JPH0528544U

JPH0528544U - 連続鋳造材の圧下装置

Info

Publication number: JPH0528544U
Application number: JP8479191U
Authority: JP
Inventors: 靖文北村; 孝司中山; 和男小林; 昭男市沢
Original assignee: Sumitomo Metal Industries Ltd
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1991-09-20
Filing date: 1991-09-20
Publication date: 1993-04-16

Abstract

(57)【要約】【目的】連続鋳造材のセンターポロシティを圧着して
消滅できる圧下装置を提供する。【構成】連続鋳造ブルームを均熱炉と分塊圧延ミルと
の間でプレスし、連続鋳造ブルームのセンターポロシテ
ィを圧着する圧下装置において、当該圧下装置のプレス
ヘッド１、２に連続鋳造ブルーム３の移動方向と直行す
る凸部４、５を設け、プレスヘッド端部の中心メタルフ
ロー７の連続鋳造ブルーム３移動方向への流れを抑制
し、センターポロシティの圧着を促進する。【効果】連続鋳造材のセンターポロシティを分塊圧延
前に圧着して消滅できるから、連続鋳造材のセンターポ
ロシティに起因する種々の欠陥が防止でき、圧延歩留を
大幅に向上できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、連続鋳造ブルームのセンターポロシティを圧着して消滅せしめる圧下装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年の鉄鋼業においては、生産能率の向上、製品の大型化のために大断面のスラブ、ブルーム、ビレット等の連続鋳造が実施されている。このスラブ、ブルーム、ビレット等の大断面化に伴い連続鋳造材には、センターポロシティやザクと称される内部欠陥が生じ、後工程での製品品質を悪化させる。センターポロシティは、連続鋳造における凝固最終域でのブリッジングの発生と凝固収縮により引起こされる鋳片中心部の収縮孔である。

【０００３】この対策としては、連続鋳造設備のピンチロールあるいはその周辺のロールで強圧下あるいは軽圧下を加え、センターポロシティやザク疵に基づく欠陥を鋳片全長に亘って防止する方法が講じられているが、その圧下力制御が極めて困難であり、かえって上記欠陥を増大させる場合が多い。特に高炭素鋼や硫黄添加快削鋼は、内部欠陥が生じ易く、高価なステンレス鋼では致命的な欠陥となる。

【０００４】上記連続鋳造ラインにおける鋳片のセンターポロシティを防止する公知技術としては、連続鋳造機の下流に、連続鋳造機から導出される鋳片の液相線のクレータエンドから固相線のクレータエンドまでの範囲を、厚さ方向に圧下して凝固収縮分に見合うだけ鋳片の厚さを減少させる軽圧下装置を配置し、この軽圧下装置の下流に鋳片の固相線のクレータエンドより下流側を厚さ方向に鍛圧するプレス装置を配置した装置（特開昭６１−２３８４４９号公報）、スラブの移動ライン内に鍛造プレスを配置し、かつ該鍛造プレスに前記移動ライン方向に移動し得る移動機構を設けると共に、該移動機構を介して鍛造プレスを移動ライン方向に往復動させるための往復動駆動装置を設けた装置（特開昭６１−２３８４５０号公報）、あるいは連続鋳造装置により連続鋳造される鋳片の冷却過程において、該鋳片にプレス装置により圧下を加えて塑性変形させる方法（特開昭６３−２６８５４８号公報）等が提案されている。また、他の方法としては、分塊圧延に供する連続鋳造ブルーム（以下ＣＣブルームという）を、均熱炉と分塊圧延ミルとの間で全長に亘ってプレス圧下し、センターポロシティを圧着する方法が実施されている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記ピンチロールあるいはその周辺のロールで強圧下あるいは軽圧下を加え、センターポロシティやザク疵に基づく欠陥を鋳片全長に亘って防止する方法は、多数提案されているが、現実にはロール圧下の位置決定、圧下量および鋳造条件等の複雑な制約条件があり、実施は極めて困難で、容易に効果が得られないばかりでなく、反って前記欠陥を増大する場合がある。また、特開昭６１−２３８４４９号公報、特開昭６１−２３８４５０号公報および特開昭６３−２６８５４８号公報に開示の鍛造プレス装置は、いずれもプレスヘッドに関する記載はない。従来のプレスヘッドは、図４に示すとおり、平型であるため、図５に示すとおり、鋳片圧着時プレスヘッド２１端部の鋳片２２中心部ではメタルフロー２３が長手方向に押出される。このため、プレスヘッド２１のラップ部２４においてセンターポロシティが圧着できないという欠点がある。

