JPH0528327Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は自動車用エンジンの点火プラグの冷
却構造に係り、詳しくは、ラジエータフアンから
の冷却風及び走行風を導風板により点火プラグに
導いて該点火プラグを冷却する冷却構造に関す
る。

（従来の技術） 自動車のエンジンルーム内に搭載される後傾横
置エンジンあるいは横置クロスフローエンジン
は、通常、点火プラグを前方に位置させて前部に
エキゾーストマニホールドが接続され、点火プラ
グとエキゾーストマニホールドとが接近する。こ
のため、点火プラグのプラグキヤツプ等がエキゾ
ーストマニホールドからの放射熱の影響を受けや
すい。そこで、従来、自動車に搭載されたエンジ
ンにあつては、実開昭57−92043号公報に記載さ
れているように、点火プラグと排気管との間に遮
熱板を介設し、排気管からの放射熱を遮断して点
火プラグを保護する。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、後傾エンジンの場合点火プラグ
がエキゾーストマニホールドよりも奥に位置し走
行風やラジエータフアンからの冷却風を受けずら
く点火プラグ周囲の温度が高くなりやすい問題が
あり上述のような従来の自動車エンジンにあつて
は、遮熱板によつて排気管からの放射熱を遮断す
るにすぎず点火プラグを積極的に冷却することは
できないため、停車時等に点火プラグ周囲の雰囲
気温度が高くなつた場合に点火プラグを充分に冷
却することが不可能であつた。

この考案は、上記事情を鑑みてなされたもの
で、停車時等にあつてもエンジンの点火プラグを
充分に冷却することができる自動車用エンジンの
点火プラグの冷却構造を提供することを目的とし
ている。

（問題点を解決するための手段） この考案にかかる自動車用エンジンの点火プラ
グの冷却構造は、エンジン前部に取付けられたエ
キゾーストマニホールドと点火プラグとへ、エン
ジンルーム前部に配置されたラジエータを通過し
たラジエータフアンによる冷却風および走行風を
導く自動車用エンジンの冷却構造において、 前記点火プラグとエキゾーストマニホールドと
を互いに近接して配置し、エキゾーストマニホー
ルドにカバーを被せ、このカバー上に導風板を取
付け、この導風板とカバーとの間に前記点火プラ
グに前記冷却風および走行風を導く導風通路を形
成したことが要旨である。

（作用） この考案にかかる自動車用エンジンの点火プラ
グの冷却構造によれば、ラジエータフアンからの
冷却風及び走行風を導風板により点火プラグに導
いて点火プラグを冷却する。このため、発熱量の
大きなエキゾーストマニホールドの近傍の点火プ
ラグを充分に冷却でき、点火プラグのプラグキヤ
ツプ等の熱劣化が防止できる。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図から第５図はこの考案の一実施例にかか
る自動車用エンジンの点火プラグの冷却構造に係
り、第１図がエンジンフードを取除いたエンジン
ルーム内の平面図、第２図がエンジンルームの正
面図、第３図はエンジンの一部拡大側面図、第４
図ａが主要部品の平面図、第４図ｂが主要部品の
正面図、第５図は作用説明図である。

同図において、Ｒは自動車の車体前部のエンジ
ンルームを示し、エンジンルームＲには、前部に
ラジエータ１１が配設され、中央部に４気筒を有
するエンジン１２が配設されている。ラジエータ
１１には２つのフアン１３，１４が設けられ、こ
れらフアン１３，１４がそれぞれラジエータ１１
内の冷却水温あるいはエアコンデイシヨナの冷媒
圧力等に応じ電動モータにより独立して駆動され
る。

エンジン１２は、排気排出部を前方に、吸気吸
込部を後方に向けて横置きに設置され、前面に４
つの点火プラグ１５ａ，１５ｂ，１５ｃ，１５ｄ
（以下、添字の無い番号で代表する）が車幅方向
に一列に整列して位置している。このエンジン１
２には、前方に排気排出部に接続するエキゾース
トマニホールドがカバー１６により覆われて設け
られ、後方に吸気吸込部にインテークマニホール
ドを介して連絡する気化器１７およびエアクリー
ナ１８が配置されている。エキゾーストマニホー
ルドは点火プラグ１５に近接して位置し、カバー
１６も点火プラグの前方で点火プラグ１５に近接
て位置している。また、エンジン１２には、第１
図中左側方に点火プラグ１５と接続したデイスト
リビユータ１９が設けられ、第１図中右側方にオ
ルタネータ２１とパワーステアリング用のオイル
ポンプ２０とがそれぞれ図示しないブラケツトを
介して設けられている。これらオイルポンプ２０
およびオルタネータ２１は、それぞれが、エンジ
ン１２のクランクプーリ１２ａとの間にベルト２
３，２４が掛袋されたプーリ２０ａ，２１ａを備
え、エンジン１２によりバルト２３，２４を介し
駆動される。なお、２２はエンジン１２の上面に
設けられたヘツドカバーであり、このヘツドカバ
ー２２内にはSOHC式の動弁機構が収容されてい
る。

