JPH05284866A - 藻類前駆体の包括固定化方法 - Google Patents

藻類前駆体の包括固定化方法

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JPH05284866A
JPH05284866A JP4121347A JP12134792A JPH05284866A JP H05284866 A JPH05284866 A JP H05284866A JP 4121347 A JP4121347 A JP 4121347A JP 12134792 A JP12134792 A JP 12134792A JP H05284866 A JPH05284866 A JP H05284866A
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JP
Japan
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water
precursor
algae
soluble
particles
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Pending
Application number
JP4121347A
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English (en)
Inventor
Mitsuharu Kiyota
光晴 清田
Yasushi Nanishi
靖 名西
Toshiro Hirama
敏郎 平間
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Kansai Paint Co Ltd
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
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Publication date
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  • Cultivation Of Seaweed (AREA)
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  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 藻類増殖基材上に藻類前駆体を付着、生育せ
しめるに際し、該前駆体の剥離、脱落を防止する藻類前
駆体の固定化方法を提供する。 【構成】 生殖、生育によって藻類の葉体となりうる前
駆体を架橋可能な水溶性又は水分散性樹脂を用いて粒状
に包括し架橋し、必要に応じて粒子表面を水溶性又は水
分散性樹脂で1層又は多層に被覆し架橋した包括粒子
を、さらに水溶性又は水分散性樹脂を用いて基材上に2
層以上の多層構造体として固定化せしめることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は人工魚礁体、あるいは藻
定着用網、藻定着用ロープなどの藻増殖基材上に、藻類
前駆体の包括粒子を多層構造体として固定化せしめる包
括固定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】水産資源の消費量は年々増
加の傾向にあり、もしも水産資源の再生産を人工的に行
なわないならば50年以内に枯渇してしまうといわれて
いる。最近では資源ナショナリズムの世界的風潮から沿
岸200海里の領海宣言が多くの国でなされていること
を考えると、我が国沿岸漁業の振興の重要性は論議の余
地がなく、国家的見地から種々の施策が実施されてい
る。その1つが魚類、貝類、海藻類の養殖および増殖で
ある。
【0003】魚類や貝類、海藻類等の海産動植物の人工
的生産の一方法として人工魚礁および藻場が利用されて
おり、かかる人工魚礁及び藻場としてはコンクリート、
プラスチックゴムまたは網を基材とした人工魚礁体、さ
らには天然繊維又は合成繊維製の海藻類定着用のロープ
や網を利用した藻場などがある。ところで、このような
人工魚礁体や藻場プラントがそのまま(海)水中に投入
された場合、その表面に目的とする海藻類がより速くし
かもできるだけ多く繁殖することが望ましいのである
が、投入された海域によって生長速度や繁殖量に差があ
り、特に海水中の栄養分が少い貧栄養海域では、海藻類
の付着成育がほとんど期待できない。
【0004】そのため、海藻類の生育を促進する目的
で、これまで、魚礁体、藻場プラントなどの表面に養藻
塗料を塗装したり、該塗装膜上に生殖、生育によって藻
類の葉体となりうる前駆体(以下前駆体と略称すること
もある)を付着させたり、更に前駆体の枯死や基材から
の剥離を防止するために水性高分子液を塗布したりする
など種々の試みがなされてきた。
【0005】これらの養藻塗料や水性高分子液に用いら
れる樹脂は、藻類や前駆体の生殖、生育を阻害せず、有
害な成分を含まないように開発されてきたものである。
