JPH05298646A - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドの製造方法

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JPH05298646A
JPH05298646A JP4095693A JP9569392A JPH05298646A JP H05298646 A JPH05298646 A JP H05298646A JP 4095693 A JP4095693 A JP 4095693A JP 9569392 A JP9569392 A JP 9569392A JP H05298646 A JPH05298646 A JP H05298646A
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sliders
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Shigetomo Sawada
茂友 澤田
Yoshimichi Asauchi
良道 浅内
Yoshio Tanaka
義男 田中
Kikuo Yashiro
喜久雄 八城
Yasuo Okamoto
康男 岡本
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】磁気記録媒体の回転によって発生する気流で、
スライダを浮上させて、情報の記録/再生を行なう浮上
式磁気ヘッドの製造方法に関し、浮上式の磁気ヘッドに
おける浮上面を均一にしかも能率的に加工できる方法を
実現することを目的とする。 【構成】浮上式の磁気ヘッドの浮上面を加工する方法で
あって、複数個のスライダに分離する前のスライダ・ブ
ロック17の状態で、凹曲面状のラップ定盤20上で直
線もしくは回転運動させて浮上面を加工する。さらに、
上記ブロック17の背面を可撓性のシート19に貼り付
けた後、各スライダ1…間を切断して分離し、シート1
9に貼り付けられた状態で、複数のスライダ1…を一斉
に浮上面加工し、加工が終了した後に、各スライダ1…
をシート19から取り外す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】情報処理システムにおける外部記
憶装置として使用される磁気ディスク装置用の磁気ヘッ
ドは、ジンバルと呼ばれる薄い板バネで支持され、磁気
ディスクが高速回転する際の気流で浮上するようになっ
ている。本発明は、このように磁気記録媒体の回転によ
って発生する気流で、スライダを浮上させて、情報の記
録/再生を行なう浮上式磁気ヘッドの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図7は浮上式磁気ヘッドによって情報の
記録/再生を行なっている状態を示す側面図である。D
は磁気ディスクであり、矢印a1方向に高速回転している
ものとする。磁気ヘッドHは、スライダ1の後端に、電
磁変換用のコイル2を巻いたコア3が接着され、前端に
流入斜面9を有する構造になっている。スライダ1は、
ジンバル4を介してスプリングアーム5に取付けられ、
スプリングアーム5がキャリッジアーム6に取付けられ
ている。
【0003】いま、キャリッジ7が往復回転すると、ス
ライダ1が紙面と垂直方向に移動され、シーク動作す
る。磁気ディスクDが高速回転すると、スライダ1と磁
気ディスクD間に発生する空気流で、スライダ1が1μ
m以下の微小隙間Gをおいて浮上し、浮上状態で記録/
再生ギャップ8によって、情報の記録/再生が行われ
る。
【0004】このように、磁気ヘッドHが、磁気ディス
クDの高速回転時の気流で浮上し、磁気ディスクDが停
止すると、スプリングアーム5のバネ力で磁気ディスク
面に圧接する方式を、CSS方式と呼んでいる。一方C
SS方式の磁気記録媒体には、スライダ1が摺動する際
の摩耗を防止するために、潤滑剤が塗布される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この潤滑剤
によって、磁気ディスクの停止時にスライダが吸着しや
すく、特にスライダの浮上面が、加工歪みなどで凹曲面
となっている場合に顕著である。潤滑剤による吸着が起
