JPH05281521A - 液晶表示素子、液晶素子および表示装置 - Google Patents

液晶表示素子、液晶素子および表示装置

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JPH05281521A
JPH05281521A JP10847492A JP10847492A JPH05281521A JP H05281521 A JPH05281521 A JP H05281521A JP 10847492 A JP10847492 A JP 10847492A JP 10847492 A JP10847492 A JP 10847492A JP H05281521 A JPH05281521 A JP H05281521A
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liquid crystal
low molecular
polymer
molecular weight
crystal compound
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JP10847492A
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Yoshi Toshida
嘉 土志田
Kazuo Yoshinaga
和夫 吉永
Koichi Sato
公一 佐藤
Gakuo Eguchi
岳夫 江口
Toshiichi Onishi
敏一 大西
Retsu Shibata
烈 柴田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高分子多孔質体中の細孔末端部まで液晶材料
を含浸させることにより、光透過率の向上した液晶表示
素子を提供する。しきい値電圧が実用的で応答の立ち下
がり緩和過程が促進され、散乱特性の優れたコントラス
トのよい液晶素子及びそれを用いた表示装置を提供す
る。 【構成】 電極を有する基板間に、高分子多孔質体中に
低分子液晶化合物を含浸した表示層を挾持してなる液晶
表示素子において、表示層が細孔の一部を予め封止した
高分子多孔質体に低分子液晶化合物を含浸させてなる液
晶表示素子。電極を有する基板間に、高分子マトリック
スとして光学的に活性な高分子液晶化合物を用い、スイ
ッチング媒体として低分子液晶化合物または低分子液晶
組成物を用いた表示層を有する液晶素子及びそれを用い
た表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の第一の分野は、ポリマー
支持体中に液晶が分散され、電圧印加により透過光を制
御する液晶表示素子に関するものである。
【0002】また、本発明の第二の分野は、熱光学およ
び電気光学ディスプレイ素子に関し、特に高分子マトリ
クスとして光学的に活性な高分子液晶化合物とスイッチ
ング媒体として低分子液晶化合物または低分子液晶組成
物からなる混合物を用いた液晶素子およびそれを用いた
表示装置に関するものである。
【0003】
【従来の技術】第一の従来の技術として、従来の液晶素
子としては、例えばツイステッドネマチック液晶を用い
た液晶素子や、あるいはこれらの従来型の液晶素子の応
答性の欠点を改善するものとして、強誘電性液晶を用い
た表示素子が知られているが、これらの液晶素子を大面
積化するためには工程が煩雑になったり、技術上の問題
が多かった。また、これらの液晶素子は偏光板を必要と
するために、光の利用率が低いという問題があった。
【0004】第二の従来の技術として、液晶は、過去に
種々の熱光学および電気光学ディスプレイ等の用途に用
いられてきた。これらのディスプレイは、駆動電圧が低
く、消費エネルギーも少ないために現在もなお活発に研
究が進められている。
【0005】従来の液晶素子としては、例えばエム・シ
ャット(M.Schadt)とダブリュー・ヘルフリッ
ヒ(W.Helfrich)著“アプライド・フィジッ
クス・レターズ”(“Applied Physics
Letters”)第18巻、第4号(1971年2
月15日発行)第127頁〜128頁の“ボルテージ・
ディペンダント・オプティカル・アクティビィティー・
オブ・ア・ツイステッド・ネマチック・リキッド・クリ
スタル”(“Voltage Dependent O
ptical Activity of a Twis
ted Nematic liquid Crysta
l”)に示されたツイステッド・ネマチック(twis
ted nematic)液晶を用いたものが知られて
いる。このTN液晶は画素密度を高くしたマトリクス電極
構造を用いた時分割駆動の時、クロストークを発生する
問題点があるため、画素数が制限されていた。
【0006】また、電界応答が遅く視野角特性が悪いた
めにディスプレイとしての用途は限定されていた。ま
た、各画素に薄膜トランジスタを形成する工程が極めて
煩雑な上、大面積の表示素子を作成することが難しい問
題点がある。
【0007】この様な従来型の液晶素子の欠点を改善す
るものとして、双安定性を有する液晶素子の使用が、ク
ラーク(Clark)およびラガウェル(Lagerw
all)により提案されている(特開昭56−1072
16号公報、米国特許第4367924号明細書等)。
双安定性を有する液晶としては、一般にカイラルスメク
