JPH05286021A - 耐スチーム性に優れたポリカーボネート中空成形品 - Google Patents
耐スチーム性に優れたポリカーボネート中空成形品Info
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- JPH05286021A JPH05286021A JP11418292A JP11418292A JPH05286021A JP H05286021 A JPH05286021 A JP H05286021A JP 11418292 A JP11418292 A JP 11418292A JP 11418292 A JP11418292 A JP 11418292A JP H05286021 A JPH05286021 A JP H05286021A
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Abstract
耐熱性、耐スチーム性、耐溶剤性に優れ、食品分野や医
療分野等に好適に用いられるポリカーボネートの中空成
形品を提供する。 【構成】 ポリカーボネートをブロー成形した中空成形
品であって、該ポリカーボネートが、重量平均分子量
(Mw)40,000〜300,000で、実質的にリ
ニアの高分子量ポリカーボネートであることを特徴とす
る耐スチーム性に優れたポリカーボネート中空成形品。
Description
空成形品に関するものであり、詳しくは、耐熱性、耐ス
チーム性、耐溶剤性に優れ、食品分野や医療分野等に好
適に用いられるポリカーボネートの中空成形品を提供す
るものである。
は、従来より、飲料や化粧品、洗剤等の各種液体充填容
器等に数多く用いられている。しかし、近年、地球環境
の面から省資源や廃棄物の減少が叫ばれ、プラスチック
製品の見直しがなされており、これら中空成形品も例外
ではない。その結果、従来の使い捨てから、容器の回
収、洗浄及び消毒を経て再充填できるリターナブルの中
空成形品が望まれている。
り、その透明性や耐熱性、保香性を生かした用途に使用
されてきた。しかしながら、ポリカーボネートは、ブロ
ー成形時のドローダウンが大きく、成形品の偏肉が大き
くなり、成形しにくいという欠点を有していたために、
その用途は、成形の比較的容易な哺乳瓶や目薬容器等の
小さな中空成形品しかできない状況にあった。
ーダウン性を改良したブロー用のポリカーボネートが開
発され、まだ成形性に問題はあるもの、ポリカーボネー
トの透明性を生かした比較的大型の中空成形品ができる
ようになってきた。そして、前述のような社会環境から
飲料水や牛乳等のリターナブル容器の様な比較的大型の
中空成形品へ用途展開をはかる動きが広がってきてい
る。
ポリカーボネート中空成形品はその化学構造から加水分
解には弱く、スチームや高温水に曝された場合、分子量
の低下と透明性の低下が発生するという問題点を有して
いる。更に、分岐構造を導入したブロー用のポリカーボ
ネートから作られる中空成形品は、リニアのポリカーボ
ネートよりも更に耐加水分解性が低下するために、スチ
ーム洗浄を伴うリターナブルの中空成形品として用いた
場合に製品寿命が短いという問題があった。
分耐え得るポリカーボネート中空成形品、特に比較的大
型のポリカーボネート中空成形品は現在のところ得られ
ておらず、その出現が待ち望まれている。ポリカーボネ
ートの耐加水分解性を改善する方法としては、耐熱安定
剤に用いられているリン系の安定剤の量を少なくした
り、耐熱水性に優れるリン系安定剤を用いることが、一
般になされている。しかし、この改善でも、耐スチーム
性の改善は不十分であり、特に分岐ポリカーボネートを
用いた中空成形品の改善は不十分であった。
リカーボネート製の中空成形品、特に500ml以上の
比較的大型の中空成形品、例えば飲料水や牛乳等のリタ
ーナブル容器や手術用の吸引瓶のような医療用容器を得
るべく研究を重ねた結果、重量平均分子量(Mw)4
0,000〜300,000で、実質的に塩素原子を含
まず、且つ実質的にリニアの高分子量ポリカーボネート
からなる中空成形品が比較的大型でも製品の偏肉が少な
く実用的であり、且つ驚くべきことに耐スチーム性が極
めて優れていることを見い出し、本発明に到達した。
カーボネートをブロー成形した中空成形品であって、該
ポリカーボネートが、重量平均分子量(Mw)40,0
00〜300,000で、実質的にリニアの高分子量ポ
リカーボネートであることを特徴とする耐スチーム性に
優れたポリカーボネート中空成形品を提供するものであ
る。
ネート中空成形品は、特定のポリカーボネートをブロー
成形することにより得られる。本発明の中空成形品を得
るために用いられるポリカーボネートは、式(1)で表
される繰り返し単位からなる主鎖を有する実質的にリニ
アのポリカーボネートである。
ニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ピリジレンや、式
(2)で表されるものが挙げられる。
あって、例えばフェニレン、ナフチレン、ビフェニレ
ン、ピリジレン等の基を表わし、Yは下記化1で表わさ
れるアルキレン基または置換アルキレン基である。〕
成分として含有していても良い。
る結合、又は−O−、−CO−、−S−、−SO2 −、
−CO2 −、−CON(R1 )(R2 )−、(R1 、R
2 は前記と同様)等の二価の基である。〕これら二価の
芳香族残基の例としては、例えば、下記の化5、化6、
化7で表されるもの等が挙げられる。
C1 〜C10アルキル基、C1 〜C10アルコキシ基、C5
〜C10シクロアルキル基又はフェニル基であって、m及
びnは1〜4の整数で、mが2〜4の場合には各R5 は
それぞれ同一でも異なるものであってもよいし、nが2
〜4の場合は各R6 はそれぞれ同一でも異なるものであ
ってもよい。〕なかでも、下記式で表されるものが好ま
しい一例である。
モル%以上含むものが好ましい。
は、特に三官能以上の分岐構造を意図的に導入していな
いことである。従って、前記繰り返しユニットを導入す
る際の微量の不純物による分岐構造を多少は含有してい
ていもよい。例えば、市販の2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)中には、
0.01モル%程度までの三官能化合物を含んでいる。
しかし、この程度の含有量では、本発明の特長を損なう
ものではない。三官能以上の分岐構造を意図的に導入し
た場合、耐スチーム性が低下して好ましくない。
いが、ヒドロキシル基、アリールカーボネート基、アル
キルカーボネート基から選ばれた1種以上の末端基を結
合することができる。アリールカーボネート基末端は下
記式
