JP3108514B2 - 薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドの製造方法

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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜磁気ヘッドの製造
方法に関し、更に詳細には、ダイヤモンド微粒子を砥粒
とする研磨剤層を支持体としての可撓性フィルムで支持
させてなるダイヤモンド研磨フィルムによって、薄膜磁
気ヘッドのスライダを研磨する薄膜磁気ヘッドの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報記録容量の増大、高速アクセス化等
が進むにつれて、フェライトヘッドと比較して高い透磁
率を有し且つ高い転送速度でも高電磁変換率を維持出来
る薄膜磁気ヘッドに対する要求が高まっている。
【0003】薄膜磁気ヘッドでは、スライダとして各種
セラミックス基板材料が必要であり、SiC、Zr
2 、Al2 3 、Al2 3 −TiC等の材料がスラ
イダとして用いられている。
【0004】薄膜磁気ヘッドのスライダは、安定な浮上
性と、良好な耐久走行性とを得るために、媒体対向面の
うち、空気ベアリング面の表面を研磨し、さらにその端
部や周囲のエッジ、レールの端部、側部のエッジを面取
りする等の必要がある。スライダの空気ベアリング面等
の研磨に際しては、例えば特開昭60−185272号
公報、特開昭63−70918号公報、特開平2−19
9614号公報、特開平2−212057号公報、特開
平2−301014号公報等に開示されているように、
研磨テープあるいは研磨フィルムを用いている。
【0005】各種セラミック材料の研磨においては、研
磨加工性を上げるため、ダイヤモンド粒子を使用したダ
イヤモンド研磨フィルムによる加工が必要とされてい
る。しかし、上記の公報には、ダイヤモンド研磨フィル
ムによる加工は開示されていないが、従来から、ダイヤ
モンド研磨フィルムによる薄膜磁気ヘッドの研磨は行な
われている。そして、特に、特開平2−301014号
公報に開示されているように、上記の研磨は、薄膜磁気
ヘッドを複数個並べて同時に行なうことが、作業効率上
も望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
研磨テープや研磨フィルムを用いて複数の薄膜磁気ヘッ
ドの研磨を行なう場合、隣り合う薄膜磁気ヘッドの隣接
する研磨すべきエッジ同士の間隔を、ある大きさ以上と
しなければならない。従って、並べられた薄膜磁気ヘッ
ドの列の長さが相当長くなってしまうので、同時に研磨
できる薄膜磁気ヘッドの数が限られてしまい、効率の点
で更なる向上が望まれていた。
【0007】また、上記の従来のダイヤモンド研磨フィ
ルムによってスライダを研磨したところ、同一の条件で
研磨を行なっても、小さな面取り加工が困難であった
り、面取り寸法や角度がバラツイてしまったり、更に
は、直線部分と面取り部分との遷移部分において角が出
てしまったりしてしまうことがあることが判明した。こ
のように、面取り加工が小さくできないと、小型のスラ
イダでは用いることができない他、面取り寸法ないし面
取り角度がバラツイてしまうと、例えば、浮動型磁気ヘ
ッドでは、所定の耐久性が保証できなくなってしまった
り、安定した相対速度と浮上量とで浮上することが不可
能となり、また上記のように研磨面に角があると媒体を
損傷する他浮上性ないし走行性にも悪影響を及ぼす。
【0008】そこで、本発明は、極小の面取り加工を精
度よく行うことができ、隣り合う面にわたって連続的に
かつなめらかに面取りを行うことができ、しかもこの面
取り量を微小にすることができ、安定な浮上性を示すヘ
ッドを得ることのできる薄膜磁気ヘッドの製造方法を提
供することを主たる目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来の問
題点を鋭意研究したところ、従来のダイヤモンド研磨フ
ィルムにおいては、研磨フィルムの腰が強すぎ、研磨フ