ティックC相(Sm* C)またはH相(Sm* H)を有
する強誘電性液晶が用いられる。
【0008】この強誘電性液晶(FLC)は、自発分極
を有するために非常に速い応答速度を有する上に、メモ
リー性のある双安定状態を発現させることができる。さ
らに、視野角特性もすぐれていることから、大容量、大
面積のディスプレイ用材料として適していると考えられ
る。しかし、実際に液晶セルを形成する場合、広い面積
にわたってモノドメイン化することは困難であり、大画
面の表示素子を作るには技術上の問題があった。しか
も、これらは光学的なコントラストを得るために偏光板
を用いるために、光透過型表示素子としては高度が低い
という欠点があった。
【0009】大面積化に適したものとして考えられる高
分子液晶を用いた液晶表示素子の例としては、例えばブ
ィ・シバエフ(V.Shibaev)、エス・コストロ
ミン(S.Kostromin)、エヌ・プラーテ
(N.P′late)、エス・イワノフ(S.Iva
ov)、ブィ・ヴェストロフ(V.Vestrov)、
アイ・ヤコブレフ(I.Yakovlev)著の“ポリ
マー・コミュニケーションズ”(“Polymer C
ommunications”)第24巻、第364頁
〜365頁の“サーモトロピック・リキッドクリスタリ
ン・ポリマーズ.14”(“Thermo−tropi
c Liquid CrystallinePolym
ers.14”)に示される熱書き込みメモリーを挙げ
ることができる。
【0010】しかしながら、この方法は読みとりとして
光の散乱を利用しているのでコントラストが悪く、かつ
高分子化に伴なう応答速度の遅れという問題もあって実
用化には至っていない。
【0011】上記に示した例以外にも、液晶素子を容易
に作成し大型化する試みが行なわれている。その1つと
して、低分子液晶化合物を種々の重合体マトリックス中
に保持して用いるものがある。その具体例として、低分
子液晶化合物をポリビニルアルコールマトリックス中に
カプセル化して用いるものとしてマンチェスターR&D
パートナーシップにより出願されたものが知られてい
る。(米国特許第4435047号)また、連結した管
状に低分子液晶化合物を保持したものとして米国特許第
4707080号が知られている。
【0012】このような低分子液晶化合物を種々の重合
体マトリックス中に分散・保持して用いるものの中にお
いて、重合体マトリックスとして高分子液晶を用いたも
のも報告されており、視野角とヘイズが改良されること
が報告されている。[ジェイ.ダヴリュー.ドーアン,
ジェイ.エル.ウエスト,ジェイ.ビー.ホワイトヘッ
ド,ジェイ アール.,デー.エス.フレッドレイ“ワ
イド−アングル−ヴュー ピー デー エル シー デ
ィスプレイズ”1990 ソサイエティー フォー イ
ンフォーメイション ディスプレイ インターナショナ
ル シンポジウム デジェスト オブ テクニカルペー
パーズ,講演番号12.5,3月 1990年(J.
W.Doane,J.L.West,J.B.Whit
ehead,Jr.,D.S.Fredley“Wid
e−Angle−View PDLC Display
s”1990 Society for Inform
ation Display Internation
al SymposiumDigest of Tec
hnical Papers,講演番号12.5,Ma
y 1990)]
【0013】しかしながら、この例中の高分子液晶を重
合体マトリックスとして用いるものは、高分子液晶と低
分子液晶化合物との界面による配向規制力は良好である
ものの、高分子液晶そのものの配向が十分でなく、その
結果、液晶素子全体としての散乱状態やコントラストは
十分ではなかった。
【0014】この高分子液晶からなる重合体マトリック
スはメリーゲン基としてシアノビフェニル基を有してい
ることから、従来のものと同じように、界面においてご
くわずかに相溶している高分子液晶と低分子液晶からな
る組成物が、低分子液晶と同様の電界応答を示し、電圧
の昇圧時と降圧時でヒステリシスが発生しやすい欠点が
あった。
【0015】このような低分子液晶を高分子マトリック
スに分散して、散乱−非散乱を光学的なコントラストと
して用いる高分子分散型液晶素子では、立ち上がり、立
ち下がりの応答時間は、数十ms程度であり、さらに高
解像度、高精細な表示を行なうことが難しかった。特
に、立ち下がりの応答時間に関しては、このようなタイ
プのものでは液晶−高分子界面の配向規制力が充分でな
いため、速い応答時間を得ることが困難であった。
【0016】このような欠点に対して、藤掛らは(第1
6回液晶討論会、講演予稿集120頁)コレステリック
液晶のらせんねじり力が立ち下がりの緩和過程を促進
し、数百μsの立ち下がり応答時間を達成したことを報
告している。しかし、この場合、ねじり力が大きいた
め、高しきい値電圧、ヒステリシスの増大等の問題があ
った。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】第一の従来の技術に対
して、上記の様な液晶素子に、コレステリック液晶を使
用した相転移形液晶表示素子やネマチック液晶の動的散
乱効果を利用した表示素子は、偏光板が不要なことから
光の利用率が高く、視野角が広い点で優れている。しか
しながら、これらの液晶素子は高い駆動電圧を必要とし
たり、大面積の表示素子を作製する際に、素子化が難し
いという点で問題があった。
