JPH05282735A

JPH05282735A - 光磁気ディスク記録装置

Info

Publication number: JPH05282735A
Application number: JP10854192A
Authority: JP
Inventors: Koichiro Horino; 紘一郎堀野
Original assignee: Kuraray Co Ltd
Current assignee: Kuraray Co Ltd
Priority date: 1992-03-31
Filing date: 1992-03-31
Publication date: 1993-10-29

Abstract

(57)【要約】【目的】ディスクの記録膜上で、磁化の向きが定まら
ない範囲を極めて小さくし、記録内容が不明確な箇所を
少なくすることにより、情報が正確に記録され、しか
も、より高密度な記録が可能な光磁気ディスク記録装置
を提供する。【構成】ディスク２に印加する磁界２０を反転させた
直後の一定時間に、通常時よりも強い光パワーのレーザ
１０が光学ヘッド３からディスク２に照射されるよう
に、レーザパワー調整器６によって調整することによ
り、ディスク２の記録膜１上における磁化の向きが定ま
らない範囲を極めて小さくし、記録信号が明確になるよ
うに記録エリアを形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、変調磁界の作用下でデ
ィスクにレーザを照射して情報を記録する光磁気ディス
ク記録装置に係り、特に、ディスク上に適正な記録磁区
を形成する技術に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、光磁気ディスク記録装置にあって
は、他の記録装置と比較して極めて大きな記録容量が実
現している。これは、主としてその記録密度に由来して
おり、さらに、その高密度記録によって、記録箇所に高
速にアクセスすることが可能となっている。さらに、そ
の記録・再生が非接触で行われることにより、機械的な
劣化が極めて少ないという利点を持っている。

【０００３】上記の大容量、且つ非接触な記録を行うた
めに種々の記録方式が提案、実用化されており、その一
つに磁界変調方式がある。この記録方式は、記録信号の
１もしくは０に応じて変調させた外部磁界により、ディ
スクの記録膜を磁化させ、その記録膜上の記録箇所に、
一定の強さのレーザを照射することにより情報を記録す
るものである。

【０００４】一般的な磁界変調方式光磁気ディスク記録
装置の従来例について、図２を参照して説明する。同図
は装置の記録部の構成図を示す。信号化された情報を記
録するための記録膜１を有するディスク２の下方に、そ
の記録膜１にレーザ１０を照射するための光学ヘッド３
が配設されている。さらに、ディスク２を挟んで、その
光学ヘッド３と対向する位置に磁界発生器（磁気ヘッ
ド）４が設けられている。この磁界発生器４には電流発
生器５が接続されており、電流発生器５から磁界発生器
４のコイルに通電されることにより、前記記録膜１を磁
化するための外部磁界２０が発生される。

【０００５】上記の構成により、記録膜１上の情報を記
録しようとする箇所に光学ヘッド３からレーザ１０が照
射され、その照射により記録箇所がキュリー温度以上も
しくは補償点温度以上になるように熱せられることによ
り、その箇所の保磁力が零にされる。このとき、記録膜
１には、電流発生器５からの通電により磁界発生器４か
ら発生された外部磁界２０が作用されており、その外部
磁界２０を作用させたまま、記録膜１の温度を下げるこ
とにより、記録箇所が外部磁界２０と同方向に磁化され
て、信号化情報が記録される。

【０００６】上記の電流発生器５からの通電の方向は、
信号化された情報の記録信号（変調信号）に対応して制
御されており、この通電方向の制御によって、磁界発生
器４から発生される外部磁界２０が変調、すなわち、磁
界の向きが変更される。この磁界変調のための電流発生
器５から磁界発生器４への通電の波形図を図３（ａ）に
示す。同図において、Ｔ１及びＴ３時間には、記録信号
の「１」をディスク２に記録するために、Ｅ１量の通電
が行われ、逆に、Ｔ２及びＴ４時間には、記録信号の
「０」を記録するために、−Ｅ１量の通電が行われてい
る。また、光学ヘッド３から照射されるレーザ１０の光
パワーは、図３（ｃ）に示すようにＰ１レベルに一定に
保持される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
記録信号に対応した磁界変調にあっては、磁界の向きを
切り換える際に、必然的に、図３（ａ）のＴ０に示すよ
うな磁界強度が零もしくは極めて零に近いに時が生じ
る。そのため、ディスク２の記録膜１上で、磁化の向き
が定まらない、すなわち記録内容が不明確な箇所が発生
することがあった。