れていてもよい。〕で表され、具体例としては、例え
ば、
キル基〕で表され、具体例としては、例えば、
基、p−t−ブチルフェニルカーボネート基、p−クミ
ルフェニルカーボネート基等が好ましく用いられる。ヒ
ドロキシル基末端は、耐熱性、耐熱水性を低下させるた
め、極力少ない方が好ましい。
ネートの重量平均分子量(Mw)は、40,000〜3
00,000の範囲にある。重量平均分子量が40,0
00より小さい場合は、耐スチーム性の改善が充分では
なく、更に、ドローダウンが大きいために中〜大型成形
品の偏肉が大きくなり好ましくない。重量平均分子量が
300,000より大きい場合は、溶融粘度が高くなり
すぎ押出成形ができなくなり、好ましくない。好ましく
は、40,000〜100,000の範囲にあり、更に
好ましくは、40,000〜80,000の範囲にあ
る。特に45,000〜65,000の範囲の重量平均
分子量が、耐スチーム性と耐ドローダウン性(中空製品
の偏肉)及び押出性のバランスから好ましい。
測定は、GPCを用いて行い、測定条件は下記の方法に
よった。テトラヒドロフラン溶媒、ポリスチレンゲルを
使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式に
よる換算分子量較正曲線を用いて求めた。
ンの分子量)また、本発明の中空成形品を構成するポリ
カーボネートは、特に限定はされないが、実質的に塩素
原子を含まない方が、耐スチーム性やブロー成形時の安
定性において、好ましい。塩素原子とは、AgNO3 溶
液を用いた電位差滴定法で測定される塩素イオンと、燃
焼法により測定される塩素原子であり、それぞれ、0.
00005重量%以下、0.001重量%以下のポリカ
ーボネートが好ましく用いられる。
で製造できる。具体例には、芳香族ジヒドロキシ化合物
とカーボネート前駆体と反応せしめる公知の方法、例え
ば、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲンを反応させる
界面重合法(ホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物
とジフェニルカーボネートと反応させるエステル交換法
(溶融法)、結晶化カーボネートプレポリマーを固相重
合する方法等の方法により製造できる。なかでも、固相
重合法によるポリカーボネートは実質的に塩素原子を含
まないものが得易く、耐スチーム性や高温のブロー成形
性に優れており好ましい。
カーボネートをブロー成形することにより得られる。ブ
ロー成形の方法及び成形条件は特に限定されないし、公
知の方法で成形される。しかしながら、重量平均分子量
が通常のポリカーボネートより高いために、成形温度は
高く設定する必要がある。特に偏肉の少ないポリカーボ
ネート中空成形品を得るためには、パリソンの溶融粘度
が106 ポイズ以上になる温度範囲ブロー成形すること
が好ましい。また、表面外観を良くするために、ダイリ
ップ部でパリソン表面温度のみを若干高めにすることも
好ましく用いられる。
80℃で荷重2.16kgで行った。 (ドローダウンの評価)ブロー成形時に、出てくるパリ
ソンを自由落下させ、目視で評価した。 (偏肉の測定)成形品の上部より20mm及び140m
mの部分の肉厚を測定し、次式で計算した。
120℃スチームに曝露した。200時間及び、400
時間経過後に、光線透過率及び重量平均分子量を測定し
た。光線透過率の評価は、耐スチーム試験後の成形品を
切り出し、波長520nmで行った。
ートと2,2−ビス(−ヒドロキシフェニル)プロパン
とから製造された実質的にリニアの高分子量ポリカーボ
ネート(重量平均分子量=45,000、56,00
0、及び75,000)を、ブロー成形機にて、肉厚
1.5mm、外形90×150×220mm、内容量2
リットル角缶を成形温度260℃、金型温度80℃で成
形した。成形時のドローダウン、成形品の偏肉測定結
果、及びスチーム曝露試験の結果を表1に示す。
の実質的にリニアのポリカーボネート及び同じく36,
000の分岐ポリカーボネートを用いて、実施例1と同
様に成形し、2リットル角缶を得た。しかし、28,0
00のポリカーボネートは、ドローダウンが激しく、成
形品は得られなかった。評価結果を表1に示す。
成形品は、偏肉が少なく、且つ耐スチーム性に極めて優
れている。
Claims (1)
- 【請求項1】 ポリカーボネートをブロー成形した中空
成形品であって、該ポリカーボネートが、重量平均分子
量(Mw)40,000〜300,000で、実質的に
リニアの高分子量ポリカーボネートであることを特徴と
する耐スチーム性に優れたポリカーボネート中空成形
品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11418292A JP3221046B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 耐スチーム性に優れたポリカーボネート中空成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11418292A JP3221046B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 耐スチーム性に優れたポリカーボネート中空成形品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05286021A true JPH05286021A (ja) | 1993-11-02 |
JP3221046B2 JP3221046B2 (ja) | 2001-10-22 |
Family
ID=14631254
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11418292A Expired - Lifetime JP3221046B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 耐スチーム性に優れたポリカーボネート中空成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3221046B2 (ja) |
-
1992
- 1992-04-08 JP JP11418292A patent/JP3221046B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3221046B2 (ja) | 2001-10-22 |
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