JP2586769B2 - ステンレス鋼帯の製造方法 - Google Patents

ステンレス鋼帯の製造方法

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JP2586769B2 JP3291469A JP29146991A JP2586769B2 JP 2586769 B2 JP2586769 B2 JP 2586769B2 JP 3291469 A JP3291469 A JP 3291469A JP 29146991 A JP29146991 A JP 29146991A JP 2586769 B2 JP2586769 B2 JP 2586769B2
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福治 江藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クロム(Cr)の含有
量が11wt%以上のステンレス鋼帯を熱間圧延により
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のステンレス鋼帯の熱間圧延方法に
おいては、熱間圧延時に発生するステンレス鋼帯端部の
線状疵(以下、シーム疵という。)の発生機構は、粗圧
延初期に、スラブの側縁端面にしわが発生し、これが圧
延の進行につれて表面に回り込み、表面のシーム疵とな
ると考えられている。
【0003】従来の対応策としては、スラブの薄肉化、
スラブコーナーの面取り法(特開昭60−33803号
公報)等がある。しかし、この方法は工数増、歩留悪化
等に問題があり、実用的でない。
【0004】スラブ側縁端面の凹化方法として(特開昭
58−138502号、同53−28542号、同61
−52902号、同64−71503号公報等)があ
る。しかし、これらはいずれも粗圧延時に、図3の
(B)に示すように、縦型ロール1(竪ロール対等)を
使用しているので、ロール焼付き、スラブ2の端面部の
盛上り3(以上、ドッグボーンと言う。)が大きく、シ
ーム疵以外の表面疵が発生しやすい。その上、このドッ
グボーン量が大きくなると、幅広がり量も大きくなり、
結果としてシーム疵幅を大きくする原因となる。
【0005】したがって、スラブ側縁端面の凹化方法お
よびシーム疵に最適条件を見い出すとともに、ドッグボ
ーン量を最小限に抑え、スラブ側端面近傍シーム疵が発
生しないようにすることが必要不可欠となっている。ま
た、実鋼帯製造ラインに容易に適用でき、焼付き等の問
題を起こさないことが前提条件である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ステンレス鋼帯の側端
部近傍に発生する線状疵を抑制し、表面疵の少ない高品
質、高歩留のステンレス鋼帯の製造方法を得ることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のステンレス鋼帯
の製造方法は、クロム(Cr)の含有量が11wt%以
上のステンレス鋼帯を熱間圧延により製造する方法にお
いて、1000〜1300℃に加熱したスラブの側端面
に、凸部の幅(W)が15〜40mm、その高さ(H)
が40〜50mm、前記凸部の幅面と斜面とのなす角度
(θ)が120〜170°の金型を用いてサイジング・
プレスを施すこと、該プレス後のスラブに、第1スタン
ドから中間スタンドまで幅圧下量を10mm以下にして
粗圧を施すことからなる手段によって、上記課題を解決
している。
【0008】
【作用】Cr含有量を11重量%以上のステンレス鋼に
限定したのは、熱間圧延鋼帯を製造する上で普通鋼では
スケール発生量が多く、シーム疵はほとんど発生しない
ためである。サイジングプレスを利用したのは、ドッグ
ボーン位置をスラブ側端部からスラブ幅中心部に移動さ
せるためである。
【0009】金型形状制約で金型凸部幅(W)が15m
m未満になると、圧延時に図4の(A)に示すように、
ダブルバルジングになりやすい。ダブルバルジングDB
とは図4の(B)に示すように、板端部に2段のクビレ
が生じる現象をいう。また、41mm以上では、ドッグ
ボーン量が大きくなるなどの問題が生じ、シーム疵以外
の疵、例えば圧延ロールに、ドッグボーン端部が衝突
し、ロールにカキ疵が生じたり、肌荒れが発生しやすく
なる。
【0010】凸部高さ(H)の上限を50mmにしたの
は、スラブ側縁端面の回込みを考慮して、これ以上必要
なく、また、凸部高さ(H)の下限を40mmにしたの
は、40mm未満にするとスラブ凹部が小さくなること
により回込みを考慮するとシーム疵に与える影響が小さ
くなることが判明したからである。
【0011】金型の凸部の形状は、ドッグボーン量を最
小限にし、ドッグボーン位置をスラブ側端部からスラブ
幅中心部に移動させるためにも有効である。また第1ス
タンドから中間スタンドまで幅圧下量を10mm以下に
して粗圧延を施すのは、10mm超になるとスラブ凹部
が小さくなったり、なくなったりするため、スラブ凹部
にした意味がなくなるからである。
【0012】
【実施例】図1から図6までを参照して、本発明のステ
ンレス鋼帯の製造方法の実施例について説明する。
【0013】まず、本発明の方法はクロム(Cr)の含
有量が11wt%以上のステンレス鋼帯を熱間圧延によ
り製造する方法に適用される。
【0014】図1、2に示すように、本発明の方法は1
000〜1300℃に加熱したスラブの側端面に、凸部
の幅(W)が15〜40mm、その高さ(H)が40〜
50mm、前記凸部の幅面と斜面とのなす角度(θ)が
120〜170°の金型を用いてサイジング・プレスを
施すこと、該プレス後のスラブに、第1スタンドから中
間スタンドまで幅圧下量を10mm以下にして粗圧を施
す。
【0015】このようにして、ステンレス鋼帯の側端部
近傍に発生する線状疵を抑制することができる。すなわ
ち、図2および図3の(A)に示すように、金型4のサ
イジング・プレスによって、スラブ側端部付近のドッグ
ボーン量Gが減少するからである。これは、力の作用が
プレスと回転ロールでは異なるためであると推測され
る。
【0016】図6に示すように、スラブ中心部をプレス
することを保証するために、金型4aをカリバ状に成形
することによって、一層サイジング・プレスの安定化を
図ることができる。
【0017】図5に示すように、本発明の方法によれ
ば、シーム疵幅を激減させることがわかる。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、ステンレス鋼帯の側端
部近傍に発生する線状疵を抑制し、表面疵の少ない高品
質、高歩留のステンレス鋼帯の製造方法を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いるサイジングプレス金型の
側面図である。
【図2】本発明の方法にもとづいてサイジングプレスを
施されたスラブ先端部の側面図である。
【図3】ドッグボーン発生機構を示す平面図であって、
(A)図は本発明法を、(B)図は従来法をそれぞれ示
す。
【図4】金型凸部の幅とダブルバルジング量との関係を
示すグラフ(A)およびダブルバルジングの説明図
(B)である。
【図5】サイジングプレス量とシーム疵幅およびドッグ
ボーン量との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の方法に用いる別の金型の側面図であ
る。
【符号の説明】
1:竪型ロール、2:スラブ、3:ドッグボーン、4:
金型

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム(Cr)の含有量が11wt%以
    上のステンレス鋼帯を熱間圧延により製造する方法にお
    いて、1000〜1300℃に加熱したスラブの側端面
    に、凸部の幅(W)が15〜40mm、その高さ(H)
    が40〜50mm、前記凸部の幅面と斜面とのなす角度
    (θ)が120〜170°の金型を用いてサイジング・
    プレスを施すこと、該プレス後のスラブに、第1スタン
    ドから中間スタンドまで幅圧下量を10mm以下にして
    粗圧を施すことからなり、ステンレス鋼帯の側端部近傍
    に発生する線状疵を抑制することを特徴としたステンレ
    ス鋼帯の製造方法。
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