しかし、これらの樹脂の多くは水圏で使用されるにあた
り、その吸水性、水膨潤性等の強い親水性のために使用
時において物理的強度の低下を生じ、潮流等により塗膜
が崩壊したり、藻類や前駆体脱落したりして、藻類の生
育に障害となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な藻類や前駆体の生育過程における諸問題を解消する目
的で鋭意研究した結果、前駆体を粒状に包括し、これに
さらに保護固定層を付与して基材に多層構造体として固
定化することにより、塗膜や前駆体の基材からの脱落を
防止できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、生殖、生育によって
藻類の葉体となりうる前駆体を架橋可能な水溶性又は水
分散性樹脂を用いて粒状に包括し架橋し、必要に応じて
粒子表面を水溶性又は水分散性樹脂で1層又は多層に被
覆し架橋した包括粒子を、さらに水溶性又は水分散性樹
脂を用いて基材上に2層以上の多層構造体として固定化
せしめる藻類前駆体の包括固定化方法に係る。
【0008】本発明において、生殖、生育によって藻類
の葉体となりうる前駆体とは、例えば、藻類の遊走子、
胞子(果胞子、殻胞子等)、幼芽、葉体、葉体の粉状物
(該粉状物は水に溶解もしくは分散させたものでもよ
い)、細片物(大きさは3mmφ以下が望ましい)等であ
る。
【0009】前駆体を包括する水溶性又は水分散性樹脂
は従来から養藻塗料や、基材に付着させた前駆体に塗布
する水性高分子液に用いられているものが使用できる。
すなわち、アルギン酸ナトリウム、寒天、κ−カラギー
ナン、アラビヤゴム、キチン、ジユランガム、変性デン
プン、ペクチン等であり、分子中にイオン架橋可能なカ
ルボキシル基を含有する樹脂である。
【0010】前駆体を粒状に包括する方法は、例えば上
記樹脂の水溶液又は水分散液に前駆体を分散し、この分
散液をCaイオンを含む水溶液に滴下することで、Ca
イオンによる架橋構造を有する粒状の前駆体包括ゲルを
調製できる。イオン架橋によるゲルを得るためにはCa
イオン水溶液以外でもFe、Ni、Co、Zn、Al、
Mn、Cu、Sr等の金属イオンを含む水溶液を使用す
ることも可能であり、これらの使用は本発明において何
ら制限されるものではない。また、調製された前駆体包
括ゲルを再度上記樹脂の水溶液又は水分散液に分散し、
2層以上の多層ゲル構造の粒子を調製しても良い。
【0011】このようにして得られた粒状包括ゲルは、
その表面に架橋に使用された金属イオンを多量に残存し
ているものが望ましい。これは、得られた包括粒子に、
さらに保護固定化層を付与して基材に固定化する場合、
この包括粒子表面にイオン架橋可能な金属イオンが存在
すれば、これを利用して包括粒子を基材に固定化する保
護固定化層に用いられる樹脂のイオン架橋を行うことが
できるからである。従って、この保護固定化層を形成す
るために用いられる樹脂は、包括粒子表面に存在する金
属イオンと化学的相互作用を有する官能基を持つことが
必要である。さらに該樹脂は前駆体生育に関して無害で
あると共に包括粒子を保護し、基材に固定化するための
物理的強度も必要である。
【0012】このような特徴を有する樹脂としては、ラ
ジカル重合可能なアクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸の(共)重合体などが好適である。このような樹脂
は、上記酸モノマーの単独重合又は他のラジカル重合可
能なビニルモノマーとの共重合によって得られる。これ
らの樹脂は分子中にイオン架橋可能なカルボキシル基を
含有しているので、包括粒子表面の金属イオンを利用し
たイオン架橋が可能である。また、モノマー配合、重合
条件を変動させて包括粒子の保護、固定化に適した物理
的強度や樹脂組成、分子量などの特性を有する樹脂を容
易に得ることができる。
【0013】前駆体の包括粒子を保護固定層により固定
化する基材としては、(海)水中に自然に存在する岩、
石又は人工的に設置した木、竹、石、コンクリート、プ
ラスチック、ゴム、金属等の人工魚礁体、天然繊維、合
成繊維等からなる網、ロープ等に構成される人工藻場等
が挙げられるが、これらに何ら限定されない。
【0014】前駆体の包括粒子を保護固定層により上記
基材に多層構造体として固定化せしめるには、例えば前
記(メタ)アクリル酸の(共)重合体水溶液又は水分散
液に包括粒子を分散せしめ、その分散液をそのまま、又
は水又は海水等の媒体で希釈して、例えば浸漬法、ハケ
塗法等の塗装手段で基材に塗布せしめ乾燥するか、ある
いは、硬化剤としてCaイオン、Srイオン、Alイオ
ン等の多価金属塩水溶液を塗布するか、硬化剤水溶液に
浸漬する等の方法で行なうことができる。包括粒子を基
材に固定化せしめるために用いる樹脂は、前駆体を粒状
包括する際に用いた樹脂と同じであっても良いが、基材
への付着性、物理的強度を考慮すると、前記(メタ)ア
クリル酸の(共)重合体等の水溶性又は水分散性の合成
高分子を用いるのが好ましい。
【0015】
