JPH05282641A - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法

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JPH05282641A
JPH05282641A JP4108998A JP10899892A JPH05282641A JP H05282641 A JPH05282641 A JP H05282641A JP 4108998 A JP4108998 A JP 4108998A JP 10899892 A JP10899892 A JP 10899892A JP H05282641 A JPH05282641 A JP H05282641A
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film magnetic
thin film
magnetic head
polishing
manufacturing
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JP4108998A
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Masao Yamaguchi
正雄 山口
Kanji Kobayashi
寛二 小林
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法において
は、前記薄膜磁気ヘッドをバー状態のまま2列以上配列
し、隣り合った薄膜磁気ヘッドの研磨面の2つのエッジ
の間の間隔を1.5mm以下とし、厚さ10μm 以下のダ
イヤモンド研磨フィルムを用いて、前記2個以上の薄膜
磁気ヘッドを同時に研磨する 【構成】本発明によれば、複数の薄膜磁気ヘッドを並べ
て研磨を行なう場合、それらの間の間隔と、ダイヤモン
ド研磨フィルムにおける全厚を設定することにより、隣
り合ったエッジの間隔を効率よく小さくすることがで
き、効率のよい研磨を行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜磁気ヘッドの製造
方法に関し、更に詳細には、ダイヤモンド微粒子を砥粒
とする研磨剤層を支持体としての可撓性フィルムで支持
させてなるダイヤモンド研磨フィルムによって、薄膜磁
気ヘッドのスライダを研磨する薄膜磁気ヘッドの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報記録容量の増大、高速アクセス化等
が進むにつれて、フェライトヘッドと比較して高い透磁
率を有し且つ高い転送速度でも高電磁変換率を維持出来
る薄膜磁気ヘッドに対する要求が高まっている。
【0003】薄膜磁気ヘッドでは、スライダとして各種
セラミックス基板材料が必要であり、SiC、Zr
2 、Al2 3 、Al2 3 −TiC等の材料がスラ
イダとして用いられている。
【0004】薄膜磁気ヘッドのスライダは、安定な浮上
性と、良好な耐久走行性とを得るために、媒体対向面の
うち、空気ベアリング面の表面を研磨し、さらにその端
部や周囲のエッジ、レールの端部、側部のエッジを面取
りする等の必要がある。スライダの空気ベアリング面等
の研磨に際しては、例えば特開昭60−185272号
公報、特開昭63−70918号公報、特開平2−19
9614号公報、特開平2−212057号公報、特開
平2−301014号公報等に開示されているように、
研磨テープあるいは研磨フィルムを用いている。
【0005】各種セラミック材料の研磨においては、研
磨加工性を上げるため、ダイヤモンド粒子を使用したダ
イヤモンド研磨フィルムによる加工が必要とされてい
る。しかし、上記の公報には、ダイヤモンド研磨フィル
ムによる加工は開示されていないが、従来から、ダイヤ
モンド研磨フィルムによる薄膜磁気ヘッドの研磨は行な
われている。そして、特に、特開平2−301014号
公報に開示されているように、上記の研磨は、薄膜磁気
ヘッドを複数個並べて同時に行なうことが、作業効率上
も望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
研磨テープや研磨フィルムを用いてバー状態のまま複数
