部分又はばね下部分に配置さ
れた補助質量体7と、該補助質量体7を加振する加振手
段8とを備えるとともに、車両のばね下速度を検出する
ばね下速度検出手段24と、該ばね下速度検出手段24
のばね下速度信号に応じた値で且つ車体振動に対抗する
加振力で上記補助質量体7を加振するよう上記加振手段
8を制御する制御手段51とを設ける構成とする。
【0014】また、請求項2記載の発明では、上記請求
項1記載の発明の構成のばね下速度検出手段24に代え
て、ばね下加速度検出手段を設ける構成としている。
【0015】更に、請求項3記載の発明では、上記請求
項1記載の発明のばね下速度検出手段24と、請求項2
記載の発明のばね下加速度検出手段との検出信号に基い
て補助質量体7を制御手段51により加振手段8を使用
して加振する構成とする。
【0016】加えて、請求項4記載の発明では、上記請
求項1、請求項2、又は請求項3記載の発明において、
ばね下速度信号又はばね下加速度信号の位相及び振幅の
少くとも一方をばね上の変位に応じて補正する補正回路
を設ける構成とする。
【0017】
【作用】以上の構成により、請求項1記載の発明では、
補助質量体7は、車両のばね下速度に応じた加振力で加
振されるので、上記式(8)で決定される理想の加振力
に近い加振力が得られ、その結果、車両のばね上加速度
が低減されるので、不動点H(ωa)の10Hz近傍の
周波数を含む広い周波数領域に亘って車両の振動が有効
に低減されることになる。その場合、車両のばね下速度
に基いて補助質量体7が加振制御されるので、車両のば
ね下変位が少く制限されて、車輪の接地性が高まり、車
両の操縦性の向上が図られる。
【0018】また、請求項2記載の発明では、車両のば
ね下加速度に基いて補助質量体7が加振制御されるの
で、上記請求項1記載の発明と同様に、不動点H(ω
a)の10Hz近傍の周波数を含む広い周波数領域に亘
って車両の振動が有効に低減され、乗心地の向上が図ら
れると共に、車両のばね下変位が少く制限されて、車輪
の接地性が高くなる。
【0019】更に、請求項3記載の発明では、車両のば
ね下速度とばね下加速度との双方に基いて補助質量体7
が加振制御されるので、不動点H(ωa)の10Hz近
傍の周波数を含む広い周波数領域に亘って車両の振動が
一層有効に低減されつつ、車両のばね下変位が効果的に
抑制されて、車輪の接地性が一層高くなる。
【0020】加えて、請求項4記載の発明では、車両の
ばね下速度やばね下加速度が、車両のばね上の速度又は
加速度に対して位相又は振幅が異なる場合であっても、
ばね下の速度信号又は加速度信号が補正回路でばね上の
速度又は加速度の変位に応じて補正されるので、ばね上
の速度又は加速度に良好に対応して、ばね上の加速度が
一層有効に低減され、車両の乗心地が一層向上すること
になる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項3記載の発明の車両の振動低減装置によれば、車両
に配置する補助質量体を、車両のばね下速度、ばね下加
速度、又はこれ等双方に応じた加振力で加振したので、
不動点の10Hz近傍の周波数を含む広い周波数領域に
亘って車両の振動を有効に低減できると共に、車輪の接
地性を高めて、操縦性の向上を図ることができる効果を
奏する。
【0022】また、請求項4記載の発明の車両の振動低
減装置によれば、補助質量体の加振制御に用いるばね下
速度信号又はばね下加速度信号の位相又は振幅補正をば
ね上変位に応じて行ったので、車輪の接地性の向上を図
りつつ、ばね上の加速度を一層有効に低減して、車両の
乗心地の一層の向上を図ることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2以下の図面に基
いて説明する。
【0024】図2は本発明に係る車両の振動低減装置の
概略構成を示す。同図においては車体の左側のみを図示
するが、車体の右側も同様に構成されている。同図にお
いて、1は車体、2FLは左前輪、2FRは左後輪であ
って、車体1と左前輪2FLとの間、及び車体1と左後
輪2FRとの間には、各々コイルばね3及びダンパー4
より成る通常のサスペンション装置5が介設されてい
る。
【0025】更に、車体1,つまり車両のばね上部分の
前後方向中央部には補助質量体7が配置されると共に、
該補助質量体7の近傍には、該補助質量体7を加振する
加振手段としての加振器8が配置される。該加振器8の
構成は、図3に示すように、車体1にボルト9,9によ
り取付固定されるカバー8a内に、中空の補助質量体7
が支持軸8bに遊嵌されていると共に、該補助質量体7
の上下をカバー8aに弾性支持する2個のサポートスプ
リング8d,8dと、該補助質量体7の中空部内周に配
置固定された中空円筒状の磁石8eと、カバー8aの底
部から延びて上記磁石8eの中空部に配置され、磁石8
eを電磁力で移動させるコイル8fと、カバー8aの上
面部及び底面部に各々配置されて上記補助質量体7の最
大移動量を設定値に規制する弾性ストッパー8gとを備
えて成り、コイル8fに通電する交流電流の振幅及び位
