JPH0528563A - 光磁気記録再生方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バイアス磁界が不要、もしくは方向を変える
必要のない光磁気記録再生装置を提供する。 【構成】 二層（以上）の媒体を用い、補助層２は一方
向に揃える。補助層２からの転写によって記録層１に記
録し、記録マーク５の位置に合わせてレーザーを照射す
ることにより、反磁界とウォールエネルギーによって消
去する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録再生方法に
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の光磁気記録再生方法においては、
光ヘッドに対向する、ディスク基板の裏側におかれた、
或いは光ヘッドに一体化しておかれた、永久磁石あるい
は電磁石によって、バイアス磁界を与えていた。また、
バイアス磁界によって記録マークの方向を決定してい
た。消去は、バイアス磁界方向を記録時と逆転させるの
が通常の方法である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の光磁気記録再生
方法においては、バイアス磁界が、光ヘッドに対向して
おかれた場合には、二個の光ヘッドを対向させて両面か
らアクセスすることが困難であった。また、バイアス磁
界が光ヘッドに一体化された磁石による場合には、ヘッ
ド重量が大きくなり、アクセスが遅くなるという問題が
あった。

【０００４】また、電磁石を用いる場合、その電源と電
源のコントロールが必要であった。永久磁石の場合、そ
の向きを記録と消去で変える必要があった。オーバーラ
イト媒体では、先行補助磁界とバイアス磁界が必要であ
った。

【０００５】本発明の目的は、このような問題点を解決
した光磁気記録再生方法を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記従来の問題点を解決
するために、光磁気記録再生方法において、垂直異方性
を有する少なくとも二層の磁性層からなり、その一つの
磁性層を記録層、他方を補助層とする光磁気媒体を用
い、磁化の方向が一方向に揃った補助層を用い、高いパ
ワーのレーザービーム照射によって補助層の磁化を記録
層に転写することによって記録を行い、低いパワーのレ
ーザービームをすでに記録されている記録マークの位置
にあわせて照射することにより消去を行うことを特徴と
する。

【０００７】

【作用】本発明の光磁気記録再生方法では、先行磁界
で、あるいは媒体の初期化で揃えられた補助層の磁化
を、レーザービーム照射によって記録層に転写すること
により、記録を行う。レーザー照射位置に、バイアス磁
界は不要である。

【０００８】消去は、記録されたマーク位置に合わせて
短パルスのレーザービームを照射することによって行
う。

【０００９】媒体は、いわゆる交換結合膜方式のオーバ
ーライト媒体と似ているが、本発明の光磁気記録再生方
法においては、Ｈｉｇｈパワーレーザーを照射して補助
層に記録マークを形成する過程（Ｈｉｇｈプロセス）が
不要である。

【００１０】先行磁界で、あるいは媒体の初期化とし
て、記録層と独立に補助層の磁化方向を揃えるための条
件は、図２（ａ）のような磁化曲線を示すことである。
転写がおきるための条件は、図２（ｂ）のような、磁化
曲線を示すことである。

【００１１】さらに、記録マークが、短パルスレーザー
照射で消えるためには、記録層が室温以上に補償温度を
もつＲＥリッチな組成であり、かつ、磁壁エネルギーの
高い材料であることが必要である。このような組成にお
いては、記録マーク部分を高温とすることにより、記録
マークに働く反磁界がマークを消去する方向となり、ま
た記録マークの側面磁壁に収縮方向の力が働くために消
去される。転写のおこる温度は、記録層の補償点より高
い温度である必要がある。

【００１２】

【実施例】本発明に用いられる光磁気媒体は、ＰＣ基板
上に、窒化シリコン膜の保護膜８００オングストロー
ム、ＧｄＴｂＦｅＣｏからなる記録層６００オングスト
ローム、ＧｄＦｅＣｏ膜からなる制御層１００オングス
トローム、ＧｄＤｙＦｅＣｏ膜からなる補助層５００オ
ングストローム、窒化シリコン膜の保護膜８００オング
ストロームを順次積層して成る。記録層はＲＥリッチ組
成で補償温度を１００℃、補助層もＲＥリッチ組成で補
償温度を２７０℃とした。

【００１３】この光磁気媒体を用いた記録および記録の
方法を、図１を参照して説明する。なお、図１（ａ），
（ｂ）は記録を、図１（ｃ），（ｄ）は消去を示してお
り、図中１は記録層、２は補助層、３はレーザービー
ム、４は磁壁、５は記録マークである。

【００１４】まず、先行補助磁界が７００Ｏｅである、
バイアス磁石を持たない光磁気ディスク装置で記録再生
を行った。先行磁界は、永久磁石で作った。媒体の補助
層２は、図１（ａ）に示すように先行磁界方向に揃えら
れた。変調されたレーザービームを媒体に照射すること
により、補助層２の磁化は、記録層１に転写され、図１
（ｂ）のように記録マーク５が形成される。線速が９ｍ
／Ｓのとき、記録パワーは９．５ｍＷであった。記録マ
ーク長さは０．７５ミクロンである。記録は、スポット
記録とした。単一周波数でのＣ／Ｎは５０ｄＢであっ
た。

【００１５】つぎに、図１（ｃ）に示すように記録スポ
ット位置に同期させて、６．５ｍＷでパルス幅３５ｎＳ
のレーザービーム３を照射した。図１（ｄ）に示すよう
に、記録スポットは消去した。消去は、記録スポット位
置にのみ照射してもよいが、この、消去パルスでは記録
は起こらないので連続的にパルスをあててもよい。照射
レーザービーム３の中心は、記録マーク５の中心と０．
３ミクロン以内のずれであれば、十分な消去が実現し
た。

【００１６】本実施例に述べた、記録消去条件は、一例
を述べたもので、本発明に限定を与えるものではない。
記録消去条件は、記録膜の材料設計による。

【００１７】また、本実施例では、先行補助磁界を持つ
場合を述べたが、媒体をあらかじめ初期化しておけば、
先行補助磁界はなくてもよい。その場合は、装置の小型
化で有利である。先行補助磁界を持つ場合は、補助層の
磁化が、外部の磁石等で乱された場合でも、その影響を
受けることなく記録再生できるメリットがある。

【００１８】バイアス磁界は、無いように設計すること
ができることが本発明の特徴の一つではあるが、固定の
小さなバイアス磁界が有った方が良好なＷ／Ｒ特性が得
られる場合もある。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によればバ
イアス磁界を不要とすることができる。この場合ヘッド
を対向させて、両面同時アクセスを容易にし、データ転
送レートを二倍にすることができる。また、バイアス磁
界用の永久磁石の向きを変えたり、バイアス電磁石用の
電源やそのコントロールが不要である。媒体をあらかじ
め初期化する場合は、先行磁界も必ずしも必要無い。ま
た、消去と記録を磁界を変えることなくできるので、オ
ーバーライトモードで使用可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を説明するための図である。

【図２】本発明の原理を説明するための磁化曲線を示す
図である。

【符号の説明】

１ 記録層 ２ 補助層 ３ レーザービーム ４ 磁壁 ５ 記録マーク

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 【請求項１】垂直異方性を有する少なくとも二層の磁性
   層からなり、その一つの磁性層を記録層、他方を補助層
   とする光磁気媒体を用い、磁化の方向が一方向に揃った
   補助層を用い、高いパワーのレーザービーム照射によっ
   て補助層の磁化を記録層に転写することによって記録を
   行い、低いパワーのレーザービームをすでに記録されて
   いる記録マークの位置にあわせて照射することにより消
   去を行うことを特徴とする光磁気記録再生方法。