ィルムと被研磨物間の密着性が悪化し、上記の隣り合っ
たエッジ等の研磨が困難になるということを知見した。
【0010】本発明者らは、更に上記ダイヤモンド研磨
フィルムと被研磨物間の密着性を解決すべく、ダイヤモ
ンド研磨フィルムについて研究したところ、その全体と
しての厚みに負うところが大きいことを知見した。
【0011】本発明は、上記知見によるものであり、以
下の(1)〜(10)にある。 (1) ダイヤモンド微粒子を使用したダイヤモンド研
磨フィルムによって、薄膜磁気ヘッドのスライダを研磨
する薄膜磁気ヘッドの製造方法において、前記薄膜磁気
ヘッドを2個以上配列するとともに、前記ダイヤモンド
研磨フィルムの厚さを10μm以下とし、このダイヤモ
ンド研磨フィルムによって前記2個以上の薄膜磁気ヘッ
ドを同時に研磨するようにしたことを特徴とする薄膜磁
気ヘッドの製造方法。
【0012】(2) 前記ダイヤモンド微粒子の平均粒
径を1.0μm以下とした上記(1)の薄膜磁気ヘッド
の製造方法。
【0013】(3) 前記薄膜磁気ヘッドのスライダの
ビッカース硬度HV(500g)を、1100以上に設
定した上記(1)または(2)の薄膜磁気ヘッドの製造
方法。
【0014】(4) 前記薄膜磁気ヘッドのスライダの
ビッカース硬度HV(500g)を、1500以上に設
定した上記(1)または(2)の薄膜磁気ヘッドの製造
方法。
【0015】(5) 前記薄膜磁気ヘッドのスライダの
ビッカース硬度を1800〜3000の範囲とした上記
(1)または(2)の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
【0016】(6) ダイヤモンド研磨フィルムを相当
厚の弾性体で支持させた状態で、前記薄膜磁気ヘッドの
研磨面に相対的に押しつけて研磨加工を行なうにようす
るとともに、前記弾性体のゴム硬度を55°以下に設定
した上記(1)ないし(5)のいずれかの薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法。
【0017】(7) 前記弾性体のゴム硬度を20°か
ら40°の範囲とした上記(6)の薄膜磁気ヘッドの請
求方法。
【0018】(8) 前記研磨フィルムのスティッフネ
スを、0.8〜3.0×105 (μm)3 kg/mm2の範囲
とした上記(1)ないし(7)のいずれかの薄膜磁気ヘ
ッドの請求方法。
【0019】(9) 複数の薄膜磁気ヘッドを固定治具
に固定配置し、この固定治具に固定配置された複数の薄
膜磁気ヘッドを、前記ダイヤモンド研磨フィルムに対し
て相対的に押圧するとともに、前記固定治具およびダイ
ヤモンド研磨フィルムの少なくとも一方を摺動走行さ
せ、前記薄膜磁気ヘッドを同時に研磨する上記(1)な
いし(8)のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方法。
【0020】(10) 基板上に複数の薄膜磁気変換素
子を成膜したのち、これを切断し、切断端面を媒体対向
面として、これを前記ダイヤモンド研磨フィルムにて研
磨する上記(1)ないし(9)のいずれかの薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法。
【0021】
【作用・効果】本発明によれば、複数の薄膜磁気ヘッド
を並べて研磨を行なう場合、ダイヤモンド研磨フィルム
において全厚を設定することにより、隣り合ったエッジ
の間隔を小さくすることができ、すなわち長さが決まっ
ている場合に、数多くの薄膜磁気ヘッドを並べて研磨を
行なうことができ、効率のよい研磨を行なうことができ
るようになる。更に、研磨フィルムのダイヤモンド粒径
を設定することにより、極小の面取りを精度よく行うこ
とができ、面取り寸法や角度のバラツキが無くなるの
で、耐久性が向上するとともに、磁気ヘッドが安定した
相対速度で浮上することができるようになる。
【0022】
【実施例】以下、添付図面を参照しつつ、本発明の好ま
しい実施例について説明する。まず、本発明によって得
られる薄膜磁気ヘッドについて説明する。図1は、薄膜