きると、起動時に粘着力に抗してスライダ1が磁気ディ
スク面から引き離されることになり、ジンバル4が変形
したり、スライダ1が磁気ディスク面から引き離された
ときの反動で、磁気ディスク面に磁気ヘッドが衝突して
傷つくなどの恐れがある。
【0006】また、通常複数枚の磁気ディスクの各面に
1個または複数個の磁気ヘッドが配設されているため、
起動時には同時に多数の磁気ヘッドを磁気ディスク面か
ら引き離す必要があり、起動トルクの大きなスピンドル
モータを使用しなければならない。
【0007】以上のような問題は、図8に示すような薄
膜型の磁気ヘッドにおいても生じる。薄膜磁気ヘッド
は、スライダ1の後端に、薄膜技術によって作製された
ヘッド素子部10を有し、レール状の浮上面11の前端
に流入斜面9が形成されている。なお、浮上面11や空
気の流入斜面9は、スライダ1を研磨することによって
形成される。
【0008】前記のようなスライダの粘着力を軽減する
ために、磁気ヘッドのスライダの浮上面が凹曲面となら
ないように、高精度に平坦化加工したり、特開昭55−10
5857号公報、特開昭56−68961 号公報、特開昭58−1280
51号公報などに記載のように、スライダの浮上面を凸曲
面( クラウン形状 )とすることで、磁気ディスク面との
吸着を防止することが試みられている。
【0009】ところが、これらの薄膜磁気ヘッドは、図
9に示すように、1枚の基板12に多数個分のヘッド素
子部10を薄膜技術で一斉に作製した後、マトリクス状
の切断線13で切断して、スライダ1…を1個ずつ分離
した状態で、前記のレール状浮上面11が研削形成され
る。
【0010】その後、図10(1)に示すように、錘1
4に貼り付けたゴム盤15に、分離されたスライダ1を
複数個貼り付けた状態で、(2)のようにラップ定盤1
6上に反転して載置し、回転しているラップ定盤16上
で、錘14を自転させることで、前記の浮上面11が平
面あるいは弾性部材15の弾力性により凸クラウンとな
るように加工し、凹曲面を除去する。
【0011】しかしながら、このように1個ずつ治具に
取付けるため、大量生産に適しない難点があった。
【0012】これに対し、図11に示すように、図9に
おける1列のスライダがブロック状に連結している状態
において、各スライダの浮上面11や流入斜面9などを
加工した後に、スライダ・ブロック17単位に、ラップ
加工することで、浮上面11を平面にあるいは凸クラウ
ンに形成し、最後に各スライダ1間の溝18の位置から
切断して1個ずつ分離する方法も提案されている。
【0013】しかしながら、スライダ・ブロックの浮上
面を、凹曲面の定盤で凸クラウンに加工しようとした場
合、該スライダ・ブロックが真っ直ぐに加工されている
ため、両端でのラッピング量が過剰になりやすく、スラ
イダ・ブロックの全体を均一に加工できない問題があっ
た。
【0014】本発明の技術的課題は、このような問題に
着目し、浮上式の磁気ヘッドにおける浮上面を均一にし
かも能率的に加工できる方法を実現することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】図1は本発明による磁気
ヘッドの製造方法の基本原理を説明する図である。請求
項1の発明は、図1(a)に示すように、スライダの浮
上面加工用のラップ定盤20の加工面21を平面、円錐
面または球面もしくはこれらの中間的な凹曲面とし、こ
の凹曲面21にスライダの浮上面11を円周方向に向け
て載置し、スライダ・ブロック17または分離後のスラ
イダ1を、柔軟部材15で保持しつつ加工面21に対し
半径方向に往復移動させることで、浮上面をクラウンに
形成する。
【0016】請求項2の発明は、図1(b)のように、
錘14に設置した柔軟部材15で保持しつつ、スライダ
・ブロック17の長手方向を円周の方向に配列し、回転
する平面または凹曲面の加工面21上で、錘14を回転
させてラッピング加工し、浮上面をクラウンに形成す
る。
【0017】請求項3の発明は、浮上式の磁気ヘッドの
浮上面11を加工する際に、図1(c)のように複数個
のスライダに分離する前のスライダ・ブロック17の状
態で、背面を可撓性のあるシート19に貼り付け、各ス
ライダ1・1間を切断して分離する。このようにして、