【０００８】情報を記録された記録膜１の状態を、図４
（ｂ）に示す。Ａ１及びＡ３エリアは、図３（ａ）のＴ
１及びＴ３時間に、Ａ２及びＡ４エリアは、同Ｔ２及び
Ｔ４時間に、それぞれ記録された箇所である。そして、
Ａ０エリアは、磁化方向が異なるエリアの境界部であ
り、外部磁界の強度が零もしくは極めて零に近いＴ０時
に情報が記録された箇所である。情報再生時にこのＡ０
エリアを読み取ると、磁化の方向が不明確であるために
ノイズとなったり、誤った情報を再生してしまうことが
あった。

【０００９】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであり、ディスクの記録膜上で、磁化の向き
が定まらない範囲を極めて小さくし、記録内容が不明確
な箇所を少なくすることにより、情報が正確に記録さ
れ、しかも、より高密度な記録が可能な光磁気ディスク
記録装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の光磁気ディスク記録装置は、ディスクに
レーザを照射する光学ヘッドと、前記ディスクを磁化す
る磁界を発生させる磁気ヘッドと、前記ディスクに記録
する信号に応じて前記磁気ヘッドに通電する電流発生器
とを備え、該信号に応じて前記磁界を変調して磁界方向
を反転させ、その変調磁界の作用下で前記ディスクに前
記レーザを照射することにより、情報を記録する光磁気
ディスク記録装置において、該信号に基づいて前記レー
ザの光パワーを調整するレーザパワー調整器を具備し、
前記磁界方向を反転させた直後の一定時間に、通常時よ
りも強い光パワーのレーザを前記光学ヘッドから前記デ
ィスクに照射することを特徴とする。

【００１１】

【作用】上記の構成によれば、ディスクに記録する信号
に応じて電流発生器から磁気ヘッドへの通電を制御する
ことにより、磁界を変調して磁界方向を反転させ、その
磁界反転直後の一定時間に、通常時よりも強い光パワー
のレーザが光学ヘッドからディスクに照射されるよう
に、レーザパワー調整器によって調整する。これにより
ディスクの記録膜上で磁化の向きが定まらない範囲を極
めて小さくし、記録信号に対応した記録エリアを、相互
の境界が明確になるように形成することが可能となる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の光磁気ディスク記録装置の一
実施例を図面を参照して説明する。図１は本実施例によ
る磁界変調方式光磁気ディスク記録装置の記録部の構成
図である。同図において、信号化された情報を記録する
ための記録膜１を有するディスク２の下方に、その記録
膜１にレーザ１０を照射するための光学ヘッド３が配設
されている。その光学ヘッド３には、レーザ１０の光パ
ワーを調整するためのレーザパワー調整器６が接続され
ている。さらに、ディスク２を挟んで、その光学ヘッド
３と対向する位置に、記録膜１を磁化するための外部磁
界２０を発生させる磁界発生器（磁気ヘッド）４が設け
られている。この磁界発生器４には電流発生器５が接続
されている。

【００１３】上記のレーザパワー調整器６の機能につい
て説明する。外部磁界２０を形成するために電流発生器
５から磁界発生器４へ通電される電流の方向は、１及び
０からなる記録信号（変調信号）に対応して、逐次切り
換えられており、また、その電流の大きさの最大値は、
通常一定である。ところで、通電方向を切り換える時に
は、磁界強度が零もしくは極めて零に近い状態が発生
し、記録膜１上において、記録内容すなわち磁化方向
が、記録信号の１及び０のどちらにも対応しない箇所が
生じる。このため、レーザパワー調整器６が設けられ、
そのレーザパワー調整器６から光学ヘッド３へレーザパ
ワー調整信号が出力され、この出力により、レーザ１０
の光パワーが調整されて記録膜１が適正に磁化されるよ
うに構成されている。