磁気ヘッドの一例を示す斜視図であり、スライダ1は、
媒体対向面11に平面状の空気ベアリング面111を有
している。両図において、aは磁気ディスクと組み合わ
せた場合の空気流入方向を示す。そして、図1では、媒
体対向面11の空気流入方向aの両側端に、中央部の溝
19を介して、2本のレール16、16が形成され、こ
のレール16、16上の媒体対向面が空気ベアリング面
111を構成している。なお、レール16、16は3本
以上であってもよい。
【0023】磁気ディスク装置として使用する場合は、
スライダ1の媒体対向面11と逆側の面12を、ジンバ
ルアッセイにヘッドスタックし、この状態で起動、停止
を行なう、いわゆるコンタクト.スタート.ストップ
(以下CSSと称する)方式によって駆動される。磁気
ディスクが静止しているときは、ヘッド支持装置のバネ
圧により空気ベアリング面111が磁気ディスクの表面
に押付けられているが、磁気ディスクが回転すると、ス
ライダ1の空気ベアリング面111に揚力動圧が発生
し、この動圧とヘッド支持装置のバネ圧と釣り合う浮上
量で動作する。なお、CSSにかえて、いわゆるダイナ
ミックローディングを用いてもよい。
【0024】図1に示されるように、レール16、16
の空気流入端側において空気ベアリング面111と側端
面13とが形成するエッジは、面取りされた傾斜面14
形状となっている。このためCSS動作等において、容
易にスタートできるようになり、ヘッドクラッシュ、媒
体損傷等を生じにくくなる。すなわち、空気流入端側で
の傾斜面14と空気ベアリング面111とのなす角が所
定の角度をなし、その長さが所定の寸法となるように
し、しかもその加工精度を高めると、より安定した相対
速度で浮上を開始し、または浮上を停止するようにな
る。
【0025】このような傾斜面14は研磨による面取り
によって形成される。この際、その傾斜角は小さいた
め、面寸法および傾斜角の精度に問題が生じやすいが、
これらの精度は本発明に従い格段と高いものとなる。な
お、図示した例では、レール16、16の空気流出側に
おいて空気ベアリング面111と側端面14とが形成す
るエッジ部およびスライダ16、16の長さ方向の両側
部が、傾斜面17、18とされた例を示している。
【0026】上記スライダ1は、そのビッカース硬度
(JIS Z 2244 試験荷重500g )HV(5
00g )1100以上、特に1100〜3000の範囲
となるように設定されている。この場合、その下限値と
しては、好ましくは1300以上、より好ましくは15
00以上、更に好ましくは1800以上であり、このと
き本発明の効果はさらにすぐれたものとなる。
【0027】このようなセラミックス材料としては、A
2 3 −TiO2 [HV(500)1150程度]、
MgO−NiO−ZrO2 (1200程度)、ZrO
2 (1200〜1600程度)、ZrO2 −Al2 3
(1400〜1600程度)、 Al2 3 −Tic−
AlN(1700〜2000)、SiC(1800〜2
000程度)、Al2 3 −TiC(2000〜230
0程度)等が好適である。また、これらには、添加物と
してMg、Y、ZrO2 、TiO2 等が含有されていて
もよい。
【0028】これらのうち、本発明に特に好適なもの
は、加工性の点でAl2 3 −TiCを主成分とするセ
ラミックスである。
【0029】図4は、図1に示した磁気ヘッドの製造方
法を示す図である。図においては、1は磁気ヘッドスラ
イダ、91は弾性シート、92は研磨フィルム、93は
加工台、94は固定治具である。この場合、スライダ
は、上記の構造のいずれのものであってもよい。また、
本例においては、固定治具94に、2個の薄膜磁気ヘッ
ドを設置固定し、これらを同時に研磨する場合について
示した。薄膜磁気ヘッドは、当然のことながら、3個以
上並べてもよい。
【0030】上記研磨フィルム92は、図5に示したよ
うに、研磨剤層921を、支持体としての可撓性フィル
ム922上に形成してなるものである。研磨剤層921
は、例えばダイヤモンド微粒子として合成ダイヤモンド
砥粒を用い、ポリウレタン系樹脂等のバインダー樹脂を