分離された各スライダ1…がシート19に貼り付けられ
た状態で、複数のスライダ1…を一斉に浮上面加工し、
加工が終了した後に、各スライダ1…をシート19から
取り外す。
【0018】請求項4の発明は、図1(a)または
(b)のように、スライダの浮上面加工用のラップ定盤
20の加工面21を円錐面または球面もしくはこれらの
中間の曲面からなる凹曲面とし、この凹曲面21にスラ
イダの浮上面11を円周方向に向けて載置し、回転して
いる凹曲面21に対し半径方向に往復移動させるか、も
しくは回転する加工面21に、スライダの浮上面を載置
し、スライダをその長手方向に回転運動させることで、
浮上面をクラウンに形成する。
【0019】この際、請求項3に示すように、複数個の
スライダに分離する前のスライダ・ブロック17の背面
を、薄いシート19に貼り付けた状態で、各スライダ間
を切断して分離し、シート19に貼り付けられた状態
で、前記の凹曲面21上でクラウンに加工する。
【0020】
【作用】請求項1のように、加工面21が平面または凹
曲面となったラップ定盤20を用い、この加工面21に
スライダの浮上面11を載置し、半径方向に往復移動さ
せて浮上面を加工するため、スライダの浮上面が確実に
凸のクラウンとなる。
【0021】円錐定盤の場合に得られるクラウン量C
は、定盤面の曲率が転写されるものとして、次の式で幾
何学的に導かれる。実際のクラウン量は、この式のCに
平面定盤で得られる5〜10nmのクラウン量を加えた値に
なる。
【0022】
【数1】
【0023】ここで、図2(a)に示すように、αは定
盤の加工面21の勾配、rは定盤中心からの距離、Lは
ワーク長(浮上レール面長さ)である。
【0024】浮上面加工は、単体のスライダの状態で行
なってもよいが、複数個のスライダに分離する前のスラ
イダ・ブロック17の状態でクラウン加工すれば、一度
に複数個のスライダを加工でき、量産に適している。
【0025】また、請求項2のように平面または凹曲面
状のラップ定盤20を用い、スライダ・ブロック17を
回転させる方法でも、一度に複数個のスライダをクラウ
ン状に加工でき、量産に適している。スライダ・ブロッ
ク17は柔軟部材で軟らかく支持しているために、スラ
イダ・ブロック17が容易にたわんで加工面21から逃
げて、凹曲面上を同ブロックが運動しても、その両端に
過度な力が加わることなく、ブロックは均一に加工され
る。
【0026】ワークを円錐面定盤上で回転した場合に形
成されるクラウン量は、同様に(1)式の示す値と、平
面定盤で得られる5〜10nmのクラウン量を足した和にな
る。
【0027】請求項3のように、複数個のスライダに分
離する前の、一体となったスライダ・ブロック17の状
態で、背面を可撓性のあるシート19に貼り付けてか
ら、各スライダ1・1間を切断して分離するため、各ス
ライダ1…は、シート19を介して連結している。
【0028】このように、各スライダ1…が可撓性のシ
ート19に貼り付けられた状態で、複数のスライダ1…
を一斉に浮上面加工するため、各スライダ1…に均一に
荷重が作用し、均一に浮上面を加工できる。
【0029】また、各スライダ間は予め切断されている
ため、加工が終了した後に、各スライダ1…をシート1
9から取り外すだけで足り、浮上面加工後にスライダ間
を切断する方法と違って、浮上面加工したスライダに切
断による加工歪みが発生するようなことがない。
【0030】また、請求項4に示すように、複数個のス
ライダに分離する前のスライダ・ブロック17の背面を
薄いシート19に貼り付けた状態で、各スライダ1…間
を切断して分離し、シート19に貼り付けられた状態
で、平面または円錐状加工面21で加工すると、スライ
ダブロック全体がその長手方向にたわみやすくなり、総
てのスライダに均一に荷重が作用するため、中央側のス
ライダも両端側のスライダも均一にクラウン加工でき
る。
【0031】
【実施例】次に本発明による磁気ヘッドの製造方法が実
際上どのように具体化されるかを実施例で説明する。図
3はスライダの浮上面11をクラウン加工している状態
の斜視図と縦断面図である。20はクラウン加工用のラ
ップ定盤であり、加工面21は円錐状の凹曲面とした。
【0032】この円錐状凹曲面21上に、スライダ1の
浮上面が円周方向を向くように載置し、回転している円