【0018】上記の問題点を改善するものとして、例え
ばファーガソンによって提案された、ネマチック液晶の
カプセルを応用した表示素子(公表特許昭58−501
631号)や、エポキシ樹脂中に液晶小滴を分散した光
変調物質(公表特許昭61−502128号)が提案さ
れており、これらは大面積化の点では有利であるが、駆
動電圧が高いという点で問題があった。
【0019】また、光硬化性化合物を支持体として利用
した液晶表示素子(特開昭63−271233号公報,
特開昭63−278036号公報,特開平1−1987
25号公報等)が提案され、この液晶表示素子は大面積
化が容易で、しかも駆動電圧の低減化が計られている。
【0020】このようなポリマー分散型液晶表示素子
は、光源の光利用率が従来の液晶方式のものに比較して
高いために明るく、シュリーレン光学系と組み合わせる
ことにより十分なコントラスト比が得られ、またシステ
ム構成もシンプルであるという利点を有している。
【0021】このような液晶表示素子は、例えば2枚の
対向する透明電極付き基板間に、上記の液晶をポリマー
支持体中に分散した素子を挾持し、両電極間に電圧を印
加するような層構成の積層体からなる。電界の無印加時
は、液晶はランダムな配列であるため入射光は散乱され
て不透明状態であり、電界の印加時は液晶は電界方向に
配列し、液晶の常光屈折率と支持体の屈折率が近けれ
ば、入射光は透過し透明状態となる。
【0022】前記のポリマー支持体として、多孔質膜を
利用した液晶ディスプレー部材(特開昭56−1143
6号公報)やディスプレーセル(米国特許第44114
95号),および液晶表示素子(特開平2−28012
0号公報)が提案されている。そして、多孔質膜を使用
することで、フレキシブルなディスプレーが可能にな
り、また再現性よく液晶表示素子を作製出来る等の利点
が挙げられている。
【0023】多孔質膜に液晶材料を含浸させるには、液
晶材料を単独か、または液晶材料を溶媒に溶解させたも
のに、多孔質膜を浸漬させることにより行う。しかしな
がら、多孔質膜はノードと呼ばれる結節部近傍ではその
細孔部が狭くなり、液晶材料の含浸時に細孔末端部まで
含浸させることが難しく、未含浸の領域が残るという問
題があった。この未含浸領域による光の散乱のため、光
透過率が低下していた。
【0024】本発明の第一の課題は、このような問題点
を解決するためになされたものであり、高分子多孔質体
中の細孔末端部まで液晶材料を含浸させることにより、
光透過率の向上した液晶表示素子を提供することを目的
とするものである。
【0025】本発明の第二の課題は、第二の従来の技術
に対するものであり、従来のポリマー分散型液晶素子よ
りしきい値電圧が実用的で応答の立ち下がり緩和過程が
促進され、また、散乱特性も優れたコントラストのよい
液晶素子、及び表示装置を提供することを目的とするも
のである。
【0026】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の第一の課
題に対して提供しようとするものは、電極を有する基板
間に、高分子多孔質体中に低分子液晶化合物を含浸した
表示層を挾持してなる液晶表示素子において、表示層が
細孔の一部を予め封止した高分子多孔質体に低分子液晶
化合物を含浸させてなることを特徴とする液晶表示素子
である。
【0027】以下、本発明を詳細に説明する。
【0028】図1は本発明の液晶表示素子の一例を示す
断面図である。同図において、基板101,101′に
はガラス,プラスチック等を用いることができる。基板
として用いることができるポリマーフィルムには、下記
に示すようなものが挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
【0029】すなわち、低密度ポリエチレンフィルム,
高密度ポリエチレンフィルム(三井東圧化学 ハイブロ
ン等),ポリプロピレンフィルム(東レ トレファン
等),ポリエステルフィルム(デュポン マイラー
等),ポリビニルアルコールフィルム(日本合成化学工
業 ハイセロン等),ポリアミドフィルム(東洋合成フ
ィルム レイファン等),ポリカーボネートフィルム
(帝人 テイジンパンライト等),ポリイミドフィルム
(デュポン KAPTON等),ポリ塩化ビニルフィル
ム(三菱樹脂 ヒシレックス等),ポリ四フッ化エチレ
ンフィルム(三井フロロケミカル テフロン等),ポリ
アクリルフィルム(住友ベークライト スミライト),
ポリスチレンフィルム(旭ダウ スタイロシート),ポ
リ塩化ビニリデンフィルム(旭ダウ サランフィル
ム),セルロースフィルム,ポリフッ化ビニルフィルム
(デュポン テドラー)等が挙げられる。
【0030】基板上には、電極102,102′を形成
するが、該電極には、ITO,SnO2 等の透明電極や
Al,Au,Ag,Cu,Cr等の金属・膜が用いられ
る。なお、反射型表示素子としては、電極と反射層を兼
ねていてもよい。
【0031】更に、電極の上に表示層103を形成する
が、表示層の形成方法としては、電極付き基板上に高分
子多孔質体を接着後、反対面に同様に電極付き基板を接
着し、液晶を含浸させる側面以外の端面を封止後、液晶
を含浸させる。
【0032】上記の高分子多孔質体としては、ポリエチ
レンテレフタレート,ポリカーボネート,ポリアミド,
ポリメタクリル酸メチル,メタクリル酸メチル−スチレ