用い、MEK/トルエン/シクロヘキサノン混合系等の
希釈溶剤を用いて塗布、乾燥して作製することができ
る。上記ペーストは、各種コーティング機械を用いて、
支持体上に均一に塗布されて、層形成される。上記支持
体としての可撓性フィルム922としては、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレー
ト(PEN)、ポリアミド、ポリイミド等を用いること
ができる。
【0031】上記ダイヤモンド粒子の平均粒径は、後の
実施例からも分かるように、1μm以下でなければなら
ないが、特に0.1〜1.0μm 、さらには0.1〜
0.9μm 、もっとも好ましくは0.1〜0.5μm で
あることが好ましい。また、ダイヤモンド粒子とバイン
ダの比は、重量比で1:1/7〜1程度である。また、
研磨剤層921の厚さは、1〜10μm とすることが好
ましい。
【0032】磁気ヘッドスライダ1は、接着等の手段に
よって治具94に取付けられ、治具94に荷重を加えな
がら、薄膜磁気ヘッドのスライダ1の媒体対向面11側
を、弾性シート91によって支持された研磨フィルム9
2の面上に接触させ、スライダ1を研磨フィルム92に
対して、相対的に移動させて研磨する。このとき、図4
に示すように、ダイヤモンド研磨フィルムが好適な状態
で押し込まれるように、ヤング率をEとして定義される
研磨フィルムの柔軟性の指標であるスティッフネスET
3 が0.8〜3.0×105 (μm)3 Kg/mm2
好ましくは0.8〜1.6×105 (μm)3 Kg/m
2 、特に好ましくは0.8〜1.2×105 (μm)
3 Kg/mm2 となるように設定することが望ましい。
支持体としての可撓性フィルムが上記したような材料で
形成されるので、そのゴム硬度がある所定の範囲内にあ
るため、上記ダイヤモンド研磨フィルムのスティッフネ
スは、その全厚によるところが大きい。従って、研磨フ
ィルムの厚みが厚すぎたり、薄すぎたりすると密着性が
悪化し、研磨面の均一性に欠ける。したがって、本発明
においては、フィルムの厚みを10μm以下、該ダイヤ
モンド研磨フィルムのスティッフネスを上記値の範囲に
設定することにより、研磨面のバラツキが抑えられ、安
定した耐久走行性が得られるようになった。
【0033】また、上記したように、図4に示すよう
に、ダイヤモンド研磨フィルムが押し込まれるが、ダイ
ヤモンド研磨フィルムの支持体としての弾性フィルム9
1のゴム硬度が高すぎると、ダイヤモンド研磨フィルム
と研磨面との密着性が悪化し、研磨面の均一性が欠け
る。とともに面取り精度が悪化する。したがって、本発
明においては、弾性シートのゴム硬度を55°以下、好
ましくは、20°〜40°の範囲に設定することによ
り、研磨面のバラツキが抑えられ、安定した耐久走行性
が得られるようになった。弾性シートはJIS K62
00ゴム用語に使用しているのを挙げることができる。
【0034】上記の相対移動は、スライダ1、研磨フィ
ルム92のいずれの移動によって達成してもよい。ま
た、研磨フィルムを円形にしておき、その円形の中心を
中心として回転させ、いわゆるバフのようにして研磨す
ることもできる。また、長尺の研磨フィルムと弾性シー
トを組み合わせたものを、研磨フィルムを外側にして、
輪を形成してエンドレステープ状とし、これを走行させ
ることによって研磨するようにしてもよい。上記荷重
は、磁気ヘッド1個あたり、5〜200g の範囲とす
る。更に、研磨時間は、スライダ1の硬度、ダイヤモン
ド粒子の粒径、荷重の大きさ等によっても異なるが、概
ね、10〜300秒程度とする。
【0035】このようにして、空気ベアリング面111
を研磨する他、例えば特開昭60−185272号、同
63−70918号、特開平2−199614号、同2
−212057号、同2−301014号等に記載され
た方法に準じ、必要に応じスライダ1と研磨フィルムと
を傾けたり、研磨フィルムを所定形状に配置したりし
て、傾斜角や、エッジの面取り加工等が行なわれる。
【0036】以上説明してきたが、要約すると、本発明
方法は、薄膜磁気ヘッドを2個以上並べるとともに、厚