相に応じて磁石8e及び補助質量体7を上下に振動させ
るよう加振する構成としている。尚、上記サポートスプ
リング8d,8dの支持ばね特性は、そのばね定数をK
dとし、補助質量体7の質量をmdとすると、車体振動
の例えば2Hz以上の高周波成分を低減し得るように、
2>1/2π√(Kd/md)に設定されている。
【0026】加えて、図2において、上記補助質量体7
を加振制御する基礎となる信号として、左前輪2FL及
び左後輪2FRには、各々、該各車輪2FL,2FRの
上下加速度を検出するばね下加速度検出手段としてのば
ね下加速度センサ10,10が配置されていると共に、
車体1には、該車体1の上下加速度を検出するばね上加
速度センサ11,11が配置されている。
【0027】更に、上記補助質量体7の近傍には、振動
する補助質量体7と車体1との間のストローク量を検出
するストロークセンサ13が配置されている。
【0028】そして、上記各センサ10、11,13の
検出信号は、内部にCPU等を有するコントローラ15
に入力されていて、該コントローラ15により補助質量
体7を加振制御する構成である。
【0029】次に、上記コントローラ15の内部構成を
図4のブロック図に基いて説明する。尚,各車輪に対す
る構成は同一であるので、同図は1車輪に対してのみ図
示している。同図において、17は駆動回路であって、
該駆動回路17へのばね下加速度センサ10の検出信号
の入力系には、車輪2FLのばね下加速度 d2 X1 /dt
2 信号に含まれるノイズを除去するローパスフィルタ2
0と、該ローパスフィルタ20からの信号の例えば1H
z以上の高周波数帯のみを濾波するハイパスフィルタ2
1と、該ハイパスフィルタ21からの信号の位相A1 を
調整する位相調整回路22と、該位相調整回路22から
の信号の振幅B1 を調整する振幅調整回路23とを備え
ると共に、上記ローパスフィルタ20通過後のばね下加
速度信号を積分して車輪2FLのばね下速度 dX1 /dt
信号を検出するばね下速度検出手段としての積分回路2
4と、該積分回路24からの信号を上記と同様に順次高
周波数の濾波、位相A2 の調整、及び振幅B2 の調整を
各々行うハイパスフィルタ25、位相調整回路26、及
び振幅調整回路27とが備えられる。
【0030】また、駆動回路17へのばね上加速度セン
サ11の検出信号の入力系にも、ノイズ除去用のローパ
スフィルタ40と、該ローパスフィルタ40からのばね
上加速度信号を積分してばね上速度信号を得る積分回路
41と、この積分前及び積分後のばね上加速度信号の後
段に配置された2個のハイパスフィルタ42,43が備
えられている。
【0031】更に、コントローラ15の内部には、信号
の位相及び振幅を補正する補正回路50が備えられる。
該補正回路50は、上記ばね上加速度センサ11の信号
入力系のばね上加速度 d2 X2 /dt2 、及びばね上速度
dX2 /dtに基いて、これ等信号値が小さくなるよう
に、上記ばね下加速度センサ10の信号入力系の位相調
整回路22,26による各位相A1 ,A2 の調整、及び
振幅調整回路23,27による各振幅B1 ,B2 の調整
に対して補正信号を出力する機能を有する。
【0032】続いて、上記コントローラ15による補助
質量体7の加振制御を図5に示す制御フローに基いて説
明する。
【0033】同図において、スタートして、ステップS
1でばね下加速度センサ10及びばね上加速度センサ1
1の検出信号 d2 X1 /dt2 、 d2 X2 /dt2 をモニタ
ーし、その後、ステップS2で該各検出信号 d2 X1 /
dt2 、 d2 X2 /dt2 を積分して車輪2FLの上下速度
dX1 /dt、及び車体1の上下速度 dX2 /dtを演算す
る。
【0034】続いて、ステップS3で車体1の上下加速
度 d2 X2 /dt2 信号、及び上下速度 dX2 /dt信号に
基いて、後述する制御信号I1 ,I2 の位相A1 ,A2
及び振幅B1 ,B2 を補正し決定する。
【0035】その後は、ステップS4で上記前輪2FL
の上下速度 dX1 /dt信号に基いた加振器8のコイル8
fに対する制御信号値I1 を下記式
【数12】 に基いて演算すると共に、ステップS5で前輪2FLの
上下加速度 d2 X1 /dt2 信号に基いた加振器8に対す
る制御信号値I2 を下記式
【数13】 に基いて演算し、その後、ステップS6で上記両制御信
号値I1 及びI2 を加算して合計制御信号値Iを算出
し、該信号値Iを加振器8のコイル8fに出力して、リ
ターンする。
【0036】よって、上記図5の制御フローにおいて、
ステップS4及びS5により、積分回路(ばね下速度検
出手段)24のばね下速度 dX1 /dt信号、及びばね下
加速度センサ10のばね下加速度 d2 X1 /dt2 信号に
応じた制御電流値I1 及びI2 を演算し、該電流値I1
及びI2 に対応する加振力で車体1の振動に対抗するよ
うに補助質量体7を加振するよう加振器8を制御するよ
うにした制御手段51を構成している。
【0037】したがって、上記実施例においては、車輪