ン共重合体,ポリスチレン,スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体,ポリプロピレン,低密度ポリエチレン,高
密度ポリエチレン,ポリ塩化ビニル,ポリテトラフルオ
ロエチレン,ポリクロロトリフルオロエチレン,フッ化
エチレン−プロピレン共重合体,ポリアリレート,ポリ
スルホン,セルロース,ポリエーテルエーテルケトン等
の材料から例えば下記に示すような方法により製造され
る。
【0033】界面活性剤や有機溶媒等の被溶出物質を含
有する高分子を製膜後、該被溶出物質を溶出させる方
法、高分子粒子を焼結又は成形して該粒子間の空隙を微
孔とする方法、フィルムをエンボスしてから延伸した
り、結晶性フィルムを段階的に延伸して孔を生成する方
法、放射線を利用してポリマーを損傷させ溶媒でエッチ
ングし微孔をあける方法、又はこれらの方法の組み合わ
せ等である。
【0034】多孔質フィルムの具体例としては、ハイポ
ア1000,2000,3000(旭化成工業(株)
製),KT−50,LE−85,デュラガード,エクセ
ポール(三菱化成工業(株)製)等が挙げられるが、こ
れらに限定するものではない。
【0035】次に、高分子多孔質体のノードと呼ばれる
結節部近傍の空孔が狭くなった部分を封止した後に、液
晶材料を含浸させることにより、未含浸領域を低減して
光透過率を向上させることが出来る。
【0036】封止方法としては、例えば公知の炭化水
素,ハロゲン化炭化水素,不飽和二重結合含有モノマ
ー,不飽和二重結合含有ハロゲン化モノマー成分等を気
体,液体あるいは溶液状態で細孔部に所定量導入後、加
熱,光(可視,紫外線)照射,電子線照射等により重合
する方法、プラズマ重合法等が挙げられる。
【0037】モノマー成分の導入量が多すぎると、細孔
部の封止量が増加して、低分子液晶の含浸量が減少する
ため、導入時に温度や時間,溶液濃度等を適宜選択する
ことが必要である。
【0038】封止する細孔の細孔径は0.5μm以下が
好ましく、0.5μmを越えると、表示層に含浸される
液晶材料が減少するため、透過率等の光学的特性が低下
するために好ましくない。
【0039】本発明に用いられる高分子多孔質体の気孔
率は通常80〜98%で用いられる。80%未満ではコ
ントラストが十分にはとれなくなり、98%を越えると
強度が低下して大面積化することが困難となるために好
ましくはない。より好ましくは、高分子多孔質体の気孔
率は85〜95%で用いられる。
【0040】次に、具体的に用いられる低分子液晶化合
物の構造を以下に示すが、これに限定されるものではな
い。
【0041】
【化1】
【0042】
【化2】
【0043】
【化3】
【0044】
【化4】
【0045】
【化5】
【0046】
【化6】
【0047】
【化7】
【0048】
【化8】
【0049】
【化9】
【0050】
【化10】
【0051】
【化11】
【0052】
【化12】
【0053】本発明の液晶表示素子において、加熱によ
る効果を用いて表示を行なう場合は、サーマルヘッドや
レーザー光を用いることが出来る。レーザー光として
は、He−Neガスレーザー,Ar2+ガスレーザー,N
2 ガスレーザー等のガスレーザーや、ルビーレーザー,
ガラスレーザー,YAGレーザー等の固体レーザーや、
半導体レーザー等を用いることが望ましい。また、60
0nm〜1600nmの波長範囲の半導体レーザーが好
ましく用いられる。特に好ましくは600〜900nm
の波長範囲の半導体レーザーが用いられる。また、これ
らのレーザー光の第2高調波、第3高調波を用いれば短
波長化が可能となる。
【0054】レーザー光を用いる場合は、光吸収層を別
途設けるか、もしくは表示層中にレーザー光吸収化合物
を分散・溶解して用いられる。表示面に光吸収層もしく
は光吸収化合物の影響が出る場合は、可視光域に吸収の
ないものが望ましい。
【0055】液晶層へ添加するレーザー光吸収化合物の
例としては、アゾ系化合物、ビスアゾ系化合物、トリス
アゾ系化合物、アンスラキノン系化合物、ナフトキノン
系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン
系化合物、テトラベンゾポルフィリン系化合物、アミニ
ウム塩系化合物、ジイモニウム塩系化合物、金属キレー
ト系化合物等がある。
【0056】前記のレーザー光吸収化合物のうち半導体
レーザー用化合物は近赤外域に吸収をもち、安定な光吸
収色素として有用であり、かつ液晶化合物に対して相溶
性もしくは分散性がよい。また、中には二色性を有する
ものもあり、これら二色性を有する化合物を液晶中に混
合すれば、熱的に安定なホスト−ゲスト型のメモリー及
び表示媒体を得ることもできる。また、液晶化合物中に
は上記の化合物が二種類以上含有されていてもよい。
【0057】また、上記化合物と他の近赤外吸収色素や
2色性色素を組み合せてもよい。好適に組み合せられる
近赤外吸収色素の代表的な例としては、シアニン、メロ
シアニン、フタロシアニン、テトラヒドロコリン、ジオ
キサジン、アントラキノン、トリフェノジチアジン、キ
サンテン、トリフェニルメタン、ピリリウム、クロコニ
ウム、アズレンおよびトリフェニルアミン等の色素が挙
げられる。
【0058】なお、液晶化合物に対する上記化合物の添
加量は重量%で、0.1〜20%程度、好ましくは、
0.5〜10%がよい。
【0059】図2(a),(b)は本発明の液晶表示素