の薄膜磁気ヘッドの研磨を行なう場合、隣り合う薄膜磁
気ヘッドの隣接する研磨すべきエッジ同士の間隔を、あ
る大きさ以上としなければならない。従って、並べられ
た薄膜磁気ヘッドの列の長さが相当長くなってしまうの
で、同時に研磨できる薄膜磁気ヘッドの数が限られてし
まい、効率の点で更なる向上が望まれていた。
【0007】また、上記の従来のダイヤモンド研磨フィ
ルムによってスライダを研磨したところ、同一の条件で
研磨を行なっても、小さな面取り加工が困難であった
り、面取り寸法や角度がバラツイてしまったり、更に
は、直線部分と面取り部分との遷移部分において角が出
てしまったりしてしまうことがあることが判明した。こ
のように、面取り加工が小さくできないと、小型のスラ
イダでは用いることができない他、面取り寸法ないし面
取り角度がバラツイてしまうと、例えば、浮動型磁気ヘ
ッドでは、所定の耐久性が保証できなくなってしまった
り、安定した相対速度と浮上量とで浮上することが不可
能となり、また上記のように研磨面に角があると媒体を
損傷する他浮上性ないし走行性にも悪影響を及ぼす。
【0008】そこで、本発明は、極小の面取り加工を精
度よく行うことができ、隣り合う面にわたって連続的に
かつなめらかに面取りを行うことができ、しかもこの面
取り量を微小にすることができ、安定な浮上性を示すヘ
ッドを得ることのできる薄膜磁気ヘッドの製造方法を提
供することを主たる目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の問
題点を鋭意研究したところ、研磨フィルムと被研磨物間
の密着性等の研磨精度を向上させるためのファクター
は、上記の隣り合ったエッジの間隔の大きさと、研磨フ
ィルムのスティッフネスに関係する研磨フィルムの全体
の厚さとの相関関係や研磨剤としてのダイヤモンド微粒
子の粒径に由来するということを知見した。
【0010】本発明は、上記知見によるものであり、以
下の(1)〜(14)にある。
【0011】(1)ダイヤモンド微粒子を使用したダイ
ヤモンド研磨フィルムによって、薄膜磁気ヘッドのスラ
イダを研磨する薄膜磁気ヘッドの製造方法において、前
記薄膜磁気ヘッドをバー状態のまま2列以上配列し、隣
り合ったバーの薄膜磁気ヘッド研磨面エッジ間の間隔を
1.5mm以下とするとともに、前記ダイヤモンド研磨フ
ィルムの厚さを10μm 以下とし、このダイヤモンド研
磨フィルムによって前記2個以上の薄膜磁気ヘッドを同
時に研磨するようにしたことを特徴とする薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法。
【0012】(2)前記ダイヤモンド微粒子の平均粒径
を1.0μm 以下とした上記(1)の薄膜磁気ヘッドの
製造方法。
【0013】(3)前記隣り合った薄膜磁気ヘッドの研
磨面の2つのエッジの間の間隔であるエッジ間間隔を
0.7mm以下とする上記(1)または(2)の薄膜磁気
ヘッドの製造方法。
【0014】(4)前記隣り合った薄膜磁気ヘッドの研
磨面の2つのエッジの間の間隔であるエッジ間間隔を
0.4mm以下とする上記(1)または(3)の薄膜磁気
ヘッドの製造方法。
【0015】(5)前記薄膜磁気ヘッドが複数本のレー
ルを有しており、この複数本のレールの間の間隔のうち
最小のものの幅が前記エッジ間間隔より大きく設定され
ている上記(1)ないし(4)のいずれかの薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法。
【0016】(6)前記薄膜磁気ヘッドのスライダのビ
ッカース硬度HV(500g )を、1100以上に設定
した上記(1)ないし(5)のいずれかの薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法。
【0017】(7)前記薄膜磁気ヘッドのスライダのビ
ッカース硬度HV(500g )を、1500以上に設定
した上記(1)ないし(6)のいずれかの薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法。
【0018】(8)前記薄膜磁気ヘッドのスライダのビ
ッカース硬度を1800〜3000の範囲とした上記