【００１４】図３（ａ）は、外部磁界２０を変調させる
のための電流発生器５から磁界発生器４への通電の波形
図を示す。同図において、Ｔ１及びＴ３時間には、記録
信号の「１」をディスク２に記録するために、Ｅ１量の
通電が行われ、逆に、Ｔ２及びＴ４時間には、記録信号
の「０」を記録するために、−Ｅ１量の通電が行われて
いる。

【００１５】図３（ｂ）は、前記レーザパワー調整器６
から光学ヘッド３へ出力されるレーザパワー調整信号の
波形図である。前述した図３（ｃ）に示す従来例では、
記録動作中は、光パワーがＰ１レベルに一定に保持され
ていたが、本実施例では、磁界反転直後の一定時間Ｔ１
１，Ｔ１２，Ｔ１３，Ｔ１４において、通常パワーより
も強いＰ２レベルの光パワーを有するレーザがディスク
２の記録膜１に照射される。

【００１６】図４（ａ）は、本実施例において情報を記
録されたディスク２の記録膜１の状態を示す平面図であ
る。Ａ１及びＡ３エリアは、図３（ａ）のＴ１及びＴ３
時間に、Ａ２及びＡ４エリアは、同Ｔ２及びＴ４時間
に、それぞれ記録された箇所である。図４（ｂ）に示し
た従来例では、磁化方向が異なるエリアの境界部Ａ０
で、磁化方向が不明確になっていたが、本実施例では、
前述したように外部磁界２０の方向を反転させた直後の
Ｔ１１，Ｔ１２，Ｔ１３，Ｔ１４時間に、通常よりも強
い光パワーのレーザ１０を記録膜１に照射することによ
り、Ａ０エリアにあっても磁化方向が明確になってい
る。これにより、ディスク２の記録膜１上で、磁化の向
きが定まらないエリアを極めて小さくすることができ
る。

【００１７】なお、前記のレーザ１０の光パワーＰ２の
大きさや、調整時間Ｔ１１，Ｔ１２等の長さは、装置に
搭載された光学ヘッド、磁界発生器の規模や性能、記録
膜の種類等を考慮して適正な値を設定すればよい。

【００１８】

【発明の効果】以上のように本発明によれば、記録信号
に応じて磁界発生器へ通電する方向を反転させた直後の
一定時間において、レーザの光パワーを通常よりも強い
パワーに調整するので、ディスクの記録膜上で磁化の向
きが定まらない範囲を極めて小さくし、記録信号に対応
した記録エリアを、相互の境界が明確になるように形成
することが可能となる。これにより、情報が正確に記録
され、しかも、より高密度な記録が可能な光磁気ディス
ク記録装置が実現する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例による光磁気ディスク記録装
置の記録部の構成図である。

【図２】従来の光磁気ディスク記録装置の記録部の構成
図である。

【図３】（ａ）は、本発明の一実施例による電流発生器
から磁界発生器への通電の波形図である。（ｂ）は、本
発明の一実施例によるレーザの光パワーの波形図であ
る。（ｃ）は、従来例のレーザの光パワーの波形図であ
る。

【図４】（ａ）は、本発明の一実施例によるディスクの
記録膜の状態を示す平面図である。（ｂ）は、従来例の
ディスクの記録膜の状態を示す平面図である。

【符号の説明】

１記録膜２ディスク４磁界発生器（磁気ヘッド）５電流発生器６レーザパワー調整器

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ディスクにレーザを照射する光学ヘッド
と、前記ディスクを磁化する磁界を発生させる磁気ヘッ
ドと、前記ディスクに記録する信号に応じて前記磁気ヘ
ッドに通電する電流発生器とを備え、該信号に応じて前
記磁界を変調して磁界方向を反転させ、その変調磁界の
作用下で前記ディスクに前記レーザを照射することによ
り、情報を記録する光磁気ディスク記録装置において、
該信号に基づいて前記レーザの光パワーを調整するレー
ザパワー調整器を具備し、前記磁界方向を反転させた直
後の一定時間に、通常時よりも強い光パワーのレーザを
前記光学ヘッドから前記ディスクに照射することを特徴
とする光磁気ディスク記録装置。