錐状凹曲面21に対し半径方向に往復移動させると、円
錐状凹曲面21の曲率と同等の凸クラウンが形成され
る。
【0033】この場合、外周側と内周側との間にわずか
( 約0.2mm ) の寸法差hができる程度の円錐面でよく、
円錐の傾斜角は約1000分の1で極めて小さい。
【0034】スライダは円錐状凹曲面21上で半径方向
に移動させる構成とした。26はスライダを保持する治
具であり、(a)図に示すように、ゴム盤27が貼り付
けられている。このゴム盤27に、前記のように分離さ
れた状態のスライダ、または図2のようにシート19上
で分離された複数個のスライダ、あるいは図11のよう
なスライダ・ブロック17を貼り付ける。図示例では、
複数個のスライダ・ブロック17を一定の向きに揃えて
貼り付けてある。
【0035】また、(b)図のように、クラウン加工定
盤20の外側において、垂直方向の駆動軸28に取付け
られた揺動アーム29の先端下面に、前記の保持治具2
6を裏返しにした状態で取付け、モータMでアーム29
を往復揺動させる構成を用いた。
【0036】アーム29の往復揺動により、保持治具2
6は、円錐状凹曲面21上で、半径方向に円弧運動する
ことになるが、アーム29は充分に長くするため、直線
運動に近い円弧運動となり、実用上問題の無いクラウン
形状が得られる。
【0037】試作装置の場合、アーム29の長さを70
0mm、クラウン加工定盤20の外径を400mm、内
径を80mm、図5(b)に示す外周側と内周側との中
凹量hを200μmとし、図6(a)のようにゴム盤2
7を介して、浮上面長Lが3mmの4個のスライダ・ブロ
ック17を保持治具26に取付け、r=100mmの位置で
クラウン加工を行なった。
【0038】その結果、半径方向の往復動により、15
〜20nmのクラウン量が得られた。また、ゴム盤27
は柔軟性があるため、1μm程度のスライダ厚みの誤差
が吸収され、各スライダブロックを均一に加工できた。
【0039】クラウン加工の際、スライダを治具に取付
け、治具を介して、円錐状凹曲面21の半径方向に往復
動させるが、その際図5で説明したように、1個ずつ分
離されたスライダ1を、1個または複数個、治具に取付
けてもよく、あるいは図11に示すスライダ・ブロック
17を、1個または複数個、取付けてもよい。
【0040】図4に請求項2の実施例を示す。円錐状凹
曲面21上でスライダブロックを回転動作させ、浮上面
をクラウン加工するラッピング方式である。この場合に
も、加工物を柔軟に保持するための、柔軟部材15を用
いた。
【0041】スライダブロックは細長い形状のため長手
方向には撓みやすく、曲面の定盤と接触した際に加工物
が定盤面から逃げ易い傾向があり、曲面定盤の曲率は、
加工物の長手方向には転写されにくい。
【0042】一方、スライダブロックはその短手方向に
は撓みにくいため、この方向には定盤の曲率が転写され
やすい。これらの特徴のため、浮上面にクラウン形状を
生じさせることができる。
【0043】これらの特徴を用い、ブロックを円錐定盤
面上で回転動作させる簡単な方法により、クラウンを形
成できた。加工物を回転させる方式では、加工治具が簡
単で、低コスト化できる利点がある。この場合のラップ
定盤の加工面21は、図3の場合と同様に、約0.2mmの
内外周高低差の円錐面とした。
【0044】以上の各実施例において、円錐状凹曲面2
1は、内周側と外周側とで曲率が異なるため、厳密には
各スライダのクラウン形状が異なるが、実用上は問題な
い。特に、加工物を直線動作させる場合には、ある程度
クラウン加工した後に、図6(b)における保持治具2
6を180度反転させた状態で、再度クラウン加工すれ
ば、外周側のスライダと内周側のスライダとのクラウン
加工量の均一性を高めることができる。
【0045】なお、凹曲面を円錐面としたのは、その製
造が容易だからである。円錐面では、面を創成するバイ
ト移動の勾配を変えるだけで、面の曲率を容易に加減で
きる特長がある。球面もしくはパラボラ面等を用いた場
合、その曲率が浮上面に転写されるので、クラウン形成
できるが、定盤の形成が難しく、高コストとなる。
【0046】図5は請求項3の発明の実施例を工程順に
示す斜視図である。(1)は複数個のスライダに分離す
る前のスライダ・ブロック17であり、複数個のスライ