子の他の例を示し、図2(a)は液晶表示素子の平面
図、図2(b)はそのAA′線断面図である。同図2に
おいて、本発明における液晶表示素子は、ガラス板又は
プラスチック板などからなる一対の基板1,1′をスペ
ーサ4で所定の間隔に保持し、この一対の基板1,1′
をシーリングするために接着剤6で接着したセル構造を
有しており、さらに基板1′の上には複数の透明電極
2′からなる電極群(例えば、マトリクス電極構造のう
ちの走査電圧印加用電極群)が、例えば帯状パターンな
どの所定パターンで形成されている。また、基板1の上
には前述の透明電極2′と交差させた複数の反射層電極
2からなる電極群(例えば、マトリクス電極構造のうち
の信号電圧印加用電極群)が形成されている。
【0060】この様な透明電極2,2′を設けた基板
1,1′には、例えば、一酸化珪素,二酸化珪素,酸化
アルミニウム,ジルコニア,フッ化マグネシウム,酸化
セリウム,フッ化セリウム,シリコン窒化物,シリコン
炭化物,ホウ素窒化物などの無機絶縁物質やポリビニル
アルコール,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリエス
テルイミド,ポリパラキシリレン,ポリエステル,ポリ
カーボネート,ポリビニルアセタール,ポリ塩化ビニ
ル,ポリアミド,ポリスチレン,セルロース樹脂,メラ
ミン樹脂,ユリア樹脂やアクリル樹脂などの有機絶縁物
質を用いて被膜形成した配向制御膜を設けることができ
る。
【0061】この配向制御膜は、前述の如き無機絶縁物
質又は有機絶縁物質を被膜形成した後に、その表面をビ
ロード、布や紙で一方向に摺擦(ラビング)することに
よって得られる。本発明の別の好ましい具体例では、S
iOやSiO2 などの無機絶縁物質を基板1,1′の上
に斜め蒸着法によって被膜形成することによって配向制
御膜を得ることができる。
【0062】また、別の具体例ではガラス又はプラスチ
ックからなる基板1,1′の表面あるいは基板1,1′
の上に前述した無機絶縁物質や有機絶縁物質を被膜形成
した後に、該被膜の表面を斜方エッチング法によりエッ
チングすることにより、その表面に配向制御効果を付与
することができる。
【0063】前述の配向制御膜は、同時に絶縁膜として
も機能させることが好ましく、このためにこの配向制御
膜の膜厚は一般に100Å〜1μm、好ましくは500
Å〜5000Åの範囲に設定することができる。この絶
縁層は表示層3に微量に含有される不純物等のために生
ずる電流の発生を防止できる利点をも有しており、従っ
て動作を繰り返し行っても液晶化合物を劣化させること
がない。
【0064】次に、本発明の第二の課題に対して提供し
ようとするものは、電極を有する基板間に、高分子マト
リックスとして光学的に活性な高分子液晶化合物を用
い、スイッチング媒体として低分子液晶化合物または低
分子液晶組成物を用いた表示層を有することを特徴とす
る液晶素子である。
【0065】また、本発明の第二の課題に対して提供し
ようとするものは、光源からの光を3原色に分離し、電
極を有する基板間に、高分子マトリックスとして光学的
に活性な高分子液晶化合物を用い、スイッチング媒体と
して低分子液晶化合物または低分子液晶組成物を用いた
表示層を有する液晶素子に投射する手段、該液晶素子に
電圧を印加し駆動する手段、該液晶素子に投射した光の
うち透過光と散乱光を分離する手段、該3原色の透過光
もしくは散乱光を同一スクリーンへ投写する手段からな
ることを特徴とする表示装置である。
【0066】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
よれば、電極を有する基板間に、高分子マトリックスと
して光学的に活性な高分子液晶化合物を用い、スイッチ
ング媒体として低分子液晶化合物または低分子組成物を
用いた表示層を設けることにより、大面積で、コントラ
ストが良好で、輝度が充分でかつ応答特性がすぐれ高精
細な表示を行なうことを可能としてたものである。
【0067】また、本発明は、光源からの光を3原色に
分離し、電極を有する基板間に光学的に活性な高分子液
晶化合物と低分子液晶化合物または低分子組成物を有す
る液晶素子に投射する手段、該液晶素子に電圧を印加
し、駆動する手段、該液晶素子に投射した光のうち透過
光と散乱光を分離する手段、該3原色の透過光もしくは
散乱光を同一スクリーンへ投写する手段からなる表示装
置により、大画面でコントラストの良好な、かつ階調性
のよい表示を行なうことを可能としたものである。
【0068】本発明によれば、電極を有する基板間に、
高分子マトリックスとして光学的に活性な高分子液晶化
合物を用い、スイッチング媒体として低分子液晶化合物
又は低分子液晶組成物を用いるため、高分子液晶化合物
と低分子液晶化合物の界面において、高分子液晶化合物
のキラリティーに寄因しての、らせんねじり力と考えら
れる相互作用によって、立ち下がりの緩和程度が促進さ
れる。また、マトリックスである高分子液晶とスイッチ
ング媒体である低分子液晶化合物との液晶−液晶のイン
タラクションによる界面規制力も、この立ち下がりの緩
和過程を促進する。
【0069】また一方で、マトリックスである高分子液
晶化合物と低分子液晶化合物は屈折率がほぼ同等である
ため、電圧印加時の散乱を抑制することができ、透過率
を大幅に向上させることが可能である。
【0070】本発明の液晶素子の製造法に用いられる1