(1)ないし(7)のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造
方法。
【0019】(9)複数の薄膜磁気ヘッドを固定治具に
固定配置し、この固定治具に固定配置された複数の薄膜
磁気ヘッドを、前記ダイヤモンド研磨フィルムに対して
相対的に押圧するとともに、前記固定治具およびダイヤ
モンド研磨フィルムの少なくとも一方を摺動走行させ、
前記薄膜磁気ヘッドを同時に研磨する上記(1)ないし
(8)のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方法。
【0020】(10)ダイヤモンド研磨フィルムを相当
厚の弾性体で支持させた状態で、前記薄膜磁気ヘッドの
研磨面に相対的に押しつけて研磨加工を行なうによにす
るとともに、前記弾性体のゴム硬度を55°以下に設定
した上記(1)ないし(9)のいずれかの薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法。
【0021】(11)前記弾性体のゴム硬度を20°か
ら40°の範囲とした上記(10)の薄膜磁気ヘッドの
製造方法。
【0022】(12)前記研磨フィルムのスティッフネ
スを、0.8〜3.0×10(μm)3 kg/mm2の範囲と
した上記(1)ないし(11)のいずれかの磁気ヘッド
の製造方法。
【0023】(13)基板上に複数の薄膜磁気変換素子
を成膜したのち、これを切断し、切断端面を媒体対向面
として、これを前記ダイヤモンド研磨フィルムにて研磨
する上記(1)ないし(12)のいずれかの薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法。
【0024】(14)基板上に複数の薄膜磁気変換素子
をマトリックス上に成膜したのち、これを一方向のみに
平行に切断して、複数の薄膜磁気ヘッドが1直線に配置
されたバーを形成し、これをジグ上に固定し、ついで隣
合う2つの薄膜磁気ヘッドの間に溝を形成するか、両者
を切断し、この状態で研磨加工を行なう上記(1)ない
し(13)のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方法。
【0015】
【作用・効果】本発明によれば、複数の薄膜磁気ヘッド
を並べて研磨を行なう場合、それらの間の間隔と、ダイ
ヤモンド研磨フィルムにおける全厚を設定することによ
り、隣り合ったエッジの間隔を効率よく小さくすること
ができ、すなわち長さが決まっている場合に、数多くの
薄膜磁気ヘッドをバー状態のまま並べて研磨を行なうこ
とができ、効率のよい研磨を行なうことができるように
なる。更に、研磨フィルムのダイヤモンド粒径を設定す
ることにより、極小の面取りを精度よく行うことがで
き、面取り寸法や角度のバラツキが無くなるので、耐久
性が向上するとともに、磁気ヘッドが安定した相対速度
で浮上することができるようになる。
【0025】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ、本発明の好ま
しい実施例について説明する。
【0026】まず、本発明によって得られる薄膜磁気ヘ
ッドについて説明する。図1および図2は、薄膜磁気ヘ
ッドの一例を示す斜視図であり、スライダ1は、媒体対
向面11に平面状の空気ベアリング面111を有してい
る。両図において、aは磁気ディスクと組み合わせた場
合の空気流入方向を示す。そして、図1では、媒体対向
面11の空気流入方向aの両側端に、中央部の溝19を
介して、2本のレール16、16が形成され、このレー
ル16、16上の媒体対向面が空気ベアリング面111
を構成している。なお、レール16、16は3本以上で
あってもよい。
【0027】磁気ディスク装置として使用する場合は、
スライダ1の媒体対向面11と逆側の面12を、ジンバ
ルアッセイにヘッドスタックし、この状態で起動、停止
を行なう、いわゆるコンタクト.スタート.ストップ
(以下CSSと称する)方式によって駆動される。磁気
ディスクが静止しているときは、ヘッド支持装置のバネ
圧により空気ベアリング面111が磁気ディスクの表面
に押付けられているが、磁気ディスクが回転すると、ス
ライダ1の空気ベアリング面111に揚力動圧が発生
し、この動圧とヘッド支持装置のバネ圧と釣り合う浮上