さ10μm以下の研磨フィルムに、磁気ヘッドスライダ
の媒体対向面側を接触させ、前記スライダを前記研磨シ
ートに対して相対的に移動させて、2個以上の薄膜磁気
ヘッドの前記媒体対向面を研磨することを主眼とするも
のである。
【0037】次に、本発明による方法、特に研磨方法に
よる効果の確認のため、表3に示すように、研磨材とし
てのダイヤモンドの粒径を設定した。ペーストの配合比
を表1に示すようにしてペーストを配合し、これを、厚
みを表3に示すように設定し、所定の弾性シート上に配
置したダイヤモンド研磨フィルムを用い、荷重と研磨時
間一定の条件で、図1に示されるスライダ(磁気ヘッ
ド)を2個づつ、計20個研磨し、2つの薄膜磁気ヘッ
ドの隣接するレール16の対向する面取り傾斜面の精度
を、表2の基準で測定あるいは調べた。その結果を表3
に示す。なお、被研磨物としては、Al2 3 −TiO
2 製で、Hv(500g)が2000のスライダを有す
る薄膜磁気ヘッドを用いた。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】これらの表から明らかなように、ダイヤモ
ンド研磨フィルムの厚さ15μm以下、ダイヤモンド微
粒子の平均粒径1.0μm 以下での条件をいずれかでも
満足しないときには、5μm より大のバラツキを生じ、
面取り面と水平、垂直面との角で大きな角θができてし
まい実用に耐えないことがわかる。これに対し厚さ15
μm以下かつ平均粒径1.0μm 以下では、これらはい
ずれも満足できる状態となっている。特に、厚さが10
μm以下、また平均粒径が0.1μm 以上であって、
0.9μm 以下、特に0.5μm 以下となると、これら
はより一層好ましい状態となることがわかる。
【0042】さらに、使用するダイヤモンド微粒子の平
均粒径1.0μmとし、表4に示したように、スライダ
のビッカース硬度HV(500g)およびダイヤモンド
研磨フィルムの厚さを種々替えて実験を行なった。その
結果を、表4に示す。この表4に示されているように、
ビッカース硬度HV(500g)1100未満の時、研
磨表面に大きな傷が付いてしまい、実用に耐えないこと
が分かる。これに対し、ビッカース硬度HV(500
g)1100以上となると、スライダの研磨面に小さな
傷が存在するだけで満足の行くものであった。
【0043】特に、ビッカース硬度HV(500g)を
1500以上としたときには、キズ、精度ともに良好な
状態となり、さらには、1800以上とすると、きわめ
て良好な結果が得られた。
【0044】
【表4】
【0045】膜厚との関係について、整理すると、全厚
15μ以下、さらに好ましいのはビッカース硬度(50
0g )1100以上、膜厚10μ以下、さらにビッカー
ス硬度(Hv500g )1500以上、膜厚10μ以下、
この傾向は、ビッカース硬度HV(500g)が大きけ
れば大きい程、また、全厚が小さければ小さい程、精度
が向上することがわかり、ビッカース硬度(Hv500g
)1800以上、膜厚7μm 以下が特に好ましい。
【0046】さらに、使用するダイヤモンド微粒子の平
均粒径1.0μm、ダイヤモンド研磨フィルムの厚さ1
0μm、そして、スライダのビッカース硬度HV(50
0g)を1800とし、ダイヤモンド研磨フィルムの支
持体としての弾性シートのゴム硬度を種々替えて実験を
行なった。その結果を、表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】この表5に示されているように、ダイヤモ
ンド研磨フィルムの支持体のゴム硬度を20°〜55°
の範囲にしないときには、キズが大であり、しかも2μ
mより大の精度のバラツキを生じてしまい実用に耐えな
いことがわかる。これに対しゴム硬度が20°〜55°
の範囲では、これらはいずれも満足できる状態となって
いる。
【0049】特に、ゴム硬度が20°〜40°の範囲で
は、より一層好ましい状態となることがわかる。
【0050】なお、本発明は薄膜磁気ヘッドをバー状態
で配列したものにも応用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法によって製造される浮動型磁
気ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図2】図1の磁気ヘッドの正面図である。
【図3】図1の磁気ヘッドの側面図である。
【図4】2個の浮動型磁気ヘッドのスライダの空気ベア
リング面の研磨方法を説明するための正面図である。
【図5】本発明方法において使用される研磨フィルムの
一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 スライダ 11 媒体対向面 111 空気ベアリング面 14、17、18 傾斜面 92 研磨フィルム 921 研磨材層 922 可撓性フィルム

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイヤモンド微粒子を使用したダイヤモ
    ンド研磨フィルムによって、薄膜磁気ヘッドのスライダ
    を研磨する薄膜磁気ヘッドの製造方法において、前記薄
    膜磁気ヘッドを2個以上配列するとともに、前記ダイヤ
    モンド研磨フィルムの厚さを10μm以下とし、このダ
    イヤモンド研磨フィルムによって前記2個以上の薄膜磁
    気ヘッドを同時に研磨するようにしたことを特徴とする
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ダイヤモンド微粒子の平均粒径を
    1.0μm以下とした請求項1の薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記薄膜磁気ヘッドのスライダのビッカ
    ース硬度HV(500g)を、1100以上に設定した
    請求項1または2の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記薄膜磁気ヘッドのスライダのビッカ
    ース硬度HV(500g)を、1500以上に設定した
    請求項1または2の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記薄膜磁気ヘッドのスライダのビッカ
    ース硬度を1800〜3000の範囲とした請求項1ま
    たは2の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 ダイヤモンド研磨フィルムを相当厚の弾
    性体で支持させた状態で、前記薄膜磁気ヘッドの研磨面
    に相対的に押しつけて研磨加工を行なうにようするとと
    もに、前記弾性体のゴム硬度を55°以下に設定した請
    求項1ないし5のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 前記弾性体のゴム硬度を20°から40
    °の範囲とした請求項6の薄膜磁気ヘッドの請求方法。
  8. 【請求項8】 前記研磨フィルムのスティッフネスを、
    0.8〜3.0×105 (μm)3 kg/mm2の範囲とした
    請求項1ないし7のいずれかの薄膜磁気ヘッドの請求方
    法。
  9. 【請求項9】 複数の薄膜磁気ヘッドを固定治具に固定
    配置し、この固定治具に固定配置された複数の薄膜磁気
    ヘッドを、前記ダイヤモンド研磨フィルムに対して相対
    的に押圧するとともに、前記固定治具およびダイヤモン
    ド研磨フィルムの少なくとも一方を摺動走行させ、前記
    薄膜磁気ヘッドを同時に研磨する請求項1ないし8のい
    ずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 基板上に複数の薄膜磁気変換素子を成
    膜したのち、これを切断し、切断端面を媒体対向面とし
    て、これを前記ダイヤモンド研磨フィルムにて研磨する
    請求項1ないし9のいずれかの薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
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