ダ1…が一体になっている。各スライダ1…の間には、
浮上面11側に溝18が入っており、この状態で研削や
研摩によって、レール状の浮上面11や流入斜面9が形
成されている。
【0047】このスライダ・ブロック17の背面に、
(2)のように樹脂や金属等からなるシート19を貼り
つける。このようにシート19に貼り付けた状態で、前
記の溝18の位置を切断し、(3)のように各スライダ
1…を分離する。この分離は、回転砥石に対し、スライ
ダ・ブロック17を溝18の方向に相対的に移動させる
ことで行われる。この際、回転砥石がシート19に食い
込み、浅い溝22ができるように加工することで、隣接
するスライダを確実に分離できる。
【0048】シート19として、厚さが0.3mmのポ
リイミド樹脂フィルムを用い、スライダ・ブロック17
を軟化点約50℃のワックスで貼り付けた場合、溝22
の深さが数μm〜数十μm程度となるように切断を行な
うことで、各スライダ1…を確実に分離できた。
【0049】このように、スライダ・ブロック17の状
態でシート19に貼り付けるので、貼り付け作業は容易
であり、また各スライダ1…ごとに分離しているもの
の、整然と揃った状態となるので、浮上面加工の際に、
各スライダを均一に加工できる。また、(4)図に示す
ように、分離された複数個のスライダ1…が貼り付けら
れたシート19をピンセット等で保持したりした場合、
シート19が可撓性なため、各スライダ1…が完全に分
離しているかのように、独立した振る舞いをする。
【0050】図6は、シート19に貼り付けられた複数
個のスライダの浮上面を平坦に加工する例である。ま
ず、(1)図に示すように、円盤状の錘14に貼り付け
られた弾性部材15に、図2のシート19の背面を貼り
付ける。このとき、図示のように同時に複数個のシート
19…を貼り付けることで、大量に処理できる。弾性部
材15としては、ゴム板が本来的に粘性を持ち、有効で
あった。もちろん、粘着性処理を施した他の弾性部材で
も有効である。
【0051】前記の錘14を裏返しにして、(2)図の
ように、回転しているラップ定盤16上に載せて自転さ
せることで、多数のスライダの浮上面を同時にラップ加
工し、平坦化する。
【0052】ラップ加工のとき、各スライダ1…は、可
撓性のあるシート19で連結されており、しかも弾性に
富んだ弾性部材15を介して錘14に貼り付けられてい
るので、各スライダ1…に独立して錘14の荷重が作用
することになり、各スライダが実質的に独立した状態で
ラップ加工できる。したがって、スライダの各面を均一
にラップ加工でき、しかも各スライダ間の加工バラツキ
も解消される。
【0053】
【発明の効果】以上のように、請求項1によれば、加工
面21が凹曲面となったラップ定盤20を用い、スライ
ダを半径方向に往復移動させて加工するため、スライダ
の浮上面を確実にクラウンに加工できる。
【0054】また請求項2には、凹曲面となったラップ
定盤20を用い、スライダ・ブロックを回転させながら
加工し、スライダを弾性部材を介して保持するため、同
ブロックの全体を均一にクラウン加工できる。
【0055】これらのとき、請求項1のように、スライ
ダ・ブロック17の背面を可撓性のシート19に貼り付
けた状態で、各スライダ間を切断分離した後に、凹曲面
21でクラウン加工すると、各スライダに均一に荷重が
作用するため、すべてのスライダを均一にクラウン加工
できる。
【0056】請求項3によれば、各スライダ1…が可撓
性のシート19に貼り付けられた状態で、複数のスライ
ダ1…を一斉に浮上面加工するため、各スライダを均一
に浮上面加工でき、しかも浮上面加工後にスライダ間を
切断する方法と違って、浮上面加工したスライダに加工
歪みが発生する恐れがない。
【0057】また、請求項4によれば、可撓性のシート
19で貼りつけられた複数のスライダ1…を、より均一
にクラウン加工できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁気ヘッドの製造方法の基本原理
を説明する図である。
【図2】本発明によるクラウン加工の原理を説明する図
である。
【図3】請求項1の発明の実施例を示す斜視図と側面図
である。
【図4】請求項2の実施例を示す斜視図である。