つの方法は、少なくとも光学的に活性な液晶性重合性モ
ノマー又はオリゴマーと低分子液晶化合物又は低分子液
晶組成物を含む組成物を電極を有する基板間に封入し、
光または熱で重合を行なうことによって、相分離した液
晶素子を得る方法である。本方法における組成物中に
は、光学的に不活性な液晶性重合性モノマー、オリゴマ
ーや非液晶性重合性モノマー、オリゴマー、さらには架
橋性の2官能性、3官能性重合性モノマー等を含んでい
てもよく、重合開始剤等を含んでいてもよい。
【0071】重合開始剤は重合性化合物の0.05〜1
0mol%で用いられる。0.05mol%未満では、
重合収率が充分でない場合があり、10mol%を超え
る場合、重合体の分子量が充分にあがらず、マトリック
スとして充分な性能がなかったり、分解物や開始剤その
ものが液晶性に悪影響を与えたりする場合がある。
【0072】さらに、本発明の液晶素子の製造法に用い
られる他の方法は、光学的に活性な高分子液晶化合物と
低分子液晶化合物又は低分子液晶組成物を含む溶液を塗
布し、溶媒を留去することにより、相分離した化学的に
活性な高分子液晶化合物と低分子液晶化合物又は低分子
液晶組成物を有する液晶素子とする方法である。なお、
本発明の液晶素子は以上2つの製造法に限定されない。
【0073】また、本発明の液晶素子においては、必要
であれば他の重合性モノマー、オリゴマー、他の高分子
化合物、他の高分子液晶化合物、他の低分子化合物(色
素、酸化防止剤、UV吸収剤、重合開始剤、減粘剤等)
を用いることができる。
【0074】また、本発明におけるスイッチング媒体で
ある低分子液晶化合物又は低分子液晶組成物の含有量
は、マトリックス化合物との重量比で5%〜95%、好
ましくは10%〜90%である。5%未満では、コント
ラストが充分とれない場合があり、95%を超える場合
では、マトリックス強度が充分でなく、良好なスイッチ
ングが得られない場合がある。
【0075】本発明に用いられる光学的に活性な高分子
液晶化合物の例としては、以下の繰り返し単位をもつも
のが挙げられる。
【0076】
【化13】
【0077】
【化14】
【0078】
【化15】
【0079】
【化16】
【0080】本発明中の光学的に活性な高分子液晶化合
物は、例えば以上の様な繰り返し単位が含まれ、単一の
繰り返し単位のみから成り立っていてもよく、または複
数種の繰り返し単位から成り立っていてもよい。複数種
の繰り返し単位から成る場合、光学的に活性な単位を少
なくとも一種含んでいればよく、他の繰り返し単位は光
学的に不活性な繰り返し単位であってもよい。
【0081】次に、本発明に具体的に用いられる低分子
液晶化合物の構造および低分子液晶組成物は、前記に示
した
【化1】〜
【化12 】が挙げられるが、これに限定されるもので
はない。
【0082】以下、図面を用いて本発明について更に詳
しく説明する。図3は本発明の液晶素子の一例を示す断
面図である。同図において、基板201,201′はガ
ラス,プラスチック等を用いることができる。基板とし
て用いることができるポリマーフィルムには、下記に示
すようなものが挙げられるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0083】すなわち、低密度ポリエチレンフィルム、
高密度ポリエチレンフィルム(三井東圧化学 ハイブロ
ン等)、ポリプロピレンフィルム(東レ トレファン
等)、ポリエステルフィルム(デュポン マイラー
等)、ポリビニルアルコールフィルム(日本合成化学工
業 ハイセロン等)、ポリアミドフィルム(東洋合成フ
ィルム レイファン等)、ポリカーボネートフィルム
(帝人 テイジンパンライト等)、ポリイミドフィルム
(デュポン KAPTON等)、ポリ塩化ビニルフィルム(三
菱樹脂 ヒシレックス等)、ポリ四ふっ化エチレンフィ
ルム(三井フロロケミカル テフロン等)、ポリアクリ
ルフィルム(住友ベークライト スミライト)、ポリス
チレンフィルム(旭ダウ スタイロシート)、ポリ塩化
ビニリデンフィルム(旭ダウ サランフィルム)、セル
ロースフィルム、ポリフッ化ビニルフィルム(デュポン
テドラー)等が挙げられる。
【0084】基板上には、電極202,202′を形成
するが、該電極には、ITO,SnO2 等の透明電極や
Al,Au,Ag,Cu,Cr等の金属膜が用いられ
る。なお、反射型表示素子としては、電極と反射層を兼
ねていてもよい。電極202,202′は、平面もしく
は所定のパターンで形成される。
【0085】更に、電極の上に表示層203を形成する
が、電極と表示層の界面において配向処理を行なっても
よい。また、絶縁膜を設けてもよい。また、電場や磁場
によって前もって液晶を配向しておくこともできる。
【0086】用いられる表示層の厚みは、通常0.5〜
100μmであり、0.5μm未満ではコントラストが
十分でなく、100μmを越えると駆動電圧が大きいた
めに高速駆動が困難となる。より好ましくは、1〜50
μmの厚さが用いられる。
【0087】このとき、表示層においては、光学的に活
性な高分子液晶化合物は連続したマトリックスを形成
し、低分子液晶化合物または低分子液晶組成物は島状も
しくは管状となり分散している。島もしくは管の径は、
0.1〜10μmが好ましい。島もしくは管の径が0.
1〜10μmの範囲以外の場合では、散乱効率が悪く十
分なコントラストが得られない。より好ましくは、0.