量で動作する。なお、CSSにかえて、いわゆるダイナ
ミックローディングを用いてもよい。
【0028】図1、図2および図3に示されるように、
空気流入端側において空気ベアリング面111と側端面
13とが形成するエッジは、面取りされた傾斜面14形
状となっている。このためCSS動作等において、容易
にスタートできるようになり、ヘッドクラッシュ、媒体
損傷等を生じにくくなる。すなわち、空気流入端側での
傾斜面14と空気ベアリング面111とのなす角が所定
の角度をなし、その長さが所定の寸法となるようにし、
しかもその加工精度を高めると、より安定した相対速度
で浮上を開始し、または浮上を停止するようになる。
【0029】このような傾斜面14は研磨による面取り
によって形成される。この際、その傾斜角は小さいた
め、面寸法および傾斜角の精度に問題が生じやすいが、
これらの精度は本発明に従い格段と高いものとなる。な
お、図示した例では、レール16、16の空気流出側に
おいて空気ベアリング面111と側端面14とが形成す
るエッジ部およびスライダ16、16の長さ方向の両側
部が、傾斜面17、18とされた例を示している。な
お、横断面は、レール付のもののみを図4に示した。
【0030】上記スライダ1は、そのビッカース硬度
(JIS Z 2244 試験荷重500g )HV(5
00g )1100以上、特に1100〜3000の範囲
となるように設定されている。この場合、その下限値と
しては、好ましくは1300以上、より好ましくは15
00以上、更に好ましくは1800以上であり、このと
き本発明の効果はさらにすぐれたものとなる。
【0031】このようなセラミックス材料としては、A
2 3 −TiO2 [HV(500)1150程度]、
Mg O−NiO−ZrO2 (1200程度)、ZrO
2 (1200〜1600程度)、ZrO2 −Al2 3
(1400〜1600程度)、 Al2 3 −Tic−
AlN(1700〜2000)、SiC(1800〜2
000程度)、Al2 3 −TiC(2000〜230
0程度)等が好適である。また、これらには、添加物と
してMg 、Y、ZrO2 、TiO2 等が含有されていて
もよい。
【0032】これらのうち、本発明に特に好適なもの
は、加工性の点でAl2 3 −TiCを主成分とするセ
ラミックスである。
【0033】図5は、図1に示した磁気ヘッドをバー状
態のまま固定治具94に複数個並べて研磨する製造方法
を示す図である。図においては、1は磁気ヘッドスライ
ダ、91は弾性シート、92は研磨フィルム、93は加
工台である。この場合、スライダは、上記の構造のいず
れのものであってもよい。
【0034】上記研磨フィルム92は、図6に示したよ
うに、研磨剤層921を、支持体としての可撓性フィル
ム922上に形成してなるものである。研磨剤層921
は、例えばダイヤモンド微粒子として合成ダイヤモンド
砥粒を用い、ポリウレタン系樹脂等のバインダー樹脂を
用い、MEK/トルエン/シクロヘキサノン混合系等の
希釈溶剤を用いて塗布、乾燥して作製することができ
る。上記ペーストは、各種コーティング機械を用いて、
支持体上に均一に塗布されて、層形成される。上記支持
体としての可撓性フィルム922としては、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレー
ト(PEN)、ポリアミド、ポリイミド等を用いること
ができる。
【0035】上記ダイヤモンド粒子の平均粒径は、後の
実施例からも分かるように、1.0μm 以下でなければ
ならないが、特に0.1〜1.0μm 、さらには0.1
〜0.9μm 、もっとも好ましくは0.1〜0.5μm
であることが好ましい。また、ダイヤモンド粒子とバイ
ンダの比は、重量比で1:1/7〜1程度である。ま
た、研磨剤層921の厚さは、1〜10μm とすること
が好ましい。
【0036】バー状態のまま並べられた磁気ヘッドスラ
イダ1は、接着等の手段によって治具94に取付けら
れ、治具94に荷重を加えながら、薄膜磁気ヘッドのス
ライダ1の媒体対向面11側を、弾性シート91によっ
て支持された研磨フィルム92の面上に接触させ、スラ
イダ1を研磨フィルム92に対して、相対的に移動させ
て研磨する。このとき、図5に示すように、ダイヤモン
ド研磨フィルムが好適な状態で押し込まれるように、ヤ