【実施例】以下実施例を掲げて本発明方法を更に詳しく
説明する。実施例中の部及び%はいずれも重量基準であ
る。
【0016】参考例1 アルギン酸ナトリウムを天然海水で固形分3重量%に調
製した水溶液に、アオサの幼芽を分散させ、固形分3重
量%塩化カルシウム水溶液に注射器で滴下し、直径2〜
5mmφの粒状物を固形分0.8重量%ジュランガム水溶
液に分散させ、粒状物を取り出し、2層構造包括粒子を
作成した。
【0017】参考例2 ジュランガム水溶液の代りに固形分2.8重量%の水分
散系アクリル樹脂水溶液を使用する以外は参考例1と同
様にして、2層構造の包括粒子を作成した。
【0018】参考例3 参考例1で作成した粒状物を固形分2.8重量%水分散
系アクリル樹脂水溶液に分散させ、粒状物を取り出し、
30分間室温で乾燥後3層構造の包括粒子を作成した。
【0019】実施例1 参考例1で作成したアオサ幼芽のアルギン酸カルシウム
包括粒子をジュランガム水溶液でコーティングせず固形
分2.8重量%水分散系アクリル樹脂水溶液に分散さ
せ、アクリル板(30×40×2)の基材に塗布し、3
0分間乾燥した。
【0020】実施例2 参考例1のジュランガム水溶液でコーティングしたアオ
サ幼芽のアルギン酸カルシウム包括粒子を固形分2.8
重量%水分散系アクリル樹脂水溶液に分散させ、アクリ
ル板(30×40×2)の基材に塗布し、30分間乾燥
した。
【0021】比較例1 アオサの幼芽を分散しない3重量%のアルギン酸ナトリ
ウムの天然海水溶液を使用する以外は参考例1と同様に
して2層構造の粒状物を作成した。
【0022】比較例2 アルギン酸ナトリウムを天然海水で固形分3重量%に調
整した水溶液にアオサの幼芽を分散させ、基材に塗布
し、その上から固形分3重量%塩化カルシウム水溶液を
散布した。
【0023】浸漬試験 参考例1〜3、比較例1で得られた粒状物、及び、実施
例1〜2、比較例2で得られた固定化物の浸漬試験を行
なった。結果は表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】試験条件 室内浸漬試験 参考例1〜3、比較例1で得られた粒状物1g を30ml
の海水を満した50ml三角フラスコに浸漬し、振盪培養
を行なった。(海水は、天然海水を80℃で1時間殺菌
し、栄養塩を補強したものを使用した。)粒状物の崩壊
性とアオサの幼芽の生育は目視で観察し、以下の基準で
評価した。 粒状物の崩壊性 ◎:ほとんど崩壊していない。 :1部崩壊している。 □:半分以上崩壊している。 ×:粒状物の形状が認められない。 アオサの生育 :良好に生育している。 ×:生育は認められない。
【0026】実海浸漬試験 実施例1〜2、比較例2で得られた固定化物を静岡県賀
茂郡東伊豆町沖で、平成3年9月から平成4年3月まで
浸漬した。包括粒子の脱落性とアオサの幼芽の生育は目
視で観察し、以下の基準で評価した。 包括粒子の脱落性 ◎:基材表面に包括粒子が90%残っている。 :基材表面に包括粒子が70〜90%残っている。 ×:基材表面に包括粒子が残っていない。 アオサの生育 :良好に生育している。 ×:生育は認められない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生殖、生育によって藻類の葉体となりう
    る前駆体を架橋可能な水溶性又は水分散性樹脂を用いて
    粒状に包括し架橋し、必要に応じて粒子表面を水溶性又
    は水分散性樹脂で1層又は多層に被覆し架橋した包括粒
    子を、さらに水溶性又は水分散性樹脂を用いて基材上に
    2層以上の多層構造体として固定化せしめる藻類前駆体
    の包括固定化方法。
  2. 【請求項2】 水溶性又は水分散性樹脂が同一架橋剤で
    架橋可能な官能基を分子中に少なくとも1個以上含有す
    る樹脂である請求項1記載の藻類前駆体の包括固定化方
    法。
JP4121347A 1992-04-15 1992-04-15 藻類前駆体の包括固定化方法 Pending JPH05284866A (ja)

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JP (1) JPH05284866A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103416133A (zh) * 2013-05-02 2013-12-04 塔里木大学 一种提高驼蹄瓣种子萌发的方法
JP2014003930A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Hokkaido Univ 海藻育成用構造体およびその製造方法

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JP2014003930A (ja) * 2012-06-22 2014-01-16 Hokkaido Univ 海藻育成用構造体およびその製造方法
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