【０００６】この考案の目的は、ＣＣブルームのセンターポロシティを圧着して消滅できる連続鋳造材の圧下装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案者らは、上記目的を達成すべく種々試験研究を行った。その結果、ＣＣブルームを均熱炉と分塊圧延ミルとの間でプレス装置によってプレス圧下し、センターポロシティを完全に消滅させるには、プレスヘッドを凸型とすることによって、圧下時プレスヘッドの凸部によって押出されるメタルフローは、周囲のプレスヘッド凸部周囲の凹部のメタルによってその流れが拘束される。このため、プレスヘッド端部のメタルの鋳片移動方向への逃げが抑制され、プレス圧下による圧下力浸透が向上し、ポロシティの圧着が促進されることを究明し、この考案に到達した。

【０００８】すなわちこの考案は、ＣＣブルームを均熱炉と分塊圧延ミルとの間でプレスし、ＣＣブルームのセンターポロシティを圧着する圧下装置において、当該圧下装置のプレスヘッドにＣＣブルームの移動方向と直交する凸部を設けたことを特徴とする連続鋳造鋳材の圧下装置である。

【０００９】

【作用】

この考案においては、ＣＣブルームをプレスするプレス装置のプレスヘッドに、ＣＣブルームの移動方向と直交する凸部を設けたから、図２に示すとおり、圧下時プレスヘッドの凸部によって押出されるＣＣブルーム中心部のメタルフローは、プレスヘッド凸部周囲の凹部のメタルによってその流れが拘束される。このため、プレスヘッド端部のメタルフローのＣＣブルーム移動方向への逃げが抑制され、プレス圧下による圧下力浸透が向上し、ポロシティの圧着が促進されるのである。

【００１０】この考案におけるプレス圧下は、均熱炉から抽出されたＣＣブルームを分塊圧延機の手前でプレス圧下を行う。プレス装置の圧下速度は、ＣＣブルームを搬送途中でプレスするので、低速ではプレス圧下部近傍で表面疵が発生するので、高速で圧下する。また、プレス圧下は、ロール圧下に比較して鋳片中心部への圧下の浸透度が遥かに大きく、鋳片表層部がプレスヘッドの拘束力によりメタルフローがなく、メタルフローは中心近傍で大きく生じるため圧着され易い。

【００１１】

【実施例】以下にこの考案の詳細を実施の一例を示す図１ないし図３に基いて説明する。図１はこの考案の凸部を備えたプレスヘッドの形状を示すもので、（ａ）図はプレスヘッドの正面図、（ｂ）図は下面図、（ｃ）図は左側面図、図２はプレスヘッドで圧下時の圧下状況とメタルフローを示すもので、（ａ）図は圧下状況を、（ｂ）図は圧下後のメタルフローを示す。この考案のプレス装置のプレスヘッド１、２は、図１に示すとおりそれぞれ中央にＣＣブルーム３の進行方向と直行する凸部４、５を有している。また、このプレス装置は、図示しない均熱炉から抽出されたＣＣブルーム３に対し、分塊圧延ミルの手前でＣＣブルーム３幅方向に圧下量２０〜２５％程度になるよう所定のラップ部６を設けて順次ＣＣブルーム３全体をプレス可能に構成されている。圧下量は、ＣＣブルーム３のプレス方向の幅Ｈ₀が圧下によりＨ₁になったとき、（Ｈ₀−Ｈ₁）×１００／Ｈ₀で表される。