エキゾーストマニホールドのカバー１６には、
その上部に第１の導風板２５が固定されている。
第１の導風板２５は、中間の２つの点火プラグ１
５ｂ，１５ｃの前方で車幅方向に延在して各ラジ
エータフアン１３，１４に対向して位置し、第２
図に詳示するように、カバー１６との間で各点火
プラグ１５ｂ，１５ｃに対応して前後方向に延在
する２つの導風板２６，２７を画成している。こ
れら導風路２６，２７は、それぞれ、前端がラジ
エータフアン１３，１４に向かつて開口し、後端
が点火プラグ１５ｂ，１５ｃの直近に開口してい
る。なお、第３図においては、オイルポンプ２０
および後述する第２の導風板２８の図示は省略し
ている。

また、オイルポンプ２０の取付用のブラケツト
には、第１図中で右端の点火プラグ１５ａに対応
して第２の導風板２８が固設されている。第２の
導風板２８は、第４図abに詳示するように、取
付部２８ａと導風路２８ｂとを一体に成形して成
り、取付部２８ａがボルト等でブラケツトに固定
され、導風部２８ｂがカバー１６の側部との間で
導風路２９を画成する。この導風路２９は、前端
がラジエータフアン１４に向かつて開口し、後端
が第１図中の右端の点火プラグ１５ａの近傍に開
口している。

このような点火プラグの冷却構造にあつては、
第５図中に矢印で示すように、ラジエータフアン
１３，１４から送り出される冷却風が第１の導風
板２５および第２の導風板２８により案内され、
それぞれ導風路２９を経て点火プラグ１５ａに、
導風路２６を経て点火プラグ１５ｂに、導風路２
７を経て点火プラグ１５ｃに導かれる。

このため、自動車の停車時においても、点火プ
ラグ１５ａ，１５ｂ，１５ｃにはラジエータフア
ン１３，１４から充分な冷却風を導くことがで
き、点火プラグ１５ａ，１５ｂ，１５ｃはラジエ
ータフアン１３，１４からの冷却風により効果的
に冷却される。したがつて、点火プラグ１５ａ，
１５ｂ，１５ｃのプラグキヤツプ等の熱劣化が防
止され、その耐久性の改善を図ることができる。

また、第１図中左方の点火プラグ１５ｄにあつ
ては、その前方が開放されてラジエータフアン１
３，１４からの冷却風が直接に導かれるため、導
風板を必要としない。

（考案の効果） 以上説明したように、この考案にかかる自動車
エンジンの点火プラグの冷却構造によれば、ラジ
エータフアンからの冷却風及び走行風を導風板と
エキゾーストマニホールド用カバーとの間に形成
した導風通路を通して吹き付けることで、自動車
の停車時にあつても点火プラグを効果的に冷却で
き、発熱量の大きなエキゾーストマニホールド近
傍の点火プラグのブラグキヤツプ等の熱劣化を防
止して耐久性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第５図はこの考案の一実施例にかか
る自動車エンジンの点火プラグの冷却構造を示
し、第１図がエンジンフードを取り除いたエンジ
ンルームの平面図、第２図が正面図、第３図が一
部側面図、第４図ａが主要部品の平面図、第４図
ｂが主要部品の正面図、第５図が作用説明図であ
る。 １１……ラジエータ、１２……エンジン、１
３，１４……ラジエータフアン、１５，１５ａ，
１５ｂ，１５ｃ，１５ｄ……点火プラグ、１６…
…カバー（エキゾーストマニホールド）１８……
エキゾーストマニホールド、２０……オイルポン
プ、２１……オルタネータ、２５……第１の導風
板、２６，２７，２９……導風路、２８……第２
の導風板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 エンジン前部に取付けられたエキゾーストマニ
   ホールドと点火プラグとへ、エンジンルーム前部
   に配置されたラジエータを通過したラジエータフ
   アンによる冷却風および走行風を導く自動車用エ
   ンジンの冷却構造において、 前記点火プラグとエキゾーストマニホールドと
   を互いに近接して配置し、エキゾーストマニホー
   ルドにカバーを被せ、このカバー上に導風板を取
   付け、この導風板とカバーとの間に前記点火プラ
   グに前記冷却風および走行風を導く導風通路を形
   成したことを特徴とする自動車用エンジンの点火
   プラグの冷却構造。