ング率をEとして定義される研磨フィルムの柔軟性の指
標であるスティッフネスET3 が0.8〜3.0×10
5 (μm )3 kg/mm2、好ましくは0.8〜1.6×10
5 (μm )3 kg/mm2、特に好ましくは0.8〜1.2×
105 (μm )3 kg/mm2となるように設定することが望
ましい。支持体としての可撓性フィルムが上記したよう
な材料で形成されるので、そのゴム硬度がある所定の範
囲内にあるため、上記ダイヤモンド研磨フィルムのステ
ィッフネスは、その全厚によるところが大きい。従っ
て、研磨フィルムの厚みが厚すぎたり、薄すぎたりする
と密着性が悪化し、研磨面の均一性に欠ける。したがっ
て、本発明においては、フィルムの厚みを10μm 以
下、該ダイヤモンド研磨フィルムのスティッフネスを上
記値の範囲に設定することにより、研磨面のバラツキが
抑えられ、安定した耐久走行性が得られるようになっ
た。
【0037】また、上記したように、図4に示すよう
に、ダイヤモンド研磨フィルムが押し込まれるが、隣合
う2つのバーの薄膜磁気ヘッドの研磨面のエッジの間の
間隔が狭すぎ、研磨フィルムの全厚が大きすぎると、ダ
イヤモンド研磨フィルムと研磨面との密着性が悪化し、
研磨面の均一性が欠けるとともに面取り精度が悪化す
る。したがって、本発明においては、研磨フィルムの全
厚を10μm 以下、好ましくは、7μm の範囲に設定
し、それに応じて、隣合う2つのスライダ2(薄膜磁気
ヘッド)のバーの隣合う研磨面のエッジ間の間隔α(図
5に示した)を0.2mm以上1.5mm以下、好ましくは
0.7mm以下、特に好ましくは0.4mmに設定しても、
研磨面のバラツキが抑えられ、安定した耐久走行性が得
られるようになった。なお、現在のところ、1つの薄膜
磁気ヘッドの隣あうレールの間の間隔bは1.5mm程度
であり、50%シュリンクでは1.0mm以下となる。小
型化等により、間隔bが間隔αよりも小さくなった場合
には、この間隔bを考慮して、研磨フィルムの厚さある
いはスティッフネスを設置する。
【0038】上記の相対移動は、スライダ1、研磨フィ
ルム92のいずれの移動によって達成してもよい。ま
た、研磨フィルムを円形にしておき、その円形の中心を
中心として回転させ、いわゆるバフのようにして研磨す
ることもできる。また、長尺の研磨フィルムと弾性シー
トを組み合わせたものを、研磨フィルムを外側にして、
輪を形成してエンドレステープ状とし、これを走行させ
ることによって研磨するようにしてもよい。上記荷重
は、磁気ヘッド1個あたり、5〜200g の範囲とす
る。更に、研磨時間は、スライダ1の硬度、ダイヤモン
ド粒子の粒径、荷重の大きさ等によっても異なるが、概
ね、10〜300秒程度とする。
【0039】なお、本発明は薄膜磁気ヘッドをバー状態
で配列したものにも応用できる。すなわち、基板上に複
数の薄膜磁気変換素子をマトリックス上に成膜したの
ち、これを一方向のみに平行に切断して、複数の薄膜磁
気ヘッドが1直線に配置されたバーを形成し、これを固
定治具上に固定し、ついで隣合う2つの薄膜磁気ヘッド
の間に溝を形成するか、両者を切断し、この状態で研磨
加工を行なってもよい。この場合は、上記間隔aのみが
考慮の対象となる。
【0040】このようにして、空気ベアリング面111
を研磨する他、例えば特開昭60−185272号、同
63−70918号、特開平2−199614号、同2
−212057号、同2−301014号等に記載され
た方法に準じ、必要に応じスライダ1と研磨フィルムと
を傾けたり、研磨フィルムを所定形状に配置したりし
て、傾斜角や、エッジの面取り加工等が行なわれる。
【0041】以上説明してきたが、要約すると、本発明
方法は、バー状態のまま薄膜磁気ヘッドを多数個並べ、
上記の間隔を1.5mm以下とするとともに、厚さ10μ
m 以下の研磨フィルムに、磁気ヘッドスライダの媒体対
向面側を接触させ、前記スライダを前記研磨シートに対
して相対的に移動させて、薄膜磁気ヘッドの前記媒体対
向面を研磨することを主眼とするものである。
【0042】次に、本発明による方法、特に研磨方法に
よる効果の確認のため、次のような実験を行なった。す
なわち、上記の間隔aを図7に示すように種々変化させ
るとともに、研磨材としてのダイヤモンドの粒径を1.