【００１２】上記のとおり構成したから、ＣＣブルーム３は、図示しない均熱炉から抽出されたのち、分塊圧延ミルの手前でプレス装置の中央部に凸部４、５を有するプレスヘッド１、２により所定のラップ部６を設けて順次所定圧下量で圧下される。この場合、図２に示すとおり、プレスヘッド１、２の凸部４、５によって圧下されるＣＣブルーム３中心のメタルフロー７は、プレスヘッド１および２の凸部４、５前後の凹部位置のメタルによってＣＣブルーム３の長手方向に逃げにくくなり、ラップ部６に相当するプレスヘッド１および２端部でのセンターポロシティの圧着が良好となる。

【００１３】この考案のＣＣブルームプレスの効果を確認するため、表１に示す成分組成の鋼を鋳込み速度０．４ｍ／ｍｉｎ、鋳片サイズ５４０ｍｍ×４１０ｍｍの条件で連続鋳造してＣＣブルームとなし、均熱炉から抽出したＣＣブルームを分塊圧延前にこの考案による凸部を有するプレスヘッドで圧下量２５％でプレス圧下した場合と、従来の平ヘッドのプレスヘッドで圧下量２５％で圧下した場合のそれぞれについて、周波数１ＭＨｚ、振動子径２４ｍｍの超音波探傷試験器を使用し、ＪＩＳＺ２３４５に規定の垂直探傷用感度標準試験片ＳＴＢ−ＧＶ１５− ２．８を用いて探傷試験を実施した。その結果を図３（ａ）図および（ｂ）図に示す。

【００１４】

【表１】

【００１５】プレスヘッド部に凸部を有する本考案の圧下装置によれば、図３（ａ）図に示すとおり、超音波探傷試験でのセンターポシティが圧着されて皆無であるのに対し、従来の平ヘッドの圧下装置の場合は、図３（ｂ）図に示すとおり、プレスヘッドのラップ部にいずれもセンターポロシティが残存していることが確認された。

【００１６】

【考案の効果】

以上述べたとおり、この考案によれば、ＣＣブルームのセンターポロシティを分塊圧延前に圧着して消滅できるから、連続鋳造鋳材のセンターポロシティに起因する後工程での種々の欠陥が防止され、圧延歩留を大幅に向上せしめることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案プレスヘッドの形状の一例を示すもの
で、（ａ）図は凸部を備えたプレスヘッドの正面図、
（ｂ）図は下面図、（ｃ）図は左側面図である。

【図２】実施例におけるこの考案の圧下装置のプレスヘ
ッドで圧下時の圧下状況とメタルフローを示すもので、
（ａ）図は圧下状況を、（ｂ）図は圧下後のメタルフロ
ーの概念図である。

【図３】実施例における超音波探傷試験結果の説明図
で、（ａ）図は本考案の圧下装置によりプレス圧下した
場合、（ｂ）図は従来の平ヘッドの圧下装置によりプレ
ス圧下した場合を示す。

【図４】従来の圧下装置の平ヘッドの説明図で、（ａ）
図はプレスヘッドの正面図、（ｂ）図は下面図、（ｃ）
図は左側面図である。

【図５】従来装置の平ヘッドによるプレス圧下時のメタ
ルフローを示すもので、（ａ）図は圧下状況を、（ｂ）
図は圧下後のメタルフローの概念図である。

【符号の説明】

１、２、２１プレスヘッド３ＣＣブルーム４、５凸部６、２４ラップ部７、２３メタルフロー２２鋳片

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者市沢昭男和歌山県和歌山市湊1850番地住友金属工業株式会社和歌山製鉄所内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】連続鋳造ブルームを均熱炉と分塊圧延ミ
ルとの間でプレスし、連続鋳造ブルームのセンターポロ
シティを圧着する圧下装置において、当該圧下装置のプ
レスヘッドに連続鋳造ブルームの移動方向と直交する凸
部を設けたことを特徴とする連続鋳造材の圧下装置。