2FLの上下速度 dX1 /dtに基づく制御信号I1 、及
び同上下加速度 d2 X1 /dt2 に基づく制御信号I2 が
演算されて、これ等を合計した制御信号値Iでもって加
振器8のコイル8fが励磁される。このため、補助質量
体7には、次式で示す加振力Uが車体1の振動と対抗す
る方向に作用して、
【数14】 車体1に作用する力と相殺するので、車体振動のほぼ全
ての周波数領域、特に従来では低減不可能であった10
Hz近傍の不動点における車体の振動をも有効に低減し
得る。
【0038】しかも、車輪2FLの上下速度及び加速度
に基いて補助質量体7の加振制御が行われるので、車輪
2FLの変位量は、図6に示すように、10Hz近傍の
不動点の周波数周りにおいて低減されて、車輪2FLの
接地性が高くなり、操縦性の向上を図ることができる。
【0039】また、車輪2FLの上下加速度 d2 x1 /
dt2 信号の位相A1 及び振幅B1 、及び車輪2FLの上
下速度d x1 /dt信号の位相A2 及び振幅B2 が、共に
補正回路50によって車体1の上下速度d x2 /dt及び
上下加速度d 2 x2 /dt2 を小さくする方向に補正され
るので、補助質量体7の振動動作が車体1の振動に精度
良く対抗して、車体1の加速度が一層有効に低減され、
車両の乗心地が一層向上することになる。
【0040】尚、上記実施例では、補助質量体7を車体
1に配置したが、ばね下に配置してもよい。この場合に
は、図7に示すようにサスペンション装置5のダンパ4
下部に補助質量体7及び加振器8を内蔵する形式にする
ことができる。この場合の加振器8の構成は図3と同一
であるので、その説明を省略する。
【0041】また、上記実施例では、加振器8を電気式
としたが、油圧式で構成してもよいのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の発明の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】全体概略構成を示す図である。
【図3】加振器の具体的構成を示す図である。
【図4】コントローラ内部のブロック構成図である。
【図5】補助質量体の加振制御を示すフローチャート図
である。
【図6】車輪の変位量特性を示す図である。
【図7】加振器をばね下に配置する場合の具体的構成図
である。
【図8】車両の2自由度モデルを示す図である。
【図9】従来のサスペンション装置の乗心地特性を示す
図である。
【図10】不動点の説明図である。
【図11】車両の3自由度モデルを示す図である。
【符号の説明】
1 車体 2FL,2FR 車輪 7 補助質量体 8 加振器(加振手段) 8e 磁石 8f コイル 10 ばね下加速度センサ(ばね下加速度
検出手段) 24 積分回路(ばね下速度検出手段) 51 制御手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のばね上部分又はばね下部分に配置
    された補助質量体と、該補助質量体を加振する加振手段
    とを備えるとともに、車両のばね下速度を検出するばね
    下速度検出手段と、該ばね下速度検出手段のばね下速度
    信号に応じた値で且つ車体振動に対抗する加振力で上記
    補助質量体を加振するよう上記加振手段を制御して車体
    振動を低減する制御手段とを備えたことを特徴とする車
    両の振動低減装置。
  2. 【請求項2】 車両のばね上部分又はばね下部分に配置
    された補助質量体と、該補助質量体を加振する加振手段
    とを備えるとともに、車両のばね下加速度を検出するば
    ね下加速度検出手段と、該ばね下加速度検出手段のばね
    下加速度信号に応じた値で且つ車体振動に対抗する加振
    力で上記補助質量体を加振するよう上記加振手段を制御
    する制御手段とを備えたことを特徴とする車両の振動低
    減装置。
  3. 【請求項3】 車両のばね上部分又はばね下部分に配置
    された補助質量体と、該補助質量体を加振する加振手段
    とを備えるとともに、車両のばね下速度を検出するばね
    下速度検出手段と、車両のばね下加速度を検出するばね
    下加速度検出手段と、該両検出手段のばね下速度信号及
    びばね下加速度信号に応じた値で且つ車体振動に対抗す
    る加振力で上記補助質量体を加振するよう上記加振手段
    を制御して車体振動を低減する制御手段とを備えたこと
    を特徴とする車両の振動低減装置。
  4. 【請求項4】 信号の位相及び振幅の少くとも一方をば
    ね上の変位に応じて補正する補正回路を備えることを特
    徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3記載の車両
    の振動低減装置。
JP9565292A 1992-04-15 1992-04-15 車両の振動低減装置 Withdrawn JPH05286332A (ja)

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