0μm に設定し、上記ペーストの配合比を表1に示すよ
うにしてペーストを配合し、さらに、全厚を図7に示す
ように設定し、所定の弾性シート上に配置したダイヤモ
ンド研磨フィルムを用い、荷重と研磨時間一定の条件
で、隣合った2つのスライダ2(薄膜磁気ヘッド)の研
磨面の対向するエッジ間の間隔aを図7に示すように設
定して、10バー研磨し、2つのそれぞれの隣接するレ
ール16の対向する面取り傾斜面の精度を、表2の基準
で測定あるいは調べた。その結果を図7に示す。なお、
被研磨物としては、Al2 3 −TiO2 製で、Hv
(500g )が2000のスライダを有する薄膜磁気ヘ
ッドを用いた。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】また、上記間隔aを、0.7mmとし、ダイ
ヤモンド研磨フィルムの全厚を7μm 、ダイヤモンド微
粒子の粒径を1.0μm とし、表3に示すように薄膜磁
気ヘッドのビッカース硬度HV(500g )を種々変え
て上記と同様に研磨を行い、精度を測定あるいは調べ
た。その結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】この表3から分かるように、ビッカース硬
度HV(500g )1100未満の時、研磨表面に大き
な傷が付いてしまい、実用に耐えないことが分かる。こ
れに対し、ビッカース硬度HV(500g )1100以
上となると、スライダの研磨面に小さな傷が存在するだ
けで満足の行くものであった。
【0048】特に、ビッカース硬度HV(500g )を
1500以上としたときには、キズ、精度ともに良好な
状態となり、さらには、1800以上とすると、きわめ
て良好な結果が得られた。
【0049】さらに、使用するダイヤモンド微粒子の平
均粒径1.0μm 、ダイヤモンド研磨フィルムの厚さ1
0μm 、そして、スライダのビッカース硬度HV(50
0g)を1800とし、ダイヤモンド研磨フィルムの支
持体としての弾性シートのゴム硬度を種々替えて実験を
行なった。その結果を、表4に示す。
【0050】
【表4】
【0051】この表4に示されているように、ダイヤモ
ンド研磨フィルムの支持体のゴム硬度を20°〜55°
の範囲にしないときには、キズが大であり、しかも2μ
m より大の精度のバラツキを生じてしまい実用に耐えな
いことがわかる。これに対しゴム硬度が20°〜55°
の範囲では、これらはいずれも満足できる状態となって
いる。
【0052】特に、ゴム硬度が20°〜40°の範囲で
は、より一層好ましい状態となることがわかる。
【0053】更にまた上記間隙aを、0.7mmとし、表
5に示すように、ダイヤモンド研磨フィルム全体および
ダイヤモンド粒子の粒径を種々変えて上記と同様に研磨
を行い、精度を測定あるいは調べた。その結果を表5に
示す。
【0054】この表から明らかなように、ダイヤモンド
研磨フィルムの厚さ15μm 以下、ダイヤモンド微粒子
の平均粒径1.0μm 以下での条件をいずれかでも満足
しないときには、5μm より大のバラツキを生じ、面取
り面と水平、垂直面との角で大きな角θができてしまい
実用に耐えないことがわかる。これに対し厚さ15μm
以下かつ平均粒径1.0μm 以下では、これらはいずれ
も満足できる状態となっている。特に、厚さが10μm
以下、また平均粒径が0.1μm 以上であって、0.9
μm 以下、特に0.5μm 以下となると、これらはより
一層好ましい状態となることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって製造される浮動型磁
気ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図2】薄膜磁気ヘッドの変形例である。
【図3】図1の磁気ヘッドの正面図である。
【図4】図1の磁気ヘッドの側面図である。
【図5】2個の浮動型磁気ヘッドのスライダの空気ベア
リング面の研磨方法を説明するための正面図である。
【図6】本発明方法において使用される研磨フィルムの
一例を示す断面図である。
【図7】本発明方法の効果を確認するための実験の条件
と結果を示す図である。
【符号の説明】
1 スライダ 11 媒体対向面 111 空気ベアリング面 14、17、18 傾斜面 92 研磨フィルム 921 研磨材層 922 可撓性フィルム
【表5】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンド微粒子を使用したダイヤモ
    ンド研磨フィルムによって、薄膜磁気ヘッドのスライダ
    を研磨する薄膜磁気ヘッドの製造方法において、前記薄
    膜磁気ヘッドをバー状態のまま2列以上配列し、隣り合
    ったバーの薄膜磁気ヘッド研磨面エッジ間の間隔を1.