3〜5μmで用いられる。
【0088】図4(a),(b)は本発明の液晶素子の
他の例を示し、図4(a)は液晶素子の平面図、図4
(b)はそのAA′線断面図である。同図4において、
本発明における液晶素子は、ガラス板又はプラスチック
板などからなる一対の基板1,1′(少なくとも一方の
基板が複屈折を有する)をスペーサ4で所定の間隔に保
持し、この一対の基板1,1′をシーリングするために
接着剤6で接着したセル構造を有しており、さらに基板
1′の上には複数の透明電極2′からなる電極群(例え
ば、マトリクス電極構造のうちの走査電圧印加用電極
群)が、例えば帯状パターンなどの所定パターンで形成
されている。また、基板1の上には前述の透明電極2′
と交差させた複数の反射層電極2からなる電極群(例え
ば、マトリクス電極構造のうちの信号電圧印加用電極
群)が形成されている。
【0089】また、電極表面に配向膜を設けてもよく、
また絶縁膜を設けてもよい。絶縁膜は表示層に微量に含
有される不純物等のために生ずる電流の発生を防止でき
る利点を有しており、従って動作を繰り返し行っても液
晶化合物を劣化させることを防止することができる。
【0090】本発明において、反射層を設けてもよく、
Al,Au,Ag等の金属膜もしくは誘電体ミラー等を
用いることができ、その膜厚は0.01〜100μm、
好ましくは0.05〜10μmが望ましい。
【0091】次に、図5は本発明の液晶素子を用いた表
示装置の一例を示す説明図である。同図はシュリーレン
光学系を用いたフルカラー投射型表示装置を示す。
【0092】同図において、光源ユニット301からの
白色光は、ダイクロイックミラー302,302′,3
02″によりR,G,Bの3原色に分類される。分離さ
れた光は、シュリーレンレンズ308,308′,30
8″によって液晶素子303,303′,303″へ投
写される。このとき液晶素子は液晶素子駆動装置307
により電圧が印加され駆動される。この液晶素子は単純
マトリックスや非線形素子を用いたものも用いられる
が、より好ましくは各画素毎にスイッチを有するTFT
タイプのものが表示コントラスト,応答速度,階調表示
の点で優れている。
【0093】ここで選択画素は白濁状態となり、入射光
を散乱し、非選択点は入射光を透過する。この透過光と
散乱光をシュリーレン光学系304,304′,30
4″により分離したところコントラスト100の非常に
良好な表示が得られた。
【0094】この透過光をダイクロイックプリズム30
5によって合成し、投写レンズ306によってスクリー
ンへ投写したところ良好なフルカラー画像が得られた。
【0095】
【実施例】以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明する。
【0096】実施例1 1.1mm厚のガラス基板にITOを2000Åの厚さ
に蒸着した基板に、エポキシ系接着剤を塗布し、その上
に多孔質体の三菱化成工業(株)製:エクセポールE
BSPBX−4(膜厚23μm)をラミネートし、熱硬
化させることにより接着した。上記の多孔質体を真空度
100Paに保った重合装置内に設置し、エタンガスを
70STPml/minの流量で導入しながらプラズマ
重合を行った。10KHzの放電周波数で、100Wの
電力を与え、30分間重合を行った。
【0097】重合後の多孔質体をSEM観察したとこ
ろ、重合前に比べノード近傍の0.5μm以下の細孔部
が封止されていることが確認出来た。次に、上記と同様
の接着剤にガラスファイバースペーサー(日本電気硝子
製、20μmφ)を含有させたものを用いて、同様のI
TO付きガラス基板を貼り合わせることによりセル構造
とした。
【0098】このセルを減圧し、毛管法によりEメルク
社製ネマチック液晶ZLI−2008を含浸注入した。
このセルの上下基板間へ±100V,60Hzの矩形波
を印加したところ、電圧ONで透明状態、電圧offで
白濁状態となり、透明状態の透過率はWランプを光源に
用いて測定すると37%であり、コントラストは20:
1であった。
【0099】比較例1 実施例1において、プラズマ重合処理を除いた以外は、
同様にして作成したセルにEメルク社製ネマチック液晶
ZLI−2008を含浸注入した。
【0100】このセルの上下基板間に100V,60H
zの矩形波を印加したところ、電圧ONで透明状態、電
圧offで白濁状態となり、透明状態の透過率はWラン
プ光源を用いて測定すると30%であり、コントラスト
は10:1であった。
【0101】実施例2 実施例1の多孔質体を旭化成工業(株)製ハイポア30
00(膜厚50μm,気孔率90%)に代え、実施例1
と同様にしてガラス基板上にラミネートし、接着した。
この多孔質体に、 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 50重量部 ベンジルアクリレート 50重量部 1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 1重量部 よりなるモノマー混合物の3wt%メタノール溶液を含
浸後、40℃の乾燥器内で溶媒を脱気乾燥した。
【0102】次に、500Wの高圧水銀灯により、20
cmの距離から3分間紫外線を照射した。実施例1と同
様にSEM観察したところ、ノード近傍の0.5μm以
下の細孔部が封止されていることが確認出来た。その
後、実施例1と同様にしてセルを作成し、減圧下にて、
毛管法によりEメルク社製ネマチック液晶ZLI−20
08を含浸した。
【0103】このセルの上下基板間へ±200V,60
Hzの矩形波を印加したところ、電圧ONで透明状態、
電圧offで白濁状態となり、透明状態の透過率は34
%であり、コントラストは15:1であった。
【0104】比較例2 実施例2において、多孔質体のモノマー溶液の含浸処理
を除いた以外は同様にして作成したセルにEメルク社製
ネマチック液晶ZLI−2008を含浸注入した。
【0105】このセルの上下基板間に±200V,60
Hzの矩形波を印加したところ、電圧ONで透明状態、
電圧offで白濁状態となり、透明状態の透過率はWラ
ンプ光源を用いて測定すると28%であり、コントラス
トは10:1であった。
【0106】実施例3 下記化合物もしくは組成物を混合し、
【0107】
【化17】
【0108】これを70℃にて、セル厚10μmに調製
したセルのITO付透明ガラスの間に毛管法によって注
入した。