【図5】請求項3の発明における実施例を示す斜視図で
ある。
【図6】請求項4の発明の実施例を示す斜視図である。
【図7】浮上式磁気ヘッドを備えた磁気ディスク装置の
側面図である。
【図8】薄膜型の磁気ヘッドを示す斜視図である。
【図9】薄膜磁気ヘッドの従来の製造方法を示す斜視図
である。
【図10】従来のスライダ浮上面加工(平坦化加工)方法
を示す斜視図である。
【図11】スライダ・ブロックの状態を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 スライダ 8 記録/再生ギャップ 9 流入斜面 10 ヘッド素子部 11 レール状の浮上面 e レール状浮上面のエッジ 12 基板 13 切断線 14 錘 15 柔軟部材 16 ラップ定盤 17 スライダ・ブロック 18 溝 19 可撓性のシート 20 クラウン加工用のラップ定盤 21 円錐状凹曲面( 加工面 ) 22 シート上の溝 23 治具 26 保持治具 27 ゴム盤 28 駆動軸 29 揺動アーム M モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 八城 喜久雄 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 岡本 康男 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浮上式の磁気ヘッドの浮上面を加工する
    方法であって、 ラップ定盤(20)の加工面(21)を平面、円錐面または球面
    もしくはこれらの中間の曲面からなる凹曲面とし、この
    加工面(21)にスライダ(1) の浮上面を円周方向に向けて
    載置し、 柔軟部材(15)に粘着させて保持したスライダ・ブロック
    (17)または分離後のスライダ(1) を、該加工面(21)に対
    し半径方向に往復移動させてラッピング加工することを
    特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 ラップ定盤(20)の加工面(21)を平面、円
    錐面または球面もしくはこれらの中間の曲面からなる凹
    曲面とし、 スライダ・ブロック(17)を柔軟部材(15)上に粘着させて
    保持し、該加工面(21)上で、該スライダ・ブロック(17)
    の保持体である錘(14)を回転させ、同時にラップ定盤(2
    0)を回転させて、ラッピング加工することを特徴とする
    磁気ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 複数個のスライダに分離する前のスライ
    ダ・ブロック(17)の状態で、背面を可撓性のシート(19)
    に貼り付けた後、各スライダ( 1… )間を切断して分離
    し、 シート(19)に貼り付けられた状態で、複数のスライダ(
    1… )を一斉に浮上面ラッピング加工し、 加工が終了した後に、各スライダ( 1… )をシート(19)
    から取り外すことを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 複数個のスライダに分離する前のスライ
    ダ・ブロック(17)の状態で、背面を可撓性のシート(19)
    に貼り付けた後、各スライダ( 1… )間を切断して分離
    し、 ラップ定盤(20)の加工面(21)を平面、円錐面または球面
    もしくはこれらの中間の曲面からなる凹曲面とし、この
    加工面(21)上に、スライダ(1) の浮上面を円周方向に向
    けて、前記シート(19)に貼り付けられた状態のスライダ
    ( 1… )を載置し、 回転している凹曲面(21)に対し、各スライダ( 1… )を
    ラップ定盤(20)の半径方向に往復移動させること、およ
    び前記加工面(21)を回転させ、前記シート(19)に貼り付
    けられた状態のスライダ( 1… )を柔軟部材(15)上に粘
    着させて保持し、該スライダ(1) を回転させてラッピン
    グ加工することを特徴とする磁気ヘッドの製造方法。
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