    5mm以下とするとともに、前記ダイヤモンド研磨フィル
    ムの厚さを10μm 以下とし、このダイヤモンド研磨フ
    ィルムによって前記2個以上の薄膜磁気ヘッドを同時に
    研磨するようにしたことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ダイヤモンド微粒子の平均粒径を
    1.0μm 以下とした請求項1の薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記隣り合った薄膜磁気ヘッドの研磨面
    の2つのエッジの間の間隔であるエッジ間間隔を0.7
    mm以下とする請求項1または2の薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記隣り合った薄膜磁気ヘッドの研磨面
    の2つのエッジの間の間隔であるエッジ間間隔を0.4
    mm以下とする請求項1または2の薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記薄膜磁気ヘッドが複数本のレールを
    有しており、この複数本のレールの間の間隔のうち最小
    のものの幅が前記エッジ間間隔より大きく設定されてい
    る請求項1ないし4のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記薄膜磁気ヘッドのスライダのビッカ
    ース硬度HV(500g )を、1100以上に設定した
    請求項1ないし5のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記薄膜磁気ヘッドのスライダのビッカ
    ース硬度HV(500g )を、1500以上に設定した
    請求項1ないし5のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記薄膜磁気ヘッドのスライダのビッカ
    ース硬度を1800〜3000の範囲とした請求項1な
    いし5のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 複数の薄膜磁気ヘッドを固定治具に固定
    配置し、この固定治具に固定配置された複数の薄膜磁気
    ヘッドを、前記ダイヤモンド研磨フィルムに対して相対
    的に押圧するとともに、前記固定治具およびダイヤモン
    ド研磨フィルムの少なくとも一方を摺動走行させ、前記
    薄膜磁気ヘッドを同時に研磨する請求項1ないし8のい
    ずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 ダイヤモンド研磨フィルムを相当厚の
    弾性体で支持させた状態で、前記薄膜磁気ヘッドの研磨
    面に相対的に押しつけて研磨加工を行なうによにすると
    ともに、前記弾性体のゴム硬度を55°以下に設定した
    請求項1ないし9のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記弾性体のゴム硬度を20°から4
    0°の範囲とした請求項10の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記研磨フィルムのスティッフネス
    を、0.8〜3.0×10(μm )3 kg/mm2の範囲とし
    た請求項1ないし11のいずれかの磁気ヘッドの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 基板上に複数の薄膜磁気変換素子を成
    膜したのち、これを切断し、切断端面を媒体対向面とし
    て、これを前記ダイヤモンド研磨フィルムにて研磨する
    請求項1ないし12のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  14. 【請求項14】 基板上に複数の薄膜磁気変換素子をマ
    トリックス上に成膜したのち、これを一方向のみに平行
    に切断して、複数の薄膜磁気ヘッドが1直線に配置され
    たバーを形成し、これをジグ上に固定し、ついで隣合う
    2つの薄膜磁気ヘッドの間に溝を形成するか、両者を切
    断し、この状態で研磨加工を行なう請求項1ないし13
    のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方法。
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