【0109】次に、セルを80℃に保って40Wの高圧
水銀ランプを照射し重合を行なった。液晶を等方状態に
して、偏光顕微鏡で観察すると、ポリマーの網目状組織
が観察できた。
【0110】実施例4 下記化合物もしくは組成物を実施例3と同様に重合処理
した。
【0111】
【化18】
【0112】液晶を等方状態にして、偏光顕微鏡で観察
すると、ポリマーの網目状組織が観察された。
【0113】実施例5 下記化合物もしくは組成物
【0114】
【化19】
【0115】をクロロホルム−DMF混合溶媒に溶解
し、ITO透明電極付ガラス基板にキヤスト法により塗
布した。乾燥後、膜厚を測定すると8.7μmであっ
た。さらに上面にITO透明電極を取り付けた。液晶を
等方状態にして、偏光顕微鏡で観察すると、ポリマーの
網目状組織が観察できた。
【0116】実施例6 実施例3〜5で作成した液晶素子にAC電圧(25V、
500Hg)を加えた場合の立ち上がり時間(光量変化
0→90%)Tr、立ち下がり時間(光量変化100%
→10%)Tdを下記の表1に示す。また、コントラス
ト比を表2に示す。
【0117】
【表1】
【0118】
【表2】
【0119】実施例7 実施例3の液晶素子において、昇圧過程におけるしきい
値電圧(0→50%)における透過率は、該電圧値を降
圧過程で印加したときの透過率の54%であった。コレ
ステリック液晶を用いる素子にくらべ、格段にヒステリ
シスが改善された。
【0120】実施例8 実施例3の液晶素子を用いて、図5に示す表示装置を作
成し、スクリーン上のコントラストを測定したところ、
37:1と良好なコントラストが得られた。
【0121】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高分子多孔質体中のノード近傍を封止した後に、低分子
液晶を含浸させて表示層とすることにより、未含浸の領
域がなくなるため、光透過率の向上した大面積でかつ良
好なコントラストの表示が可能となる効果が得られる。
【0122】また、本発明によれば、従来の高分子分散
型素子にくらべ、光学的に活性な高分子液晶化合物を用
いるため、散乱特性の優れたコントラストの良好な、ま
た立ち下がり応答特性の良好な液晶素子を得ることがで
きる。また、該液晶素子を用いることにより、良好な表
示装置を製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明の液晶表示素子の他の例を示し、図2
(a)は液晶表示素子の平面図、図2(b)はそのA
A′線断面図である。
【図3】本発明の液晶素子の一例を示す断面図である。
【図4】本発明の液晶素子の他の例を示し、図4(a)
は液晶素子の平面図、図4(b)はそのAA′線断面図
である。
【図5】本発明の液晶素子を用いた表示装置の一例を示
す説明図である。
【符号の説明】
1,1′,101,101′ 基板 2,2′ 透明電極 3,103 表示層 4 スペーサ 5 配向制御膜 6 接着剤 7,8 偏光板 102,102′ 電極 104 高分子多孔質体 105 低分子液晶化合物 106,106′ 接着層 201,201′ 基板 202,202′ 電極 203 表示層 204 低分子液晶化合物または低分子液晶組成物 205 光学的に活性な高分子液晶 301 光源ユニット 302,302′ ダイクロイックミラー 303,303′,303″ 液晶素子 304 シュリーレン光学系 305 ダイクロイックプリズム 306 投写レンズ 307 液晶素子駆動装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 江口 岳夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大西 敏一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 柴田 烈 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極を有する基板間に、高分子多孔質体
    中に低分子液晶化合物を含浸した表示層を挾持してなる
    液晶表示素子において、表示層が細孔の一部を予め封止
    した高分子多孔質体に低分子液晶化合物を含浸させてな
    ることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】 高分子多孔質体のノードの周囲の細孔を
    予め封止することを特徴とする請求項1記載の液晶表示
    素子。
  3. 【請求項3】 封止する細孔の細孔径が0.5μm以下
    であることを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 電極を有する基板間に、高分子マトリッ
    クスとして光学的に活性な高分子液晶化合物を用い、ス
    イッチング媒体として低分子液晶化合物または低分子液
    晶組成物を用いた表示層を有することを特徴とする液晶
    素子。
  5. 【請求項5】 電極を有する基板間に、光学的に活性な
    液晶性重合モノマーまたはオリゴマーと低分子液晶化合
    物または低分子液晶組成物を含有する組成物を封入し、
    前記液晶性重合モノマーを重合せしめることを特徴とす
    る請求項4記載の液晶素子。
  6. 【請求項6】 塗布法により形成した光学的に活性な高
    分子液晶化合物と低分子液晶化合物または低分子液晶組
    成物を有する薄膜を有することを特徴とする請求項4記
    載の液晶素子。
  7. 【請求項7】 光源からの光を3原色に分離し、電極を
    有する基板間に、高分子マトリックスとして光学的に活
    性な高分子液晶化合物を用い、スイッチング媒体として
    低分子液晶化合物または低分子液晶組成物を用いた表示
    層を有する液晶素子に投射する手段、該液晶素子に電圧
    を印加し駆動する手段、該液晶素子に投射した光のうち
    透過光と散乱光を分離する手段、該3原色の透過光もし
    くは散乱光を同一スクリーンへ投写する手段からなるこ
    とを特徴とする表示装置。
JP10847492A 1992-04-02 1992-04-02 液晶表示素子、液晶素子および表示装置 Pending JPH05281521A (ja)

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